第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当中間会計期間における世界経済は、米国の景気後退懸念はあるものの、多くの国でインフレが落ち着き、実質賃金が改善し、底堅い成長を維持しております。しかし国際対立・紛争など、様々な不透明な状況は依然続いております。

わが国製造業においては、7月以降に円高進行に転じたものの、底堅い設備投資需要、インバウンド需要の増加、個人消費の回復等、景況感は改善しております。経済協力開発機構(OECD)は、9月に発表した経済見通しで、2024年の日本の経済成長率見通しを上方修正しました。

一方、原料高等によるコスト増、人手不足や米国大統領選後の動向など不透明な要因も混在しております。

このような状況下、当社は、前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の「経営方針」の取組内容を見直すとともにその実行力を強化しながら、売上高が外部環境に大きく影響を受けにくい企業体質へ転換を図る、新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)をスタートしました。「経営方針」としては「チームワークと実行力の強化!」をスローガンに、各方針を推進しております。

 

① 新規開拓に向けた営業力の強化

② 環境への対応と未来への商品開発

③ 生産力の強化と人材育成

 

ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、パルスインジェクター®(以下、PIJという)及びレジャー分野並びに金型の売上高は伸び悩んだものの、その他の主力分野の売上高は前年同期比で増加いたしました。

同関連事業の分野別状況は以下のとおりです。

映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、「レンズ交換式」の約80%(数量)を占める「ミラーレス」は引き続き堅調に推移いたしました。当社においては、ミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、売上高は前年同期比で増加いたしました。

OA機器分野は、金型の売上高が第1四半期に寄与し、複写機向け成形品が比較的堅調に推移したことから前年同期比で増加いたしました。

産業機器分野は、遅れていた新機種の一部が量産を開始し売上高に寄与したことなど前年同期比で増加いたしました。

レジャー分野は、新機種の売上高が寄与したものの、第2四半期の売上高が低調に推移したため、前年同期比で減少となりました。

PIJは、引き続き、大学研究室及び各企業の研究・開発部門を中心に研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。

マクロ・テクノロジー関連事業については、国内の積極的な設備投資やバブル期からの受電設備のリニューアル需要もあり、樹脂成形品、樹脂成形材料ともに前期の売上高は堅調に推移しておりましたが、当中間会計期間においては受注が低調に推移したことにより、前年同期比で大幅に減少いたしました。

地球環境や環境政策なども視野に入れた新商品「PasCom」(バイオマスプラスチック複合材料)及びカットコーム「PASCOMB(パスコーム)」については数年内の業績寄与は厳しい状況ですが、引き続きビジネス探索を行い、売上高拡大へ向けて改良、応用製品への展開を進めております。

 

一方、「新規開拓に向けた営業力の強化」については、顧客訪問件数は進捗状況の共有化、見える化を推進しております。自社活動と商社連携活動の両輪により、顧客との直接対話を増やしながら、積極的な受注活動を行ってまいります。

展示会は、10月に東京ビッグサイトにて開催された「エヌプラス(N-Plus)2024」に出展いたしました。

利益面においては、売上高は微増となり、また製造経費や販売費及び一般管理費も抑えられましたが、前年同期に好調であったマクロ・テクノロジー関連事業の生産量が減少したことやナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業のセグメント利益が前年同期比で減少したことから売上総利益は減益となりました。

 

以上の結果、当中間会計期間の売上高は439百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は20百万円(前年同期比39.2%減)、経常利益は21百万円(前年同期比36.3%減)、中間純利益は16百万円(前年同期比39.7%減)となりました。

 

当中間会計期間セグメントの業績は次のとおりであります。

 

①ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業

ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当中間会計期間の売上高は348百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益は157百万円(前年同期比3.5%減)となりました。

②マクロ・テクノロジー関連事業

マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当中間会計期間の売上高は81百万円(前年同期比16.0%減)、セグメント利益は22百万円(前年同期比24.8%減)となりました。

③その他事業

その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当中間会計期間の売上高は8百万円(前年同期比155.2%増)、セグメント利益は1百万円(前年同期比494.3%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当中間会計期間末における資産は、2024年3月期末より32百万円減少し、1,710百万円となりました。

これは、主に現金及び預金の増加55百万円、受取手形及び売掛金の減少67百万円、有形固定資産の減少20百万円によるものです。

 

(負債)

負債合計は、2024年3月期末より48百万円減少し、143百万円となりました。

これは、主に買掛金の減少24百万円、未払法人税等の減少4百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等の減少10百万円及び未払費用の減少3百万円によるものです。

 

(純資産)

純資産は、2024年3月期末より16百万円増加し、1,567百万円となりました。

これは、中間純利益16百万円の計上によるものです。

 

 また、自己資本比率は、2024年3月期末に比して2.6ポイント増加して91.6%となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 

当中間会計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ55百万円増加し、当中間会計期間末には318百万円となりました。

 

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間純利益21百万円に減価償却費26百万円、売上債権の減少67百万円等を加減した結果、63百万円となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により、6百万円の支出となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出により、1百万円の支出となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間会計期間における研究開発活動の金額は26百万円であります。

なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 主要な設備

当中間会計期間において重要な設備の取得、除却、売却などはありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。