第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間における当社を取り巻く経営環境につきましては、国内経済は、物価高の影響から個人消費が弱含むも企業の設備投資は底堅く推移し、緩やかに回復している状況にあります。海外経済は、旺盛な設備投資や個人消費の伸びを背景とした米国経済の底堅さや、経済政策効果を背景とした中国経済の復調がみられる一方で、ドイツを中心とした欧州の景気低迷ならびに地政学的リスク及び主要国の経済政策により、需給バランスに対する不確実性が継続している状況にあります。回復基調が継続していた情報通信市場、半導体市場、エレクトロニクス市場につきましては、業種に需要の一巡や在庫調整を背景に一部に投資抑制の動きがみられるようになりました。なお、当社が取り扱う主要貴金属価格の需給を背景とした変動や、各国中央銀行の金融政策を背景とした為替変動が複合的に作用し、当社の売上、利益に影響しております。

このような状況のもと、当中間連結会計期間において、売上高26,822百万円(前年同期比27.0%増)、売上総利益7,872百万円(前年同期比19.0%増)、営業利益5,866百万円(前年同期比28.8%増)、経常利益5,642百万円(前年同期比31.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益3,894百万円(前年同期比30.4%増)となりました。

セグメント別の業績は以下のとおりであります。

なお、セグメントにつきましては前第3四半期連結会計期間より、事業内容をより適正に表示するために、報告セグメントの名称を「ケミカル」から「ファインケミカル・リサイクル」に変更しております。また、量的重要性の観点から、当社製品の受注に関係しない主要な貴金属原材料の販売につきましては、「サプライチェーン支援」として報告セグメントに記載する方法に変更しております。

 

[電子]

海外の医療用シンチレーター(放射線に当たると、蛍光を発生する物質)の単結晶育成装置向けイリジウムルツボ受注は堅調に推移いたしました。データセンター間の光通信用アイソレーター(順方向に進む光のみ透過し、逆方向の光を遮断する部品)の光学結晶育成装置向けイリジウムルツボの需要が高まる一方で、スマートフォン用SAWデバイスのリチウムタンタレート単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注回復の足取り重く、売上高3,380百万円(前年同期比10.6%増)、売上総利益1,251百万円(前年同期比1.7%減)となりました。

[薄膜]

データセンターの記憶媒体として使用されるHD(ハードディスク)向けスパッタリングターゲットの受注は、前連結会計年度の第4四半期より回復基調が継続しており、売上高5,339百万円(前年同期比31.3%増)、売上総利益2,055百万円(前年同期比15.7%増)となりました。

[サーマル]

半導体製造向けの底堅い交換需要があるものの、半導体製造装置メーカーや海外半導体メーカーにおいて投資抑制や在庫調整の動きがみられ、売上高2,321百万円(前年同期比25.3%減)、売上総利益765百万円(前年同期比41.1%減)となりました。

[ファインケミカル・リサイクル]

顧客の在庫調整を背景に有機EL向け化合物や化学プラント向け化合物の受注回復の足取りは重かったものの、苛性ソーダ製造等に使用される電極向け貴金属化合物の受注が大きく改善し、売上高13,589百万円(前年同期比100.9%増)、売上総利益3,764百万円(前年同期比89.5%増)となりました。

[サプライチェーン支援]

当社製品の受注に関係しない貴金属原材料の需要にも一服感がみられ、売上高1,549百万円(前年同期比61.5%減)、売上総利益は前年同四半期比275百万円減少し、1百万円の損失となりました。

 

 

 

(2)財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は128,523百万円(前連結会計年度末比15,801百万円の増加)、総負債は66,414百万円(前連結会計年度末比14,204百万円の増加)、純資産は62,109百万円(前連結会計年度末比1,596百万円の増加)となりました。

①流動資産

当中間連結会計期間末における流動資産残高は104,761百万円となり、前連結会計年度末比13,333百万円増加しました。これは原材料及び貯蔵品が13,885百万円増加したことが主な要因であります。

②固定資産

当中間連結会計期間末における固定資産残高は23,761百万円となり、前連結会計年度末比2,468百万円増加しました。これは土地が1,048百万円、建設仮勘定が794百万円増加したことが主な要因であります。

③流動負債

当中間連結会計期間末における流動負債残高は51,516百万円となり、前連結会計年度末比6,567百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金が4,384百万円増加したことが主な要因であります。

④固定負債

当中間連結会計期間末における固定負債残高は14,898百万円となり、前連結会計年度末比7,637百万円増加しました。これは長期借入金が7,655百万円増加したことが主な要因であります。

⑤純資産

当中間連結会計期間末における純資産残高は62,109百万円となり、前連結会計年度末比1,596百万円増加しました。これは利益剰余金が1,553百万円増加したことが主な要因であります。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、10,055百万円となりました。なお、当中間連結会計期間における項目別のキャッシュ・フローは、次のとおりであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動により使用した資金は7,504百万円となりました。これは税金等調整前中間純利益が5,642百万円ありましたが、棚卸資産の増加による支出が15,210百万円あったことが主な要因であります。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動により使用した資金は2,455百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が1,940百万円、無形固定資産の取得による支出が497百万円あったことが主な要因であります。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動により獲得した資金は7,719百万円となりました。これは短期借入れによる収入が1,000百万円、長期借入れによる収入が11,000百万円、長期借入金の返済による支出が1,834百万円、配当金の支払による支出が2,351百万円あったことが主な要因であります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は495百万円であります。なお、当中間連結会計期間における研究開発活動において重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。