第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「お客様の繁栄を売ろう  ~より良い稼働  より高い信頼~」という企業理念を掲げ、パチンコ・パチスロファン、パチンコホールの皆様にとって魅力ある商品力を備えた遊技機と、付加価値の高いサービスの提供を通じて、お客様の繁栄に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略および目標とする経営指標

当社グループの中期的な経営戦略につきましては、主力事業であります遊技機事業の充実を図り、さらなる成長を目指してまいります。具体的には、パチンコ・パチスロ遊技機では、遊技者目線に立った機種開発を行い、商品力を高め、稼働実績ならびに販売実績を積み上げてまいります。

なお、当社グループでは「経常利益」を重要視しており、安定した収益の確保を目指してまいります。

 

(3)経営環境および対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、通商政策などアメリカの政策動向による影響や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響による下振れリスクがあるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されます。

遊技機業界におきましては、遊技機メーカーによる「スマート遊技機」の普及促進が行われているなかで、新たなゲーム性を提供する新機能として、パチンコ遊技機では「ラッキートリガー3.0プラス」、パチスロ遊技機では「ボーナストリガー」を搭載した機種の市場投入が予定されており、より一層の「スマート遊技機」の普及と市場環境活性化への期待が見込まれております。

当社グループといたしましては、「ブランド力の向上」と「人財育成」を最重点課題としたうえで、引き続き、市場トレンドの先端を行く機種開発に取り組み、お客様に支持される遊技機を安定的に供給することにより、販売台数の確保に努めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループはサステナビリティを巡る課題への対応が、各ステークホルダーにとっての重要性と、当社グループにとってのリスクの減少や収益機会にもつながる、重要な経営課題であるという2つの視点で評価・認識するとともに、中長期的な企業価値の向上の観点から、課題の抽出および課題解決のために積極的・能動的な議論を行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、経営管理本部長を責任者として管理部にて各事業所のCSR活動の状況について取りまとめ、年1回、取締役会にて報告しております。また、取締役会においては、昨今のESGに対する企業の対応が重視されていることをふまえ、企業を取り巻く環境の変化に迅速かつ適切に対応するための経営上の組織体制や仕組みの整備、その他必要な施策等について継続的に協議しております。

 

(2)リスク管理

 当社グループは、リスク管理マニュアルを作成し、リスク管理に関する統括責任者を経営管理本部長と定めております。経営管理本部長の指示のもと、各部門は半年ごとにサステナビリティに関するリスクを含むリスク項目の評価および新たなリスクの洗い出しを行っております。経営管理本部長は、その中から特に重要と思われる項目を抽出し、「全社リスク管理状況報告書」として取締役会に報告し、取締役会はその内容について認識・評価しております。サステナビリティに関する機会については、取締役会において、使用済み遊技機の部品のリユース促進等の施策についての協議を経て、機会の状況を随時把握し事業戦略へ反映することができるよう管理しております。

 

 

(3)人的資本

①戦略

 当社グループは、従業員がいきいきと働き、継続的に活躍できる職場環境づくりやワークライフバランスの実現に向けて、育児・介護等に関する支援制度の整備を推進しております。また、多様性の確保については、女性労働者の新規採用に注力しております。なお、従業員を国籍、性別、年齢等に関係なく、能力、実績によって公正に評価しており、採用、処遇および給与の面で男女の差は設けておりません。

 中長期的な企業価値の向上に向けて、人材育成方針や社内環境整備方針については積極的な検討を行ってまいります。

 

②指標及び目標

 当社グループは、女性活躍推進法および次世代育成支援対策推進法に基づき「株式会社藤商事 一般事業主行動計画 第6回」を策定し、以下の内容について目標を設定しております。

指標

実績(当連結会計年度)

目標(2026年3月31日

採用する労働者における女性労働者の割合

13.89

20%以上

育児休業期間の改正

子が3歳になるまで

取得可能

子が3歳になるまで

取得可能

男性社員の育児休業取得

取得率60

取得率40

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制について

当社グループの主力事業である遊技機事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」および関連諸法令(以下「風営法等」という)による規制を受けております。このため風営法等の改廃や新たな法令等が制定された場合、または風営法等に違反する何らかの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、パチンコ遊技機およびパチスロ遊技機など(以下「遊技機」という)の製造・販売に際しては、風営法等で定める「技術上の規格」への適合について、指定試験機関による型式試験および各都道府県公安委員会による検定を受ける必要があります。このため、型式試験および検定の期間が長期間にわたる場合、または適合に至らなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)経営成績の変動について

①  市場環境の変化について

当社グループの主力事業である遊技機事業において、遊技機の販売先はパチンコホールなどであります。

当社グループでは、市場環境などの情報を収集し、精度の高い販売計画を作成しておりますが、大規模災害の発生や感染症の流行などに伴う社会的・経済的環境の著しい変化によってパチンコホールの経営環境が悪化し、需要の低下など遊技機市場の縮小を招いた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②  同業他社との競合について

パチンコホールにおける遊技機の購入につきましては、厳しい経営環境を背景に、安定稼働が見込める機種を選択する傾向が継続しており、全体的な傾向として、1機種当たりの販売台数は減少しております。

当社グループでは、今までの習慣や常識にとらわれず、斬新な発想やアイデアを積極的に採り入れたものづくりを推進しておりますが、当社グループ製品の販売時期が同業他社の話題性の高い機種と重なった場合など競合の状況によっては、実際の販売台数が当初販売見込みから大幅に乖離し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)棚卸資産評価・廃棄損の発生について

当社グループは、基本的には製品の受注動向を見ながら生産を行っておりますが、生産から納品までが非常に短期間であるため、調達に長期間を要する部材については、段階的に先行発注しております。

当社グループでは、部材の共通化や仕入先との関係強化による調達期間短縮への取り組みなど部材在庫の削減への対策を実施しておりますが、新製品の販売が販売見込みを大幅に下回った場合、多額の棚卸資産評価・廃棄損の発生により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4)製品の不具合の発生について

当社グループは、2005年3月期において「製品自主回収関連損失」および「棚卸資産評価損」などとして多額の特別損失を計上しております。これは、2004年11月に販売したアレンジボール遊技機の取付け部品に不具合が生じたことにより全台を自主回収したことによるものであります。

当社グループは、この不具合による全台自主回収を厳粛に受け止め、研究開発体制の再構築と品質管理の徹底に取り組み、再発防止に向けて努力しております。

しかしながら、今後販売する遊技機に万一重大な不具合が発生した場合には、多額の損失の発生や信用低下により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5)知的財産権などについて

当社グループは、遊技機での特許権などの使用について、遊技機の特許権などを管理する団体等に、特許等使用料の支払いをしております。また、肖像権・著作権などの知的財産権全般について、他者権利に抵触していないかどうかの調査を企画・開発段階から行っております。

しかしながら、特許等使用料の大幅な変動や、当社グループの認識しない知的財産権が成立した場合には、権利保有者による損害賠償等の請求などにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、タレント、キャラクターなどの肖像権・著作権などの使用については、遊技機メーカー間の競合の激化などから使用許諾料が高額化する傾向にあります。他の遊技機メーカーとの競合などにより、使用許諾料が高騰した場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)個人情報の管理について

当社グループでは、会員制ウェブサイトを運営しており、多数の個人情報を有しております。個人情報保護法に基づき、個人情報の取扱いについては、徹底した管理を行っておりますが、万一これら個人情報が流出した場合には、損害賠償請求や信用低下などにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)大規模災害等の発生について

①  生産活動について

当社グループの製品は、名古屋事業所の1ヶ所で製造しております。このため、地震、火災、風水害などによる大規模災害により、製造ラインに著しい損傷などが発生した場合や、感染症の流行などにより事業活動を停止せざるを得ない場合には、製品の製造、出荷が一時的または長期的に停止する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、製品の製造、出荷が停止した場合であっても、その損害を最小限に抑えるよう、名古屋事業所にて防災訓練を実施し、防災・減災・復旧に向けた取り組みに努めております。

 

②  部材の調達について

当社グループ製品に使用する部材のうち、調達先が限定されているものや調達先の変更が困難なものがあります。

当社グループでは、これらの部材について、在庫確保や早期手配リスクを加味した仕入先との綿密な納入計画調整を行っておりますが、大規模災害の発生や感染症の流行など何らかの理由により、供給遅延などが生じた場合には、製品の製造、出荷が一時的または長期的に停止する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8)繰延税金資産について

当社グループでは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(9)固定資産の減損について

当社グループでは、減損の兆候がある資産グループについて、将来キャッシュ・フローから判断して減損損失の要否を判定しており、使用価値と正味売却価額とを比較して、回収可能価額を決定しております。使用価値の算定上、将来の事業計画において、遊技機の予想販売台数が重要な仮定であり、過去の販売実績からの趨勢を考慮して決定しております。見積りおよび仮定について事業計画や市場環境の変化により、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度において減損損失が発生する可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、通商政策などアメリカの政策動向による影響や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分留意することが必要な状況にあるものの、雇用・所得環境が改善するもとで各種政策の効果もあり、景気はこのところ緩やかに回復しております。

パチンコホール業界におきましては、のめり込み防止や依存症対策として、さまざまな施策を通じてファンの皆様がパチンコ・パチスロをより安心・安全に楽しめる環境づくりを推進しております。

遊技機業界におきましては、ゲーム性や遊技環境、セキュリティの向上などに寄与するとされる「スマート遊技機」の普及促進が行われているなかで、パチスロ遊技機ではスマートパチスロが市場を牽引する形で稼働は回復しており、当社グループを含めたパチスロメーカー各社から発売される主要な機種の多くがスマートパチスロとして発売されております。パチンコ遊技機では新しい出玉の波を創出する機能「ラッキートリガー」を搭載した機種が市場投入され好調な稼働実績を残すタイトルもみられ、市場環境の活性化への期待が見込まれております。

このような状況のもと、当社グループといたしましては、「ブランドの強化」と「経営基盤の強化」を最重点課題としたうえで、引き続き、市場トレンドの先端を行く機種開発に取り組み、お客様に支持される遊技機を安定的に供給することにより、販売台数の確保に努めております。

 

当連結会計年度におきましては、当社の新規タイトルとしてパチンコ遊技機では4機種、パチスロ遊技機では2機種を市場投入いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高345億97百万円(対前年同期比6.5%減)、営業利益31億92百万円(同34.6%減)、経常利益34億6百万円(同30.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益25億68百万円(同29.5%減)となりました。

 

製品別の状況は次のとおりであります。

 

(パチンコ遊技機)

上半期では、前連結会計年度に発売した「P FAIRY TAIL これが七炎竜の力だ」(2024年4月導入)が本格的に導入開始されたことに加えて、新規タイトルとして「P魔王学院の不適合者」(2024年5月発売)、「P貞子」(2024年6月発売)、「Pとある科学の超電磁砲2」(2024年7月発売)を市場投入したほか、前連結会計年度に発売したその他シリーズ機種などを継続販売いたしました。

また、下半期では、新規タイトルとして、「P世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」(2024年12月発売)を市場投入いたしました。また、「Pとある魔術の禁書目録2 Light PREMIUM 2000 ver.」(2025年1月発売)など、その他シリーズ機種を継続販売いたしました。

以上の結果、販売台数は74千台(対前年同期比22.3%増)、売上高は270億22百万円(同13.8%増)となりました。

 

(パチスロ遊技機)

パチスロ遊技機では、新規タイトルとして「スマスロ ゲゲゲの鬼太郎 覚醒」(2024年7月発売)、「スマスロ 一方通行 とある魔術の禁書目録」(2024年11月発売)を市場投入いたしました。

以上の結果、販売台数は17千台(対前年同期比39.1%減)、売上高は75億75百万円(同42.8%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は324億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億59百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が14億17百万円増加したことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産が17億46百万円、電子記録債権が6億56百万円減少したことによるものであります。固定資産は207億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億85百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が39億98百万円増加したことに対し、繰延税金資産が7億46百万円、長期前払費用が3億79百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は531億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億25百万円増加いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は45億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億49百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が16億30百万円、未払金が2億28百万円減少したことによるものであります。固定負債は18億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億38百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債が5億49百万円増加したことに対し、退職給付に係る負債が4億12百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は63億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億11百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は467億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ38億37百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益25億68百万円、その他有価証券評価差額金の増加23億7百万円および剰余金の配当11億49百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は88.0%(前連結会計年度末は83.6%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、215億51百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は46億11百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益33億76百万円、売上債権の減少額24億3百万円などが増加の要因であり、仕入債務の減少額16億円、法人税等の支払額8億75百万円などが減少の要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は20億25百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の売却による収入49百万円などが増加の要因であり、有形固定資産の取得による支出12億50百万円、投資有価証券の取得による支出6億3百万円などが減少の要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は11億68百万円となりました。

これは主に、配当金の支払額11億49百万円などが減少の要因であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、遊技機事業の単一セグメントにより構成されておりますが、当連結会計年度の製品別に生産実績を示すと、次のとおりであります。

製品別

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

パチンコ遊技機

26,463

115.0

パチスロ遊技機

7,659

66.9

合計

34,122

99.1

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注状況

当社グループは、基本的に製品の受注動向を見ながら生産を行っておりますが、生産から納品までが非常に短期間であることなどから、初期受注分については、見込み生産を行っております。また、総受注に占める初期受注分の割合が大半であることから、受注状況の記載は営業実態を表さないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当社グループは、遊技機事業の単一セグメントにより構成されておりますが、当連結会計年度の製品別に販売実績を示すと、次のとおりであります。

製品別

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

パチンコ遊技機

27,022

113.8

パチスロ遊技機

7,575

57.2

合計

34,597

93.5

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績の分析

a.売上高

売上高については、前連結会計年度の369億83百万円から23億85百万円減少し、345億97百万円(対前期比6.5%減)となりました。

当連結会計年度の製品別売上高は、パチンコ遊技機において270億22百万円(同13.8%増)、パチスロ遊技機において75億75百万円(同42.8%減)であります。

なお、各製品別の販売台数は次のとおりであります。

 

(パチンコ遊技機)

《機種別販売台数》

前連結会計年度

 

 

当連結会計年度

 

Pとある魔術の禁書目録(インデックス)2

18千台

 

Pとある科学の超電磁砲2

19千台

Pリング 呪いの7日間3

9千台

 

P魔王学院の不適合者

10千台

他6機種

23千台

 

他3機種

14千台

その他

10千台

 

その他

29千台

    計

61千台

 

    計

74千台

 

パチンコ遊技機については、多様化するファンのニーズにマッチした「ヒト味違う」多種多様なジャンルの遊技機を新たに5機種市場投入し、販売台数は74千台(対前期比22.3%増)となりました。

 

(パチスロ遊技機)

《機種別販売台数》

前連結会計年度

 

 

当連結会計年度

 

Lゴブリンスレイヤー

15千台

 

スマスロ ゲゲゲの鬼太郎

10千台

スマスロ とある魔術の禁書目録(インデックス)

11千台

 

スマスロ 一方通行 とある魔術の禁書目録

7千台

他2機種

1千台

 

 

 

    計

29千台

 

    計

17千台

 

パチスロ遊技機については、新規タイトルとして2機種を市場投入し、販売台数は17千台(対前期比39.1%減)となりました。

 

b.売上原価

売上原価については、前連結会計年度の174億80百万円から5億45百万円減少し、169億35百万円(対前期比3.1%減)となりました。

また、売上原価率は、前連結会計年度の47.3%から1.6ポイント上昇し、48.9%となりました。

これは、主として材料費率の上昇などによるものであります。

 

 

c.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費については、前連結会計年度の146億21百万円から1億51百万円減少し、144億70百万円(対前期比1.0%減)となりました。

これは、主として研究開発費の減少1億14百万円(同1.5%減)などによるものであります。

また、売上高に占める販売費及び一般管理費の割合は、前連結会計年度の39.5%から2.3ポイント上昇し、41.8%となりました。

 

d.営業利益

営業利益については、売上高の減少などにより、当連結会計年度においては営業利益31億92百万円(対前期比34.6%減)となりました。

 

e.営業外収益、費用

営業外収益については、受取配当金や受取賃貸料などにより2億31百万円となりました。

営業外費用については、シンジケートローン手数料や賃貸収入原価などにより16百万円となりました。

 

f.経常利益

経常利益については、当連結会計年度において経常利益34億6百万円(対前期比30.8%減)となりました。

 

g.特別利益、損失

特別利益については、固定資産売却益などにより33百万円となりました。

特別損失については、減損損失や固定資産除却損などにより64百万円となりました。

 

h.税金費用

法人税、住民税及び事業税7億39百万円、法人税等調整額68百万円により、8億8百万円となりました。

 

i.親会社株主に帰属する当期純利益

上記aからhの要因により、当連結会計年度においては、25億68百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要について、運転資金、設備投資資金ともに、原則として自己資金で賄うことを基本としております。

運転資金需要の主なものは、原材料の仕入、研究開発費、納税による支払などであります。設備投資資金需要の主なものは、機械及び装置、新規金型の取得などであります。これらは、生産性の向上などを目的としており、今後も発生する可能性があります。

これらの資金管理については、販売計画、生産計画、設備投資計画をもとに資金需要に対応すべく資金計画を作成し、管理しております。

また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と総額100億円の貸出コミットメント契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度における借入実績はありません。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、「お客様の繁栄を売ろう  ~より良い稼働  より高い信頼~」の企業理念のもと、当社のものづくりの方向性を示すコーポレートスローガン「ヒト味違う“オモシロ”さ!」を基本姿勢とした研究開発活動を、経営の最重要課題の一つと位置づけ、これまでの「新規性」を重視した機種開発に加え、プレーヤー・ホール・当社グループの三者相互コミュニケーション、“想い”の実現を見据えた研究開発活動を行っております。

当連結会計年度末における研究開発体制は、207名のスタッフからなっており、研究開発費の総額は7,458百万円となっております。

 

(パチンコ遊技機)

パチンコ遊技機につきましては、上半期では、「P魔王学院の不適合者」、「P貞子」、「Pとある科学の超電磁砲2」を市場投入し、下半期では、「P世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」を市場投入したほか、その他シリーズ機種を継続販売いたしました。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、60億57百万円となっております。

 

(パチスロ遊技機)

パチスロ遊技機では、「スマスロ ゲゲゲの鬼太郎」、「スマスロ 一方通行 とある魔術の禁書目録」を市場投入いたしました。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、14億円となっております。