第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、1978年12月の設立以来、「科学技術を通じて最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとり創造を実現する」の社訓の下、その実践のため以下の内容を経営理念として掲げ、役職員一丸となって取り組んでおります。

① 当社は、開発力の向上及び生産技術の改善に取り組み、顧客により良い製品及び技術を提供することで顧客満足の最大化を目指してまいります。

② 当社は、持続した健全性・成長性を兼ね備えた事業に取り組み、企業価値の最大化に努めてまいります。

③ 最先端・高純度化学材料の開発・製造・販売を事業としている当社は、「化学物質が環境に与える影響の大きさ」を正しく認識し、顧客・社員の安全性向上や健康増進を常に念頭に置き、かつ、「環境保全活動への取り組み」を経営の最重要課題の一つと位置づけ、事業活動を行うことといたします。

④ 当社は、従業員ひとりひとりが高い誇りと責任感をもって働くことの出来る公正かつ開かれた企業風土を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えております。そのため売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標とし、第42期(2020年1月期)を初年度とする中期経営計画においては、3年間で売上を約39%増加させるとともに、営業利益率は25%超の水準を維持することを目標としております。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましては、各種データ量の増加や、AIや車載等に向けた用途の拡大を受け、2019年の前半は若干の生産調整局面を迎える可能性はありますが、年の後半にかけてはアジア諸国を中心として徐々に底堅い動きを回復するものと見込まれており、また、半導体の高性能化による製造プロセスの変更や、それに伴う新規化学材料の開発及び市場への投入が継続して求められる環境下にあると認識しております。

そのような中、当社グループは中長期的な成長・拡大路線の維持、また、厳しい経営環境下においても耐えうる市場競争力の維持に向けて中期経営計画を策定し、以下の事項を経営戦略の基本方針とした事業展開を行うことにより、継続的成長の達成を目指すとともに企業価値の最大化に努めてまいります。

まず、開発・製造部門と販売部門、品質管理部門との連携をより深め、業務改革を推進してまいります。

さらに、優秀な人材の確保と教育や新規の設備投資、改良を推し進めることで、生産能力や効率の向上のみならず、超高純度・高付加価値のウルトラファインケミカルサプライヤーとして、安全・品質管理面においても積極的に設備強化・体質改善を図り、さらなる業容の拡充に努めてまいります。

また、台湾子会社における新工場の立ち上げを当社グループのグローバル戦略の最重要課題のひとつと位置付け、早期の事業化を目指してまいります。

次に、販売面におきましては、子会社・関係会社等グループ全体でのシナジーを強化し、海外、特に台湾や韓国に向けた新規商権の獲得を目指し、事業の効率化や、安定した拡大成長路線の継続を図ってまいります。

また、継続的な海外進出や設備増強等を可能とすべく、財務体質の健全化を推し進め、強固な経営基盤の構築に努めてまいります。

最後に、コーポレートガバナンス体制をより一層強化し、経営の透明性と効率性を高めることで、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業内容を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の業界に依存していることについて

① 半導体業界への依存について

当連結会計年度の売上高は半導体市場向けが高い割合を占めており、半導体業界の動向に大きく影響される傾向にあります。当連結会計年度において、日本、台湾、韓国の大手半導体デバイスメーカー向け売上高が50%超(ディーラー経由での販売も含む)を占めており、これらのメーカーの生産動向が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、半導体製造前工程のCVD工程及びエッチング工程を得意とする当社グループは、シリコンウェハの生産動向に特に大きく影響を受ける傾向にあります。

当社グループでは、そうしたリスクを防止あるいは分散するため、半導体市場のうち、刻々と変化する先端開発分野における変化を先取りするとともに、市況サイクルの異なる国内市場と海外市場のバランスを取りつつ、他方、これまでの半導体業界依存の軽減のため、新規分野に向けた材料の開発等にも注力し対処していく所存であります。

しかしながら、今後市況が大きく変化し、縮小傾向に転じた場合、又は業界の技術革新に当社グループが追随出来ない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② 特定の製品への依存について

当連結会計年度における当社グループの売上高については、半導体向け材料の中でも、特に高誘電率絶縁膜材料といわれる分野への依存度が高くなっております。当分野の売上が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えるおそれがあります。

③ 競合の状況について

当社グループは、最先端の半導体に用いられる高純度の化学材料において、技術的な優位性やノウハウを保持していることや、ニッチな市場であることから、現状、競争相手となる企業は少ないものと考えております。

しかしながら、今後、新規に当社グループと競合する分野、製品に他企業が参入した場合、競争の激化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 原材料の市況変動について

当社グループの製品は、その原料に市況変動に左右される化学薬品や金属材料を多く使用し、他方、金属容器については、同様に市況変動に左右されるステンレス材料を使用しております。当社グループでは、市況変動に大きく左右されないよう市況価格に鑑みながら取引先との価格交渉にあたっておりますが、今後市況価格の暴騰があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業遂行上のリスクについて

① 財務の状況

当社グループが販売している高純度化学材料は、主に最先端の半導体に用いられているため、極めて高い純度や特性が要求されており、これらの要求に応えられる高純度化学材料を開発するために多額の研究開発費が先行して発生することや、高純度の化学材料を生産するための製造設備等を設けることなどから、事業を遂行する上では、多額の資金が必要となっております。当社グループは、必要な資金の多くを主に金融機関からの借入金で調達していることから、有利子負債への依存度が高くなっており、当連結会計年度末現在における当社グループの総資産に占める有利子負債の割合は24.3%となっております。

当社グループとしては、販売体制の強化、生産の効率化及び全社的な合理化施策等の推進によって利益の増大を図り、有利子負債への依存度を低下させる方針であります。

しかしながら、現状の有利子負債依存度の状態で借入金利が上昇した場合、支払利息の増加により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 為替変動リスクについて

当社グループは、製品等の輸出及び原材料等の輸入において外貨建取引を行っております。当連結会計年度における総売上高に占める海外ユーザー向けの売上高は、概ね60%となっており、その一部は外貨建の決済条件となっていることから、為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、海外関係会社の業績、資産及び負債につきましては、現地通貨で発生したものは円換算したうえで連結財務諸表を作成しておりますが、当該現地通貨の為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります

③ 品質管理について

当社グループは、ISO9001品質マネジメントシステムの採用で、社内生産に関しては当然のこと、主たる協力会社にも同様の体制整備を要請しながら、総合的な品質保証体制と継続的な改良・改善体制の運用に努めてまいりました。そのことにより、不良品発生の低減に注力しておりますが、クレーム発生の可能性は皆無ではありません。また、製造物賠償に関してはPL保険に加入しており、現時点におきましては、企業の存続やユーザーの事業継続を脅かすような甚大なクレームや製造物責任につながる事態は考えられません。しかしながら、万一そうした事態が発生した場合には、クレームに対する補償、対策が製造原価の上昇を招き、当社グループのブランドの評価、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 人材の確保について

当社グループは刻々変化する市場環境に対応して、常時、高度な研究開発を継続していく必要があり、そのため優秀な人材の確保と維持は事業展開上非常に重要な事項となっております。そのため、当社グループが必要とする人材の獲得に困難が発生したり、あるいは当社グループの人材が社外に流出した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑤ 顧客情報の漏洩及び技術ノウハウの流出について

当社グループは、半導体メーカーの最先端の半導体に係る製造工程や材料の特性等の情報を知った上で、高純度の化学材料の開発、提案を行っております。従って、当社グループの従業員が事業上知り得た顧客の技術情報を外部に漏洩した場合、当社グループの信用の失墜による取引関係の悪化や、技術情報の漏洩による損害に対する賠償を請求されることなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループが製造する高純度化学材料は、創業以来蓄積してきた高純度化や安定生産に係るノウハウが重要な要素となっており、当社グループが保有する高純度化のノウハウ等に係る情報が、何らかの形で社外に流出した場合、技術的な優位性を維持できなくなることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 仕入先への高い依存度について

当社グループでは高純度化学材料を充填するための容器を外部からの仕入により調達しておりますが、そのうち、当社グループの販売先である半導体メーカー等の半導体製造装置に合わせた特殊仕様の容器については、主に㈱下山工業から仕入れており、同社との取引関係が何らかの理由により解消となった場合、一時的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、高誘電率絶縁膜材料を含む、当社グループの販売する複数の主要製品の合成に用いられる有機リチウム化合物の大半を、アジアリチウム㈱から仕入れております。当社グループは安定的に原材料を調達するため、複数仕入先を確保すること及び適切な在庫を保有することに努めておりますが、供給不足、納入の遅延や仕入額の高騰等の問題が発生した場合、当社グループの生産活動の停止等により、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 販売先への高い依存度について

当社グループでは高純度化学材料を半導体メーカー等に納入する際に、各ガスディーラーの拠点や販売網を利用し、輸送や納品を行っておりますが、当連結会計年度におきましては販売先の一つである日本エア・リキード㈱との取引は、同社を通じたルートでの最終ユーザーの稼働が好調であったことから、当社グループの連結売上高の40.0%を占めております。

当社グループの業績が同社の動向に直接左右されることはありませんが、同社との取引関係が何らかの理由により解消になった場合、あるいは同社への販売量が減少した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑧ カントリーリスクについて

当社グループは台湾で子会社、韓国で合弁会社を有しており、台湾と韓国の最終ユーザー向け販売の増加が今後の成長要因と考えております。

しかしながら、上記両地域において、法律や規制の変更、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑨ 関係会社の業績変動について

当社グル―プは、当社と連結子会社1社、関連会社2社で構成されております。事業の遂行が順調に進まない場合や、予期せぬ事象等により、これら関係会社の業績に大きな変動が生じた場合、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 研究開発について

当社グループは、既存製品の改良や新規製品の研究開発等により、研究開発費、それに関連する設備投資が先行して発生しております。そうしたリスクを防止あるいは分散するため、研究開発段階でのマーケティングに注力してリスクを分散するとともに、研究開発プロジェクト管理の徹底を図り、他企業との提携を積極的に推進しております。

しかしながら、多大な研究開発費や設備投資費用を投入したにもかかわらず、製品開発等が軌道に乗らなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制等について

当社グループの製造する製品には、毒物・劇物が含まれ、またそれらの製品を製造する際に使用する材料にも毒物・劇物が含まれております。また、当社グループは国内での営業取引のみならず、外国企業との輸出入取引を行なっている関係上、日本及び諸外国の法令等による諸規制を受けております。それらの製品及び材料取扱を規制する法律・法令等の主なものとしましては、「毒物及び劇物取締法」、「消防法」、「高圧ガス保安法」、「土壌汚染対策法」、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」、「化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律」などがあります。

 

当社グループでは、国内外の法令等の遵守並びに運用状況・改訂動向に関する情報収集に努めており、また、当社におきましてはISO14001環境マネジメントシステムにより、周辺環境への配慮を行っていることで、現在のところ主要な事業活動の前提となる事項についてその継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、現在又は将来の法律及び諸規制を遵守できなかった場合には、当社グループが債務を負ったり、免許・届出・認可等の取り消しや一定期間の停止を含む罰則の適用を受けたり、事業の中断を含む公的命令を受けたり、その後の事業の継続に障害となる信用の低下を被ったりすること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(主な許認可の状況)

許認可等の名称

有効期限

規制法令

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

危険物設備の設置許可

(製造所及び貯蔵所)

なし

消防法

許可なく製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更した場合、定める技術上の基準を満たしていない場合等には、製造所、貯蔵所または取扱所の許可を取り消し、または期間を定めて、その使用を停止させられる。

(消防法第12条第2項)

毒物劇物一般販売業登録

2021年12月20日

毒物及び劇物取締法

登録業者が、その有する設備を法令に定める基準に適合させるために監督官庁等から命じられた措置を取らない場合や、規制法令に違反した場合等には、毒物または劇物の販売業、製造業、輸入業の登録を取り消し、または期間を定めて、業務の全部若しくは一部を停止させられる

(毒物及び劇物取締法第19条)

毒物劇物製造業登録

2019年12月20日

毒物劇物輸入業登録

2020年7月9日

 

また、将来において法的規制の強化等がなされ、その対応のための生産コスト等が増大した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 知的財産権等について

当社グループの事業分野に関する知的財産権については、特許権を取得しております。当該知的財産については、製品化に至る種々のノウハウと密接不可分の関係にあり、知的財産権を利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受ける可能性は少ないと考えております。しかしながら、万が一類似製品が登場した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

他方、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう入念な事前調査を行っておりますが、当社グループの認識の範囲外のことで、これを侵害する可能性があり、これにより、当社グループが第三者と知的財産権をめぐって損害賠償、対価の支払あるいは使用差し止め等を請求され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 災害等について

当社グループの生産拠点である本社工場及び上野原第二工場は、山梨県上野原市の工業団地に集中しております。地震等の自然災害や火災等の事故によって、本社工場と上野原第二工場が同時に被害を受け、設備が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、さらに生産拠点等の修復のために多額の費用を要することとなる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)  経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
  なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません

 

① 財政状態及び経営成績の状況

  イ.財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、5,484,191千円となりました。その主な内訳は、受取手形及び売掛金1,808,824千円、現金及び預金1,595,747千円、電子記録債権1,042,313千円等であります。

 (固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、5,628,739千円となりました。その主な内訳は、有形固定資産3,944,024千円、投資有価証券1,595,054千円等であります。

 (流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、2,568,947千円となりました。その主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金712,880千円、短期借入金580,000千円等であります。

 (固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は1,518,198千円となりました。その主な内訳は、長期借入金1,377,839千円等であります。

 (純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、7,025,785千円となりました。その主な内訳は、利益剰余金5,550,282千円、資本金808,912千円等であります。

 

  ロ.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の設備投資の回復や、雇用情勢におきましても労働力の高い水準での需要は継続しており、合わせて個人消費も持ち直しの傾向がみられる状況にありました。

一方、世界経済に目を転じましても、米国の通商政策をめぐり、中国を中心とした各国との貿易摩擦の影響や、英国のEU離脱に伴う影響に対する先行きの懸念はいまだ払拭されてはおりませんが、各国の経済情勢は概ね堅調に推移し、国内からの輸出も高水準で推移いたしました。

当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましても、年の後半にかけて一部半導体製造メーカーで設備投資の先送り等はあったものの、WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)が2018年11月に公表した2018年の半導体市場予測によると、市場全体ではドルベースで前年比15.9%の成長を継続すると予測されており、年間を通じて見れば、旺盛な半導体需要に支えられて高水準での生産を維持している状況にありました。

このような状況下、当社グループといたしましては、新工場棟の建設、生産及び研究設備の更なる導入を行い、生産体制の強化と効率化に努めるとともに、積極的な人材採用と教育体制強化に努め、全社的な技術レベルの向上を図ってまいりました。また、販売面につきましても、主力の日本と台湾に加え、関係会社を通じて韓国ユーザーへも新規半導体材料等を中心とした販路拡大に努めてまいりました。

一方、利益面に関しましては、競争力の確保と将来に向けた事業基盤の強化を図るため、全社を挙げての経費削減に継続して取り組むとともに、中期経営計画における経営方針に基づき、顧客からの高純度化ニーズ及び差別化への対応を推し進めることにより一層の収益向上を図ってまいりました。

その結果、売上高は7,792,295千円、営業利益は2,153,173千円となり、また、持分法による投資利益の計上等により経常利益は2,931,680千円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,267,222千円となりました。

なお、当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,595,747千円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,411,291千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上2,931,680千円、減価償却費483,929千円等のプラス要因が、持分法による投資利益826,688千円、法人税等の支払額576,065千円、売上債権の増加額486,526千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は1,244,626千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,199,286千円等によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は269,826千円となりました。これは主に、長期借入金の収支のプラス438,062千円が配当金の支払額164,120千円等を上回ったことによるものであります。

 

  ③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。

 イ.生産実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式、用途等は必ずしも一様ではないことから、記載しておりません。

 

 ロ.受注状況

生産実績と同様の理由に加え、受注生産形態をとらない製品が多いことから、記載しておりません。

 

 ハ. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

高純度化学化合物事業

 7,792,295

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

日本エア・リキード㈱

 3,115,432

 40.0

TOPCO Scientific Co., Ltd.

1,774,432

22.8

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  (2)  経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

  ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 5 会計方針に関する事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断をおこなっておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

  ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 イ.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきまして、需要が堅調に推移し、新規半導体材料等を中心とした販路拡大に努めてまいりました結果、7,792,295千円となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、3,591,839千円となりました。売上総利益率は売上原価率が安定的に推移したこともあり、46.1%となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発費及び給与手当等の計上により1,438,666千円となりました。その結果、営業利益は2,153,173千円となりました。

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益である826,688千円が寄与したことにより、855,450千円となりました。

当連結会計年度における営業外費用は、76,942千円となりました。その結果、経常利益は2,931,680千円となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度における特別損益は、特別利益及び特別損失ともに計上がありませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は2,931,680千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は664,457千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,267,222千円となりました。

 

  ロ.財政状態の分析

当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態の状況」に記載しております。

 

 ハ.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2. 事業等のリスク」に記載しております。

 

 ニ.資本の財源及び資金の流動性 

当社グループの主な資金需要は事業上必要な運転資金や設備投資であり、資金については銀行等金融機関の借入によって調達する方針としております。なお、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、2018年12月28日に取引銀行2行と総額3,000,000千円のシンジケートローン契約を締結しております。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

 

 ホ.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、最新の外部、内部環境を反映させた、今後の3年間の中期経営計画(毎年見直すローリング方式)を策定し、事業に取り組んでおります。2019年1月期の計画値と実績値の結果は以下のとおりとなり、売上高、各利益とも計画を上回りました。

 

 

2019年1月期計画

2019年1月期実績

計画比

売上高

(百万円)

7,490

7,792

+302

営業利益

(百万円)

1,910

2,153

+243

経常利益

(百万円)

1,940

2,931

+991

親会社株主に帰属する

当期純利益

(百万円)

1,330

2,267

+937

売上高営業利益率

(%)

25.5

27.6

+2.1

 

 

この主な要因としては、当社グループの主要な販売先である半導体業界におきまして、最先端の半導体に向けた新規材料の需要が引き続き好調に推移したこと、韓国関係会社SK Tri Chem Co.,Ltd.の業績が当初の想定以上に好調に推移したことによる持分法投資利益の計上等が挙げられます。

 

当社グループでは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えていることから、特に、売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標としております。なお、売上高営業利益率に関しては25%超の水準を維持することを目標としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)  合弁契約

契約締結先

内容

出資額(出資比率%)

合弁会社名

設立年月

SK Materials Co., Ltd.

韓国における高純度化学薬品の開発、製造、販売に関する合弁契約

 

当社

 

 

SK Materials Co., Ltd.

 

百万韓国ウォン

8,750

(35)

百万韓国ウォン

16,250

(65)

SK Tri Chem Co., Ltd.

2016年7月

 

 

(2)  借入に関する契約

当社は、今後の事業展開における資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、取引銀行2行とシンジケーション方式のコミットメント期間付タームローン契約を締結しております。

契約形態

コミットメント期間付タームローン

組成金額

30億円

契約締結日

2018年12月28日

コミットメント期間

2019年2月1日~2022年1月31日

アレンジャー兼エージェント

㈱三菱UFJ銀行

コ・アレンジャー

㈱山梨中央銀行

参加金融機関

㈱三菱UFJ銀行、㈱山梨中央銀行

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。

当連結会計年度の研究開発活動は、基本的に従来のテーマを踏襲しつつ、顧客のニーズや新規案件にも柔軟に対応することを目標に掲げております。

当社グループの研究開発は、当社開発部を中心として、生産技術部及び製造部等とも連携を取りながら活動を進めることにより、迅速かつ効率的に結果を出すことができる体制を構築しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は408,913千円であります。

なお、テーマ別の研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1) 半導体向け材料の開発

半導体の進歩に伴い、使用される材料や技術も日々進化し続けております。当社グループでは今後ますます高度化する顧客の要求事項に対し、他社に先駆けていち早く最先端材料の市場への投入や新規技術に対応すべく、さらに活発な研究活動を続けてまいります。また、独自開発のみならず、デバイスメーカー、装置メーカーの研究所や大学等と共同での材料開発も随時進めており、その結果の一部につきましては学会等で発表しております。

 

(2) エネルギー分野向け材料の開発

当社グループでは創業以来、半導体・光ファイバー向け材料等、最先端産業向けに高純度化学材料を扱ってまいりました。これらのノウハウを活用し、エネルギー分野に向けましても新規材料の開発を進めております。既に一部ご採用頂いている製品もあり、今後更なる展開に向けて製品開発を進めてまいります。

 

(3) 化学薬品周辺機器の開発

半導体製造において要求されるレベルの高純度化学材料は、その性質上、デリバリーや供給設備について、安全性及び品質を保持しながらハンドリングするための技術・ノウハウが不可欠であります。当社グループでは創業以来蓄積してきたそれらの知見を活用し、個別のニーズに応じた特殊容器の開発や液面レベルセンサー等の容器に付随する周辺機器の開発等を行っており、外部に供給しております。

また、要求される品質レベルは絶えず進化していますが、それに対応すべく要素技術の開発にも注力しております。確立した技術は、積極的に社内設備にも応用しており、より一層の作業の安全確保と、製造ラインにおける業務の効率化・省力化による製造原価の低減を図っております。

 

(4) 新規開発品の量産化対応

商品の新規開発におきましては、その後の品質・供給量・価格等における要求に対応することなく、顧客に広く浸透することはあり得ません。これら顧客の量産化ニーズに迅速に対応するため、今までにも増して新規開発品の急速な製品化・スケールアップ等が必要となっております。

当社グループはこれらの要求に対し、品質・数量両面での安定供給を図るため、今後とも顧客からのニーズにこだわった開発をモットーとして、初期開発品からの量産スケールまでの工程最適化の研究・開発を継続し、開発部門から製造部門まで一貫した量産化体制を構築することで、研究開発活動の迅速な商品化、内製化に繋げてまいります。