第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

当連結会計年度(自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日)におけるわが国の経済は、政府・日銀の財政政策や金融緩和策などにより、企業利益の回復傾向を期待するも、依然として個人消費の回復は弱く、さらに中国、アジア新興国などの景気減速や、急激な為替変動などが懸念材料となり、先行き不透明な状況が続いております。
 このような中、当社グループの主要販売先であるOA機器業界、住宅設備業界での製品需要の落ち込み、生産設備業界での設備投資意欲の緩やかな低下、円高進行の影響などにより売上高・利益ともに前年を下回る結果となりました。連結売上高は3,950,030千円(前年同期比440,472千円減)、営業利益は113,256千円(前年同期比264,832千円減)、経常利益は127,819千円(前年同期比288,395千円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は102,381千円(前年同期比269,547千円減)となりました。 

 品目別の業績は、次のとおりであります。
(ア)工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密部品
  ОA業界、住宅設備業界での製品需要の落ち込みにより、売上高は2,852,107千円(前年同期比388,856千円減)となりました。
(イ)生産設備冶具
  車載用電子基板を取り扱う国内外顧客各社の投資意欲が依然として高く、売上高は1,014,045千円(前年同期比      28,729千円減)となりました。
(ウ)その他(金型)
  顧客各社の新規案件が伸び悩み、売上高は83,878千円(前年同期比22,888千円減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加114,463千円(前年同期は359,116千円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローにより使用した115,483千円(前年同期は96,185千円の使用)、財務活動によるキャッシュ・フローにより使用した82,243千円(前年同期は35,039千円の使用)等により、当連結会計年度末現在で1,273,718千円(前年同期比122,393千円減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は114,463千円となりました。これは主に減価償却費152,792千円と税金等調整前当期純利益122,370千円と、法人税等の支払額206,516千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は115,483千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出123,659千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は82,243千円となりました。これは主に長期借入れによる収入200,000千円があったものの、長期借入金の返済による支出155,800千円が発生したことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは工業用プラスチック部品の単一事業であり、セグメント情報の開示を要しない会社に該当します。従いまして、当連結会計年度における品目別実績を示します。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

工業用プラスチック・ファスナー及び、
プラスチック精密部品

1,550,691

90.3

生産設備冶具

550,516

99.9

その他(金型)

合計

2,101,207

92.6

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

工業用プラスチック・ファスナー及び、プラスチック精密部品

2,900,285

88.5

240,143

125.1

生産設備冶具

1,039,147

100.7

67,566

159.1

その他(金型)

83,878

78.6

合計

4,023,311

91.1

307,709

131.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

工業用プラスチック・ファスナー及び、
プラスチック精密部品

2,852,107

88.0

生産設備冶具

1,014,045

97.2

その他(金型)

83,878

78.6

合計

3,950,030

90.0

 

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の経済見通しにつきましては、引き続き不透明な経済不況要因はありますが、次の課題に対処してまいります。

 

(1)新製品の開発

 当社グループの主力製品である工業用プラスチック・ファスナーおよびプラスチック精密部品については、高い耐久性、環境対策、コストダウンを意識した高付加価値製品の開発を継続するとともに、R&Dセンター主導による素材開発力を更に強化し、当社オリジナルプラスチック素材であるNIXAM応用製品開発への効率的かつ継続的な経営資源投入により環境対応型ビジネスを展開してまいります。

 

(2)原価低減の更なる徹底

 グローバル生産本部内におきましては製造工程において引き続き更なる合理化を進め、高付加価値を追及しつつ、高品質な製品の生産を継続してまいります。また、海外の販売拠点及び生産拠点との連携を更に強化し、購買業務における更なるグローバル交渉力を高めるとともに、物流における効率改善を推進し、原価低減の徹底に努めてまいります。

 

(3)海外拠点の拡充

 当社グループ海外子会社である「NIX OF AMERICA」においては、「北米支店」との連携による新市場開拓・営業拡販を引き続き強化してまいります。生産面では、「中山日幸精密機械有限公司」および「珠海立高精機科技有限公司」を中心に、更なる現地生産の強化に努めてまいります。また、販売拠点の局面では「香港日幸有限公司」、「上海日更国際貿易有限公司」、「NIX TRADING (THAILAND) LTD.」の活動を更に強化し、地域特性に柔軟に対応したソリューション営業による拡販を継続してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループにおいて事業展開の上でリスク要因と考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分認識の上で、発生の回避および発生時の対応に鋭意努力してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年9月30日)現在において当社グループが認識している事項であります。

 

(1)競合等の影響について

当社グループが主要な事業領域としている精密プラスチック部品市場には、当社グループの他、数社が参入しておりますが、事務機器用プラスチック・ファスナーの分野において当社グループは、既に一定の市場シェアを継続して有しているものと考えております。

今後も、新製品の市場投入による市場占有率の拡大を目指して、業容拡大を図る方針であります。しかしながら、当社グループの市場シェアを維持できる保証はなく、競合が激化した場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)在外子会社の業績変動及び現地情勢変化による影響について

当社グループは「NIX OF AMERICA」(米国)、「香港日幸有限公司」(香港)、「上海日更国際貿易有限公司」(中国)及び「NIX TRADING(THAILAND) LTD.」(タイ)と現地生産強化を目的として設立した合弁会社「中山日幸精密機械有限公司」(中国)、「珠海立高精機科技有限公司」(中国)を中心とした、積極的な海外事業展開を図っております。海外市場への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、不利な政治的・経済的要因、人材採用の困難さ、為替レート変動による利益の変動、戦争その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、それらが発生した場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、市場における顧客ニーズに対応する製品を提供するために、最先端の技術を応用し、また、自社材料の開発をするなど、コスト競争力があり信頼性の高い、高付加価値製品の開発を進めております。

現在、当社グループの研究開発活動は、工業用プラスチック・ファスナーおよびプラスチック精密部品を中心に展開しており、当社のR&Dセンターを中心として、研究開発部門と営業部門とが連携をした研究開発体制をとっております。

当連結会計年度における研究開発費総額は189,487千円で、工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密部品に係るものであり、研究開発活動、および主な成果としては次のものがあります。

 

(1)NIXAM素材開発

当社オリジナル素材であるNIXAM®は、耐熱性、耐摩耗性、導電性など様々な機能を付与したプラスチック材料であり、プリント基板実装業界、事務機器業界などのニーズに対応するため継続して研究開発を行っております。環境に配慮した防虫素材については、応用が見込まれる分野に対する性能評価などを進めております。近年では、防虫網などでも当社開発素材が採用されております。

 

(2)NIXAM耐熱摺動部品

従来から、当社は住宅設備業界へ「金属のプラスチック化」を提案してきており、床暖房用給湯機器のプラスチック継手部品として当社オリジナル素材であるNIXAM製品の採用が進んでおります。事務機器業界では、紙送り機構部分に高温環境下で使用できる軸受や摺動部品として採用されております。これら既存製品についても性能面、コスト面などにおけるニーズの変化にお応えするため、継続した研究開発を進めております。NIXAM耐熱摺動部品は、金属製に比べて低価格であり、大幅な軽量化を実現できるだけでなく、高摺動性、耐熱性にも優れた製品として大手事務機器メーカーなどで採用されております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態および経営成績の分析は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されています。当社グループは連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値、ならびに報告期間における収入・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行っております。また、一定の事項に関する見積りおよび判断に対して、継続して評価の見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

(売上高及び売上原価)

当連結会計年度における売上高は3,950,030千円となり、前連結会計年度に比べ440,472千円減少しております。これは、主に急激な円高進行による影響と、当社グループの主要販売先であるOA機器業界及び住宅設備業界での製品需要の落ち込みに起因したものであります。また、当連結会計年度における売上原価は2,150,914千円となり、前連結会計年度に比べ180,011千円減少しております。

以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は1,799,116千円となり、前連結会計年度に比べ260,461千円減少しております。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,685,860千円となり、前連結会計年度に比べ4,371千円増加しております。

 

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は55,125千円となり、前連結会計年度に比べ4,559千円減少しております。これは為替差益の減少によるものです。また、営業外費用は40,562千円となり、前連結会計年度に比べ19,002千円増加しております。

この結果、前連結会計年度の経常利益は416,215千円でありましたが、当連結会計年度の経常利益は127,819千円となっております。

 

(特別損益)

当連結会計年度における特別損失は5,449千円となり、前連結会計年度に比べ5,449千円増加しております。これは減損損失の計上によるものであります。

この結果、前連結会計年度の税金等調整前当期純利益は417,862千円でありましたが、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は122,370千円となっております。

 

(税金費用)

当連結会計年度においては、課税所得の減少に伴う税金費用の減少109,201千円、また法人税率引下げ等による法人税等調整額が31,429千円となりました。

この結果、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は371,928千円でありましたが、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は102,381千円となっております。

 

 

(3)財政状態及び資金の流動性の分析

当連結会計年度(平成28年9月30日現在)

①資産、負債及び純資産の状況

資産の部

当連結会計年度末における資産合計は4,791,426千円となり、前連結会計年度に比べ193,218千円減少しております。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は2,475,669千円となり、前連結会計年度に比べ104,350千円減少しております。これは主に現金及び預金が122,391千円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は2,315,756千円となり、前連結会計年度に比べ88,867千円減少しております。

 

負債の部

当連結会計年度末における負債合計は1,902,474千円となり、前連結会計年度に比べ188,403千円減少しております。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は957,319千円となり、前連結会計年度に比べ228,525千円減少しております。これは主に未払法人税等が132,213千円、1年内償還予定の社債が49,500千円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は945,154千円となり、前連結会計年度に比べ40,121千円増加しております。これは主に繰延税金負債が45,527千円、社債が20,000千円減少し、長期借入金が51,262千円、退職給付に係る負債が27,272千円増加したことによるものであります。

 

純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は2,888,952千円となり、前連結会計年度に比べ4,814千円減少しております。これは主に、利益剰余金が51,454千円増加し、為替換算調整勘定が57,625千円減少したことによるものであります。

 

②資金の流動性の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。