(1)業績
当連結会計年度の経済環境を概観しますと、先進国では総じてみれば緩やかな回復が続きましたが、昨年の夏頃からの中国の金融不安もあり、中国をはじめとする新興国では全体として景気が減速し、世界経済全体としては緩やかな回復となりました。この間、世界的な株安が起こり、金融市場の混乱がみられました。商品市況は概ね低調に推移しました。原油価格は下落基調をたどりましたが、終盤にはやや反発しました。
米国経済は、設備投資等に弱めの動きもみられましたが、堅調な雇用環境等から、家計部門の消費が下支えとなって景気の回復が続きました。こうした米国経済の回復を背景に、昨年12月には連邦準備制度理事会が利上げを行いましたが、市場に大きな混乱は生じませんでした。
欧州経済は、ドイツ、英国等の主要国で緩やかな回復が続き、景気は持ち直しましたが、ギリシャの債務問題による混乱が金融市場の不安定化を一時的にもたらしました。
アジア経済は、中国が消費、投資、輸出の鈍化により一段と減速したほか、アセアンでも、内外需ともに勢いを欠いた状態が続いたことなどから、全体として弱めの回復となりました。
他地域の新興国経済は、資源輸出国を中心に商品価格の低迷や米国の利上げ等を受けて通貨安が進み、低調に推移しました。
日本経済は、賃金の伸びが低いことから、消費が緩慢になるなど、全体的に弱めの動きとなりました。
このような経済環境のなか、当連結会計年度の経営成績は次の通りとなりました。
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(単位:百万円) |
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
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売上高 |
12,207,957 |
13,925,339 |
△1,717,382 |
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売上総利益 |
670,086 |
707,318 |
△37,232 |
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営業利益 |
104,231 |
160,688 |
△56,457 |
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持分法による投資損益 |
31,824 |
89,919 |
△58,095 |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
62,264 |
105,604 |
△43,340 |
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収益 |
7,300,299 |
7,834,295 |
△533,996 |
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(注) |
「売上高」及び「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であ り、IFRSで求められている表示ではありません。「売上高」は、取引形態の如何にかかわりなく当社及 び連結子会社の関与する全ての取引を含んでおります。「営業利益」は、連結包括利益計算書における 「売上総利益」及び「販売費及び一般管理費」(貸倒引当金繰入額を含む)の合計額として表示してお ります。 |
売上高は、石油トレーディング分野等における販売価格の下落により、前連結会計年度比1兆7,174億円(12.3%)減収の12兆2,080億円となりました。売上総利益は、前連結会計年度比372億円(5.3%)減益の6,701億円となり、オペレーティング・セグメント別には、主にエネルギー・金属で減益となりました。営業利益は、売上総利益の減益に加え、円安の影響等で販売費及び一般管理費が増加したことにより、前連結会計年度比565億円(35.1%)減益の1,042億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)は、資源市況悪化に伴う減損損失を計上したことを主因に、前連結会計年度比433億円(41.0%)減益の623億円となりました。
なお、IFRSに基づく「収益」は、前連結会計年度比5,340億円(6.8%)減収の7兆3,003億円となりました。
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の業績は次の通りです。
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生活産業 |
売上総利益は、食品関連事業等が増益となったものの、Gavilonの北米集荷事業の収益環境悪化等により、前連結会計年度比56億円(1.8%)減益の3,010億円となりました。一方、当期利益は、前連結会計年度に計上した一過性損益(Gavilonにおけるのれんの減損損失及び米国穀物輸出施設の統合に伴う評価益)の反動等により、前連結会計年度比98億円(21.4%)増益の558億円となりました。
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素材 |
売上総利益は、Helena Chemicalでの円安の影響、チップ・パルプの採算改善等により、前連結会計年度比145億円(8.2%)増益の1,908億円となりました。当期利益は、石油化学製品及び無機・農業化学品分野の採算改善等並びに前連結会計年度のGavilon 出資持分の損失取り込みの反動もあり、前連結会計年度比122億円(64.9%)増益の310億円となりました。
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エネルギー・金属 |
石油・ガス開発分野における油ガス価下落等により、売上総利益は、前連結会計年度比451億円(72.6%)減益の170億円となりました。当期利益は、前連結会計年度のカナダ石炭事業における減損に伴う有価証券損益の反動等があったものの、石油・ガス開発事業及びチリ銅事業における減損損失の悪化並びに豪州鉄鉱石事業における減損損失計上等により、前連結会計年度比1,133億円(-%)悪化の1,440億円(損失)となりました。
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電力・プラント |
産業プラント関連案件の取扱高減少による減益等により、売上総利益は、前連結会計年度比30億円(5.3%)減益の539億円となりました。当期利益は、ウルグアイLNG受入ターミナル事業からの撤退に伴う損失の計上及びその他の海外プラント案件における損失引当等があったものの、中国下水処理事業及び北米貨車リース事業における株式評価益の計上並びに海外電力IPP事業の持分法による投資損益の増益により、前連結会計年度比438億円(193.8%)増益の664億円となりました。
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輸送機 |
船舶関連事業並びに航空機関連事業の増収により、売上総利益は、前連結会計年度比41億円(4.4%)増益の984億円となったものの、船舶関連事業等における持分法による投資損益の減益により、当期利益は、前連結会計年度比61億円(20.4%)減益の238億円となりました。
(注)1 当連結会計年度より、「食料」、「化学品」、「エネルギー」、「金属」、「輸送機」、「電力・インフラ」、「プラント」、「ライフスタイル・紙パルプ」、「情報・金融・不動産」及び「海外支店・現地法人」としていたオペレーティング・セグメントを、「生活産業」、「素材」、「エネルギー・金属」、「電力・プラント」及び「輸送機」に再編しております。
2 セグメント間取引は、通常の市場価格によって行われております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末から1,317億円(28.1%)増加し、6,008億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業資金の改善により、3,591億円の収入となりました。前連結会計年度比では1,882億円の収入の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
株式売却収入があった一方で、海外事業における資本的支出等により1,746億円の支出となりました。前連結会計年度比では1,568億円の支出の減少であります。
以上により、当連結会計年度におけるフリーキャッシュ・フローは1,845億円の収入となりました。前連結会計年度比では3,450億円の収入の増加であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
優先株の買い取りを行ったことを主因として、363億円の支出となりました。前連結会計年度比では344億円の支出の減少であります。
(1)仕入の状況
仕入高と売上高との差異は僅少であるため、仕入高の記載は省略しております。売上高については「1 業績等の概要」及び「第5 経理の状況」における「連結財務諸表に対する注記19 セグメント情報」をご参照願います。
(2)成約の状況
成約高と売上高との差異は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。売上高については「1 業績等の概要」及び「第5 経理の状況」における「連結財務諸表に対する注記19 セグメント情報」をご参照願います。
(3)売上の状況
「1 業績等の概要」及び「第5 経理の状況」における「連結財務諸表に対する注記19 セグメント情報」をご参照願います。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2020年に向けた当社グループの在り姿と、新たな経営指針を明示した3ヶ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」を策定し、本年4月よりスタートしております。「Global Challenge 2018」では、既存事業の一層の拡大を図るとともに、将来、当社グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、平成25年4月より3ヶ年の中期経営計画「Global Challenge 2015」を遂行してきました。「Global Challenge 2015」では『経営資源の最大効率化』、『海外事業の強化・拡大』、『経営主導による人材戦略の更なる推進』の3つを重点施策として掲げ、持続的成長と企業価値の最大化を実現するべく、各種施策を推進してきました。
当連結会計年度では、合計で約2,300億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国・英国におけるエネルギー権益案件、英国における洋上風力発電事業、国内における太陽光発電事業等です。
当連結会計年度の各経営指標は、多額の減損損失を計上したことを主因に、親会社の所有者に帰属する当期利益は期初予想1,800億円に対し623億円となる等、大幅な減益・悪化となりました。
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経営指標 |
期初予想 (平成27年5月8日公表) |
当連結会計年度実績 |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
平成27年度 1,800億円 |
623億円 |
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ネットD/Eレシオ |
平成27年度末 1.6倍程度 |
1.95倍 |
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ROE |
11%程度 |
4.39% |
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ROA |
2.3%程度 |
0.84% |
新中期経営計画「Global Challenge 2018」では、親会社の所有者に帰属する当期利益・PATRAC・営業キャッシュフローの長期的拡大、財務基盤の更なる強化を達成すべく、役員・社員一丸となり、全力で取り組んでまいります。
新中期経営計画「Global Challenge 2018」では、2020年の在り姿を見据え、「事業・投資指針」、「キャッシュフロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「当社グループ人材戦略」の5つの経営指針を定めており、各指針の概要は以下の通りです。
「事業・投資指針」
長期的な収益拡大の基盤を世界各国・地域に据え、ビジネスモデル毎に異なる経営環境・事業特性に対応した事業・投資戦略を推進します。
「キャッシュフロー経営」
営業キャッシュフローの極大化により成長投資余力を高めます。また、新たな事業投資が生み出す収益・キャッシュと共に、大きな成長が見込めない事業が生むキャッシュを次代の成長事業へ再投資することで、企業価値の最大化を図ります。
「ポートフォリオ指針」
成長を担う事業、安定的な収益を生む事業、ボラティリティのある事業のバランスを考慮しつつ、長期的に収益成長し、かつ厳しい経営環境においても、親会社の所有者に帰属する当期利益3,000億円を確保できるポートフォリオを構築します。また、既存事業の収益力強化により、成長計画を確実に実現し、事業価値の向上を図るとともに、ノンコア事業から撤退し、資産の優良化を図ります。
「海外戦略の強化」
米国を中心とする先進国、中間層が厚みを増すアセアンを重点市場とし、将来への布石としてサブサハラ地域へ積極的に取り組みます。
「当社グループ人材戦略」
グローバルの中で勝ち抜ける強い人材を登用・育成します。また、グループ内ダイバーシティを一層推進し、人材の登用・配置を行うことで、個々の人材が、仕事に誇りとやりがいを持てる企業グループを目指します。
(3) 目標とする経営指標
「Global Challenge 2018」における目標は次の通りです。
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経営指標 |
目標 |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
平成30年度 2,500億円 (非資源 2,300億円以上) |
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配当後フリーキャッシュフロー (ネットD/Eレシオ) |
平成28年度~30年度の3ヵ年累計黒字化 (平成30年度末 1.3倍程度) |
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ROE |
10%以上 |
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連結配当性向 |
親会社の所有者に帰属する当期利益の25%以上 |
また、「セールス&マーケティング事業」、「ファイナンス事業」、「安定収益型事業」、「資源投資」の4つのビジネスモデルに対し、「Global Challenge 2018」の3ヵ年で1兆円程度の新規投融資を行う計画です。
当社及び連結子会社の営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しておりますが、当社及び連結子会社は広範に亙る事業活動を行っているため、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。また、リスク度が高くないと考えられる事項についても積極的な情報開示の観点から開示しているものです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき合理的であると当社が判断したものです。
1.営業活動全般に係るリスクについて
(1) 日本及び世界経済が当社及び連結子会社に与える影響について
当社は、日本を含む60ヶ国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開している総合商社です。当社及び連結子会社は、日本及び海外の幅広い産業分野において、資源等の一次産品の生産・調達や製品の製造・販売も含め、様々な商業活動及び投資活動を展開しているため、日本及び関係諸国の経済状況や世界経済全体の影響を受けており、これらの悪化又は低迷は、当社及び連結子会社の営業活動、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 取引先の信用リスクについて
当社及び連結子会社は、取引先に対し営業債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、また、営業活動の一環として取引先との間で商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の契約を締結しておりますので、取引先の債務不履行や契約不履行等による信用危険の負担(信用リスク)が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の信用リスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、信用供与の実施に際してリスク管理を徹底しておりますが、それでもこれらの信用リスクが顕在化する可能性があります。
なお、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、当社及び連結子会社では取引先の信用力、担保価値その他一定の前提と見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。
(3) 投資等に係るリスクについて
当社及び連結子会社は、単独又は他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等の事業活動を行っております。これら事業投資の多くは多額の資本を必要とし、当社及び連結子会社が希望する時期や方法で撤退できない可能性や、追加資金拠出を余儀なくされる可能性があります。
投資等に係るリスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、新規投資等の実施に際して、リスクに見合うリターンが得られているかの検証も含めたリスク管理を徹底しておりますが、これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要になる場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) リスク・エクスポージャーの集中について
当社及び連結子会社の商業活動や投資活動の一部において、特定の投資先、市場又は地域に対する集中度が高くなっているものがあります。カントリーリスクに対しては、リスク度に応じ国分類を行った上で管理基準を設け、ポートフォリオやリスク・リターンの適正化を図る管理を行っておりますが、これらの市場や地域における事業環境が悪化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資金調達力及び調達コストについて
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達と安定的な流動性の確保を重視した資金調達を行っております。しかしながら、国内及び海外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合、あるいは営業活動によるキャッシュ・フローの不足、収益性の低下又は資産及び負債管理の失敗、さらには格付会社による当社及び連結子会社の信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか、または調達コストが増加する可能性があり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 市場リスクについて
① 各種商品価格の変動について
当社及び連結子会社は、様々な商品を扱っており、一定の商品、契約、予定取引に係る市況変動リスクを軽減するため、商品先物・先渡等の契約を締結しておりますが、市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、資源・エネルギー開発事業やその他製造事業に参画しており、それらの事業を通じて販売する生産物や製品に関連する商品市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 市場流動性について(流動性リスクについて)
当社及び連結子会社は、金融商品を含む市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動について
当社及び連結子会社は、様々な通貨・条件での取引を行っており、主に外貨建取引及び外貨建債権・債務残高等に係る為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ取引を締結しておりますが、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 金利変動について
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入及び社債等を通じた資本市場からの資金調達により事業資金を手当てしております。変動金利の調達は、その相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、金利変動の影響を完全に回避できないものもあり、金利変動リスクにさらされております。
当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、投資有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジションとして捉え、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等を活用することで、金利変動リスクの軽減を図っております。
しかしながら、これら手段の活用を通じても、金利の変動が与える影響を完全に回避できるものではなく、金利動向によっては、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 活発な市場のある有価証券の価格変動について
当社及び連結子会社は、関係強化あるいはその他の目的で、活発な市場のある有価証券に投資を行っております。活発な市場のある有価証券は、その公正価値の変動に伴い、本源的に価格変動リスクを有しており、公正価値の下落は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職後給付に係るリスクについて
当社及び連結子会社の年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、証券市場が低迷した場合等には資産の価値が減少し、年金資産の積み増し等が必要となる可能性があります。その場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 不動産、機械装置等の固定資産に対する減損について
当社及び連結子会社は、第三者への販売・貸与あるいは自らの使用を目的として不動産、機械装置等の固定資産を有しており、これら固定資産は潜在的に資産価値の下落に起因する減損を被る可能性を有しております。当社及び連結子会社は、国際会計基準に準拠して固定資産の適切な減損処理を行っておりますが、資産価値が著しく減少した場合、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制等について
当社及び連結子会社の営業活動は、日本及び諸外国において、広範な法律及び規制に服しております。これらの法律及び規制の変更、予期し得ない解釈等によって、当社及び連結子会社の法令遵守のための負担が増加する可能性があります。従って、法律及び規制の変更、解釈の変更がなされた場合には、営業活動の中断を含む罰則の適用を受け、または信用の低下等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟について
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 環境リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、これにより環境汚染等が生じた場合には、事業の停止、汚染除去費用、あるいは住民訴訟対応費用等が発生し、社会的評価の低下につながる可能性があります。これら環境リスクに対応するため、環境マネジメントシステムを導入(平成11年度)し、新規投融資案件や開発プロジェクト案件について環境影響評価を実施する等、環境負荷の把握と環境リスクの低減に努めております。しかしながら、何らかの環境負荷が発生した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害リスクについて
地震等の自然災害により事業所・設備が損壊する等の被害が発生し、当社及び連結子会社の営業活動への支障が生じる可能性があります。BCP(事業継続計画)の策定、耐震対策、防災訓練等、個々に対策を講じておりますが、自然災害等による被害を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) テロ・暴動遭遇リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルに営業活動を展開しており、海外各国のテロ・暴動等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされております。こうした様々なリスクは、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 営業活動全般に付帯、関連するその他のリスクについて
業務遂行に係る従業員等の任務懈怠又は営業活動を支えるコンピューター・システム等に障害や情報漏洩が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.リスク管理について
当社及び連結子会社は、稟議制度に基づき意思決定をした信用供与、投資等の個別案件のうち、新規事業等の重要案件については、進捗状況を常時把握して問題点処理への迅速な対応を図るべく、経営会議体への定期報告を義務付けるフォローアップ体制を整える等、個別リスク管理を強化してリスク回避を図っております。
また、全社的なリスクの分散という観点から、特定の国、業種、客先に対する市場リスク・信用リスク・投資リスク等の定量化が可能なリスク(計測可能リスク)を把握する統合リスク管理を実施しております。統合リスク管理においては、適切な意思決定とモニタリングを行い得るよう、リスク管理の基本方針・社内規則を定め、それを遂行するための組織、管理体制、管理手法及びシステムインフラを整備しております。
一方、コンプライアンスリスク等の定量化が困難なリスク(計測不能リスク)については、コーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの整備、及びコンプライアンス体制の強化を通じて、リスクの顕在化を未然に防止する体制を整えております。
しかしながら、当社及び連結子会社の幅広い事業活動から生じる、または将来新たに発生する可能性のある多種多様なリスクに対して、当社及び連結子会社のリスク管理の枠組みでは十分に対応しきれない可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.中期経営計画について
当社及び連結子会社は、平成28年4月より3ヶ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」をスタートしております。定量目標は、平成30年度の親会社の所有者に帰属する当期利益2,500億円(うち、非資源2,300億円以上)、中期経営計画期間累計の配当後フリー・キャッシュフローの黒字化並びに平成30年度末の連結ネットD/Eレシオを1.3倍程度、ROEを10%以上、新規投融資を1兆円、連結配当性向を25%以上としております。
なお、これらの目標は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、事業環境の変化やその他様々な要因により達成できない可能性があります。
4.重要な会計方針及び見積りによるリスクについて
「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)重要な会計方針及び見積り」をご参照願います。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
特に記載すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社及び連結子会社が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。重要な会計方針についての詳細は、「第5 経理の状況」における「連結財務諸表に対する注記3 重要な会計方針」をご参照願います。
連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。
棚卸資産の評価
当社及び連結子会社が保有している棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当該変動が発生した期の純損益として認識しております。
有形固定資産及び無形資産の減損
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産については、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用ならびに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
確定給付制度債務
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率等の前提条件が含まれております。
繰延税金資産の回収可能性
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産を認識しており、その測定に当たっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金資産は、企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
当社及び連結子会社が保有している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
金融商品の評価
償却原価で測定される金融資産の減損は、当初認識後に発生した1つ又は複数の事象の結果として減損の客観的証拠があり、かつ当該金融資産又は金融資産グループの見積将来キャッシュ・フローを信頼性をもって見積ることができる場合に、減損していると判断しております。
減損の客観的な証拠には、発行者又は相手先の重要な財政上の困難、元本もしくは利息の支払いに対する債務不履行又は遅延等の事象を含んでおります。
減損損失の金額は、当該金融資産の見積将来キャッシュ・フローを当初の実効金利で割り引いた現在価値、又は観察可能な市場価格に基づき見積っております。ただし、当該金融資産の金利が変動金利である場合、見積将来キャッシュ・フローの現在価値の算定は、各報告期間の期末日の実効金利を用いることとなります。
また、上記減損損失に加え、当該金融資産に係る債務者及び地域等が有する潜在的なリスクを評価した上で、過去の経験等を考慮に入れて算定される貸倒実績率又は回収可能価額の見積りに基づき減損損失を計上しております。
減損損失認識後において、減損損失の金額が減少し、その減少が減損を認識した後に発生した事象に客観的に関連付けることができる場合には、以前に認識された減損損失は、直接又は引当金勘定を修正することにより戻入れております。減損損失の戻入額は、当該金融資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかったとした場合の償却原価を超えない範囲で認識しております。
公正価値で測定される金融資産及び金融負債については、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債と、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。金融資産及び金融負債の公正価値は、活発な市場における公表価格で測定しております。金融資産及び金融負債に関する市場が活発でない、または市場が存在しない場合は、適切な評価技法を用いて公正価値を測定しております。
偶発負債
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
当社では、保証を差入れるに当たり、被保証者について、財務諸表等の情報に基づき事前審査を行った上で、その信用力に応じた信用度ランクを付与し、適正な信用限度の設定や必要な保全措置を講じることにより、保証履行リスクの管理を実施しております。
連結財務諸表に対し重大な影響を及ぼす保証の履行を行う可能性は僅かと見込んでおり、損失が見込まれるものに対しては所要の引当金を計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度比433億円減益の623億円となりました。
損益項目の分析は以下の通りです。
① 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は前連結会計年度比372億円減益の6,701億円となりました。これは主にエネルギー・金属セグメントで減益となったこと等によるものです。オペレーティング・セグメント別の分析については「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照願います。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、円安の影響等で前連結会計年度比192億円増加の5,659億円となりました。
③ 固定資産損益
当連結会計年度の固定資産損益は、資源権益で減損損失を計上したため1,033億円(損失)となりました。前連結会計年度においては、資源権益の減損損失に加えGavilonにおけるのれんの減損損失もあったことから、前連結会計年度比416億円改善しました。
④ その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は前連結会計年度比239億円悪化の160億円(損失)となりました。これは主にウルグアイLNG受入ターミナル事業からの撤退損失によるものです。
⑤ 受取利息及び支払利息
当連結会計年度の受取利息は前連結会計年度比1億円増加の146億円となりました。当連結会計年度の支払利息は前連結会計年度比55億円減少の336億円となりました。
⑥ 受取配当金
当連結会計年度の受取配当金は前連結会計年度比164億円減少の186億円となりました。内訳は、親会社計上分57億円(うち国内からの配当36億円、海外からの配当22億円)、国内連結子会社計上分2億円、海外連結子会社計上分127億円です。
⑦ 有価証券損益
当連結会計年度の有価証券損益は前連結会計年度比736億円増益の743億円(利益)となりました。これは主に中国下水処理事業及び北米貨車リース事業で株式評価益を計上したことによるものです。
⑧ 持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法による投資損益は、チリ銅事業及び豪州鉄鉱石事業において減損損失を計上したことを主因に、前連結会計年度比581億円減益の318億円(利益)となりました。
⑨ 法人所得税
当連結会計年度の法人所得税は前連結会計年度比111億円増加の230億円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
① オフバランスシート・アレンジメント及び契約上の義務
当社及び連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び第三者の保証を行っております。詳細は、「第5 経理の状況」における「連結財務諸表に対する注記23 約定及び偶発負債」をご参照願います。
② その他
その他、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える要因については、前述いたしました「4 事業等のリスク」をご参照願います。
(4)経営戦略の現状と今後の見通し
当社グループは、2020年に向けた当社グループの在り姿と、新たな経営指針を明示した3ヶ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」を策定し、本年4月よりスタートしております。「Global Challenge 2018」では、既存事業の一層の拡大を図るとともに、 将来、当社グループの中核となり得る新規事業を戦略的に推進し、“成長し続ける丸紅グループ”を実現します。「Global Challenge 2018」のその他の内容につきましては「3 対処すべき課題」をご参照願います。
平成28年度は「Global Challenge 2018」のスタートの年であり、役員・従業員一同、新たな決意のもと、その目標達成に向けて邁進しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、現金及び現金同等物が増加したものの、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び棚卸資産の減少を主因に、前連結会計年度末比5,554億円減少の7兆1,177億円となりました。また、資本合計は、円高による在外営業活動体の換算差額の減少を主因に、前連結会計年度末比2,635億円減少の1兆4,152億円となりました。
当連結会計年度末の社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物並びに定期預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末比1,252億円減少の2兆7,625億円となりました。この結果、当連結会計年度末のネットD/Eレシオは1.95倍となりました。
② キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業資金の改善により、3,591億円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、株式売却収入があった一方で、海外事業における資本的支出等により1,746億円の支出となったことから、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは1,845億円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、優先株の買い取りを行ったことを主因として、363億円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から1,317億円増加し、6,008億円となりました。
③ 資金調達
当社及び連結子会社の資金調達に関しては、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針とし、銀行をはじめとした金融機関からの間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー等の直接調達により、安定的な流動性を確保するとともに、金融費用の削減を目指しております。
また、主要な連結子会社の資金調達を当社及び国内外の金融子会社、海外現地法人からのグループファイナンスに一元化する体制の下、資金余剰のあるグループ会社の余資を、他のグループ会社の資金需要に機動的に活用し、当社グループ全体の資金効率化を推進しております。
直接調達手段として以下のプログラムを設定しております。
・ 国内公募普通社債発行登録枠 3,000億円
・ ユーロ・ミディアム・タームノート・プログラム
当社、Marubeni Finance Europeの2社共同プログラム 20億米ドル
資本市場からの調達にあたり、当社はムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)、株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の4社から格付けを取得しております。
当連結会計年度中におきましては、長期格付けの変更はなく、Moody'sがBaa2、S&PがBBB、R&IがA、JCRがA+となっております。
④ 流動性の状況
連結ベースの流動比率は、前連結会計年度末の119.4%に対し、当連結会計年度末は121.9%となり、流動性の点で当社の財務健全性を維持しております。また、当社及び連結子会社では、主として現預金及びコミットメントラインの設定により、十分な流動性補完を確保しております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物並びに定期預金の残高は6,059億円となっております。
設定しているコミットメントラインは以下の通りです。
・ 大手邦銀を主としたシンジケート団による3,000億円(長期)
・ 欧米主要銀行を主としたシンジケート団による555百万米ドル(短期)
上記に加えて、市場性のある有価証券等流動性の高い資産を保有しておりますので、当社及び連結子会社における資金需要、並びに一年以内に償還予定のミディアム・タームノートを含む社債等の市場性資金(当連結会計年度末残高400億円)に対する十分な流動性を確保しております。