(1)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、これまでにない大きな変化、不確実な世界が到来しております。社会・人々の価値観の変容、デジタル革命といわれる技術革新の加速、産業構造の水平化・複層化、新たなエコシステムの出現等、これまでの既成概念のディスラプションが至るところで起こる時代であり、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。
(2)会社の経営の基本方針
当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」(以下、GC2021)を策定し、2019年度よりスタートしております。
丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」
・時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張に
より、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
・丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志
と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
<前中期経営計画「Global Challenge 2018」について>
当社グループは、2016年4月より3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」(以下、GC2018)を遂行してきました。「GC2018」では、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指し、「事業・投資指針」、「キャッシュ・フロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「丸紅グループ人材戦略」の5つの経営方針を定め、推進しました。
また、2017年5月に公表した修正中期経営計画では、財務基盤の強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図ることを明確にした上で定量目標を修正しております。
定量目標(2017年5月9日修正ベース)に対する実績は次の通りです。
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経営指標 |
定量目標(修正後) |
実績 |
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親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
2018年度 2,000億円 (非資源 1,800億円以上) |
2018年度 2,309億円 (非資源 1,804億円) |
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フリーキャッシュ・フロー (配当後) |
2016-2018年度累計 +4,000億円~5,000億円 |
2016-2018年度累計 +7,404億円 |
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ネットDEレシオ |
2018年度末 1.0倍程度 |
2018年度末 0.90倍 |
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ROE |
10%以上 |
2018年度 13.9% |
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新規投融資 |
2016-2018年度累計 4,000億円~5,000億円 |
2016-2018年度累計 2,873億円 |
GC2018では3ヵ年累計で2,873億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業、チリにおけるガス配給事業、豪州における原料炭事業既存権益積み増し等です。
<中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」について>
「GC2021」は、丸紅グループが目指す長期的な方向性を「丸紅グループの在り姿“Global crossvalue platform”商社の枠組みを超える価値創造企業グループへ」とし、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する第一段階の3ヵ年の経営戦略です。成長の土台となる強固な財務基盤の構築・維持を大前提として既存事業基盤の強化による持続的成長と10年先を見据えた新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を同時に推進します。
「GC2021」では、「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」、「新たな事業指針」、「成長ホライゾンによる事業戦略」の3つを重点施策として推進します。
「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」
基礎営業キャッシュ・フローの極大化を追求するとともに、資本配分方針として、財務基盤の更なる強化、株主還元の充実を図るとともに成長への資本配分を実施します。
「新たな事業指針」
新たな事業指針として SPP(「Strategy」 × 「Prime」 × 「Platform」)を掲げております。新たな事業指針SPPを徹底し、新規投資を戦略的に厳選するとともに、既存事業の強化及び回収・資産入替えの促進を図り、丸紅グループ全体の事業ポートフォリオの価値最大化を目指していきます。
「成長ホライゾンによる事業戦略」
時間軸の異なる持続的成長と爆発的成長に同時に取り組むために3つの成長ホライゾン(ホライゾン1:既存事業の充実、ホライゾン2:既存事業領域の戦略追求、ホライゾン3:White Spaceの追求)を導入し、既存事業基盤を強化・拡大しながら、同時に現状では取り込めていない成長領域・新たなビジネスモデル(White Space)にも取り組んでいきます。
成長戦略を推進すべく、2019年4月に機構改革を実施しました。営業の業務執行体制を4階層から3階層へとフラット化し、営業本部がスピード感をもって戦略を実行できる体制としました。また、全社最適の観点より、新たなビジネスモデル創出を目的とした新営業本部(次世代事業開発本部)を創設しました。
「サステナビリティとガバナンス」
Global crossvalue platformの発展、長期的な企業価値向上の土台であり重視していきます。サステナビリティについては、地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題に対するソリューション創出の取り組みを実践していきます。ガバナンスについては、実効性・透明性の向上を図るとともに、丸紅グループ全体のグループガバナンスの向上を図っていきます。
「グループ人財戦略」
マーケットバリューの高い人財、多様性、人が活き・繋がる風土のもとで、丸紅グループ社員一人ひとりが、Global crossvalue platformの一員として新たな価値創造を担う、丸紅グループ人財戦略を推進します。
(4)目標とする経営指標
中期経営戦略「GC2021」における定量目標は次の通りです。
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親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
2021年度 |
3,000億円 |
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キャッシュ・フロー |
基礎営業 キャッシュ・フロー |
3ヵ年累計 |
12,000億円 |
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株主還元後 フリーキャッシュ・フロー |
3ヵ年累計 |
+1,000億円以上 (ネットDEレシオ 2021年度末 0.7倍程度) |
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新規投資 (含むCAPEX) |
3ヵ年累計 |
9,000億円程度 ホライゾン3:2,000億円 ホライゾン2:5,000億円 ホライゾン1:2,000億円 (株主還元後フリー・キャッシュ・フロー 目標達成が前提) |
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ROE |
10%以上 |
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(注)1.基礎営業キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローから営業資金の増減等を控除したものであります。
2.CAPEXは既存投融資案件の価値を維持・向上するための追加的な設備投資であります。
また、株主還元方針として、連結配当性向25%以上は維持し、各年度における配当金は期初に公表する予想配当金を下限とします。追加株主還元策としてネットDEレシオ0.8倍程度達成後、資本配分の根源的な原資である基礎営業キャッシュ・フローの創出力や成長投資パイプラインの状況等を踏まえて、機動的に自己株式の取得を実施します。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社及び連結子会社の営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しておりますが、当社及び連結子会社は広範にわたる事業活動を行っているため、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。また、リスク度が高くないと考えられる事項についても積極的な情報開示の観点から開示しているものです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき合理的であると当社が判断したものです。
1.営業活動全般に係るリスクについて
(1)世界経済及び産業構造の変化等が当社及び連結子会社に与える影響について
当社は、日本を含む60ヵ国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開している総合商社です。当社及び連結子会社は、日本及び海外の幅広い産業分野において、資源等の一次産業の生産・調達や製品の製造・販売も含め、様々な商業活動及び投資活動を展開しているため、世界の経済状況の影響を受けるとともに、技術革新、価値観の多様化等による産業構造の変化に対応した、既存ビジネスモデルの見直しや新たなビジネスモデルの構築が常に必要となります。世界経済の悪化や低迷、あるいは、産業構造の変化等への不十分な対応は、当社及び連結子会社の営業活動、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先の信用リスクについて
当社及び連結子会社は、取引先に対し営業債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、また、営業活動の一環として取引先との間で商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の契約を締結しておりますので、取引先の債務不履行や契約不履行等による信用危険の負担(信用リスク)が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の信用リスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、信用供与の実施に際してリスク管理を徹底しておりますが、それでもこれらの信用リスクが顕在化する可能性があります。
なお、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、当社及び連結子会社では取引先の信用力、担保価値その他一定の前提と見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。
(3)投資等に係るリスクについて
当社及び連結子会社は、単独又は他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等の事業活動を行っております。これら事業投資の多くは多額の資本を必要とし、当社及び連結子会社が希望する時期や方法で撤退できない可能性や、追加資金拠出を余儀なくされる可能性があります。
投資等に係るリスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、新規投資等の実施に際して、リスクに見合うリターンが得られているかの検証も含めたリスク管理を徹底しておりますが、これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要になる場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)リスク・エクスポージャーの集中について
当社及び連結子会社の商業活動や投資活動の一部において、特定の投資先、市場又は地域に対する集中度が高くなっているものがあります。カントリーリスクに対しては、リスク度に応じ国分類を行った上で管理基準を設け、ポートフォリオやリスク・リターンの適正化を図る管理を行っておりますが、これらの市場や地域における事業環境が悪化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)資金調達力及び調達コストについて
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達と安定的な流動性の確保を重視した資金調達を行っております。しかしながら、国内及び海外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合、あるいは営業活動によるキャッシュ・フローの不足、収益性の低下又は資産及び負債管理の失敗、さらには格付会社による当社及び連結子会社の信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか、または調達コストが増加する可能性があり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)市場リスクについて
① 各種商品価格の変動について
当社及び連結子会社は、様々な商品を扱っており、一定の商品、契約、予定取引に係る市況変動リスクを軽減するため、商品先物・先渡等の契約を締結しておりますが、市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、資源・エネルギー開発事業やその他製造事業に参画しており、それらの事業を通じて販売する生産物や製品に関連する商品市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 市場流動性について(流動性リスクについて)
当社及び連結子会社は、金融商品を含む市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動について
当社及び連結子会社は、様々な通貨・条件での取引を行っており、主に外貨建取引及び外貨建債権・債務残高等に係る為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ取引を締結しておりますが、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 金利変動について
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入及び社債等を通じた資本市場からの資金調達により事業資金を手当てしております。変動金利の調達は、その相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、金利変動の影響を完全に回避できないものもあり、金利変動リスクにさらされております。
当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、投資有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジションとして捉え、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等を活用することで、金利変動リスクの軽減を図っております。
しかしながら、これら手段の活用を通じても、金利の変動が与える影響を完全に回避できるものではなく、金利動向によっては、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 活発な市場のある有価証券の価格変動について
当社及び連結子会社は、関係強化あるいはその他の目的で、活発な市場のある有価証券に投資を行っております。活発な市場のある有価証券は、その公正価値の変動に伴い、本源的に価格変動リスクを有しており、公正価値の下落は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職後給付に係るリスクについて
当社及び連結子会社の年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、証券市場が低迷した場合等には資産の価値が減少し、年金資産の積み増し等が必要となる可能性があります。その場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)不動産、機械装置等の固定資産に対する減損について
当社及び連結子会社は、第三者への販売・貸与あるいは自らの使用を目的として不動産、機械装置等の固定資産を有しており、これら固定資産は潜在的に資産価値の下落に起因する減損を被る可能性を有しております。当社及び連結子会社は、IFRSに準拠して固定資産の適切な減損処理を行っておりますが、資産価値が著しく減少した場合、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制等について
当社及び連結子会社の営業活動は、日本及び諸外国において、広範な法律及び規制に服しております。これらの法律及び規制の変更、予期し得ない解釈等によって、当社及び連結子会社の法令遵守のための負担が増加する可能性があります。従って、法律及び規制の変更、解釈の変更がなされた場合には、営業活動の中断を含む罰則の適用を受け、または信用の低下等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)重要な訴訟について
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)環境リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、これにより環境汚染等が生じた場合には、事業の停止、汚染除去費用、あるいは住民訴訟対応費用等が発生し、社会的評価の低下につながる可能性があります。これら環境リスクに対応するため、環境マネジメントシステムを導入(1999年度)し、新規投融資案件や開発プロジェクト案件について環境影響評価を実施する等、環境負荷の把握と環境リスクの低減に努めております。しかしながら、何らかの環境負荷が発生した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害リスクについて
地震等の自然災害により事業所・設備が損壊する等の被害が発生し、当社及び連結子会社の営業活動への支障が生じる可能性があります。BCP(事業継続計画)の策定、耐震対策、防災訓練等、個々に対策を講じておりますが、自然災害等による被害を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)テロ・暴動遭遇リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルに営業活動を展開しており、海外各国のテロ・暴動等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされております。こうした様々なリスクは、当社及び連結子会社の業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)営業活動全般に付帯、関連するその他のリスクについて
業務遂行に係る従業員等の任務懈怠又は営業活動を支えるコンピューター・システム等に障害や情報漏洩が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.リスク管理について
当社及び連結子会社は、稟議制度に基づき意思決定をした信用供与、投資等の個別案件のうち、新規事業等の重要案件については、進捗状況を常時把握して問題処理への迅速な対応を図るべく、経営会議体への定期報告を義務付けるフォローアップ体制を整える等、個別リスク管理を強化してリスク回避を図っております。
また、全社的なリスクの分散という観点から、特定の国、業種、客先に対する市場リスク・信用リスク・投資リスク等の定量化が可能なリスク(計測可能リスク)を把握する統合リスク管理を実施しております。統合リスク管理においては、適切な意思決定とモニタリングを行い得るよう、リスク管理の基本方針・社内規則を定め、それを遂行するための組織、管理体制、管理手法及びシステムインフラを整備しております。
一方、コンプライアンスリスク等の定量化が困難なリスク(計測不能リスク)については、コーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの整備、及びコンプライアンス体制の強化を通じて、リスクの顕在化を未然に防止する体制を整えております。
しかしながら、当社及び連結子会社の幅広い事業活動から生じる、または将来新たに発生する可能性のある多種多様なリスクに対して、当社及び連結子会社のリスク管理の枠組みでは十分に対応しきれない可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.中期経営戦略について
当社及び連結子会社は、2019年度より3ヵ年の中期経営戦略「GC2021」をスタートしております。定量目標は、2021年度の親会社の所有者に帰属する当期利益3,000億円、中期経営戦略期間累計の基礎営業キャッシュ・フローを12,000億円、株主還元後フリーキャッシュ・フローを+1,000億円以上、新規投資を9,000億円程度、2021年度末のネットDEレシオを0.7倍程度、ROEを10%以上としております。
なお、これらの定量目標は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、事業環境の変化やその他様々な要因により達成できない可能性があります。
4.重要な会計方針及び見積りによるリスクについて
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における「3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の「(1)重要な会計方針及び見積り」をご参照願います。
1 経営成績等の状況の概要
(1)経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の経済環境を概観しますと、年度前半は米国をはじめとする先進国では概ね安定した状況が続き、中国等の新興国でも景気拡大の動きが続きました。しかし、米中通商摩擦に加え国際金融環境の引締まりが意識され、年末にかけて金融市場の動揺や中国経済の減速、欧州経済の停滞が顕在化し、世界経済全体の不透明感が高まりました。これをうけ、米国を中心に金融引締めの速度は見直されることとなりました。この間、原油をはじめとする商品市況は、供給側の要因や米中を中心とした通商摩擦をうけて、商品ごとに異なる値動きとなりました。
米国経済は、堅調な雇用環境、税制改革の効果等を背景に景気の拡大が続きました。物価が緩やかに上昇するなか、米国連邦準備制度理事会(FRB)は利上げと保有資産の縮小を継続してきました。しかし、金融環境の引締まりや通商摩擦をうけ、10月以降株価が下落し、年末年始には金融市場の動揺や政府機関の一部閉鎖等の混乱がみられる等、景気の不透明感が高まりました。これをうけ、金融引締めの速度は見直されることとなりました。
欧州経済は、Brexit交渉の難航やイタリアの財政を巡る混乱により不透明感が強まる局面もみられましたが、年度前半は総じて安定した成長が続きました。しかし、年末にかけて景気の減速が鮮明になるなか、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和を終了したものの、緩和的な金利水準を維持する方針を発表しました。
新興国経済は、総じて拡大の動きが継続しましたが、国際金融環境の引締まりや通商摩擦等、経済の下押し要因もみられました。夏場にはトルコ、アルゼンチン等で通貨急落がみられたほか、年後半にかけて、中国では米中通商摩擦の影響等をうけ景気の減速が鮮明となりました。
日本経済は、雇用の改善が続くなか、物価の上昇圧力は依然弱いものの、内需・外需ともに概ね安定した成長が続きましたが、相次ぐ自然災害により一時的に経済に下押し圧力がかかりました。また、国際金融環境の引締まりや通商摩擦、世界的な景気減速の影響をうけて、年後半には輸出に陰りがみられました。年末にかけて株価の下落が続き、年初には金融市場が動揺する局面もみられましたが、米国の金融政策修正に伴い更なる悪化は回避されました。
このような経済環境のなか、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は次の通りとなりました。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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増減 |
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収益 |
7,540,337 |
7,401,256 |
|
△139,081 |
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売上総利益 |
677,237 |
729,675 |
|
52,438 |
|
営業利益 |
118,054 |
173,009 |
|
54,955 |
|
持分法による投資損益 |
148,503 |
85,278 |
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△63,225 |
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親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
211,259 |
230,891 |
|
19,632 |
(注)「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であり、IFRSで求められて
いる表示ではありません。「営業利益」は、連結包括利益計算書における「売上総利益」及び「販売費及び
一般管理費」(貸倒引当金繰入額を含む)の合計額として表示しております。
収益
収益は、前連結会計年度比1,391億円(1.8%)減収の7兆4,013億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、主に素材、輸送機で減収となりました。
売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度比524億円(7.7%)増益の7,297億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、主にエネルギー・金属、素材で増益となりました。
営業利益
営業利益は、前連結会計年度比550億円(46.6%)増益の1,730億円となりました。
持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前連結会計年度比632億円(42.6%)減益の853億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、電力・プラント、食料で減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)は、前連結会計年度比196億円(9.3%)増益の2,309億円となりました。
当連結会計年度末における総資産は、持分法適用会社の連結子会社化及び棚卸資産の増加があったものの、現金及び現金同等物の減少等により、前連結会計年度末比680億円減少の6兆8,091億円となりました。また、資本合計は、純利益の積上げによる利益剰余金の増加及び円安による在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末比2,361億円増加の2兆717億円となりました。
当連結会計年度末の社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物並びに定期預金を控除したネット有利子負債は、支払配当、持分法適用会社の連結子会社化及び為替の影響による増加があったものの、フリーキャッシュ・フローでの収入等により、前連結会計年度末比570億円減少の1兆8,588億円となりました。この結果、当連結会計年度末のネットDEレシオは0.90倍となりました。
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の経営成績及び財政状態は次の通りです。
・食料
売上総利益は、主に前年度期中に買収した米国牛肉加工・販売事業が連結されたことにより、前連結会計年度比38億円(2.8%)増益の1,390億円となりました。当期利益は、北米穀物輸出事業関連投資の減損損失及び前年度の米国税制改正の影響の反動等により、前連結会計年度比454億円(-%)悪化の31億円(損失)となりました。
セグメントに対応する資産は、営業債権の減少、及び北米穀物輸出事業関連投資の減損により、前連結会計年度末比592億円減少の1兆3,786億円となりました。
・生活産業
売上総利益は、情報関連事業における持分法適用会社の連結子会社化等により、前連結会計年度比63億円(5.4%)増益の1,236億円となりました。当期利益は、情報関連事業において、前年度の関連会社株式売却益の反動があったものの、前述の持分法適用会社の連結子会社化に伴う評価益等により、前連結会計年度比103億円(38.2%)増益の373億円となりました。
セグメントに対応する資産は、情報関連事業における持分法適用会社の連結子会社化に伴い、前連結会計年度末比1,262億円増加の5,780億円となりました。
・素材
売上総利益は、市況上昇等に伴うパルプ事業の増益及び段ボール原紙事業の採算改善等により、前連結会計年度比231億円(11.4%)増益の2,264億円となりました。当期利益は、前連結会計年度比97億円(23.1%)増益の515億円となりました。
セグメントに対応する資産は、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末比382億円増加の1兆2,182億円となりました。
・エネルギー・金属
売上総利益は、石油・ガス開発事業における取扱数量の増加及び原油・ガス価格の上昇に加え、石油・ガストレーディング分野における採算改善等により、前連結会計年度比284億円(49.0%)増益の864億円となりました。当期利益は、石油・ガス開発及び金属関連資産の減損損失があったものの、売上総利益及び持分法による投資損益の増益に加え、前年度の米国税制改正に伴う法人所得税の悪化の反動を主因に、前連結会計年度比459億円(209.3%)増益の679億円となりました。
セグメントに対応する資産は、前連結会計年度末比214億円増加の1兆6,348億円となりました。
・電力・プラント
売上総利益は、海外プラント案件や英国電力卸売・小売事業の増益等により、前連結会計年度比56億円(14.2%)増益の455億円となりました。当期利益は、国内発電事業の売却益、及び前年度の海外インフラ案件における損失引当の反動等があったものの、シンガポール発電事業関連投資の減損損失により、前連結会計年度比81億円(20.9%)減益の308億円となりました。
セグメントに対応する資産は、シンガポール発電事業関連投資の減損等により、前連結会計年度末比326億円減少の1兆784億円となりました。
・輸送機
売上総利益は、自動車関連事業における連結子会社が持分法適用会社になったこと等により、前連結会計年度比127億円(9.6%)減益の1,188億円となりました。当期利益は、国内発電事業の売却益、自動車及び船舶関連事業における持分法による投資損益の増益、並びに前年度の北米自動車関連事業における損失の反動等により、前連結会計年度比110億円(26.8%)増益の520億円となりました。
セグメントに対応する資産は、前連結会計年度末比205億円増加の8,048億円となりました。
(注)1. 当連結会計年度より、「生活産業」を分割し、「食料」及び「生活産業」としております。また、「生活産業」及び「電力・プラント」の一部を「輸送機」に編入しております。これらに伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
2. セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比1,165億円(18.6%)減少の5,093億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業資金負担等の増加があったものの、営業収入や配当収入等により、2,849億円の収入となりました。前連結会計年度比では315億円の収入の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
海外事業における資本的支出等があったものの、事業や株式の売却収入により、225億円の収入となりました。前連結会計年度比では723億円の収入の増加であります。
以上により、当連結会計年度におけるフリーキャッシュ・フローは、3,074億円の収入となりました。前連結会計年度比では1,037億円の収入の増加であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債及び長期借入金等の返済、配当金の支払いを行った結果、4,274億円の支出となりました。前連結会計年度比では1,579億円の支出の増加であります。
2 仕入、成約及び販売の実績
(1)仕入の実績
仕入と販売との差異は僅少であるため、仕入高の記載は省略しております。
(2)成約の実績
成約と販売との差異は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。
(3)販売の実績
「1 経営成績等の状況の概要」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記4 セグメント情報」をご参照願います
3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。重要な会計方針についての詳細は、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要な会計方針」をご参照願います。
連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。
棚卸資産の評価
当社及び連結子会社が保有している棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当該変動が発生した期の純損益として認識しております。
有形固定資産及び無形資産の減損
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産については、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用ならびに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
確定給付制度債務
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率等の前提条件が含まれております。
繰延税金資産の回収可能性
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産を認識しており、その測定に当たっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金資産は、企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
当社及び連結子会社が保有している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
金融商品の評価
償却原価で測定される負債性金融資産等については予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。取引先の信用状態の悪化に伴い、回収が困難・不能となるか、あるいは、回収に相当長期を要すると認められた場合に、債務不履行が生じているとみなしております。
各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、貸倒引当金を各報告期間の期末日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「12ヵ月の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。一方、各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、貸倒引当金を当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「全期間の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権等については、貸倒引当金を常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
各報告期間の期末日において、認識が要求される金額に修正するために必要となる貸倒引当金の計上又は戻入れの金額は純損益として認識しております。
公正価値で測定される金融資産及び金融負債については、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債と、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。金融資産及び金融負債の公正価値は、活発な市場における公表価格で測定しております。金融資産及び金融負債に関する市場が活発でない、または市場が存在しない場合は、適切な評価技法を用いて公正価値を測定しております。
偶発負債
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
当社では、保証を差入れるに当たり、被保証者について、財務諸表等の情報に基づき事前審査を行った上で、その信用力に応じた信用度ランクを付与し、適正な信用限度の設定や必要な保全措置を講じることにより、保証履行リスクの管理を実施しております。
連結財務諸表に対し重大な影響を及ぼす保証の履行を行う可能性は僅かと見込んでおり、12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定された引当金を計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度比196億円増益の2,309億円となりました。
損益項目の分析は以下の通りです。
① 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、主にエネルギー・金属、素材で増益となったこと等により、前連結会計年度比524億円増益の7,297億円となりました。オペレーティング・セグメント別の分析については「1 経営成績等の状況の概要」の「(1)経営成績及び財政状態の状況」をご参照願います。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比25億円減少の5,567億円となりました。
③ 固定資産損益
当連結会計年度の固定資産損益は、石油・ガス開発事業及び金属関連事業での減損損失計上等により、前連結会計年度比137億円悪化の152億円(損失)となりました。
④ その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、国内発電事業の売却益計上等により、前連結会計年度比458億円改善の107億円(利益)となりました。
⑤ 受取利息及び支払利息
当連結会計年度の受取利息は、前連結会計年度比24億円増加の160億円となりました。当連結会計年度の支払利息は前連結会計年度比119億円増加の468億円となりました。
⑥ 受取配当金
当連結会計年度の受取配当金は、エネルギー案件及び海外発電事業での増加により、前連結会計年度比161億円増加の373億円となりました。
⑦ 有価証券損益
当連結会計年度の有価証券損益は、情報関連事業での持分法適用会社の連結子会社化に伴う評価益計上等により、前連結会計年度比34億円増益の285億円(利益)となりました。
⑧ 持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法による投資損益は、主に食料、電力・プラントにおける減損損失計上等により、前連結会計年度比632億円減益の853億円(利益)となりました。
⑨ 法人所得税
当連結会計年度の法人所得税は、前連結会計年度比111億円増加の495億円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
① オフバランスシート・アレンジメント及び契約上の義務
当社及び連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び第三者の保証を行っております。詳細は、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記27 約定及び偶発負債」をご参照願います。
② その他
その他、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」をご参照願います。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態
財政状態につきましては「1 経営成績等の状況の概要」の「(1)経営成績及び財政状態の状況」をご参照願います。
② キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローにつきましては「1 経営成績等の状況の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
③ 資金調達
当社及び連結子会社の資金調達に関しては、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針とし、銀行をはじめとした金融機関からの間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー等の直接調達により、安定的な流動性を確保するとともに、金融費用の削減を目指しております。
また、主要な連結子会社の資金調達を当社及び国内外の金融子会社、海外現地法人からのグループファイナンスに一元化する体制の下、資金余剰のあるグループ会社の余資を、他のグループ会社の資金需要に機動的に活用し、当社グループ全体の資金効率化を推進しております。
なお、財務基盤の更なる強化を図るため、2016年8月16日に永久劣後特約付ローンによる2,500億円の資金調達を実行しております。
直接調達手段として、国内公募普通社債発行登録枠2,000億円を設定しております。
当社はムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)、株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の4社から格付けを取得しております。
当連結会計年度末における長期格付けは、Moody'sがBaa2、S&PがBBB、R&IがA、JCRがA+となっております。
④ 流動性の状況
連結ベースの流動比率は、前連結会計年度末の118.7%に対し、当連結会計年度末は128.1%となり、流動性の点で当社の財務健全性を維持しております。また、当社及び連結子会社では、主として現金及び現金同等物並びに定期預金の保有、コミットメントラインの設定により、資金需要、並びに一年以内に償還予定社債等の市場性資金(当連結会計年度末残高400億円)に対する十分な流動性補完を確保しております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物並びに定期預金の残高は5,095億円となっております。
設定しているコミットメントラインは以下の通りです。
・ 大手邦銀を主としたシンジケート団による3,000億円(長期)
・ 欧米主要銀行を主としたシンジケート団による555百万米ドル(短期)
(5)経営戦略の現状と今後の見通し
当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」を策定し、2019年度よりスタートしております。「Global crossvalue platform 2021」は、丸紅グループが目指す長期的な方向性を「丸紅グループの在り姿“Global crossvalue platform” 商社の枠組みを超える価値創造企業グループへ」とし、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する第一段階の経営戦略です。成長の土台となる強固な財務基盤の構築・維持を大前提として既存事業基盤の強化による持続的成長と10年先を見据えた新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を同時に推進します。詳細につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照願います。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
特に記載すべき事項はありません。