(1)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、これまでにない大きな変化、不確実な世界が到来しております。社会・人々の価値観の変容、デジタル革命といわれる技術革新の加速、産業構造の水平化・複層化、新たなエコシステムの出現等、これまでの既成概念のディスラプションが至るところで起こる時代であり、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。
(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、広範な分野において事業を多角的に展開する当社グループにも様々な影響を及ぼす可能性があります。金融・リース事業や輸送機関連ビジネス、石油・ガス開発、鉄鉱石、石炭、銅鉱山開発等の事業は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を複合的に受けることを免れることは難しい見通しです。一方で、電力・インフラ事業等の安定収益型事業やアグリ事業・食料関連といった生活に欠かせないライフライン関連事業は安定的な収益基盤として当社の業績に貢献し、化学品、エネルギー等、産業全体を支えるトレード事業も商量減少による減益は避けられないものの収益貢献が継続する見通しです。これらの見通しは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、翌連結会計年度の上半期中にピークを迎え、その後徐々に収束に向かうものの、世界経済・景気が回復基調に戻るには相当の時間を要する見込みであること、具体的には、2020年度の下半期以降においても緩やかな回復に留まり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、2021年度まで影響が残るという想定に基づくものです。
(3)会社の経営の基本方針
当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」(以下、GC2021)を策定し、2019年度よりスタートしております。
丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」
・時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張により、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
・丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。
(4)中期経営戦略「GC2021」の修正について
当連結会計年度の大幅赤字決算により財務基盤の早急な回復が必要になったことに加え、上述の通り新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により経営環境が大幅に悪化したことから、今後、当社グループの事業活動への影響が長期化することを覚悟し、世界各国のグループ社員、顧客・パートナーの安全確保を第一に、経営基盤の強化・再構築に徹底的に取り組むべく、2020年5月7日に以下の<GC2021基本方針>及び<株主還元方針>を公表しております。
<GC2021基本方針>
「財務基盤の再生・強化」
・当連結会計年度の大幅赤字決算を受け、財務基盤の再生・強化を最優先課題としてキャッシュ・フロー重視の経営を徹底
・3ヵ年累計株主還元後フリーキャッシュ・フローの黒字により債務返済を優先し、2021年度末のネットDEレシオ1.0倍程度へ
「事業戦略の強化」
・GC2021で掲げる成長戦略の基本方針は変えない
・既存事業基盤の強化と新たなビジネスモデル創出により中長期的な企業価値向上を追求する
● コスト削減を含む既存事業の強化・底上げを徹底し、持続的かつ強靭な事業基盤を構築する
● 新型コロナウイルス感染症収束後の世界経済、社会課題、成長領域、ビジネスモデルの変化を見据え、資産の入れ替え・優良化に取り組む
● 過去の事業投資パフォーマンスを総括し、リスクマネジメントの更なる拡充・強化を図る
<株主還元方針>
・連結配当性向25%以上を維持し、各年度における配当金は期初に公表する予想配当金を下限とする現行の配当方針を継続
・2020年度の配当金については、15円/株(中間7.5円/株、期末7.5円/株)とし、これを下限とする
・財務基盤の再生・強化を優先し、GC2021期間中の自己株式の取得は実施しない
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社及び連結子会社の営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しておりますが、当社及び連結子会社は広範にわたる事業活動を行っているため、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。なお、本項における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき合理的であると当社が判断したものです。
1.リスク管理方針について
当社及び連結子会社は、多様な事業活動を営む中で、マクロ・ミクロ、定量・定性という多面的な視点でリスク管理を行っており、それぞれに関して、リスク管理の基本方針・社内規則を定め、それを遂行するための組織、管理体制、管理手法を整備しております。
個別リスクへのミクロの視点からは、稟議制度に基づき意思決定をした信用供与、投資等の個別案件のうち、重要案件を対象にモニタリングを行い、問題の早期発見と対策立案を徹底しております。経営会議体への定期的な現状報告が行われる中で、事業の戦略性、成長性、収益性に関する検証を行い、必要な案件については、多角的かつ複合的な要素を勘案し、その方向性について稟議制度のプロセスに従って決定を下す等、リスク管理の強化を図っております。
また、金融市場や商品市場における為替・資源価格等のボラティリティが依然として大きい環境下、当社グループ全般を見渡すマクロの視点に立ち、統合リスク管理を実施しております。統合リスク管理では、当社グループ全体の資産を俯瞰し、エクスポージャーごとに市場リスク・信用リスク・投資リスク等のリスク属性を分類の上で、分散効果、相関係数を考慮したVaR(Value at Risk)の手法で最大リスク量を定量化し、自らの体力である連結資本の範囲内に収まっていることを確認しております。
一方で、コンプライアンスリスク等の定量化が困難なリスク(計測不能リスク)については、コーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの整備、及びコンプライアンス体制の強化を通じて、リスクの顕在化を未然に防止する体制を整えております。
しかしながら、当社及び連結子会社の幅広い事業活動から生じる、または将来新たに発生する可能性のある多種多様なリスクに対して、当社及び連結子会社のリスク管理の枠組みでは十分に対応しきれない可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.個別のリスクについて
(1)世界経済及び産業構造の変化等が当社及び連結子会社に与える影響について
当社は、日本を含む60ヵ国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開している総合商社です。当社及び連結子会社は、日本及び海外の様々な国・地域における、幅広い産業分野において、一次産業の生産・調達や、製品の製造・販売、役務提供等、様々な商業活動及び投資活動を展開しております。
このため、当社では、世界経済に影響を与える事象、例えば米中貿易摩擦、中国経済の減速懸念、Brexit、香港デモ、中東情勢、台風等の自然災害等が事業活動におよぼす影響を検討し必要な対応を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が当社及び連結子会社の事業活動に及ぼす影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について」に記載の通りであります。また、AI、ブロックチェーン、5Gサービス等の技術革新や、サステナビリティ、脱炭素化等価値観の変化・多様化による産業構造の変化に対し、既存ビジネスモデルの見直しや新たなビジネスモデルの構築を図っております。世界経済の悪化や低迷、あるいは、産業構造の変化等への不十分な対応は、当社及び連結子会社の営業活動、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先の信用リスクについて
当社及び連結子会社は、取引先に対し営業債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、また、営業活動の一環として取引先との間で商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の契約を締結しておりますので、取引先の債務不履行や契約不履行等による信用危険の負担(信用リスク)が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の信用リスクの未然防止のため、取引先の信用状態、取引の利益率や戦略的な適合性等を見極めつつ、一取引先に対して供与する信用の最高限度である「信用限度」を設定し、その範囲内にて運用することを当社の与信管理の基本としております。
なお、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、当社及び連結子会社では取引先の信用状態に応じて判定した社内格付、担保価値、その他一定の前提と見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。
(3)投資等に係るリスクについて
当社及び連結子会社は、単独又は他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等の事業活動を行っております。これら事業投資の多くは多額の資本を必要とし、当社及び連結子会社が希望する時期や方法で撤退できない可能性や、追加資金拠出を余儀なくされる可能性があります。
投資等に係るリスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、新規投資等の実施に際して、IRR、回収期間、及びリスク調整後税引後利益であるPATRAC(*)等の社内で定められた投資基準に基づき、リスクに見合うリターンが得られているかの定量面・定性面の検証を含めたリスク管理を徹底しておりますが、これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要になる場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(*) PATRAC:Profit After Tax less Risk Asset Costの略。リターンがリスクに対する最低限のリターン目標を上回っているかを計る、当社独自の経営指標。以下の計算式に基づき算出する。
PATRAC=税引後利益-リスクアセット(=必要株主資本)×10%(※)
(※)資本コストをベースとするハードルレート
(4)資金調達力及び調達コストについて
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達と安定的な流動性の確保を重視した資金調達を行っております。しかしながら、国内及び海外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合、あるいは営業活動によるキャッシュ・フローの不足、収益性の低下又は資産及び負債管理の失敗、さらには格付会社による当社及び連結子会社の信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか、または調達コストが増加する可能性があり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)市場リスクについて
当項目内において、親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)への影響額は、他に記載のない限り、当社の当連結会計年度の業績を踏まえて試算した翌連結会計年度に対する影響額を記載しております。
① 各種商品価格の変動について
当社及び連結子会社は、様々な商品を扱っており、一部の商品、契約、予定取引については、それらに係る市況変動リスクを軽減するため、商品先物・先渡等の契約を締結しておりますが、食料本部が取り扱うトウモロコシや小麦等の穀物や鶏肉、化学品本部が取り扱うエチレンやプロピレン等の化学品、エネルギー本部が取り扱う原油やガス、金属本部が取り扱う非鉄金属、フォレストプロダクツ本部が取り扱うパルプといった商品は、その価格変動によって当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これら商品を輸送するためにドライバルク船やタンカー等の船舶を利用しておりますが、これら船舶市況も当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、商品売買取引における価格変動リスクに関し、商品ごとに設定したポジション限度の範囲内での取引実施、及び商品ごとのポジションの適時モニタリングを柱とする商品ポジション管理を通じて、各商品市場に対して過大なリスクを負うことのないように管理しております。
これらの商品売買取引における各種商品価格の変動の影響に加え、当社及び連結子会社は、資源・エネルギー開発事業やその他製造事業に参画しており、それらの事業を通じて販売する生産物や製品に関連する商品市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社及び連結子会社が参画する資源・エネルギー開発事業において、主な商品の価格変動の影響は以下の通りです。
原油の商品価格が1バレル当たり1米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約6億円と試算されますが、生産・操業状況、操業費用、生産坑井掘削及び生産設備の建設等の開発費用、探鉱費用、廃坑費用等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、原油の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。
銅の商品価格が1トン当たり100米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約10億円と試算されますが、生産・操業状況、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。
② 市場流動性について(流動性リスクについて)
当社及び連結子会社は、金融商品を含む市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等
により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があり、その場合に
は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動について
当社及び連結子会社は、様々な通貨・条件での取引を行っており、主に外貨建取引及び外貨建債権・債務残高等に係る為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ契約を締結しておりますが、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当期利益に占める海外連結子会社、持分法適用会社の持分損益や海外事業からの受取配当金の割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に影響を与えます。米ドルに対して日本円が1円変動した場合における当期利益への影響額は、年間約6億円と試算されます。
④ 金利変動について
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入及び社債等を通じた資本市場からの資金調達により事業資金を手当てしております。変動金利の調達は、その相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、金利変動の影響を完全に回避できないものもあり、金利変動リスクにさらされております。
当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、投資有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジションとして捉え、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等を活用することで、金利変動リスクの軽減を図っております。
しかしながら、これら手段の活用を通じても、金利の変動が与える影響を完全に回避できるものではなく、金利動向によっては、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 活発な市場のある有価証券の価格変動について
当社及び連結子会社は、関係強化あるいはその他の目的で、活発な市場のある有価証券に投資を行っております。活発な市場のある有価証券は、その公正価値の変動に伴い、本源的に価格変動リスクを有しており、公正価値の下落は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職後給付に係るリスクについて
当社及び連結子会社の年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれております。その運用にあたっては、社内に設置した年金資産管理運用委員会で定期的なモニタリングを実施した上で、許容できるリスクの範囲内で常に年金資産の極大化に努めております。しかしながら、当社の想定を超える証券市場の低迷等により年金資産の価値が減少した場合、退職給付費用が増加し、年金資産の積み増し等が必要となることがあります。また、確定給付債務の現在価値は割引率や昇給率等につき仮定をおいて算定しておりますが、当該仮定と実際の数値が異なる場合、確定給付債務の金額に変動が生じる可能性があります。これらの場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)長期性資産に係るリスクについて
当社及び連結子会社は、第三者への販売・貸与あるいは自らの使用を目的として、不動産、機械装置等の有形固定資産を有しております。また、当社及び連結子会社は、事業拡大を目的として、事業会社の株式や持分を取得し、当該事業会社の経営に参画しておりますが、これらの中には、資源開発事業のように多額の資本的支出を伴うものや、当社がマジョリティを持たずに持分法で会計処理される投資(以下、持分法投資)を通じて事業を行っているものも含まれます。これらの長期性資産は、潜在的に、資産価値の下落、投下資金の回収不能、撤退時の追加損失発生等のリスクを有しております。
当社及び連結子会社は、IFRSに準拠してこれらの長期性資産の適切な減損処理を適時に行っておりますが、将来的に事業計画の見直しや保有方針の転換等の理由により資産価値が著しく減少した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、企業買収に伴い、のれんを含む相当額の無形資産を連結財政状態計算書に計上しております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産についてはIFRSに準拠し、定額償却を行っておりません。当社及び連結子会社は、当該のれん及び無形資産について、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、又は適用される割引率が高くなった場合等は、減損損失が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<資源権益への投資について>
当連結会計年度末における資源権益への投資について、商品別のエクスポージャーは次の通りです。
|
商品 |
エクスポージャー金額 |
主な内容 |
|
銅 |
約2,200億円 |
持分法投資(チリ) |
|
原油・ガス |
約1,200億円 |
有形固定資産(米国メキシコ湾、英領北海等) |
|
鉄鉱石 |
約1,200億円 |
持分法投資(オーストラリア) |
|
原料炭 |
約500億円 |
持分法投資・有形固定資産(オーストラリア) |
|
LNG |
約500億円 |
持分法投資(パプアニューギニア等)、その他投資(カタール等) |
|
アルミ |
約300億円 |
有形固定資産(カナダ、オーストラリア) |
|
資源投資合計 |
約6,000億円 |
|
(*)概数で表示している関係で、合計値が合わない場合があります。
当社及び連結子会社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある石油・ガス開発事業及び銅事業・鉄鉱石事業への投資においては、以下の要因により資産価値の変動が生じる可能性があります。
石油・ガス開発事業
当社及び連結子会社が参画する石油・ガス開発事業において生産・販売する原油及び天然ガス等の商品価格は、世界及び各地域での需給の不均衡、景気変動、在庫調整、為替変動、主要産油国の政局・地政学的情勢や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等、当社及び連結子会社が管理できない要因により変動する可能性があります。
なお、当社及び連結子会社の参画する石油・ガス開発事業における埋蔵量、生産量、操業費用、生産坑井掘削及び生産設備の建設等の開発費用、探鉱費用、廃坑費用等、また、これらを前提とする事業計画は、商品価格の変動や、技術的・経済的要因の他、主導する共同事業者の方針、天候・環境、資材調達、資金調達、当局による規制等の影響により修正となる可能性があります。
銅事業・鉄鉱石事業
当社及び連結子会社が参画する銅事業・鉄鉱石事業において、銅価格や鉄鉱石価格等の商品価格は、世界及び各地域での需給の不均衡、景気変動、為替変動、地政学的情勢や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等、当社及び連結子会社が管理できない要因により変動する可能性があります。
当社及び連結子会社の参画する銅事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(チリのミネラロスペランブレス銅鉱山、ミネラセンチネラ銅鉱山、ミネラアントコヤ銅鉱山)であります。また、鉄鉱石事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(豪州のロイヒル鉄鉱山)であります。
なお、これらの持分法投資は、第三者から提供されたデータや、市況状況、ファンダメンタル等を考慮の上で、当社及び連結子会社にて策定した価格見通しを使用した事業計画に基づいて評価しておりますが、商品価格や生産量の変動、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出の高騰、事業環境の変化及び電力・水等のインフラに起因するオペレーション上の問題等が生じた場合には、事業計画が修正される可能性があります。
<Aircastleへの投資について>
当社の持分法適用会社であるAircastleは、全世界のエアラインに対し航空機のリースを行っております。このため、航空旅客需要の悪化、燃油価格の高騰、為替変動等によりエアラインの支払能力が著しく悪化又は倒産した場合、またリース料率の低下や保有する航空機の資産価値が著しく下落した場合に、同社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
航空旅客需要を悪化させる要因としては、戦争やテロ行為、伝染病や自然災害、航空機事故等が想定されます。また、リース先エアラインは世界各国に分散していることから、各国及び国際間の法規制の変更や、経済制裁等の地政学上のリスクの影響を受ける可能性があります。同社への投資にあたっては、これら事象による一時的な業績の悪化を考慮しながらも、中長期的な航空旅客需要の伸びに牽引されて成長を続ける前提での事業計画に基づいて評価をしておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により航空機需要の低迷が長期化し、それに伴う競争激化や、機体価値の下落等による収益率の悪化により、当社想定よりも成長が鈍化する場合には、事業計画を修正する可能性があります。
なお、当連結会計年度末における同社向けの投資金額は約1,465億円であります。
<事業計画に契約延長を織り込んでいる案件について>
当社及び連結子会社の事業における事業計画には、策定時における事業環境に鑑み、相応の蓋然性を確認のうえで、締結済みの長期販売契約等の契約の延長を前提としている場合があります。しかし、これらの前提は、事業環境の変化、世界及び地域での需給の不均衡、景気変動等、様々な要因による影響を受けるため、実際には契約の延長を実現できない場合や、延長後の契約条件が当初事業計画における想定よりも悪化する場合があり、それに伴う事業計画の見直しにより資産価値が著しく下落し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制等について
当社及び連結子会社の事業は、日本及び諸外国において、広範な法令及び規制に服しております。それらは、事業及び投資に関する許認可、国家安全保障上の規制を含む輸出入に関する規制、関税及び各種税法、独占禁止法を含む不公正取引規制、マネーロンダリング規制、汚職・贈収賄防止関連法、環境保護関連法等の多岐の分野にわたります。例えば、事業及び投資に関する許認可に係るものとしては、日本における主なものとして、ライフスタイル本部では景品表示法等、情報・不動産本部では宅地建物取引業法及び電気通信事業法等、食料本部では食品衛生法及び飼料安全法等、化学品本部では毒物劇物取締法等、電力本部では電気事業法等、エネルギー本部では石油備蓄法等、航空・船舶本部では航空法及び海上運送法等、金融・リース本部では投資信託及び投資法人に関する法律等が挙げられ、諸外国においても、これらの法令及び規制と同一又は類似のものが存在します。
加えて、当社は、法令及び規制の遵守だけでなく、いち企業市民として高い倫理観を持ち、全てのステークホルダーの期待に応え社会的責任を果たすことをコンプライアンスと捉えております。法令及び規制の遵守を含むコンプライアンスの実践のため、当社は社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。コンプライアンス委員会の詳細は、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 <コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況> (1)会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況 ⑩内部統制システムの整備の状況」に記載の通りであります。
しかしながら、当社及び連結子会社が事業を行う国・地域によっては、法制度が十分に機能していない場合があり、予期しえない法令、規制、解釈の変更や、規制当局、司法機関等による一貫性のない法令の適用・解釈、運用の一方的な変更等が発生する可能性があること、当社及び連結子会社が行う事業(全く新しいビジネスモデルによるものを含む)の中には法令・規制が十分に整備されていない事業分野も含まれること、当社及び連結子会社は、リスクベース・アプローチに基づくコンプライアンスリスク管理を徹底しているものの、当社及び連結子会社の行う事業活動がきわめて広範であること等から、コンプライアンス違反が生じる可能性があり、当社及び連結子会社のコンプライアンス遵守のための負担が増加する可能性があります。このような事態が発生した場合には、事業の中断を含む罰則の適用を受け、または信用の低下等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<税制・税務リスクについて>
当社及び連結子会社は、様々な活動をグローバルに展開していることから、日本及び諸外国において納税義務を負っております。そのため、将来的に、各国税務当局による課税が強化され、課税ベースの拡大・税率変更といったルール変更が行われた場合には、当社及び連結子会社が納付すべき税額が増加する可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、各国の税法に従い適切な税務申告を行っておりますが、各国当局との見解の相違により、予想外の課税を受ける可能性があります。仮に課税問題が発生した場合には、外部専門家を起用し問題解決を図る等の対策を講じますが、追加的な課税が生じる可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)重要な訴訟について
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社はインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業(以下、Sugar Group)を相手にした訴訟(以下、旧訴訟)について、2011年にインドネシア最高裁判所(以下、最高裁)において当社の勝訴が確定したにもかかわらず、Sugar Groupから、旧訴訟と請求内容が同一である別途訴訟(以下、グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟)を提起され、グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟につき最高裁で当社の敗訴が一旦確定しておりますが、当社はインドネシア最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立て現在も係争中です。また、当社はSugar Groupの不法行為による当社の信用棄損等を原因としてSugar Groupに対し損害賠償請求訴訟を提起しておりますが、これに対し、Sugar Groupは当該訴訟の手続きの中で、当社に対して当該訴訟の提起が不法行為であるとして損害賠償請求訴訟(以下、反訴)を提起し、現在も中央ジャカルタ地裁にて係争中です。当社に不利な裁定を最高裁が下したグヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟並びに中央ジャカルタ地裁にて現在係争中の反訴の今後の趨勢や裁判手続次第では、敗訴判決に基づく損害賠償額・金利・訴訟費用の合計金額の全部又は一部について当社が負担を強いられ損失を被る等、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります(注)。各訴訟の詳細及び経緯については「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記27 約定及び偶発負債」に記載の通りであります。
(注) 南ジャカルタ訴訟においては被告に丸紅欧州会社も含まれるため、丸紅欧州会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、これにより大気汚染、土壌汚染、水質汚染等による環境汚染等が生じた場合には、事業の停止、汚染除去費用、あるいは住民訴訟対応費用等が発生し、社会的評価の低下につながる可能性があります。これらの環境リスクに対応するため、環境マネジメントシステムを導入(1999年度)したほか、連結子会社並びに仕入先に対する訪問調査、書面調査を実施する等、環境負荷等の把握と環境リスクの低減に努めております。しかしながら、何らかの環境負荷が発生した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害等のリスクについて
当社及び連結子会社が事業活動を展開する国や地域において、地震、津波、大雨、台風等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、社員・事業所・設備やシステム等への被害及び交通、情報通信、水道・ガス・電力等の公共インフラに機能不全等が発生し、当社及び連結子会社の事業活動に支障が生じる可能性があります。
BCP(事業継続計画)の策定、耐震対策、防災訓練、必要物資の備蓄等、個々に対策を講じておりますが、自然災害等による被害や影響を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社及び連結子会社への影響は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について」に記載の通りであります。
(11)気候変動リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、気候変動により自然災害の激甚化や異常気象の深刻化、降雨や気象パターンの変化、平均気温の上昇や海面の上昇等といった物理的リスクが顕在化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、気候パターンの変化による穀物不作や、異常気象の激甚化による物流機能の麻痺が、穀物集荷ビジネスや農業資材ビジネスの収益を悪化させる可能性があります。
また、脱炭素社会に向けた、炭素税の導入及び強化等の温室効果ガス排出規制や急激な再生可能エネルギー技術の発展等の移行リスクは、化石燃料に関連する事業を中心に、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの気候変動リスクの発生可能性は、パリ協定の枠組みの下での気候変動の進行を防ぐ取り組みの状況に大きく左右されます。
当社は、社長直轄のサステナビリティ推進委員会を設置のうえ、新規石炭火力発電事業には原則として取り組まず、石炭火力発電事業によるネット発電容量を2018年度末対比2030年までに半減させる等の取り組み方針を定める等、気候変動リスクの低減に努めております。
しかしながら、これらの取り組みが奏功しない場合や今後想定を上回る速度又は規模で気候変動が進行する場合、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)カントリーリスクについて
当社及び連結子会社はグローバルに営業活動を展開しているため、当該活動地域・国における政治状況の変化、テロ・暴動を含む社会情勢の悪化、経済環境の変化、営業活動に関わる法制度や政策の変更、天災等、様々なカントリーリスクにさらされており、これらの地域・国の事業環境が悪化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社及び連結子会社が活動する国に対し、各国のリスク度を評価して国分類に区分し、国分類または国ごとのカントリーリスク管理基準を設けております。
この基準の下で、国分類または国ごとの取り組み方針を定め、また各国向けのリスク・エクスポージャーを集計して特定の国分類または国へのエクスポージャー集中を防ぐ等の管理を行っております。
また、新規投資案件等の検討にあたっては、国分類または国ごとのカントリーリスクに見合った適正なリターンが得られるのかという観点も考慮した投資基準を設定しております。
さらに、案件ごとに必要に応じて、貿易保険や投資保険を付保する、第三国からの保証等を取得する等、適切なリスクヘッジ策を講じるべく努めております。
当連結会計年度末における主なカントリーリスクエクスポージャー(*)は次の通りです。
(*)当社及び連結子会社の保有資産のうち、長期与信、固定資産、投資等の長期性資産の金額の合計。
エクスポージャーが1,000億円以上の国を抽出。
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米国 |
8,466億円 |
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チリ |
2,592億円 |
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オーストラリア |
2,267億円 |
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インドネシア |
1,674億円 |
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英国 |
1,367億円 |
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シンガポール |
1,014億円 |
(13)情報システム及び情報セキュリティに関するリスクについて
当社及び連結子会社は、情報資産の適切な管理及び高い情報セキュリティレベルの確保を重要事項と認識し、関連規程を整備のうえ、役員・社員への教育・啓蒙活動を行うとともに、セキュリティ面での点検活動を実施しております。また、グループも含めてネットワーク監視等を行い、セキュリティリスクへの対策に取り組んでおります。
しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)重要な会計方針及び見積りによるリスクについて
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
・棚卸資産の評価
・有形固定資産の減損
・無形資産の減損
・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
・繰延税金資産の回収可能性
・確定給付制度債務
・引当金
・金融商品の評価
・偶発負債
当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。
重要な会計方針の見積り及び仮定についての詳細は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」の「(3)重要な会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要な会計方針」に記載の通りであります。
3.中期経営戦略について
当社及び連結子会社は、2019年度より3ヵ年の中期経営戦略「GC2021」をスタートしておりますが、2019年度の赤字決算により毀損した財務基盤の立て直しを最優先課題とし、定量目標を修正しております。修正の内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)中期経営戦略「GC2021」の修正について」に記載の通りであります。
これらの定量目標は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、経営環境の変化、上記個別リスクの発現、その他様々な要因により達成できない可能性があります。
1 経営成績等の状況の概要
(1)当連結会計年度における経済環境及びオペレーティング・セグメント別の事業の状況
経済環境
当連結会計年度の経済環境を概観しますと、年度のはじめより、先進国や中国の景気減速に加え、米中通商摩擦の継続による景況感の悪化から多くの新興国でも景気減速が続きました。これを受けて米国をはじめ各国で金融緩和が行われたことに加え、12月に米中通商協議が部分合意されると、一時的に更なる景況感の悪化は回避されました。
しかし、年明け以降、中国から世界に新型コロナウイルスの感染が広がると、世界各地で外出制限等の感染拡大防止策が講じられました。その結果、各国の経済活動が大幅に制限され、世界経済の急激な縮小、金融市場の混乱、一次産品価格の下落が生じました。特に原油価格は移動制限と景気悪化に伴う需要減少懸念に加え、OPECプラスの協調減産協議決裂により急落しました。また銅価格は世界消費量の半分を占める中国需要の減少懸念や自動車生産の相次ぐ停止等が嫌気され下落しました。かかる状況下、各国政府・中銀は家計・企業・金融市場を支えるため、かつてない規模の財政出動を含むあらゆる政策手段の総動員に踏み切りました。
オペレーティング・セグメント別の事業の状況
当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント別の事業の状況は、以下の通りであります。
・ライフスタイル
世界的に大きな社会課題となっている衣料品等繊維製品の大量廃棄問題の解決に貢献するため、繊維リサイクル技術を有するタイトンバイオサイエンス社に出資しました。販売チャネルの活用等、当社及びSaide Tekstil Sanayi ve Ticaretが保有する機能との掛け合わせにより、グローバルな循環型サプライチェーンの構築に取り組んでおります。
また、丸紅フットウェアにおいては、子ども靴ブランド「イフミー」の足計測アプリの導入や米国アウトドアブランド「メレル」等を販売する直営店の出店等、消費者向け直販事業に注力しました。ブランド認知度も向上しており、販売は好調に推移しました。
・情報・不動産
情報分野では、世界各国の通信規制状況に応じて現地キャリアと接続し、低価格・高速度の通信を可能とするグローバルIoT通信サービスの提供や、加入者管理機能を保有したフルMVNO(*)として独自SIMカードの発行が可能となったことにより、新たに高付加価値の無線通信サービスの提供を開始しました。
不動産分野では、「ミッドタワーグランド」(東京都中央区月島)や中国の嘉興市(上海近郊)及び長春市における住宅販売が堅調に推移しました。また、上場リートや私募リートを通じて、ホテル、物流センター等への積極的な投資活動を行いました。
(*)Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)
・フォレストプロダクツ
インドネシアにおける植林・パルプ製造販売事業は、順調なオペレーションを通じて競争力強化を推進し、国内の板紙製造販売事業は、2018年度下期に実施した段ボール原紙値上げによる増収効果により増益を実現しました。また、木質資源活用の一環として、ペレットの自社ソース開発等バイオマス燃料の取組みも進めております。さらに、2020年下半期の商業生産開始を目指し、ベトナムの段ボール原紙製造工場の建設を進めるとともに、衛生紙分野では、世界第4位の市場規模を有するブラジルにて衛生紙製造販売会社サンテル社の買収を決定し、同国での事業に参画するとともに、今後は他地域への展開も推進していきます。
・食料
2019年5月にベトナムで当社100%出資のインスタントコーヒー製造販売会社のIguacu Vietnamを設立しました。伸長するアセアン・中国市場における事業拡大を目指し、2022年の商業稼働を予定しております。また、米国の牛肉処理加工販売会社のCreekstone Holdingにおいて設備増強を実施しました。グローバルな需要拡大が見込まれる高品質牛肉の供給拠点として、事業基盤の更なる強化を図っていきます。今後も引き続き、プレミアムビーフ等のスペシャリティ商品のマーケティング強化と製造・メーカー機能強化を戦略の柱として、事業拡大と持続的成長を推進していきます。
・アグリ事業
アグリインプット事業分野では、資産買収等を通じた米州・欧州・アジアの顧客基盤強化を引き続き図るとともに、一大農産地であるブラジルにおいて、新たに農業資材販売会社のAdubos Realへの出資を実施しました。
これら事業展開地域の拡大に加え、ITを駆使した顧客へのソリューション提供を強化することにより、一層の事業拡大を進めていきます。
また、北米穀物事業分野では、GavilonやColumbia Grain Internationalが営む集荷・保管・配送の既存事業の拡充を推進していくと同時に、食の安全・健康への意識の高まりに根差した新規事業にも取り組んでいきます。
・化学品
長年にわたり業界でトップクラスの地位を維持している石油化学品トレードでの需給調節機能の高度化や、蓄電池・ディスプレイ・太陽光発電機器に代表されるエレクトロニクス等のスペシャリティ分野でのソリューション提供型ビジネスの深化を国内外で推し進めております。また、飼料添加剤ディストリビューターのOrffa International Holdingを軸に、人口増加に伴い持続的な成長が期待できるライフサイエンス分野での事業拡大に注力するとともに、AIを活用した画像診断をはじめとするデジタルヘルス分野への進出等、化学品の枠を超えた新分野での新たな仕組み作りにも取り組んでおります。
・電力
再生可能エネルギー発電分野において、カタール初の大型太陽光発電事業となるアル・カルサ案件を受注、台湾で太陽光発電事業を開発・運営するチェンヤ・エナジー社とその事業群の買収に合意、秋田港・能代港における日本初の商業ベースでの洋上風力発電事業及び蒲郡市でのバイオマス発電事業の融資契約を締結して事業基盤を拡大し、スワイハン太陽光発電事業も商業運転を開始しました。さらに、UAEのフジャイラF3ガス焚き発電事業やミャンマーの500KV GIS(*)変電所建設案件を受注、アフリカでソーラーホームシステム販売事業を行うAzuri Technologiesへの出資参画、SmartestEnergyの米国等への展開や英国Dual Energy Direct買収による小売事業強化等火力発電事業や電力サービス事業の拡張も図っております。
(*)Gas Insulated Switchgear(ガス絶縁開閉装置)
・エネルギー
地球温暖化問題が深刻化する中、低炭素の天然ガス・LNG事業分野では、カタール等既存案件の安定操業・効率化・拡張の検討、さらには需要開発等サプライチェーンの拡充に資する取り組みを着実に進めております。また、新エネルギー分野では、豪州・米国・国内でCO2フリーに繋がる水素や燃料アンモニア製造・供給案件、バイオ燃料事業の検討や実証事業がスタートしました。さらに、強みである石油製品、天然ガス、LNG、ウラン等でのトレード&マーケティング分野でも収益が伸長しており、様々な事業分野で社会や顧客のニーズに応えるサービス提供に注力しております。
・金属
中核事業の豪州ロイヒル鉄鉱山、豪州クイーンズランド州のジェリンバーイースト炭鉱等の原料炭炭鉱及びアントファガスタ社とのチリ・センチネラ銅鉱山等の銅鉱山において、生産の最適化や厳格なコスト管理、AI等の先進技術の導入により収益力の向上を図るとともに、優良資産の新規取得や買い増し、新規鉱区の開発にも取り組んでおります。また、カナダ・ケベック州の鉱山廃棄物を活用したマグネシウム生産事業への参画をはじめとする循環型ビジネスへの取り組み強化、EV(*)の普及に必要不可欠な原材料の供給を通じて、グローバルな社会課題である環境問題解決に尽力しております。
(*)Electric Vehicle(電気自動車)
・プラント
水分野では、ポルトガル水道事業会社AGS MCUK Holdingsの完全子会社化を実現し、エネルギーインフラ分野では、7件目及び8件目のブラジル向けFPSO(*1)長期傭船事業に参画しました。交通インフラ分野では、2014年に受注した豪州シドニーメトロノースウェスト線の延伸案件となるシドニーメトロシティ&サウスウェスト線のPPP(*2)事業権を獲得しました。また、インフラファンド分野では、ガス・交通インフラの資産を順調に積み上げております。低炭素・循環型エコノミー分野では、英国カーボンクリーンソリューションズ社への出資を通じ、CO2回収・有効利用事業に参入しました。
(*1)Floating Production, Storage and Offloading System(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)
(*2)Public Private Partnership(官民連携)
・航空・船舶
航空分野では、旺盛な旅客需要を背景に部品トレード事業、航空アセットマネジメント事業、空港グランドハンドリング事業が順調に拡大、またビジネスジェット事業、空港での車両の自動走行化、ロケット開発会社との資本提携を通じた宇宙事業への参入等、将来に向けた事業領域の拡大を図っております。船舶分野では、市況は不安定ながらトレード・自営船事業・LNG船事業ともに耐性を保ち堅調に推移した他、新たにパートナー会社とのばら積み船プール事業への参入、船舶保有ファンドへの出資参画も行いました。さらにはデジタル化も見据えた新規取組の模索等、商社のオーガナイズ機能の極大化を推進しております。
・金融・リース事業
航空機リース事業では、中長期的な航空旅客需要を背景に成長を続けている米国の持分法適用会社Aircastleの全株式をみずほリース株式会社と共同で取得しました。また、冷蔵・冷凍トレーラーリース・レンタル事業では、当社米国子会社株式をみずほリース株式会社へ持分譲渡し、同社との海外事業の共同展開を強化しました。航空機エンジンリース事業においては、Total Engine Asset Managementが保有する航空機エンジンを裏付けとする資産担保証券の発行に関する契約を、アジア企業として初めて締結しました。米国の中古車販売金融事業は、徹底したデータ活用による貸倒れの低減と販路の拡大に注力しました。
・建機・自動車・産機
建設機械分野では、トルコにおける建機販売代理店を連結子会社化し、代理店及び関連事業の収益基盤の強化・拡大に取り組んでおります。自動車分野では、米国における部品販売や車両整備等のアフターマーケット事業の拡大に取り組むとともに、EV用バッテリーマネジメント及び二次利用の事業化検討等、車両電動化へ多角的に取り組んでおります。タイヤ・ゴム資材分野では、タイ・メキシコにおいてタイヤ小売店舗を拡大しました。産業機械分野では、分散型電源の普及拡大に取り組むとともに、出資先を通じた構造物の予防保全に関する実証実験を開始しました。
・次世代事業開発
次世代事業開発本部は、世の中の成長テーマを捉え、次世代の収益基盤となる新たな事業の開発を目的として、2019年4月に発足しました。ヘルスケア分野においては、中国での医薬品卸販売事業が好調に推移した他、インドネシア最大の民間総合病院グループの株式取得により同国での病院事業に参画しました。また、革新的な技術やビジネスモデルを取り込み、新たな事業の開発を加速するためコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を設立した他、シンガポール政府系投資会社テマセック傘下ファンドへの出資を行いました。アジア中間層向け事業開発、スマートシティ開発についても積極的に推進しております。
(2)当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況
「2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」をご参照願います。
(3)仕入、成約及び販売の実績
①仕入の実績
仕入と販売との差異は僅少であるため、仕入高の記載は省略しております。
②成約の実績
成約と販売との差異は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。
③販売の実績
「2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記4 セグメント情報」をご参照願います。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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増減 |
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①収益 |
7,401,256 |
6,827,641 |
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△573,615 |
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②売上総利益 |
729,675 |
696,808 |
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△32,867 |
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③販売費及び一般管理費 |
△549,014 |
△558,487 |
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△9,473 |
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④貸倒引当金繰入額 |
△7,652 |
△4,446 |
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3,206 |
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営業利益 |
173,009 |
133,875 |
|
△39,134 |
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⑤支払利息(受取利息控除後) |
△30,857 |
△31,355 |
|
△498 |
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⑥受取配当金 |
37,336 |
27,631 |
|
△9,705 |
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⑦固定資産損益 |
△15,206 |
△250,961 |
|
△235,755 |
|
⑧有価証券損益 |
28,517 |
25,123 |
|
△3,394 |
|
⑨その他の損益 |
10,742 |
△15,098 |
|
△25,840 |
|
⑩持分法による投資損益 |
85,278 |
△55,150 |
|
△140,428 |
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税引前利益(損失) |
288,819 |
△165,935 |
|
△454,754 |
|
⑪法人所得税 |
△49,535 |
△24,256 |
|
25,279 |
|
⑫親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
230,891 |
△197,450 |
|
△428,341 |
(注)1. 本資料においては、特に記載がない場合、百万円未満を四捨五入して表示しております。
2. 「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であり、IFRSで求められている表示ではありません。「営業利益」は、連結包括利益計算書における「売上総利益」、「販売費及び一般管理費」及び「貸倒引当金繰入額」の合計額として表示しております。
①収益
当連結会計年度の収益は、中国向け穀物取引の減少、石油化学製品の価格下落及び取扱数量減少、Gavilon穀物事業における減収等により、前連結会計年度比5,736億円(7.8%)減収の6兆8,276億円となりました。
②売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、アルテリア・ネットワークスの連結子会社化(以下、ARTE子会社化)に伴う影響等があったものの、天候不順及び肥料市況悪化に伴うGavilonの減益、パルプ市況の悪化等に伴うムシパルプ事業の減益、原油・ガス価格の下落等に伴う石油・ガス開発事業の減益等により、前連結会計年度比329億円(4.5%)減益の6,968億円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、ARTE子会社化に伴う影響等により、前連結会計年度比95億円(1.7%)増加の5,585億円となりました。
④貸倒引当金繰入額
当連結会計年度の貸倒引当金繰入額は、前連結会計年度比32億円(41.9%)減少の44億円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比391億円(22.6%)減益の1,339億円となりました。
⑤支払利息(受取利息控除後)
当連結会計年度の支払利息(受取利息控除後)は、米ドル金利の低下に伴う減少があったものの、IFRS第16号「リース」の適用に伴う増加等により、前連結会計年度比5億円(1.6%)増加の314億円となりました。
⑥受取配当金
当連結会計年度の受取配当金は、海外発電事業での減少等により、前連結会計年度比97億円(26.0%)減少の276億円となりました。
⑦固定資産損益
当連結会計年度の固定資産損益は、米国メキシコ湾及び英領北海における石油・ガス開発事業の有形固定資産並びにGavilon穀物事業の買収に伴い認識したのれん及び無形資産等の減損損失の計上等により、前連結会計年度比2,358億円(-%)悪化の2,510億円(損失)となりました。
⑧有価証券損益
当連結会計年度の有価証券損益は、米国冷凍・冷蔵トレーラーリース・レンタル事業の一部売却に伴う有価証券損益の増益があったものの、前連結会計年度におけるARTE子会社化に伴う時価評価益の反動等により、前連結会計年度比34億円(11.9%)減少の251億円(利益)となりました。
⑨その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、海外インフラ案件における損失、再保険事業関連損失、Gavilonの欧州(イタリア・スペイン)向け取引における不適切な処理に起因する過年度決算修正に伴う損失に加えて、前連結会計年度における国内発電事業の売却益計上の反動等により、前連結会計年度比258億円(-%)悪化の151億円(損失)となりました。
⑩持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法による投資損益は、チリ銅事業投資、米国航空機リース事業投資、フィリピンインフラ事業投資、米国西海岸穀物輸出事業投資、英国洋上風力据付事業投資、パプアニューギニアにおけるLNG事業投資の減損損失の計上等により、前連結会計年度比1,404億円(-%)悪化の552億円(損失)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度比4,548億円(-%)悪化の1,659億円(損失)となりました。
⑪法人所得税
当連結会計年度の法人所得税は、税引前利益の悪化により、前連結会計年度比253億円(51.0%)減少の243億円となりました。なお、当連結会計年度において、英領北海石油ガス開発事業並びに当社及び連結納税子会社において繰延税金資産の取り崩しによる損失を計上いたしました。
⑫親会社の所有者に帰属する当期利益(損失)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)は、営業利益の減益に加えて、減損損失等の一過性損失があったことにより、前連結会計年度比4,283億円(-%)悪化の1,975億円(損失)となりました。
主な一過性損失(税引後計数)は以下の通りです。
|
米国メキシコ湾石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失 |
940億円 |
|
Gavilon穀物事業の買収に伴い認識したのれん及び無形資産等の減損損失 |
783億円 |
|
チリ銅事業投資の減損損失 |
603億円 |
|
英領北海石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失及び 繰延税金資産の取り崩し |
575億円 |
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米国航空機リース事業投資の減損損失 |
392億円 |
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フィリピンインフラ事業投資の減損損失 |
211億円 |
|
米国西海岸穀物輸出事業投資の減損損失 |
199億円 |
|
英国洋上風力据付事業投資の減損損失 |
155億円 |
|
パプアニューギニアにおけるLNG事業投資の減損損失 |
136億円 |
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当社及び連結納税子会社における繰延税金資産の取り崩し |
101億円 |
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の経営成績は次の通りです。
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・ライフスタイル |
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(単位:百万円) |
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|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
170,345 |
164,040 |
|
△6,305 |
|
売上総利益 |
23,610 |
22,602 |
|
△1,008 |
|
営業利益 |
5,269 |
4,202 |
|
△1,067 |
|
持分法による投資損益 |
728 |
437 |
|
△291 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
5,191 |
4,127 |
|
△1,064 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
122,188 |
102,770 |
|
△19,418 |
売上総利益は、衣料品等の販売減少により、前連結会計年度比10億円(4.3%)減益の226億円となり、営業利益は、前連結会計年度比11億円(20.3%)減益の42億円となりました。持分法による投資損益は、衣料品等の企画・製造・販売事業の減益により、前連結会計年度比3億円(40.0%)減益の4億円となりました。以上により、当期利益は、前連結会計年度比11億円(20.5%)減益の41億円となりました。
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・情報・不動産 |
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
174,772 |
254,287 |
|
79,515 |
|
売上総利益 |
98,539 |
117,294 |
|
18,755 |
|
営業利益 |
18,308 |
27,924 |
|
9,616 |
|
持分法による投資損益 |
5,577 |
2,003 |
|
△3,574 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
31,365 |
11,944 |
|
△19,421 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
447,106 |
483,014 |
|
35,908 |
売上総利益は、アルテリア・ネットワークスの連結子会社化(以下、ARTE子会社化)に伴う影響及び国内不動産販売の増加により、前連結会計年度比188億円(19.0%)増益の1,173億円となり、営業利益は、前連結会計年度比96億円(52.5%)増益の279億円となりました。持分法による投資損益は、ARTE子会社化に伴う影響及び中国不動産販売事業の減益により、前連結会計年度比36億円(64.1%)減益の20億円となりました。これらに加えて、再保険事業関連損失及び前連結会計年度におけるARTE子会社化に伴う時価評価益の反動があったことから、当期利益は、前連結会計年度比194億円(61.9%)減益の119億円となりました。
|
・フォレストプロダクツ |
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
287,213 |
266,461 |
|
△20,752 |
|
売上総利益 |
41,159 |
32,424 |
|
△8,735 |
|
営業利益 |
19,792 |
11,683 |
|
△8,109 |
|
持分法による投資損益 |
2,361 |
△1,227 |
|
△3,588 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
16,213 |
3,298 |
|
△12,915 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
266,855 |
266,786 |
|
△69 |
売上総利益は、パルプ市況の悪化等により、前連結会計年度比87億円(21.2%)減益の324億円となり、営業利益は、前連結会計年度比81億円(41.0%)減益の117億円となりました。持分法による投資損益は、持分法適用会社における一部生産設備の減損損失及び前連結会計年度に持分法適用会社を売却したことによる影響により、前連結会計年度比36億円(-%)悪化の12億円(損失)となりました。これらに加えて、ムシパルプ事業における繰延税金資産の取り崩しがあったことから、当期利益は、前連結会計年度比129億円(79.7%)減益の33億円となりました。
|
・食料 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
2,078,825 |
1,675,498 |
|
△403,327 |
|
売上総利益 |
97,933 |
102,313 |
|
4,380 |
|
営業利益 |
23,796 |
31,557 |
|
7,761 |
|
持分法による投資損益 |
5,237 |
6,307 |
|
1,070 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
19,639 |
19,467 |
|
△172 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
762,628 |
679,664 |
|
△82,964 |
売上総利益は、穀物トレードの採算改善等により、前連結会計年度比44億円(4.5%)増益の1,023億円となりました。これに加えて、経費が減少したことから、営業利益は、前連結会計年度比78億円(32.6%)増益の316億円となりました。しかしながら、為替差損益の悪化及び北米天然鮭鱒事業における固定資産の減損損失等により、当期利益は、前連結会計年度比2億円(0.9%)減益の195億円となりました。
|
・アグリ事業 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
2,849,001 |
2,767,156 |
|
△81,845 |
|
売上総利益 |
185,194 |
169,146 |
|
△16,048 |
|
営業利益 |
43,183 |
27,235 |
|
△15,948 |
|
持分法による投資損益 |
△29,411 |
△24,966 |
|
4,445 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
672 |
△77,062 |
|
△77,734 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
1,233,343 |
1,164,784 |
|
△68,559 |
売上総利益は、天候不順及び肥料市況悪化に伴うGavilonの減益等により、前連結会計年度比160億円(8.7%)減益の1,691億円となり、営業利益は、前連結会計年度比159億円(36.9%)減益の272億円となりました。また、前連結会計年度に減損損失を計上した米国西海岸穀物輸出事業投資について、事業環境悪化に伴い将来事業計画を見直した結果、当連結会計年度においても、持分法による投資損益として減損損失を計上しました。これらに加えて、Gavilon穀物事業の買収に伴い認識したのれん及び無形資産等の減損損失並びにGavilonの欧州(イタリア・スペイン)向け取引における不適切な処理に起因する過年度決算修正に伴う損失により、当期利益は、前連結会計年度比777億円(-%)悪化の771億円(損失)となりました。
|
・化学品 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
610,707 |
426,956 |
|
△183,751 |
|
売上総利益 |
39,958 |
29,913 |
|
△10,045 |
|
営業利益 |
16,803 |
5,385 |
|
△11,418 |
|
持分法による投資損益 |
1,739 |
1,468 |
|
△271 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
11,448 |
4,091 |
|
△7,357 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
351,427 |
267,098 |
|
△84,329 |
売上総利益は、石油化学製品の採算悪化及び飼料機能材事業の取扱数量減少により、前連結会計年度比100億円(25.1%)減益の299億円となりました。これに加えて、貸倒費用増加等により、営業利益は、前連結会計年度比114億円(68.0%)減益の54億円となりました。以上により、当期利益は、前連結会計年度比74億円(64.3%)減益の41億円となりました。
|
・電力 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
165,463 |
162,812 |
|
△2,651 |
|
売上総利益 |
30,567 |
23,628 |
|
△6,939 |
|
営業損失 |
△10,210 |
△13,916 |
|
△3,706 |
|
持分法による投資損益 |
3,570 |
17,781 |
|
14,211 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
15,021 |
8,976 |
|
△6,045 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
712,176 |
704,279 |
|
△7,897 |
売上総利益は、英国電力卸売・小売事業等の減益により、前連結会計年度比69億円(22.7%)減益の236億円となり、営業損失は、前連結会計年度比37億円(-%)悪化の139億円(損失)となりました。持分法による投資損益は、英国洋上風力据付事業投資の減損損失等があったものの、前連結会計年度におけるシンガポール発電事業投資の減損損失の反動等により、前連結会計年度比142億円(398.1%)増益の178億円となりました。しかしながら、前連結会計年度における国内発電事業売却益の反動により、当期利益は、前連結会計年度比60億円(40.2%)減益の90億円となりました。
|
・エネルギー |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
404,591 |
469,722 |
|
65,131 |
|
売上総利益 |
55,054 |
37,343 |
|
△17,711 |
|
営業利益 |
20,010 |
3,345 |
|
△16,665 |
|
持分法による投資損益 |
958 |
△13,228 |
|
△14,186 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
26,646 |
△149,335 |
|
△175,981 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
787,524 |
572,001 |
|
△215,523 |
売上総利益は、石油・ガス開発事業における原油・ガス価格の下落等及び石油・ガストレーディング事業の減益により、前連結会計年度比177億円(32.2%)減益の373億円となり、営業利益は、前連結会計年度比167億円(83.3%)減益の33億円となりました。持分法による投資損益は、パプアニューギニアにおけるLNG事業投資の減損損失等により、前連結会計年度比142億円(-%)悪化の132億円(損失)となりました。これらに加えて、米国メキシコ湾石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失、英領北海石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失及び繰延税金資産の取り崩し等により、当期利益は、前連結会計年度比1,760億円(-%)悪化の1,493億円(損失)となりました。
|
・金属 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
386,325 |
337,664 |
|
△48,661 |
|
売上総利益 |
32,667 |
30,412 |
|
△2,255 |
|
営業利益 |
13,672 |
11,719 |
|
△1,953 |
|
持分法による投資損益 |
41,012 |
△16,547 |
|
△57,559 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
41,740 |
△5,719 |
|
△47,459 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
853,100 |
758,594 |
|
△94,506 |
売上総利益は、豪州石炭事業における商品価格の下落等により、前連結会計年度比23億円(6.9%)減益の304億円となり、営業利益は、前連結会計年度比20億円(14.3%)減益の117億円となりました。持分法による投資損益は、豪州鉄鉱石事業の増益があったものの、チリ銅事業投資の減損損失により、前連結会計年度比576億円(-%)悪化の165億円(損失)となりました。以上により、当期利益は、前連結会計年度比475億円(-%)悪化の57億円(損失)となりました。
|
・プラント |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
29,854 |
23,112 |
|
△6,742 |
|
売上総利益 |
14,844 |
14,126 |
|
△718 |
|
営業損失 |
△3,378 |
△4,545 |
|
△1,167 |
|
持分法による投資損益 |
17,522 |
△16,619 |
|
△34,141 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
15,565 |
△27,783 |
|
△43,348 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
343,588 |
243,833 |
|
△99,755 |
売上総利益は、海外プラント案件の取扱高減少により、前連結会計年度比7億円(4.8%)減益の141億円となり、営業損失は、前連結会計年度比12億円(-%)悪化の45億円(損失)となりました。持分法による投資損益は、フィリピンインフラ事業投資及び米国石油・ガス開発関連事業投資の減損損失等により、前連結会計年度比341億円(-%)悪化の166億円(損失)となりました。これらに加えて、海外インフラ案件における損失等により、当期利益は、前連結会計年度比433億円(-%)悪化の278億円(損失)となりました。
|
・航空・船舶 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
76,283 |
80,996 |
|
4,713 |
|
売上総利益 |
23,391 |
26,220 |
|
2,829 |
|
営業利益 |
11,302 |
14,058 |
|
2,756 |
|
持分法による投資損益 |
5,073 |
2,832 |
|
△2,241 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
13,990 |
11,641 |
|
△2,349 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
245,707 |
274,961 |
|
29,254 |
売上総利益は、船舶関連事業の増益等により、前連結会計年度比28億円(12.1%)増益の262億円となり、営業利益は、前連結会計年度比28億円(24.4%)増益の141億円となりました。持分法による投資損益は、船舶関連事業の増益があったものの、英国洋上風力据付事業投資の減損損失により、前連結会計年度比22億円(44.2%)減益の28億円となりました。以上により、当期利益は、前連結会計年度比23億円(16.8%)減益の116億円となりました。
|
・金融・リース事業 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
24,774 |
25,095 |
|
321 |
|
売上総利益 |
10,740 |
11,025 |
|
285 |
|
営業利益(損失) |
1,011 |
△492 |
|
△1,503 |
|
持分法による投資損益 |
22,288 |
△20,092 |
|
△42,380 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
18,337 |
△7,424 |
|
△25,761 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
250,097 |
306,915 |
|
56,818 |
売上総利益は、前年度並みであったものの、経費が増加したことから、営業利益は、前連結会計年度比15億円(-%)悪化の5億円(損失)となりました。持分法による投資損益は、米国中古車販売金融事業の増益があったものの、米国航空機リース事業投資の減損損失により、前連結会計年度比424億円(-%)悪化の201億円(損失)となりました。当期利益は、米国冷凍・冷蔵トレーラーリース・レンタル事業の一部売却に伴う有価証券損益の増益があったものの、持分法による投資損益の悪化により、前連結会計年度比258億円(-%)悪化の74億円(損失)となりました。
|
・建機・自動車・産機 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
318,131 |
318,260 |
|
129 |
|
売上総利益 |
86,476 |
89,559 |
|
3,083 |
|
営業利益 |
18,676 |
20,017 |
|
1,341 |
|
持分法による投資損益 |
8,675 |
6,027 |
|
△2,648 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
22,131 |
19,561 |
|
△2,570 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
340,728 |
359,864 |
|
19,136 |
売上総利益は、自動車関連事業、建設機械販売事業、タイヤ・ゴム資材事業等の増益により、前連結会計年度比31億円(3.6%)増益の896億円となり、営業利益は、前連結会計年度比13億円(7.2%)増益の200億円となりました。持分法による投資損益は、前連結会計年度における国内発電事業売却益の反動等により、前連結会計年度比26億円(30.5%)減益の60億円となりました。以上により、当期利益は、前連結会計年度比26億円(11.6%)減益の196億円となりました。
|
・次世代事業開発 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
増減 |
|
収益 |
8 |
60 |
|
52 |
|
売上総利益 |
4 |
32 |
|
28 |
|
営業損失 |
△2,112 |
△4,368 |
|
△2,256 |
|
持分法による投資損益 |
8 |
2 |
|
△6 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(損失) |
△2,155 |
△3,676 |
|
△1,521 |
|
セグメントに対応する資産(参考) |
643 |
7,314 |
|
6,671 |
営業損失は、新たなビジネスモデルの創出・開発の推進に伴い、人件費・調査研究費等の経費が増加したことにより、前連結会計年度比23億円(-%)悪化の44億円(損失)となりました。以上により、当期損失は、前連結会計年度比15億円(-%)悪化の37億円(損失)となりました。
(注)1. 当連結会計年度より、「食料」、「生活産業」、「素材」、「エネルギー・金属」、「電力・プラント」及び「輸送機」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「情報・不動産」、「フォレストプロダクツ」、「食料」、「アグリ事業」、「化学品」、「電力」、「エネルギー」、「金属」、「プラント」、「航空・船舶」、「金融・リース事業」、「建機・自動車・産機」及び「次世代事業開発」に再編しております。これらに伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
2. セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
(2)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況及び財政状態の分析、並びに資本の財源及び資金の流動性について
①キャッシュ・フローの状況について
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比132億円(2.6%)増加の5,225億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業資金負担等の増加があったものの、営業収入や配当収入等により、3,270億円の収入となりました。前連結会計年度比では421億円の収入の増加であります。
基礎営業キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローから、営業資金の増減等を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」は、3,638億円となりました。その内訳は次の通りです。
(収入:+、支出:△)
|
調整後営業利益 (売上総利益+販売費及び一般管理費) |
+1,383億円 |
|
減価償却費等 |
+1,669億円 |
|
利息の受取額及び支払額 |
△372億円 |
|
配当金の受取額 |
+1,205億円 |
|
法人所得税の支払額 |
△247億円 |
|
基礎営業キャッシュ・フロー |
+3,638億円 |
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、株式の売却収入があったものの、持分法適用会社の株式の取得や海外事業における資本的支出等により、2,098億円の支出となりました。前連結会計年度比では2,323億円の支出の増加であります。
回収
当連結会計年度における投資の回収等による収入は、1,236億円となりました。
主な売却案件は以下の通りです。
・冷凍・冷蔵トレーラーリース・レンタル事業(米国 PLM Fleet 一部売却)
・豪州PPP事業
・海外発電事業
・国内小売事業(相鉄ローゼン)
新規投資・CAPEX(資本的支出)
当連結会計年度における新規投資・CAPEX(資本的支出)等による支出は、3,335億円となりました。
ビジネスモデル別の主な新規投資は以下の通りです。
セールス&マーケティング事業
・肉牛の処理加工・販売事業拡張(米国 Creekstone Holding)
・病院事業(インドネシア Siloam病院)
・農業資材販売事業(ブラジル Adubos Real)
・建設機械販売代理店事業追加出資(トルコ Temsa Is Makinalari Imalat Pazarlama Ve Satis)
ファイナンス事業
・航空機リース事業追加出資(米国 Aircastle)
安定収益型事業
・水事業追加出資(ポルトガル・ブラジル AGS MCUK Holdings)
・海外発電事業
以上により、当期のフリーキャッシュ・フローは、1,172億円の収入となりました。前連結会計年度比では1,902億円の収入の減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債及び長期借入金やリース負債等の返済、配当金の支払いを行った結果、933億円の支出となりました。前連結会計年度比では3,342億円の支出の減少であります。
②財政状態の状況について
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結 会計年度末 |
当連結 会計年度末 |
|
増減 |
|||
|
総資産 |
6,809,077 |
6,320,037 |
|
△489,040 |
|||
|
資本合計 |
2,071,726 |
1,604,600 |
|
△467,126 |
|||
|
ネット有利子負債 |
1,858,839 |
1,859,125 |
|
286 |
|||
|
ネットDEレシオ |
0.90 |
倍 |
1.16 |
倍 |
|
0.26 |
ポイント |
(注)ネット有利子負債は、社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。
当連結会計年度末における総資産は、新会計基準適用による有形固定資産等の増加があったものの、石油・ガス開発事業等における減損損失に加え、主に穀物トレード事業及び石油化学製品分野における営業債権及び貸付金の減少により、前連結会計年度末比4,890億円減少の6兆3,200億円となりました。ネット有利子負債は、フリーキャッシュ・フローでの収入があったものの、リース負債の支払い及び支払配当の影響等により、前連結会計年度末比3億円増加の1兆8,591億円となりました。資本合計は、利益剰余金の減少及び円高による在外営業活動体の換算差額の減少等により、前連結会計年度末比4,671億円減少の1兆6,046億円となりました。この結果、ネットDEレシオは1.16倍となりました。
③資本政策及び資本コストに関する考え方について
当社は、中期経営戦略「GC2021」を策定し、2019年度よりスタートしております。2019年度の赤字決算により財務基盤の早急な回復が必要になったことに加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により経営環境が大幅に悪化したことから、経営基盤の強化・再構築に取り組むべく、「GC2021」を修正しております。財務基盤の再生・強化を最優先課題としてキャッシュ・フロー重視の経営を徹底し、3ヵ年累計の株主還元後フリーキャッシュ・フローの黒字により債務返済を優先することで、2021年度末のネットDEレシオを1.0倍程度に改善させる方針です。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)中期経営戦略「GC2021」の修正について」をご参照願います。
加えて、株主資本コストを十分に意識した経営を実施するため、「GC2021」における経営指標としてROE10%以上を最低限クリアすべき水準として設定し、長期的な時価総額の向上を追求していく方針です。
当連結会計年度における資本配分の状況は以下の通りです。
当連結会計年度における基礎営業キャッシュ・フローは3,638億円の収入となり、子会社や持分法で会計処理される投資の売却等の投資活動による収入と合わせた収入合計額は4,876億円となりました。一方で、営業資金の増減による368億円の支出や、新規投資・CAPEX等の投資活動による支出と合わせた支出合計額は3,704億円となり、フリーキャッシュ・フローは1,172億円の収入となりました。
フリーキャッシュ・フローから親会社の株主に対する配当金599億円を控除した株主還元後フリーキャッシュ・フローは、573億円の収入となり、社債及び借入金やリース負債等の返済に充当しております。当社は、「GC2021基本方針」に従い、GC2021期間中は財務基盤の再生・強化を優先し、株主還元後フリーキャッシュ・フローを債務の返済に優先的に充当する方針です。なお、当社の配当に関する基本方針等については、「第4 提出会社の状況」における「3 配当政策」に記載の通りであります。
④資金調達の方針及び手段について
当社及び連結子会社の資金調達に関しては、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針としております。
銀行、生保等の国内金融機関を中心とした間接調達、及び社債、コマーシャル・ペーパーの発行を通じた直接調達をバランスよく組み合わせることにより、必要資金を確保するとともに、長年に亘り金融機関・市場関係者と培った関係性を活かしながら、安定的な資金調達と金融費用の削減を目指しております。
なお、直接調達手段として、国内公募普通社債発行登録枠2,000億円、コマーシャル・ペーパー発行枠7,000億円を設定しております。
また、財務基盤の更なる強化を図るため、2016年8月16日に永久劣後特約付ローンによる2,500億円の資金調達を実行しております。
当連結会計年度では、前連結会計年度と同様に、財務規律の向上に努めつつ、大型の投資案件に対する必要資金の確保に機動的に対応しました。翌連結会計年度は、新型コロナウイルスの発生・拡大に端を発する実体経済の悪化に伴う不測の資金需要に対して如何に適切に対応をしていくかが主要な資金調達の実施方針となります。具体的には、平時に比べて厚い手元流動性を保有し、機動的な資金調達を実施します。
連結子会社を含む当社グループの資金管理については、原則として、当社及び国内外の金融子会社、海外現地法人等の調達拠点を通じて、資金余剰のあるグループ会社の余資を、他のグループ会社の資金需要に機動的に活用することで、グループ全体における効率的な調達体制を維持しております。
格付けについて、当社はムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)、株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の4社から格付けを取得しております。
当連結会計年度末現在の長期格付けは、Moody'sがBaa2、S&PがBBB、R&IがA、JCRがA+となっております。
⑤流動性の状況について
当連結会計年度末の現金及び現金同等物並びに定期預金の残高は5,227億円となりました。また、金融機関にフィーを支払い、コミットメントラインを以下の通り設定しております。
・大手邦銀を主としたシンジケート団による3,000億円(長期)
・欧米主要銀行を主としたシンジケート団による555百万米ドル(短期)
当連結会計年度末において、1年以内に返済予定の長期債務を含む短期債務は6,200億円であり、連結ベースの流動比率は、前連結会計年度末の128.1%に対し、当連結会計年度末は122.0%となりました。現金及び現金同等物並びに定期預金の保有、コミットメントラインの設定により十分な流動性を確保しております。
前述した通り、翌連結会計年度は新型コロナウイルスによる実体経済の悪化に伴う不測の資金需要に備え、直接・間接調達を併せた機動的な資金調達を実施することで、現預金等の手元流動性を十分に確保します。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しており、連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
有形固定資産及び無形資産の減損
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。資産が減損している可能性を示す兆候の内容は、主に、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産については、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。公正価値は独立の第三者による評価結果を使用する等市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の算定に当たって使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された事業計画や、それが入手できない場合は、直近の資産状況を反映した事業計画によって見積もっております。石油・原油等の資源事業に係る開発設備及び鉱業権においては、将来油価・ガス価、鉱区ごとの開発コスト及び埋蔵量等を主要な仮定としております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。
減損損失認識後は、各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
当社及び連結子会社が保有している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。減損の客観的証拠の内容は、主に、市場性のある投資の市場価格の下落、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。また、回収可能価額は売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。 公正価値は主に、売却予定価格等に基づき算定しており、使用価値は主に、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。
減損損失認識後は、認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
偶発負債及び引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
訴訟案件に関する重要な引当金や偶発負債の見積にあたっては、見積時点における訴訟プロセスの状況、訴訟戦略上の様々な選択肢や想定される将来の訴訟の趨勢も考慮のうえ、関連する事実関係や法律関係について、社外専門家を起用の上、当社の主張する法的立場の客観的な分析及び評価を実施しております。訴訟において当社が最終的に損失を蒙る可能性が高い状況であると考えられる場合に、信頼性をもって見積ることができる金額の引当金を計上しております。
新型コロナウイルス感染症の影響
連結財務諸表の作成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による直接的または間接的影響を考慮した会計上の見積り及び仮定を用いております。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記2 作成の基礎 (3)見積り及び判断の利用」をご参照願います。
当社の経営陣は、これらの見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。
その他、重要な会計方針についての詳細は、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要な会計方針」に記載の通りであります。
(4)経営戦略の現状と今後の見通し
当社は、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、3ヵ年の中期経営戦略「GC2021」を策定し、2019年度よりスタートしておりますが、2019年度の赤字決算により株主資本が毀損し、ネットDEレシオが1.16倍に後退したことに加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等によりキャッシュ創出力の低下が見込まれることから、2021年度末ネットDEレシオ目標を当初目標の0.7倍程度から1.0倍程度に修正いたしました。
今後は、財務基盤の再生・強化を最優先課題としてキャッシュ・フロー重視の経営を徹底し、3ヵ年累計の株主還元後フリーキャッシュ・フローの黒字を達成することで債務返済を優先し、2021年度末ネットDEレシオの1.0倍程度の達成を目指します。
なお、「GC2021」の修正の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)中期経営戦略「GC2021」の修正について」をご参照願います。
当社(連結子会社を含む)は、関連会社である米国・ニューヨーク証券取引所上場の航空機リース会社Aircastle Limited(以下「Aircastle社」という)の全株式を、みずほリース株式会社と共同で取得すること(以下「本取引」という)について、2019年11月6日付でAircastle社との間で持分追加取得に向けた関連契約を締結しました。
本取引は、2020年3月24日の関係当局からの許認可取得を受け、取引条件が充足されたことにより、2020年3月27日に完了しております。
詳細については、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記9 関連会社及びジョイント・ベンチャー」に記載の通りであります。
特に記載すべき事項はありません。