当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「事業を通じて社会に貢献する」ことを企業使命としており、持続的発展が可能な社会の実現に貢献することは企業使命に適うものであると認識しております。
具体的には持続的発展が可能な社会の実現のために、温暖化などによる地球環境への影響を軽減する環境配慮事業を中核とする専門商社として、仕入先様・協力会社様などのご支援・ご協力をいただきながら、オリジナルな発想で当社ならではのソリューションをお客様に提供していくことが必要と認識しております。
2023年4月より、中期経営計画「サステナV(バリュー)」(2023年4月から2026年3月までの3ヶ年計画)をスタートいたしました。「サステナV(バリュー)」では、「カーボンニュートラル社会の実現」に向けて変化する市場の成長機会を捉えた戦略組み立てによる価値創造により、サステナ社会への適応と持続的成長を同時実現することを目指します。
市場成長機会と捉えている、サステナブルな社会の実現に貢献する「省エネ化」「省力化」のニーズに対して、ターゲット市場で必要な機能・ソリューションを提供する機能商社として価値を創造、提供してまいります。価値創造を繰り返すことにより、機能商社として一大飛躍することを目指し、持続的な成長を図ってまいります。
(2)目標とする経営指標
中期経営計画「サステナV(バリュー)」では、以下の経営指標を掲げ、遂行しております。
(中期経営計画「サステナV(バリュー)」 目標とする経営指標)
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2026年3月期 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
17億円 |
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ROE |
8%以上 |
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ROIC |
6%以上 |
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総還元性向 |
50% |
(3)経営環境
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がございます。
建設関連市場においては、製造業における工場の国内回帰、EC市場の拡大や物流業界での働き方改善によって起こる2024年問題を背景にした物流倉庫増設を見込むなど、堅調な市場推移が予測されます。
太陽光関連市場においては、半導体不足に起因する機器供給不足が解消していき、かつ世界的なエネルギー価格の高騰から再生エネルギー関連商材への注目度が高まっており、市場は拡大していくものと予想されます。
樹脂関連市場においては、半導体不足の影響による自動車市場が低迷から回復、樹脂関連市場の回復が予想されます。
民生電子機器市場においては、半導体供給不足の解消により、顧客サイドの在庫圧縮を目的とする購入調整に加え、民生電子機器市場、及び白物家電市場の低迷による生産調整により、厳しい見通しとなっております。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中期経営計画「サステナV(バリュー)」では、事業ポートフォリオとして、縦軸に売上高成長率・ポテンシャルを置き、横軸に収益性・営業利益を置き、成長性と収益性の向上の両面を見据え、右上の基盤拡大注力事業と左上の将来投資事業を戦略領域と設定いたしました。投資枠としては「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」にて2022年3月期から2026年3月期の投資枠として設定した70億円を100億円超へと拡大し、この戦略領域に経営資源を投入してまいります。
戦略領域では、これまで培ってきた様々な機能をもとに、将来的に大きな成長が見込める「省エネ化ニーズ」とターゲット市場において成長が顕在化している「省力化ニーズ」に焦点をあてております。具体的には、太陽光パネル、蓄電システム、V2H・急速充電器などの「再生可能エネルギー関連事業の拡大」、断熱材、省エネデバイスのモジュール化やアセンブリなどの機能を発揮し「省エネルギー関連事業の拡大」、精密機器向け物流資材などの「環境対応」、耐火・断熱・耐震等の機能建材、省力工法などの「省力化貢献関連事業の拡大」などを推進してまいります。
また、東京証券取引所の市場再編に際し、プライム市場に移行することが当社の企業価値を向上させ、中長期的に持続的な成長の実現に資するものとの考えに基づき、プライム市場を選択しております。しかしながら、その上場維持基準には達していないため「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出しております。
(プライム市場 上場維持基準への適合状況の推移)
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流通株式数 |
流通株式 時価総額 |
流通株式比率 |
1日平均 売買代金 |
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上場維持基準 |
20,000単位以上 |
100億円以上 |
35%以上 |
2,000万円以上 |
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2021年6月末 |
〇 27,185単位 |
不適合 47.9億円 |
〇 59.7% |
不適合 683万円 |
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2023年3月末 |
〇 28,236単位 |
不適合 82.4億円 |
〇 63.2% |
〇 3,266万円 |
東京証券取引所の決定した経過措置終了期限の2025年3月末に向けて、中期経営計画「サステナV(バリュー)」の諸施策を推進することに加え、上場維持基準達成に向けた追加施策を検討・実行してまいります。
当社はサステナの先進商社として、サステナビリティ社会への適応と持続的成長を同時実現することを目標としております。当社は下記のサステナビリティ基本方針を策定し、これをもとに継続的な活動を続けております。
サステナビリティ基本方針
高島グループは、『事業を通じて社会に貢献する』という企業使命に基づき、持続的な価値創造と企業価値向上の好循環を創ることで、持続的成長を目指します。
・サステナビリティ社会実現に貢献する事業活動を行います。
サステナビリティ社会の実現に貢献する商材の開発、拡販を行うとともに、温室効果ガスの排出削減や自然資源の効率的な利用など、環境保全に貢献することを目指します。
・社会課題に取り組むことで、企業としての持続性を高めます。
従業員の働きがい向上、エンゲージメント向上により、持続的成長に不可欠な人財の確保・強化に努めます。
・企業統治の強化を図り、リスクマネジメントとコンプライアンスの徹底を行います。
企業統治の強化を図り、透明性のある情報開示やコミュニケーションを行い、ステークホルダーと協働し共に新たな価値創造を目指します。
(1)ガバナンス
当社グループは、創業当時より「事業を通じて社会に貢献する」ことを企業使命として掲げており、オリジナルな発想を活かした当社グループならではの方法で社会にアプローチすることで世の中に役立ち、その結果として当社グループも発展したいと考え、長らく事業活動を行ってまいりました。
この企業使命を念頭に、サステナビリティに関する取り組みを推進すべく、2022年1月1日付でサステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会では、環境や社会といった当社グループのサステナビリティを推進するために、サステナビリティの推進に当たっての基本方針や目標などの検討課題について討議してまいります。
サステナビリティ委員会で検討した内容等は、取締役会で適宜審議又は報告がなされるなど、取締役会による適切な監督体制を整えております。
(2)戦略
当社は、気候変動を含むサステナビリティ関連のリスク及び機会を認識し、活動を行っております。
気候変動に関しましては、世界中で異常気象による被害が相次いでおり、十分な対策を施さなければ被害はさらに深刻化し、地球規模の被害をもたらす危険性が指摘されております。こうした状況のもと、2016年に発効したパリ協定には、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが長期目標として定められております。
このように『2℃未満』のシナリオの実現に向けて世界が動こうとする中、当社ではこれをリスクとともに機会と捉え、気候変動に対する具体的な行動指針・目標とする指標をサステナビリティ委員会で検討しております。
当社では、中期経営計画「サステナV(バリュー)」において、カーボンニュートラル社会の実現に向けて変化する市場の中で、成長機会を捉えた戦略組み立てによる価値創造を実施してまいります。サステナブルな社会に貢献する省エネ化、省力化を通じ、ターゲット市場で必要な機能、ソリューションを提供し、持続的発展が可能な社会の構築に貢献してまいります。
(3)人的資本
当社ビジネスの根幹を支える「人」への投資として、「キャリア型人財」(従業員一人ひとりが経営力と専門力を掛け合わせ、自身にあるキャリアオーナーシップを発揮し社内外で価値創造を実現できる人財)への成長を推進し支援することで、人財の充実を図り企業価値向上と持続的成長を実現してまいります。これを実現すべく、会社は従業員が自身の描くキャリアが築ける環境を整備し、上司はこれに伴走し必要なキャリア形成の環境づくりと適正なフィードバックによるキャリアゴール達成をサポートしてまいります。
(4)多様性
当社は社会変化や技術変化が大きい現代において、社会に価値を提供し続け、市場に選ばれ続ける企業となるには、強靭な経営力と他社よりも優れた専門性が不可欠と考えております。そのため、すべての従業員が経営力と専門性を培った「キャリア型人財」となり、サステナブルな企業価値を向上すべく多様な人財が活躍し、その役割を果たしていくことを目指しております。これを実現するため、当社の課題である職種ごとの人財の多様化に向け、総合職では外国人、女性、理系の採用を、事務職では外国人、男性の採用をそれぞれ積極的に取り組んでおります。
当社グループの管理職における女性比率は15.8%、中途採用者比率は71.2%、外国人比率は22.0%(すべて2023年3月末時点)となっております。2025年度には当社グループの管理職における女性比率を20%、外国人比率を30%、にそれぞれ達することを目標とし、これまで以上に多様性の促進を行ってまいります。
(5)人材育成方針
当社は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けたサステナブルな社会へ適応すべく、2030年を目標に機能商社としての一大飛躍を展望しております。2023年4月から始まった中期経営計画「サステナV(バリュー)」にある企業価値向上を促進するため、当社の最重要資本である従業員が当社独自の育成モデルである「キャリア型人財」に成長するために、グループ会社を含めたあらゆる組織の中で、適所適材となるキャリアを築くことができる環境と役割を担う機会を提供してまいります。また戦略領域への事業展開を推進するため、新たな人財を積極的に採用していくことで多様性を持つ「キャリア型人財」の育成も並行して実施してまいります。
(6)社内環境整備方針
2021年4月より始まった新人事制度を「キャリア型人財」創出のためのツールとしております。「ツールは磨いてこそ正しく機能する」との考えの下、適切な改善を適宜即座に実行していくことで、急速に変化する社会情勢においても、進化適合し着実な成長を遂げる人財となるべく、持続的な支援(キャリアサポート)に取り組んでいき、多様な人財が能力を発揮し活躍できる職場環境づくりを推進してまいります。また安心と安全を得られる職場環境を促進するため、介護休業や男性育児休業を希望する従業員が、仕事と個人の生活を統合し安心して働き続けられる環境づくりを、従業員の適正な労働時間管理と安全教育研修を継続していくことで安全に働き続けられる環境づくりを、それぞれ実施してまいります。
(7)リスク管理
当社グループにとって、気候変動は重要なリスクのひとつであり、グループで取り組むリスクと認識しております。
当社グループでは気候変動のリスク及び機会について、サステナビリティ委員会メンバーの参加するワーキンググループを設置し、TCFDの提言に基づいたシナリオ分析を行い、重要なリスク及び機会を特定し、影響の度合いを評価いたしました。引き続き、サステナビリティ委員会で、継続的にリスク分析、対策の立案、進捗管理をしてまいります。
現在、当社では、全社的なリスクマネジメント体制の中のひとつとして、環境に関するリスクマネジメント体制を構築し、気候変動リスクへの対応を進めていくために、環境管理委員会、サステナビリティ委員会及びリスク管理委員会で連携し、会社として統合的なリスク管理を行い、実効性を高めております。今後も引き続き、気候変動リスクを評価し、対応するための体制の充実に取り組んでまいります。
(8)指標及び目標
サステナビリティ、特に気候変動に対する取り組みとして、当社ではGHG(温室効果ガス)の削減が重要であると考えております。当社では、2021年度分からScope1、2の排出量の算定を始めております。現在は当社のみの算出・対応ですが、対象を順次拡大し、そのほかの国内外の当社グループ会社についても、排出量の算定を進めてまいります。
Scope3については、当社はサプライチェーンの全体スキームを構築し、必要な機能・ソリューションを提供する機能商社として、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルを推進することが当社の社会的責任だと認識しております。
現時点では、GHG排出量削減に当たっての目標は、当社グループ全体のGHG排出量の算出が終了していないために設定しておりませんが、排出量の算定が終わった拠点については、定期的に排出量を点検し、削減に努めてまいります。
当社グループでは、今後も引き続き、サステナの先進商社としてサステナビリティ社会の実現に向けて、継続して積極的に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループの売上高のうち、重要な部分を占める建設資材については、民間設備投資・公共事業・住宅着工戸数などの状況の変化により大きな影響を受けます。産業資材については、国内民間設備投資の低迷に加え、アジアをはじめとする海外諸国の経済状況の悪化などによる納入先の減産が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性がございます。消費財並びにその材料については、個人消費の伸び悩みによる影響を受けることもございます。また、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しており、当社グループの事業に関連する市場全般にわたって、市況悪化等の大きな負の影響を及ぼす可能性がございます。経済状況の変化に対応し、随時、営業施策の見直しを図り、対処しております。
(2)太陽光発電事業に対する政策変更
電力会社の余剰電力買取価格(住宅用)並びに固定買取価格(産業用)の減額などの政策変更及び電力会社の再生エネルギー申請受理遅延、出力抑制規制などにより需要に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性がございます。政策変更に応じた営業施策の構築・展開を図り、対処しております。
(3)為替レートの変動
当社グループの取引の中には海外との輸出入取引があり、その中の外貨建取引については、為替相場の変動によるリスクがございます。為替相場変動の影響を全て排除することは不可能であり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。為替レートの変動リスクをヘッジし、為替相場変動の影響を緩和する目的で、為替予約等の対策を講じて対処しております。
(4)企画・開発・提案
当社グループでは、商社であることの特徴を活かし、現場を重視した、それぞれの顧客に対して最適なソリューションを企画・開発・提案することで顧客満足を得ております。これらの機能においては、企画力・開発力・提案力などがキーポイントであり、その機能の複合的な活用ができない場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。各事業本部にて企画・開発・提案をするのみならず、経営企画部門が支援することで、より最適なソリューションを提供することに努めております。
(5)価格競争力
当社グループが関わるほとんどの業界において、大変厳しい価格競争を展開しております。競合する他社の中には、当社グループよりも多くの研究、開発、製造、販売の資源を保有しており、次々と低価格で新しい機能を持たせた商品を市場に投入してくるところもございます。価格競争力は、受注できるかどうかの要素として大きなウエイトを占めており、価格面での圧力による取引の減少あるいは利益率の低下は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。当社ならではの顧客へのソリューションを提供していくことで、価格競争のみに左右されない付加価値の提供に努めております。
(6)取引先の信用リスク
当社グループの取引先の経営状況が市場の変動や業界の再編成などにより財務上の問題に直面した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。取引先の信用状況に応じた保全策を講じて対処しております。
(7)投資の減損処理
当社グループでは、長期的な取引関係維持のために特定の取引先に対する出資を行っておりますが、これらの投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資の減損処理をしております。従って、市況悪化などにより投資先の業績が不振となり、現在の簿価に反映されていない損失又は回収不能が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。取引先への投資価値については、定期的にその価値を検証し、継続出資の是非を判断しております。
(8)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
(9)棚卸資産
当社グループの棚卸資産は、景気後退に伴う需要の減少、各市場における競合他社の新製品の台頭、季節性商品の市場価格の下落などにより、その価値が減少することがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。在庫状況、特に長期滞留在庫状況については別枠にて把握し、事業部門及び管理部門の役職者を参加者として、長期滞留在庫状況の確認、対策を検討する定期的な会議体を開催しております。
(10)災害・事故等
地震や水害などの自然災害、火災や事故等の発生により、社屋や所有資産の損壊、営業機能や本社機能の停止、その復旧費用の発生などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
また、新型コロナウイルス感染症や疫病の発生等により当社グループの従事者に感染が広まることによって、事業活動の中断を余儀なくされる可能性がございます。グループ各社にて事業継続計画(BCP)を作成し、万が一の発生時の対応を明確にしております。
(11)品質管理
当社グループは所定の品質管理基準に従って各種製品を提供しておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に関わる事故が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。継続反復的な取引を行う仕入先、製造委託先に対しては、取引基本契約の中で商品・製品の品質に関わる責任を明確にし、リスクヘッジの対策を講じております。
(12)法的規制等
当社グループが営む事業は、建設業法、下請法、独占禁止法等の様々な法的規制を受けており、当社グループにおいて違法な行為があった場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。コンプライアンス遵守の会社方針に則って日々の業務を遂行しており、万が一の問題発覚時には賞罰を含む再発防止策を講じ、適正化を図って対処しております。
(13)情報セキュリティ
当社グループは、技術、営業、その他の事業に関する営業機密を多数有しております。当社グループでは、情報管理において万全の態勢を構築しておりますが、予期せぬ事態によって情報が外部に流出し、これを第三者が不正に取得し、使用する可能性もございます。こうした事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。情報システム対応の専門組織を設置し、最新技術動向を踏まえた情報セキュリティ対策を講じております。
(14)内部管理体制
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。しかしながら、事業の拡大や多角化等により、十分な内部管理体制の構築、整備、運用が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。
経営成績等の状況の概要
(1)当期の経営成績の概況
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画「サステナX(クロス)」において、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円の達成を目標としておりました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は79,683百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益は1,764百万円(同14.0%増)、経常利益は1,939百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,585百万円(同22.3%増)となり、「サステナX(クロス)」の目標を上回りました。また、ROEは8.3%となり資本コストを上回り、ROICは5.0%となりWACCを上回りました。
また、プライム市場の上場維持基準適合に向けた計画書及び2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「サステナV(バリュー)」において、2026年3月期までに親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上の達成を目標として掲げております。
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|
|
(単位:百万円) |
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|
|
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
74,054 |
79,683 |
5,629 |
7.6% |
|
営業利益 |
1,547 |
1,764 |
216 |
14.0% |
|
経常利益 |
1,840 |
1,939 |
98 |
5.4% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,296 |
1,585 |
289 |
22.3% |
|
ROE |
7.2% |
8.3% |
1.1pt |
- |
|
ROIC |
5.2% |
5.0% |
△0.2pt |
- |
|
株主資本コスト |
6.2% |
6.3% |
0.1pt |
- |
|
WACC |
4.0% |
3.9% |
△0.1pt |
- |
親会社株主に帰属する当期純利益の推移
セグメント別の業績は次のとおりであります。
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<セグメント売上高> |
|
|
|
|
(単位:百万円) |
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セグメント |
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
||
|
売上高 |
構成比 |
売上高 |
構成比 |
|||
|
建材 |
42,020 |
56.7% |
44,511 |
55.9% |
2,490 |
5.9% |
|
産業資材 |
18,116 |
24.5% |
17,677 |
22.2% |
△439 |
△2.4% |
|
電子・デバイス |
13,724 |
18.5% |
17,301 |
21.7% |
3,576 |
26.1% |
|
賃貸不動産 |
192 |
0.3% |
193 |
0.2% |
1 |
0.9% |
|
全社合計 |
74,054 |
100.0% |
79,683 |
100.0% |
5,629 |
7.6% |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<セグメント利益> |
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
セグメント |
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
||
|
営業利益 |
構成比 |
営業利益 |
構成比 |
|||
|
建材 |
598 |
38.7% |
611 |
34.7% |
13 |
2.2% |
|
産業資材 |
268 |
17.3% |
23 |
1.3% |
△244 |
△91.3% |
|
電子・デバイス |
571 |
36.9% |
1,014 |
57.5% |
442 |
77.4% |
|
賃貸不動産 |
109 |
7.1% |
114 |
6.5% |
5 |
5.0% |
|
全社合計 |
1,547 |
100.0% |
1,764 |
100.0% |
216 |
14.0% |
①建材セグメント
建設資材関連分野は、地盤改良工事等においては低調に推移いたしましたが、建築資材については堅調に推移いたしました。太陽エネルギー関連分野は、太陽光パネル及び周辺機器の供給遅延の影響はあったものの、前年比で売上高は増加いたしました。断熱資材関連分野、住宅資材関連分野は概ね堅調に推移いたしました。また、業績拡大に向けた営業活動の増加、システム投資の増加、M&A実施に付随する費用の発生により販売費及び一般管理費が増加しましたが、増収増益となりました。
この結果、建材セグメント全体の売上高は、44,511百万円(前連結会計年度比5.9%増)、セグメント利益は611百万円(同2.2%増)となりました。
②産業資材セグメント
樹脂資材関連分野は、半導体不足の影響による自動車市場の回復が遅れ低調に推移いたしましたが、成型加工品の受注拡大により売上高は増加いたしました。繊維資材関連分野は値上げの影響による市場の停滞、需要減で低調に推移いたしました。また、業績拡大に向けた営業活動の増加、システム投資の増加、M&A実施に付随する費用の発生により販売費及び一般管理費が増加し、減収減益となりました。
この結果、産業資材セグメント全体の売上高は17,677百万円(同2.4%減)、セグメント利益は23百万円(同91.3%減)となりました。
③電子・デバイスセグメント
電子機器関連分野は、主力市場である国内民生電子機器市場は前年比にて3年連続マイナスとなる厳しい状況でしたが、国内白物家電市場は前年比2年ぶりにプラスに転じ好調に推移いたしました。マーケットでの価格競争は引き続き厳しいものの、新規受注の拡大及び円安による業績の嵩上げもあり、増収増益となりました。
この結果、電子・デバイスセグメント全体の売上高は17,301百万円(同26.1%増)、セグメント利益は1,014百万円(同77.4%増)となりました。
④賃貸不動産セグメント
前期から保有不動産に変動はなく、売上高、セグメント利益ともに横ばいとなりました。
この結果、賃貸不動産セグメント全体の売上高は193百万円(同0.9%増)、セグメント利益114百万円(同5.0%増)となりました。
売上高、営業利益のセグメント別構成比は次のとおりです。
(単位:百万円)
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,772百万円となり前連結会計年度末と比べ470百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動における資金の増加は、700百万円(前連結会計年度は389百万円の減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加により増加し、一方で売上債権及び契約資産の増加により減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動における資金の減少は、1,448百万円(前連結会計年度は654百万円の減少)となりました。主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得により減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動における資金の増加は、1,059百万円(前連結会計年度は2,305百万円の増加)となりました。主な要因は、短期借入金の増加等によるものであります。
販売及び仕入の実績
(1)販売実績
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建材 |
44,511 |
105.9 |
|
産業資材 |
17,677 |
97.6 |
|
電子・デバイス |
17,301 |
126.1 |
|
賃貸不動産 |
193 |
100.9 |
|
合計 |
79,683 |
107.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)仕入実績
当連結会計年度における当社グループの仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建材 |
34,932 |
91.7 |
|
産業資材 |
14,635 |
93.7 |
|
電子・デバイス |
15,250 |
114.0 |
|
賃貸不動産 |
79 |
95.5 |
|
合計 |
64,897 |
96.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
財政状態、経営成績の状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末において、流動資産は41,440百万円(前連結会計年度末比17.0%増)となりました。主な要因は、売掛金が2,592百万円、電子記録債権が1,127百万円、商品及び製品が1,071百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定資産は11,619百万円(同19.1%増)となりました。主な要因は、有形固定資産の機械装置及び運搬具が302百万円、のれんが1,069百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
流動負債は27,585百万円(同31.2%増)となりました。主な要因は、短期借入金が2,524百万円、支払手形及び買掛金が1,153百万円、電子記録債務が1,870百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定負債は5,935百万円(同4.6%増)となりました。主な要因は、固定負債のその他が291百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は19,539百万円(同5.7%増)となりました。主な要因は、配当金の支払いにより利益剰余金が895百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,585百万円増加したことなどによるものであります。
(2)経営成績の分析
当社グループにおける売上高は、79,683百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。
セグメント別の売上高については、「(経営成績等の状況の概要)(1)当期の経営成績の概況」をご参照ください。
売上原価は70,249百万円(同6.9%増)、売上原価率は前連結会計年度より0.6ポイント減少し88.2%となり、売上総利益は9,434百万円(同13.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、賞与引当金繰入額、減価償却費の増加などにより、合計では7,670百万円(同13.1%増)となりました。
以上の結果、1,764百万円の営業利益(同14.0%増)となりました。
営業外収益は、受取利息39百万円、受取配当金136百万円、助成金収入38百万円等の発生により、347百万円(同2.3%減)となりました。
営業外費用は、支払利息51百万円、為替差損104百万円等の発生により、172百万円(同172.7%増)となりました。
以上の結果、1,939百万円の経常利益(同5.4%増)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益276百万円、負ののれん発生益70百万円の発生により、346百万円となりました。
特別損失は、固定資産売却損31百万円、固定資産除却損30百万円等の発生により、69百万円となりました。
以上の結果、1,585百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(同22.3%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析及び資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(1)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は7,772百万円と、前連結会計年度末より470百万円の増加(前連結会計年度は1,421百万円の増加)となりました。
なお、営業活動・投資活動・財務活動それぞれのキャッシュ・フローの詳細については「(経営成績等の状況の概要)(2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。
(2)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
これらの資金需要については、自己資金で賄うことを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入による資金調達を行うこととしております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①棚卸資産
当社グループの棚卸資産の中の一部には、季節性のある商品も含まれるため、経年による陳腐化や市場価値の下落により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
②繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
③貸倒引当金
当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要になる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
④退職給付債務
当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、一層の割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
⑤固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しておりますため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がございます。
(取得による企業結合)
当社は2022年11月14日に株式会社信防エディックスの全株式を取得(2022年12月1日株式取得完了)する株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合関係)」に記載
のとおりであります。
また、当社は2022年11月14日に新エネルギー流通システム株式会社の全株式を取得(2022年12月1日株式取得完了)する株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合関係)」に記載
のとおりであります。
また、当社は2023年5月23日に岩水開発株式会社の全株式を取得(2023年6月2日株式取得完了)する株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記
載のとおりであります。
連結子会社であるタクセル㈱で研究開発活動を行っており、プラスチック加工領域における独自技術を開発し、その成果を広く普及させることを主眼としております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は