第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する記載事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

 当社グループは、プライム市場の上場維持基準適合に向けた計画書及び2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「サステナV(バリュー)」において親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上の達成を目標として掲げております。

 当中間連結会計期間における当社グループの売上高は46,392百万円(前中間連結会計期間比10.4%増)、営業利益は908百万円(同8.9%減)となりました。各セグメントの経営成績については後述の通りであります。経常利益につきましては、在外子会社における現地通貨安の影響による為替差損が増加したことなどによって、833百万円(同27.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純利益につきましては、前中間連結会計期間では投資有価証券売却益を計上しておりましたが、当中間連結会計期間では売却を実施していないため、482百万円(同32.0%減)となりました。EBITDAは1,706百万円(同9.9%増)となりました。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前期

当期

増減額

増減率

売上高

42,010

46,392

4,381

10.4%

営業利益

998

908

△89

△8.9%

経常利益

1,151

833

△317

△27.6%

親会社株主に帰属する中間純利益

709

482

△226

△32.0%

EBITDA ※

1,552

1,706

153

9.9%

※EBITDA:営業利益+減価償却費+のれん償却費

 

親会社株主に帰属する当期純利益の推移

0102010_001.png

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 なお、2024年3月期にアセットアロケーションの見直しを実施しており、産業資材セグメントの事業再編、主要な固定資産の売却に伴い、従来賃貸不動産セグメントに区分していた一部物件を「建材」、「産業資材」に変更しております。また、各セグメントにおける利益の状況及び各部門が直接的に担う利益水準をより明確にするため、従来セグメントごとに配賦していた全社費用を配賦する前のセグメント利益を開示しており、当該全社費用は調整額に含めて開示しております。

 前中間連結会計期間のセグメント情報は、変更後の区分に基づき作成したものを記載しております。

<セグメント売上高>

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメント

前期

当期

増減額

増減率

売上高

構成比

売上高

構成比

建材

26,315

62.6%

30,178

65.0%

3,863

14.7%

産業資材

8,205

19.5%

8,547

18.4%

341

4.2%

電子・デバイス

7,412

17.6%

7,682

16.6%

270

3.6%

賃貸不動産

88

0.2%

0.0%

△88

△100.0%

合計

42,021

100.0%

46,408

100.0%

4,386

10.4%

調整額

△11

△15

△4

連結財務諸表計上額

42,010

46,392

4,381

10.4%

(注)調整額はセグメント間取引高の消去であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<セグメント利益>

 

 

 

(単位:百万円)

セグメント

前期

当期

増減額

増減率

営業利益

構成比

営業利益

構成比

建材

972

61.9%

670

45.4%

△302

△31.1%

産業資材

341

21.7%

441

29.9%

99

29.3%

電子・デバイス

205

13.1%

363

24.6%

157

76.8%

賃貸不動産

51

3.3%

0.0%

△51

△100.0%

合計

1,571

100.0%

1,475

100.0%

△96

△6.1%

調整額

△573

△566

6

連結財務諸表計上額

998

908

△89

△8.9%

(注)調整額はセグメント間取引の消去及び各報告セグメントに配分していない全社経費であります。

 

①建材セグメント

 建材セグメント全体の売上高は30,178百万円(同14.7%増)、セグメント利益は670百万円(同31.1%減)となりました。

 建設資材分野は、大型物件を獲得したこと、及び2023年6月に連結子会社化した岩水開発株式会社について前年同期は2か月分の寄与であったものが当期については6か月分の寄与となったことにより増収となりました。しかしながら、断熱資材分野は、住宅市場において出荷が低迷したこと、再生可能エネルギー資材分野は、注力する販売先を見直したことにより減収となりました。一方で、セグメント利益については、建設資材分野において一部物件の収益性が下振れたこと、及び高島株式会社の産業資材事業を子会社へ移管し当セグメントの間接経費の負担が増加したことにより減益となりました。

 

②産業資材セグメント

 産業資材セグメント全体の売上高は8,547百万円(同4.2%増)、セグメント利益は441百万円(同29.3%増)となりました。

 樹脂関連資材分野は、自動車部材や電子機器・精密機器部材用の物流資材を中心に受注が拡大しましたが、2024年4月に高島ロボットマーケティング株式会社を売却したことにより減収となりました。しかしながら、繊維関連資材分野は、トラック資材を中心とする重布関連が復調したこと、及び防衛省向け装備品の需要が拡大したことにより増収となりました。セグメント全体としては繊維関連資材分野の増収が利益増加に寄与しました。

 

③電子・デバイスセグメント

 電子・デバイスセグメント全体の売上高は7,682百万円(同3.6%増)、セグメント利益363百万円(同76.8%増)となりました。

 日本国内の民生電子機器市場及び白物家電市場は依然厳しい状況にありますが、デバイス分野は、コロナ後の消費動向変化に伴い市場全体に積みあがっていた製品在庫の出荷が進んだこと、及び電子部品の供給不足の反動により主要顧客に積みあがっていた部品在庫の出荷が進んだことにより、受注数が増加し増収となりました。また、アセンブリ分野は、デジタルカメラ関連及びエアコン関連が堅調に推移していることにより増収となりました。

 

④賃貸不動産セグメント

 前連結会計年度において賃貸ホテルの売却を行っているため、当中間連結会計期間においては売上高、セグメント利益ともに発生しておりません。

 

 売上高、営業利益のセグメント別構成比は次のとおりです。

0102010_002.png

 

(2)財政状態に関する説明

 当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度に比べ4,834百万円減少し、39,043百万円(前連結会計年度末比11.0%減)となりました。主な要因は、現金及び預金が3,312百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,470百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度に比べ713百万円増加し、17,245百万円(同4.3%増)となりました。主な要因は、投資有価証券が445百万円、その他固定資産が482百万円それぞれ増加し、一方で、のれんが304百万円減少したこと等によるものであります。

 流動負債は、前連結会計年度に比べ4,607百万円減少し、27,741百万円(同14.2%減)となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が2,152百万円、未払法人税等が2,077百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度に比べ18百万円減少し、4,462百万円(同0.4%減)となりました。主な要因は、長期借入金が188百万円減少し、一方で、その他固定負債が178百万円増加したこと等によるものであります。

 純資産合計は、前連結会計年度に比べ505百万円増加し、24,084百万円(同2.1%増)となりました。主な要因は、配当金の支払により利益剰余金が692百万円減少し、一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が482百万円、為替換算調整勘定が638百万円、その他有価証券評価差額金が301百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,033百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,344百万円の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動における資金の減少は、1,243百万円(前年同期は124百万円の減少)となりました。主な要因は、税金等調整前中間純利益の計上により増加した一方で、法人税等の支払、仕入債務の減少により減少したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動における資金の減少は、728百万円(前年同期は4,167百万円の減少)となりました。主な要因は、貸付けによる支出により減少したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動における資金の減少は、1,632百万円(前年同期は2,052百万円の増加)となりました。主な要因は、配当金の支払、長期借入金の返済により減少したこと等によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、21百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8)主要な設備

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

(合弁会社の設立)

 当社は、2024年8月8日開催の取締役会において、株式会社DGキャピタルグループ(以下、「DGキャピタルグループ」という。)傘下の事業会社である株式会社DGパワーシステム(以下、「DGパワーシステム」という。)とデジタルグリッド技術の普及に向けた合弁会社の設立を前提とした合弁契約締結について決議し、当該決議に基づき株式譲渡契約書及び合弁契約書を締結いたしました。

 

1.設立の理由

 当社は企業使命として「事業を通じて社会に貢献する」を掲げ、建材事業、産業資材事業、電子・デバイス事業を展開しております。建材事業では、住宅市場、非住宅市場向けに壁材、基礎杭工法、断熱材、太陽光パネル関連資材、インテリアなど、建設・建装に関わる様々な商材を取り扱い、販売ネットワークを全国に構築し、企画、設計から施工までの幅広い工程を請け負っております。

 中でも、再生可能エネルギー分野では、1994年から再生可能エネルギー関連の商材の取り扱いを開始しており、業界トップクラスの実績を誇っております。当社ではさらなる再生可能エネルギーの普及に向け、太陽光発電システムのほか、「V2H」や「蓄電池」などの新たなエネルギー商材もお客様に提供しております。

 現在、当社の再生可能エネルギー分野では、「電力のインターネット化」を可能とするデジタルグリッド技術にて再生可能エネルギーの高度な普及を目指しているDGキャピタルグループと2023年4月に資本提携を行い、包括的に協業しデジタルグリッド技術の普及を図っております。この度、デジタルグリッド技術の普及をさらに加速するため、当社とDGキャピタルグループ傘下の事業会社でデジタルグリッドルーターの開発及び製造を行っているDGパワーシステムとの間でデジタルグリッドの機器の製造及び機器の供給を行う合弁会社を設立する合弁契約を締結いたしました。

 今回の合弁契約のもと、新たに設立いたしました合弁会社においては、両社の強みを生かし、デジタルグリッド技術の普及が進むにつれ、需要の高まりが予想されるグリッドフォーミング機能を有するインバーターであるデジタルグリッドルーターを製造することで、業績の拡大を図ってまいります。

 

2.合弁会社(新会社)の概要

(1)

名称

株式会社DG Takashima

(2)

所在地

東京都大田区平和島6丁目1-1

東京流通センター物流ビルA棟AE2-7-2

(3)

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 新海 優

代表取締役副社長 南 貴之

(4)

事業内容

DGR(デジタルグリッドルーター)の製造・販売等

(5)

資本金

1,000万円

(6)

設立年月日

2024年8月28日

(7)

決算期

9月

(8)

出資比率

株式会社DGパワーシステム:51%

高島株式会社:49%