エレマテック株式会社
普通株式
(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)24,005,800株(所有割合(注1):58.63%)を所有し、対象者を連結子会社としております。
(注1) 「所有割合」とは、対象者が2024年10月29日に公表した「2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(42,304,946株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,358,813株)を控除した株式数(40,946,133株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。
この度、公開買付者は、2024年10月29日、対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を完全子会社化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2,400円として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。
公開買付者は、買付予定数の下限を3,291,600株(所有割合:8.04%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(3,291,600株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しておりますので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(3,291,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
買付予定数の下限(3,291,600株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有することとなる対象者の議決権数の合計が対象者の議決権総数の3分の2以上となるように、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(42,304,946株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,358,813株)を控除した株式数(40,946,133株)に係る議決権の数(409,461個)に3分の2を乗じた数(272,974個、小数点以下切り上げ)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する対象者株式(24,005,800株)に係る議決権の数(240,058個)を控除した議決権の数(32,916個)に、対象者の単元株式数である100株を乗じた数です。このような買付予定数の下限を設定した理由は、本公開買付けにおいて、公開買付者は、対象者の株主を公開買付者のみとすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できずに、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する株式併合の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者によって当該要件を満たすことができるようにするためです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を予定しております。本スクイーズアウト手続の概要については、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
また、対象者が2024年10月29日に公表した「親会社である豊田通商株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行ったとのことです。
対象者の意思決定の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ)本公開買付けの背景
公開買付者は、1948年7月、豐田産業株式会社の商事部門を継承して「日新通商株式会社」の商号で設立後、1956年7月に商号を「豐田通商株式会社」に変更いたしました。その後1961年10月に株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)に上場、1977年1月に東京証券取引所に上場いたしました。1987年7月に商号を現在の「豊田通商株式会社」に変更し、2000年4月に加商株式会社と合併、同年11月に株式会社トーメン及び同社子会社の鉄鋼部門に関する営業の一部を譲り受け、2006年4月に株式会社トーメンと合併いたしました。2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、本書提出日現在は東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しております。公開買付者は、基本理念を追求・実現し続ける中で到達すべき目標・道標として2016年5月に「Global Vision」を策定し、あるべき姿として「Be the Right ONE」を掲げ、中期経営計画の中で、ネクストモビリティ(注2)、再生可能エネルギー・エネルギーマネジメント、アフリカ、循環型静脈、バッテリー、水素・代替燃料及びEconomy of Lifeの7つを重点分野と位置付けております。
(注2) 次世代自動車に関する事業分野のことを指します。
本書提出日現在、公開買付者グループ(公開買付者並びに公開買付者の子会社及び関連会社をいいます。以下同じとします。)は、公開買付者、連結子会社780社及び持分法適用会社242社で構成され、国内及び海外における金属、自動車、自動車用構成部品、機械、化学品、食料等の各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等の事業を展開しており、メタル+(Plus)本部、サーキュラーエコノミー本部、サプライチェーン本部、モビリティ本部、グリーンインフラ本部、デジタルソリューション本部、ライフスタイル本部、アフリカ本部及びコーポレート部門から構成されております。なお、エレクトロニクス業界に属する対象者とのシナジーの拡大と新たな付加価値創出の役割を担うデジタルソリューション本部においては、技術革新、デジタル変革を常に先取りし、デバイス及びソフトウェアの活用で次世代モビリティ社会への課題解決を始めとしたソリューションビジネスを一層拡大すべく、デバイス&ソフトウェア、ICTの二つの分野で事業に取り組んでいます。
一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1947年4月に電気絶縁材料等の販売を目的に高千穂電気株式会社として設立されたとのことです。その後、2002年6月にJASDAQ証券取引所市場に上場し、2003年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、さらに、2005年3月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されたとのことです。また、2009年10月に大西電気株式会社と合併し、エレマテック株式会社に社名変更したとのことです。現在は、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。
対象者は、2011年8月1日付で、公開買付者及び対象者双方の企業価値の向上を図ることを目的として、公開買付者との間で資本業務提携契約を締結し、2012年1月17日から2012年2月27日まで実施した公開買付者による対象者株式に対する公開買付けを通じて、2012年3月5日付で公開買付者の子会社となっているとのことです。
本書提出日現在、対象者及び子会社22社の計23社からなる企業グループ(以下「対象者グループ」といいます。)は、カーエレクトロニクス、スマートフォン等情報機器端末、産業機器及び医療機器等の様々なエレクトロニクス製品分野を対象に、国内及び海外において電子材料、電子部品、設備等の販売及び加工・組み立てをすることに加え、設計及び製造受託をすることを主たる業務としているとのことです。
対象者グループを取り巻く環境については、ウクライナ、中東情勢や米中対立等の地政学リスクを契機としたリスク分散の必要性が高まっていることに加え、急速な技術革新に伴う成長分野の変動、製品の性能向上による顧客ニーズの高度化、多様化等を背景とした急速な需要の変化に機敏に対応し、付加価値を提供することの重要性がより高まっているとのことです。
かかる状況の中、対象者グループは中期経営戦略(2023年4月から2026年3月までの3ヶ年)「エレマテック・プロプラス」を2023年4月に策定し、競争が激化するエレクトロニクス業界において、「エレクトロニクスの力で豊かな未来を切り拓く」を目指す姿として掲げているとのことです。対象者グループは、当該中期経営戦略において、「高付加価値型ビジネスの強化」、「国内外有力顧客の開拓」、「自動車領域への注力」、「ポテンシャルエリアの本格開拓」、「開発部の機能強化」、「M&A・アライアンスによる顧客基盤・事業領域の拡大」及び「サステナビリティと人的資本への取り組み」を基本戦略として掲げているとのことで、それらの基本戦略の実行により、対象者グループの持続的な成長を支える経営基盤の拡大・強化を進めることで、変化するお客様のニーズに応えられる総合力を持つとともに、持続可能な社会の実現に貢献し、人々の暮らしを豊かにする企業となり、ひいては対象者グループが企業理念のMission(使命)として掲げている「良いつながりを広げ新たな価値を提供する」ことの追求に繋がると考えているとのことです。
公開買付者と対象者の資本関係は、上記のとおり、公開買付者が対象者株式に対する公開買付けを通じて、2012年3月5日付で対象者株式10,441,500株(持株割合(注3):49.36%)を取得し、連結子会社としたことにより始まりました。その後、2015年8月に、市場外取引により対象者株式の追加取得を行い、公開買付者による対象者株式の所有株式数は12,002,900株(持株割合:56.74%)に増加いたしました。そして、2019年6月に、対象者株式1株につき2株の割合による株式分割が行われたことにより、公開買付者による対象者株式の所有株式数は、12,002,900株増加し24,005,800株(持株割合:56.74%)となり、本書提出日現在においては24,005,800株(所有割合:58.63%)に至っております。
(注3) 本段落における「持株割合」とは、各時点における、対象者の発行済株式総数に占める、公開買付者の所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいいます。なお、各時点において対象者が所有していた自己株式数を把握することは困難であるため、持株割合の計算にあたっては、発行済株式総数から自己株式数を控除しておりません。
(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的
上記のように、公開買付者は対象者を連結子会社化した2012年3月以降、対象者株式の上場を維持することにより、業界における知名度や優秀な人材確保等、対象者が上場会社としてのメリットを継続的に享受できるよう図る一方で、対象者に対して、人的支援や公開買付者グループの企業ネットワーク、公開買付者グループが保有するビジネス現場を含む知見や国内外での経営ノウハウ・ネットワークを提供し、公開買付者グループと対象者との連携を強化することで、競争が激化するエレクトロニクス業界における対象者の持続的成長の実現を図ってまいりました。
しかしながら、現在、公開買付者グループと対象者を取り巻くエレクトロニクス業界の環境は技術革新やグローバル化、産業構造の変化等により急速に変化しています。たとえば車載やAIサーバー(注4)向けでは、エレクトロニクス関連ハードウェアの進化とソフトウェア需要の高まりにより、中長期的な市場の拡大が予想されていますが、ソフトウェアやIT等のエンジニアリング機能が価値創出の源泉となり、差異化の重要な要因となっていると認識しております。
(注4) 人工知能チップを搭載した高性能なサーバーのことを指します。
また、外部環境を鑑みると、公開買付者グループの競合企業である海外メガディストリビューター(注5)は、M&Aによる積極的な投資を継続し、グローバルなサプライチェーンの変化に対応して事業拡大を行っており、国内のエレクトロニクス商社も、競争の激化により統合・再編が活発になっていると認識しております。
(注5) 全世界に拠点を持ち、グローバルに多種類の半導体・電子部品を大量に流通・供給する海外の大手半導体商社のことを指します。
公開買付者が対象者の中長期にわたる持続的な成長施策を具体的に検討するにあたり、これまでは対象者のオーガニックな成長戦略を共同で検討し、対象者とともに経営課題解決や成長戦略の遂行を進めてまいりました。一方、こうした急速な市場環境・構造の変化による競争環境の激化やエンジニアリソースの逼迫等が生じる中、対象者が競争優位性を維持し持続的に成長していくためには、既存のオーガニックな成長戦略のみでは不十分と考えております。対象者を含む公開買付者グループの経営資源(人材・財務基盤・顧客基盤・営業情報・機能ノウハウ等)を迅速かつ柔軟に相互活用することにより、非オーガニックな成長(注6)施策を通じたビジネスモデルの変革と事業領域/ケイパビリティの大幅かつ急速な拡充が、必要不可欠であると認識しております。
(注6) 非オーガニックな成長とは、他社との資本・業務提携や他社の買収(M&A)等を通じて成長を行うことを指します。
しかしながら、対象者と公開買付者がそれぞれ、上場企業として独立した経営を行っている現状においては、対象者を含む公開買付者グループの経営資源を相互活用する際には、その有用性や取引としての客観的な公正性について、対象者の少数株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要であり、迅速かつ柔軟な意思決定を行ううえで、公開買付者グループと対象者グループとの間で経営資源を相互活用するにあたり、事業機会に関する情報の共有や人材交流等に一定の制約が生じる状況にあります。また、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、更に公開買付者が対象者に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った際に、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が指摘される可能性もあり、機動的かつ効果的な施策を実行し、対象者を含む公開買付者グループの企業価値の最大化を図るうえで、一定の限界があると考えております。従って、公開買付者としては、対象者の競争優位性の維持と持続的な成長のためには、意思決定の機動性・柔軟性及び対象者を含む公開買付者グループの経営資源の効果的な活用が必須と考え、対象者の完全子会社化によって、公開買付者と対象者の構造的な利益相反の解消を図り、対象者を含む公開買付者グループの経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、最善であると判断しております。
本取引により対象者を完全子会社化することで、以下のような取組みやシナジー効果を期待できると考えております。なお、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることが想定され、対象者の上場廃止を行う際にも同様の懸念が生じ得るところ、2024年9月30日時点における対象者の親会社所有者帰属持分比率(注7)は61.05%であり、対象者の財務状況を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性はないものと想定しており、金融機関からの資金調達にも影響はないと考えております。また、本取引により対象者に生じ得る不利益や悪影響として、上場廃止によって一般的な知名度が低下する可能性が考えられるものの、むしろ公開買付者の完全子会社になることにより、社会的な信用度や認知度の向上に繋がると考えており、一般的な知名度の低下が生じたとしても、対象者における優秀な人材の確保に大きな影響が発生することは想定しておらず、本取引により対象者の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えております。
(注7) 対象者決算短信の「1.2025年3月期 第2四半期(中間期)の連結業績(2024年4月1日~2024年9月30日)」の「(2)連結財政状態」に記載された2024年9月30日時点の親会社所有者帰属持分比率によります。なお、親会社所有者帰属持分比率は、「(親会社の所有者に帰属する持分/資産合計)×100」で計算されます。
a.商材
公開買付者は、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を保護する必要性に照らして、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間での商材に関する情報や事業機会の相互活用に一定の制約があり、解決すべき課題と考えております。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することで、商材に関する情報や事業機会の相互活用の制約が解消されることにより、対象者の約7,000社に及ぶ仕入先・パートナーに加え、公開買付者グループの幅広い商材(半導体・電子部品・化学品・自動車材料等)に関する事業機会について、より効率的かつ柔軟に共同で検討することが可能となります。これらの共同検討の結果、対象者が幅広い商材に関する事業機会を獲得し、対象者におけるビジネスの多角化が実現され、対象者の中核事業の付加価値拡大に貢献できると考えております。また、公開買付者グループにおいても、対象者の幅広い商材を取り扱うことで、既存顧客の課題解決・新規ビジネス獲得に活用でき、競争力の強化に繋がるものと考えております。
b.用途(市場)
公開買付者は、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を保護する必要性に照らして、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間での顧客基盤の相互活用等の事業機会に関する共同検討について、具体的な案件ごとに慎重な検討を要しており、柔軟な取組みに一定の制約があり、解決すべき課題と考えております。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することで対象者の保有する非自動車領域(特に、ブロードマーケット(注8))の強固な顧客基盤と、公開買付者グループの保有する自動車領域での豊富な顧客基盤やアフリカ等グローバルのビジネス拠点を相互に活用するといった柔軟な対応が可能となり、両社の事業ポートフォリオを相互に補完・拡充し、自動車領域・非自動車領域双方でのエレクトロニクス事業の更なる拡大が可能と考えております。例えば、公開買付者グループの保有する外資系半導体・電子部品商材を対象者の膨大なブロードマーケットに提供することで、外資系半導体・電子部品メーカーに対するプレゼンスが極大化され、対象者を含む公開買付者グループの更なるビジネス拡大が出来ると考えております。さらに、当該ビジネスで得た利益やキャッシュ・フローを、対象者を含む公開買付者グループの将来の成長に向けた再投資に活用でき、対象者を含む公開買付者グループの全体の成長に寄与すると考えております。
(注8) ブロードマーケットとは、完成品の提供を行うメーカー及び家電量販店等の小売業界をはじめとした幅広いBtoB市場(企業と企業が取引するビジネスから成り立つ市場)を指します。
c.地域
公開買付者は、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を保護する必要性に照らして、公開買付者グループの世界130ヶ国のグローバルネットワークと対象者の顧客密着型営業から成る強固な顧客リレーションを相互に活用するにあたり、事業機会、人材交流、物流・品質管理その他の施設等、経営資源の共有に一定の制約があり、解決すべき課題と考えております。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することでこの課題が解消され、これらを相互に活用することが可能となり、公開買付者グループがプレゼンスを発揮する地域(アフリカやインド等の新興地域、北米・欧州ほか)において対象者の事業の更なる拡大・深化を実現し、新たなイノベーションや顧客課題に寄り添ったソリューション提案を促進できるものと期待しております。例えば、公開買付者グループのアフリカでのプレゼンスと対象者の豊富な商材や機能を掛け合わせることで、成長市場であるアフリカ地域への日系企業の進出にも貢献できると考えております。
d.機能
公開買付者は、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を保護する必要性に照らして、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間でのエンジニアリング機能・品質マネジメント等の電子部品に関連するノウハウや製品販売力等の相互活用に一定の制約があり、解決すべき課題と考えております。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することでこの課題が解消され、公開買付者グループが保有する約1,800人の「エンジニアリソース(ハードウェア・ソフトウェア・IT)」、及び、トヨタグループの一員として長年培ってきた「品質マネジメント」と、対象者が約7,000社の仕入先・パートナー、約6,000社の顧客と培ってきた「企画・開発・設計」・「調達代行サービス」・「製造サービス」といった顧客対応力を組み合わせることが可能となり、ものづくりのサプライチェーンを相互に補完・網羅し、バリューチェーンをトータルコーディネートすることができると考えております。更に、両社のコーポレート機能を相互に活用することも可能となり、より効率的な企業経営が実現できると考えております。
e.人材交流
公開買付者は、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を考慮する必要性に照らし、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間での人材交流にあたり、交流人材に対して共有可能な情報の範囲について相互に慎重な検討を要しており、交流人材の活用に制約があることから、人材交流の運用が限定的になっており、解決すべき課題と考えております。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することでこの課題が解消され、公開買付者グループと対象者の間でのより柔軟かつ多様な人材の相互交流が可能となり、対象者は自動車ビジネスの知見・ノウハウの深化、公開買付者グループは非自動車顧客とのリレーションの構築ができると考えております。対象者の完全子会社化により人材交流を含む迅速かつ柔軟な経営資源の相互活用を更に進めることで、上記a.~d.が早期に実現できると同時に、対象者は公開買付者グループの総合商社としての知見・経験、M&Aや投資に関する経験、より幅広い領域での事業経営の経験等が可能となり、対象者人材のキャリア形成機会の拡充・モチベーションの向上等が得られると考えております。また、公開買付者グループは対象者における販売に係るノウハウを体得できるものと考えております。
上記背景、目的及び期待するシナジー効果を念頭に、2024年5月下旬に、公開買付者は、対象者を含む公開買付者グループのより一層の企業価値向上を実現するために、対象者の完全子会社化によって、対象者と公開買付者の利害をこれまで以上に高い水準で一致させ、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが最善であるとの結論に至り、対象者の完全子会社化に関する初期的な検討を開始いたしました。
2024年6月中旬、公開買付者は、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を選任し、対象者の完全子会社化に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。そして、2024年7月16日、公開買付者から対象者に対し、対象者の完全子会社化に関する検討を開始し、同年10月の対象者の第2四半期決算の発表と同時に本取引を公表することを検討している旨の通知を行いました。これに対して、対象者からは同月18日に社内検討体制の構築及びリーガル・アドバイザーの選任を開始する旨の連絡を受けました。その後、公開買付者は、想定されるシナジーに関する検討を進め、同年8月9日、対象者に対し、公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等を記載した初期的提案書を提出いたしました。
これに対して、対象者は、公開買付者が対象者株式の所有割合が58.63%に達する対象者の支配株主(親会社)であり、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を開始するに先立ち、2024年7月18日以降、公開買付者から本取引の提案を受けた場合に、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築及びリーガル・アドバイザーの選定を開始したとのことです。そして、対象者は、同年8月9日に公開買付者から上記の初期的提案書を受領した後、同月下旬に公開買付者及び対象者グループから独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、公開買付者及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ選任したとのことです。
また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めたうえで、2024年9月4日開催の臨時取締役会決議により、谷津良明氏(対象者独立社外取締役)、藤本美枝氏(対象者独立社外取締役)及び大志万俊夫氏(対象者独立社外監査役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置したとのことです。本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
さらに、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです。
そのうえで、公開買付者と対象者は、2024年9月上旬より、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。公開買付者は、本公開買付けの実現可能性の精査のため、2024年9月上旬から同年10月上旬まで対象者に対してデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して対象者及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の経営体制・事業方針、業界の見通し、本公開買付価格やその算出方法を含む本取引の諸条件について交渉を重ねてまいりました。具体的には、公開買付者は、2024年9月4日に本特別委員会より、本取引の背景・目的・意義及び実施時期、本取引のストラクチャー、業界の見通し、シナジー効果等の内容について書面による質問を受領し、同月9日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を行いました。さらに、公開買付者は、同月20日に本特別委員会より、当該回答を踏まえた書面による意見・質問事項を受領し、同年10月3日に公開買付者から当該意見・質問事項について書面による回答を行っております。
その後、公開買付者は、公開買付者が対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な対象者株式価値分析内容、及び当該情報を前提として公開買付者において実施した初期的な対象者株式価値分析内容を総合的に勘案し、2024年10月9日、対象者が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を2,100円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して20.55%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの数値(%)について同じとします。))とすることを含む本取引に関する提案を行いました。これに対し、同月10日、本特別委員会から、当該提案価格は、対象者の株式価値や収益力を踏まえて検討した本源的価値に照らして十分ではないとのことから、提案内容の再検討を要請されました。そして、公開買付者は、同月11日に本特別委員会に対して当該回答に関する説明を行い、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行いました。公開買付者は、同月15日に本公開買付価格を2,300円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して32.03%のプレミアム)としたい旨の提案を行いました。これに対し、同月19日、本特別委員会から、当該提案価格は、対象者の第三者算定機関である大和証券による株式価値の試算結果と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請されました。加えて、公開買付者は、同日に対象者より、シナジー効果について書面による質問事項を受領し、同月22日開催の本特別委員会において、対象者及び本特別委員会に対して回答を行い、これに対する質疑応答を行っております。さらに、公開買付者は、同日に本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,730円に対して37.57%のプレミアム)としたい旨の提案を行いました。これに対し、本特別委員会からは、同月23日に、当該提案価格は本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請されました。かかる要請を受けて、公開買付者は、同月24日に当該提案価格2,380円は、公開買付者として対象者株式の本源的価値を最大に反映した価格であり、また、対象者株式の終値の上場来高値(同年7月16日の対象者株式の高値である2,130円)を大幅に上回っており、対象者の少数株主にとって極めて魅力的な売却機会を提供するものと考えているため、改めて本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,703円に対して39.75%のプレミアム)とする提案を行いました。公開買付者の当該提案に対し、本特別委員会からは、同年10月25日、当該提案価格は本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準及び対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値を考慮のうえ、本公開買付価格を2,400円に引き上げることを要請されました。かかる要請を受け、公開買付者は、同日に本公開買付価格を2,400円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,699円に対して41.26%のプレミアム)とする旨の提案を行ったところ、同日に、本特別委員会から、対象者のアドバイザーである大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言並びに対象者及び本特別委員会における議論を踏まえ改めて検討した結果、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を受領し、本公開買付価格を2,400円とすることで合意に至りました。
また、公開買付者は、対象者との間で、本取引後の対象者の経営方針について、複数回にわたる協議・検討を重ねてまいりました。その結果、公開買付者は、2024年10月23日付で、対象者に対し、本取引後の対象者の経営方針に関する現時点での公開買付者の意向を示す書面(以下「本書面」といいます。)を提示しました。本書面の内容については、下記「③ 本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
その結果、公開買付者と対象者は、本公開買付価格に関する上記の合意に加え、2024年10月29日、公開買付者が対象者を完全子会社化し、対象者と公開買付者の利害をこれまで以上に高い水準で一致させ、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、両社の企業価値の向上に資するとの考えで一致したことから、公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付けを実施することを決議いたしました。
② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的」に記載のとおり、公開買付者から、2024年7月16日に2024年10月の対象者の第2四半期決算の発表と同時に本取引を公表することを検討している旨の通知を受けたとのことです。これに対して、対象者は、同月18日に社内検討体制の構築及びリーガル・アドバイザーの選任を開始する旨の連絡をしたとのことです。その後、対象者は、公開買付者から、同年8月9日に公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等が記載された初期的提案書を受領したため、本取引に関する検討を開始することとしたとのことです。公開買付者は、対象者株式の所有割合が58.63%に達する対象者の支配株主(親会社)であり、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、対象者は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を開始するに先立ち、2024年7月18日以降、公開買付者から本取引の提案を受けた場合の社内体制の構築及びリーガル・アドバイザーの選定を開始したとのことです。そして、同年8月下旬に公開買付者及び対象者グループから独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を、公開買付者及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券をそれぞれ選任したとのことです。
また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めたうえで、2024年9月4日開催の臨時取締役会決議により、谷津良明氏(対象者独立社外取締役)、藤本美枝氏(対象者独立社外取締役)及び大志万俊夫氏(対象者独立社外監査役)の3名から構成される本特別委員会を設置したとのことです。本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
さらに、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
そのうえで、対象者は、大和証券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、対象者グループを取り巻く事業環境及び対象者グループの事業の状況、本取引の意義・目的、本取引が対象者に与える影響並びに本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
また、対象者は、2024年9月4日開催の臨時取締役会の決議により本特別委員会を設置して以降、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ったとのことです。
具体的には、本特別委員会は、2024年9月4日に公開買付者に対し本取引の背景・目的・意義及び実施時期、本取引のストラクチャー、業界の見通し、シナジー効果等の内容について書面による質問をしたところ、同月9日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受領したとのことです。さらに、当該回答を踏まえて、本特別委員会が同月20日に意見・質問事項を書面により送付したところ、同日に開催の本特別委員会において、公開買付者から当該質問事項に対する回答及び本取引の意義・目的に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行ったとのことです。その後、本特別委員会は、同年10月3日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受領したとのことです。さらに、本特別委員会は、同月11日に公開買付者から当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行ったとのことです。さらに、当該協議を踏まえて、対象者が同月19日にシナジー効果について書面による質問をしたところ、同月22日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受領するとともに、同日開催の本特別委員会において、対象者及び本特別委員会は、公開買付者から当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行ったとのことです。
本公開買付価格については、対象者は、2024年10月9日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねたとのことです。具体的には、対象者及び本特別委員会は、公開買付者から、2024年10月9日、公開買付者が対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な対象者株式価値分析内容及び当該情報を前提として、公開買付者において実施した初期的な対象者株式価値分析内容を総合的に勘案し、対象者が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を2,100円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して20.55%のプレミアム)とすることを含む本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、本特別委員会は、同月10日、当該提案価格は、対象者の株式価値や収益力を踏まえて検討した対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請したとのことです。これを受けて、公開買付者から、同月15日、本公開買付価格を2,300円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して32.03%のプレミアム)としたいことを含む本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、本特別委員会は、同月19日、当該提案価格は、対象者の第三者算定機関である大和証券による株式価値の試算結果と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請したとのことです。これを受けて、対象者は、公開買付者から、同月22日、本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,730円に対して37.57%のプレミアム)としたいことを含む本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、本特別委員会は、同月23日、当該提案価格は、下記「(ⅲ)判断内容」に記載の本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請したとのことです。これを受けて、対象者は、公開買付者から、同月24日、再度本公開買付価格を検討したものの、同月22日に提案した本公開買付価格である2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,703円に対して39.75%のプレミアム)は、対象者の本源的価値を最大限に反映しており、また、本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準等を踏まえても、対象者株主の利益に十分資するものであることから、本公開買付価格の引き上げが困難である旨の提案を受けたとのことです。しかし、本特別委員会は、同月25日、当該提案価格は、本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準及び対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値を考慮のうえ、本公開買付価格を2,400円に引き上げることを要請したとのことです。その結果、対象者及び本特別委員会は、同日、公開買付者から、本公開買付価格を1株あたり2,400円とする旨の提案を受けたとのことです。そして、同日、本特別委員会は公開買付者に対し、当該提案価格は、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言並びに対象者及び本特別委員会における議論を踏まえて検討した結果、下記「(ⅲ)判断内容」に記載の理由から、対象者の少数株主に対して応募推奨ができるものとして、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を送付し、本公開買付価格を2,400円とすることで合意に至ったとのことです。
以上の検討・交渉過程において、対象者は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びに大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、対象者や対象者のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきたとのことです。具体的には、まず、対象者が公開買付者に対して提示し、また、大和証券が対象者株式の価値算定において基礎とする対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けているとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っているとのことで、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っているとのことです。
そして、対象者は、2024年10月28日付で、本特別委員会から、答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けているとのことです(本答申書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下で、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2024年10月28日付で大和証券から提出を受けた対象者株式に係る株式価値算定書(以下「対象者算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行ったとのことです。
その結果、以下のとおり、対象者としても、公開買付者の完全子会社となる本公開買付けを含む本取引を通じた対象者の完全子会社化が対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
対象者グループは、1947年4月に高千穂電気株式会社を設立して以来、目まぐるしく変化するエレクトロニクス業界で、約6,000社にも及ぶ得意先の多様なニーズに対応する「モノづくりのパートナー」として歩んできたとのことです。
昨今の対象者グループを取り巻く事業環境においては、ウクライナ、中東情勢や米中対立等の地政学リスクを契機としたリスク分散の必要性が高まっていることに加え、急速な技術革新に伴う成長分野の変動、製品の性能向上による顧客ニーズの高度化、多様化等を背景とした需要の変化に機敏に対応し、付加価値を提供することの重要性がより高まっていると考えているとのことです。
こうした環境のもと、対象者グループは、国内外の有力顧客を開拓し、中長期にポテンシャルのあるマーケット及び地域に進出し、高付加価値を有する商材及びサービスを提供する必要があると考えているとのことです。この点において、対象者は、対象者の経営資源やノウハウに加えて公開買付者グループのネットワークやノウハウ、人材等を活用することで、上記の施策を着実に実現することが可能になると考えているとのことです。
しかしながら、現状は対象者及び公開買付者がいずれも上場会社であり、両社の間に構造的な利益相反があることから情報交換に一定の制約があるとの説明を公開買付者より受けており、また、対象者の独立性の観点及び少数株主の利益を保護する観点から、両社の経営資源やノウハウの相互活用を含む協業に係る協議、公開買付者グループとの連携が限定的となっているものと認識しているとのことです。
こうした対象者グループを取り巻く事業環境を踏まえ、対象者は、本取引を通じて公開買付者の完全子会社となり、公開買付者グループとの構造的な利益相反関係を解消し、対象者グループ及び公開買付者グループとの間で経営資源等を相互活用することで、以下のようなシナジーを見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
a.国内顧客基盤の強化による事業規模の拡大
公開買付者グループの有する幅広い顧客基盤のうち、特に対象者グループの得意先ではない、又は、対象者グループとの関係性が希薄な国内の電機・機械メーカー等については、公開買付者とのコミュニケーションを密に取ってターゲットを共有し、公開買付者グループが有するそれらの企業とのネットワークを活用することで、対象者グループとして新たなビジネス機会を創出することが可能であると考えているとのことです。しかしながら、公開買付者と対象者がともに上場企業である現状においては、対象者の少数株主の利益保護の観点から取引条件の公正性を慎重に検討する必要性があることに照らして、顧客基盤の相互活用に一定の制約があるとの説明を受けており、解決すべき課題と考えているとのことです。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することで、顧客基盤の相互活用の制約が解消され、公開買付者グループの有するネットワークの活用が可能になることで、公開買付者グループの有する幅広い顧客基盤における事業機会を獲得し、対象者グループの顧客基盤の強化に繋がると考えているとのことです。加えて、対象者グループは、現在、約7,000社に及ぶ仕入先との取引による豊富な商材及び情報を有しているため、本取引を通じて強化した顧客基盤に対する商材や情報の提供といったビジネス展開は十分可能であり、事業規模の拡大が可能になると考えているとのことです。
b.グローバルへの事業展開
対象者は、特定の国や地域にビジネスを集中させずに、幅広い国や地域で事業を拡大させることが、リスク分散の観点においても重要であると考えているとのことですが、現状、対象者グループの得意先の多くが日本及び中華人民共和国に集中し、連結売上収益の約4分の3を占めているとのことです。かかる状況において、公開買付者グループの有する様々な国や地域における拠点、ネットワーク、顧客基盤及び提携機会等を活用し、事業の開拓余地の大きい地域へより本格的に進出することで、新たな収益機会の獲得が期待できることに加え、経営上のリスク分散にも繋がり、今後も対象者グループの持続的な成長が可能になると考えているとのことです。具体的には、欧州、インド、東南アジア及びアフリカ地域における、自動車のTier 1プレイヤーとの取引や自動車用のアフターサービス用製品等については、公開買付者グループがそれらの国や地域に多数の顧客基盤及び販売ネットワークを有しているとのことです。しかしながら、公開買付者と対象者がともに上場企業である現状においては、対象者の少数株主の利益保護の観点から取引条件の公正性を慎重に検討する必要性があることに照らして、両社の有する経営資源の相互活用に一定の制約があり、解決すべき課題と考えているとのことです。本取引を通じて、公開買付者が対象者を完全子会社化することで、この課題が解消され、対象者グループが持つ顧客への高い提案力と、公開買付者グループが持つこれらの国や地域における拠点、ネットワーク及び顧客基盤を活用することが可能となり、それにより対象者グループのさらなる海外収益の拡大を図ることができ、また、経営上のリスク分散にも繋がると考えているとのことです。
c.新たな市場への事業領域の拡大
対象者グループは、顧客基盤及び事業領域の拡大を推進するため、マーケット戦略との整合性及びエレクトロニクス業界との親和性を重視しつつ、販路の拡大を行っているとのことです。特に公開買付者グループが自ら保有するデータセンターや洋上風力発電等のプロジェクトに対して対象者グループの商材を販売することで、対象者グループの事業領域の拡大が可能になると考えているとのことです。しかしながら、公開買付者と対象者がともに上場会社であることから、経営の独立性や対象者の少数株主の利益を保護する必要性に照らして、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間での情報交換及び対象者グループの顧客基盤及び事業領域について、具体的な案件ごとに慎重な検討を要しているとのことです。本取引を通じて公開買付者が対象者を完全子会社化することで、対象者以外の公開買付者グループと対象者の間でより円滑に顧客基盤及び事業領域の拡大に関する共同検討が可能となり、機動的かつ迅速に対象者グループの事業領域を拡大することが可能になると考えているとのことです。さらに、新たな市場へ参入することで、対象者グループは製品開発・技術情報等の新しい知見を得ることが可能となり、対象者グループが既にビジネス展開している事業領域においても、より顧客のニーズに適した様々な提案を行うことが可能になると考えているとのことです。
d.人材交流の拡大による対象者グループ総合力の強化と高付加価値の提供
これまで、対象者グループと公開買付者グループとの間で行われてきた人材交流は、対象者及び公開買付者がいずれも上場会社であることから、対象者の独立性の観点や少数株主の利益を考慮する必要性に照らして、限定的な範囲で行われていたとのことです。本取引後、対象者が公開買付者の完全子会社になることで、これまで以上に活発な人材交流が可能となり、公開買付者グループの持つ、自動車ビジネスや総合商社としての知見・経験、M&A等の投資に関する経験、より幅広い領域での事業経営の経験等を得られることは、対象者グループの従業員のキャリア形成機会を拡充することに繋がり、従業員のスキルアップを図ることができると考えているとのことです。ひいては、対象者グループと公開買付者グループの相互な人材交流により、公開買付者グループの役職員の持つ知見やノウハウを対象者の事業に活用することで、対象者グループの総合力を向上させ、顧客に対する高付加価値の提供が可能になると考えているとのことです。
なお、対象者は、対象者が本取引を通じて公開買付者の完全子会社となることにより、以下のようなディスシナジーが生じるリスクを懸念したとのことです。
a.公開買付者との企業文化の違いにより、顧客の多様なニーズに機動的かつ柔軟に寄り添い、顧客の信頼を得てきた対象者の企業価値の源泉が失われるおそれ
b.対象者の経営体制が現状の対象者グループを取り巻く事業環境を考慮することなく、大きく変更されることにより、迅速な意思決定が行えないこととなり、対象者グループを取り巻く事業環境の変化に対応できず、シナジー効果の創出を通じた企業価値の向上が困難となるおそれ
c.対象者の人事権や人事制度が尊重されないことにより、従業員の雇用及び雇用条件等が維持されず、従業員の士気の低下や離反が生じるおそれ
そして、対象者及び本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引により上記のディスシナジーが生じるリスクを低減するための措置を講じることを求め、公開買付者より、2024年10月23日付で以下の内容が記載された本書面を受領したとのことです。
a.企業文化の尊重
公開買付者は、対象者の企業価値の源泉が、幅広い分野・取引先の商材を取り扱うとともに、機動的かつ柔軟に顧客のニーズに寄り添うことにより取引先の信頼を得てきた点にあることを理解しており、本取引の実行後の対象者の人事政策、組織・商流の再編・統合等の各種施策を検討するにあたっては、かかる対象者の企業文化に十分に配慮する。
b.経営体制、組織、人事制度等
公開買付者は、本取引の実行後における対象者の経営体制や、組織、人事制度に関して、本公開買付けが成立して以降、対象者との間で誠実に協議する。かかる協議は、対象者の実情を十分把握した上で、対象者にとって最適な経営体制、組織、人事制度を構築することを目的とするものであり、現状からの変更を希望する点については、対象者と誠実に協議の上、決定する。
c.従業員の雇用等
公開買付者は、対象者の従業員の雇用及び雇用条件を維持することを大前提と考えており、自ら退職する場合等の一定の例外を除き、対象者の従業員の雇用を維持し、また、経済情勢や事業環境等の変化を含む一定の例外を除き、対象者の従業員の雇用条件について、当該従業員の受益を実質的・総合的にみて、本取引の公表日時点における水準を下回らないよう維持する。公開買付者は、従業員の受益を実質的・総合的にみて同等程度の代替の福利厚生制度を提供する場合を除き、本取引の実行後も当面の間、対象者の福利厚生制度を維持する。
以上の内容を踏まえ、対象者としては、本書面の記載に基づき本取引後に対象者の事業運営が実施されることを前提とすれば、かかるディスシナジーは限定的であると考えているとのことです。
また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
a.下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による対象者株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法(以下に定義します。)による算定結果の範囲内であること。
b.本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値の1,697円に対して41.43%、同日までの過去1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,731円(小数点以下を四捨五入。以下終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して38.65%、同日までの過去3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,747円に対して37.38%、同日までの過去6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,867円に対して28.55%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、新型コロナウイルスの感染拡大による短期的な景気悪化を大幅に含まないものと考えられ、かつ直近の実例である2022年11月から2024年10月までの2年間に公表され、かつ成立した親会社による上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアムの実例20件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が38.29%、過去1ヶ月間が41.43%、過去3ヶ月間が39.57%、過去6ヶ月間が39.14%であり、プレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日が36.02%、過去1ヶ月間が38.83%、過去3ヶ月間が38.92%、過去6ヶ月間が36.96%)と比較して、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム28.55%は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(約40%)を下回るものの、過去事例において、28.55%を下回るプレミアム水準の案件が6件存在しており、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム41.43%は過去事例におけるプレミアム水準(約40%)を超えており、過去1ヶ月間及び過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム38.65%及び37.38%は過去事例におけるプレミアム水準(いずれも約40%)と遜色のないものと認められること。
c.下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主利益が確保されていると認められること。
d.当該措置が講じられたうえで、対象者及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の真摯な交渉を重ねたうえで決定された価格であること。
e.本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
以上より、対象者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。
なお、上記対象者取締役会における決議の方法は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者及び対象者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジー効果を着実に実現させるべく、公開買付者グループと対象者の連携を加速させるとともに公開買付者グループ及び対象者の顧客基盤を相互に活用したクロスセルを実施することや人材交流による対象者を含む公開買付者グループの総合力強化といった事項について、公開買付者が対象者の経営陣と十分に協議しながら検討していく考えです。なお、本取引後の対象者の経営体制・取締役会の構成については、役員派遣の有無その他人事に関する事項を含め現時点で決定している事項はなく、また、本公開買付け後の対象者の従業員の処遇の変更、対象者以外の公開買付者グループ会社への配置転換について、現時点で決定した事象等はございません。
もっとも、公開買付者は、本取引後の対象者の経営方針に関し、2024年10月23日付で、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の以下の内容が記載された本書面を通じて、対象者に対して伝達しております。
a.企業文化の尊重
公開買付者は、対象者の企業価値の源泉が、幅広い分野・取引先の商材を取り扱うとともに、機動的かつ柔軟に顧客のニーズに寄り添うことにより取引先の信頼を得てきた点にあることを理解しており、本取引後の対象者の人事政策、組織・商流の再編・統合等の各種施策を検討するにあたっては、かかる対象者の企業文化に十分に配慮する。
b.経営体制、組織、人事制度等
公開買付者は、本取引の実行後における対象者の経営体制や、組織、人事制度に関して、本公開買付けが成立して以降、対象者との間で誠実に協議する。かかる協議は、対象者の実情を十分把握した上で、対象者にとって最適な経営体制、組織、人事制度を構築することを目的とするものであり、現状からの変更を希望する点については、対象者と誠実に協議の上、決定する。
c.従業員の雇用等
公開買付者は、対象者の従業員の雇用及び雇用条件を維持することを大前提と考えており、自ら退職する場合等の一定の例外を除き、対象者の従業員の雇用を維持し、また、経済情勢や事業環境等の変化を含む一定の例外を除き、対象者の従業員の雇用条件について、当該従業員の受益を実質的・総合的にみて、本取引の公表日時点における水準を下回らないよう維持する。公開買付者は、従業員の受益を実質的・総合的にみて同等程度の代替の福利厚生制度を提供する場合を除き、本取引後も当面の間、対象者の福利厚生制度を維持する。
なお、公開買付者は、対象者の取締役9名のうち、1名が公開買付者の従業員を兼務しており、公開買付者から出向者2名を派遣しております。また、対象者の監査役4名のうち1名が公開買付者の完全子会社である株式会社ネクスティ エレクトロニクス(以下「ネクスティ エレクトロニクス」といいます。)の監査役を兼任しております。本取引後における出向者の処遇について現時点で決定している事項はございません。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
対象者は、公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けの公正性を担保するため、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
なお、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式24,005,800株(所有割合:58.63%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
④ 対象者における独立した法律事務所からの助言
⑤ 対象者における独立した検討体制の構築
⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
⑦ 取引保護条項の不存在
⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立により、公開買付者が、合計で対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式のすべてを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定です。本株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して本株式売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主が所有する対象者株式のすべてを取得いたします。そして、公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。
なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において、公開買付者による本株式売渡請求を承認する予定とのことです。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が、合計で対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む対象者の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年2月を目途に開催することを対象者に要請する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じる予定とのことです。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定したうえで、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、対象者に要請する予定です。
本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが対象者株式のすべて(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することを企図し、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう対象者に要請する予定です。
また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるもののすべてを公正な価格で買い取ることを請求できる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議のうえ、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5)上場廃止となる見込み及びその理由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
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買付け等の期間 |
2024年10月30日(水曜日)から2024年12月11日(水曜日)まで(30営業日) |
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公告日 |
2024年10月30日(水曜日) |
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公告掲載新聞名 |
電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。 電子公告アドレス (https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/) |
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株券 |
1株につき金2,400円 |
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新株予約権証券 |
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新株予約権付社債券 |
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株券等信託受益証券 ( ) |
― |
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株券等預託証券 ( ) |
― |
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算定の基礎 |
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。 |
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野村證券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行ったうえで、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、市場株価が存在することから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を算定手法として用いて対象者株式の価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2024年10月29日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました(注)。 |
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なお、野村證券は公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、下記「算定の経緯」の「(本公開買付価格の決定に至る経緯)」に記載の諸要素を総合的に考慮し、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。 |
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野村證券により上記各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。 |
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市場株価平均法 :1,696円から1,867円 |
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類似会社比較法 :1,411円から2,698円 |
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DCF法 :1,715円から2,771円 |
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市場株価平均法では、2024年10月28日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の基準日終値1,697円、直近5営業日の終値単純平均値1,696円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,731円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,747円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,867円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,696円から1,867円と算定しております。 |
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類似会社比較法では、対象者と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,411円から2,698円までと算定しております。 |
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DCF法では、対象者より受領し、公開買付者による確認のうえ、野村證券に提供された2025年3月期から2028年3月期までの4期分の事業計画(対象者から受領した事業計画にフリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)における収益や投資計画、対象者へのマネジメント・インタビュー、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2025年3月期第3四半期以降の対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,715円から2,771円と算定しております。なお、DCF法の前提とした対象者の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されておりません。 |
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公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における対象者の株式価値の算定結果に加え、2024年9月上旬から同年10月上旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年10月29日、本公開買付価格を2,400円と決定いたしました。 |
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なお、本公開買付価格である2,400円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,697円に対して41.43%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,731円に対して38.65%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,747円に対して37.38%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,867円に対して28.55%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格である2,400円は、本書提出日の前営業日である2024年10月29日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,705円に対して40.76%のプレミアムを加えた価格となります。 |
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算定の経緯 |
(本公開買付価格の決定に至る経緯) |
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公開買付者は、本公開買付けの実現可能性の精査のため、2024年9月上旬から同年10月上旬まで対象者に対してデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して対象者及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の経営体制・事業方針、業界の見通し、本公開買付価格やその算出方法を含む本取引の諸条件について交渉を重ねてまいりました。具体的には、公開買付者は、2024年9月4日に本特別委員会より、本取引の背景・目的・意義及び実施時期、本取引のストラクチャー、業界の見通し、シナジー効果等の内容について書面による質問を受領し、同月9日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を行いました。さらに、公開買付者は、同月20日に本特別委員会より、当該回答を踏まえた書面による意見・質問事項を受領し、同年10月3日に公開買付者から当該意見・質問事項について書面による回答を行っております。 |
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その後、公開買付者は、公開買付者が対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な対象者株式価値分析内容、及び当該情報を前提として公開買付者において実施した初期的な対象者株式価値分析内容を総合的に勘案し、2024年10月9日、対象者が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を2,100円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して20.55%のプレミアム)とすることを含む本取引に関する提案を行いました。 |
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これに対し、同月10日、本特別委員会から、当該提案価格は、対象者の株式価値や収益力を踏まえて検討した本源的価値に照らして十分ではないとのことから、提案内容の再検討を要請されました。そして、公開買付者は、同月11日に本特別委員会に対して当該回答に関する説明を行い、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行いました。公開買付者は、同月15日に本公開買付価格を2,300円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,742円に対して32.03%のプレミアム)としたい旨の提案を行いました。これに対し、同月19日、本特別委員会から、当該提案価格は、対象者の第三者算定機関である大和証券による株式価値の試算結果と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請されました。加えて、公開買付者は、同日に対象者より、シナジー効果について書面による質問事項を受領し、同月22日開催の本特別委員会において、対象者及び本特別委員会に対して回答を行い、これに対する質疑応答を行っております。さらに、公開買付者は、同日に本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,730円に対して37.57%のプレミアム)としたい旨の提案を行いました。これに対し、本特別委員会からは、同月23日に、当該提案価格は本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分であり、かつ対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値に照らして十分ではないとして、提案内容の再検討を要請されました。かかる要請を受けて、公開買付者は、同月24日に当該提案価格2,380円は、公開買付者として対象者株式の本源的価値を最大に反映した価格であり、また、対象者株式の終値の上場来高値(同年7月16日の対象者株式の高値である2,130円)を大幅に上回っており、対象者の少数株主にとって極めて魅力的な売却機会を提供するものと考えているため、改めて本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,703円に対して39.75%のプレミアム)とする提案を行いました。公開買付者の当該提案に対し、本特別委員会からは、同年10月25日、当該提案価格は本取引と類似する過去事例におけるプレミアム水準及び対象者の少数株主が今後対象者株式を保有することで享受可能な対象者の本源的価値を考慮のうえ、本公開買付価格を2,400円に引き上げることを要請されました。かかる要請を受け、公開買付者は、同日に本公開買付価格を2,400円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値1,699円に対して41.26%のプレミアム)とする旨の提案を行ったところ、同日に、本特別委員会から、対象者のアドバイザーである大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言並びに対象者及び本特別委員会における議論を踏まえ改めて検討した結果、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を受領し、本公開買付価格を2,400円とすることで合意に至りました。 |
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また、公開買付者は、対象者との間で、本取引後の対象者の経営方針について、複数回にわたる協議・検討を重ねてまいりました。その結果、公開買付者は、2024年10月23日付で、対象者に対し、本書面を提示しました。本書面の内容については、上記「3 買付け等の目的等」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「③ 本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。 |
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その結果、公開買付者と対象者は、本公開買付価格に関する上記の合意に加え、2024年10月29日、公開買付者が対象者を完全子会社化し、対象者と公開買付者の利害をこれまで以上に高い水準で一致させ、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、両社の企業価値の向上に資するとの考えで一致したことから、公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付けを実施することを決議いたしました。 |
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公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年10月29日付で本買付者側株式価値算定書を取得いたしました。なお、野村證券は公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、下記に記載の諸要素を総合的に考慮し、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。本買付者側株式価値算定書の概要及びそれを踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由は以下のとおりです。 |
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① 本買付者側株式価値算定書の概要 |
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野村證券は、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行っており、各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです(注)。 |
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市場株価平均法:1,696円から1,867円 |
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類似会社比較法:1,411円から2,698円 |
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DCF法 :1,715円から2,771円 |
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② 本買付者側株式価値算定書を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由 |
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公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における対象者の株式価値の算定結果に加え、2024年9月上旬から同年10月上旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年10月29日、本公開買付価格を2,400円と決定いたしました。なお、本公開買付価格は、上記「① 本買付者側株式価値算定書の概要」に記載の本買付者側株式価値算定書の市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回るとともに、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内の価格になります。 |
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(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置) |
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公開買付者及び対象者は、公開買付者は、対象者株式の所有割合が58.63%に達する対象者の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間で構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じております。 |
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なお、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式24,005,800株(所有割合:58.63%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。 |
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① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 |
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公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年10月29日付で本買付者側株式価値算定書を取得いたしました。公開買付者が野村證券から取得した対象者の株式価値の算定結果に関する本買付者側株式価値算定書の詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。 |
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② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 |
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(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係 |
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対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年10月28日付で、対象者算定書を取得したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者及び対象者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。また、対象者は、本「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載のとおり、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも対象者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって大和証券が本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断し、上記の報酬体系により大和証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定したとのことです。 |
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(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要 |
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大和証券は、複数の算定手法の中から対象者株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者の市場株価の動向を勘案した市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び対象者業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて対象者の1株当たりの株式価値の分析を行い、対象者は、2024年10月28日付で大和証券より対象者算定書を取得したとのことです。 |
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上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。 |
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市場株価法 :1,697円から1,867円 |
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類似会社比較法:1,981円から2,275円 |
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DCF法 :2,327円から2,712円 |
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市場株価法では、2024年10月28日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値1,697円、直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,731円、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,747円及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値1,867円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,697円~1,867円と算定しているとのことです。 |
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類似会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、マクニカホールディングス株式会社、加賀電子株式会社及び東京エレクトロン デバイス株式会社を選定したうえで、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,981円~2,275円と算定しているとのことです。 |
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DCF法では、対象者が作成した事業計画を基に、2025年3月期から2028年3月期までの4期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり価値の範囲を2,327円~2,712円までと算定しているとのことです。なお、大和証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことですが、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2025年3月期において売上高の増加による営業利益の拡大を見込んでおり、それらの影響に伴い運転資本が増加し、フリー・キャッシュ・フローの大幅なマイナスを見込んでいるため、2026年3月期は、大幅な増減益を見込んでいないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。2027年3月期は、売上高の増加による営業利益の拡大を見込んでおり、それに伴い運転資本が増加するため、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。また、割引率は8.4%~9.4%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0.0%~1.0%として算定しているとのことです。 |
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大和証券がDCF法による分析に用いた対象者作成の事業計画においては、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味していないとのことです。 |
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なお、DCF法で算定の前提とした対象者財務予測の数値は以下のとおりとのことです。また、対象者財務予測は、2024年7月29日に公表した「2025年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「対象者第1四半期決算短信」といいます。)に対して、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)本公開買付けの背景」に記載の対象者グループを取り巻く環境を考慮して一定の調整を行っているため、対象者財務予測における2025年3月期の業績予測は、対象者第1四半期決算短信と異なる数値計画となっているとのことですが、この点も含め、対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、本特別委員会の確認を経て、その承認を受けているとのことです。詳細は、下記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。 |
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③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得 |
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(ⅰ)設置等の経緯 |
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上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、対象者は、2024年9月4日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置したとのことですが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、対象者は、2024年8月下旬から、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、公開買付者との間で重要な利害関係を有しない対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役に対して、公開買付者から2024年8月9日に公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等が記載された初期的提案書を受領した旨、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明したとのことです。また、対象者は、並行して、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者との間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行ったとのことです。そのうえで、対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって特別委員会を構成するべく協議した結果、異議がない旨が確認されたことから、対象者は、谷津良明氏(対象者独立社外取締役)、藤本美枝氏(対象者独立社外取締役)及び大志万俊夫氏(対象者独立社外監査役)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員長には本特別委員会の委員の互選により対象者独立社外取締役である谷津良明氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。 |
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そのうえで、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、2024年9月4日の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、対象者取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するか否かを含む。)、(ⅱ)本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されているか、(ⅲ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(ⅳ)本取引(対象者取締役会が本取引に関する決定を行うことを含む。)が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(ⅴ)対象者取締役会が、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)対象者取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引に関する取引条件が妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、対象者の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関その他アドバイザーに委託すること(本特別委員会のアドバイザーの専門的助言に係る合理的な費用は対象者が負担する。なお、本特別委員会は、対象者のアドバイザーが高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として対象者のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、対象者のアドバイザーに対して専門的助言又は説明を求めることができるものとする。)、(ⅱ)対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から、本取引の検討及び判断に必要な情報の提供を求めること、(ⅲ)本取引の取引条件等に関する対象者による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、本特別委員会が必要と認める場合には、自ら直接本取引の取引条件等の協議及び交渉を行うことについて権限を付与することを決議しているとのことです。 |
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上記の対象者取締役会においては、対象者が公開買付者の子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、対象者取締役会における審議及び決議がこれらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、対象者の取締役9名のうち、公開買付者の従業員を兼務している小松洋介氏、公開買付者からの出向者である大越浩一氏及び辻直人氏、並びに、公開買付者の子会社である株式会社トーメンデバイス(以下「トーメンデバイス」といいます。)の社外取締役である前田辰巳氏の4氏を除く5名の取締役において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行っているとのことです。一方で、上記取締役会における審議及び決議に参加した対象者の取締役のうち、対象者の代表取締役社長である横出彰氏は、公開買付者の出身者(2018年7月付で対象者に転籍)であるものの、対象者の代表取締役社長として対象者の企業価値向上の観点から本取引の検討及び交渉をするにあたって不可欠で代替できない知識及び経験を有していること、対象者への転籍は2018年7月付であり公開買付者在籍時に本取引について検討をしていないこと及び公開買付者との間で何らの契約も締結しておらず指揮命令関係にないこと等の事情を鑑み、対象者の立場において本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しているとのことです。対象者の社内で構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役員の範囲を含みます。)は、対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ているとのことです。また、上記の取締役会には、公開買付者の完全子会社であるネクスティ エレクトロニクスの監査役である伊藤弘氏を除く監査役3名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べているとのことです。 |
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また、対象者の取締役のうち、大越浩一氏、辻直人氏、小松洋介氏及び前田辰巳氏の4名並びに対象者の監査役のうち伊藤弘氏は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場で本取引の協議及び交渉に参加していないとのことです。 |
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なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、本取引の成否にかかわらず固定報酬を支払うものとされているとのことです。 |
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(ⅱ)検討の経緯 |
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本特別委員会は、2024年9月4日より2024年10月28日までの間に合計11回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。具体的には、本特別委員会は、公開買付者から、本取引を提案するに至った経緯、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行い、また、対象者から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画等に関する説明を受け、質疑応答を行ったとのことです。 |
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また、本特別委員会は、公開買付者に対して提示する事業計画及び大和証券が対象者の株式価値の算定において基礎とする事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認及び承認を行ったとのことです。 |
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そのうえで、本特別委員会は、対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けているとのことです。さらに、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券の独立性及び専門性に鑑み、対象者の依頼により、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである同社から説明を受け、公開買付者からより高い価格を引き出すための交渉方針について審議・検討したとのことです。また、本特別委員会は、対象者が公開買付者から本公開買付価格に関する提案を受領する都度、適時に報告を受け、対象者の依頼により対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から説明を受け、対象者に対して複数回に亘り、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、公開買付者に対する交渉方針を審議・検討すること等により、公開買付者との間の本公開買付価格に関する協議・交渉に実質的に関与したとのことです。 |
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その結果、対象者は、2024年10月25日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり2,400円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である2,100円から2,400円にまで引上げているとのことです。 |
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さらに、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、複数回、対象者が公表予定の本公開買付けに係る対象者プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。 |
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(ⅲ)判断内容 |
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本特別委員会は、以上の経緯の下で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的見地からの助言及び大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2024年10月28日付けで提出を受けた対象者算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。 |
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a.答申内容 |
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1.本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。 |
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2.本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されていると考えられる。 |
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3.本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されていると考えられる。 |
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4.本取引(対象者取締役会が本取引に関する決定を行うことを含む。)が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。 |
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5.対象者取締役会が、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは適切であり、対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。 |
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b.答申の理由 |
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1.本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値向上に資するか否かを含む) |
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以下の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。 |
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ア.以下の公開買付者及び対象者から説明された、対象者を取り巻く事業環境についてはその内容に不合理な点は認められず、対象者の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すると考えられること。 |
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・対象者グループを取り巻く環境については、ウクライナ、中東情勢や米中対立等の地政学リスクを契機としたリスク分散の必要性が高まっていることに加え、急速な技術革新に伴う成長分野の変動、製品の性能向上による顧客ニーズの高度化、多様化等を背景とした急速な需要の変化に機敏に対応し、付加価値を提供することの重要性がより高まっていること。 |
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・こうした環境のもと、対象者グループは、国内外の有力顧客を開拓し、中長期にポテンシャルのあるマーケット及び地域に進出し、高付加価値を有する商材及びサービスを提供する必要があると考えている。 |
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イ.上記の公開買付者及び対象者から説明された対象者の経営課題、本取引実施後に期待できる取組み及びシナジー等に関して、対象者が公開買付者の完全子会社となることで可能となることが見込まれる以下ウの点を含め、その内容に不合理な点は認められず、総じて対象者の企業価値の向上に資するものであると考えられること。 |
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ウ.また、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、以下のメリットが見込まれること。 |
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・公開買付者とのコミュニケーションを密に取ってターゲットを共有し、公開買付者グループが有するそれらの企業とのネットワークを活用することで、公開買付者グループの有する幅広い顧客基盤における事業機会を獲得し、対象者グループの顧客基盤の強化に繋がり、事業規模の拡大が可能になると考えられること。 |
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・対象者グループが持つ顧客への高い提案力と、公開買付者グループが持つこれらの国や地域における拠点、ネットワーク及び顧客基盤を活用することで、対象者グループのグローバルへの事業展開が可能となり、さらなる海外収益の拡大を図ることができ、また、経営上のリスク分散にも繋がると考えられること。 |
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・公開買付者グループが保有するデータセンターや洋上風力発電等のプロジェクトに対して対象者グループの商材を販売することで、対象者グループの事業領域の拡大が可能になると考えられること。 |
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・対象者が公開買付者の完全子会社になることで、構造的な利益相反の問題が解消され、これまで以上に活発な人材交流が可能となることにより、公開買付者グループの役職員の持つ知見やノウハウを対象者の事業に活用することで、対象者グループの総合力を向上させ、顧客に対する高付加価値の提供が可能になると考えられること。 |
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エ.対象者が懸念しているディスシナジーとしては、(ⅰ)公開買付者との企業文化の違いにより、顧客の多様なニーズに機動的かつ柔軟に寄り添い、顧客の信頼を得てきた対象者の企業価値の源泉が失われるおそれ、(ⅱ)対象者の経営体制が現状の対象者グループを取り巻く事業環境を考慮することなく、大きく変更されることにより、迅速な意思決定が行えないこととなり、対象者グループを取り巻く事業環境の変化に対応できず、シナジー効果の創出を通じた企業価値の向上が困難となるおそれ、(ⅲ)対象者の人事権や人事制度が尊重されないことにより、従業員の雇用及び雇用条件等が維持されず、従業員の士気の低下や離反が生じるおそれが挙げられているものの、対象者及び本特別委員会は、本取引により上記のディスシナジーが生じるリスクを低減するための措置を講じることを求め、公開買付者から受領した本書面によれば、(ⅰ)対象者の企業文化の尊重、(ⅱ)経営体制、組織、人事制度等に関する公開買付者と対象者との間の誠実協議、(ⅲ)従業員の雇用条件及び福利厚生に関する実質的・総合的維持について、公開買付者は誓約しており、当該記載事項のとおり本取引後に実施いただくことを前提とすれば、対象者が公開買付者の完全子会社となることにより生じ得るディスシナジーに対しても一定程度対処されており、本取引により期待されるシナジーを上回るディスシナジーが生じるものではないと考えることは不合理ではないこと。 |
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2.本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性 |
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以下の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられる。 |
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ア.本特別委員会の設置 |
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・対象者は、本取引がいわゆる支配株主による従属会社の買収として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在することを踏まえ、本公開買付けに係る対象者の意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、公開買付者グループ(但し、対象者グループを除く。)から独立性を有する谷津良明氏、藤本美枝氏及び大志万俊夫氏の3名で構成される特別委員会を設置したこと。 |
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・また、本特別委員会は、合計11回開催され、上記で述べたとおり、公開買付者との協議及び交渉に実質的に関与し、独立当事者間取引と同視し得る状況が確保された上で、真摯な交渉が行われたこと。 |
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イ.対象者のアドバイザー等の選任 |
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・対象者は、公開買付者グループ及び対象者グループから独立性を有し専門性が認められる第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとして、大和証券を選任し、同社から財務的見地からの助言・意見等を取得していること。なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているが、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも対象者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって大和証券が本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、大和証券の独立性が否定されるわけではないと考えられること。 |
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・また、独立性及び専門性を有するリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引における手続の公正性を確保するために講じるべき措置やその他の法的見地からの助言・意見等を取得していること。 |
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ウ.対象者による第三者評価機関からの株式価値算定書の取得 |
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・対象者は、大和証券から対象者算定書を取得していること。下記3.アで詳述するように、対象者算定書においては、複数の算定方法を利用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされていること。 |
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・また、こうした算定の前提となる対象者の事業計画の作成にあたって、公開買付者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定にあたって公正性を疑わせるような事情も見当たらないこと。 |
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エ.対象者による独立した検討体制の構築 |
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・対象者は、本取引の実施に向けた検討を開始して以降、公開買付者グループから独立性を有する役職員のみで構成されるプロジェクトチームを組成したこと。当該チームメンバーは、公開買付者グループ各社の役職員を兼務しておらず、かつ過去に公開買付者グループ各社の役職員としての地位を有していたことのない対象者の取締役2名をはじめとする対象者の役職員8名から構成されるものとし、かかる取扱いを継続していること。 |
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・加えて、対象者の代表取締役社長である横出彰氏は、公開買付者の出身者(2018年7月付で対象者に転籍)であるものの、対象者の代表取締役社長として対象者の企業価値向上の観点から本取引の検討及び交渉をするにあたって不可欠で代替できない知識及び経験を有していること、対象者への転籍は2018年7月付であり公開買付者在籍時に本取引について検討をしていないこと及び公開買付者との間で何らの契約も締結しておらず指揮命令関係にないこと等の事情を鑑み、本取引に係る検討、交渉及び判断を行っていること。 |
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・以上については、対象者における検討体制として、独立性・公正性の観点から特段問題がないと考えられること。そして、対象者は、当該チームにおいて、本取引に関する検討及び公開買付者との協議及び交渉を行っており、対象者における本取引の検討過程において、公開買付者グループが不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められないこと。 |
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オ.特別利害関係人の不関与 |
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・対象者の取締役9名のうち、公開買付者の従業員を兼務している小松洋介氏、公開買付者からの出向者である大越浩一氏及び辻直人氏、公開買付者の子会社であるトーメンデバイスの社外取締役である前田辰巳氏、並びに、対象者の監査役4名のうち、公開買付者の完全子会社であるネクスティ エレクトロニクスの監査役である伊藤弘氏は、構造的な利益相反の問題を解消するため、本取引に係る2024年10月29日までの対象者の取締役会の審議及び決議には参加しておらず、また、本取引の意見表明に係る2024年10月29日開催予定の取締役会における審議及び決議にも一切参加しない予定であり、かつ、対象者の立場で本取引に関する検討、公開買付者との協議及び交渉に参加していないこと。 |
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・その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者グループその他の本取引に特別な利害関係を有する者が、対象者側の意思決定過程に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められないこと。 |
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カ.対抗的買収提案の機会の確保 |
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・本公開買付けに関しては、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定される予定であるとともに、公開買付者と対象者は、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、対象者が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを禁止・制限するような取引保護条項を含む合意等は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的買収提案の機会が確保されることにより、本取引に係る手続の公正性の確保に向けた配慮がなされていること。 |
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・なお、本公開買付けにおいては、積極的なマーケット・チェックが実施されていないものの、他の公正性担保措置を通じて手続の公正性が確保されており、また、支配株主による従属会社の完全子会社化の案件においては、積極的なマーケット・チェックが機能する場面とは一般に言い難いことから、本件において、積極的なマーケット・チェックが実施されていないことの一事をもって、本取引に係る手続の公正性が阻害されることはないと考えられること。 |
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キ.マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定について |
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・本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていない。もっとも、本公開買付けにおいては、公開買付者が、対象者株式を24,005,800株(所有割合:58.63%)所有しているところ、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない側面があると考えられること。また、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定されていないものの、本公開買付けの下限(3,291,600株)を達成するためには、対象者の少数株主の一定数の賛同・応募が前提となっていること、他の公正性担保措置を通じて手続の公正性が確保されており対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えられること、少数株主が将来の不透明な市場環境を回避するために、本公開買付けに応募し、相当のプレミアムを付した価格にて対象者株式を売却するという選択を尊重することも少数株主の利益になると考えられることから、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことの一事をもって、本取引に係る手続の公正性が阻害されることはないと考えられること。 |
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ク.本スクイーズアウト手続について |
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・本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるが、当該手続において交付される金銭の額は、本公開買付価格に当該株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨がプレスリリース等で明示される予定であり、強圧性に一定の配慮がなされるとともに、本スクイーズアウト手続において予定されている株式等売渡請求又は株式併合は、完全子会社化の手法として一般的な手法であり、いずれの手続においても少数株主が対価について異議を述べる機会が適切に確保されているため、本スクイーズアウト手続の内容に関し、特段不合理な点は見当たらないこと |
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ケ.一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上 |
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・対象者プレスリリースにおいては、一般株主が取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な情報として、以下の開示がなされる予定であること。 |
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・本特別委員会について、(a)委員の独立性や専門性等の適格性に関する情報、(b)特別委員会に付与された権限の内容に関する情報、(c)特別委員会における検討経緯や、交渉過程への関与状況に関する情報、(d)特別委員会の判断の根拠・理由、答申書の内容、(e)委員の報酬体系等 |
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・対象者算定書については、特にDCF法について、(ⅰ)算定の前提とした対象者のフリー・キャッシュ・フロー予測、及び当該予測が本取引の実施を前提とするものか否か、(ⅱ)算定の前提とした財務予測の作成経緯、(ⅲ)割引率の種類や計算根拠、(ⅳ)フリー・キャッシュ・フローの予測期間の考え方や予測期間以降に想定する成長率等の継続価値の考え方等 |
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・その他、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等 |
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3.本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性 |
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以下の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本公開買付価格は、対象者算定書における市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であること、本取引の公表日前日である2024年10月28日、直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準としては一定のプレミアムが付された水準であると評価できること、公開買付者の当初の提示価格から300円の引き上げに成功していること、本スクイーズアウト手続を含む本取引に係るスキーム・条件に関して、不合理な内容は特段見当たらない等の事情も踏まえ、本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えられる。 |
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ア.大和証券からの対象者算定書の取得 |
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・対象者が、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から取得した対象者算定書によれば、本株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると1,697円から1,867円、類似会社比較法によると1,981円から2,275円、DCF法によると2,327円から2,712円、とされているところ、本公開買付価格(2,400円)は、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内であること。 |
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・そして、本特別委員会は、大和証券から株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、大和証券及び対象者に対して、評価手法の選択、類似会社比較法における類似会社及びマルチプルとして用いた指標の選定、DCF法による算定の基礎となる対象者の事業計画、当該事業計画に基づく財務予測、継続価値の算定方法、割引率の算定根拠、必要運転資金等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかったこと。 |
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・特に、事業計画については、対象者が通常策定する中期経営計画と同様のプロセス・方法で作成されており、公開買付者グループが対象者の事業計画の作成に際して不当な関与や影響を及ぼした事実はなく、その前提条件及び作成経緯・過程に照らしても合理的なものであると認められること。また、2025年3月期の業績予想については、足元業績を踏まえた修正が行われているが、その修正経緯及び過程の合理性についても対象者の説明に基づき確認していること。 |
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・したがって、大和証券による対象者の株式価値算定の内容は合理的なものであると考えられること。 |
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イ.プレミアムの水準について |
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・本公開買付価格(2,400円)は、2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,697円に対し41.43%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,731円に対して38.65%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,747円に対して37.38%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,867円に対して28.55%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であること。 |
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・新型コロナウイルスの感染拡大による短期的な景気悪化を大幅に含まないものと考えられ、かつ直近の実例である2022年11月から2024年10月までの2年間に公表され、かつ成立した親会社による上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアムの実例20件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が38.29%、過去1ヶ月間が41.43%、過去3ヶ月間が39.57%、過去6ヶ月間が39.14%であり、プレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日が36.02%、過去1ヶ月間が38.83%、過去3ヶ月間が38.92%、過去6ヶ月間が36.96%)であることから、本公開買付価格は、過去の類似事例におけるプレミアム水準と比べて、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム28.55%は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(約40%)を下回るものの、過去事例において、28.55%を下回るプレミアム水準の案件が6件存在しており、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム41.43%は過去事例におけるプレミアム水準(約40%)を超えており、過去1ヶ月間及び過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム38.65%及び37.38%は過去事例におけるプレミアム水準(いずれも約40%)と遜色のないものと認められること。 |
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ウ.公開買付者との協議・交渉の内容について |
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・対象者は、本特別委員会が本取引の条件が妥当でないと判断した場合には本取引に賛同しないことを決定した上で、本特別委員会を設置し、対象者及び本特別委員会は、本特別委員会が事前に承認した交渉方針に従い、少数株主の利益保護の観点から、公開買付価格に関する協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行ったこと。 |
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・本取引の検討に関する議題の審議、対象者の立場における本取引の検討及び本取引に係る公開買付者との協議・交渉には、公開買付者との利害関係を疑われるおそれがある取締役を関与させない措置が講じられたこと。 |
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・以上を踏まえると、対象者と公開買付者との間における本取引の取引条件に関する交渉過程においては、独立当事者間取引と同視し得る状況が確保されていたと認めることができること。 |
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・また、対象者及び本特別委員会は、大和証券を通じて、本特別委員会が承認した方針に従い価格交渉を実施し、3回にわたる価格引上げを行い、公開買付者の当初提案額(1株当たり2,100円)から、最終的に総額300円(本公開買付価格2,400円と当初提案額の差額)の引き上げに成功していること。 |
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エ.その他本取引に係るスキーム・条件の妥当性について |
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・本取引は、金銭対価による公開買付けとその後のスクイーズアウトによる完全子会社化スキームであるところ、公開買付者の株式を対価とする株式交換の手法等を利用することにより、対象者の少数株主に対して統合後のシナジー効果を享受させるスキームも別途考えられるが、公開買付者と対象者の企業規模が異なるため、対象者の株主が、本取引実施後も公開買付者の株主となることで、対象者事業の将来のシナジーを享受することができるとはいいにくい状況にあること。 |
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・また、本取引に係るスキームは一般的な完全子会社化の手法として用いられるものであり、さらに、本公開買付価格は上記で述べたとおり、合理的な金額であると評価することができることから、本取引のスキームを採用すること自体が不合理であるとはいえないこと。 |
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・次に、本スクイーズアウト手続においては、本公開買付けに応募しなかった対象者株主に対し最終的に金銭が交付されることになるが、当該手続において交付される金銭の額は、本公開買付価格に当該株主が所有している対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定されるところ、当該金銭の額についても、本公開買付価格と同様の考え方により、合理的な金額であると評価できること。 |
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・その他、本取引に係るスキーム・条件に関して、不合理な内容は特段見当たらないこと。 |
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4.本取引(対象者取締役会が本取引に関する決定を行うことを含む。)が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。 |
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上記1乃至3を踏まえ、本取引は対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。 |
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5.対象者取締役会が、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非 |
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上記1乃至4を踏まえ、対象者取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することは適切であり、対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。 |
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④ 対象者における独立した法律事務所からの助言 |
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上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者及び対象者グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けているとのことです。 |
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また、本特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けているとのことです。 |
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なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者及び対象者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。 |
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⑤ 対象者における独立した検討体制の構築 |
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上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、2024年7月18日以降、対象者は、本取引に関する検討(対象者株式の価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを検討の上、設置し、そのメンバーは、公開買付者グループ(対象者グループを除く。)各社の役職員を兼務しておらず、かつ過去に公開買付者グループ(対象者グループを除く。)各社の役職員としての地位を有していたことのない対象者の取締役2名をはじめとする対象者の役職員8名から構成されるものとし、かかる取扱いを継続しているとのことです。加えて、対象者の代表取締役社長である横出彰氏は、公開買付者の出身者(2018年7月付で対象者に転籍)であるものの、対象者の代表取締役社長として対象者の企業価値向上の観点から本取引の検討及び交渉をするにあたって不可欠で代替できない知識及び経験を有していること、対象者への転籍は2018年7月付であり公開買付者在籍時に本取引について検討をしていないこと及び公開買付者との間で何らの契約も締結しておらず指揮命令関係にないこと等の事情を鑑み、本取引に係る検討、交渉及び判断を行っているとのことです。また、かかる取扱いを含めて、対象者の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ているとのことです。 |
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⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見 |
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対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、本特別委員会から入手した本答申書、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の経緯並びにその内容及び理由」に記載のとおり、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本取引により「a.国内顧客基盤の強化による事業規模の拡大」、「b.グローバルへの事業展開」、「c.新たな市場への事業領域の拡大」及び「d.人材交流の拡大による対象者グループ総合力の強化と高付加価値の提供」のシナジーが得られ、ディスシナジーは限定的であることから本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであり本取引の目的は合理的であるものと判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、大和証券による対象者株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であり、本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられている等の理由より、本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が認められるものと判断し、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議しているとのことです。 |
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上記の対象者取締役会においては、対象者が公開買付者の子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、対象者取締役会における審議及び決議がこれらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、対象者の取締役9名のうち、公開買付者の従業員を兼務している小松洋介氏、公開買付者からの出向者である大越浩一氏及び辻直人氏、並びに、公開買付者の子会社であるトーメンデバイスの社外取締役である前田辰巳氏の4氏を除く5名の取締役において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行っているとのことです。一方で、上記取締役会における審議及び決議に参加した対象者の取締役のうち、対象者の代表取締役社長である横出彰氏は、公開買付者の出身者(2018年7月付で対象者に転籍)であるものの、対象者の代表取締役社長として対象者の企業価値向上の観点から本取引の検討及び交渉をするにあたって不可欠で代替できない知識及び経験を有していること、対象者への転籍は2018年7月付であり公開買付者在籍時に本取引について検討をしていないこと及び公開買付者との間で何らの契約も締結しておらず指揮命令関係にないこと等の事情を鑑み、対象者の立場において本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しているとのことです。対象者の社内の構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役員の範囲を含みます。)は、対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ているとのことです。また、上記の取締役会には、公開買付者の完全子会社であるネクスティ エレクトロニクスの監査役である伊藤弘氏を除く監査役3名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べているとのことです。 |
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また、対象者の取締役のうち、大越浩一氏、辻直人氏、小松洋介氏及び前田辰巳氏の4名並びに対象者の監査役のうち伊藤弘氏は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場で本取引の協議及び交渉に参加していないとのことです。 |
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⑦ 取引保護条項の不存在 |
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対象者及び公開買付者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。 |
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⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置 |
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公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式売渡請求をすること又は本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、対象者の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(対象者及び公開買付者を除きます。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。 |
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また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期間である30営業日としております。公開買付期間を比較的長期にすることにより、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しております。 |
(注) 野村證券は、対象者の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2024年10月28日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が対象者の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
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株券等の種類 |
買付予定数 |
買付予定数の下限 |
買付予定数の上限 |
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普通株式 |
16,940,333(株) |
3,291,600(株) |
-(株) |
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合計 |
16,940,333(株) |
3,291,600(株) |
-(株) |
(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,291,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は、本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数を記載しております。当該最大数は、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(42,304,946株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,358,813株)及び本書提出日現在公開買付者が所有する対象者株式の数(24,005,800株)を控除した株式数(16,940,333株)になります。
(注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続きに従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
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区分 |
議決権の数 |
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買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a) |
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aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b) |
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bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c) |
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公開買付者の所有株券等に係る議決権の数( |
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dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e) |
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eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f) |
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特別関係者の所有株券等に係る議決権の数( |
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gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h) |
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hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i) |
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対象者の総株主等の議決権の数( |
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買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合 (a/j)(%) |
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買付け等を行った後における株券等所有割合 ((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%) |
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(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。ただし、特別関係者の所有株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年6月26日に提出した第78期有価証券報告書に記載された2024年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(42,304,946株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,358,813株)を控除した40,946,133株に係る議決権の数(409,461個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。
① 公開買付代理人
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載のうえ、公開買付期間末日の15時30分までに応募してください。応募の際には、ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等が必要になる場合があります。(注1)
オンラインサービス(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)による応募に関しては、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)にて公開買付期間末日の15時30分までに手続を行ってください。なお、オンラインサービスによる応募には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンラインサービスのご利用申込みが必要です。(注2)
③ 株券等の応募の受付にあたっては、応募株主等口座に、応募する予定の株券等が記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
⑤ 外国の居住者であり、公開買付代理人にお取引可能な口座をお持ちでない株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。オンラインサービスにおいては、外国の居住者は応募できません。
⑥ 日本の居住者である個人株主の場合、公開買付けにより売却された株券等に係る売却代金と取得費との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)
⑦ 応募株券等の全部の買付けが行われないこととなった場合、買付けの行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。
(注1) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等について
公開買付代理人である野村證券に新規に口座を開設する場合、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要となるほか、ご印鑑が必要な場合があります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。マイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認するための書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
マイナンバー(個人番号)提供時の必要書類
マイナンバー(個人番号)の提供に際しては、所定の「マイナンバー提供書」のほか、[1]マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と、[2]本人確認書類が必要です。
※申込書に記載された氏名・住所・生年月日のすべてが確認できるものをご準備ください。
※野村證券の受付日時点で、有効期限の定めのあるものは有効期限内のもの、有効期限の定めのないものは6ヶ月以内に作成されたものに限ります(「通知カード」は、発行日から6ヶ月以降も有効です。)。
※野村證券の店舗でお手続きをされる場合は、原本をご提示ください(本人確認書類のコピーをとらせていただく場合があります。)。
※コピーの場合は、あらためて原本の提示をお願いする場合があります。
※野村證券より本人確認書類の記載住所に口座開設のご案内を簡易書留(転送不要)でお届けし、ご本人様の確認をさせていただく場合があります。
※新規口座開設、住所変更等の各種手続に係る本人確認書類を提出いただく場合、口座名義人様の本人確認書類に限りマイナンバー(個人番号)の提供に必要な書類を兼ねることができます(同じものを2枚以上提出いただく必要はありません。)。
[1]マイナンバー(個人番号)を確認するための書類
個人番号カード、通知カード、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書のいずれか1点が必要です。
[2]本人確認書類
|
マイナンバー(個人番号)を確認するための書類 |
必要な本人確認書類 |
|
個人番号カード |
不要 |
|
通知カード ※現在の氏名・住所が記載されていない「通知カード」はご利用いただけません。 |
[A]のいずれか1点、又は[B]のうち2点 |
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マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し |
[A]又は[B]のうち、「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の1点 |
|
マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書 |
[A]顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
旅券(パスポート)、運転免許証、運転経歴証明書、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書
※2020年2月4日以降に申請した「旅券(パスポート)」は「所持人記入欄」がないため、1点のみではご利用いただけません。その他の本人確認書類とあわせてご提出ください。
[B]顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
健康保険証(各種)、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、福祉手帳(各種)
・法人の場合
登記事項証明書、官公庁から発行された書類等の本人確認書類が必要となる場合があります。
※本人特定事項 ①名称 ②本店又は主たる事務所の所在地
※法人自体の本人確認に加え、代表者又は代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。
法人番号の提供に際しては、法人番号を確認するための書類として、「国税庁 法人番号公表サイト」で検索した結果画面を印刷したもの又は「法人番号指定通知書」のコピーが必要となる場合があります。また、所定の「法人番号提供書」が必要となる場合があります。
・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等の本人確認書類が必要になります。
(注2) オンラインサービスのご利用には、お申込みが必要です。オンラインサービスをお申込み後、パスワードがご登録住所に到着するまで約1週間かかりますのでお早めにお手続きください。公開買付期間末日近くである場合は、お取引店からの応募申込みの方がお手続きに時間を要しません。
・個人の場合:オンラインサービスのログイン画面より新規申込を受付しております。もしくは、お取引店又はオンラインサービスサポートダイヤルまでご連絡ください。
・法人の場合:お取引店までご連絡ください。なお、法人の場合は代理人等のご登録がない法人に限りオンラインサービスによる応募が可能です。
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得等には原則として申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願いします。
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに下記に指定する者の応募の受付を行った本店又は全国各支店に、公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
オンラインサービスで応募された契約の解除は、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)上の操作又は解除書面の交付もしくは送付により行ってください。オンラインサービス上の操作による場合は当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の15時30分までに解除手続きを行ってください。なお、お取引店で応募された契約の解除に関しては、オンラインサービス上の操作による解除手続きを行うことはできません。解除書面の交付又は送付による場合は、予め解除書面をお取引店に請求したうえで、公開買付期間末日の15時30分までにお取引店に交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
解除書面を受領する権限を有する者
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
(その他の野村證券株式会社全国各支店)
応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続き終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
|
買付代金(円)(a) |
40,656,799,200 |
|
金銭以外の対価の種類 |
― |
|
金銭以外の対価の総額 |
― |
|
買付手数料(円)(b) |
180,000,000 |
|
その他(円)(c) |
13,000,000 |
|
合計(円)(a)+(b)+(c) |
40,849,799,200 |
(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(16,940,333株)に本公開買付価格(2,400円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は未定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
|
種類 |
金額(千円) |
|
当座預金 |
372,956,039 |
|
計(a) |
372,956,039 |
|
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
|
1 |
― |
― |
― |
― |
|
2 |
― |
― |
― |
― |
|
計 |
― |
|||
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
|
― |
― |
― |
― |
|
― |
― |
― |
― |
|
計 |
― |
||
|
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
|
1 |
― |
― |
― |
― |
|
2 |
― |
― |
― |
― |
|
計(b) |
― |
|||
|
借入先の業種 |
借入先の名称等 |
借入契約の内容 |
金額(千円) |
|
― |
― |
― |
― |
|
― |
― |
― |
― |
|
計(c) |
― |
||
|
内容 |
金額(千円) |
|
― |
― |
|
計(d) |
― |
372,956,039千円((a)+(b)+(c)+(d))
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
2024年12月18日(水曜日)
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)の住所宛に郵送します。
買付けは、金銭にて行います。応募株主等は本公開買付けによる売却代金を、送金等の応募株主等が指示した方法により、決済の開始日以後遅滞なく受け取ることができます(送金手数料がかかる場合があります。)。
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」及び「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日の翌営業日)以後速やかに、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株券等を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株券等を他の金融商品取引業者等に開設した応募株主等の口座に振替える場合は、応募の受付をされた公開買付代理人の本店又は全国各支店にご確認ください。)。
応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,291,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,291,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
令第14条第1項第1号イないしヌ及びワないしネ、第3号イないしチ及びヌ、並びに同条第2項第3号ないし第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、対象者の業務執行を決定する機関が、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当(株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額(5,128.5百万円(注))未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合、及び対象者の業務執行を決定する機関が、自己株式の取得(株式を取得するのと引換えに交付する金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額(5,128.5百万円)未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合には、対象者における会社財産の社外流出が大きく本公開買付けの目的の達成に重大な支障となることから、当該場合においても、令第14条第1項第1号ネに定める「イからツまでに掲げる事項に準ずる事項」に該当する場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。また、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合及び②対象者の重要な子会社に同号イないしトに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
(注) 発行済株式総数及び自己株式数に変動がないとすると、1株当たりの配当額は126円に相当します(具体的には、対象者が2024年6月26日に提出した第78期有価証券報告書に記載された2024年3月31日時点の対象者の単体決算における純資産額51,285百万円の10%に相当する額である5,128.5百万円を、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(42,304,946株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,358,813株)を控除した株式数(40,946,133株)で除し、1円未満の端数を切り上げて計算しています。)。
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付けを行います。
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続き終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付けを行います。
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項ただし書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。
本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内においてもしくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商もしくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、更に米国内の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、もしくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。また、公開買付届出書又は関連する買付書類は米国内においてもしくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けしません。
本公開買付けの応募に際し、応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の旨の表明及び保証を行うことを求められることがあります。応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内においてもしくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付けもしくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商もしくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付けに関するすべての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。
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年 月 日現在 |
|
氏名又は名称 |
住所又は所在地 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
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計 |
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年 月 日現在 |
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役名 |
職名 |
氏名 |
生年月日 |
職歴 |
所有株式数 (千株) |
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計 |
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①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
①【公開買付者が提出した書類】
イ【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第103期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月21日関東財務局長に提出
ロ【半期報告書】
事業年度 第104期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年11月13日関東財務局長に提出予定
ハ【訂正報告書】
該当事項はありません。
②【上記書類を縦覧に供している場所】
豊田通商株式会社名古屋本社
(名古屋市中村区名駅四丁目9番8号(センチュリー豊田ビル)
豊田通商株式会社東京本社
(東京都港区港南二丁目3番13号)
豊田通商株式会社大阪支店
(大阪市中央区南船場四丁目3番11号(大阪豊田ビル))
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
|
(2024年10月30日現在) |
|
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
|
株券 |
240,058(個) |
―(個) |
―(個) |
|
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
|
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
|
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
|
株券等預託証券( ) |
― |
― |
― |
|
合計 |
240,058 |
― |
― |
|
所有株券等の合計数 |
240,058 |
― |
― |
|
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
|
(2024年10月30日現在) |
|
|
所有する株券等の数 |
令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 |
令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 |
|
株券 |
240,058(個) |
―(個) |
―(個) |
|
新株予約権証券 |
― |
― |
― |
|
新株予約権付社債券 |
― |
― |
― |
|
株券等信託受益証券( ) |
― |
― |
― |
|
株券等預託証券( ) |
― |
― |
― |
|
合計 |
240,058 |
― |
― |
|
所有株券等の合計数 |
240,058 |
― |
― |
|
(所有潜在株券等の合計数) |
(―) |
― |
― |
(1)公開買付者と対象者との間の取引
最近の3事業年度における公開買付者と対象者との間の記載すべき重要な取引が無いため、記載しておりません。
(2)公開買付者と対象者の役員との間の取引
該当事項はありません。
(1)本公開買付けへの賛同
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行ったとのことです。詳細については、上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
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決算年月 |
― |
― |
― |
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売上高 |
― |
― |
― |
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売上原価 |
― |
― |
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販売費及び一般管理費 |
― |
― |
― |
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営業外収益 |
― |
― |
― |
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営業外費用 |
― |
― |
― |
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当期純利益(当期純損失) |
― |
― |
― |
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決算年月 |
― |
― |
― |
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1株当たり当期純損益 |
― |
― |
― |
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1株当たり配当額 |
― |
― |
― |
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1株当たり純資産額 |
― |
― |
― |
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(単位:円) |
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金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名 |
東京証券取引所 プライム市場 |
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月別 |
2024年4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
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最高株価 |
1,950 |
2,018 |
2,045 |
2,130 |
1,900 |
1,828 |
1,791 |
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最低株価 |
1,780 |
1,868 |
1,925 |
1,840 |
1,521 |
1,669 |
1,665 |
(注) 2024年10月については、10月29日までのものです。
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年 月 日現在 |
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区分 |
株式の状況(1単元の株式数 株) |
単元未満株式の状況 (株) |
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政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
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株主数(人) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
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所有株式数 (単元) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
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所有株式数の割合(%) |
― |
― |
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― |
― |
― |
― |
― |
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年 月 日現在 |
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氏名又は名称 |
住所又は所在地 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
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― |
― |
― |
― |
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― |
― |
― |
― |
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― |
― |
― |
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― |
― |
― |
― |
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計 |
― |
― |
― |
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年 月 日現在 |
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氏名 |
役名 |
職名 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
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― |
― |
― |
― |
― |
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― |
― |
― |
― |
― |
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― |
― |
― |
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― |
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― |
― |
― |
― |
― |
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計 |
― |
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(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第77期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月28日関東財務局長に提出
事業年度 第78期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月26日関東財務局長に提出
②【半期報告書】
事業年度 第79期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年11月8日関東財務局長に提出予定
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
エレマテック株式会社
(東京都港区三田三丁目5番19号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
(1)「2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」の公表
対象者は、2024年10月29日付で、対象者決算短信を公表しております。当該公表に基づく同期の対象者の損益状況は以下のとおりです。なお、当該内容につきましては、法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人の期中レビューを受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、公開買付者はその正確性及び真実性について独自に検証を行っておりません。詳細については、当該公表内容をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
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会計期間 |
2025年3月期第2四半期 |
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売上収益 |
98,360百万円 |
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営業活動に係る利益 |
4,996百万円 |
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税引前中間利益 |
4,433百万円 |
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中間利益 |
3,068百万円 |
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親会社の所有者に帰属する中間利益 |
3,068百万円 |
② 1株当たりの状況(連結)
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会計期間 |
2025年3月期第2四半期 |
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基本的1株当たり中間利益 |
74.93円 |
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希薄化後1株当たり中間利益 |
74.93円 |
(2)「2025年3月期期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」の公表
対象者が、2024年10月29日付で公表した「2025年3月期期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」によれば、対象者は、同日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2024年7月29日に公表した配当予想を修正し、2025年3月期の期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細につきましては、対象者の当該公表内容をご参照ください。