(1) 経営方針
常に時代を先取りし、果敢に新たな事業へと挑戦し続ける創業以来の開拓者精神と積極的な創意工夫を行う姿勢は、当社グループの行動指針となっております。お取引先との信頼関係を深め、事業を創造し、社会に価値ある企業となるため、当社グループの企業理念として掲げる、当社創業者である兼松房治郎による創業主意ならびに「われらの信条」(1967年制定)を経営の基本理念としております。
創業主意 「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」
「われらの信条」
・伝統的開拓者精神と積極的創意工夫をもって業務にあたり、適正利潤を確保し、企業の発展を図る。
・会社の健全なる繁栄を通じて、企業の社会的責任を果し、従業員の福祉を増進する。
・組織とルールに基づいて行動するとともに、会社を愛する精神と、社内相互の人間理解を基本として、業務を遂行する。
(2) 経営環境および対処すべき課題
当社は、次なるステージに向けた成長シナリオとしての5ヵ年中期ビジョン「VISION-130」を掲げ、その目標の具現化に向け各種施策を着実に実行して参りました。「VISION-130」は、2019年3月期を最終年度としておりましたが、収益目標としての連結当期純利益150億円は、1年前倒しの2018年3月期で達成し、効率指標としてのROEも15%の水準となりました。自己資本は、目標レベルに向け順調に積み上がっており、ネットDERは0.5倍の水準と財務体質の健全性を維持しております。
このように2018年3月期をもって「VISION-130」の目標を概ね達成したことから、今般、兼松グループの更なる成長軌道を念頭に、当社創業135周年にあたる2024年までの6ヵ年の中期経営計画である中期ビジョン「future 135」を新たに策定いたしました。
中期ビジョン「future 135」
「future 135」では、兼松グループが有する強い事業をさらに伸ばし、かつ安定した収益基盤の事業分野において持続的成長を実現して参ります。効果的な事業投資により規模の拡大や付加価値の獲得を追求し、連結当期純利益250億円を目標といたします。
また、収益構造および財務構造の安定性を背景に、配当性向(総還元性向)は25~30%とし、資本の効率性を重視した経営を推進いたします。
なお、対象期間は2019年3月期から2024年3月期までの6ヵ年といたします。
【定量目標】(最終年度2024年3月期)
連結当期純利益※ 250億円
ROE 13%~15%
総還元性向 25%~30%
(※)親会社の所有者に帰属する当期純利益
【重点施策】
① 基盤となる事業における持続的成長と、事業投資による規模拡大
安定した収益構造を維持し、持続的成長を実現するとともに、安定した財務構造を活かし、資本とリスクアセットのバランスを取りつつ事業投資を実行して参ります。事業投資は、強みを有する事業分野で、「規模拡大」型と「付加価値」型の二軸で推進して参ります。
② 技術革新への対応
現行分野の周辺において将来に向けた「イノベーション」型の開発投資を行い、IoTやAIなど先進技術を軸とした新規事業を推進・拡大いたします。
③ 持続的成長を実現するための経営インフラ確立
主要海外拠点における事業会社の拡充などグローバルな体制構築を図ります。また、事業経営の担い手となる人材の育成も継続して取り組むとともに、働き方改革の推進など従業員満足度(ES)の向上を目指して参ります。
個別の施策や数値計画については、当社を取り巻く環境変化のスピードに合わせ、単年度の業務計画をもって進めて参ります。なお、折り返しとなる3年後の時点で、事業投資の進捗なども踏まえて方向性を再確認する予定です。
(注意事項)
上記に記載いたしました計画等の将来に関する記述は、当社が有価証券報告書提出日現在入手している情報およ
び合理的であると判断する一定の前提に基づいて記載しております。
当社グループは、世界各国において、幅広く事業活動を行っているため、各国の政治情勢や需給の変動などによる景気動向の影響を直接・間接的に受けており、商品、為替、金利(資金)、株式などの価格変動・流動性リスク、債権の貸倒れ・回収遅延リスク、投資の回収リスク、カントリーリスク、法令・規制変更のリスクなど様々なリスクが存在しております。これらのリスクは、事業を推進するうえで予測困難な不確実性を内包していることから、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを完全に排除することは困難ですが、当社グループでは内容に応じて、必要な管理体制および管理手法を整備し、リスクのコントロールを行っております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクとリスク管理体制は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に属する事項等については、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 事業活動全般に係るリスク
① 取扱商品の需給・価格変動リスク
当社グループの主たる事業である国内外での商品売買取引においては、市況の影響を受ける穀物・石油製品等や、競争による価格低下や技術革新に伴う陳腐化等が頻繁に発生する電子部品・ICT関連商品等の取扱いがあり、これらの商品ポジションが拡大した場合に、商品相場の乱高下や需要の減少等によって、予期しない損失が発生する可能性があります。
② 為替変動リスク
当社グループは、輸出入取引などに付随して、様々な通貨・条件での外国通貨取引を行っており、これらの為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ取引を行っております。
また、当社は海外に現地法人や事業会社を有しており、連結財務諸表上それらの会社の残高は期末日の為替レートにて換算されるため、為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額を通じて、資本を増減させる可能性があります。
③ 金利変動リスク
当社グループは、営業活動や財務活動に係る資金の大半を金融機関からの借入金により調達しており、これらの借入金の一部は変動金利となっております。これらの借入金や資金運用については金利変動リスクがあり、金利上昇によって支払利息が増加する可能性があります。
当社グループは、借入金の金利変動リスクを回避するために、金利スワップ取引を利用しています。
④ 市場性のある有価証券等の価格変動リスク
当社グループは、取引先との関係強化などの目的で株式を保有することがあります。これらには株価変動リスクが存在し、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動により、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 貸倒れ・回収遅延リスク
当社グループは、国内外の取引先と多様な商取引を行う中で売掛金、前渡金、貸付金、保証その他の様々な形態での信用供与を行っており、取引先の財政状態の悪化などにより、回収遅延や債務不履行などが発生する可能性があります。また、商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の締結・履行においては、理由の如何を問わず、取引先の債務不履行や契約不履行が発生した場合に、金銭的損失を伴う履行責任を負う可能性があります。
また、これらの損失負担については、会計上、一定の見積りを用いて引当金の設定を行っておりますが、結果として損失が引当金の範囲を超え、追加的に損失が生じる可能性もあります。
⑥ 事業投資等に関するリスク
当社グループは、既存事業の深掘りおよび事業領域の拡大などを目的として、事業投資を行っております。これら事業投資等の実行にあたっては、投資内容および金額に応じて規定されている所定の手続きを経て実行の可否を決定しております。決定にあたっては、キャッシュ・フローをベースにした事業の採算性と様々なリスク要因の評価・分析を行い、事業撤退の基準についても検討を行ったうえで、投資の可否を判断しております。また、投資実行後も、定期的にその事業性と投資価値の評価・見直しを行い、損失の極小化に努めております。これら事業投資については、投資先の財政状態や事業の成否によって、投資価値が変動する可能性がありますが、特に海外事業についてはマーケット変動の幅が大きい傾向があり、現地の法令やパートナーなどとの関係において、当社の方針どおりに事業展開あるいは撤退ができない可能性もあります。
⑦ カントリーリスク
当社グループは、国外における取引や投融資を展開しており、その国の政治・経済情勢に起因する代金回収の遅延や不能が生じる可能性があります。こうしたカントリーリスクの顕在化による損失を極小化するため、定期的に、各国・地域ごとのカントリーリスクの大きさに応じた格付けを付与したうえで限度額を設定し、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避けるべく運営しております。格付けや案件の内容に応じて貿易保険の付保などによる回収リスクの回避策も講じておりますが、実際に特定の国・地域においてこれらのリスクが顕在化した場合には、当該取引の継続が困難となり、将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法令変更等に関するリスク
当社グループの国内外における事業活動は、日本および諸外国における広範な法規制の対象となっております。しかしながら、予期し得ない各種法令等の変更、国際政治・情勢等の変化によって一方的に実施される懲罰的関税措置を含む輸出入規制および商品販売・取扱いに係る許認可等の規制変更などにより、当該取引を継続できなくなる可能性ならびに訴訟や当局の命令などから予期せぬ費用が発生する可能性があります。この中には、国際課税における当局や国家間の取り決めおよび税率の変更による税務リスクも含まれており、これら法規制の変更は当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 訴訟・係争等に関するリスク
当社グループが国内外で事業活動を行うにあたっては、その営業活動や事業運営上の資産・負債等が、様々な形で、訴訟等の法的手続き上の、あるいはその他の係争の対象となることがあります。これらの訴訟・係争等の発生は予測困難であり、またそのような訴訟・係争等が発生した場合において、その解決には相当の時間を要することが多く、結果を予想することには不確実性が伴います。このような訴訟・係争等が発生し、予期せぬ結果となった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため、情報セキュリティ管理に関する規程を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、更には、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、将来の当社グループの財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 自然災害等による商品・設備等の劣化リスクおよび事業中断リスク
当社グループは、国内外に事業所、倉庫、工場などの設備機器を有しております。また、国内外に保管中または輸送中の貨物を有しております。これらの保有する資産が自然災害や偶発的事故等によって毀損・劣化する可能性に加え、地震・火災・洪水・暴動等により事業が中断する可能性があり、被害の規模によっては、将来の当社グループの財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 法令遵守・不正行為に関するリスク
当社グループは、多岐にわたる商品・サービスを国内外で売買・提供する事業を営んでおり、その商品・サービスに対してわが国を含む世界各国で制定、施行されている輸出入関連法規をはじめとする各種法令および規則に、最大限の注意を払って事業を行っております。しかしながら、複数の当事者を介して行う各種取引オペレーションにあたって、常に完全な手続きを実施することは難しく、複数の予防的措置を講じているにもかかわらず、結果として法令違反や不正行為を見逃し、それらの違反や不正行為が重大なものであった場合には当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) リスク管理について
① 為替・金利・商品ポジション管理
営業取引に付随する為替変動リスク、金利変動リスクおよび取扱商品の価格変動リスクは多くの場合、取引条件として取引先等に転嫁しております。あわせて、為替・金利(資金)・商品やそれらの派生商品について、社内組織単位および会社ごとにリスク量と収益を勘案のうえ、ポジション枠(限度枠)と損失限度額を定め、事前に定めた限度を超えた場合には速やかにポジションを縮少する体制を整備しております。また、ヘッジ手段として派生商品を活用することで、これらのポジションの価格変動リスクを軽減させております。
② 取引与信管理
国内外の取引先への信用供与を行うにあたっては、定期的に、取引先の財務データやその他の情報に基づき取引先ごとに格付けを付与し、格付けおよび与信種類に応じた与信限度額を設定しております。通常の営業取引から生じる取引与信のほか、融資、保証行為など、これらの信用供与の総額が、与信限度額内に収まるよう運営することで、信用リスクをコントロールしております。また、定期的に回収状況や滞留状況をモニタリングし、必要とされる保全策を講じることによって、意図しない信用リスクの拡大を防ぐ体制としております。
また、商品出荷時における取引先に対する与信限度のチェックをシステム化しており、限度超過の未然防止策を講じております。
③ 安全保障貿易管理
安全保障貿易管理関連法令に関しては、その遵守違反を未然に防止するため、「安全保障輸出管理規程」ならびに遵守プログラムを設け、細心の注意を払ってプロセスの管理、運営を行っております。
④ 自然災害・偶発的事故に対するリスクヘッジ
当社グループが保有する国内外の事業所、倉庫、工場などの設備機器ならびに国内外に保管中または輸送中の貨物に対する自然災害や偶発的事故による価値の毀損ならびに賠償責任リスクについては、個別の損害保険付保によりリスクヘッジを行っております。また、地震・火災・洪水・暴動等により、事業が中断するリスクについては、安全かつ迅速な対応ができるよう定期的な訓練を実施するとともに、対策本部の設置・運営を含むマニュアルを整備し、対応策を講じております。
⑤ 情報セキュリティ
情報システムにおける情報セキュリティについては、重要な情報の漏洩・流出防止の観点から、情報セキュリティ管理に関する規程を設け、企業情報ならびに個人情報の保護を行うため、PC、ネットワーク、電子メールなどの利用方法について統一的な規範を定めております。また、セキュリティレベルを高めるためのシステム的な基盤については常時見直しを行い、必要かつ適切なセキュリティレベルを確保するよう維持・運営を行っております。
⑥ コンプライアンス
各種の法規制や規則遵守を包括的にモニタリングするために、内部統制・コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス維持の状況について、定期的なレビューを行うとともに、突発的に発生する諸問題に対応しております。また、兼松グループ・コンプライアンスハンドブックを整備し、周知徹底を図るとともに、報告・相談窓口として、社内ホットラインおよび社外弁護士ホットラインを設置しております。
⑦ オペレーション管理
営業事務から生じるオペレーショナルリスクを防止するため、業務フロー改革(Business Process Re-engineering=BPR)を実施し、受渡業務以降のすべての起票行為を一括して処理するなど、業務フローにおける誤計上やルール違反、不正などを防止する体制を構築しております。
(3) 中期ビジョンについて
当社グループは、6ヵ年を対象とした中期ビジョン「future 135」(2018年4月~2024年3月)を策定しておりますが、定量目標については、一定の仮定や前提に基づき策定されたものであり、経済や産業の動向が想定されたものと大きく異なる場合や、それらの環境の変化に対して有効な施策を講ずることができなかった場合など、様々な要因によって、達成できない可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、地政学的リスクなどの不透明感を抱えながらも、緩やかな成長が続きました。米国においては、企業の生産活動や個人消費の拡大が続き堅調を維持しており、欧州においては、英国のEU離脱問題の影響等が懸念されながらも良好な状態を保っております。中国においては、米国の保護主義的な通商政策などの懸念があるものの堅調な消費拡大もあり成長が続き、アジア新興国についても、総じて良好な状況が続いております。
わが国経済は、底堅い内外景気を受け、設備投資や雇用の拡大、高水準な企業収益などにより、景気拡大が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、更なる成長を実現するため、中期ビジョン「VISION-130」の経営目標である「健全な財務体質の維持」と「収益基盤の拡大」の両立を実現するべく、取組みを推進して参りました。当連結会計年度の進捗は次のとおりであります。
収益基盤の拡大につきましては、モバイル事業において、携帯電話販売代理店である子会社の兼松コミュニケーションズ株式会社と株式会社ダイヤモンドテレコムを昨年4月1日付で合併、規模を拡大し、新生兼松コミュニケーションズとしてスタートいたしました。合併初年度より経営の効率化やシナジーの創出により、収益拡大を実現しております。航空・宇宙事業では、当社が提案した信頼性の高い米国テキストロン社製サイテーション680Aをベースとした次期飛行点検機が防衛装備庁に採用され3機の売買契約を締結したり、小型衛星専用ロケットの打上げおよび関連サービスを手がける米国ベクター社と、日本およびインド、タイ、韓国のアジア三ヵ国において同社製品・サービスを販売するための独占的代理店契約を締結するなど、収益拡大に向けた取組みを推進しました。
健全な財務体質の維持につきましては、営業債権や棚卸資産の増加等により総資産が増加した一方、利益剰余金の積上げや、株価上昇によるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の増加等により、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)も増加いたしました。その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は22.3%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.5倍と、その健全性を維持いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、収益は、前連結会計年度比392億11百万円(5.8%)増加の7,147億90百万円となり、売上総利益も、前連結会計年度比62億32百万円(6.2%)増加の1,063億71百万円となりました。営業活動に係る利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度比35億27百万円(15.6%)増加の261億60百万円となりました。また、金融費用の減少や持分法による投資損益の良化等の結果、税引前利益は、前連結会計年度比81億68百万円(45.7%)増加の260億43百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比82億68百万円(102.7%)増加の163億17百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
電子・デバイス
ICTソリューション事業は、製造業、サービス業向けを中心に順調に推移しました。モバイル事業は、携帯電話販売代理店子会社の統合効果もあり順調に推移しました。半導体製造装置事業は、中国向け販売が拡大し前期比改善しました。
その結果、電子・デバイスセグメントの収益は前連結会計年度比90億30百万円増加の2,633億10百万円、営業活動に係る利益は32億8百万円増加の175億56百万円となりました。
食料
食品事業は、堅調に推移しました。畜産事業は、年度後半に減速しました。また、食糧事業は、ほぼ横這いとなりました。
その結果、食料セグメントの収益は前連結会計年度比34億96百万円増加の2,312億60百万円、営業活動に係る利益は3億40百万円減少の21億49百万円となりました。
鉄鋼・素材・プラント
北米における油井管事業は、原油価格の上昇を背景に大きく改善しました。また、機能性化学品事業やプラント事業も堅調に推移しました。
その結果、鉄鋼・素材・プラントセグメントの収益は前連結会計年度比218億74百万円増加の1,530億75百万円、営業活動に係る利益は11億10百万円増加の39億30百万円となりました。
車両・航空
車両・車載部品事業は、中近東向け輸出が順調に推移しました。また、航空・宇宙事業も、宇宙関連や航空機部品取引を中心に堅調に推移しました。
その結果、車両・航空セグメントの収益は前連結会計年度比40億34百万円増加の544億53百万円、営業活動に係る利益は3億18百万円増加の25億41百万円となりました。
その他
その他の事業セグメントにおいては、ゴルフ事業譲渡に伴う固定資産の減損がありました。
その結果、収益は前連結会計年度比7億77百万円増加の126億91百万円、営業活動に係る利益は7億76百万円減少の20百万円の損失となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが4億34百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが11億3百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが8億42百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は777億31百万円となり、前連結会計年度末比1億65百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権や棚卸資産の増加等による支出の一方、営業収入の積上げ等により、4億34百万円の収入(前連結会計年度は118億52百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、その他の金融資産の売却およびゴルフ事業譲渡による収入等により、11億3百万円の収入(前連結会計年度は146億91百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、配当金の支払いや借入金の返済等により、8億42百万円の支出(前連結会計年度は69億4百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
生産は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅱ) 受注実績
受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅲ) 販売実績
「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6 セグメント情報」を参照願います。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2 作成の基礎」を参照願います。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
収益
収益は、食料セグメントが低調だった一方、電子・デバイスセグメントの好調により前連結会計年度比392億11百万円増加の7,147億90百万円となりました。
売上総利益
収益の増加に伴い、前連結会計年度比62億32百万円増加の1,063億71百万円となりました。
営業活動に係る利益
販売費及び一般管理費の増加およびその他の収益・費用の悪化がありましたが、売上総利益の増加に伴い、前連結会計年度比35億27百万円増加の261億60百万円となりました。
税引前利益
金融費用の減少や持分法による投資損益の良化により、前連結会計年度比81億68百万円増加の260億43百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期純利益
税引前利益から法人所得税費用63億84百万円を控除した結果、当期純利益は196億58百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比82億68百万円増加の163億17百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。
次連結会計年度の世界経済は、米国では財政政策の後押しもあり設備投資・輸出の増加などから景気拡大が持続し、アジア・新興国においても堅調な内需により比較的好調な経済成長が続くものの、先進国の保護主義的な政策圧力や金融市場の変調リスク、中東・アジアなどでの地政学上の緊張など、引き続き先行き不透明な状況が続くと予想されます。
わが国経済は、世界的な景気の拡大を受けた好調な企業業績や雇用・所得環境の改善等が景気を下支えし、引き続き緩やかな回復基調が持続すると思われます。
このような環境のもと、2019年3月期の業績見通しに関しましては、収益7,600億円、営業活動に係る利益300億円、税引前利益290億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益165億円を見込んでおります。
なお、ここに記載している業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在において入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があることにご留意ください。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、次のとおりであります。
財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、営業債権及びその他の債権(流動)や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末比401億72百万円増加の5,198億89百万円となりました。
有利子負債については、前連結会計年度末比34億82百万円増加の1,373億26百万円となりました。そこから現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比36億16百万円増加の590億45百万円となりました。
資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)については、親会社の所有者に帰属する当期純利益による利益剰余金の積上げや、株価上昇によるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の増加等により、前連結会計年度末比156億55百万円増加の1,160億12百万円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は22.3%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.5倍となりました。
キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権や棚卸資産の増加等による支出の一方、営業収入の積上げ等により、4億34百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、その他の金融資産の売却およびゴルフ事業譲渡による収入等により、11億3百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、配当金の支払いや借入金の返済等により、8億42百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は777億31百万円となり、前連結会計年度末比1億65百万円の増加となりました。
資金調達
当社グループでは、5ヵ年の中期ビジョン「VISION-130」の中で基本的な考え方として掲げている「健全な財務体質の維持」と「収益基盤の拡大」の両立を図るべく、低コストで安定的な資金調達を基本方針として取り組んでおります。
当社グループの資金調達については、メインバンク、地銀、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースに、長期資金の調達手段の一つとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。また、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有しているほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しております。余剰資金については、資金需要や金融情勢に応じて、機動的に安全性の高い短期金融商品で運用をしております。
当社は、円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社に対する格付け(長期)は、JCRがBBB+(見通し安定的)、R&IがBBB(見通し安定的)となっております。
当連結会計年度は、新たに100億円の普通社債発行を行い、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は14%となっております。
連結ベースでの資金管理については、国内主要関係会社の資金調達を当社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。なお、当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は70%となっております。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末における有利子負債残高は1,373億26百万円と、前連結会計年度末と比べて34億82百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は590億45百万円と、前連結会計年度末に比べ36億16百万円増加いたしました。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は69%(当社では92%)と、資金調達の安定性は高いと考えております。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(収益の表示方法)
日本基準では、当社グループが当事者として行った取引額および当社グループが代理人として関与した取引額を総額で売上高として表示いたしますが、IFRSでは、代理人として関与したと判断される取引については純額で収益を表示いたします。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、収益および原価が前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ4,246億74百万円および4,913億44百万円減少しております。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、一定の期間で償却いたしますが、IFRSでは償却を行いません。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が前連結会計年度および当連結会計年度において、9億6百万円および10億95百万円減少しております。
特記事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は7億8百万円であり、電子・デバイスセグメントにおけるシステムソリューションの開発やストレージ関連の新製品の開発、サイバー攻撃対策の研究等、様々な研究開発活動を行っております。