第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

常に時代を先取りし、果敢に新たな事業へと挑戦し続ける創業以来の開拓者精神と積極的な創意工夫を行う姿勢は、当社グループの行動指針となっております。お取引先との信頼関係を深め、事業を創造し、社会に価値ある企業となるため、当社グループの企業理念として掲げる、当社創業者である兼松房治郎による創業主意ならびに「われらの信条」(1967年制定)を経営の基本理念としております。

 

創業主意 「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」

 

「われらの信条」

・伝統的開拓者精神と積極的創意工夫をもって業務にあたり、適正利潤を確保し、企業の発展を図る。

・会社の健全なる繁栄を通じて、企業の社会的責任を果し、従業員の福祉を増進する。

・組織とルールに基づいて行動するとともに、会社を愛する精神と、社内相互の人間理解を基本として、業務を遂行する。

 

(2) 経営環境および対処すべき課題

当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」(2018年4月~2024年3月)を策定し、基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、強みを有する事業分野での事業投資により規模の拡大や付加価値の獲得を追求するという基本方針のもと、SDGsやDXの取組みを重点施策に加え、連結当期利益200億円の目標を掲げております。

また、収益構造および財務構造の安定性を背景に、配当性向(総還元性向)目標は30~35%とし、ROE目標は10~12%として、資本の効率性を重視した経営を推進いたします。

 

(定量目標)

 

(最終年度目標)

2024年3月期

2022年3月期実績

連結当期利益

200億円

160億円

ROE

10%~12%

10.5%

配当性向(総還元性向)

30%~35%

34.0%

(※)親会社の所有者に帰属する当期利益

 

(重点施策)

① 基盤となる事業における持続的成長と、事業投資による規模拡大、付加価値獲得

基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、健全な財務構造のもと、資本とリスクアセットのバランスを取りつつ成長投資を実行して参ります。強みを有する事業分野、SDGs達成に向けた環境・社会・安全をテーマとする事業分野において、「規模拡大」型と「付加価値」型の二軸で事業投資を推進しております。当連結会計年度における主な実績は、次のとおりであります。

・ 規模拡大を主とする投資としては、携帯電話販売二次代理店の買収、産業用資材商社の買収、北米の鋼管加工事業第二工場の設立などを行いました。

・ 付加価値獲得を主とする投資としては、鋼板加工メーカーへの持分法追加出資、インドネシアの総合食品メーカーの新規株式公開(IPO)に伴う株式取得などを行いました。

 

② 技術革新への対応

現行分野の周辺において将来に向けた「イノベーション」型の開発投資を行い、IoTやAIなど先進技術を軸とした新規事業を推進・拡大するとともに、グループを挙げてDXも推進して参ります。

当連結会計年度においては、空飛ぶクルマの垂直離発着場を運営するイギリスベンチャー企業との資本業務提携やカーボンナノチューブの社会実装を目指す新興メーカーへの出資、また、事業共創プラットフォームにおいて在庫管理サービスやAI技術を活用した画像検査サービスの販売開始、ベンチャー企業の支援に強みを持つベンチャーキャピタルとの包括業務提携などを行いました。

 

③ 持続的成長を実現するための経営インフラ確立

当連結会計年度においては、コアタイムのないフルフレックス制度を導入いたしました。業務の繁閑に合わせて出社時刻・退社時刻を利用者本人が原則自由に設定でき、今まで以上に効率的な働き方ができるようになりました。加えて、業務のデジタル化を推進するため、経費精算および会議体の完全デジタル化・ペーパーレス化を実現いたしました。これからも多様な働き方が実現できる環境づくりに努めて参ります。

また、当社そして社会の持続的成長のため、サステナビリティ推進委員会とサステナビリティ推進室を中心として、SDGsをより一層意識した事業ならびに経営に取り組んでおり、当連結会計年度においては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムへ参画いたしました。

 

(今後の見通し)

次連結会計年度においては、ウクライナ危機の深刻化・長期化と、それによるグローバル市場の分断やインフレの加速、各国の金融引き締め政策転換による景気の腰折れ懸念や、主に中国の「ゼロコロナ政策」を通じて新型コロナウイルス感染症の影響も残り、世界経済の減速要因として懸念されます。

日本経済は、資源高・穀物高、円安の進展による交易条件の悪化も影響し、景気の拡大は主要国の中では緩やかなものに留まる見込みです。

このような環境下ではありますが、中期ビジョン「future 135」の重点施策、「基盤となる事業における持続的成長と、事業投資による規模拡大、付加価値獲得」「技術革新への対応」「持続的成長を実現するための経営インフラ確立」を推進し、後半3ヵ年の施策として加えたSDGsやDXへの取組みを強化し、更なる価値創造に注力して参ります。

2023年3月期の業績見通しについては、収益8,500億円、営業活動に係る利益315億円、税引前利益320億円、親会社の所有者に帰属する当期利益180億円を見込んでおります。

 

 

2022年3月期実績

2023年3月期見通し

連結当期利益

160億円

180億円

ROE

10.5%

10.9%

配当性向(総還元性向)

34.0%

32.5%

(※)親会社の所有者に帰属する当期利益

 

セグメントの業績見通しおよび成長戦略は、次のとおりであります。

 

電子・デバイス

需給の引き締まりが引き続き予想される半導体部品・製造装置事業や、代理店買収の効果が見込まれるモバイル事業での伸長が期待でき、収益は当連結会計年度比245億円増加の2,800億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比9億円増加の200億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比16億円増加の95億円を見込んでおります。

市場は拡大しているものの変化が極めて速いビジネス環境にあり、選択と集中および先進技術のキャッチアップにより事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・ビジネスマッチングのプラットフォームを開設し、プラットフォーマーになることによる付加価値の獲得。

・フロンティア領域の動向を見据えニッチメジャーを指向することで市場の変化に対応、また、ビジネスパートナーとの関係を深めることによる規模の拡大。

 

食料

畜産事業において、当連結会計年度における市況上昇のメリットが減少し減益が見込まれるものの、セグメント全体としては概ね当連結会計年度並みの利益水準を維持すると見ており、収益は当連結会計年度比197億円増加の3,050億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比1億円増加の36億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比3億円増加の28億円を見込んでおります。

 

食品事業は、ライフスタイルや価値観の変化により市場の消費者ニーズが多様化しているビジネス環境にあり、マーケットイン志向で事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・サステナビリティ認証の取得や新たな産地の開拓、希少性や機能性の高い新商品の開発による付加価値の獲得。

・顧客のニーズを先取りした市場性の高い原料や製品の開発促進や、市場が拡大するインドネシアなどアジア諸国におけるバリューチェーンの横展開を通じた規模の拡大。

畜産事業は、国内市場は成熟しているもののアジア市場での成長が見込めるビジネス環境にあり、国内外のビジネスパートナーとの信頼関係の維持・深化により事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・加工機能の強化や環境負荷の少ない畜産物の開発、およびそれらの製品や原料取引を推進することによる付加価値の獲得。

・国内外のパートナー企業との提携・出資によるバリューチェーン(生産・加工・物流・販売)の横展開を通じた規模の拡大。

食糧事業は、タンパク質需要が拡大する一方、異常気象などにより供給リスクが高まるビジネス環境にあり、生産安定化と品質管理により事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・各種認証により品質(安全性)が保証された食糧の安定供給による付加価値の獲得。

・商品ラインナップ拡充による市場占有率の拡大や、パートナー企業との連携・出資、海外市場への事業の横展開による規模の拡大。

 

鉄鋼・素材・プラント

コロナ禍からの設備投資需要の本格回復が予想される工作機械・産業機械事業や、当連結会計年度に先物評価損が先行したエネルギー事業での伸長が期待でき、収益は当連結会計年度比220億円増加の1,700億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比12億円増加の53億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比6億円増加の39億円を見込んでおります。

カーボンリスクの高まりにより、グリーントランスフォーメーションのニーズが拡大するビジネス環境にあり、顧客の「脱炭素」への様々な支援により事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・社会インフラを支える部門として、部門内の技術・知見を結集し、様々な視点から「脱炭素」に関する複数の機能を顧客に提供することによる付加価値の獲得。

・再生可能エネルギーのニーズの高まりに応え、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電といった再生可能エネルギー事業を世界中で展開することによる規模の拡大。

 

車両・航空

航空宇宙事業の契約の回復は緩やかに留まり、車両・車載部品事業は中国の「ゼロコロナ政策」の影響が懸念されるため、概ね当連結会計年度並みの利益水準を維持すると見ており、収益は当連結会計年度比142億円増加の800億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比横這いの17億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比横這いの15億円を見込んでおります。

次世代モビリティや宇宙事業が拡大し、市場拡大においてはCO2排出も避けられませんが、軽量化や電動化などの技術革新による脱炭素化の動きも加速するビジネス環境にあり、「環境」「安全」「快適」をテーマとしたモビリティ事業の創造で事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。

・「環境」「安全」「快適」をテーマにした次世代モビリティ事業の創造と推進による付加価値の獲得。

・東南アジアでの需要の拡大にモビリティ×デジタルで応えることによる規模の拡大。

 

(業績見通し算定にあたっての前提条件)

・為替レート : 1米ドル=115円

・金利水準  : 円金利:横這い    外貨金利:上昇を見込む

 

(注意事項)

上記の見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいて記載しており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、グローバルで幅広く事業活動を行っているため、市場リスク・信用リスク・投資リスクなど様々なリスクにさらされております。当社グループでは、それぞれのリスクに対して管理手法を整備し、リスクのコントロールを行っておりますが、事業を推進するうえで予測困難な不確実性を内包していることから、当社グループの財政状態や経営成績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)を積み上げて財務基盤を拡充することを基本方針としており、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から、リスクアセット倍率の上限を定めており、リスクアセットに対する自己資本の規模の妥当性を検証し、取締役会および経営会議に定期的に報告しております。

 しかしながら、これらのリスクを完全に排除することは困難なため、事業の状況、経理の状況等に記載した事項のうち、有価証券報告書提出日現在において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると経営者が認識している主なリスクは、次のとおりであります。

 

(1) マクロ経済環境の変化によるリスク

 当社グループは、国内外における各種商品の商取引、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業をグローバルに展開しております。このため、日本、米国、中国、欧州およびアジア新興国や世界経済全般の景気が減速した場合、需要の停滞による売上減少や市場価格の大幅な落ち込みなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、提出日現在で当社グループが認識しているマクロ経済環境は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

 

(2) 市場リスク

 当社グループにおいて、営業取引に付随する為替変動リスク、金利変動リスクおよび取扱商品の価格変動リスクは多くの場合、取引先等との取引条件の中でヘッジしております。あわせて、為替・金利(資金)・商品やそれらの派生商品について、社内組織単位および会社ごとにリスク量と収益を勘案のうえ、ポジション枠(限度枠)と損失限度額を定め、これらの限度を超えた場合には速やかにポジションを縮減する体制を整備しております。また、ヘッジ手段として派生商品を活用することで、これらのポジションの価格変動リスクを軽減させております。これらのポジションの状況については、定期的に経営会議宛に報告され、ポジション枠を超過している場合は、速やかにその内容を分析のうえ、縮減させております。

 なお、それぞれのリスクが一定の前提の中で変動した際に当社グループの経営成績に与える影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記30 金融商品 (5)市場リスク管理」に記載しております。

 

① 為替変動リスク

 当社グループは、輸出入取引などに付随して、様々な通貨・条件での外国通貨取引を行っており、これらの為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ取引を行っております。

 また、当社は海外に現地法人や事業会社を有しており、連結財務諸表上それらの会社の残高は期末日の為替レートにて換算されるため、為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額を通じて、親会社の所有者に帰属する持分を増減させる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 金利変動リスク

 当社グループは、営業活動や財務活動に係る資金の大半を金融機関からの借入金により調達しており、これらの借入金の一部は変動金利となっております。これらの借入金や資金運用については金利変動リスクがあり、金利上昇によって支払利息が増加する可能性があります。

 当社グループは、アセット・ライアビリティ・マネジメントを通じ、有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち変動金利で調達している部分を金利ポジションととらえ、一部は借入金の金利変動リスクを回避するために、金利スワップ取引を利用し金利変動リスクの軽減を図っておりますが、影響を完全に回避できるものではなく当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 取扱商品の需給・価格変動リスク

 当社グループの主たる事業である国内外での商品売買取引においては、市況の影響を受ける穀物・畜産物・石油製品等の取扱いがあります。一部の相場商品は商品先物取引を利用し価格変動リスクの軽減を図っておりますが、これらの商品ポジションが拡大した場合に、商品相場の乱高下や需要の減少等によって、予期しない損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 市場性のある有価証券等の価格変動リスク

 当社グループは、取引先との関係強化などの目的で有価証券を保有することがあります。これらには株価変動リスクが存在し、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動により、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 信用リスク

 当社グループは、国内外の取引先と多様な商取引を行う中で売掛金、前渡金、貸付金、保証その他の様々な形態での信用供与を行っており、取引先の財政状態の悪化などにより、回収遅延や債務不履行などが発生する可能性があります。また、商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の締結・履行においては、理由の如何を問わず、取引先の債務不履行や契約不履行が発生した場合に、金銭的損失を伴う履行責任を負う可能性があります。これらの損失負担については、会計上、一定の見積りを用いて引当金の設定を行っておりますが、結果として損失が引当金の範囲を超え、追加的に損失が生じる可能性もあり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 国内外の取引先への信用供与を行うにあたっては、定期的に取引先の財務データやその他の情報に基づき取引先ごとに格付けを付与し、格付けおよび与信種類に応じた与信限度額を設定し、また、必要に応じて保険を付保し、通常の営業取引から生じる取引与信のほか、融資、保証行為など、これらの信用供与の総額が、与信限度額内に収まるよう運営し、定期的に回収状況や滞留状況をモニタリングし、必要とされる保全策を講じることによって、コントロールしておりますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。また、取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループの信用リスク管理の管理手法およびその予想信用損失の測定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記30 金融商品 (3)信用リスク管理」に記載しております。

 

(4) カントリーリスク

 当社グループは、海外における取引や投融資を展開しており、その国の政治・経済情勢に起因する代金回収の遅延や不能が生じる可能性があります。こうしたカントリーリスクの顕在化による損失を極小化するため、定期的に各国・地域ごとのカントリーリスクの大きさに応じた格付けを付与したうえで限度額を設定し、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避けるべく運営しております。格付けや案件の内容に応じて貿易保険の付保などによる回収リスクの回避策も講じておりますが、実際に特定の国・地域においてこれらのリスクが顕在化した場合には、当該事業および取引の継続が困難となり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループにおける各国・地域に対する外部顧客からの収益および非流動資産の金額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報 (4)地域別情報」に記載しております。

 

(5) 事業投資等のリスク

 当社グループは、中期ビジョン「future 135」において、安定した収益構造の事業分野における持続的成長を目指すとともに、強みを有する事業分野への効果的かつ適切な事業投資により規模の拡大や付加価値の獲得を目標としております。

 これら事業投資等の実行にあたっては、投資基準を定め、強みのある事業分野への投資を主として、投資目的・内容およびキャッシュ・フローをベースにした事業の採算性と様々なリスク要因の評価・分析等を踏まえた審議を各職能部門が行い、一定規模以上の重要な案件については案件審議会での審議を行っております。また、事業撤退の基準も定めたうえで、投資実行後も、定期的に案件審議会において、その事業性と投資価値の評価・見直しを行うことで、損失の極小化に努めております。しかしながら、投資先の財政状態や事業の成否によって、投資価値が変動する可能性があります。

 また、現地の法令やパートナーなどとの関係において、当社グループの方針どおりに事業展開あるいは撤退ができない可能性もある中、投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となるリスクがあり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 固定資産に関する減損リスク

 当社グループが保有する有形固定資産、のれんおよび無形資産は減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、中期ビジョン「future 135」において事業投資による成長を掲げており、企業結合に伴うのれんおよび識別可能な無形資産の金額が、今後、増加する可能性があります。

 対象となる固定資産および使用権資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記9 有形固定資産」および「同 注記10 のれんおよび無形資産」に記載しております。また、認識した減損損失については、「同 注記22 減損損失」に記載しております。

(7) 資金調達に関するリスク

 当社グループは、事業資金を国内外に所在する金融機関からの借入金および社債等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持およびアセット・ライアビリティ・マネジメントに努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。

 なお、当社グループの資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記15 社債及び借入金等」および「同 注記30 金融商品 (4)流動性リスク管理」に記載しております。

 

(8) 法令変更等に関するリスク

 当社グループの国内外における事業活動は、日本および諸外国における広範な法規制の対象となっております。これらの遵守には最大限の注意を払っておりますが、予期し得ない各種法令等の変更、国際政治・情勢等の変化によって一方的に実施される懲罰的関税措置を含む輸出入規制および商品販売・取扱いに係る許認可等の規制変更などにより、当該取引を継続できなくなる可能性ならびに訴訟や当局の命令などから予期せぬ費用が発生する可能性があります。この中には、国際課税における当局や国家間の取決めおよび税率の変更による税務リスクも含まれており、これら法規制の変更は当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 訴訟・係争等に関するリスク

 当社グループが国内外で事業活動を行うにあたっては、その営業活動や事業運営上の資産・負債等が、様々な形で、訴訟等の法的手続き上の、あるいはその他の係争の対象となることがあります。これらの訴訟・係争等の発生は予測困難であり、またそのような訴訟・係争等が発生した場合において、その解決には相当の時間を要することが多く、結果を予想することには不確実性が伴います。このような訴訟・係争等が発生し、予期せぬ結果となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループにおける訴訟・係争等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記33 偶発債務」に記載しております。

 

(10) 法令遵守・不正行為に関するリスク

 当社グループは、多岐にわたる商品・サービスを国内外で売買・提供する事業を営んでおり、その商品・サービスに対して我が国を含む世界各国で制定、施行されている安全保障貿易管理関連法令など輸出入関連法規をはじめとする各種法令および規則に、最大限の注意を払って事業を行っております。

 各種の法規制や規則遵守を包括的にモニタリングするために、内部統制・コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス維持の状況について、定期的なレビューを行うとともに、突発的に発生する諸問題に対応しております。しかしながら、複数の当事者を介して行う各種取引オペレーションにあたって、常に完全な手続きを実施することは難しく、複数の予防的措置を講じているにもかかわらず、結果として法令違反や不正行為を見逃し、それらの違反や不正行為が重大なものであった場合には当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、情報共有や業務の効率化、事業の拡大発展のために情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため、情報セキュリティ管理に関する規程を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかしながら、年々サイバー攻撃の手法が巧妙化し、件数も増加する中、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、更には、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害等に関するリスク

 当社グループは、国内外における地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員ならびに事業所、倉庫、工場などの設備機器、システム等といった資産が影響を受け、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。また、国内外に保管中または輸送中の貨物を有しており、これらの保有する資産が自然災害や偶発的事故等によって毀損・劣化する可能性に加え、地震・火災・洪水・暴動等により事業が中断する可能性があります。当社では、社員の安否確認システムの導入、災害マニュアルおよびBCP(事業継続計画)の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む。)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じておりますが、被害の規模によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大局面においては、時差通勤・在宅勤務の実施、国内外への出張・渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、当社グループおよびステークホルダーの皆様への感染拡大、ならびに事業継続に係るリスクを最小限に留めるべく各種対策を実施しております。特に各国政府等による外出禁止令・緊急事態宣言下においては、原則在宅勤務を行う方針としており、引き続き、政府の方針・行動計画・要請に基づいた感染予防・拡大防止に努めて参ります。

 

(13) 気候変動、社会・環境問題に関するリスク

 当社グループは、国内外の幅広い分野で事業活動を行っており、気候変動や深刻化する社会・環境問題等の影響を受け、事業の継続に制限を受ける可能性があるほか、当社グループの事業に起因した環境汚染や労務問題等が発生した場合、事業の停止、汚染除去費用や損害賠償費用の発生、社会的評価の低下につながる可能性があります。

企業活動にあたっては、注力すべき重要課題(市場の変化への対応、地域社会との共生、地球環境への配慮、ガバナンスの充実、人権の尊重、人材育成・ダイバーシティの推進)を設定・周知するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し主体的に課題解決を行う体制を構築しておりますが、予期せぬ事案の発生により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、前半は、ワクチン接種の進展に伴う経済正常化を受けて急回復を遂げてきましたが、その後の変異ウイルスの出現や世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱、各国におけるインフレの高進に加え、2月に発生したロシアによるウクライナ侵攻とそれに対する各国制裁の影響が、世界景気の下振れ要因として懸念されます。

米国経済は、大型経済対策と経済正常化に伴う需要の急増により世界経済の回復を牽引していますが、労働市場のひっ迫や供給網の混乱などにより物価上昇に歯止めがかからず、インフレ抑制を優先した急ピッチでの金融引き締め局面に入ったことから、景気の先行きについては注視が必要な状況です。

欧州においても、経済の正常化が進められてきましたが、相次ぐ変異株の拡大による行動制限が足かせとなる中、ウクライナ危機と、それによるエネルギー供給不安などが回復の勢いを減速させてきました。

中国においては、電力供給の制限や不動産市場への規制に加え、「ゼロコロナ政策」によるロックダウン(都市封鎖)により景気回復に急ブレーキがかかりつつある上に、供給網の停止が日本をはじめ世界経済へも影響を与えつつあります。

日本経済は、度重なる緊急事態宣言とそれに伴う行動制限に加え、部品・部材不足や原材料高、ウクライナ危機以降は一段の資源高・穀物高も影響し、主要国経済の中ではもっとも鈍い回復に留まっています。

 

このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。

 

市況上昇を受けた畜産事業や食糧事業、原油価格上昇により原油・石油製品取引高が増加したエネルギー事業を中心にほぼすべての事業において増収となりました。官公庁向け契約の端境期となった航空宇宙事業や手数料収入が減少したモバイル事業では減益となった一方、増収の畜産事業やICTソリューション事業、鋼管事業で増益となりました。

 

その結果、収益は、前連結会計年度比1,188億21百万円(18.3%)増加の7,679億63百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比102億86百万円(10.1%)増加の1,118億1百万円となりました。営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は増加したものの売上総利益の増加により、前連結会計年度比57億12百万円(24.2%)増加の293億47百万円となりました。また、営業活動に係る利益の増加などにより、税引前利益は、前連結会計年度比51億85百万円(22.0%)増加の287億65百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比26億71百万円(20.1%)増加の159億86百万円となりました。これにより、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、10.5%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが153億82百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが105億47百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが42億45百万円の収入となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は914億20百万円となり、前連結会計年度末比103億75百万円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、153億82百万円の収入(前連結会計年度は369億84百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の取得や持分法適用会社への追加出資などの事業投資の実行により、105億47百万円の支出(前連結会計年度は99億27百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加や社債の発行などにより、42億45百万円の収入(前連結会計年度は374億97百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ) 生産実績

生産は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

(ⅱ) 受注実績

受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

(ⅲ) 販売実績

「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報」に記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。

当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要な会計方針」に記載しております。

なお、当連結会計年度末における非金融資産の減損判定においては、将来の利益計画に対して新型コロナウイルス感染症の影響を加味したうえで回収可能価額の見積りを行っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

収益

収益は、食料セグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に好調に推移し、前連結会計年度比1,188億21百万円増加の7,679億63百万円となりました。

 

売上総利益

売上総利益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に前連結会計年度比102億86百万円増加の1,118億1百万円となりました。

 

営業活動に係る利益

営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は増加したものの売上総利益の増加により、前連結会計年度比57億12百万円増加の293億47百万円となりました。

 

税引前利益

税引前利益は、金融収支の悪化があったものの、営業活動に係る利益の増加や持分法による投資損益の良化により、前連結会計年度比51億85百万円増加の287億65百万円となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

税引前利益から法人所得税費用82億6百万円を控除した結果、当期利益は205億59百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比26億71百万円増加の159億86百万円となりました。

 

財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比769億61百万円増加の6,344億56百万円となりました。

有利子負債については、短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末比212億95百万円増加の1,434億52百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比107億22百万円増加の512億42百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。

資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げおよび円安に伴うその他の資本の構成要素の増加などにより、前連結会計年度末比155億58百万円増加の1,594億84百万円となりました。

その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は25.1%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍となりました。

 

親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)

当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)1,594億84百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益159億86百万円となったためROEは前連結会計年度末比0.8ポイント上昇の10.5%となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

電子・デバイス

収益は電子機器・電子材料事業や半導体部品・製造装置事業の増収により前連結会計年度比293億54百万円増加の2,554億63百万円、営業活動に係る利益はICTソリューション事業や半導体部品・製造装置事業の増益により14億89百万円増加の190億64百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は5億40百万円減少の79億44百万円となりました。

営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、ネットワークセキュリティ関連のほか、ストレージ関連案件の増加などもあり好調に推移しました。モバイル事業は、ショップへの来店者数は回復するものの、コロナ禍での店舗支援金など手数料収入が減少したため低調に推移しました。半導体部品・製造装置事業は、旺盛な需要を背景に車載向け半導体部品や半導体装置などの出荷が伸長し順調に推移しました。

 

食料

収益は畜産事業や食糧事業の増収により前連結会計年度比406億67百万円増加の2,852億84百万円、営業活動に係る利益は畜産事業、食品事業の増益により20億43百万円増加の35億41百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は10億24百万円増加の25億19百万円となりました。

営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。畜産事業は、畜産物全般の価格が大きく上昇し、外食関連販売で苦戦した前期からの反動により大幅増益となりました。食糧事業は、第4四半期での相場急騰による評価損などにより低調に推移しました。食品事業は、リテール市場向け商材の取引が伸長し順調に推移しました。

 

鉄鋼・素材・プラント

収益はエネルギー事業や鋼管事業の増収により前連結会計年度比511億62百万円増加の1,479億93百万円、営業活動に係る利益は鋼管事業や工作機械・産業機械事業の増益により22億12百万円増加の40億52百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11億99百万円増加の32億59百万円となりました。

営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。鋼管事業は、エネルギー需要の回復を受け堅調に推移しました。工作機械・産業機械事業は、新型コロナウイルスの影響を強く受けた前期の事業環境から回復し順調に推移しました。一方、エネルギー事業は、先物評価損が先行したため低調に推移しました。

 

車両・航空

収益は航空宇宙事業の減収により前連結会計年度比52億59百万円減少の658億27百万円、営業活動に係る利益は航空宇宙事業の減益により3億92百万円減少の16億63百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は40百万円減少の14億57百万円となりました。

営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。航空宇宙事業は、官公庁向け契約の端境期にあたり低調に推移しました。一方、車両・車載部品事業は、コロナ禍からの市況回復と円安により車載部品取引が順調に推移しました。

 

その他

収益は前連結会計年度比28億98百万円増加の133億95百万円、営業活動に係る利益は3億13百万円増加の10億9百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は85百万円増加の4億65百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析

キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

資金調達

当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で掲げている「持続的な成長」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。

当社グループの資金調達については、メインバンク、地銀、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースに、長期資金の調達手段の一つとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。当連結会計年度では、当社にて100億円の普通社債を発行し、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は14%となりました。

これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRが前回からワンノッチ格上げとなるA-(安定的)、R&IがBBB+(安定的)となっております。

加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しております。

また、連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は66%と、約7割の資金調達を親会社に集中しております。

このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は1,434億52百万円で、前連結会計年度末と比べ212億95百万円増加いたしました。また、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は512億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億22百万円増加いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍と、健全な財務体質を維持しております。

また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は63%(当社では90%)であり、資金調達の状況は安定しております。

 

配当性向(総還元性向)

当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で、安定した収益基盤の事業分野において持続的成長を実現するとともに、規模の拡大や付加価値の獲得のための事業投資により、連結当期利益の一段の伸長を目指しております。

このために、毎年持続的に創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性にも目を配って参ります。

具体的には、過去平均して100~200億円程度の実績がある営業キャッシュ・フローを原資に成長投資を実行するとともに、株主還元については中期ビジョン「future 135」の目標である30~35%の配当性向(総還元性向)の実施を目指して参ります。単年の営業キャッシュ・フローを超えるような多額の事業投資については、健全な財務体質による追加調達余力を活かして機動的に資金調達を実施し、連結当期利益目標200億円の達成を目指して参ります。

なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は34.0%となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費の総額は797百万円であり、電子・デバイスセグメントにおけるシステムソリューションの開発やストレージ関連の新製品の開発、サイバー攻撃対策の研究等、様々な研究開発活動を行っております。