第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針等

 当社グループの企業理念、コーポレートスローガン、経営方針及び人事ビジョンは以下のとおりです。

 

<企業理念>

  私たちは地球人の一員として、公正・誠実に誇りを持って行動し、顧客満足度の高いサービスを提供し続け、より良い社会の実現に貢献します。

 

<コーポレートスローガン>

  あなたの夢に挑戦します。

  英語:(We are) Making your dreams come true、中国語:挑戦你的夢想

 

<経営方針>

◆ 高機能・高専門性を基盤として常に進化する企業集団を目指す。

◆ 顧客満足度向上を第一義とし、景気変動に左右されない強固な事業体質を作り上げ、「利益ある持続的成長」を実現する。

◆ 自ら提案し、自ら創造し、自ら開拓する「自力・自立の経営」を旨とする。

◆ 「信用と確実」を旨とし、浮利を追わず、投機的取引を行わない。

◆ 目標達成への強い意志と行動力を持った構想力のある「人材を育成」し、常に切磋琢磨する「組織的活動」を通じて総合力を発揮する。

◆ 事業を不断に見直し、リスクに対する鋭敏な感覚を養うとともに、スピードをもって成長分野へ資源を投入し、「事業構造の継続的変革」を行う。

◆ コンプライアンス、環境保護など企業の「社会的責任」を常に心がけ、顧客、社員、株主、社会など「ステークホルダー」との関係を緊密に保つ。

 

<人事ビジョン>

  人を活かし、人と活きる。人を育て、人と育つ。人を繋ぎ、人に繋げる。

 

上記の方針を実行することによって、将来に亘って「躍動感あふれる蝶理グループ」を形成します。

 

(2)中期経営計画

当社グループは、2025年度を最終年度とする中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」(2023年4月28日開示)を策定し、その基本戦略や諸施策を着実に推進しております。高機能・高専門性を基盤として、グローバルに進化・変化し続ける企業集団を実現し、更なる企業価値の向上を図ります。

 

 


 


 

 

なお、繊維・化学品セグメントの経営戦略等は以下のとおりです。

 

繊維事業

① 独自のビジネスモデルの強化

② 3分野(素材・製品・資材)での安定的な成長

③ 成長分野(環境、健康・快適)での事業拡大

④ 事業のさらなるグローバル拡大

⑤ 高機能・高専門性の追求と差別化・競争力強化

化学品事業

① 連結グローバル事業軸運営の推進

② 高機能・高収益・環境配慮型ビジネスへの入替

③ 相場や景気に左右されにくい仕組み作り、商材領域の開発

④ 中国・インド・東南アジア・韓国・南米との取組み強化

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」に経営指標として、以下を掲げております。

 


 

なお、「Chori Innovation Plan 2025」における繊維・化学品の目標セグメント利益は以下のとおりです。

 

繊維事業

化学品事業

(2025年度中期経営計画目標)セグメント利益

75億円

95億円

 

 

 

(4)経営環境

当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の出口が見えず、エネルギー・原料等の価格高騰が継続・長期化しています。中国はゼロコロナ政策から転換しましたが、不動産市況の不透明感から、経済成長の力強さを欠いています。欧米各国は政策金利の利上げ幅を縮小するもインフレ懸念は払拭できず、一方で欧米金融機関の蹉跌が明らかになり、不安定な金融システムが露呈されました。日本経済においても、ウィズコロナの生活様式の浸透や、訪日外国人観光客数の増加によるインバウンド消費への期待感は高まりましたが、幅広い分野での各種消費財の値上げに終わりが見えず、依然として不透明な状況にあります。

このような状況下、当社グループは、2023年4月28日に発表した中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」で掲げる基本方針・基本戦略を着実に実行し、DXによるビジネス変革・経営変革を行いながら、更なる企業価値の向上を図ってまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、中期経営計画 「Chori Innovation Plan 2025」の基本戦略である「連結グローバル事業軸運営の推進」、「変化に即応したサステナブルなビジネスの創出」、「ESG経営の推進」を事業上及び財務上優先的に対処すべき課題と認識し、これを着実に推進していきます。

◆ 連結グローバル事業軸運営の推進

事業拡大のカギとなる海外事業の強化・拡大に注力します。主要海外拠点の運営基盤強化、事業ポートフォリオの見直し・ブラッシュアップ、グループシナジーによる専門集団としての一体運営を目指します。

◆ 変化に即応したサステナブルなビジネスの創出

目まぐるしい社会の変化に即応し、事業等のリスクを俯瞰的に捉え、機動的に対応し、新規開発・事業投資やM&Aを実行します。

◆ ESG経営の推進

サステナブルで豊かな社会の実現のため、2050年までにカーボンニュートラルを目指します。また、人材育成や人権の尊重を通じて、ステークホルダーのウェルビーイングを実現します。ガバナンスにおいては、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントの諸施策を実行していきます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.サステナビリティ全般に関する考え方

(1)ガバナンス

当社グループは、健全な経営と持続的成長を目指し、業務の適正性を確保するための体制整備に取り組んでいます。法令や社会規範を守り、業務を有効かつ効率的に行い、財務報告の信頼性を確保しながら、取締役会を戦略決定機関および業務監督機関と位置づけ、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。サステナビリティ全般への対応では、専門委員会を設置し、サステナビリティ全般のガバナンスを強化してまいります。

 

(2)戦略

当社グループは、企業が持続的成長に向けた経営基盤を構築するうえで、環境問題への積極的な取り組み、CSR調達等における取引先との連携、労働安全管理に関わる取り組み、人材育成や地域・社会の発展に向けた取り組み等が重要であると認識しております。2023年4月28日に開示した中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」では、「Sustainable」「Well-being」「Innovation」をキーワードとしたVISION2030「ありたい姿」を掲げ、3つの基本戦略を着実に実行し、高機能・高専門性を基盤として、グローバルに進化・変化し続ける企業集団を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。サステナビリティ全般に関する戦略については、前述した専門委員会にて、サステナビリティ基本方針、マテリアリティ、価値創造ストーリー等について検討を進めてまいります。

 

(3)リスク管理

  ① リスクマネジメント規程の制定

当社グループは、当社グループの経営活動に潜在するリスクを特定し、平常時より、リスクの低減、危機の未然防止に努めるとともに、当社グループの経営活動に重大な影響を及ぼすおそれのある危機発生時の体制を定め、迅速かつ的確な対応をとり、事態の拡大防止及び速やかな収拾・正常化を図ることを目的として、リスクマネジメント規程を定め、運用しております。

  ② 平常時のリスクマネジメント

リスクマネジメント総責任者を社長、リスクマネジメント推進責任者を経営政策副本部長(人事総務部担当)とし、リスクマネジメント推進責任者とリスクマネジメント担当組織(人事総務部)は、社内に潜在するリスクについて、重点課題を特定し、リスクを低減、未然防止、早期発見のための諸施策を立案し、必要な教育・訓練を自主的かつ計画的に実施するとともに、危機対応後の結果のフォロー、効果の検証と課題の抽出・改善を行います。

  ③ 危機発生時の対応

危機発生時の対応は人命及び安全を最優先とし、リスクマネジメント規程に則り、危機発生時の連絡体制に基づく連絡・報告、リスクマネジメント総責任者による危機対策本部設置の判断、危機対策本部の任務遂行、緊急広報、調査報告並びに再発防止対策等を行います。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、サステナビリティへの対応を継続課題と認識し、中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」の基本戦略の一つに掲げる「ESG経営の推進」の実現に向けて、非財務目標を設定しました。気候変動・人的資本以外の目標は以下の通りです。

・環境等に配慮したSDGs商材の取り扱い拡大

・DX(SAP導入)総投資額:約50億円

 

 

2.人的資本(人材の多様性を含む。)に関する「戦略」並びに「指標及び目標」
 

(1)戦略

当社は、「人」を最重要経営資源と位置付け、事業を推し進めるために必要不可欠な優秀な人材を確保・育成すべく、人事ポリシー「人を活かし、人と活きる。人を育て、人と育つ。人を繋ぎ、人に繋げる。」を定めています。

創業160年を超える歴史をもつ企業として、従業員とともに成長を続け、次代に繋げることが使命と考えています。従業員一人ひとりが働きがいを感じ、成長を実感し、より幸せになることにより、その結果として企業価値が向上するサイクルの実現を目指します。これらを実現するため、2023年度から始まる中期経営計画(Chori Innovation Plan 2025)では、人材に関する戦略として、人的資本投資、エンゲージメント向上、健康経営の推進の3つを掲げました。

 

① 人的資本投資  

  a. 人材育成(人を育て、人と育つ)

前述の人事ポリシーの実践に向け、従業員の自律的なキャリア構築の促進のため、より能動的な研修制度を整備しています。新入社員を育成するLET’s(Learning Education Training system)研修制度を設け、貿易実務・会計・社内ルール等の基礎を学ぶ若手の育成に注力しています。

また、社内動画配信プラットフォームを整備し、全社員に知ってほしいトップメッセージやコンプライアンスに関わること、管理者層に知ってほしいマネジメントの知識・スキルなど、カテゴリー別にコンテンツの充実・配信を行っています。加えて、外部動画e-ラーニングサービスを導入し、個人のニーズにあわせた学習機会を提供しています。

一方、新卒入社1年目、2年目のフォローアップ研修など、対面実施が有効なものは、対面研修を実施しています。その他にも、海外トレーニー制度、語学留学制度なども整備し、グローバルで活躍できる人材育成を推進しています。

今後も人材育成に繋がる各種制度をブラッシュアップするなど、従業員と会社が共に育つ環境整備を継続します。

  b. ダイバーシティ&インクルージョン

多様なキャリアや国籍、年齢、バックグラウンドを持つ人を積極的に採用しています。多様な人材の交流によりビジネス面だけでなく、従業員の意識改革にも繋がっています。

また、結婚、育児、病気、介護や看護等、従業員や家族のライフイベントに寄り添い、従業員が働き続けることができる制度を整備しています。

一方当社では、採用人数に占める女性の割合が約24%(2022年度実績)、女性管理職比率が約3%(2023年3月現在)と、女性活躍の環境整備は途上にあります。

今後、女性活躍の環境整備も含め、更にダイバーシティ&インクルージョンの推進を目指します。

 

② エンゲージメント向上  

トップダウン・ボトムアップの双方向からの「よく伝え・よく伝わるコミュニケーション」を通し、風通しがよく、心理的安全性の高い職場環境を整備し、従業員一人ひとりが各々の働きがいを感じる企業風土の改善を重点施策として取り組みます。

2022年度はコロナ禍で途絶えていた対面でのコミュニケーションを一部で再開し、社長と従業員との昼食会を20回開催し、従業員約100名が参加しました。こうしたトップと従業員との直接的なコミュニケーションも含め、役職員同士のコミュニケーションの輪を広げていきます。

今後、外部機関による従業員エンゲージメント・サーベイを実施することにより、会社の課題を再確認し、より一層の企業風土と職場環境の改善を目指します。

 

③ 健康経営の推進

当社は2018年2月に健康経営宣言を行い、トップ自らが健康経営の推進を強く発信しています。健康とコンプライアンスは当社の土台であるとの認識に立ち、全社改善活動CHOI活(CHORI Innovation活動)を通じ、社内の各組織、労働組合、独身寮、健康保険組合、社内診療所等が連携して、健康推進に関する各種セミナーや運動イベントを積極的に開催し、多くの従業員が楽しみながら参加しています。

東京・大阪の事業所内には診療所を設置し、医師と看護師による従業員の診療・健康管理を実施しています。また、健康経営優良法人の認定(経済産業省)、スポーツエールカンパニーの認定(スポーツ庁)を取得することで、当社の健康経営の取り組みを客観的に評価しています。

今後は従来の取り組みを継続・充実させ、更に従業員の心身の健康増進に取り組みます。

(2)指標及び目標 

・総合職の採用人数、及び、総合職への職種転換の合計人数に占める女性割合

<目標>30%以上、<実績>2022年度 24.1%

・男性の育児休業等取得率

 <目標>50%以上、<実績>2022年度 46.2%

・健康経営優良法人の認定(経済産業省「健康経営優良法人認定制度」)

 <目標>健康経営優良法人の継続認定、<実績>2022年度 健康経営優良法人2022に認定

 

3.気候変動への対応(TCFD提言への取組)

当社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TCFD」といいます。)の枠組みに基づき適切な情報開示に努めています。「Chori Innovation Plan 2025」で掲げた通り、当社グループとして2050年までにカーボンニュートラルを目指します。

気候変動に関わる、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づく開示(当社ホームページに掲載)をご参照ください。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、特段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 外部経営環境の変化に関するリスク

当社グループは、日本国内のみならず海外においても事業を行っており、当連結会計年度の貿易比率((輸入売上高+輸出売上高+海外売上高)÷連結売上高×100)は69.0%になります。また、海外にも多くの拠点・取引先が所在しております。そのため、日本及び各国の政治・経済・社会情勢や国際的な貿易障壁・貿易紛争及び国家間における自由貿易協定・多国間協定などにより、外部経営環境が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 中国地域・市場への集中に関するリスク

当社グループは、中国を消費市場・製造拠点として重要な事業対象地域と位置づけ経営資源を投入しており、連結事業軸運営を基盤として、事業環境整備、事業運営の統一を図りながらリスク回避に努めております。加えて、中国地域を統括する中国総代表を設置し、政治・経済情勢や法規制の動向を適時に把握するとともに、グローバルな代替サプライチェーンを構築しリスク分散を行っております。
 しかしながら、人民元の変動、金融システム・税制・法制の変更、米中貿易摩擦の動向などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) カントリーリスク

当社グループは、海外における取引や投融資を展開しており、各国の政治・経済情勢や法規制の動向の把握、貿易保険の活用や海外現地法人からの配当を通じた日本国内への資金の還流等によるリスク対応策を構築しています。
 しかしながら、政治・経済・社会情勢や国際的な貿易障壁・貿易紛争、外貨規制及び国家間における自由貿易協定・多国間協定、並びに地域紛争等に代表される国際情勢の変化により、代金回収の遅延や不能が生じた場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 取引先の信用に関するリスク

当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用供与を行っており、取引先の内容を評価・判断し与信管理規程に則った取引先別の与信限度額を設定し、必要に応じ担保・保証の取得及び信用保険による保全等を図り、与信管理を徹底することで、貸倒れリスクのミニマイズ化を図っております。
 しかしながら、当社グループの当連結会計年度末における売上債権(77,130百万円)は連結総資産の53.9%を占めており、取引先の業績悪化などで予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、損失・引当の計上が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 為替レート及び金利の変動に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を展開し様々な通貨で取引を行っております。そのため、為替予約を締結するなどにより為替レート変動の影響を軽減しております。
 しかしながら、予測を超えた為替レート変動の影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループは主に変動金利で金融機関より資金調達を行っておりますが、国内での金融政策に伴う金利の上昇により、金利負担の増加や、資金調達が困難になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料価格変動に関するリスク

当社グループは、多岐に亘る商品の取扱いを行っており、各商品は需給バランス等の要因から固有の市況を形成しており、販売価格へ適時・適切な転嫁を実施することでリスク回避に努めております。
 しかしながら、原材料価格の変動は、当社グループの取り扱っております商材の仕入れコストや製品の製造コストのみならず、荷造費・運賃などの販売費にも影響を与え、原油価格等の変動によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 在庫に関するリスク

 当社グループは、繊維素材、テキスタイル・資材、アパレル製品、化学品、輸送機器などの商品を取り扱っており、過去の傾向などからの需要予測や取引先からの受注に基づいた仕入れ及び顧客の引取り保証の確保等によって在庫水準の適正化に努めています。
 しかしながら、市況の悪化等により、販売価格の下落や在庫回転期間の長期化が生じ、評価損の計上を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 税務関連訴訟に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、グループ間の国際取引も多く発生しております。グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される各国の移転価格税制や関税法の観点からも適切な取引価格となるよう細心の注意を払っております。また、各国の税制に則り、適正な納税額となるよう努めておりますが、税務当局との見解の相違等により、追加の税負担が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 事業投資に関するリスク

当社グループは、既存事業との関連性やシナジーの発現の有無、投資採算等につき、十分な評価・検討を行った上で新規投資を行っておりますが、当初の計画通りに進行しない可能性があり、基本的には投資判断時にEXITのための諸条件を定めることで、定期的に投資を継続するか否かの判断を行っております。
 しかしながら、当初計画より大幅に稼働が遅延する場合や、投資先の業績が悪化する状況に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 保有有価証券の減損に関するリスク

当社グループは、事業上必要と判断した会社の株式の保有や出資等を行っております。保有の継続性については、定期的に取締役会で保有意義及び保有効果等を検証した上で、判断しております。
 しかしながら、上場株式については株式市場における時価下落、非上場株式等については対象会社の財政状態の悪化により、保有有価証券の評価損の計上を余儀なくされ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報システム及び情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、情報システムの活用及びネットワークの構築・運用は重要であり、その依存度も高まってきております。情報システムの安全性、情報セキュリティを強化し、障害対策を施すとともに、役員・従業員に対するトレーニングやアタックテスト等を実施しております。加えて、関連規程を整備し、役員・従業員への周知を図り、情報システムの保全や情報管理の徹底に取り組んでおります。
 しかしながら、予期できないシステム障害や外部からの不正アクセス・サイバー攻撃などにより、情報システムの停止や機密情報が漏洩し、業務の停止や信頼を失墜する事態に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、日本及び諸外国においても各国の法令、規制、慣行などに従って事業を展開しております。また、「法令遵守委員会」を設置し、定期的に違反等の有無を確認するとともに、「コンプライアンスハンドブック」を作成し、法令等に加えてすべての役員・従業員が遵守すべき指針を明示し、社内研修などで周知・徹底を図り、重大な違反の抑制に努めております。
 しかしながら、万が一、重大な違反が生じた場合には、罰則・損害賠償・訴訟問題・信用の低下・風評による損失などの悪影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 社会・環境問題、気候変動に関するリスク

当社グループは、グローバルな課題である人権、貧困、健康、資源の浪費、気候変動や水不足などの解決に貢献できるよう取り組みを行っています。気候変動に関しては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、事業への影響について分析を行い、開示しております。また、環境規制の強化や脱炭素社会への定着により、石油化学製品等の需要が低下するリスクに対しては、リサイクルペットボトルや生分解性樹脂等の環境配慮型商材の取り扱いを増やすことでリスク低減を行っております。
 しかしながら、気候変動による自然災害の激甚化を含めた異常気象の深刻化、温暖化に伴う海面上昇、原材料調達に関する人権侵害や環境問題の発生による社会的評価の低下等のリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業活動の継続に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 人材確保に関するリスク

当社グループは、専門的な商材をグローバルに扱う専門商社であり、「人」を最重要経営資源と位置付け、事業を推し進めるために必要不可欠な優秀な人材を確保・育成すべく、人事ポリシーを定め人材確保に努めております。
 しかしながら、労働市場の逼迫や、少子高齢化などを背景に優秀な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  また、グローバルに事業を展開し、更なる成長を目指しておりますが、地域によっては現地での人材の採用と確保ができず、当初計画していた事業展開ができない可能性があります。

 

(15) 自然災害、伝染病等に関するリスク

当社グループが事業を展開する国や地域において、地震、津波、台風等の自然災害や、火災等の事故の発生、新型ウイルス等の感染症の流行により、当社グループ及び主要な取引先が被害を受けた場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは被害の最小化と早期の復旧を図るために、定期的に地震等に備えた訓練や、社内安否確認システムの導入、非常時には必要に応じて迅速に対策本部を設置するなど、BCP(事業継続計画)の策定・運用を行っております。
 しかしながら、災害等による影響が甚大であった場合、早期の事業活動の復旧が困難となり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界的に流行のピークを超えたものの、新たな変異株の発現等、依然として国内外の事業環境や当社のグローバルサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。当社グループは売上高の多くを貿易取引が占めており、感染が再拡大した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

ⅰ.経営成績の概況

当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や世界的なインフレにより先行き不透明な状況が続く中、当社グループは、2020年5月29日に発表した中期経営計画「Chori Innovation Plan 2022」の基本戦略に基づき、激変する社会・経済環境へ即応すべく、リスク管理を始めとした「守り」の施策を一層徹底する一方、持続的成長のための基本戦略を推進してきました。

その結果、当連結会計年度における連結業績は、前期比増収増益となり、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は前期に続き過去最高益を更新しました。売上高は、前期比15.9%増3,293億89百万円、営業利益は前期比35.7%増126億56百万円、経常利益は前期比21.1%増124億37百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.3%増81億24百万円となりました。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比(%)

売上高

284,096

329,389

45,292

15.9

営業利益

9,328

12,656

3,328

35.7

経常利益

10,274

12,437

2,163

21.1

親会社株主に帰属

する当期純利益

6,811

8,124

1,312

19.3

 

 

ⅱ.セグメントごとの経営成績

 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

 

(繊維事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比(%)

売上高

115,539

144,846

29,306

25.4

経常利益

2,980

5,102

2,121

71.2

 

 

当セグメントにおきましては、国内衣料品分野が回復基調にあり、またサステナブル商材の販売拡大が進み、売上高は、前期比25.4%増1,448億46百万円、セグメント利益(経常利益)は、前期比71.2%増51億2百万円となりました。

 

(化学品事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比(%)

売上高

164,155

180,013

15,857

9.7

経常利益

7,410

8,775

1,365

18.4

 

 

当セグメントにおきましては、全般的に堅調に推移しました。特に貿易取引が拡大したことにより、売上高は、前期比9.7%増1,800億13百万円、セグメント利益(経常利益)は、前期比18.4%増87億75百万円となりました。

 

(機械事業)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比(%)

売上高

4,323

4,448

124

2.9

経常損失(△)

△6

△1,256

△1,249

 

 

当セグメントにおきましては、欧州・中米向け販売が好調に推移し、売上高は、前期比2.9%増44億48百万円となりました。一方、利益面につきましては、アラブ首長国連邦の取引先に対する貸倒引当金を追加計上したこと等により、12億56百万円のセグメント損失(経常損失)(前期は6百万円のセグメント損失(経常損失))となりました。

 

ⅲ.仕入、成約及び売上の実績

(仕入の実績)

仕入高は売上高と概ね連動しているため、記載は省略しております。

(成約の実績)

成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しております。

 

(売上の実績)

セグメントごとの売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 ⅱ.セグメントごとの経営成績」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照願います。

なお、取引形態別に示すと、次のとおりとなります。

 

形態

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内

91,680

32.3

102,195

31.0

輸入

79,222

27.9

98,797

30.0

輸出

38,137

13.4

39,521

12.0

海外

75,056

26.4

88,875

27.0

合計

284,096

100.0

329,389

100.0

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、1,432億円となり、前連結会計年度末に比べ90億79百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が42億21百万円、受取手形及び売掛金が28億58百万円、関係会社預け金が25億円、商品及び製品が18億65百万円増加し、未着商品が17億36百万円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末における負債は、710億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億17百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が7億5百万円、未払法人税等が3億58百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産は、721億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億62百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により81億24百万円、為替換算調整勘定が15億3百万円増加し、配当金の支払いにより22億63百万円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

△2,330

9,596

11,927

投資活動によるキャッシュ・フロー

197

△261

△459

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,015

△3,099

916

現金及び現金同等物の期末残高

12,024

18,860

6,836

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ68億36百万円増加し、当連結会計年度末には、188億60百万円となりました。

 

 

 <当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因>

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は95億96百万円の増加(前期は23億30百万円の資金の減少)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益127億88百万円、貸倒引当金の増加額15億97百万円、減価償却費8億7百万円、支出の主な内訳は、法人税等の支払額42億53百万円、売上債権の増加額18億70百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は2億61百万円の減少(前期は1億97百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入6億44百万円、支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出9億35百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は30億99百万円(前期は40億15百万円の資金の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額22億60百万円、短期借入金の純減額4億17百万円によるものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ.経営成績の分析

(売上高)

売上高は、繊維事業では国内衣料品事業及びサステナブル商材が堅調に推移したこと、化学品事業では貿易取引が拡大したこと、機械事業では欧州・中米向け車輛販売が好調に推移したこと等を主因として、全てのセグメントで増収となり、前期比452億92百万円増3,293億89百万円となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、増収効果と原材料等コスト増加の価格転嫁が進んだことによる益率改善等を主因として、前期比64億7百万円増370億58百万円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、アラブ首長国連邦の取引先に対する貸倒引当金を追加計上したこと等により、前期比30億79百万円増244億1百万円となり、営業利益は前期比33億28百万円増126億56百万円となりました。

(営業外損益、経常利益)

営業外損益(純額)は、前期比11億64百万円減2億18百万円の損失となりました。

経常利益は、営業利益が増加したことにより、前期比21億63百万円増124億37百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したことに加え、投資有価証券売却益3億90百万円等、特別損益(純額)が3億50百万円の利益計上となったことに伴い、法人税等合計は前期比6億98百万円増46億63百万円となった結果、前期比13億12百万円増81億24百万円となりました。 

 

 

なお、中期経営計画「Chori Innovation Plan 2022」の最終年度における重要指標との比較につきましては、以下のとおりであり、全ての指標において目標を達成しております。

また、当社グループは、2023年4月28日に開示しました中期経営計画「Chori Innovation Plan 2025」で定めた3つの基本戦略「連結グローバル事業軸運営の推進」、「変化に即応したサステナブルなビジネスの創出」、「ESG経営の推進」を着実に実行することで更なる企業価値の向上を推進し、中期経営計画初年度となる2023年度の経常利益は140億円と見通しております。

 

 

2022年度

当連結会計年度

2022年度

中期経営計画目標値

2023年度

次期業績予想

売上高

3,294億円

2,800億円

3,400億円

経常利益

124億円

110億円

140億円

親会社株主に帰属

する当期純利益

81億円

73億円

94億円

経常利益ROA

9.0%

8%以上

9.2%

当期純利益ROE

11.8%

11%以上

12.2%

 

 

ⅱ.財政状態の分析

 当社グループの財務健全性、収益性及び資本効率を示す指標の推移は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

総資産(百万円)

134,121

143,200

9,079

ネット有利子負債(百万円)

△6,939

△13,902

△6,962

自己資本(百万円)

65,055

72,158

7,103

自己資本比率(%)

48.5

50.4

1.9

経常利益ROA(%)

8.4

9.0

0.6

当期純利益ROE(%)

11.0

11.8

0.8

 

・ネット有利子負債=有利子負債-現金及び預金-関係会社預け金

・自己資本比率=自己資本÷総資産

・経常利益ROA=経常利益÷総資産

・当期純利益ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ⅰ.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ⅱ.資本の財源及び資金の流動性の分析

(資本の財源)

当社グループは、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、資金調達の多様化・低利調達を目的として受取手形等の流動化を促進するとともに、一部資金を銀行借入等により調達しております。
 また、資金調達の安定化を目的として株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする金融機関3社との間で、総額100億円のコミットメントライン契約を締結しており、将来において当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合にも、外部からの資金調達は可能な体制を確保しております。

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、188億60百万円であります。

 

(資金の流動性)

当社と親会社及び当社と主要な国内連結子会社の間で、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、流動的に余剰資金、不足資金の融通を行うことで、資金効率の向上と資金調達コストの削減に努めております。

また、事業活動等を通じて獲得した資金については、適時、資金繰り計画を策定・更新し、必要な運転資金を確保しつつ、成長投資・株主還元に振り分けております。

なお、株主還元については重要な経営課題の一つと位置付けており、親会社株主に帰属する当期純利益を基準に、連結配当性向30%以上とすることを基本方針としております。次年度以降の配当につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益に対する連結配当性向30%以上かつ株主資本配当率(DOE)3.5%以上を満たす額とする配当方針へ変更することを決定しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は65百万円であります。

なお、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(繊維事業)

主として、繊維素材事業に関わる研究開発であり、当連結会計年度の研究開発費の金額は57百万円であります。

(化学品事業)

化学品事業に関わる研究開発であり、当連結会計年度の研究開発費の金額は7百万円であります。