当連結会計年度における我が国経済は、個人消費は伸び悩んだものの、貿易収支の改善が見られ、設備投資も持ち直し緩やかな回復基調が続いています。世界経済におきましては、欧州における英国のEU離脱問題などの懸念材料がありましたが足元の経済への影響は軽微であり、個人消費が堅調な米国など、総じて先進国の経済は底堅く推移しました。中国をはじめとするアジア諸国においても堅調な先進国向けの輸出により、安定的な経済成長となりました。
紙パルプ業界におきましては、板紙は包装資材向けの段ボール原紙の出荷が堅調でしたが、紙については電子化などの要因から需要は引き続き減少傾向にあり、当連結会計年度における紙・板紙の内需は前年を下回る結果となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は490,672百万円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。一方、利益面では、各セグメントにおける収益改善により営業利益は8,276百万円(同30.6%増)、経常利益は8,189百万円(同17.6%増)と増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度比63.5%増の5,358百万円と、いずれも過去最高益となりました。
当連結会計年度の経営成績をセグメント別に見ますと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分の変更を実施しております。以下の前年比較につきましては、前年の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値を基に行っております。
「国内卸売」
売上高は、印刷用紙の販売数量が減少したことにより前連結会計年度比2.5%減の290,789百万円となりました。経常利益は、販売費及び一般管理費の削減及び情報サービス事業の業績回復等により7.6%増の5,186百万円となりました。
「海外卸売」
売上高は、米国・中国における不採算事業の見直しによる販売の減少や外貨換算の影響等により、前連結会計年度比6.2%減の146,975百万円となりましたが、経常利益は、のれん償却費の減少及び貸倒引当金の戻入等により55.7%増の1,394百万円となりました。
「製紙及び加工」
段ボール加工事業における不採算事業の整理等の影響から、売上高は前連結会計年度比0.2%減の22,217百万円と微減となりましたが、経常利益は富士市における新工場を中心とした再生家庭紙事業の採算改善等により49.2%増の2,494百万円となりました。
「資源及び環境」
売上高は、本邦からの古紙輸出数量の減少があったものの、岩手県におけるバイオマス発電事業が昨年7月より営業運転を開始したことなどから前連結会計年度比4.2%増の27,837百万円となりました。一方、経常利益は、受取配当金が減少したため41.8%減の660百万円となりました。
「不動産賃貸」
売上高はテナントビルの稼働率上昇により前連結会計年度比10.0%増の2,854百万円となり、経常利益は前連結会計年度比179.9%増の573百万円となりました。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度に対して829百万円増の6,157百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少、未収消費税の減少による収入の増加等により、前連結会計年度と比較し収入が3,353百万円増加し16,282百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の売却による収入等により、367百万円の収入(前連結会計年度は7,817百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの減少及び長期借入金の返済による支出等により、前連結会計年度と比較し支出が10,193百万円増加し15,641百万円の支出となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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製紙及び加工 |
33,829 |
97.3 |
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資源及び環境 |
3,072 |
216.9 |
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(注) 1 金額は製造原価によっております。 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。なお、前連結会計年度比については前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えた金額により計算しております。 4 資源及び環境の生産実績が増加した主な要因は、連結子会社㈱野田バイオパワーJPのバイオマス発電設備稼働開始によるものです。 |
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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国内卸売 |
252,074 |
97.8 |
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海外卸売 |
129,431 |
94.2 |
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資源及び環境 |
27,050 |
102.5 |
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(注) 1 金額は仕入価格によっております。 2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。 3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 4 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。なお、前連結会計年度比については前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えた金額により計算しております。 |
当社グループは、主として需要等を勘案した見込生産を行っているため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) | |
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国内卸売 |
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290,789 |
97.5 |
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海外卸売 |
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146,975 |
93.8 |
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製紙及び加工 |
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22,217 |
99.8 |
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資源及び環境 |
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27,837 |
104.2 |
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不動産賃貸 |
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2,854 |
110.0 |
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合計 |
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490,672 |
96.8 |
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(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。なお、前連結会計年度比については前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えた金額により計算しております。 |
(1) 経営の基本方針について
日本紙パルプ商事グループは国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。
また、社会と地球環境のよりよい未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、保有資産の効率的活用によるROAの向上に取り組むとともに、企業価値最大化の観点からROE8%以上の達成を目標とし、さらなる成長に向けて努めてまいります。
(3) 中期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループでは2017年度からの3年間を対象とした『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』(中計2019)を策定いたしました。
前中計期間においては事業の多角化とグループ経営の強化に取り組み、基幹事業である「国内卸売」に加え、「海外卸売」「製紙及び加工」「資源及び環境」そして「不動産賃貸」の四事業を当社グループの新たな事業の柱としてグループ企業価値の最大化を図ることを目指してまいりました。中計2019においては、積極的に多角化を推進してきた各事業分野をより一層充実させることにより、グループ全体で安定した収益基盤を構築してまいります。
当中計期間におけるグループの基本方針として『各事業分野のさらなる充実と収益の安定』を掲げ、中計最終年度(2019年度)グループ連結経常利益の目標を130億円とし、ROAの向上とROE8%を達成することを目指してまいります。
また、セグメント別には次の事業方針を掲げ、各事業のさらなる充実に向け挑戦を継続してまいります。
(事業方針)
「国内卸売セグメント」
販売シェア拡大と機能材料の拡販及びICT事業の充実
「海外卸売セグメント」
世界最強の紙流通企業に向けた事業体制の確立
「製紙及び加工セグメント」
原料調達・製造・販売のサプライチェーン強化による競争力向上
「資源及び環境セグメント」
原燃料ビジネスの強化と発電事業の安定操業
「不動産賃貸セグメント」
保有不動産の効率運用と新規プロジェクトの実行
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)取引先の信用リスクについて
当社グループは、取引先に対して取扱商品等の掛売りを行っております。また、当社グループは、取引先に対して貸付を行う場合や、取引先に貸付を行っている銀行等に対して保証を行う場合があります。このため、取引先の信用状況が急速に悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の仕入先への依存について
当社は、王子ホールディングス㈱グループ及び日本製紙㈱からの商品仕入れが高い割合となっております。
平成29年3月期において、王子ホールディングス㈱傘下の王子製紙㈱、王子エフテックス㈱及び王子マテリア㈱からの仕入の当社仕入総額に占める割合は、39.1%となっております。
また、日本製紙㈱からの仕入の当社仕入総額に占める割合は、17.2%となっております。
(3)製品及び商品の市況の影響について
製品及び商品の市況は、製紙原燃料及び最終製品の需給環境とともに変動しており、仕入価格の販売価格への転嫁の状況によっては、売上高、売上総利益など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)金利変動リスクについて
当社グループでは、卸売事業においては主に取扱商品を仕入販売及び在庫販売する取引形態を取っており、また、製紙及び加工等事業などにおいても、原材料を仕入れ、製造・加工後に製品を販売する取引形態を取っているため、立替資金及び在庫資金が恒常的に発生します。これらの資金は主に銀行からの短期借入金とコマーシャル・ペーパーの発行によって調達しており、短期金利の変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、製紙及び加工等事業並びに不動産賃貸事業などの設備投資資金を、自己資本の充当によるほか、銀行からの長期借入金や社債等によって調達しており、長期金利の変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外事業に関連するリスクについて
当社グループは外貨建の輸出取引を行なっているとともに、海外における事業展開を強化しており、為替相場の変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特定の国または地域の経済及び政治情勢等の動向によっては、当社グループの債権や投資等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造業等特有のリスクについて
当社グループは、近年、製紙及び加工等事業などの製造・加工等に関連する事業展開を強化しております。このため、事故、法規制、製造物責任等の製造業特有のリスクが増大しております。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)事業投資のリスクについて
当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、専門委員会において十分な検討を行い、経営会議にて審議を重ねるほか、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の業績及び企業価値が低下した場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)不動産市況等の影響について
当社グループは、所有不動産の活用による収益基盤の安定化を目的として不動産賃貸事業に取り組んでおり、賃貸用不動産が供給過剰となった場合、空室率の上昇や賃貸条件の悪化などの影響を受ける可能性があります。また、所有不動産のうち老朽化が進んでいる建物について、大規模な修繕等の意思決定を行う場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自然災害等のリスクについて
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、台風、洪水等の自然災害または感染症の流行等が発生した場合、被災状況によっては正常な事業活動が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)所有する投資有価証券の時価変動リスクについて
当社グループの所有する有価証券は仕入先企業、販売先企業、取引金融機関など、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向等によりましては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度における投資有価証券の総資産に対する比率は11.3%であります。
当社と福田三商株式会社(以下「福田三商」といいます。)は、平成29 年1月27 日付で両社の間で締結した株式交換契約書に基づき、平成29年4月1日を株式交換の効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、福田三商を株式交換完全子会社とする株式交換を行いました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(重要な後発事象)をご参照ください。
特記事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積り計上しております。
②投資有価証券の減損
当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関、関係会社など、業務上密接な関係にある企業の株式等を保有しております。なお、当該株式の減損にあたり市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、著しく下落し、回復可能性がないものと判定し処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合も「著しく下落した」とする判定基準を設け、この場合の時価の回復可能性について過去の時価の推移に基づく一定の形式基準により判定し処理しております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる株式については、個々の銘柄の1株当たり簿価純資産額が帳簿価額を50%以上下回っている場合及び保有資産に大幅な含み損がある可能性のある場合について、当該会社の資産の時価額を加味及び業績見通し等を斟酌したうえで減損処理の要否を決定しております。
③固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しております。減損会計では、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識、減損損失の測定の各過程で、将来キャッシュ・フロー等の見積りを要します。
④繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、課税所得の見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
⑤退職給付
当社の従業員の退職給付に係る資産または負債及び費用の計算は、数理計算で設定される前提条件に基づいて原則法により算出されております。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。これらの仮定と実際の結果との差額は、即時に退職給付に係る資産または負債として認識され、費用に関しては将来の連結会計年度にわたって処理しております。
また、連結子会社の退職給付に係る資産または負債の計算は、主に期末自己都合要支給額から年金資産の額を控除した金額をもって計上する簡便法により算出されております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①連結の範囲
当社グループの連結財務諸表は、当社及び連結子会社53社の財務諸表を反映しております。また、非連結子会社1社及び関連会社9社に対する投資について持分法を適用しております。
連結の範囲の変更については、当連結会計年度に連結の範囲から除外した子会社が3社であります。持分法適用の範囲については、当連結会計年度に新たに持分法を適用した関連会社が2社であります。
②当連結会計年度の経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀の金融政策等が追い風となり企業収益の改善も一部では見られましたが、設備投資や個人消費が持ち直すまでには至りませんでした。世界経済におきましては、米国をはじめとする先進国の経済は底堅く推移したものの、新興国の経済の減速、原油など資源価格の低迷もあり、先行き不透明な状況が続きました。
紙パルプ業界におきましては、板紙は包装資材向けに堅調な需要が見られましたが、紙については電子化などの要因から、国内需要は減少傾向にあり、当連結会計年度における紙・板紙の内需は前年を下回る結果となりました。
③売上高、売上総利益
当連結会計年度の売上高は、連結子会社コアレックス信栄㈱の新工場の通期における稼働及び㈱野田バイオパワーJPのバイオマス発電事業の稼働開始があったものの、国内における印刷用紙の販売数量減少等により前年同期比3.2%減の490,672百万円となりました。国内出荷の減少に伴い売上原価も減少したことに加え、再生家庭事業の採算改善等により、売上総利益は0.4%増の49,721百万円となりました。
④販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、国内出荷の減少に伴う運賃の減少、のれん償却費の減少及び貸倒引当金の戻入等により前年同期比4.1%減の41,445百万円となりました。その結果、営業利益は30.6%増の8,276百万円となりました。
⑤営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、受取配当金及び持分法による投資利益の減少により前年同期比29.4%減の1,554百万円となりました。営業外費用は、持分法投資損失の計上により4.3%増の1,641百万円となりました。その結果、経常利益は17.6%増の8,189百万円となりました。
⑥特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益及び固定資産売却益等の計上により、前年同期比53.1%増の2,129百万円となりました。特別損失は、減損損失、投資有価証券評価損等の計上により10.2%減の2,017百万円となりました。
法人税等は5.7%減の2,194百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は47.8%増の749百万円、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は63.5%増の5,358百万円となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態
当連結会計年度の総資産は、主に売上債権の減少や減価償却による有形固定資産の減少等により、前連結会計年度に比べ9,107百万円減の287,863百万円となりました。
総負債は、有利子負債の減少等により、前連結会計年度に比べ13,710百万円減の207,079百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度に比べ4,603百万円増の80,784百万円となりました。
②キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 経営戦略と今後の見通し
国内及び先進国における紙の需要は、人口の減少や電子媒体への切替えといった構造的な縮小傾向が続いております。一方、板紙は国内、海外ともに段ボールを中心にパッケージ向け需要での引き続きの増加が見込まれております。
このような市場環境に対応するため、当社グループは新規事業分野への進出、M&Aを含めた事業構造転換を鋭意進めており、平成30年3月期の売上高は「国内卸売」において微減を見込むものの、「海外卸売」、「資源及び環境」において連結対象会社が増加する予定であるため、530,000百万円(前年比8.0%増)を見込んでおります。また、利益面では「国内卸売」においては前年並みを見込むものの、「海外卸売」、「製紙及び加工」における利益増加等により営業利益は9,500百万円(同14.8%増)、経常利益は9,000百万円(同9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,200百万円(同2.9%減)を見込んでおります。
これらの内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。