(1) 経営の基本方針について
国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。
また、社会と地球環境のよりよい未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。
なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。
(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境
当期における我が国経済は、海外経済の減速などを背景に外需が弱いものの、雇用、所得環境の改善などによって設備投資と個人消費の増加基調が続き、全体としては緩やかな回復が続きました。一方、世界経済におきましては、米中貿易摩擦の影響が米中のみならずユーロ圏にも波及し、主要国、地域の経済の減速を招く結果となりました。また、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染拡大が世界的な規模での経済活動の停滞をもたらし、予断を許さない状況が続いております。
紙パルプ業界におきましては、板紙は、加工食品、飲料用など生活必需品や、伸長著しいネット通販向けの梱包用段ボール原紙の出荷が堅調で前期並みとなったものの、紙は、人口減少、少子化、出版物や広告用途等におけるデジタル化の進展などの構造的要因から需要が減少し、当期における紙・板紙の内需は前年を下回る結果となりました。
(3) 中期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題
当社グループでは、2017年度からの3年間を対象とした『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』(以下、「中計2019」といいます。)を策定し、当中計期間におけるグループ基本方針として『各事業分野のさらなる充実と収益の安定』を掲げ、中計最終年度(2019年度)グループ連結経常利益の目標を130億円とし、保有資産の効率的活用によるROAの向上に取り組むとともに、企業価値最大化の観点からROE8%を達成することを目指してまいりました。
中計2019の3年間においては、新たな収益基盤の獲得と既存事業との相乗効果の創出に取り組み、営業利益については3期連続で過去最高益を更新し、最終年度である当期は10,924百万円となりましたが、経常利益は9,800百万円となり、最終年度の数値目標としていた130億円には未達となりました。
なお、中計2019の達成状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ④ 『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』の達成状況」に記載しております。
紙は、国内および先進国において情報媒体の電子化など構造的な需要の縮小傾向が続いておりますが、新興国では経済成長に伴い今後も増加が見込まれております。板紙は国内、海外ともに段ボールを中心にパッケージ向け需要が引き続き増加しており、全世界での紙、板紙のトータルの需要は増加傾向にあります。他方で、新型コロナウイルス感染症の流行による世界規模での経済停滞は紙、板紙需要にも今後大きな影響を及ぼすことが予想され、現時点で業績を予想するのが困難な状況です。国内における外出の自粛や人との接触の削減、一部の海外子会社の拠点におけるロックダウン等により、国内外の経済状況、生活様式は大きく変化しており、当社グループの足元の状況では国内及び海外卸売事業において大幅に販売が減少しており、今後も当社グループの経営環境や事業環境が大きく変わる可能性があります。
当社グループでは中計2019の終了にあたり、2020年度をスタートとする新たな中期経営計画を策定し公表する準備を進めておりましたが、 新型コロナウイルスの当社グループ事業への影響は甚大であり、その影響が長期化するものと見込まれることから、新たな中期経営計画のスタートを延期することといたしました。
このような事業環境の中において、グループ企業理念を徹底尊重しながら、新型コロナウイルスの収束後も見据え、販売価格を堅持し、コストの徹底的な削減を実行すると共に、緊急時ゆえの、あるいはコロナ後のNew Normalを踏まえた需要、商機、事業、投資機会を探求することで、グループ業績の底上げに全力を投入してまいります。
(4) 財務上の対処すべき課題
当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上など持続的な成長を目指してまいります。
当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本としております。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。こうした方針のもと、当連結会計年度において、配当金の支払い及び自己株式の取得を実施いたしました。
なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に、自己株式の取得については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題
① 国内卸売セグメント
紙に関しては、新型コロナウイルス感染拡大により社会経済活動が制限され、主にチラシなどの広告向け商業印刷分野が大きく低迷しております。感染拡大が収束し社会経済活動が再開された場合、同分野の需要も回復すると見込まれますが、回復のタイミング、規模とも現時点では不透明な状況です。
一方、板紙に関しては、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料などの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷が減少し、今後の需要動向は紙同様不透明な状況です。
国内での物流コストの上昇などマイナス要因もあり、紙、板紙の販売価格を堅持することで、今後も収益性の向上を目指してまいります。
当社は販売の規模拡大を図るだけでなく、収益の安定性を高めていく考えです。そのためにも、企画力、提案力を一層磨き、紙ならではの価値の再発見や新たな付加価値をもたらす取り組みや情報発信など、ステークホルダーとのコミュニケーションをより深める施策を実行してまいります。
② 海外卸売セグメント
当社グループは、世界最強の紙流通企業の実現に向けた事業体制の確立に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークとローカルな流通体制の構築に取り組んでおります。現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで紙商を経営し、保管、配送機能を備え、域内に製品を安定供給する体制を構築し、グローバルな調達、販売網を確立しております。
・米国と中国の貿易摩擦が両国経済に与えるマイナス効果が顕在化した場合は、両国におけるグループ会社の業績に直接影響するばかりではなく、輸出の1/3を中国に依存する豪州、両国市場への輸出が盛んなアジア周辺国を始め、欧州各国の経済が低迷することが想定され、各地域に所在するグループ会社の業績にも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
・新型コロナウイルス感染症の影響は、日本のみならず全世界でいまなお経済・社会活動の制約となっており、当社グループの国内外各拠点も例外なくその影響により事業活動の制限を余儀なくされております。当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用することで人々の生活に不可欠な紙・板紙の安定供給に努めてまいります。
③ 製紙及び加工セグメント
古紙を原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生家庭紙製造国内最大手コアレックスグループを含む一連の古紙を利用した製紙事業への事業投資により、当社グループは、再生原料である古紙の回収から製紙及び加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする体制を構築しております。この事業体制を活かして、部門全体では原料調達、製造、販売のサプライチェーンを最適化するとともにコスト低減を図り、一層の競争力強化に努め、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。
特に再生家庭紙事業では、コアレックスグループを中心に安定的な供給体制を構築しております。一方、段ボール製造事業における生産設備への投資や、多様なニーズに対応する加工体制の構築にも注力しております。
家庭紙は、足元では新型コロナウイルス感染症の影響下での海外観光客の減少によるマイナスの影響がある見込みですが、引き続き底堅い需要を見込んでおります。価格政策については、原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
段ボール原紙については、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料向けなどの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷減少により、今後の需要動向は不透明な状況です。価格政策については原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
④ 資源及び環境セグメント
イ 古紙事業:
古紙の国内市況、需給状況は、国際需給すなわち古紙発生国である米国や欧州と、最大の古紙消費国である中国の動向、および為替レートの水準によって左右されます。その中国において2017年度から発動されている古紙輸入制限により、日本国内の古紙在庫が滞留したことに伴い、古紙価格は弱含んで推移しております。この価格動向は中長期的には東南アジア諸国で製紙工場が多く新設稼働する2022年頃まで継続するものと見込んでおります。
当社グループは古紙原料の安定供給体制の強化を図り、国内製紙メーカー向け供給を中心に、採算のバランスを勘案しながらアジア圏への輸出も行ってまいります。
ロ 資源・環境事業:
当社グループは、資源・環境事業を重点事業分野として位置付け、古紙の再資源化事業以外に、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業などへの事業投資、参画を進めております。
・再生可能エネルギーによる発電事業:
現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社のほか、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。
今後は資源・環境事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、資源循環型社会の構築に貢献する事業活動を進めていきたいと考えております。
⑤ 不動産賃貸セグメント
当社が東京・大阪・京都などに所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅などでの活用およびホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社業績に対して安定継続して寄与するものと見込んでおります。近年では、2018年6月に「OVOL日本橋ビル」、2019年3月に「OVOL京都駅前ビル」を竣工いたしました。当社は今後も所有不動産の有効活用を推し進めるとともに、地域社会の発展に貢献してまいります。
なお、コロナ後のNew Normalとして、今後オフィス需要の減少、賃料レベルの低下が懸念されますが、既存テナントを含めた稼働率の維持向上に取り組み、所有不動産の適正管理と価値最大化に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。
なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、現時点では予見できないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
リスク項目は、「特に重要なリスク」、「その他緊急性の高いリスク」、「その他のリスク」に区分しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があります。
(1)特に重要なリスク
①市況・市場リスク
②取引関係に係るリスク
③その他の重要なリスク
(2)その他の緊急性の高いリスク
(3)その他のリスク
①経営環境に係るリスク
②金融市場に係るリスク
③気候変動・自然災害等に係るリスク
④その他のリスク
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なもの
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響等の不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが困難な要素もありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積り計上しておりますが、将来において、取引先の財務状況等が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
経営者は、貸倒引当金は十分に計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより債権の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループにおいて貸倒引当金を増額又は減額する可能性もあります。
② 投資有価証券の減損
当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関、関係会社など、業務上密接な関係にある企業の株式等を保有しており、これらの有価証券の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
なお、当該株式の減損にあたり市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、「著しく下落し、回復可能性がないもの」と判定し処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合も「著しく下落した」とする判定基準を設け、この場合の時価の回復可能性について過去の時価の推移に基づく一定の形式基準により判定し処理しております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる株式については、個々の銘柄の1株当たり簿価純資産額が帳簿価額を50%以上下回っている場合及び保有資産に大幅な含み損がある可能性のある場合について、当該会社の資産の時価額を加味及び業績見通し等を勘案したうえで減損処理の要否を四半期ごとに判断し、決定しております。
将来において、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。
経営者は、所有する有価証券の公正価値の評価は合理的であると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより有価証券の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループにおける公正価値評価額が変動する可能性もあります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、多くの有形固定資産及び無形固定資産を保有しており、これらの固定資産の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
当社グループは固定資産の減損会計を適用しており、減損会計では、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識、減損損失の測定の各過程で、将来キャッシュ・フロー等の見積りを要します。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断に関する評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより固定資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループが追加で減損損失を認識する可能性もあります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループにおける繰延税金資産の残高は多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しています。繰延税金資産の回収可能性は毎連結会計年度末日に見直し、課税所得の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの見積りによる繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
⑤ 退職給付
当社グループにおける退職給付に係る負債の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
当社および一部の連結子会社の従業員の退職給付に係る資産または負債及び費用の計算は、数理計算で設定される前提条件に基づいて原則法により算出されております。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。これらの仮定と実際の結果との差額は、即時に退職給付に係る資産または負債として認識され、費用に関しては将来の連結会計年度にわたって処理しております。
また、一部の連結子会社の退職給付に係る資産または負債の計算は、主に期末自己都合要支給額から年金資産の額を控除した金額をもって計上する簡便法により算出されております。
経営者は、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しております。ただし、これらの前提条件には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
⑥ のれんの減損
当社グループにおけるのれんの残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。
当社グループは、のれんの償却方法について、5年間の定額法にて償却を行っております。
経営者は当連結会計年度末におけるのれんの資産性について、償却期間及び金額は適切であると判断しております。ただし、これらの前提条件には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、将来において当初想定した子会社の収益力等が見込めなくなった場合にはのれんの減損損失が計上される可能性があります。
① 当期の財政状態の概況
イ 資産の部 (単位:百万円、%)
ロ 負債の部 (単位:百万円、%)
ハ 純資産の部 (単位:百万円、%)
ニ セグメントごとの資産の概況 (単位:百万円、%)
② 当期の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、英国RADMSグループを連結子会社化したことに伴う売上債権及びたな卸資産の増加並びに一部の在外子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことに伴う有形固定資産の増加等があった一方、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことにより売上債権が減少したこと等により前連結会計年度末に比べて7,717百万円減の341,939百万円となりました。
総負債は、RADMSグループを連結子会社化したことに伴い仕入債務及び借入金が増加し、また一部の在外子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことに伴いリース債務が増加しました。一方、当社においては社債の発行と償還や仕入債務の減少があった結果、前連結会計年度末に比べ218百万円減の254,693百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により増加した一方、Ball & Doggett Group Pty Ltd等の連結子会社株式を追加取得したことによる資本剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の減少及び自己株式の取得並びに利益剰余金の配当等により、前連結会計年度末に比べ7,499百万円減の87,246百万円となりました。
(3) 経営成績の状況
① 経営成績の状況の概要
イ 経営成績の状況の概要 (単位:百万円、%)
ロ 当期の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高534,782百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益10,924百万円(同1.1%増)、経常利益9,800百万円(同8.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期は連結子会社株式会社野田バイオパワーJPにおける廃棄物処理費用引当金繰入額2,434百万円を特別損失に計上したことに対し、当期は同引当金繰入額524百万円を特別損失に計上した一方で同引当金戻入益958百万円を特別利益に計上したこと等により、前連結会計年度比30.5%増の5,053百万円となりました。
② セグメントごとの経営成績
イ 当期の経営成績のセグメント別の概況
当連結会計年度の経営成績をセグメント別に見ますと次のとおりであります。
外部売上高 (単位:百万円、%)
(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメント利益(経常利益) (単位:百万円、%)
ロ 当期の経営成績のセグメント別の分析
当連結会計年度の経営成績をセグメント別に見ますと次のとおりであります。
「国内卸売」
紙・板紙は、価格修正以降販売価格を維持しているものの、電子化などによる印刷・情報用紙の構造的な需要減少に加え、当期前半における自然災害や天候不順などの影響を受けた梱包用段ボールの荷動き低迷による段ボール原紙の販売数量減少により、売上高は前連結会計年度比0.5%減の289,378百万円となりました。経常利益は、販売価格の維持と子会社における貸倒引当金繰入額の減少などにより3.6%増の5,078百万円となりました。
「海外卸売」
米中貿易摩擦に端を発した世界的な紙・板紙の需要減少の影響があったものの、前第3四半期連結会計期間末に連結の範囲に加わったSpicers Paper (Malaysia) Sdn. Bhd.(現OVOL Malaysia Sdn. Bhd.)、Spicers Paper (Singapore) Pte Ltd(現OVOL Singapore Pte. Ltd.)および第2四半期連結会計期間末に連結の範囲に加わった英国RADMSグループ(Premier Paper Group Limited他)の業績が反映されていることにより、売上高は前連結会計年度比2.8%増の184,763百万円となりました。利益面では、市況品種の価格下落の影響により粗利が大幅に落ち込んだこと、中国、香港、米国子会社における在庫の評価損、貸倒引当金の計上に加え、M&Aによるのれん償却費および株式取得費用の発生や為替差損の計上により763百万円の経常損失(前連結会計年度は2,145百万円の経常利益)となりました。
「製紙及び加工」
売上高は再生家庭紙事業の販売が好調に推移したことと、段ボール原紙や再生家庭紙製品の販売価格の維持により、前連結会計年度比7.1%増の26,185百万円となりました。経常利益は、売上高が増加したことに加え、原料古紙価格が当連結会計年度において低位安定したことにより、61.0%増の6,959百万円となりました。
「資源及び環境」
中国における廃棄物輸入規制の継続実施により古紙の需給が緩んだことから国際市況が大幅に下落し、売上高は前連結会計年度比21.3%減の29,230百万円、経常利益は79.9%減の294百万円となりました。
「不動産賃貸」
売上高は2018年7月に稼働したOVOL日本橋ビルと2019年4月に稼働したOVOL京都駅前ビルからの賃貸料収入が増加し、また既存テナントビルの高稼働も継続しており、前連結会計年度比48.9%増の5,226百万円となりました。経常利益は、OVOL日本橋ビル、OVOL京都駅前ビルの減価償却費や不動産管理費等の費用が増加したものの売上高の大幅な増加により280.2%増の1,642百万円となりました。
③ 地域別・製品別の売上高
イ 地域別売上高 (単位:百万円、%)
ロ 製品及びサービス別売上高 (単位:百万円、%)
④ 『中期経営計画2019 "Paper, and beyond"』の達成状況
イ 定量目標 (単位:百万円)
ロ 連結財務諸表指標目標
⑤ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ロ 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ハ 受注実績
当社グループは、主として需要等を勘案した見込生産を行っているため、記載を省略しております。
ニ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(3) 経営成績の状況 ② セグメントごとの経営成績 イ 当期の経営成績のセグメント別の概況」に記載しております。
① キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて199百万円減の7,589百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が減少したものの、売上債権の減少や税金等調整前当期純利益及び減価償却費を計上したことにより22,488百万円の収入となりました(前連結会計年度は13,660百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得及びRADMSグループを子会社化した株式の取得による支出によって13,239百万円の支出となりました。(前連結会計年度は14,355百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、M&Aや社債償還に向けた社債の発行及び長期借入れによる収入があった一方、長期借入金の返済による支出や、連結子会社であるBall & Doggett Group Pty Ltdの株式追加取得による支出、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少によって9,712百万円の支出となりました(前連結会計年度は1,735百万円の収入)。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、中計2019において策定した連結財務指標目標に掲げましたように、各事業活動に必要とされる運転資金及び投融資資金の確保について、直接金融または間接金融における多様な手段の中から調達時点の市場環境などを考慮して資金調達を実施しております。また、当社グループのさらなる成長に必要な事業投資の継続と財務状況の健全性維持の両立を基本方針としております。
イ 資金調達手段
当社グループは、上記の資金調達の基本方針に則り、M&Aや設備投資資金ならびに運転資金といった資金使途を踏まえ、営業活動によって獲得されたキャッシュ・フローをベースに、直接金融市場においては社債及びコマーシャル・ペーパーを発行し、間接金融市場では銀行借入による長期借入金や短期借入金に加えて十分な当座貸越枠を確保しております。
また、資金調達手段の多様化を図ることで、資金使途及び調達環境の情勢に応じた有利な手段を選択し、機動的な資金調達を実施しております。
「フリー・キャッシュ・フロー」 (単位:百万円)
「有利子負債明細」 (単位:百万円)
(※)一年内返済予定分の残高を含みます。
ロ 資金の効率化
当社グループは、グループ内の資金効率向上を目的として、グループ各社における余剰資金の集中と配分を行うべく、グループファイナンス制度を国内及び海外の各地域にて導入しております。
ハ 財務指標目標
当社グループは、中計2019にて策定した財務指標目標に対して最終年度である当連結会計年度において下記の通り未達となりましたが、引き続き基幹事業である紙・板紙の卸売事業で必要な運転資金の安定的な調達と、事業の多角化およびグループ経営の強化につなげる成長投資資金の調達余力を確保するため、営業活動の収益性向上、保有資産の効率的活用、D/Eレシオや自己資本比率といった財務の健全性を示す経営指標の向上に取り組んでまいります。
「財務指標」
ニ 株主還元
当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要施策のひとつとして位置づけ、長期にわたる経営基盤の安定と強化に努め、企業価値の向上を目指しております。配当の方針につきましては、安定的な配当を継続して行うことを基本方針とし、連結業績の動向も勘案して実施しております。
なお、当社の剰余金の配当は、第158回定時株主総会において定款を一部変更し、機動的な資本政策の実行を可能とするため、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を取締役会決議により行うことを可能としております。
(配当基準日 期末配当:毎年3月31日、中間配当:毎年9月30日)
連結の範囲につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「1.連結の範囲に関する事項」及び「2.持分法の適用に関する事項」に記載しております。
現在、世界的な新型コロナウイルス感染拡大が国内外の事業環境に大きく影響を及ぼしております。
このような状況下、当社グループは、取引先及び役職員の安全確保を最優先し、感染拡大防止のための対策を取りながら生産・営業活動に努めておりますが、現時点において業績予想の合理的な算定が困難であることから、2021年3月期の業績予想は未定とさせていただき、今後開示が可能となりました時点で、速やかに公表いたします。
該当事項はありません。
特記事項はありません。