第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針について

国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。

また、社会と地球環境のより良い未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。

なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。

 

(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境

当期における我が国経済は、依然として、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況がみられるものの、経済社会活動の正常化に向け、持ち直しの動きが続きました。また、欧米・アジア等各国においても同感染症による影響が緩和され、持ち直しの動きがみられましたが、東欧における地政学的リスクの顕在化による世界経済の下振れが懸念されます。

このような情勢のもと、当社グループは、「中期経営計画2023」の達成を目指し、景気の持ち直しとともに回復傾向にある紙需要の増加に応えるべく、積極的に事業に取り組みました。

 

(3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題

当社グループは、長期ビジョン『OVOL長期ビジョン2030 “Paper, and beyond”』(以下、「長期ビジョン2030」)を策定し、2030年のあるべき姿を掲げ、その実現を目指しております。

 

(当社グループのあるべき姿)

「世界最強の紙流通企業グループ」

「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」

「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」

 

また、長期ビジョン2030の実現に向け、2021年度を初年度とした新たな3年間の中期経営計画『中期経営計画2023』を策定しております。

当中計期間におけるグループの基本方針として『New Normal、新たな価値観の中での付加価値の創造』、『紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニーへの進化』を掲げ、中計最終年度(2023年度)グループ連結経常利益の目標を150億円とし、ネットD/Eレシオを1.4倍以下としつつ、ROAの向上とROE8%の達成を目指しております。

セグメント別には次の事業方針を掲げ、各事業のさらなる充実に向け挑戦を継続しております。

 

(セグメント別事業方針)

「国内卸売セグメント」

構造改革と合理化による収益回復

 

「海外卸売セグメント」

既存プラットフォームの強化と安定した収益体制の構築

 

「製紙加工セグメント」

製紙・加工事業におけるグループの総合力向上

 

「環境原材料セグメント」

安全操業のもとでの持続可能な社会と地球環境への貢献

 

「不動産賃貸セグメント」

保有不動産からの安定収益の継続と不動産ポートフォリオの最適化

 

(4) 財務上の対処すべき課題

当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上等、持続的な成長を目指してまいります。

当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本としており、こうした方針のもと、当連結会計年度において配当金の支払いを実施いたしました。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。

なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に記載しております。

 

(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題

① 国内卸売セグメント

紙の需要は国内における人口の減少や世界的なデジタル化など構造的要因を背景に縮小傾向が続いておりましたが、加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響による社会経済活動の変化により大幅に縮減しました。今後については、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ見通せないものの、行動制限の緩和に伴う一定の需要回復を見込んでおります。

板紙についてはインバウンド需要の回復時期が未だ不透明でありますが、通販関連や加工食品向け等、引き続き堅調な需要を見込んでおります。

当社グループは、販売規模の拡大以上に、適正な販売価格、利益、利益率の確保を重視し、更に業務効率や資本効率を高めることで収益の拡大を目指してまいります。

また、サステナブル素材である紙・板紙に対し、容器や包装資材としての注目が増している中、新たな需要への取り組みについても積極的に推進しております。

紙の専門商社である当社の機能と付加価値を提供し続け、市場での存在感を一層拡大させるとともに、紙・パルプ業界並びに広く社会に貢献してまいります。

 

② 海外卸売セグメント

当社グループは、世界最強の紙流通企業グループの実現に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークと地場に根差した流通体制の構築に取り組み、現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで自前の在庫・物流機能を有する各国屈指の紙商を経営し、世界最強の紙流通企業グループの実現に最低限必要なプラットフォームを構築しており、今後それらのプラットフォームを一層強化することに注力してまいります。

各事業拠点における新型コロナウイルス感染症の収束時期は見通せないものの、行動制限緩和に伴い紙・板紙需要が回復する中、製紙メーカーの生産体制再編等によるグラフィック用紙の供給能力の減少と海上輸送の混乱が重なり、今後もしばらくは需給がひっ迫することが想定されます。一方で中長期的な供給不安や価格高騰等の理由から紙の需要自体にマイナスの影響が出る可能性もあります。

当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用することで回復する需要を確実に取り込むとともに、サイン&ディスプレイ、パッケージ、フィルム、環境対応素材などの高付加価値品の取り扱いを拡大してまいります。そして、その効果的な拡大のために、補完的なM&Aも必要に応じて実施してまいります。

 

③ 製紙加工セグメント

当社グループは、古紙を主原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生原料である古紙の回収から製紙、加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする事業体制を構築しております。この事業体制を活かして、安全操業と環境対応の管理を徹底しつつ、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。

再生家庭紙事業では、同分野のリーディングカンパニーであるコアレックスグループによる安定的な供給体制を構築しており、災害発生時のトイレットペーパーの供給支援や災害に備えた備蓄推進活動も行っております。再生家庭紙は、コロナ禍においてオフィスや商業施設での業務用需要やインバウンド消費が減少しており、その回復時期は不透明であるものの、今後も底堅い需要を見込んでおります。

段ボール事業では、段ボール原紙生産設備の更新投資や、多様なニーズに対応する段ボール加工体制の構築にも注力しており、2021年にはインドネシアにおいて従来からの生産体制の強化を目的とした新工場が稼働しております。段ボール原紙は、コロナ禍においても通販関連や加工食品向けを中心とした日本国内の需要に加え、中国をはじめアジア諸国への輸出が増加しており、堅調な需要を見込んでおります。

再生家庭紙事業及び段ボール事業においては、原燃料価格や副資材、物流費等のコストが上昇しているものの、製造工程の見直しや徹底したコスト削減を継続し、製品の安定供給と品質維持に取り組んでまいります。

 

④ 環境原材料セグメント

イ 古紙再資源化事業:

古紙の国内市況と需給状況は、中国の古紙輸入禁止に伴うアジア諸国における段ボール原紙及び古紙パルプ輸出を含めた需給の変動、米国や欧州の古紙の発生量及び海上輸送の状況、為替レートの水準等により左右されております。

コロナ禍において、米国や欧州の古紙輸出量が減少したことと、中国の旺盛な製品需要により、輸出価格の大幅な上昇も見られましたが、今後の国内市況と需給状況は不透明なものとなっております。

当社グループは、国内製紙メーカーへの原料古紙の安定供給を最優先し、国内の古紙リサイクルシステムの維持と古紙利用率の向上に貢献しつつ、採算とのバランスを勘案しながらアジア諸国への輸出も行ってまいります。

 

ロ 環境事業:

当社グループは、環境事業を重点事業分野として位置付け、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業等への投資、参画を進めております。

現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。

今後は同事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、安全かつ安定操業の徹底により、脱炭素化をはじめとした持続可能な社会と地球環境に貢献する事業活動のさらなる拡大に取り組んでまいります。

 

⑤ 不動産賃貸セグメント

当社が東京・大阪・京都等に所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅等での活用及びホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社グループ業績に対して継続して安定的に寄与するものと見込んでおります。

コロナ禍においても、今後契約テナントの営業活動の変動により、契約テナントの退去、賃料レベルの低下等が懸念されるものの、保有テナントビルは高稼働を維持しております。

今後も所有不動産の稼働率の維持向上を図るとともに、築年数が経過した不動産については再開発や売却を行い不動産ポートフォリオの最適化を推し進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

リスク項目は、「特に重要なリスク」、「その他緊急性の高いリスク」、「その他のリスク」に区分しております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、現時点では予見できないまたは重要と見なされていないリスクや、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があります。

 

(1)特に重要なリスク

①市況・市場リスク

イ 主な取扱商品の需要減少、市況及びマクロ経済変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループが取り扱う主な製品及び商品である紙、板紙は、情報媒体の電子化、省包装やパッケージ素材の切り替え等の要因によって構造的に需要が減少するリスクがあります。また、製紙原料である古紙は紙・板紙の生産量の減少によって需要、発生ともに減少するリスクがあります。

現に、日本をはじめとする先進国においては、印刷・情報用紙の需要減少傾向は顕在化しており、製紙原料である古紙の需要、発生ともに減少する可能性があります。しかしながら、新興国では経済成長に伴って今後も紙・板紙ともに需要の増加が見込まれるなど、現在のところ当社グループの経営成績に影響を与える可能性は僅少であると認識しております。

また、事業を展開している地域における経済環境の悪化及びそれに伴う需要の減少、または消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生や他社との厳しい競争による影響を受ける可能性があります。

マクロ経済環境の悪化については、顕在化の時期・影響度について確定的な見積りを行うことは困難と認識しておりますが、当社グループが顧客の求める商品・製品を競争力ある価格により提供できない場合は、市場におけるシェアや顧客との取引関係を喪失する可能性があります。

なお、商品仕入実績及び販売実績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ⑤ 生産、受注及び販売の実績」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

主力用途である印刷情報用途、包装用途に加え、環境配慮型、高機能素材等高付加価値用途の開発を進めると同時に、紙媒体の価値の再発見を促す啓発活動、情報発信を強化しております。

海外卸売

製紙加工

・製紙加工

板紙に限らず、家庭紙等安定した需要が見込める商品に製造領域を拡大しており、段ボール製の高付加価値商品・ニッチ商品の開発にも取り組むほか、家庭紙においても高機能商品の開発に取り組んでおります。

・環境原材料

古紙調達網の整備拡大等により、古紙リサイクルシステムの維持・向上に取り組んでおります。

・製紙加工と環境原材料の相互補完

当社グループは、川上である環境原材料セグメントから、川中である製紙加工セグメント、川下である国内卸売及び海外卸売の両セグメントまでの事業ポートフォリオを構築しております。そのため、原材料価格の下落時には、環境原材料セグメントの利益低下を製紙加工セグメントが製造コストの低下として吸収し、原材料価格の高騰時には、製紙加工セグメントの製造コストの増加を、環境原材料セグメントの利益増加として吸収する事業構造となっております。

環境原材料

 

 

 

ロ 不動産市況の影響

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社は、所有不動産の活用による収益基盤の安定化を目的として不動産賃貸事業を行っております。

賃貸用不動産が人口減少等によって供給過剰になるリスクや、所有不動産のうち築年数が進んでいる建物について、大規模な修繕等が必要になるリスクがあります。

しかしながら、当社が保有する賃貸用不動産は東京・大阪・京都等、今後の人口減少社会においても急激な人口の変動が起きにくい地域にあるため、供給過剰による空室率の上昇や賃貸条件の悪化等の影響を受ける可能性は現在のところ僅少であると考えております。ただし、今後New Normal(新しい働き方等)が定着した場合、オフィス需要の減少、賃料水準の低下が顕在化する可能性があります。

なお、賃貸用不動産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (賃貸等不動産関係)」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

不動産賃貸

人口減少社会においても一定の需要が見込める地域で事業を行っております。

また、当社は短期、中期、長期の所有不動産修繕計画を策定し、当該不動産の状態及び賃貸不動産市場の動向を勘案して必要な修繕を実施しております。

 

 

②取引関係に係るリスク

イ 取引先の信用リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、取引先に対して掛売りを行っているほか、前渡しや貸付を行う場合があります。

このため、取引先の信用状況が悪化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、連結会社以外の会社等の銀行借入等に対する債務保証の額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) ※保証債務等」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループでは取引先ごとの信用限度額設定や与信先の信用状態に応じた担保・保証の設定、信用保険の付保等の債権保全策を講じております。

 

 

ロ 仕入先メーカーの方針変更リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループが商品を仕入れている製紙メーカー各社は、生産効率、輸送コスト等を勘案して紙及び板紙を製造しており、需要動向や製造コスト等を理由に既存商品の生産を中止する決断を下すことがあり、その場合は当社グループが失注する可能性があります。

また、需要の減少に対応するため製紙メーカーの寡占化が進んだ場合、仕入先である製紙メーカーの市場に対する影響力が高まり、相対的に当社グループの影響力が低下する可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、当社は商品仕入総額に対して、王子ホールディングス㈱傘下の王子製紙㈱、王子エフテックス㈱及び王子マテリア㈱からの仕入比率は36.9%、日本製紙㈱からの比率は12.2%と高い比率となっております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

調達先のグローバルな多様化を進め、商品の安定供給ができる体制を構築しております。

また、サプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。

海外卸売

 

 

 

③その他の重要なリスク

イ 紙販売代理店機能の低下に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

紙の需要構造の変化や、デジタルトランスフォーメーション等の影響により、当社グループが果たしてきた機能役割を製紙メーカーもしくは顧客が担う可能性があります。その場合、当社グループの主力事業である卸売事業に大きな影響を与える可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

・国内卸売及び海外卸売

従来からの主力用途である印刷情報用途、包装用途に加え、環境配慮型、高機能素材等高付加価値用途の開発を進めると同時に、紙媒体の価値の再発見を促す啓発活動、情報発信を強化しております。

・当社グループ全体

製紙加工や環境原材料等の事業を拡大し、事業ポートフォリオの多角化を通じて当該リスクの影響を低下させることを目指しております。

また、人権侵害や環境負荷のリスクに配慮しながらサプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。

海外卸売

 

 

ロ 物流機能に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

人口減少及び高齢化社会の進展にともない、トラック配送のドライバー等、物流機能を担う人手が不足する状態が徐々に顕在化しており、配送・保管コストの上昇や、人手の確保が困難になることで商品を適時適切に運べない等の機会損失が発生するリスクが高まっております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

IT等を活用した合理化の徹底と、同業他社との物流共同化を積極的に推進してまいります。また、家庭紙においては、配送効率の向上とドライバーの作業負担軽減を両立させたノーパレット輸送を推進しております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

ハ 新たな事業投資に関するリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図り、事業ポートフォリオの最適化を目的として、新会社の設立やM&Aを含めた既存の会社への投資等を経営戦略のひとつとしております。

当社グループが実行した事業投資について、当社グループ及び投資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していた収益やシナジー効果を得られない可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

新たな投資を行う際は事前にリスクについて十分な検討を行い、経営会議にて審議を重ねるほか、社内規程に基づく審査や、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを実施するなど極力諸リスクを回避するように努めております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

 

ニ 関係会社株式及びのれんの減損リスク 

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社は、保有する関係会社の株式を貸借対照表に関係会社株式として計上しております。

株式の実質価額が取得原価よりも著しく下落し、かつ、実質価額が取得原価まで回復する見込みがない場合、当社が減損損失を計上することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループは、企業買収に伴って取得した子会社の将来の超過収益力として連結財務諸表にのれんを計上し、その効果の及ぶ期間にわたり償却を行っております。

のれんの回収可能性については、子会社の業績や事業計画等を基に判断を行っておりますが、将来において当初想定した超過収益力が見込めなくなった場合には、のれんの減損損失が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染拡大等によって、当社が事業を展開している国・地域において紙需要の大幅な減少等が起こった場合、当該国・地域に存在する子会社の超過収益力が毀損する可能性があります。

2022年2月8日付「特別損失(のれんの減損損失等)の計上および通期業績予想の修正に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、当社の連結子会社であるRADMS Paper Limitedについて外部環境の悪化を踏まえ、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなったため、2022年3月期連結会計年度において、同社に係るのれんの減損損失1,779百万円を特別損失として計上いたしました。

また、上記に伴い、当社は個別決算において関係会社株式評価損5,578百万円を特別損失として計上いたしました。なお、個別決算における関係会社株式評価損は連結決算上消去されるため、連結業績に与える影響はありません。

なお、のれんの償却方法及び償却期間については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (8) のれんの償却方法及び償却期間」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

関係会社の財政状態、経営成績、事業計画等について定期的に収集し、減損の兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

(2)その他の緊急性の高いリスク

イ 新型コロナウイルス感染拡大の影響

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

2020年1月以降、新型コロナウイルスが世界的に感染を拡大し、感染拡大防止のための外出禁止措置等により、世界中ほぼ全ての地域において社会・経済活動が大きな影響を受け、印刷用紙等の需要が減少するなど、当社グループ事業拠点のある国内外の各地域においても影響が発生しております。

また、世界的な感染の拡大が収束した後でも、新しい生活様式の浸透により、当社グループの事業に大きな影響を与える可能性があります。

 当社グループの対応

当社グループでは、取引先・従業員等関係者の安全を第一に考え、さらなる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策を徹底するとともに企業理念を徹底し、あらゆるコストの削減を図り、当面の業績の底上げに全力を尽くしてまいります。

また、当社ホームページにてお知らせしておりますとおり、当社グループ従業員にも新型コロナウイルス感染が確認されております。当社グループは、所管保健所や入居ビル運営会社等と連携し、感染経路の調査、当該従業員との濃厚接触者の特定及び消毒等必要な作業を実施いたしました。今後も取引先・従業員等関係者の安全を第一に考慮し、感染拡大防止に取り組むとともに、事業継続を図ってまいります。

 

 

 

(3)その他のリスク

①経営環境に係るリスク

イ 法的規制

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは国内外において、紙、板紙、パルプ、古紙等の卸売や、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸等に関する事業を展開し、それぞれの事業分野において、日本及び各国の広範な各種法令・諸規則等の適用を受けていることから、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

このうち、製紙加工事業や環境原材料事業は、大気や土壌及び水質、また、廃棄物処理やリサイクル等さまざまな環境関連の法規制の適用を受け事業活動を行っており、これらの法規制がより厳格化された場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 当社グループの対応

当社グループでは、コンプライアンス経営の確立を目指し、全従業員へのeラーニング、セミナー等の研修をはじめ、子会社で取締役等、重要な役職に就く出向者に向けた研修、ガイダンスを行うなど法令遵守に向けた取り組みを強化しております。

2021年4月に「環境・安全推進室」を設置しており、グループ各社における環境関連法令・労働安全法令等へのコンプライアンス体制及び安全操業体制の強化に取り組んでおります。また、グループ横断組織である「OVOL環境・安全委員会」を通じ定期的な環境法令の改正情報の発信、及び、各種情報交換を行っております。

 

 

ロ カントリーリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、海外の会社との取引や出資において、当該国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延、不能等が発生するカントリーリスクを負っております。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

海外卸売

当社グループ内子会社所在国の政治、経済、社会情勢の変化については、現地勤務者や専門機関、取引先金融機関からの情報を適宜入手し、判断材料としております。

製紙加工

環境原材料

 

 

②金融市場に係るリスク

イ 資金調達に関するリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、事業活動及び事業投資等で必要となる資金について、財務の健全性維持を勘案し、国内外の金融機関等からの借入金及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行による金融市場からの調達を行っております。

金融市場の混乱や当社格付の引き下げ、或いは金融機関、機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社グループの資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大によって各国中央銀行による強力な金融支援政策が実行されました。一方、需給ギャップや原燃料価格・物流費の高騰などによるインフレ懸念に対し、2022年年初より、一部の国々・地域では利上げや金融引き締めといった政策転換が発表されており、今後の国内外における動向によっては金融市場が大きく変動する余地があり、中期的に当リスクは顕在化する可能性があります。

 当社グループの対応

当社グループは、事業年度ごとに資金調達方針を定めております。

なお、当社グループの資金調達の方針及び状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) キャッシュ・フローの状況 ② 資本の財源及び資金の流動性」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (金融商品関係)」に記載しております。

 

 

ロ 為替変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは輸出入及び外国間等の貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、日本円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っております。なお、当社グループの地域別売上収益の構成比については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ③ 地域別・製品別の売上収益 イ地域別売上収益」に記載しております。

また、当社グループの連結財務諸表には、海外の連結子会社の資産・負債及び損益も組み込まれております。これらの企業はそれぞれ日本円以外の通貨にて財務諸表等を作成しており、各報告通貨を日本円に換算する時点の為替変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

当社グループは、貿易取引では原則として先物為替予約等によるヘッジ策を講じております。ただし、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

③気候変動・自然災害等に係るリスク

イ 気候変動及び自然災害等に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

脱炭素社会への移行に伴い、当社グループは、カーボンプライシングの導入、市場ニーズの急速な変化、環境規制等の強化、また、金融市場の投融資基準の見直し等の影響を受ける可能性があります。なお、これらへの対応が不十分あるいは遅れた場合は、製紙加工事業では温室効果ガス排出量が多いため、その財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(移行リスク)

また、国内において将来発生が懸念されている首都直下型地震や南海トラフ地震、あるいは地球温暖化による大型台風や洪水等の自然災害により、当社グループの設備が被害を受けた場合、もしくは取引先や物流機能等が被害を受けサプライチェーンの分断など間接的な影響が生じた場合、事業活動が長期間にわたり中断し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(物理的リスク)

 当社グループの対応

当社では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同のもと、気候変動に関するリスクが事業や業績に与える影響・対応策について、TCFD提言に基づくシナリオ分析を実施し、2022年6月に開示しております。また、2022年4月に設置したサステナビリティ戦略会議において、シナリオ分析で特定された移行リスク及び物理的リスクへの対応策を審議するとともに、脱炭素化に向けた取り組みについて検討を行っております。

また、大型地震や台風、洪水等の大規模災害が発生した際には、いち早く従業員及びその家族の安否を確認する仕組みとして、安否確認システムを導入するとともに、早急に被災地の被害状況を把握するため、緊急時通信体制の強化を進めております。そのうえで、定期的な訓練を実施することで、有事の対応力を強化するとともに、災害対応意識の啓発に努めております。また、システムの冗長化やテレワーク環境の整備等を行い、災害等が発生した場合でも事業活動への影響を最小限にする体制の構築に努めております。

 

 

 

④その他のリスク

イ 保有する投資有価証券の時価変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式を保有しております。

当社グループが保有する有価証券のうち、時価を有するものについては、金融商品市場の動向等による価格変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、主な株式の保有状況については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しております。

また、前連結会計年度及び当連結会計年度において減損処理を行った有価証券の金額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループは、これらのリスクを回避するため、定期的に把握された時価が取締役会に報告されており、取引先企業との定量・定性面での関係性を勘案して保有状況を継続的に見直しております。

 

 

ロ IT・セキュリティに係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピュータウイルスによる攻撃、災害等の不測の事態によって機密情報の漏洩、システムの障害及び通信回線のトラブル等が発生した場合、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 当社グループの対応

当社グループは、ITインフラ整備と情報セキュリティに関する各種規程を整備し、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努め、ファイアウォールによる外部不正アクセスの防止、ウィルス防御システムの定期更新、システム及び通信回線の二重化等にも努めております。

 

 

ハ 訴訟に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・係争・その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。

当社の連結子会社であるSafeshred Co., Inc.は訴訟の提起を受けて応訴しておりましたが、当該子会社が、原告の主張するような法令違反行為を行っていたこと及び損害賠償責任があることを認めたものではないものの、訴訟の長期化による費用や労力の発生を回避することなど、諸般の事情を考慮し、2021年12月29日(米国時間)付で、原告との和解合意に至りました。

なお、その他には当連結会計年度において当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。しかし今後の訴訟の内容によっては、当社グループの社会的な評判や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの対応

リスク管理委員会を当社内に設置し、法律事務所等の専門家の助言を得ながらリーガルリスクの最小化、コンプライアンス違反の未然防止等に努めております。

 

 

 

ニ 人材確保及び労務関連リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、人材を最大の経営資源と位置付けており、人材こそが企業競争力の源泉であり、当社グループが将来にわたって持続的な成長を遂げていくための原動力であるという考えのもと、従業員一人ひとりが活躍しやすい環境・仕組みづくりを推進しております。

また、当社グループが推進する新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存設備への追加投資等を行っており、事業運営には多様な人材が必要となっております。

紙専門商社を起源とし主に国内卸売事業を営む当社と異なり、製紙加工事業や環境原材料事業等を営むグループ各社は工場や作業所等を有しているため、関連法令、設備、操業に精通した経営人材の育成に取り組んでいく必要があります。また、長期ビジョン2030にて当社グループのあるべき姿のひとつとして「世界最強の紙流通企業グループ」を掲げる中、海外卸売事業における在外子会社の経営管理に長けた人材の育成にも取り組んでいく必要があります。

しかしながら、日本における少子高齢化による新卒学生数の減少や、日本を含む一部先進国における労働人口の減少等により、適切で十分な人材の確保が困難となった場合及び従業員の退職により人材が流出した場合には、当社グループの事業継続及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、日本を含む一部先進国における労働人口の減少は確定的であり、世界的なコロナ禍による働き方の変容も一部有識者等により高い確率で予想されておりますが、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 当社グループの対応

当社グループは、事業を展開する各国において法令に基づく適正な労務管理等により、労務関連のリスクの低減に継続的に取り組むとともに、中期経営計画2023で掲げる「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニーへの進化」を遂げるために、従業員の満足度をより高めつつ、広く社会から信頼される魅力ある企業グループを目指して、多様な人材の確保を強化してまいります。

また当社は、従業員が働きやすい環境や制度の拡充に積極的に取り組んでおります。

・働き方改革(時間外勤務削減、有給休暇取得促進、シフト勤務・(育児)短時間勤務拡張(法定以上)・勤務地限定制度等の柔軟な働き方拡張、在宅勤務制度、EAP相談室、育児介護休業法改正への対応推進等)

・採用の多様化・強化(キャリア採用の推進、退職者の再雇用、新卒採用強化(オンライン説明会、1Day仕事体験等)、障がい者雇用の推進等

・定年延長の実施(65歳定年とする。60歳以降も処遇は59歳以前と変わらず一律の役職定年も設けない制度とし、60歳選択定年も可能(5年間の経過措置)等)

・人材育成(各種研修(階層別、選択型)、海外派遣研修制度、自己啓発支援制度、新入社員指導員制度等)

 

 

ホ 有形固定資産の減損リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、国内卸売事業や海外卸売事業における事務所や倉庫、製紙加工事業や環境原材料事業における生産設備並びに、不動産賃貸事業における賃貸用不動産等の固定資産を保有しておりますが、将来の経済状況が悪化し、収益性が有形固定資産の回収可能価額を下回った場合、有形固定資産の減損が発生する可能性があります。

有形固定資産の減損については、兆候の有無を判定し、兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。
  新型コロナウイルス感染拡大等によって、当社及び連結子会社が保有する有形固定資産の回収可能価額を予想される収益性が下回る可能性はあるものの、現時点において確実視されるそのような事態は認識しておりません。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

連結子会社の財政状態、経営成績について定期的に収集し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

不動産賃貸

 定期的に物件ごとの回収可能価額を調査し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。

 

 

ヘ 繰延税金資産の回収可能性リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社及び連結子会社は、日本及び様々な税務管轄において法人税を課されており、通常の営業活動において連結会社間の移転価格取引により最終的な税額の決定に不確実な状況が多く生じております。
 また、当社グループは多くの税務管轄において税務当局から継続的な調査も受けております。
 当社グループが計上している税金引当額、及び繰越欠損金や繰越税額控除を含む繰延税金資産の帳簿価額の計算には高度な判断と見積り(将来の課税所得の見積りを含む)が必要となっており、それらの変動によって繰延税金資産の回収可能性は影響を受け、将来の税金費用の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
 一部の税務管轄において、繰越欠損金又は繰越税額控除の使用が、翌期以降の課税所得に対する一定の水準に制限されており、ある特定の要因の所得との相殺にしか使用できない場合があります。その場合、課税所得が発生した税務管轄において、多額の繰越欠損金又は繰越税額控除があるにもかかわらず、税金の支払いが発生するため税金費用を計上する可能性があります。

新型コロナウイルス感染拡大等によって、当社及び連結子会社が認識する繰延税金資産が十分に回収できなくなる可能性はありますが、現時点において確実視されるそのような事態は認識しておりません。

顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、繰延税金資産の金額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (税効果会計関係)」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループでは当社及び連結子会社が計上する繰延税金資産について、回収可能性を定期的に見直し、必要に応じて増額・減額を行っております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なもの

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響等の不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが困難な要素もありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

① 貸倒引当金

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積り計上しておりますが、将来において、取引先の財務状況等が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

経営者は、貸倒引当金は十分に計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループにおいて貸倒引当金を増額又は減額する可能性もあります。

 

② のれんの減損

当社グループにおけるのれんの残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは、企業買収により取得した子会社の将来の超過収益力として連結貸借対照表にのれんを計上し、その効果が及ぶと見込まれる期間を5年間として、定額法にて償却を行っております。

経営者は当連結会計年度末におけるのれんの資産性について、償却期間及び金額は適切であると判断しております。ただし、これらの前提条件には子会社の業績や事業計画等を基にした判断が含まれており、経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、将来において当初想定した子会社の収益力等が見込めなくなった場合にはのれんの減損損失が計上される可能性があります。

 

③ 投資有価証券の減損

当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関、関係会社等、業務上密接な関係にある企業の株式等を保有しており、これらの有価証券の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

なお、当該株式の減損にあたり市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、「著しく下落し、回復可能性がないもの」と判定し処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合も「著しく下落した」とする判定基準を設け、この場合の時価の回復可能性について過去の時価の推移に基づく一定の形式基準により判定し処理しております。また、市場価格のない株式については、個々の銘柄の1株当たり簿価純資産額が帳簿価額を50%以上下回っている場合及び保有資産に大幅な含み損がある可能性のある場合について、当該会社の資産の時価額を加味及び業績見通し等を勘案したうえで減損処理の要否を四半期ごとに判断し、決定しております。

将来において、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。

経営者は、所有する有価証券の公正価値の評価は合理的であると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により有価証券の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループにおける公正価値評価額が変動する可能性もあります。

 

④ 固定資産の減損

当社グループは、多くの有形固定資産及び無形固定資産を保有しており、これらの固定資産の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは固定資産の減損会計を適用しており、減損会計では、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識、減損損失の測定の各過程で、将来キャッシュ・フロー等の見積りを要します。

経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断に関する評価は合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により固定資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループが追加で減損損失を認識する可能性もあります。

 

⑤ 繰延税金資産の回収可能性

当社グループにおける繰延税金資産の残高は多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。繰延税金資産の回収可能性は毎連結会計年度末日に見直し、課税所得の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。

経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの見積りによる繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります

 

 

(2) 財政状態の状況

① 当期の財政状態の概況

イ 資産の部                                                           (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

総資産

321,986

338,939

16,953

105.3

 

流動資産

160,410

183,075

22,665

114.1

 

固定資産

161,476

155,784

△5,692

96.5

 

 

有形固定資産

111,683

109,374

△2,309

97.9

 

 

無形固定資産

6,982

3,629

△3,353

52.0

 

 

投資その他の資産

42,811

42,781

△31

99.9

 

繰延資産

100

80

△20

80.3

 

 

ロ 負債の部                                                            (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

総負債

232,114

238,623

6,509

102.8

 

流動負債

151,679

164,535

12,855

108.5

 

固定負債

80,435

74,088

△6,347

92.1

 

 

ハ 純資産の部                                                         (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

純資産

89,872

100,317

10,445

111.6

 

株主資本

74,467

84,129

9,663

113.0

 

その他の包括利益累計額

8,985

8,692

△293

96.7

 

新株予約権

117

83

△33

71.5

 

非支配株主持分

6,304

7,412

1,108

117.6

 

 

ニ セグメントごとの資産の概況                                           (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

101,972

105,963

3,991

103.9

海外卸売

64,594

78,726

14,132

121.9

製紙加工

56,032

56,536

504

100.9

環境原材料

34,929

35,224

296

100.8

不動産賃貸

36,330

35,120

△1,211

96.7

調整額

28,128

27,370

△759

97.3

 うち、全社セグメント

59,561

56,147

△3,413

94.3

 

 

② 当期の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、RADMS Paper Limitedに係るのれんの減損損失の計上により無形固定資産が減少したものの、売上債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて16,953百万円増加し、338,939百万円となりました。

総負債は、有利子負債の減少や当社の退職給付制度改定に伴う退職給付に係る負債の減少があったものの、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ6,509百万円増加し、238,623百万円となりました。

純資産は、剰余金の配当や親会社株主に帰属する当期純利益の計上等の結果、前連結会計年度末に比べ10,445百万円増加し、100,317百万円となりました。

 

 

(3) 経営成績の状況

① 経営成績の状況の概要

イ 経営成績の状況の概要                                                    (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

売上収益

462,922

444,757

△18,165

96.1

売上総利益

63,480

72,454

8,974

114.1

営業利益

8,896

14,064

5,167

158.1

経常利益

8,948

15,051

6,103

168.2

税金等調整前当期純利益

8,215

19,084

10,869

232.3

当期純利益

4,895

12,695

7,801

259.4

非支配株主に帰属する当期純利益

1,245

1,196

△50

96.0

親会社株主に帰属する当期純利益

3,649

11,499

7,850

315.1

 

 

ロ 当期の経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益444,757百万円営業利益14,064百万円前期比58.1%増)、経常利益15,051百万円同68.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、第3四半期連結会計期間に当社の連結子会社であるRADMS Paper Limitedに係るのれんの減損損失1,779百万円を特別損失に計上した一方、第1四半期連結会計期間に退職給付制度改定益5,969百万円を特別利益に計上したこと等により、前期比215.1%増11,499百万円となりました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は共に過去最高益となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用による売上収益への影響は△76,946百万円となります。

 

② セグメントごとの経営成績

イ 当期の経営成績のセグメント別の概況

当連結会計年度の経営成績をセグメント別に見ますと次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首より、報告セグメントの名称を「製紙及び加工」を「製紙加工」に、「資源及び環境」を「環境原材料」に変更しておりますが、各報告セグメントの事業内容等については変更ありません。

 

外部売上収益                              (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

249,825

173,967

△75,858

69.6

(構成比)

54.0

39.1

 

 

海外卸売

158,772

202,211

43,439

127.4

(構成比)

34.3

45.5

 

 

製紙加工

21,977

41,545

19,568

189.0

(構成比)

4.7

9.3

 

 

環境原材料

27,142

21,828

△5,315

80.4

(構成比)

5.9

4.9

 

 

不動産賃貸

5,206

5,206

1

100.0

(構成比)

1.1

1.2

 

 

 

(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

 

セグメント利益(経常利益)                     (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

3,720

4,298

578

115.5

(構成比)

33.8

24.6

 

 

海外卸売

△426

5,678

6,104

(構成比)

△3.9

32.5

 

 

製紙加工

5,302

4,199

△1,102

79.2

(構成比)

48.1

24.1

 

 

環境原材料

854

1,743

889

204.2

(構成比)

7.7

10.0

 

 

不動産賃貸

1,573

1,529

△44

97.2

(構成比)

14.3

8.8

 

 

 

 

ロ 当期の経営成績のセグメント別の分析

当連結会計年度の経営成績をセグメント別に見ますと次のとおりであります。

「国内卸売」

紙は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う度重なる緊急事態宣言の発出及びまん延防止等重点措置の適用により社会経済活動が制限されたことで、主に旅行やイベント関連のチラシやパンフレット向けの需要は減少しましたが、紙全体の需要は当連結会計年度を通して緩やかに回復しており、前期に対し販売数量が増加しました。

板紙は、天候不順による青果物向けの需要減少はありましたが、通販関連や加工食品向けの需要が堅調に推移し、前期に対し販売数量が増加しました。

また、工業用原紙や電子材料関連製品についても、電子部品や半導体向けの需要拡大により、前期に対し販売数量が増加しました。

売上収益は、販売数量は増加したものの収益認識会計基準等の適用によるマイナスの影響が大きく、前期比30.4%減173,967百万円となりました。

経常利益は、販売数量の増加による営業利益の増加と持分法投資利益の増加により前期比15.5%増4,298百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用による売上収益への影響は△84,743百万円となります。

 

「海外卸売」

当連結会計年度前半においては、オセアニアや英国において新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン等による紙・板紙需要の減少がみられたものの、その後の行動制限の緩和に伴う需要の回復により各拠点において販売数量が増加したことに加え、需給のひっ迫や原燃料価格の高騰等により販売単価が上昇したほか、本邦からの紙の輸出数量も増加した結果、売上収益は前期比27.4%増202,211百万円となりました。

経常利益は、燃料価格の高騰等による運賃等の販売費の増加や、営業活動の正常化に伴う人件費等の一般管理費の増加があったものの、販売数量の増加及び販売単価の上昇による収益の増加が上回り、5,678百万円と大幅な増益となりました(前連結会計年度は426百万円の経常損失)。

なお、収益認識会計基準等の適用による売上収益への影響は△2,950百万円となります。

 

「製紙加工」

段ボール原紙製造及び加工事業は、国内においては需要の増加に伴い販売数量が増加しました。一方、インドネシアにおける生産体制の強化を目的とした新工場が本格稼働いたしましたが、取引先における新型コロナウイルスの感染拡大や部品調達不足による操業短縮の影響により販売数量の増加は限定的となりました。また、再生家庭紙事業は、国内は前年並みの販売数量を確保できたものの、海外は減少となりました。

売上収益は、販売数量においては国内外で複数の増減要因があったものの、収益認識会計基準等の適用によるプラスが大きく影響し、前期比89.0%増41,545百万円となりました。

経常利益は、当連結会計年度後半から国内外の再生家庭紙・段ボール原紙製造及び加工事業における原燃料価格高騰による製造コストの上昇に加え、インドネシアの段ボール製造事業における新工場稼働による固定費の増加、海外再生家庭紙事業における販売数量の減少により前期比20.8%減4,199百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用による売上収益への影響は+18,200百万円となります。

 

「環境原材料」

古紙事業は、国内、米国共に古紙の発生数量が減少している影響で販売数量は減少しましたが、特に米国古紙事業における販売価格の上昇により販売金額が増加しました。また、総合リサイクル事業は、処理数量の増加により処理金額が増加しました。

売上収益は、販売金額や処理金額は増加したものの収益認識会計基準等の適用によるマイナスの影響により、前期比19.6%減21,828百万円となりました。

経常利益は、総合リサイクル事業の処理金額及び米国古紙事業の販売金額が増加したことに加え、国内古紙事業や再生可能エネルギーによる発電事業において収益性が改善したことから、前期比104.2%増1,743百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用による売上収益への影響は△7,454百万円となります。

 

「不動産賃貸」

テナントビルの稼働率は引き続き高水準を維持しており、売上収益は前期並みの5,206百万円、経常利益は前期比2.8%減1,529百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用による売上収益への影響はありません。

 

セグメント別の業績及び、収益認識会計基準等の適用により各セグメントが受ける影響額は以下のとおりです。

なお、セグメント利益(経常利益)に影響はありません。

                                     (単位:百万円、%)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

国内卸売

売上高(※)

249,825

258,710

+8,884

+3.6

 

収益認識会計基準

等適用による影響

△84,743

△84,743

 

売上収益

249,825

173,967

△75,858

△30.4

 

経常利益

3,720

4,298

+578

+15.5

海外卸売

売上高(※)

158,772

205,161

+46,389

+29.2

 

収益認識会計基準

等適用による影響

△2,950

△2,950

 

売上収益

158,772

202,211

+43,439

+27.4

 

経常利益

△426

5,678

+6,104

製紙加工

売上高(※)

21,977

23,345

+1,368

+6.2

 

収益認識会計基準

等適用による影響

+18,200

+18,200

 

売上収益

21,977

41,545

+19,568

+89.0

 

経常利益

5,302

4,199

△1,102

△20.8

環境原材料

売上高(※)

27,142

29,281

+2,139

+7.9

 

収益認識会計基準

等適用による影響

△7,454

△7,454

 

売上収益

27,142

21,828

△5,315

△19.6

 

経常利益

854

1,743

+889

+104.2

不動産賃貸

売上高(※)

5,206

5,206

+1

+0.0

 

収益認識会計基準

等適用による影響

 

売上収益

5,206

5,206

+1

+0.0

 

経常利益

1,573

1,529

△44

△2.8

 

 ※ 表中の「売上高」は、前連結会計年度において開示しておりました収益認識会計基準等適用前の数値と同様の基準にて集計した数値であります。

 

③ 地域別・製品別の売上収益

イ 地域別売上収益                            (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

日本

285,967

221,997

△63,970

77.6

(構成比)

61.8

49.9

 

 

アジア

54,963

67,946

12,984

123.6

(構成比)

11.9

15.3

 

 

北米

47,432

63,574

16,142

134.0

(構成比)

10.2

14.3

 

 

オセアニア

32,362

36,792

4,430

113.7

(構成比)

7.0

8.3

 

 

欧州

38,505

49,834

11,328

129.4

(構成比)

8.3

11.2

 

 

その他地域

3,693

4,614

921

124.9

(構成比)

0.8

1.0

 

 

海外売上収益計

176,955

222,760

45,805

125.9

(構成比)

38.2

50.1

 

 

 

 

ロ 製品及びサービス別売上収益                      (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

272,639

289,114

16,475

106.0

(構成比)

58.9

65.0

 

 

板紙

89,990

68,390

△21,600

76.0

(構成比)

19.4

15.4

 

 

パルプ

4,896

8,628

3,731

176.2

(構成比)

1.1

1.9

 

 

古紙

18,404

15,860

△2,544

86.2

(構成比)

4.0

3.6

 

 

その他

76,993

62,766

△14,227

81.5

(構成比)

16.6

14.1

 

 

 

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2021年度を初年度とした3年間の新たな中期経営計画『中期経営計画2023』(以下、「中計2023」といいます。)を策定しております。中計2023最終年度である2023年度の目標としました連結財務指標目標と当連結会計年度実績との比較は以下のとおりです。

連結財務指標目標

当連結会計年度(実績)

2023年度目標

経常利益

15,051百万円

15,000百万円

(セグメント別経常利益)

 

 

国内卸売

4,298百万円

5,000百万円

海外卸売

5,678百万円

3,000百万円

製紙加工

4,199百万円

6,000百万円

環境原材料

1,743百万円

1,500百万円

不動産賃貸

1,529百万円

1,500百万円

調整額

△2,396百万円

△2,000百万円

自己資本利益率(ROE)

13.0%

8.0%

総資産経常利益率(ROA)

4.6%

4.0%

投下資本利益率(ROIC)

4.9%

5.0%

ネットD/Eレシオ

1.06倍

1.40倍以下

 

 

中計2023の初年度にあたる当連結会計年度において、財務指標目標である経常利益は過去最高益を大幅に更新し15,051百万円となりました。今後も最終年度(2023年度)目標である経常利益15,000百万円及びその他の財務指標目標の着実な達成に向けて、中計2023の各方針に基づく施策に取り組んでまいります。

中計2023につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題」をご参照ください。

 

⑤ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

製紙加工    

32,537

108.8

環境原材料

4,112

96.3

 

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

 

ロ 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

国内卸売      

267,701

127.3

海外卸売      

153,204

139.3

環境原材料

23,223

108.5

 

 

(注) 1 金額は仕入価格によっております。

2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

 

ハ 受注実績

当社グループは、主として需要等を勘案した見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

ニ 販売実績

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(会計方針の変更)に記載のとおり、当連結会計年度の期首より収益認識会計基準等を適用しているため、「製紙加工」セグメントの販売実績が著しく増加しております。

当連結会計年度のこれらの実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

国内卸売      

173,967

69.6

海外卸売      

202,211

127.4

製紙加工

41,545

189.0

環境原材料

21,828

80.4

不動産賃貸

5,206

100.0

合計

444,757

96.1

 

 

(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,145百万円増加し、12,731百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が増加したものの、売上債権と棚卸資産の増加や、税金等調整前当期純利益の計上等により14,007百万円の収入となりました(前連結会計年度は28,382百万円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却があったものの、有形固定資産と投資有価証券の取得等により4,078百万円の支出となりました(前連結会計年度は4,440百万円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少や配当金の支払等により9,833百万円の支出となりました(前連結会計年度は19,899百万円の支出)。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、中計2023において策定した連結財務指標目標に掲げましたように、各事業活動に必要とされる運転資金及び投融資資金の確保について、直接金融または間接金融における多様な手段の中から調達時点の市場環境等を考慮して資金調達を実施しております。また、当社グループのさらなる成長に必要な事業投資の継続と財務状況の健全性維持の両立を基本方針としております

 

イ 資金調達手段

当社グループは、上記の資金調達の基本方針に則り、M&Aや設備投資資金ならびに運転資金といった資金使途を踏まえ、営業活動によって獲得されたキャッシュ・フローをベースに、直接金融市場においては社債及びコマーシャル・ペーパーを発行し、間接金融市場では銀行借入による長期借入金や短期借入金に加えて十分な当座貸越枠を確保しております

また、資金調達手段の多様化を図ることで、資金使途及び調達環境の情勢に応じた有利な手段を選択し、機動的な資金調達を実施しております

 

「フリー・キャッシュ・フロー」                     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

28,382

14,007

△14,375

投資活動によるキャッシュ・フロー

△4,440

△4,078

362

フリー・キャッシュ・フロー

23,942

9,929

△14,013

 

 

「有利子負債明細」                           (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

コマーシャル・ペーパー

9,000

8,000

△1,000

社債         (※1)

30,034

30,011

△23

直接調達

39,034

38,011

△1,023

短期借入金

36,324

39,024

2,700

長期借入金      (※2)

38,700

33,635

△5,065

間接調達

75,024

72,659

△2,365

有利子負債合計

114,057

110,670

△3,387

 

     (※1)一年内償還予定分の残高を含みます。

     (※2)一年内返済予定分の残高を含みます。

 

ロ 資金の効率化

当社グループは、グループ内の資金効率向上を目的として、グループ各社における余剰資金の集中と配分を行うべく、グループファイナンス制度を国内及び海外の各地域にて導入しております

 

ハ 財務指標目標

当社グループは、中計2023にて策定した財務指標目標に対して、基幹事業である紙・板紙の卸売事業で必要な運転資金の安定的な調達と、事業の多角化及びグループ経営の強化につなげる成長投資資金の調達余力を確保するため、営業活動の収益性向上、保有資産の効率的活用、ネットD/Eレシオや自己資本比率といった財務の健全性を示す経営指標の向上に取り組んでまいります

 

 「財務指標」

 

中期経営計画2023目標

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本利益率(ROE)

8.0%

4.5%

13.0%

総資産経常利益率(ROA)

4.0%

2.7%

4.6%

投下資本利益率(ROIC)

5.0%

3.0%

4.9%

ネットD/Eレシオ

1.40倍以下

1.23倍

1.06倍

 

 

ニ 株主還元

当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要施策のひとつとして位置づけ、長期にわたる経営基盤の安定と強化に努め、企業価値の向上を目指しております。配当の方針につきましては、安定的な配当を継続して行うことを基本方針とし、連結業績の動向も勘案して実施しております

なお、当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる。」旨を定款に定めております。

(配当基準日 期末配当:毎年3月31日、中間配当:毎年9月30日)

 

(5) 連結の範囲

連結の範囲につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「1.連結の範囲に関する事項」及び「2.持分法の適用に関する事項」に記載しております。

 

(6) 今後の見通し

紙の需要は国内における人口の減少や世界的なデジタル化など構造的要因を背景に縮小傾向が続いておりましたが、加えてコロナ禍による社会経済活動の変化により大幅に縮減しました。今後については、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ見通せないものの、各国の行動制限の緩和に伴い個人消費が回復し、紙の需要についても一定の増加を見込んでおります。また、板紙については引き続き堅調な需要を見込んでおります。

一方、原燃料価格や物流費の高騰に伴う、製造及び販売コストの増加などが見込まれ、2023年3月期の連結業績予想については、営業利益13,500百万円(前期比4.0%減)、経常利益14,000百万円(前期比7.0%減)としております。親会社株主に帰属する当期純利益については、2022年6月21日付にて東京証券取引所に開示いたしました通り、当社が東京都中央区に所有する固定資産の譲渡に伴う特別利益約16,600百万円の計上を見込み、19,500百万円(前期比69.6%増)としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。