第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針について

紙流通のリーディングカンパニーとして、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。

また、社会と地球環境のより良い未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。

なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。

 

(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境

当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化に向け、緩やかに持ち直しの動きが続きました。また、欧米・アジア等各国においても同感染症による影響が緩和され、持ち直しの動きがみられましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等の地政学的リスクの顕在化や原燃料価格の高騰など景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

このような情勢のもと、当社グループは、「中期経営計画2023」の達成を目指し、原燃料価格の高騰に伴う価格修正を行うとともに、景気の持ち直しにあわせ回復傾向にある紙需要の増加に応えるべく、事業に取り組みました。

 

(3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題

当社グループは、長期ビジョン『OVOL長期ビジョン2030 “Paper, and beyond”』(以下、「長期ビジョン2030」)を策定し、2030年のあるべき姿を掲げ、その実現を目指しております。

 

(当社グループのあるべき姿)

「世界最強の紙流通企業グループ」

「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」

「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」

 

また、長期ビジョン2030の実現に向け、2021年度を初年度とした3年間の中期経営計画『中期経営計画2023』を策定しております。

当中計期間におけるグループの基本方針として『New Normal、新たな価値観の中での付加価値の創造』、『紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニーへの進化』を掲げ、中計最終年度(2023年度)グループ連結経常利益の目標を150億円とし、ネットD/Eレシオを1.4倍以下としつつ、ROA及びROICの向上とROE8%の達成を目指しております。

セグメント別には次の事業方針を掲げ、各事業のさらなる充実に向け挑戦を継続しております。

 

(セグメント別事業方針)

「国内卸売セグメント」

構造改革と合理化による収益回復

 

「海外卸売セグメント」

既存プラットフォームの強化と安定した収益体制の構築

 

「製紙加工セグメント」

製紙・加工事業におけるグループの総合力向上

 

「環境原材料セグメント」

安全操業のもとでの持続可能な社会と地球環境への貢献

 

「不動産賃貸セグメント」

保有不動産からの安定収益の継続と不動産ポートフォリオの最適化

 

(4) 財務上の対処すべき課題

当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上等、持続的な成長を目指してまいります。

当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本に連結業績の動向を勘案して決定しており、こうした方針のもと、当連結会計年度においては、中間配当を60円とし前期55円から5円増配といたしました。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。

なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に記載しております。

 

(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題

① 国内卸売セグメント

紙の需要は国内における人口の減少や世界的なデジタル化など構造的要因を背景に縮小傾向が続いておりましたが、加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響による社会経済活動の変化により大幅に縮減しました。今後については、社会経済活動の正常化に伴う紙の需要回復が期待されるものの、企業における販促費の抑制やコロナ禍で進んだ電子化の定着により、紙の需要にマイナスの影響が出る可能性もあります。

板紙は、通販関連や加工食品向けの需要が引き続き堅調に推移するとともに、インバウンド需要の回復による増加を見込んでおります。

当社グループは、販売規模の拡大以上に、適正な販売価格、利益、利益率の確保を重視し、更に業務効率や資本効率を高めることで収益の拡大を目指してまいります。

また、サステナブル素材である紙・板紙に対し、容器や包装資材としての注目が増している中、新たな需要への取り組みについても積極的に推進しております。

紙の専門商社である当社の機能と付加価値を提供し続け、市場での存在感を一層拡大させるとともに、紙・パルプ業界並びに広く社会に貢献してまいります。

 

② 海外卸売セグメント

当社グループは、世界最強の紙流通企業グループの実現に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークと地場に根差した流通体制の構築に取り組み、現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで自前の在庫・物流機能を有する各国屈指の紙商を経営し、世界最強の紙流通企業グループの実現に最低限必要なプラットフォームを構築しており、各拠点における補完的M&Aを実施することで、地理的プラットフォームを強化しております。

各市場における社会経済活動の正常化に伴う紙の需要回復に対して、製紙メーカーの生産体制再編等によるグラフィック用紙の供給能力の減少と海上輸送の混乱等が重なることで、需給がひっ迫する状況が継続しておりましたが、その状況は緩和され、欧米やオセアニアにおいて市況の低下や需要の減少が見込まれております。

当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用したリソース力により、取引先の需要を確実に取り込むとともに、サイン&ディスプレイ、パッケージ、フィルム、環境対応素材などの高付加価値品の取り扱いを拡大してまいります。そして、その効果的な拡大のために、補完的なM&Aも必要に応じて実施してまいります。

 

③ 製紙加工セグメント

当社グループは、古紙を主原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生原料である古紙の回収から製紙、加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする事業体制を構築しております。この事業体制を活かして、安全操業と環境対応の管理を徹底しつつ、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。

再生家庭紙製造事業では、同分野のリーディングカンパニーであるコアレックスグループによる安定的な供給体制を構築しており、災害発生時のトイレットペーパーの供給支援や災害に備えた備蓄推進活動も行っております。再生家庭紙は、コロナ禍において減少していたオフィスや商業施設での業務用需要やインバウンド消費の回復を見込んでおります。

段ボール原紙製造事業では生産設備の更新投資や、多様なニーズに対応する段ボール加工体制の構築にも注力しており、2021年度にはインドネシアにおいて新工場が稼働、国内では段ボール製造会社2社を子会社化しております。段ボール原紙は、引き続き通販関連や加工食品向けを中心とした堅調な国内需要に加え、アジア諸国への輸出需要を見込んでおります。

再生家庭紙製造事業及び段ボール原紙製造事業においては、原燃料価格や副資材、物流費等のコストが上昇しているものの、製造工程の見直しや徹底したコスト削減を継続し、製品の安定供給と品質維持に取り組んでまいります。

 

④ 環境原材料セグメント

イ 古紙再資源化事業:

古紙の国内市況と需給状況は、中国の古紙輸入禁止に伴うアジア諸国における段ボール原紙及び古紙パルプ輸出を含めた需給の変動、米国や欧州の古紙の発生量及び海上輸送の状況、為替レートの水準等により左右されております。

国内において古紙の発生数量が減少する中、中国の段ボール製品需要やアジア諸国の古紙需要の急激な変動により、輸出価格は乱高下し、今後の国内市況と需給状況は引き続き不透明なものとなっております。

当社グループは、国内製紙メーカーへの原料古紙の安定供給を最優先し、国内の古紙リサイクルシステムの維持と古紙利用率の向上に貢献しつつ、採算とのバランスを勘案しながらアジア諸国への輸出も行ってまいります。

 

ロ 環境事業:

当社グループは、環境事業を重点事業分野として位置付け、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業等への投資、参画を進めております。

現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。

今後は同事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、安全かつ安定操業の徹底により、脱炭素化をはじめとした持続可能な社会と地球環境に貢献する事業活動のさらなる拡大に取り組んでまいります。

 

⑤ 不動産賃貸セグメント

当社が東京・大阪・京都等に所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅等での活用及びホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社グループ業績に対して継続して安定的に寄与するものと見込んでおります。

契約テナントのオフィス集約化や営業活動の変更により、2022年度には一時的に空室が発生したものの、新たなテナントが入居し、保有テナントビルは高稼働を維持しております。

今後も所有不動産の稼働率の維持向上を図るとともに、築年数が経過した不動産については再開発や売却を行い不動産ポートフォリオの最適化を推し進めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する基本的な考え方

当社は、サステナビリティをめぐる社会的要請への対応はリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要なグループの経営課題であると認識しております。2022年度には当社グループにおけるサステナビリティを「社会価値と経済価値を同時に生み出す持続可能な事業活動」と定義し、「環境」「社会」「人材」「ガバナンス」の4つのテーマ、12項目のマテリアリティ(※)を特定することで、社会課題に対する当社グループの考え方を明確化いたしました。現在、各マテリアリティにおける目標・KPI(重要業績評価指標)を策定中であり、策定後は各指標の達成に取り組むことによりサステナブル経営をより積極的に進め、社会課題の解決と共にグループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、グループ企業理念に掲げるグループの使命「社会と地球環境のよりよい未来を拓くこと」を果たしてまいります。

なお、本有価証券報告書においては、「気候変動」及び「人材(労働環境・ダイバーシティ&インクルージョン)」の2点をサステナビリティに関する重要な情報として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みである「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標及び目標」 に基づき記載いたします。

※12項目のマテリアリティの詳細については「日本紙パルプ商事グループ 統合報告書 2022」をご参照ください。

 

(2) ガバナンス

 サステナビリティ推進体制

サステナブル経営の積極的な推進に向けて、2022年4月1日付にて体制を刷新しました。まず、グループ全体のサステナビリティへの取り組みの司令塔として、持続可能性に関する方針策定や戦略立案、ESG課題(※)の解決、目標達成に向けた全体マネジメントを所管する「サステナビリティ戦略会議」を設置しました。同会議は、社長を議長とし、常勤取締役、統括で構成され、常勤監査役がオブザーバーとして出席しています。あわせて、グループ全体のサステナビリティ推進の実務遂行組織として「サステナビリティ推進本部」を新設しました。同組織は、グループ全体の環境・労働安全の強化及び脱炭素に向けた取り組み、取引先などからのESG・CSR対応の窓口、社会貢献への取り組みなど、サステナビリティ推進に向けた全般的な対応に加え、IR・広報業務を担います。さらにグループ内横断組織として、グループ全体の環境・安全コンプライアンス対応を目的とする「OVOL環境・安全委員会」、及び、「OVOLサステナビリティ推進委員会」を設置し、グループ全体にて、環境・安全コンプライアンスの向上、及びサステナビリティ推進に取り組んでおります。

※ESG課題とは、環境・社会・ガバナンスに関する幅広い課題を意味し、以下のような課題が含まれております。

 環境(E) :   気候変動、資源枯渇、廃棄、汚染、森林破壊、等

 社会(S) :   人権、強制労働・児童労働、労働条件、雇用関係、等

 ガバナンス(G) :贈収賄・汚職、役員報酬、役員構成・多様性、ロビー活動・政治献金、税務戦略、等

 

<推進体制図>

 


 

<サステナビリティ戦略会議及び各委員会の詳細>

会議体名

委員長/議長

構成メンバー

目的/役割

サステナビリティ戦略会議

代表取締役社長

常勤取締役及び統括・副統括

(オブザーバー:常勤監査役)

グループ全体のCSR、及びサステナビリティへの取り組みの司令塔として、持続可能性に関する方針策定や戦略立案、ESG課題の解決、目標達成に向けた全体マネジメントを所管

リスク管理委員会

管理本部本部長

副委員長:企画本部本部長

委員:内部監査室、サステナビリティ推進本部、管理本部、企画本部及び関連部門から選任

(オブザーバー:管理全般管掌、

常勤監査役及び管理企画・サステナビリティ統括)

「リスク管理基本規程」に基づき、リスクの洗い出し、分析、評価、

対応の優先順位付け、個別リスクの取り組み施策の策定を行い、当社グループにおけるリスクを低減

OVOL

サステナビリティ

推進委員会

サステナビリティ

推進本部本部長

副委員長:管理本部本部長及び企画本部本部長

委員:各本部、支社、国内外グループ会社から選任

(オブザーバー:管理企画・サステナビリティ統括)

グループ全体でのサステナビリティへの取り組みの強化

委員は各組織におけるサステナビリティ、コンプライアンス推進の役割を果たすとともに、災害等緊急事態発生時には全社部門との連絡役を担う

OVOL

環境・安全委員会

サステナビリティ

推進本部本部長

副委員長:管理本部本部長及び企画本部本部長

委員:各本部、支社、国内外グループ会社から選任

(オブザーバー:管理企画・サステナビリティ統括)

グループ全体における環境・労働安全への取り組みの強化

委員は各組織において環境・労働安全コンプライアンス及び、温室効果ガス削減を中心とした環境対策の推進役を担う

 

 

(3) リスク管理

「サステナビリティ戦略会議」は、グループ全体でのサステナビリティに関するリスクと機会の特定、対応組織への指示、対応計画の策定、進捗の管理を行い、取締役会に報告します。取締役会は報告内容について承認もしくは改善指示を出し、適切なリスク管理が行われていることを監督します。また、サステナビリティ戦略会議にて審議されたサステナビリティ関連のリスク事項については、その下部組織である「リスク管理委員会」「OVOLサステナビリティ推進委員会」「OVOL環境・安全委員会」に指示され、グループ全体におけるリスク管理に反映されます。

 

(4) 戦略

① 気候変動への取り組み

 当社グループは、気候変動が紙の主要な原料である森林資源の減少や、地球温暖化による物理的リスク等の様々なリスクを引き起こす可能性があると認識しています。当社グループを含めたサプライチェーン全体で排出する温暖化ガスの削減により、気候変動への影響を最小化していくことが企業としての責務であると捉えており、将来に向けた取り組みを推進してまいります。

 

 

<TCFD提言に基づく情報開示>
 2021年6月には、気候変動に対する当社グループの対応に関する適切な情報開示を目的としてTCFD提言への賛同を表明すると同時に、「TCFDコンソーシアム」に参加しました。TCFD提言に基づく情報開示においては、各セグメントに及ぼす影響を明確にするため、紙・板紙卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸、各々の事業セグメント(※1)を分析の対象とし、気候変動が当社グループ事業に及ぼすリスク・機会についてシナリオ分析を行い、TCFDが推奨する「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目で開示しています。(※2)

 当社グループは、気候変動への対応、温室効果ガスの排出削減への取り組みをより一層推進するとともに、TCFD提言に基づく情報開示を今後も積極的に進めていきます。
(※1) 当社グループ事業は、国内卸売、海外卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の5つのセグメントにより構成されていますが、

     分析にあたっては業態の観点から、国内卸売及び海外卸売を一つとし、紙・板紙卸売として表示しています。

(※2) 気候変動に関する「ガバナンス」及び「リスク管理」についてはサステナビリティ推進体制に組み込まれております。

     詳細については(2)ガバナンス及び(3)リスク管理をご参照ください。

 

 

 当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)や IEA(国際エネルギー機関)などの専門機関が作成した2つのシナリオ(気温上昇が1.5℃に抑制されるケースと4℃以上になるケース)を用いて、紙・板紙卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の4つの事業分野について、気候変動に伴うリスクと機会の抽出を行いました。気候変動がもたらすリスクと機会は、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分類され、これらのリスクと機会を事業戦略に織り込むため、財務影響を短期(2025年)・中期(2030年)・長期(2050年)の観点で定性的に評価しました。

 各セグメントに影響が及ぶ事象を集約したのち、短期・中期・長期にわたり中程度以上の影響を受ける項目を一覧として下記に示します。

分類

当社への影響

対応策

影響度

リスク

移行

政策・法規制

製紙事業における、炭素税の引き上げに伴う操業コストの著しい増加

• GHG排出量削減の中長期目標設定

• 省エネルギーのさらなる推進

• 再生可能エネルギーへの切り替え及びグリーン証書※1購入、コーポレートPPA※2、インターナルカーボンプライシング制度※3の導入などの検討

• 荷役車両などの電化の推進

評判

気候変動対策の遅れに伴う企業価値の下落、ステークホルダーの信頼失墜などによる、売上収益の減少、資金調達への影響、ブランド力の低下

• GHG排出量削減の中長期目標設定

• 省エネルギーのさらなる推進

• 適切な情報開示の推進

物理的

急性※4

風水害による拠点、設備、在庫、不動産物件等の甚大な被害

• ハザード調査の実施、浸水防止対策への取り組み

• 災害発生に備えた防災訓練の実施、BCM(事業継続マネジメント)の構築

風水害によるサプライチェーンの途絶に伴う事業停止、及び売上収益の減少

• サプライヤーに対する風水害発生時のBCMの構築とBCP(事業継続計画)整備の依頼

• 原料サプライヤー、輸送手段の多様化による調達の安定化

慢性※5

海面上昇による、臨海拠点の高潮等浸水被害の影響

• ハザード調査の実施、浸水防止対策への取り組み

• 災害発生に備えた防災訓練の実施、BCMの構築

 

 

 

分類

当社への影響

対応策

影響度

機会

電化の進展に伴う電子部品関連機能材の需要増による業績への寄与

• 電子部品関連機能材の需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

森林認証紙・再生紙など環境配慮型商品の需要増による業績への寄与

• 環境配慮型商品の需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

脱プラスチック化の進展に伴う紙製品の需要増による業績への寄与

• 法規制及び需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

 

・移行リスクと機会は1.5℃シナリオをベースに作成。物理的リスクは4℃シナリオを想定し作成

・影響度は、事業の存続に大きな影響があるレベルを“大”、事業の戦略を大きく変更する必要があるレベルを“中”と表示

・影響度(大・中)の定義は、Applying Enterprise Risk Management to Environmental, Social and

  Governance-related Risks,COSO & WBCSD をもとに作成

(※1)グリーン証書:再生可能エネルギーにより発電された電気の環境価値を取引可能な証書にしたもの

(※2)コーポレートPPA:企業が発電事業者や、電力小売業者と直接契約し、再生可能エネルギーの電力を調達する仕組み

(※3)インターナルカーボンプライシング:低炭素への取り組みを進めるために企業内部で設定する炭素価格

(※4)急性:異常気象による気象災害などの事象(突発的な急性リスク)

(※5)慢性:長期的な気候パターンや降雨パターンの変化による事象(緩行的な慢性リスク)

 

② 人的資本・多様性に対する取組み

イ 当社グループにおける人材戦略

当社グループは、人材こそがグループの経済価値の創造を左右すると認識しています。今後さらなる持続的成長を遂げるため、「労働環境」と「ダイバーシティ&インクルージョン」を人材面のマテリアリティとして特定し、取り組みを進めております。

ロ 当社における人材育成方針

当社は人材育成を「持続的な成長のための投資」と考え、積極的に投資するとともに、人事データを元に戦略的な採用、教育などを実行する透明度の高いプロセスの確立を重要視して取り組みを進めています。

人材の採用については、質的にも量的にも高水準の人材を確保することを目指し、新卒採用に加え、キャリア採用にも力を入れています。人材育成については、「役割と責任を果たす人材の育成」「変革期に対応する自立型人材の育成」をコンセプトにプログラムを推進しており、各世代に応じた様々な研修を実施するとともに、社員の成長を促し、能力開発を目的とした育成型異動や、経営人材育成に向けたグループ会社への出向などを推進しています。これらの取組みを反映した人事データを、タレントマネジメントシステムを通じて人材ポートフォリオとして活用し、人材の戦略的配置を実施しております。

ハ 当社における社内環境整備方針

当社は魅力ある人材の採用・維持に注力するとともに、能力開発機会の提供、公正な評価・処遇や働きやすい労働環境の整備など、すべての従業員の活躍を促す仕組みを拡充していくことで、さらなる組織能力の向上に取り組んでいます。その中で、役職員一人ひとりが自らの健康に責任を持ち、心身の健康維持・増進に主体的に取り組み、意欲をもって働くことが、個々の生活の質や仕事の質を高め、当社の生産性や企業価値向上につながると考え、健康経営への取り組みを強化しております。また今後、人的資本を強化していくために従業員エンゲージメントの向上が必要不可欠と考えており、2023年度からエンゲージメントサーベイを実施いたします。この他、多様な人材が活躍する基盤を整備するため、子育てサポートの環境整備や定年延長の実施など性別・年齢などに関係なく多様性を受け入れられる職場風土の醸成と制度の構築にも注力しています。

 

 

 

 


 

(5) 指標及び目標

① 気候変動への取り組み

当社グループは「社会と地球環境のよりよい未来を拓くこと」を使命としており、気候変動をはじめとする地球環境問題への取り組みを事業活動における重要課題の一つとして認識しています。

 気候変動への対応の第一歩として、2022年2月に当社及び国内子会社におけるGHG排出量(Scope1、2)を開示しました。2022年度は、在外子会社におけるScope1、2、及び当社単体のScope3の把握に努めるとともに、当社グループ全体における排出量削減に取り組んでいます。

 また、シナリオ分析に基づくリスクと機会が及ぼす財務的インパクトの算出を進めるとともに、リスク対応と機会獲得のための新たな対応策を検討し、気候変動へのより一層の対応を進めてまいります。

 

■GHG(温室効果ガス)排出量推移

単位:t-CO2

 

2019年度

2020年度

2021年度

Scope1

86,016

82,332

73,984

Scope2

155,572

138,590

129,848

合計

241,588

220,922

203,832

 

   (対象:当社及び国内連結子会社)

※Scope2は、マーケット基準での算定値です。

※在外連結子会社も含めたグループ全体における2022年度の排出量は、当社ウェブサイト等にて、

  2023年7月頃にお知らせする予定としています。

※削減目標は現在策定中であり、決定次第お知らせします。(ウェブサイト等での公表を予定)

 

② 人的資本・多様性に対する取り組み

イ 人材育成・社内環境整備に関する指標

当社では、上記「(4)戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。これらの指標項目については、今後も人的資本・多様性に対する取り組みを深化させる中で必要に応じて見直しを行ってまいります。

なお、連結グループにおいて主要な事業を営む当社においては指標のデータ管理とともに具体的な取組みを進めている一方、全ての連結グループでは行われておらず連結グループにおける記載が困難であることから、提出会社である当社単体の目標及び実績を記載しております。

 

人材育成 テーマ①人材の採用

指標

2022年度

目標(年度)

新卒採用者数

男性:10名、女性:3名

15名以上

(2023年度)

 

人材育成 テーマ②人材の戦略的配置

指標

2022年度

目標(年度)

海外派遣研修への派遣人数

2名

2名以上

(2023年度)

内部監査室キャリアパス人数

4名

4名以上

(2023年度)

 

人材育成 テーマ③多様な人材を活かす企業風土の醸成

指標

2022年度

目標(年度)

女性管理職比率(3月末)

0.36%

10%以上

(2030年度)

採用者に占める女性の割合

41%

20%以上

(2023年度)

 

社内環境整備 テーマ①健康経営

指標

2022年度

目標(年度)

有給休暇取得率

74.9%

80%以上

(2023年度)

 

社内環境整備 テーマ②エンゲージメント

指標

2022年度

目標(年度)

離職率(自己退職)

1.6%

1.0%以下

(2023年度)

 

社内環境整備 テーマ③多様な人材の活躍基盤構築

指標

2022年度

目標(年度)

男性育休取得率

29.4%

50%以上

(2023年度)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

リスク項目は、「特に重要なリスク」、「その他のリスク」に区分しております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、現時点では予見できないまたは重要と見なされていないリスクや、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があります。

 

(1)特に重要なリスク

①市況・市場リスク

イ 主な取扱商品の需要減少、市況及びマクロ経済変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループが取り扱う主な製品及び商品である紙、板紙は、情報媒体の電子化、省包装やパッケージ素材の切り替え等の要因によって構造的に需要が減少するリスクがあります。また、製紙原料である古紙は紙・板紙の生産量の減少によって需要、発生ともに減少するリスクがあります。

現に、日本をはじめとする先進国においては、印刷・情報用紙の需要減少傾向は顕在化しており、製紙原料である古紙の需要、発生ともに減少する可能性があります。しかしながら、新興国では経済成長に伴って今後も紙・板紙ともに需要の増加が見込まれるなど、現在のところ当社グループの経営成績に影響を与える可能性は僅少であると認識しております。

また、事業を展開している地域における経済環境の悪化及びそれに伴う需要の減少、または消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生や他社との厳しい競争による影響を受ける可能性があります。

マクロ経済環境の悪化については、顕在化の時期・影響度について確定的な見積りを行うことは困難と認識しておりますが、当社グループが顧客の求める商品・製品を競争力ある価格により提供できない場合は、市場におけるシェアや顧客との取引関係を喪失する可能性があります。

なお、商品仕入実績及び販売実績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ⑤ 生産、受注及び販売の実績」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

主力用途である印刷情報用途、包装用途に加え、環境配慮型、高機能素材等高付加価値用途の開発を進めると同時に、紙媒体の価値の再発見を促す啓発活動、情報発信を強化しております。

海外卸売

製紙加工

・製紙加工

段ボール原紙や家庭紙等安定した需要が見込める商品に加え、段ボール原紙製造ラインでの通販用緩衝材や、家庭紙の高付加価値品の生産による需要の確保に取り組んでいるほか、家庭紙事業では、難再生古紙の使用やクローズドループによる資源循環型リサイクルの構築による、原料古紙の確保と取引先との関係強化に取り組んでおります。

・環境原材料

古紙調達網の整備拡大等により、古紙リサイクルシステムの維持・向上に取り組んでおります。

・製紙加工と環境原材料の相互補完

当社グループは、川上である環境原材料セグメントから、川中である製紙加工セグメント、川下である国内卸売及び海外卸売の両セグメントまでの事業ポートフォリオを構築しております。そのため、原材料価格の下落時には、環境原材料セグメントの利益低下を製紙加工セグメントが製造コストの低下として吸収し、原材料価格の高騰時には、製紙加工セグメントの製造コストの増加を、環境原材料セグメントの利益増加として吸収する事業構造となっております。

環境原材料

 

 

 

ロ 不動産市況の影響

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社は、所有不動産の活用による収益基盤の安定化を目的として不動産賃貸事業を行っております。

賃貸用不動産が人口減少等によって供給過剰になるリスクや、所有不動産のうち築年数が進んでいる建物について、大規模な修繕等が必要になるリスクがあります。

しかしながら、当社が保有する賃貸用不動産は東京・大阪・京都等、今後の人口減少社会においても急激な人口の変動が起きにくい地域にあるため、供給過剰による空室率の上昇や賃貸条件の悪化等の影響を受ける可能性は現在のところ僅少であると考えております。ただし、今後New Normal(新しい働き方等)が定着した場合、オフィス需要の減少、賃料水準の低下が顕在化する可能性があります。

なお、賃貸用不動産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (賃貸等不動産関係)」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

不動産賃貸

人口減少社会においても一定の需要が見込める地域で事業を行っております。

また、当社は短期、中期、長期の所有不動産修繕計画を策定し、当該不動産の状態及び賃貸不動産市場の動向を勘案して必要な修繕を実施しております。

 

 

②取引関係に係るリスク

イ 取引先の信用リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、取引先に対して掛売りを行っているほか、前渡しや貸付を行う場合があります。

このため、取引先の信用状況が悪化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、連結会社以外の会社等の銀行借入等に対する債務保証の額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) ※保証債務等」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループでは取引先ごとの信用限度額設定とその定期的な見直しや、与信先の信用状態に応じた担保・保証の設定、信用保険の付保等の債権保全策を講じております。

 

 

ロ 仕入先メーカーの方針変更リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループが商品を仕入れている製紙メーカー各社は、生産効率、輸送コスト等を勘案して紙及び板紙を製造しており、需要動向や製造コスト等を理由に既存商品の生産を中止する決断を下すことがあり、その場合は当社グループが失注する可能性があります。

また、需要の減少に対応するため製紙メーカーの寡占化が進んだ場合、仕入先である製紙メーカーの市場に対する影響力が高まり、相対的に当社グループの影響力が低下する可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、当社は商品仕入総額に対して、王子ホールディングス㈱傘下の王子製紙㈱、王子エフテックス㈱及び王子マテリア㈱からの仕入比率は37.6%、日本製紙㈱からの比率は11.5%と高い比率となっております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

調達先のグローバルな多様化を進め、商品の安定供給ができる体制を構築しております。

また、サプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。

海外卸売

 

 

 

③その他の重要なリスク

イ 紙販売代理店機能の低下に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

紙の需要構造の変化や、デジタルトランスフォーメーション等の影響により、当社グループが果たしてきた機能役割を製紙メーカーもしくは顧客が担う可能性があります。その場合、当社グループの主力事業である卸売事業に大きな影響を与える可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

・国内卸売及び海外卸売

従来からの主力用途である印刷情報用途、包装用途に加え、環境配慮型、高機能素材等高付加価値用途の開発を進めると同時に、紙媒体の価値の再発見を促す啓発活動、情報発信を強化しております。

・当社グループ全体

製紙加工や環境原材料等の事業を拡大し、事業ポートフォリオの多角化を通じて当該リスクの影響を低下させることを目指しております。

また、人権侵害や環境負荷のリスクに配慮しながらサプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。

海外卸売

 

 

ロ 物流機能に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

人口減少及び高齢化社会の進展にともない、トラック配送のドライバー等、物流機能を担う人手が不足する状態が徐々に顕在化しており、配送・保管コストの上昇や、人手の確保が困難になることで商品を適時適切に運べない等の機会損失が発生するリスクが高まっております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

IT等を活用した合理化を徹底し、国内では、同業他社との物流共同化、週間配送量の平準化や委託倉庫における待機時間の削減を推進しております。

家庭紙においては、配送効率の向上とドライバーの作業負担軽減を両立させたノーパレット輸送を推進しております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

ハ 新たな事業投資に関するリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図り、事業ポートフォリオの最適化を目的として、新会社の設立やM&Aを含めた既存の会社への投資等を経営戦略のひとつとしております。

当社グループが実行した事業投資について、当社グループ及び投資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していた収益やシナジー効果を得られない可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

新たな投資を行う際は事前にリスクについて十分な検討を行い、経営会議にて審議を重ねるほか、社内規程に基づく審査や、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを実施するなど極力諸リスクを回避するように努めております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

 

ニ 関係会社株式及びのれんの減損リスク 

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社は、保有する関係会社の株式を貸借対照表に関係会社株式として計上しております。

株式の実質価額が取得原価よりも著しく下落し、かつ、実質価額が取得原価まで回復する見込みがない場合、当社が減損損失を計上することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループは、企業買収に伴って取得した子会社の将来の超過収益力として連結財務諸表にのれんを計上し、その効果の及ぶ期間にわたり償却を行っております。

のれんの回収可能性については、子会社の業績や事業計画等を基に判断を行っておりますが、将来において当初想定した超過収益力が見込めなくなった場合には、のれんの減損損失が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、のれんの償却方法及び償却期間については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (8) のれんの償却方法及び償却期間」に記載しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

関係会社の財政状態、経営成績、事業計画等について定期的に収集し、減損の兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

(2)その他のリスク

①経営環境に係るリスク

イ 法的規制

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは国内外において、紙、板紙、パルプ、古紙等の卸売や、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸等に関する事業を展開し、それぞれの事業分野において、日本及び各国の広範な各種法令・諸規則等の適用を受けていることから、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

このうち、製紙加工事業や環境原材料事業は、大気や土壌及び水質、また、廃棄物処理やリサイクル等さまざまな環境関連の法規制の適用を受け事業活動を行っており、これらの法規制がより厳格化された場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(重要な後発事象)に記載のとおり、2023年4月11日に独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けております。本件に関し、法令違反行為があったと認められ行政処分等を受けた場合、その内容により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの対応

当社グループでは、コンプライアンス経営の確立を目指し、全従業員へのeラーニング、セミナー等の研修をはじめ、子会社で取締役等、重要な役職に就く出向者に向けた研修、ガイダンスを行うなど法令遵守に向けた取り組みを強化しております。

2021年4月に「環境・安全推進室」を設置し、グループ各社における環境関連法令・労働安全法令等へのコンプライアンス体制及び安全操業体制の強化に取り組んでおります。また、グループ横断組織である「OVOL環境・安全委員会」を通じ定期的な環境法令の改正情報の発信、及び、各種情報交換を行っております。

なお、当社は立入検査を受けたことを厳粛に受け止め、公正取引委員会の調査に全面的に協力していくとともに、より一層コンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。

 

 

ロ カントリーリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、海外の会社との取引や出資において、当該国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延、不能等が発生するカントリーリスクを負っております。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

海外卸売

当社グループ内子会社所在国の政治、経済、社会情勢の変化については、現地勤務者や専門機関、取引先金融機関からの情報を適宜入手し、適切な経営判断や営業取引条件の設定に努めております。

製紙加工

環境原材料

 

 

②金融市場に係るリスク

イ 資金調達に関するリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、事業活動及び事業投資等で必要となる資金について、財務の健全性維持を勘案し、国内外の金融機関等からの借入金及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行による金融市場からの調達を行っております。

金融市場の混乱や当社格付の引き下げ、或いは金融機関、機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社グループの資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、需給ギャップや原燃料価格・物流費の高騰などによるインフレ懸念に対し、2022年年初より、一部の国々・地域をはじめ国内においても、利上げや金融引き締めといった政策転換が発表・実施されており、今後の国内外における動向によっては金融市場が大きく変動する余地があり、中期的に当リスクは顕在化する可能性があります。

 当社グループの対応

当社グループは、事業年度ごとに資金調達方針を定めております。

なお、当社グループの資金調達の方針及び状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) キャッシュ・フローの状況 ② 資本の財源及び資金の流動性」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (金融商品関係)」に記載しております。

 

 

ロ 為替変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは輸出入及び外国間等の貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、日本円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っております。なお、当社グループの地域別売上収益の構成比については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ③ 地域別・製品別の売上収益 イ地域別売上収益」に記載しております。

また、当社グループの連結財務諸表には、海外の連結子会社の資産・負債及び損益も組み込まれております。これらの企業はそれぞれ日本円以外の通貨にて財務諸表等を作成しており、各報告通貨を日本円に換算する時点の為替変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

当社グループは、貿易取引では原則として先物為替予約等によるヘッジ策を講じております。ただし、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

 

 

③気候変動・自然災害等に係るリスク

イ 気候変動及び自然災害等に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

脱炭素社会への移行に伴い、当社グループは、カーボンプライシングの導入、市場ニーズの急速な変化、環境規制等の強化、また、金融市場の投融資基準の見直し等の影響を受ける可能性があります。なお、これらへの対応が不十分あるいは遅れた場合は、当社グループの温室効果ガス排出量の過半を占める製紙加工事業等において、その財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(移行リスク)

また、国内において将来発生が懸念されている首都直下型地震や南海トラフ地震、あるいは地球温暖化による大型台風や洪水等の自然災害により、当社グループの設備が被害を受けた場合、もしくは取引先や物流機能等が被害を受けサプライチェーンの分断など間接的な影響が生じた場合、事業活動が長期間にわたり中断し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(物理的リスク)

 当社グループの対応

当社では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同のもと、気候変動に関するリスクが事業や業績に与える影響・対応策について、TCFD提言に基づくシナリオ分析を実施し、2022年6月に開示しております。引き続き、シナリオ分析に基づいた内容の充実化を図るべく取り組んでおりますので、進捗があり次第、適宜情報開示してまいります。

また、大型地震や台風、洪水等の大規模災害が発生した際には、いち早く従業員及びその家族の安否を確認する仕組みとして、安否確認システムを導入するとともに、早急に被災地の被害状況を把握するため、緊急時通信体制の強化を進めております。そのうえで、定期的な訓練を実施することで、有事の対応力を強化するとともに、災害対応意識の定着に努めております。また、システムの冗長化やテレワーク環境の整備等を行い、災害等が発生した場合でも事業活動への影響を最小限にする体制の構築に努めております。

 

 

④その他のリスク

イ 保有する投資有価証券の時価変動リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式を保有しております。

当社グループが保有する有価証券のうち、時価を有するものについては、金融商品市場の動向等による価格変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、主な株式の保有状況については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しております。

また、前連結会計年度及び当連結会計年度において減損処理を行った有価証券の金額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループは、これらのリスクを回避するため、定期的に把握された時価が取締役会に報告されており、取引先企業との定量・定性面での関係性を勘案して保有状況を継続的に見直しております。

 

 

ロ IT・セキュリティに係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピュータウイルスによる攻撃、災害等の不測の事態によって機密情報の漏洩、システムの障害及び通信回線のトラブル等が発生した場合、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 当社グループの対応

当社グループは、ITインフラ整備と情報セキュリティに関する各種規程を整備し、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努め、ファイアウォールによる外部不正アクセスの防止、ウィルス防御システムの定期更新、システム及び通信回線の二重化等にも努めております。

 

 

ハ 訴訟に係るリスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・係争・その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。

当連結会計年度において当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。しかし、今後何らかの訴訟が提起された場合、当社グループの社会的な評判や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの対応

リスク管理委員会を当社内に設置し、法律事務所等の専門家の助言を得ながらリーガルリスクの最小化、コンプライアンス違反の未然防止等に努めております。

 

 

ニ 人材確保及び労務関連リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、人材を最大の経営資本と位置付けており、人材こそが企業競争力の源泉であり、当社グループが将来にわたって持続的な成長を遂げていくための原動力であるという考えのもと、従業員一人ひとりが活躍しやすい環境・仕組みづくりを推進しております。

また、当社グループが推進する新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存設備への追加投資等を行っており、事業運営には多様な人材が必要となっております。

紙専門商社を起源とし主に国内卸売事業を営む当社と異なり、製紙加工事業や環境原材料事業等を営むグループ各社は工場や作業所等を有しているため、関連法令、設備、操業に精通した経営人材の育成に取り組んでいく必要があります。また、長期ビジョン2030にて当社グループのあるべき姿のひとつとして「世界最強の紙流通企業グループ」を掲げる中、海外卸売事業における在外子会社の経営管理に長けた人材の育成にも取り組んでいく必要があります。

しかしながら、日本における少子高齢化による新卒学生数の減少や、日本を含む一部先進国における労働人口の減少等により、適切で十分な人材の確保が困難となった場合及び従業員の退職により人材が流出した場合には、当社グループの事業継続及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、世界的なコロナ禍を契機とした働き方の変容や、女性の活躍促進、高齢者・外国人労働者の雇用促進、企業の生産性向上といった社会の動きによって就業構造や企業の採用環境が変化することも考えられるため、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。

 当社グループの対応

当社グループは、事業を展開する各国において法令に基づく適正な労務管理等により、労務関連のリスクの低減に継続的に取り組むとともに、中期経営計画2023で掲げる「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニーへの進化」を遂げるために、従業員の満足度をより高めつつ、広く社会から信頼される魅力ある企業グループを目指して、多様な人材の確保を強化してまいります。

また当社は、従業員が働きやすい環境や制度の拡充に積極的に取り組んでおります。

・働き方改革(時間外勤務削減、有給休暇取得促進、シフト勤務・(育児)短時間勤務拡張(法定以上)・勤務地限定制度等の柔軟な働き方拡張、在宅勤務制度、EAP相談室、育児介護休業法改正への対応推進等)

・採用の多様化・強化(キャリア採用の推進、退職者の再雇用、新卒採用強化(オンライン説明会、1Day仕事体験等)、障がい者雇用の推進等

・定年延長の実施(65歳定年とする。60歳以降も処遇は59歳以前と変わらず一律の役職定年も設けない制度とし、60歳選択定年も可能(5年間の経過措置)等)

・人材育成(各種研修(階層別、選択型)、海外派遣研修制度、自己啓発支援制度、新入社員指導員制度等)

 

 

ホ 有形固定資産の減損リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社グループは、国内卸売事業や海外卸売事業における事務所や倉庫、製紙加工事業や環境原材料事業における生産設備並びに、不動産賃貸事業における賃貸用不動産等の固定資産を保有しておりますが、将来の経済状況が悪化し、収益性が有形固定資産の回収可能価額を下回った場合、有形固定資産の減損が発生する可能性があります。

有形固定資産の減損については、兆候の有無を判定し、兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。

 影響を受けるセグメントと対応

国内卸売

連結子会社の財政状態、経営成績について定期的に収集し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。

海外卸売

製紙加工

環境原材料

不動産賃貸

 定期的に物件ごとの回収可能価額を調査し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。

 

 

ヘ 繰延税金資産の回収可能性リスク

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

当社及び連結子会社は、日本及び様々な税務管轄において法人税を課されており、通常の営業活動において連結会社間の移転価格取引により最終的な税額の決定に不確実な状況が多く生じております。
 また、当社グループは多くの税務管轄において税務当局から継続的な調査も受けております。
 当社グループが計上している税金引当額、及び繰越欠損金や繰越税額控除を含む繰延税金資産の帳簿価額の計算には高度な判断と見積り(将来の課税所得の見積りを含む)が必要となっており、それらの変動によって繰延税金資産の回収可能性は影響を受け、将来の税金費用の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
 一部の税務管轄において、繰越欠損金又は繰越税額控除の使用が、翌期以降の課税所得に対する一定の水準に制限されており、ある特定の要因の所得との相殺にしか使用できない場合があります。その場合、課税所得が発生した税務管轄において、多額の繰越欠損金又は繰越税額控除があるにもかかわらず、税金の支払いが発生するため税金費用を計上する可能性があります。

なお、繰延税金資産の金額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (税効果会計関係)」に記載しております。

 当社グループの対応

当社グループでは当社及び連結子会社が計上する繰延税金資産について、回収可能性を定期的に見直し、必要に応じて増額・減額を行っております。

 

 

ト 新型コロナウイルス感染再拡大の影響

・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響

新型コロナウイルスの感染が再拡大した場合、感染拡大防止のための外出禁止措置等により、世界各国・地域において社会経済活動が大きな影響を受け、印刷用紙等の需要が減少するなど、当社グループ事業拠点のある国内外の各地域において影響が発生する可能性があります。

 当社グループの対応

当社グループでは、コロナ禍において、取引先・従業員等関係者の安全を第一に考え、さらなる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策を徹底するとともに、あらゆるコストの削減を図る一方で、リモートワークのITインフラの整備等を実施し、業績の底上げに全力を尽くしてまいりました。

感染再拡大時においても取引先・従業員等関係者の安全を第一に考慮し、感染拡大防止に取り組むとともに、事業継続を図ってまいります。

 

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なもの

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 貸倒引当金

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積り計上しておりますが、将来において、取引先の財務状況等が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

経営者は、貸倒引当金は十分に計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループにおいて貸倒引当金を増額又は減額する可能性もあります。

 

② のれんの減損

当社グループにおけるのれんの残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは、企業買収により取得した子会社の将来の超過収益力として連結貸借対照表にのれんを計上し、その効果の発現する期間(5~20年)を個別に見積り、当該期間にわたり均等償却を行っております。ただし、金額が僅少なものについては、発生年度に全額償却しております。

経営者は当連結会計年度末におけるのれんの資産性について、償却期間及び金額は適切であると判断しております。ただし、これらの前提条件には子会社の業績や事業計画等を基にした判断が含まれており、経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、将来において当初想定した子会社の収益力等が見込めなくなった場合にはのれんの減損損失が計上される可能性があります。

 

③ 投資有価証券の減損

当社グループは、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関、関係会社等、業務上密接な関係にある企業の株式等を保有しており、これらの有価証券の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

なお、当該株式の減損にあたり市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、個々の銘柄の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、「著しく下落し、回復可能性がないもの」と判定し処理しております。個々の銘柄の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合も「著しく下落した」とする判定基準を設け、この場合の時価の回復可能性について過去の時価の推移に基づく一定の形式基準により判定し処理しております。また、市場価格のない株式については、個々の銘柄の1株当たり簿価純資産額が帳簿価額を50%以上下回っている場合及び保有資産に大幅な含み損がある可能性のある場合について、当該会社の資産の時価額を加味及び業績見通し等を勘案したうえで減損処理の要否を四半期ごとに判断し、決定しております。

将来において、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。

経営者は、所有する有価証券の公正価値の評価は合理的であると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により有価証券の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループにおける公正価値評価額が変動する可能性もあります。

 

④ 固定資産の減損

当社グループは、多くの有形固定資産及び無形固定資産を保有しており、これらの固定資産の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは固定資産の減損会計を適用しており、減損会計では、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識、減損損失の測定の各過程で、将来キャッシュ・フロー等の見積りを要します。

経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断に関する評価は合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により固定資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社グループが追加で減損損失を認識する可能性もあります。

 

⑤ 繰延税金資産の回収可能性

当社グループにおける繰延税金資産の残高は多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっております。

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。繰延税金資産の回収可能性は毎連結会計年度末日に見直し、課税所得の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。

経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、これらの見積りによる繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 財政状態の状況

① 当期の財政状態の概況

イ 資産の部                                                              (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

総資産

338,939

385,129

46,190

113.6

 

流動資産

183,075

240,028

56,953

131.1

 

固定資産

155,784

145,041

△10,743

93.1

 

 

有形固定資産

109,374

99,222

△10,152

90.7

 

 

無形固定資産

3,629

5,586

1,957

153.9

 

 

投資その他の資産

42,781

40,233

△2,548

94.0

 

繰延資産

80

61

△20

75.4

 

 

ロ 負債の部                                                                (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

総負債

238,623

256,834

18,211

107.6

 

流動負債

164,535

192,456

27,921

117.0

 

固定負債

74,088

64,378

△9,710

86.9

 

 

 

ハ 純資産の部                                                            (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

純資産

100,317

128,295

27,978

127.9

 

株主資本

84,129

108,410

24,281

128.9

 

その他の包括利益累計額

8,692

9,946

1,254

114.4

 

新株予約権

83

76

△8

90.7

 

非支配株主持分

7,412

9,864

2,452

133.1

 

 

ニ セグメントごとの資産の概況                                              (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

105,963

116,679

10,716

110.1

海外卸売

78,726

107,308

28,582

136.3

製紙加工

56,536

66,297

9,760

117.3

環境原材料

35,224

36,302

1,077

103.1

不動産賃貸

35,120

22,976

△12,144

65.4

調整額

27,370

35,568

8,198

130.0

 うち、全社セグメント

56,147

67,166

11,019

119.6

 

 

② 当期の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、当社が東京都中央区に所有する固定資産の一部譲渡等に伴い有形固定資産が減少したものの、当該譲渡の収入による預金の増加や、売上債権及び棚卸資産の増加、また、為替換算の影響による増加等により、前連結会計年度末に比べて46,190百万円増385,129百万円となりました。

総負債は、未払法人税等の増加や仕入債務の増加、また、為替換算の影響による増加等により、前連結会計年度末に比べて18,211百万円増の256,834百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて27,978百万円増の128,295百万円となりました。

 

(3) 経営成績の状況

① 経営成績の状況の概要

イ 経営成績の状況の概要                                                    (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

売上収益

444,757

545,279

100,522

122.6

売上総利益

72,454

86,324

13,870

119.1

営業利益

14,064

20,264

6,200

144.1

経常利益

15,051

21,233

6,181

141.1

税金等調整前当期純利益

19,084

39,563

20,479

207.3

当期純利益

12,695

26,824

14,128

211.3

非支配株主に帰属する当期純利益

1,196

1,432

236

119.8

親会社株主に帰属する当期純利益

11,499

25,392

13,892

220.8

 

 

ロ 当期の経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益545,279百万円前期比22.6%増)、営業利益20,264百万円同44.1%増)、経常利益21,233百万円同41.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、当社が東京都中央区に所有する固定資産の一部譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益に計上したこと等により、前期比120.8%増25,392百万円となりました。売上収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は共に過去最高となりました。

 

 

② セグメントごとの経営成績

イ 当期の経営成績のセグメント別の概況

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

外部売上収益                                 (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

173,967

183,516

9,549

105.5

(構成比)

39.1

33.7

 

 

海外卸売

202,211

281,858

79,647

139.4

(構成比)

45.5

51.7

 

 

製紙加工

41,545

48,945

7,400

117.8

(構成比)

9.3

9.0

 

 

環境原材料

21,828

26,776

4,948

122.7

(構成比)

4.9

4.9

 

 

不動産賃貸

5,206

4,184

△1,022

80.4

(構成比)

1.2

0.8

 

 

 

(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

セグメント利益(経常利益)                        (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

国内卸売

4,298

5,359

1,061

124.7

(構成比)

24.6

21.6

 

 

海外卸売

5,678

12,579

6,901

221.5

(構成比)

32.5

50.6

 

 

製紙加工

4,199

3,614

△585

86.1

(構成比)

24.1

14.5

 

 

環境原材料

1,743

1,906

163

109.3

(構成比)

10.0

7.7

 

 

不動産賃貸

1,529

1,406

△122

92.0

(構成比)

8.8

5.7

 

 

 

 

ロ 当期の経営成績のセグメント別の分析

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

「国内卸売」

紙は、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限が緩和されたことによる社会経済活動の正常化に伴い、イベント向けのチラシやパンフレットなど一部需要回復の動きが見られたものの、定期雑誌の発行部数減少の影響やPPC用紙の販売数量減少等の影響が大きく、販売数量は前期に比べ減少しました。

板紙は、通販関連や加工食品向けの需要が堅調に推移し、また人流の回復に伴い土産や贈答品向けの需要の回復が見られたものの、自動車及び機械関連向けの需要が低調に推移したことから、販売数量は前期に比べ減少しました。

電子部品関連機能材については、中国におけるゼロコロナ政策や解除後の景気低迷等の影響で半導体をはじめとする電子部品向けの需要が減少し、販売数量は前期に比べ減少しました。

売上収益は、紙、板紙ともに価格修正により販売価格が上昇したことから、前期比5.5%増183,516百万円となりました。

経常利益は、運賃や倉庫料等の販売直接費の増加があったものの、売上収益の増加や人件費等の減少により、前期比24.7%増5,359百万円となりました。

 

「海外卸売」

主要拠点である米国、英国、豪州において、社会経済活動の正常化に伴う需要の回復に加え、原燃料価格の高騰に起因する複数回にわたる価格修正が需給ひっ迫の環境下で浸透し販売金額が増加しました。本邦からの輸出においては、第3四半期連結会計期間後半より中国や東南アジアにおける需要の減少が見られたものの、当期を通じて板紙の販売数量が増加したことに加えて、紙及び板紙の販売価格が上昇しました。以上の結果に加えて為替換算の影響もあり、売上収益は前期比39.4%増281,858百万円となりました。

経常利益は、運賃や人件費、支払利息等の増加があったものの、売上収益の増加が上回り、特に米国、英国において大幅な増益となったことから、前期比121.5%増12,579百万円となりました。

 

「製紙加工」

段ボール原紙製造事業において販売数量が減少したものの、インドネシアの段ボール事業及び国内再生家庭紙製造事業において販売数量が増加したことに加えて、段ボール原紙製造事業及び国内再生家庭紙製造事業において価格修正により販売価格が上昇したこと等により、売上収益は前期比17.8%増48,945百万円となりました。

経常利益は、段ボール原紙製造事業及び再生家庭紙製造事業における原燃料価格及び電力価格の高騰による製造費用の増加により、前期比13.9%減3,614百万円となりました。

 

「環境原材料」

国内古紙事業において、主に新聞古紙及び雑誌古紙の発生数量の減少に伴い販売数量が減少した一方で販売価格が上昇したことに加え、米国古紙事業における販売数量が増加したことにより、古紙事業全体の売上収益は増加しました。さらに、国内及び海外製紙メーカー向けのパルプ及び木質バイオマス発電所向けの燃料の販売数量が増加し、販売価格も上昇したことにより、売上収益は前期比22.7%増26,776百万円となりました。

経常利益は、木質バイオマス発電事業において燃料価格の高騰など製造コストの増加により減益となったものの、米国古紙事業及び木質バイオマス発電所向け燃料販売事業の売上収益が増加したことにより、前期比9.3%増1,906百万円となりました。

 

「不動産賃貸」

主要テナントビルにおける一部空室の発生及び当社が東京都中央区に所有する固定資産の一部譲渡により賃貸料収入が減少し、売上収益は前期比19.6%減4,184百万円となりました。

経常利益は、固定資産の一部譲渡に伴い減価償却費及び不動産管理費等の減少があったものの、売上収益の減少が上回り、前期比8.0%減1,406百万円となりました。

 

③ 地域別・製品別の売上収益

イ 地域別売上収益                               (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

日本

221,997

239,774

17,777

108.0

(構成比)

49.9

44.0

 

 

アジア

67,946

82,569

14,623

121.5

(構成比)

15.3

15.1

 

 

北米

63,574

99,475

35,901

156.5

(構成比)

14.3

18.2

 

 

オセアニア

36,792

44,496

7,704

120.9

(構成比)

8.3

8.2

 

 

欧州

49,834

71,881

22,047

144.2

(構成比)

11.2

13.2

 

 

その他地域

4,614

7,084

2,470

153.5

(構成比)

1.0

1.3

 

 

海外売上収益計

222,760

305,505

82,745

137.1

(構成比)

50.1

56.0

 

 

 


 

 

ロ 製品及びサービス別売上収益                         (単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度比

289,114

340,824

51,710

117.9

(構成比)

65.0

62.5

 

 

板紙

68,390

100,420

32,030

146.8

(構成比)

15.4

18.4

 

 

パルプ

8,628

14,101

5,474

163.4

(構成比)

1.9

2.6

 

 

古紙

15,860

17,214

1,354

108.5

(構成比)

3.6

3.2

 

 

その他

62,766

72,719

9,954

115.9

(構成比)

14.1

13.3

 

 

 

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2021年度を初年度とした3年間の中期経営計画『中期経営計画2023』(以下、「中計2023」といいます。)を策定しております。中計2023最終年度である2023年度の目標としました連結財務指標目標及び進捗実績は以下のとおりです。

連結財務指標目標

前連結会計年度(実績)

当連結会計年度(実績)

2023年度目標

経常利益

15,051百万円

21,233百万円

15,000百万円

(セグメント別経常利益)

 

 

 

国内卸売

4,298百万円

5,359百万円

5,000百万円

海外卸売

5,678百万円

12,579百万円

3,000百万円

製紙加工

4,199百万円

3,614百万円

6,000百万円

環境原材料

1,743百万円

1,906百万円

1,500百万円

不動産賃貸

1,529百万円

1,406百万円

1,500百万円

調整額

△2,396百万円

△3,632百万円

△2,000百万円

自己資本利益率(ROE)

13.0%

24.0%

8.0%

総資産経常利益率(ROA)

4.6%

5.9%

4.0%

投下資本利益率(ROIC)

4.9%

6.5%

5.0%

ネットD/Eレシオ

1.06倍

0.66倍

1.40倍以下

 

 

中計2023の2年目となる当期においては、経常利益をはじめ、ROA、ROE等すべての連結財務指標につき、最終年度目標を上回る結果となりました。引き続き、最終年度目標の着実な達成に向けて、中計2023の各方針に基づく施策に取り組んでまいります。

中計2023につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題」、2024年3月期の連結業績予想につきましては、「(6) 今後の見通し」をご参照ください。

 

 

⑤ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

製紙加工    

39,823

122.4

環境原材料

4,229

102.8

 

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

 

ロ 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

国内卸売      

146,341

105.2

海外卸売      

237,724

138.8

環境原材料

21,139

128.1

 

 

(注) 1 金額は仕入価格によっております。

2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

3 上記の金額は、収益認識会計基準等適用後の数値となります。

  なお、前連結会計年度においても収益認識会計基準等適用後の数値で集計を行い、前連結会計年度比を算出しております。

 

 

ハ 受注実績

当社グループは、主として需要等を勘案した見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

ニ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、「(3) 経営成績の状況 ② セグメントごとの経営成績 イ 当期の経営成績のセグメント別の概況」に記載しております。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて17,819百万円増加し、30,550百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加等があったものの、売上債権及び棚卸資産の増加等により、304百万円の収入となりました(前期は14,007百万円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却等により23,673百万円の収入となりました(前期は4,078百万円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済や配当金の支払等により10,086百万円の支出となりました(前期は9,833百万円の支出)。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、中計2023において策定した連結財務指標目標に掲げましたように、各事業活動に必要とされる運転資金及び投融資資金の確保について、直接金融または間接金融における多様な手段の中から調達時点の市場環境等を考慮して資金調達を実施しております。また、当社グループのさらなる成長に必要な事業投資の継続と財務状況の健全性維持の両立を基本方針としております

 

イ 資金調達手段

当社グループは、上記の資金調達の基本方針に則り、M&Aや設備投資資金ならびに運転資金といった資金使途を踏まえ、営業活動によって獲得されたキャッシュ・フローをベースに、直接金融市場においては社債及びコマーシャル・ペーパーを発行し、間接金融市場では銀行借入による長期借入金や短期借入金に加えて十分な当座貸越枠を確保しております

また、資金調達手段の多様化を図ることで、資金使途及び調達環境の情勢に応じた有利な手段を選択し、機動的な資金調達を実施しております

 

「フリー・キャッシュ・フロー」                      (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

14,007

304

△13,703

投資活動によるキャッシュ・フロー

△4,078

23,673

27,751

フリー・キャッシュ・フロー

9,929

23,977

14,048

 

 

「有利子負債明細」                            (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

コマーシャル・ペーパー

8,000

△8,000

社債         (※1)

30,011

30,000

△11

直接調達

38,011

30,000

△8,011

短期借入金

39,024

48,400

9,376

長期借入金      (※2)

33,635

30,487

△3,148

間接調達

72,659

78,887

6,228

有利子負債合計

110,670

108,887

△1,784

 

     (※1)一年内償還予定分の残高を含みます。

     (※2)一年内返済予定分の残高を含みます。

 

ロ 資金の効率化

当社グループは、グループ内の資金効率向上を目的として、グループ各社における余剰資金の集中と配分を行うべく、グループファイナンス制度を国内及び海外の各地域にて導入しております

 

ハ 財務指標目標

当社グループは、中計2023にて策定した財務指標目標に対して、基幹事業である紙・板紙の卸売事業で必要な運転資金の安定的な調達と、事業の多角化及びグループ経営の強化につなげる成長投資資金の調達余力を確保するため、営業活動の収益性向上、保有資産の効率的活用、ネットD/Eレシオや自己資本比率といった財務の健全性を示す経営指標の向上に取り組んでまいります

 

 

 「財務指標」

 

中期経営計画2023目標

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本利益率(ROE)

8.0%

13.0%

24.0%

総資産経常利益率(ROA)

4.0%

4.6%

5.9%

投下資本利益率(ROIC)

5.0%

4.9%

6.5%

ネットD/Eレシオ

1.40倍以下

1.06倍

0.66倍

 

 

ニ 株主還元

当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要施策のひとつとして位置づけ、長期にわたる経営基盤の安定と強化に努め、企業価値の向上を目指しております。配当の方針につきましては、安定的な配当を継続して行うことを基本方針とし、連結業績の動向を勘案して配当性向や純資産配当率を意識しながら実施しております。

なお、当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる。」旨を定款に定めております。

(配当基準日 期末配当:毎年3月31日、中間配当:毎年9月30日)

 

(5) 連結の範囲

連結の範囲につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「1.連結の範囲に関する事項」及び「2.持分法の適用に関する事項」に記載しております。

 

(6) 今後の見通し

紙の需要は、新型コロナウイルス感染状況の変化による社会経済活動の正常化に伴い一定程度回復したものの、国内における人口減少や世界的なデジタル化の進展などを背景に、当社グループの主要マーケットにおいては引き続き縮小することが想定されます。一方、板紙の需要は引き続き堅調に推移するとともに、国内においてはインバウンド需要の回復による増加が見込まれます。

2024年3月期については、2023年3月期に取り組んだ価格修正により売上収益の増加が見込まれるものの、海外卸売事業においては、流通在庫の膨張とアジアメーカー等による売り姿勢により市況価格が弱含みとなり、昨年の価格修正により大幅拡大した利益率の縮小が見込まれます。一方、製紙加工事業においては、電力費や燃料価格の高騰による製造費用の高止まりが想定されるものの、前年度、段階的に行った価格修正が通年にわたり収益改善に寄与することが見込まれます。これらを踏まえて、2024年3月期の連結業績予想は、営業利益18,000百万円(前期比11.2%減)、経常利益17,000百万円(同19.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11,000百万円(同56.7%減)としております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。