第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績に係る検討と分析 ③各オペレーティング・セグメントにおける経営成績」を参照願います。

 

(2)キャッシュ・フロー

7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)流動性と資金調達の源泉 ⑥キャッシュ・フローの状況」を参照願います。

 

2【仕入、成約及び売上の状況】

(1)仕入の状況

各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しております。

 

(2)成約の状況

各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しております。

 

(3)売上の状況

7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項6.「セグメント情報」を参照願います。

(注) 当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。4「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の業績、財政状況またはキャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。

 

(1)前中期経営計画の総括

2014年5月に公表した前中期経営計画「Challenge & Innovation for 2020 ~三井物産プレミアムの実現~」の総括は次のとおりです。

 

①定量目標の達成状況

2014年後半からの商品市況の悪化は想定を遥かに上回り、2016年3月期には多額の減損損失を主因に当社創業以来初めての連結業績赤字を計上しました。2016年の前半に商品価格は底を打ち、資源エネルギー分野の業績は回復してきましたが、当初想定した水準には届きませんでした。一方、これまで収益基盤を強化してきた安定収益型事業の業績も一定水準には達してきているものの、資源エネルギー分野での業績下押しを補完するまでには至らず、結果として2017年3月期のEBITDA目標(1兆円水準)及び親会社所有者帰属持分利益率(ROE)目標(10~12%)はいずれも未達となりました。このことを踏まえて、新中期経営計画では、大きな経営環境の変化にも十分に耐えうる収益基盤の確立を図ります。

 

 

2014年3月期

(IFRS)

2017年3月期

(IFRS)

EBITDA(*1)

8,196億円

5,961億円

当期利益(親会社の所有者に帰属)

3,501億円

3,061億円

基礎営業キャッシュ・フロー(*2)

6,089億円

3年間累計 1.6兆円

ネット有利子負債

3兆1,788億円

3兆2,821億円

親会社の所有者に帰属する持分

3兆8,158億円

3兆7,322億円

親会社所有者帰属持分利益率

9.7%

8.6%

ネットDER

0.83倍

0.88倍

(*1)EBITDA=売上総利益-販売費及び一般管理費+受取配当金+持分法による投資損益+減価償却

(*2)基礎営業キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー-営業活動に係る資産・負債の増減

 

②強靭なキャッシュ創出力に裏打ちされた「新規事業」への投資と「株主還元」の両立

前中期経営計画3年間累計でのキャッシュ・フローの実績は以下のとおりです。

基礎営業キャッシュ・フローは、商品市況の大幅な悪化に伴い、計画(1.8~2.0兆円)を下回り、1.6兆円の資金獲得となりました。一方で、資産リサイクルは0.8兆円の資金獲得となり、計画(0.7~0.9兆円)を達成し、資金獲得の合計は2.4兆円となりました。既存事業及びパイプライン案件(*3)への投資は、投資規律を徹底し、投資額圧縮・出資時期変更・案件絞り込みを継続した結果、計画(1.5兆円)を下回り、1.1兆円の資金支出となりました。基礎営業キャッシュ・フローの減少に対し投資支出を圧縮した結果として、Recurring Free Cash Flow(*4)は計画(1.0~1.4兆円)どおり1.3兆円の資金獲得となり、このうち0.8兆円を新規投資へ充当した結果、フリーキャッシュ・フローは計画どおり0.5兆円の黒字を達成しました。株主還元は、配当3,275億円に加え475億円の自己株式取得を実施し、総還元額は3,750億円と、新規投資と株主還元をバランス良く両立させました。

(*3)2014年5月時点で推進方針が決定・開示されていた案件

(*4)経常的なフリーキャッシュ・フロー

 

 

前中期経営計画

目標

前中期経営計画

3年間累計実績

基礎営業キャッシュ・フロー…(a)

+1.8~2.0兆円

+1.6兆円

資産リサイクル…(b)

+0.7~0.9兆円

+0.8兆円

既存事業+パイプライン案件への投資…(c)

△1.5兆円

△1.1兆円

Recurring Free Cash Flow…(d)=(a)+(b)+(c)

+1.0~1.4兆円

+1.3兆円

新規投資…(e)

株主還元と両立

△0.8兆円

フリーキャッシュ・フロー…(f)=(d)+(e)

黒字化

+0.5兆円

株主還元

新規投資と両立

△0.4兆円

 

③当社の強みを活かした「攻め筋」の確立、「既存事業」の収益基盤強化と「パイプライン案件」の完遂

戦略的取組分野である7つの「攻め筋」において、各オペレーティング・セグメントにおける専門性を横断的に繋ぐ、「総合力」を発揮した取組が定着してきました。また、既存事業が強化され、パイプライン案件も着実に進捗し、これらが、当社の企業価値を支える良質かつ競争力のある資産として、新中期経営計画中に当社の収益力を押し上げる見込みです。

 

前中期経営計画中の主な成果

攻め筋

成果

ハイドロカーボン

チェーン

・米国 Cameron LNGプロジェクト(最終投資決定・工事進捗)

・米国 メタノール製造事業(生産開始)

・米国 化学品タンクターミナル事業(Phase1稼働開始、Phase2拡張進捗)

・豪州 Kipperガス田(権益取得)

・豪州 Greater Enfield油田開発(最終投資決定)

資源(地下+地上)

・素材

・豪州 West Angelas鉄鉱山、Cape Lambert港(拡張完了)

・モザンビーク 炭鉱・インフラ開発(権益取得)

・ノルウェー 炭素繊維製品製造事業(出資)

・韓国 炭素繊維中間基材加工事業(出資)

食糧と農業

・米国 Novusメチオニン製造・販売事業(増資引受・増設方針決定)

・米国 麦用種子処理殺菌剤Latitude®(買収)

インフラ

・ブラジル ガス配給事業の拡充(出資)

・インドネシア Tanjung Priok港コンテナターミナルの建設・運営(操業開始)

・FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)(出資・完工)

・IPP事業(出資・完工)

モビリティ

・ブラジル VLI一般貨物輸送事業(出資)

・英国 旅客鉄道事業(出資)

・米国 トラックリース事業(出資)

・スペイン Gestamp自動車部品事業(出資)

メディカル・ヘルスケア

・米国 NovaQuest新薬開発ファンド(事業拡大)

・アジア・大洋州 医療情報サービス事業(共同買収)

・アジア DaVita透析事業(出資)

・アジア Columbia Asia病院運営(出資)

・パナソニックヘルスケア医療機器(出資)

衣食住と

高付加価値サービス

・米国 IoT・データ解析(出資)

・バミューダ NOCM再保険アセットマネジメント事業(出資)

・米国 CIM不動産アセットマネジメント事業(出資)

 

(2)経営環境

全般

注:本項目は、2017年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経済環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。

 

当連結会計年度の世界経済は、国際商品市況の底打ちにより景況感が改善し、生産や貿易にも回復がみられたことから、米国を中心に総じて底堅い成長となりました。

米国は、雇用増や賃金上昇を背景に個人消費が持ち直しており、当面は景気回復が続くと見込まれるものの、一部に景気の成熟感がみられ、FRBの利上げによる自動車販売などへの影響も懸念されます。欧州では、個人消費が増加し緩やかな景気回復が続いていますが、英国のEU離脱交渉など不確実性の高まりから今後は景気回復のペースが落ちていくと見込まれます。日本は、海外経済の持ち直しを受けて輸出が伸びており、オリンピック・パラリンピック関連投資の本格化も期待されることから、今後も持ち直しが続くとみられます。中国では、過剰な設備や債務の調整などに伴う成長鈍化が続いていますが、当面はインフラ投資の拡大や世界的なIT需要の増加により、減速は緩やかなものに留まると予想されます。また、ロシアやブラジルでも、商品価格の底打ちにより緩やかな景気回復が見込まれます。

世界経済は、今後も緩やかな回復基調を辿るとみられますが、米国新政権が掲げる政策の進捗状況や、中東や東アジアを巡る地政学リスクの高まりには、注意が必要です。

 

②鉄鋼製品セグメント

2016年暦年の世界の粗鋼生産は約16億トンと前年と同水準になり、世界粗鋼生産のほぼ半分を占める中国の供給過剰を背景に、厳しい事業環境が継続しています。このような環境を受け、製鉄業統合に伴う鋼材流通分野の競争が激化し、更なる業界再編が生じる可能性があります。

中長期的には、国内の鉄鋼市場が人口減少などにより緩やかに縮小する一方で、米州・アジアを牽引役とした世界経済の回復に伴い、鉄鋼需要は増加していく見通しで、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。

 

③金属資源セグメント

短期的には中国や新興国の成長鈍化などにより市況低迷が当面継続するリスクがありますが、鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、その原料に対する需要は長期的な伸びが見込まれます。一方、開発・生産コストの上昇や既存鉱山の枯渇や品位悪化に加え、優良未開発案件には限りがあるため、供給が追いつかず、長期的には需給は逼迫していく見込みです。当セグメントが携わる金属資源分野は、引続き重要性が高いビジネスです。

 

④機械・インフラセグメント

人口増加・経済発展の著しい新興諸国では、電力・水・物流などの基幹インフラ整備の需要、先進国ではインフラ老朽化による改修需要や、環境負荷の低い再生可能エネルギーの急速な広がりなど低炭素社会へのインフラ投資需要が拡大しています。また、エネルギー分野では、資源開発にかかる設備の高度化・大型化・複雑化により、総合的な開発需要の増加が期待されます。例えば、米国においては、シェールガス・オイルの開発により、開発インフラのみならず、パイプライン輸送や下流の化学品製造、ガス火力発電、LNG出荷設備などのニーズが生じています。他方、先進国を中心とした各国中央銀行による量的緩和を背景に、政策金利は歴史的な低水準となっており、運用先を求める資金の増加から、安定収益を見込めるインフラ案件への関心は高まっており、引続き重要性が高いビジネスです。

新興国経済の成長に伴い、中長期的には資源・エネルギー需要も増加、それに伴い鉱山機械需要は回復、また陸海ともに物流増加による市況回復が期待されます。製造業回帰の進む米国の景気回復基調は、当社の自動車・トラック・工作機械・建設機械事業では追い風となります。新興国における経済成長に伴う環境問題への関心の高まりや、渋滞緩和に向けた公共交通機関へのモーダルシフトによる旅客・貨物鉄道整備の需要も高まると見込まれます。世界的に経済成長が緩やかながら続くことから、中長期的には航空旅客は増加し、機体・エンジン需要も伸びると期待されます。一方、地球温暖化、人口増、都市化、高齢化が進むと共に、素材、エンジン、AIを駆使した自動運転など、多様な技術革新が生まれ、また実用化されようとしています。人々の意識はそれらに応じて変化が生じており、安全・環境意識の高まりに加えて、移動手段について、所有から利用へのシフトが進んでいます。これらを背景に、業界慣習を超えた多様かつ革新的なビジネスモデルが、業種を超えて出現しつつあり、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。

 

⑤化学品セグメント

シェール革命により、北米の石化事業の競争力が回復し、中東と並ぶ供給拠点になっています。また、プラント大型化と生産能力増加により、石化中間体のコモディティ化が加速し、コスト競争力の高い原料確保の重要性がますます高まっています。一方、中国や東南アジアでの地産地消化の進展に加え、日本や欧州での石化プラント統廃合の動きなど構造変化の進捗により、石油化学品のトレードフローにも変化が起こっています。

機能・先端材料およびスペシャリティケミカルの領域では、環境意識の高まりやQuality Of Lifeの向上、技術革新の進展といった世界的なマクロ環境を背景に、軽量化と電装化が進む「自動車」、食品・洗剤・パーソナルケアなどの「コンシューマープロダクツ」、スマートフォンの液晶ディスプレイ・ロボティクス・ヘルスケアなどの「ICT・新産業」の3つの成長領域に特に着目しております。

農業化学や食品・栄養科学の領域では、世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い食糧増産ニーズが、また中間所得者層の増加や健康意識の向上に伴い食の高付加価値ニーズが増大し、市場は引続き拡大すると見込まれます。

 

⑥エネルギーセグメント

世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は今後も増加する見込みであり、中長期的に石油・天然ガス・石炭・原子燃料が主要一次エネルギーとして継続する見通しです。

原油市況は、中長期的には需要が増加する一方で、供給面では新規上流投資抑制による開発鈍化の影響、より高コストの油田開発必要性等により、緩やかな上昇基調を見込んでいます。

LNG市況は、短期的には豪州・米国などにおける新規大型LNGプロジェクトの立ち上がりに比し需要の伸長ペースが合わず、供給過剰の状態が当面継続する見込みですが、中長期的には新興輸入国の市場拡大や燃料転換等による堅調な需要伸長を背景に、2023年頃には需給ギャップが解消する見込みです。

当社は、E&P及びLNGプロジェクトを含む上流事業では主体的な取組みを強化し、市況下落による開発費用などの低下局面を活かして収益性を向上させ、未開発埋蔵量の開発促進や優良資産の取得を通じ、より強固な収益基盤の構築をさらに進めています。又、グローバルな事業推進・物流体制の強化によりプレゼンスを一層高めるとともに、新興国を中心とした新たな需要の取り込みや当社機能を通じた発電所・ターミナル等のインフラ事業への取組みなど、上流から中~下流までバリューチェーンで事業を展開し収益基盤を強化、事業ポートフォリオの持続的な価値創造力を高めていきます。

気候変動対応として、よりクリーンなエネルギーへのシフトや低炭素社会への対応が期待されています。急激な技術革新によるコスト低減を背景に、太陽光・風力等を中心とする再生可能エネルギーの増加率は高く、増加ペース次第では一次エネルギー供給構成に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は長期的な視点からエネルギービジネスのトレンドを捉えて、次世代を睨んだポートフォリオの構築を進めると共に、総合的なエネルギーの安定供給を通じて社会の持続的な成長に貢献していきます。

 

⑦生活産業セグメント

世界的な人口増加・世界経済の成長を背景に、食糧需要は今後も持続的に増加する見込みですが、先進国を中心とした農業人口の減少や気候変動による生産適地の変化などを背景に、食糧供給地の偏在化が進んでおり、食糧資源の確保と安定供給へのニーズが一層高まると予想されます。また、世界的な中間所得者層の増加に伴い、食糧需要は美味しさや動物性たんぱく質嗜好など高度化が進み、更に高齢化も相俟って健康向上・疾病予防・安全・安心など多様化が進んでおり、これら食の高付加価値ニーズへの対応も求められるようになります。

成熟した日本の消費市場では、人口減少や少子高齢化などにより、消費量は緩やかに減少していく見通しです。量だけでなく、高齢化や女性の社会進出による共働き世帯・少人数世帯の増加などに伴うライフスタイルの変化を背景に、例えば医療・健康の重視や利便性・安全性の追求など、求められるサービスの質も大きく変化しています。

アジアを中心とした新興国では、人口増加と高齢化、中間所得者層の拡大、経済発展に伴う慢性疾患の増加など疾病構造の変化に伴い、医療費支出の伸びが加速しています。一方、医療サービスの供給が追い付いておらず、医療の需給ギャップは更に拡大していくことが見込まれます。今後、質の高い医療サービスの供給を増やすことと、医療費支出を抑制していくという難しい課題への対応が求められるようになります。

 

⑧次世代・機能推進セグメント

ICT事業分野においては、デバイスの進化やSNS、IoTの普及に伴い、文書・写真・音声・動画・センサー情報などのデジタルデータが急激に増加しています。従来社会や自然の中で埋没していた多種多量の構造化されていないデータを収集・解析する技術革新が進み、可視化、更にはより精度の高い予測を行なうことで付加価値が生み出されています。高度なICTサービスと実体経済が密接にかかわる次世代社会に向けて、技術革新とともに、今後も新たなサービスやビジネスモデルが創造される変化の激しい環境にあり、タイミングを逃さぬスピード感が必要とされています。

また、新興国においても、PCからモバイルへのシフト、通信インフラにおける投資の拡大、さらにはサービス分野への投資のシフトなど、目覚ましい成長が見られます。また、近年、先進国で展開されている高速ネットインフラ事業やテレビショッピング事業など、先進国で利用されているビジネスが新興国においても立ち上がってきています。中間所得者層の増加、消費の多様化、物流の充実にともない、市場規模は今後も拡大が見込まれます。

コーポレートディベロップメント分野においては、各国での規制緩和、法整備の進展などの恩恵を受け、不動産事業と金融事業の知見を融合させた不動産アセットマネジメント事業は、先進国・新興国を問わずグローバルに拡大しています。また企業が事業拡大を行う上で、経営ノウハウおよび資金の提供者であるバイアウトファンドといったPEファンドが果たすべき役割はますます重要となっています。また、機関投資家の投資リスク分散と投資先の多様化から、PEファンドは引続き魅力的なアセットクラスであると期待されています。

 

(3)新中期経営計画「Driving Value Creation」

(注)本項目は2017年5月に公表した新中期経営計画「Driving Value Creation」の一部の内容を掲載したものです。

 

①当社の目指す在り姿

当社は、今般、新中期経営計画「Driving Value Creation」」を策定しました。当社は、「自らが新たなビジネスを創り、育て、発展させる集団」であり、グループ全体に溢れるさまざまな資質や能力を持った「多様なプロ人材」が、当社グループの総合力と優れたパートナーや顧客とのネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組むことで、新たな価値を生み出していきます。この価値創造を持続的に行うことで当社の成長を加速することが「Driving Value Creation」に込められた意味です。

 

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②2020年3月期定量計画

新中期経営計画の最終年度である2020年3月期の当期利益は4,400億円、基礎営業キャッシュ・フローは6,300億円を目指し、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)は10%まで引き上げます。

 

③4つの重点施策

前中期経営計画の結果を踏まえ、環境変化とリスクに耐えうる収益基盤を確立するためには、当社が強みを有する成長領域を見極め、選別し、有限な経営資源をダイナミックに配分する必要があると考えます。また、激しい変化の中で着実に事業活動を行うために、それを支える経営基盤を更に強化していくことが求められます。これらの課題に対応するため、次のとおり4つの重点施策を定めました。

 

(a)「強固な収益基盤作りと既存事業の徹底強化」

新中期経営計画の中核分野は、金属資源・エネルギー、機械・インフラ、化学品の3つです。これらは当社の圧倒的な主力であり、生み出す基礎営業キャッシュ・フローは3年間で全体の約90%を見込みます。金属資源・エネルギーは、埋蔵量・生産量・コスト削減の三位一体の強化により、低商品価格下においても強靭なキャッシュ創出力を有する事業群です。機械・インフラと化学品も、前中期経営計画までのさまざまな取組が実を結び、収益の柱に成長しています。今後も強みの上に資産を積み増すボルトオン投資を継続し、強い事業を更に強固なものとしていきます。

 

中核分野:

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また、潜在価値を有しながらも、その実力を発揮できていない事業群の価値実現を徹底的に進めます。更には、外部環境の変化も踏まえた事業サイクルを的確に把握することで、事業の入れ替えも加速します。引き続き、トレーディングの強化も行います。「売る力」は依然として当社の重要な機能の1つであり、付加価値の高いトレーディング機能を通じてパートナーや顧客とのネットワークを更に強化し、価値創造の機会を拡大していきます。

以下の図に記載した各案件は前中期経営計画中に積み上げた良質な事業群ですが、これらを着実に立ち上げていくことで定量目標の達成につなげます。

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(b)「新たな成長分野の確立」

今後の中期的な外部環境の変化も見据えながら、当社が強みを発揮できる4つの成長分野を定め、経営資源をダイナミックに配分します。モビリティ分野では、社会ニーズの変化と環境社会への対応を見据えた、素材及び移動・輸送サービスなどの複合的な取組を行います。ヘルスケア分野では、特にアジアでの社会ニーズが増加している糖尿病などの生活習慣病への対応に焦点をあてたヘルスケア・エコシステムの構築を目指します。ニュートリション・アグリカルチャー分野では、人口動態や生活様式の変化を受けた食と農への関心の高まりに対し、農業・畜水産の生産性向上と安定供給、食の高付加価値化に取り組みます。リテール・サービス分野では、世界的に多様な消費者の力が強まり、その嗜好もさまざまに個別化していく中で、消費者ニーズに対応するためにも、最新のデジタル・ロジスティクス・金融機能を駆使した、次世代型事業の育成に取り組みます。これらの成長分野において、当社が既に有する強みを活かした新たな価値を創造することで、次の収益の柱を確立していきます。

 

成長分野:

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(c)「キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化」

前中期経営計画より当社はキャッシュ・フロー経営を重要施策としてきていますが、新中期経営計画ではこれを更に深化させます。まずは、安定的に創出可能な基礎営業キャッシュ・フローをベースに算出した配当総額を下限として設定します。また、3年間累計での株主還元後のフリーキャッシュ・フローを黒字化することで、有利子負債の水準を管理し、財務基盤の強化を図ります。下限配当控除後のフリーキャッシュ・フローは、その時々の経営状況により、追加株主還元、有利子負債の返済または追加投資に配分します。このようなキャッシュ・フロー経営の実行により、格付けについて現状のA格を維持するとともに、持続的な向上に努めます。

上述の方針に基づく、キャッシュ・フロー・アロケーション見通しは以下のとおりです。

 

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投資にあたっては、引き続き投資規律を徹底した上で、重点施策(a)・(b)に沿って案件を厳選しつつ実行します。投資配分については、中核分野に約65%とし、強い基礎営業キャッシュ・フロー創出能力の維持と強化に充て、成長分野に約35%とし、次の収益の柱の構築に充てます。

 

(d)「ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化」

当社が健全な事業活動を行い、経営の重点施策を着実に遂行するためには、それを支える経営基盤の確立が必須であり、ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化に取り組みます。ガバナンスにおいては、引き続き取締役会の多様性拡大と実効性強化に努めます。人材面では、当社グループの多種多様なプロ人材から最適と思われる人材を適所に登用していく取組を進めます。イノベーション機能に関しては、急速に進む技術革新を大きな機会と捉え、デジタル・トランスフォーメーションを積極的に推進することにより、競争力強化と生産性向上、ビジネスモデルの革新を加速させます。

 

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④利益配分に関する考え方

株主還元策については第4 提出会社の状況 3「配当政策」を参照願います。

 

(4)2018年3月期連結業績予想

①2018年3月期連結業績予想

 

[業績予想の前提条件]

 

 

期中平均米ドル為替レート

110.00

108.89

原油価格(JCC)

54ドル

47ドル

時間差を考慮した当期連結決算に反映される原油価格

53ドル

44ドル

 

(単位:億円)

2018年3月期(業績予想)

2017年3月期
(実績)

増減

増減要因

売上総利益

7,700

7,193

+507

原油・ガス価格上昇

鉄鉱石価格上昇

販売費及び一般管理費

△5,700

△5,390

△310

人件費・諸雑費増加

有価証券・固定資産

関係損益等

300

801

△501

SIMS連外化利益反動

IHH一部売却益反動

利息収支

△300

△221

△79

 

受取配当金

600

519

+81

 

持分法による投資損益

2,200

1,706

+494

資産リサイクル、IPP事業損失反動

原油・ガス価格上昇

法人所得税前利益

4,800

4,608

192

 

法人所得税

△1,400

△1,347

△53

 

非支配持分

△200

△200

0

 

当期利益

(親会社の所有者に帰属)

3,200

3,061

+139

 

 

 

 

 

 

減価償却費・無形資産等償却費

2,000

1,933

+67

 

 

 

 

 

 

基礎営業キャッシュ・フロー

5,000

4,948

52

 

 

為替レートは2017年3月期の108.89円/米ドル、81.75円/豪ドル及び33.27円/伯レアルに対し、2018年3月期はそれぞれ110円/米ドル、85円/豪ドル及び35円/伯レアルを想定します。また、2018年3月期の原油価格(JCC)を54米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を53米ドル/バレル(2017年3月期比9米ドル/バレル上昇)と想定します。

 

オペレーティング・セグメント別の当期利益(親会社の所有者に帰属)予想は以下のとおりです。

なお、2017年4月1日より、従来の地域別セグメントを商品別セグメントに集約するとともに、各報告セグメントに帰属する経費及び法人所得税の配賦方法を変更したことに伴い、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。

 

(単位:億円)

2018年3月期

(業績予想)

2017年3月期

(実績)

増減

増減要因

鉄鋼製品

100

108

△8

 

金属資源

1,500

1,443

+57

鉄鉱石価格上昇、為替、SIMS連外化反動

機械・インフラ

700

668

+32

 

化学品

300

327

△27

 

エネルギー

500

317

+183

原油・ガス価格上昇

生活産業

200

253

△53

IHH一部売却益反動

次世代・機能推進

100

110

△10

 

その他/調整・消去

△200

△165

△35

 

連結合計

3,200

3,061

+139

 

 

オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下の通りです。

当期利益(親会社の所有者に帰属)と同様、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。

 

(単位:億円)

2018年3月期

(業績予想)

2017年3月期

(実績)

増減

増減要因

鉄鋼製品

50

86

△36

 

金属資源

2,100

2,022

+78

鉄鉱石価格上昇、為替、法人税増加

機械・インフラ

800

745

+55

 

化学品

500

538

△38

 

エネルギー

1,400

1,342

+58

原油・ガス価格上昇、法人税増加

生活産業

100

83

+17

 

次世代・機能推進

50

61

△11

 

その他/調整・消去

0

71

△71

 

連結合計

5,000

4,948

+52

 

 

②2018年3月期連結業績予想における前提条件

2018年3月期連結業績予想における商品価格及び為替の前提と、商品価格及び為替の変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。

 

価格変動による2018年3月期

当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額

2018年3月期

前提

 

2017年3月期

実績

市況商品

原油/JCC

28

億円(US$1/バレル)

54

 

47

連結油価(*1)

53

 

44

米国ガス(*2)

4

億円(US$0.1/mmBtu)

3.00(*3)

 

2.55(*4)

鉄鉱石

25

億円(US$1/トン)

(*5)

 

67(*6)

10

億円(US$100/トン)

5,600

 

4,863(*7)

為替(*8)

米ドル

20

億円(\1/米ドル)

110

 

108.89

豪ドル

17

億円(\1/豪ドル)

85

 

81.75

伯レアル

4

億円(\1/伯レアル)

35

 

33.27

 

(*1)原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2018年3月期には30%が4~6ヵ月遅れで、37%が1~3ヵ月遅れで、33%が遅れ無しで反映されると想定されます。

(*2)米国シェールガスはHenry Hub(HH)に連動しない価格でも販売しているため、上記感応度はHH価格に対する直接的な感応度ではなく、加重平均ガス販売価格に対する感応度です。

(*3)HH連動の販売価格は、HH価格US$3.00/mmBtuを前提として使用しています。

(*4)NYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの2016年1月~12月の直近限月終値のdaily平均値を記載しています。

(*5)鉄鉱石の前提価格は非開示です。

(*6)複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaの2016年4月~2017年3月のdaily平均値(参考値)を記載しています。

(*7)LME cash settlement priceの2016年1月~12月のmonthly averageの平均値を記載しています。

(*8)各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る感応度であり、金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含みません。

 

) 経営成績に対する外国為替相場の影響について

2016年3月期及び2017年3月期の海外の連結子会社及び関連会社の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ1,563億円の損失と3,143億円の利益です。これらの海外所在の連結子会社及び関連会社の機能通貨は、主として米ドル、豪ドル、伯レアルです。2018年3月期連結業績予想の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。

(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず豪ドル、伯レアル建ての予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出するほか、両通貨以外の機能通貨を使用する関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を全て米ドル相当額に換算しました。これら3つの通貨別に表示された予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高は、1円当たり20億円程度の当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少をもたらすと試算されます。また、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする連結子会社及び関連会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)に係る円高の影響は、1豪ドル及び1伯レアル当たりでそれぞれ1円の円高で17億円及び4億円の減益となります。

(b)なお、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

(c)但し、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

 

4【事業等のリスク】

(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク

世界的な或いは特定の地域における経済情勢、とりわけ欧州や日本、中国、米国や新興国の景気減速は、製品・素材の流通量の減少、個人消費や設備投資の低下をもたらしえます。その結果、当社及び連結子会社の商品及びサービスに対する需要が減少し、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場リスク

①商品価格リスク

原油、鉄鉱石、石炭、銅などをはじめとする各種市況商品の生産及び売買は、当社及び連結子会社の重要な事業分野です。とりわけ金属資源及びエネルギー生産事業は経営成績の重要な割合を占めています。これらの商品価格は、需給の不均衡、景気変動、在庫調整、為替変動などの当社及び連結子会社にとって制御不能な要因により、短期的に乱高下或いは周期的に変動します。予想外の相場変動は、以下に示すように当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・多額の投資を行ってきた金属資源・エネルギー開発事業等で、販売価格の下落により、生産した商品の販売を通じた投下資金の回収が困難になる、或いは許容しうる価額での当社出資持分の売却が困難になることがあります。

・評価差額をその他の包括利益に認識する資本性金融資産(以下、FVTOCI)に区分するLNGプロジェクト等に対する投資の価値の下落により、当社の包括利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

・相場商品の現物或いは派生商品のトレーディングで、予想外の相場変動により損失が発生することがあります。

・商品市況の下落により当社及び連結子会社が関わる仲介取引が減少することがあります。

商品市況の変動が当連結会計年度の経営成績に及ぼした影響及び将来及ぼしうる影響については、3「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)2018年3月期連結業績予想」及び7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績に係る検討と分析」を参照願います。

 

②為替リスク

当社及び連結子会社は外国為替相場の変動に係るリスクを有しており、外国為替相場の変動は当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の連結決算上の報告通貨は日本円ですが、事業活動、連結上の収益と営業費用の相当部分は日本円以外の通貨により受払いされています。このため、日本円に対するその他の通貨の価値の上昇或いは下落は、取引に伴う多額の利益または損失をもたらします。海外の関係会社の収入・支出は米ドル、豪ドル、伯レアルなどにより構成されていますので、当社及び連結子会社の当期利益はこうした通貨の為替変動の影響を受けます。更に当社及び連結子会社は外国通貨で表示された資産及び負債の換算リスクを負います。また、海外の関係会社に対する投資やFVTOCIに区分する投資は、為替変動によりその価値を減じ、当社の包括利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

外国為替相場の変動が当連結会計年度の経営成績に及ぼした影響及び将来及ぼしうる影響については、3「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)2018年3月期連結業績予想」及び7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

 

③金利リスク

当社及び連結子会社は金利変動に係るリスクを有しており、金利変動は営業費用全般、並びに金融資産・負債の価額、とりわけ資本市場及び金融機関借入により調達される負債の価額に影響を及ぼします。なお、当連結会計年度末における当社及び連結子会社の短期債務及び長期債務はそれぞれ3,046億円及び4兆4,970億円となります。金利水準の上昇、特に日本及び米国における上昇は、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社及び連結子会社の資金調達の状況については、7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)流動性と資金調達の源泉」及び連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」を参照願います。

 

④株価リスク

当社及び連結子会社の投資ポートフォリオには、市場性のある資本性金融資産が含まれます。当連結会計年度末において、当社及び連結子会社はFVTOCIに区分する市場性のある資本性金融性資産を5,791億円保有しており、総資産の5.0%に相当します。当社及び連結子会社は、株式ポートフォリオの見直しを定期的に行っておりますが、株式市場の価格変動や相場の下落は投資ポートフォリオを毀損し、その他の包括利益の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤確定給付費用及び確定給付債務に関するリスク

国内外の国債等の債券や上場株式の価格下落は、当社及び連結子会社の制度資産の価値を減少させます。制度資産の価値の下落或いは確定給付制度債務の増加は、その他の包括利益及び利益剰余金の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

確定給付費用については、7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な判断を要する会計方針及び見積り」 及び連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」 を参照願います。

 

(3)与信リスク

当社及び連結子会社は商取引や融資取引のある様々な顧客や事業に係る多額の与信リスクにさらされています。

・当社及び連結子会社は、多数の取引先に後払い条件で商品・サービスを販売し、或いは販売契約に付随する融資プログラムや顧客の借入に係る支払保証を供与することがあります。当連結会計年度末において当社及び連結子会社の貸倒引当金控除後の流動売上債権等は1兆7,394億円であり、総資産の15.1%を占めています。控除した当連結会計年度の貸倒引当金残高(流動)は103億円となっています。

・様々なプロジェクトにおけるファイナンスのため、回収リスクを伴う多額の貸付や保証を行っています。

・ヘッジ取引のために行ったデリバティブ取引の相手方による支払不能リスクを有しています。

当社及び連結子会社における与信管理政策は、与信先の財政状態悪化により発生しうるリスクを完全に排除することはできません。加えて、流動性危機の発生、不動産や株式などの市場価格急落による顧客の支払不能、或いは企業倒産の増加などによって、当社及び連結子会社の債権回収が困難となる可能性があります。

 

(4)固定資産に関する減損リスク

当社及び連結子会社が自ら使用、または第三者に貸与する機械及び装置、土地及び建物などは、資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされています。当連結会計年度末において、有形固定資産、投資不動産、及び無形資産の帳簿価額の合計は2兆1,720億円です。固定資産の価値は、世界的或いは地域的な需要と供給に基づく価格、生産・販売数量、及びコストの変動等の当社が制御しえない要因の影響を受けます。固定資産について減損損失が発生した場合、減損処理は当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

非金融資産の減損に係る会計方針及び見積りについては、7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な判断を要する会計方針及び見積り」を参照願います。

 

(5)資金調達に関するリスク

金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、或いは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。

資金調達及び格付けについては、7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

 

(6)繰延税金資産に関するリスク

当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。

また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

繰延税金資産の回収可能性に係る会計方針及び見積りについては、7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な判断を要する会計方針及び見積り」を参照願います。

 

(7)リスク・エクスポージャーの集中リスク

当社及び連結子会社が世界各地で展開する事業は、商品市況及び需給、為替・金利相場などのグローバルな経済環境に加えて、地域の政治的及び経済的不安定性に起因するリスクを有しております。更に、当社及び連結子会社の事業活動は、特定の国または地域の特定の分野に関する集中化リスクを有しています。例えば、当社及び連結子会社は、

・ブラジル、チリ、ロシアにおいて、金属資源・エネルギーの探鉱・開発・採掘に係る投資を推進しています。

・インドネシアにおいて発電事業をはじめとする各種インフラ関連プロジェクトや二輪車販売金融事業を推進しています。

・モザンビークにおいて、鉄道・港湾インフラ事業及び金属資源の探鉱・開発・採掘に係る投資を推進しています。

こうした事業集中地域や分野において当社及び連結子会社の事業活動が低迷する、或いは予想外の政治的或いは経済的混乱が生じる場合には、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8)事業投資リスク

当連結会計年度末現在、当社は267社の連結子会社及び202社の持分法適用会社を有しています。当社は、連結子会社及び持分法適用会社の事業性を評価するためのモニタリング・プロセスを導入し、収益性の低い事業の再編に継続的に取組んでいます。こうした事業再編を計画に沿って達成できない場合は、非効率な事業運営を進めることとなり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社及び連結子会社は第三者との合弁事業、或いは、第三者に対する戦略的投資を通じて多様な事業分野に参入しています。しかしながら、その結果の予測は困難なことがあります。すなわち、

・これらの事業の成否は、合弁事業のパートナーや戦略的投資先企業の業績や財政状態といった当社及び連結子会社が制御しえない事象が決定的な要因となる場合があります。

・更に、持分法適用会社での事業において、経営、業務運営、資産処分に関する適切な統制ができない、或いはパートナーと事業目的及び戦略的課題を共有できないために重要な決定ができなくなる可能性があります。

こうした事態の発生は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)金属資源、石油・ガスの探鉱・開発・生産に係るリスク

当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態において重要な割合を占める金属資源や石油・ガスの探鉱・開発・生産事業は、以下のリスクを伴います。

・開発事業においては、技術・資材調達・資金調達・環境面を含む当局による規制などの問題により、当初の想定より工期が遅延する或いは開発費用負担が増加する可能性があります。

・埋蔵量の計算は、利用可能な地質情報・技術・契約条件・経済的条件に基づく推定であり、現実の開発・生産は想定と異なる可能性があります。

・探鉱作業は不確定要素を伴うため、想定したコストやスケジュールでの持分埋蔵量の補充ができない可能性があります。

これらの多くの事業において、当社及び連結子会社はノンオペレーターの立場で参画しています。この場合、当社及び連結子会社はオペレーターである事業参加者が作成した情報に基づき事業性を検討しますが、開発及び生産に係る意思決定を含めた事業の運営は実質的にオペレーターに支配的権限があります。オペレーターによる事業運営が適切に行なわれない場合、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)競合リスク

当社及び連結子会社が提供する商品及びサービスの市場は、概して競争的な環境にあります。他の総合商社をはじめ、各種分野において同様の事業活動を展開する競合他社は、商品によって当社及び連結子会社の内外の顧客に対してより堅固な取引関係を有している場合や、より充実した世界的ネットワーク、特定地域に係る専門知識、広範な海外顧客基盤、金融サービス機能、市場分析能力を有することがありえます。当社及び連結子会社が、顧客の求める革新的かつ総合的なサービスを競争力あるコストにより提供できない場合、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)経営資源の制約に関するリスク

新規事業において、当社及び連結子会社は、事業の立案・評価及び実行や人員の指揮・監督などにあたる人的資源を投入しています。しかしながら、事業分野によっては求められる人材が不足し、新事業創出の機会の逸失につながる可能性があります。新規事業に対するこうした人的資源の制約は、当社及び連結子会社の将来の事業展開と経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境に関するリスク

当社及び連結子会社が内外各地で展開する事業は、広範な環境関連法令の規制を受けます。とりわけ金属資源セグメントやエネルギーセグメントの経営成績は、現在或いは将来における探鉱・開発事業に対する環境規制の影響を被る可能性があります。例えば当社及び連結子会社は、豪州、ブラジル、チリ、ロシア、中東等において一連の環境規制の制約を受けていますが、これらの地域における法令は、事業区域の浄化、操業停止あるいは事業終了、重大な環境破壊に対する罰金及び補償金、高額な汚染防止設備の設置、操業方法の変更などを課すことがあります。環境法令の変更や新設、NPO・NGO等ステークホルダーの批判、議決権行使助言機関からの助言やESG/SRI調査会社による格付は、これらのプロジェクトの進捗に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、ひとたび環境事故が生じると、当社及び連結子会社は資源・エネルギー権益の所有者として、当該事故への寄与度や過失の有無に拘らず、また、ノンオペレーターとして操業に全く関与していない場合であっても、清掃費用、環境破壊への賠償、事故被害者への健康・財産被害や休業補償・逸失利益補填等のための損害賠償費用、環境当局からの罰金や補償金等の負担を強いられることで、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社連結子会社は、BP Exploration & Production Inc.(以下、BPという)をオペレーターとするメキシコ湾探鉱事業において発生した原油流出事故に関連して、経済的損失、財産被害及び健康被害に基づく損害賠償、事故後の清掃費用ならびに制裁金を請求する訴訟を提起されました。

本件に起因する私人や行政機関の当社及び当社連結子会社に対する請求は、懲罰的損害賠償請求のうち当社連結子会社の行為に起因する部分及び制裁金請求を除き、当社連結子会社がBP及びその親会社との間で合意した和解(以下、本和解という)に基づく補償の対象となっています。但し、本和解に基づく支払いが合意どおりになされない可能性があります。

本和解に基づく補償対象外の請求については裁判所命令によって否定されていますが、これらの裁判所命令の多くは確定しておらず、異議申立てがなされる可能性があります。

また、当社及び米国三井物産は、飼料添加物の製造販売を行っていた米国の関連会社Coronet Industries Inc.にそれぞれ18.0%及び12.0%を出資しています。同社は、同社フロリダ工場の操業に関連する環境問題についての連邦・州当局の調査を受け、適切な環境対策・具体的な清掃方法の合意とその実施に向け協議を継続中です。

 

(13)法的規制に係るリスク

当社及び連結子会社は内外の広範な法令に従い事業活動を展開しています。当社及び連結子会社の事業は、具体的には、各種の商品規制、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、環境保護規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法、独占禁止法などの制約の下にあります。例えば当社及び連結子会社による発展途上国でのインフラストラクチャー開発プロジェクトは、十分に整備されていない法基盤の下で遂行されることがあり、包括的な法令体系の欠如や、一貫性のない法令の適用及び解釈、監督当局による規制措置の一方的変更などに対応する費用負担が増大することがあります。また、これらの事業が供給する製品或いはサービスに賦課される税率、環境規制に係る技術的要件、所得税及び関税、投資元本及び配当の還流に関する為替規制などの諸法令などについて、予想外の変更が行われることがあります。

当社及び連結子会社が行う探鉱・開発・採掘事業について、必ずしも事業権に係る契約の相手方による義務の履行がなされる保証や契約期限到来時に事業権の存続期間が延長される保証はありません。また、これら事業に係る規制当局が、金属資源や石油・ガス生産事業における生産量、価格体系、ロイヤリティ、環境保護費用及び借地権等に関する契約条件に関し、一方的な介入或いは変更を行わない保証はありません。規制当局が一方的に契約条件を変更した場合、或いは、変更・新設された法令について遵守に対応する費用が増大する場合、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は法令に適合するため、相当の追加費用を負担することが起こりえます。

 

(14)役職員による法令及び社内規定の遵守違反に関するリスク

当社及び連結子会社は、その規模、業務範囲及び活動領域が広範に亘っていることから、日常業務は自ずと分権的に運営されており、従業員が全ての法令や社内規定を遵守しているとの確証を得ることはできません。例えば、従業員が必要な社内許可を取得しないまま社外との取引を行うこと、商品取引において許可されたリスク・エクスポージャー限度額を超過することや、与信限度枠を超えて取引を拡大することもありえ、それらはどのケースにおいても予測不能な損失や管理不能なリスクに繋がります。また、従業員が日本或いは外国における輸出貿易規制、汚職防止法、独占禁止法、税法などの法令を犯すこともありえます。法令及び社内規定の遵守のための様々な取組みをもってしても、従業員の全ての不正行為を完全に防止できる確証はありません。従業員の不正行為はその内容次第で当社の経営成績や社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)内部統制に関するリスク

当社及び連結子会社の事業は世界中の様々な商品やサービスに亘っているため、財務報告に係る内部統制についても様々な取引パターンに応じて構築する必要があります。当社及び連結子会社は適正な財務報告に係る内部統制を維持できず、財務報告に係る内部統制が有効であると主張できない場合があります。こうした場合には、当社及び連結子会社に対する市場の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)気候変動・自然災害に関するリスク

気候変動により近年発生が増加傾向にある異常気象のうち、局地的な暴風雨、とりわけ大西洋及び南太平洋で発生する強い熱帯低気圧であるハリケーンやサイクロンは当社及び連結子会社が行う金属資源、石油・ガス及び塩田事業の生産活動及び出荷に悪影響を及ぼし、費用の増加や収益の減少をまねく可能性があります。こうした異常気象により生産現場や生産設備、出荷に使用される道路、鉄道、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間に亘り停止することがありえます。また、干ばつなどの異常気象は当社及び連結子会社が行う食料生産事業の生産活動に対しても悪影響を与える可能性があります。

国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択されるなど、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められています。こうした取組みのうち、環境税やキャップ・アンド・トレード型の排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制は当社及び連結子会社が出資する海外発電事業など化石燃料を使用し温室効果ガス排出量が多い事業、及び石炭・石油・ガスの生産事業の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、地震、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社及び連結子会社の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。当社では、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練などの対策を講じていますが、自然災害等による被害を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク

当社及び連結子会社の情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化の為、当社は、関連規程や対応体制を整備して内部のリスクを管理し、通信ネットワーク監視等を通じて外部からの攻撃への対応に努めています。しかしながら、予期できない水準の情報システム基盤や通信回線の重大な障害或いは経営に関わる機密情報の破壊・窃取が発生する可能性を完全に排除することはできず、この様な場合、業務効率の著しい低下が避けられず、事業継続或いはビジネスの伸長に困難を来すことから、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能
性があります。

 

(18)テロ・暴動遭遇リスク

当社及び連結子会社は、グローバルに営業活動を展開しており、海外各国のテロ・暴動等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされております。こうした様々なリスクは、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)Valepar S.A.の組織再編に伴うリスク

Vale S.A.(以下「Vale社」)によるValepar S.A.(以下「Valepar社」)の吸収合併は当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はVale社の持株会社Valepar社の株式15%を保有し、Vale社の経営に参画しています。今後、Vale社の臨時株主総会の承認及び優先株主54.09%の同意を条件に、①Vale社優先株の普通株への転換、②Vale社定款変更、③Vale社によるValepar社の吸収合併を実行します。Vale社によるValepar社の吸収合併が行われる場合、当社は、Valepar社株式の簿価と今回直接取得するVale社株式の公正価値との差額に加えて、Valepar社一般社外化による繰延税金負債の取崩益を認識しますが、当該損益は株価、為替等の変動により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。4「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。

 

(1)経営者の検討における重要な指標について

当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、4「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。

売上総利益、持分法による投資損益、EBITDA(*1)及び当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

当社及び連結子会社は様々な商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスク・リターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益、EBITDA及び当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。

なお、当社及び連結子会社では、業績測定に係る基本指標として当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を用いることに加え、2015年3月期より、経常的な収益力の測定を目的にEBITDAを導入しましたが、EBITDAには、持分法適用会社における減損損失等が算入されること、キャッシュ創出力を測定する指標として後述の基礎営業キャッシュ・フローがより相応しいことを勘案し、2018年3月期より、EBITDAの測定を取り止めます。

(*1)EBITDAは、連結損益計算書の売上総利益、販売費及び一般管理費、受取配当金、持分法による投資損益、並びに連結キャッシュ・フロー計算書の減価償却費及び無形資産等償却費の合計として算定しています。

②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向

当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向に関する詳細については、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」及び「(2)経営成績に係る検討と分析 ③各オペレーティング・セグメントにおける経営成績」内の金属資源セグメント及びエネルギーセグメントの該当箇所を参照願います。

③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ

前中期経営計画(2014年5月公表)において、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す指標として、基礎営業キャッシュ・フロー(*2)を導入しており、2018年3月期から始まる新中期経営計画(2017年5月公表)でも、引き続き、基礎営業キャッシュ・フローを重要な経営指標としております。

当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本(*3)の水準、並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連」を、財務戦略については「(3)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

(*2)基礎営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動に係る資産・負債の増減によるキャッシュ・フローを除いた金額として算出されます。

(*3)連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。

 

(2)経営成績に係る検討と分析

①連結損益計算書項目

収益

IFRSにおける収益は、商品販売や役務提供におけるリスクとリターンの帰属度合によって、売先に対する請求金額の総額で表示されるものと、対応する原価と相殺後の純額で表示されるものに区分されます。

・総額で収益表示される取引は、当該取引に関するリスクとリターンが主として契約当事者たる当社及び連結子会社に帰属する取引であり、商品販売または役務提供の主たる履行義務を負担する取引や、在庫リスクを負担する取引などが該当します。

・純額で収益表示される取引は、商品供給者及び役務提供者の実質的な代理人として販売取引を行う場合など、当社及び連結子会社に対するリスクとリターンの帰属度合が低い取引であり、手数料が取引量または取引額に対し定額または定率で定められている取引などが該当します。

当連結会計年度(当期)の収益は4兆3,640億円となり、前連結会計年度(前期)の4兆7,597億円から3,957億円(8.3%)の減少となりました。当社は、収益を商品販売による収益、役務提供による収益、その他の収益に分類し、対応する原価を区分表示しています。オペレーティング・セグメント別の収益を収益の区分に分類すると以下のとおりです。

 

セグメント

(単位:億円)

当期

前期

増減

 商品販売による
収益

役務提供による
収益

その他の
収益

合計

 商品販売による
収益

役務提供による
収益

その他の
収益

合計

 商品販売による
収益

役務提供による
収益

その他の
収益

合計

 鉄鋼製品

683

233

0

916

877

233

1

1,111

△194

0

△1

△195

金属資源

7,266

65

2

7,333

6,780

75

1

6,856

486

△10

1

477

 機械・

インフラ

2,302

966

676

3,944

2,313

1,086

753

4,152

△11

△120

△77

△208

 化学品

7,126

369

△1

7,494

7,717

374

△1

8,090

△591

△5

0

△596

エネルギ-

4,563

54

31

4,648

6,492

56

179

6,727

△1,929

△2

△148

△2,079

 生活産業

8,086

1,472

123

9,681

9,019

1,325

68

10,412

△933

147

55

△731

 次世代・

機能推進

272

755

238

1,265

331

733

331

1,395

△59

22

△93

△130

 米州

6,341

210

163

6,714

6,709

198

224

7,131

△368

12

△61

△417

 欧州・

 中東・

アフリカ

793

161

0

954

872

181

0

1,053

△79

△20

0

△99

 アジア・

大洋州

898

179

1

1,078

917

197

0

1,114

△19

△18

1

△36

合計

38,330

4,464

1,233

44,027

42,027

4,458

1,556

48,041

△3,697

6

△323

△4,014

その他

4

63

15

82

0

10

16

26

4

53

△1

56

 調整・

消去

2

△468

△3

△469

△1

△469

0

△470

3

1

△3

1

 連結合計

38,336

4,059

1,245

43,640

42,026

3,999

1,572

47,597

△3,690

60

△327

△3,957

 

商品販売による収益

商品販売による収益は、総額で表示される商品販売取引からの収益であり、主に以下の取引により稼得されます。

・契約の当事者として行う多種多様な商品の販売

・金属、化学品、食料、機械などの幅広い製品の製造販売

・鉄鉱石、銅、石炭、石油・ガスなどの資源開発

・不動産の開発・販売

商品販売による収益は3兆8,336億円となり、前期の4兆2,026億円から3,690億円(8.8%)減少しました。

 

役務提供による収益

役務提供による収益には、契約の当事者及び代理人として関わる様々な商品売買取引に関する手数料及び売買差益が含まれています。具体的には、以下の取引があげられます。

・物流ロジスティクスサービス、情報通信サービス、技術支援などの多種多様な役務提供に対する対価として手数料を受け取る取引

・売先と買先が予め特定された取引において契約の当事者として商品の売値と買値の差額を損益として計上する取引、製造家と需要家の契約締結斡旋や商品受渡の支援を行う取引

役務提供による収益は4,059億円となり、前期の3,999億円から60億円(1.5%)増加しました。

 

その他の収益

その他の収益には、主として、トレーディング目的で行われた商品デリバティブ取引と金融デリバティブ取引に係る収益、不動産、鉄道車両、船舶、航空機並びに機械装置などのリース取引に係る収益、並びに一般顧客向け金融に係る収益が含まれています。

その他の収益は1,245億円となり、前期の1,572億円から327億円(20.8%)減少しました。

 

売上総利益

売上総利益は7,193億円となり、前期の7,266億円から73億円(1.0%)の減益となりました。主に金属資源セグメントで増益となった一方、エネルギーセグメント及び米州セグメントで減益となりました。

詳細に係わる検討と分析は、「③各オペレーティング・セグメントにおける経営成績」を参照願います。

 

その他の収益・費用

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は5,390億円の負担となり、前期の5,660億円から270億円(4.8%)の負担減となりました。

変動の内訳を社内管理上の費目別に見ると以下のとおりです。

(単位:億円)

費目別内訳

人件費

福利費

旅費
交通費

交際費
会議費

通信情報費

当期

2,838

130

281

67

474

前期

2,872

150

329

80

485

 増減額(*)

△34

△20

△48

△13

△11

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

費目別内訳

借地借家料

減価償却費

租税公課

貸倒引当金

繰入額

諸雑費

合計

当期

271

134

108

92

995

5,390

前期

274

148

144

99

1,079

5,660

 増減額(*)

△3

△14

△36

△7

△84

△270

(*)△は負担減

 

変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

(単位:億円)

オペレーティング

・セグメント

鉄鋼製品

金属資源

機械・
インフラ

化学品

エネルギー

生活産業

次世代・

機能推進

当期

295

326

1,144

619

474

1,381

520

前期

290

370

1,277

692

507

1,387

578

 増減額(*)

5

△44

△133

△73

△33

△6

△58

 

オペレーティング

・セグメント

米州

欧州・中東・
アフリカ

アジア・
大洋州

合計

その他

調整・消去

合計

当期

497

197

194

5,647

140

△397

5,390

前期

627

197

204

6,129

123

△592

5,660

 増減額(*)

△130

0

△10

△482

17

195

△270

(*)△は負担減

 

有価証券損益

有価証券損益は650億円の利益となり、前期の932億円の利益から282億円(30.3%)の減少となりました。当期は、主に金属資源セグメント及び次世代・機能推進セグメント、生活産業セグメントで有価証券利益を計上しました。前期は、主にエネルギーセグメント及び機械・インフラセグメント、次世代・機能推進セグメントで有価証券利益を計上しました。

 

固定資産評価損益

固定資産評価損益は57億円の損失となり、前期の890億円の損失から833億円(93.6%)の改善となりました。当期は、小口の集積です。前期は、主にエネルギーセグメント及び金属資源セグメントで減損損失を計上しました。

有形固定資産の減損損失については、連結財務諸表注記事項11.「有形固定資産 (2)減損損失」を参照願います。

 

固定資産処分損益

固定資産処分損益は110億円の利益となり、前期の117億円の損失から227億円の改善となりました。当期は、生活産業セグメントで固定資産処分益を計上しました。前期は、主に生活産業セグメントで固定資産処分益を計上した一方、エネルギーセグメントで固定資産除却損を計上しました。

 

雑損益

雑損益は99億円の利益となり、前期の321億円の損失から420億円の改善となりました。次世代・機能推進セグメントにおいて、商品デリバティブ取引に係る売上総利益に対応する為替損益が改善したほか、エネルギーセグメントなどで探鉱費が減少しました。また、前期に生活産業セグメントで暖簾の減損損失を計上した一方、当期に機械・インフラセグメントでIPP事業の取得価額に対する調整金を受領しました。

 

金融収益・費用

受取利息

受取利息は349億円となり、前期の316億円から33億円(10.4%)の増加となりました。

 

受取配当金

受取配当金は519億円となり、前期の547億円から28億円(5.1%)の減少となりました。主に、エネルギーセグメントで減少しました。

 

支払利息

支払利息は570億円となり、前期の510億円から60億円(11.8%)の負担増となりました。

当期及び前期における円及び米ドルの短期金利の水準は以下のとおりです(円は3ヶ月Tibor、米ドルは3ヶ月Liborの月末レートの単純平均)。

 

当期

前期

0.06%

0.16%

米ドル

0.87%

0.42%

 

持分法による投資損益

持分法による投資損益は1,706億円の利益となり、前期の1,320億円の損失から3,026億円の改善となりました。主に、金属資源セグメント及び機械・インフラセグメント、エネルギーセグメントで増益となりました。

詳細に係わる検討と分析は、「③各オペレーティング・セグメントにおける経営成績」を参照願います。

 

法人所得税

法人所得税は1,346億円の負担となり、前期の912億円の負担から434億円(47.6%)の負担増となりました。

法人所得税前利益は4,608億円となり、前期の243億円から4,365億円増加したことに伴い、対応する法人所得税が増加した一方、一部の持分法適用会社に対する税効果の取崩しがありました。

当期の実効税率は29.2%となり、前期の375.0%から、345.8ポイント減少しました。当期に上記の税効果の取崩しによる税率引下げ要因があった一方、前期には税効果を認識できない減損損失や固定資産処分損を多額に計上したことによる税率引上げ要因がありました。

 

当期利益(損失)

上記の結果、当期利益は3,262億円となり、前期の669億円の損失から3,931億円の改善となりました。

 

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

親会社の所有者に帰属する当期利益は3,061億円となり、前期の834億円の損失から3,895億円の改善となりました。

 

②EBITDA

当社ではEBITDAを用いて経常的な収益力を測定しています。

EBITDAは、連結損益計算書の売上総利益、販売費及び一般管理費、受取配当金、持分法による投資損益、並びに連結キャッシュ・フロー計算書の減価償却費及び無形資産等償却費の合計として算定しています。

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA(a+b+c+d+e) (*)

5,961

3,364

+2,597

 

売上総利益

a

7,193

7,266

△73

 

販売費及び一般管理費

b

△5,390

△5,660

+270

 

受取配当金

c

519

547

△28

 

持分法による投資損益

d

1,706

△1,320

+3,026

 

減価償却費及び無形資産等償却費

e

1,933

2,532

△599

(*)四捨五入差異により縦計が合わないことがあります(以下同様)。

 

③各オペレーティング・セグメントにおける経営成績

当期より生活産業セグメントの食糧及び食品事業の一部を化学品セグメントに、また、米州セグメントの一部を生活産業セグメントに移管しております。この変更に伴い、前期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しております。

 

当期及び前期におけるにおける各オペレーティング・セグメント別のEBITDA及び前期からの増減は以下のとおりです。

(単位:億円)

当期

前期

増減

鉄鋼製品

95

109

△14

金属資源

1,736

△938

+2,674

機械・インフラ

727

292

+435

化学品

388

325

+63

エネルギー

1,642

2,101

△459

生活産業

307

75

+232

次世代・機能推進

53

125

△72

米州

453

694

△241

欧州・中東・アフリカ

34

53

△19

アジア・大洋州

590

409

+181

合計

6,025

3,245

+2,780

その他

10

△5

+15

調整・消去

△74

124

△198

連結合計

5,961

3,364

+2,597

 

各オペレーティング・セグメントの経営成績に係る検討と分析は以下のとおりです。

 

鉄鋼製品

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

95

109

△14

 

売上総利益

313

320

△7

 

販売費及び一般管理費

△295

△290

△5

 

受取配当金

28

21

+7

 

持分法による投資損益

40

48

△8

 

減価償却費及び無形資産等償却費

10

10

0

当期利益(親会社の所有者に帰属)

69

63

+6

 

EBITDAは14億円の減少となりました。

・売上総利益は7億円の減益となりました。

・持分法による投資損益は8億円の減益となりました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)は6億円の増益となりました。

 

金属資源

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

1,736

△938

2,674

 

売上総利益

1,736

987

+749

 

販売費及び一般管理費

△326

△370

+44

 

受取配当金

19

14

+5

 

持分法による投資損益

△18

△2,041

+2,023

 

減価償却費及び無形資産等償却費

326

472

△146

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

1,380

△1,625

+3,005

 

EBITDAは2,674億円の増加となりました。

売上総利益は749億円の増益となりました。

- Mitsui Coal Holdingsは、石炭価格の上昇を主因に456億円の増益

- 豪州鉄鉱石生産事業は、鉄鉱石価格の上昇を主因に351億円の増益

・販売費及び一般管理費は44億円の負担減となりました。

・持分法による投資損益は2,023億円の増益となりました。

- チリの銅鉱山事業会社Inversiones Mineras Acruxは、前期の減損の反動を主因に、914億円の改善

- Valeparは、当期において減損を認識したものの、前期の減損の反動や、前期の外貨建負債評価損の反動及び当期の外貨建負債評価益、及び鉄鉱石価格の上昇を主因に、715億円の改善

- カセロネス銅鉱山を開発するMinera Lumina Copper Chileは、前期の減損の反動を主因に431億円の改善

- Robe River Mining Co.は、鉄鉱石価格の上昇を主因に64億円の増益

- Mitsui Raw Material Developmentは、前期の一過性損失の反動を主因に38億円の増益

- チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiは、コスト削減を主因に36億円の増益

- 連結子会社の損益の他セグメントへの配賦額が、アジア・大洋州セグメントと共同で保有する豪州石炭生産事業及び豪州鉄鉱石生産事業の価格上昇を主因に、180億円の増加

・減価償却費及び無形資産等償却費は146億円の減少となりました。

- Mitsui Coal Holdingsは、前期の減損に伴う減価償却費の減少を主因に104億円の減少

- 豪州鉄鉱石事業は、埋蔵量評価に伴う減価償却費の見直しを主因に43億円の減少

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)は3,005億円の増益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・Mitsui Coal Holdingsは、前期に減損損失381億円を計上

・当期において、スクラップ事業会社のSims Metal Managementが持分法適用会社からその他の投資に区分変更されたことに伴い、有価証券利益269億円を計上

・当期において、上記スクラップ事業への投資会社であるMitsui Raw Material Developmentの清算方針決定に伴う税効果の計上により、139億円の法人所得税の負担減がありました。また、海外ニッケル事業への投資会社であるSUMIC Nickel Netherlandsの清算方針決定に伴う税効果の計上により、88億円の法人所得税負担減がありました。なお、当該税効果は、調整・消去セグメントにて取崩しており、全社の損益には影響ありません。

 

鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量

価格変動は、当社の鉄鉱石関連の海外子会社及び持分法適用会社が保有する権益持分相当の生産量からの販売収入に直接的な変動を及ぼします。2018年3月期において連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により25億円と概算しております。

当連結会計年度の1年間における当社鉄鉱石関連の海外連結子会社及び持分法適用会社の権益見合い生産量は57.4百万トンです。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、この権益見合いに対して2018年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場などを前提条件とした上で算出したものです。なお、一般に豪ドルや伯レアルなどの資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。

 

機械・インフラ

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

727

292

+435

 

売上総利益

1,109

1,271

△162

 

販売費及び一般管理費

△1,144

△1,277

+133

 

受取配当金

26

36

△10

 

持分法による投資損益

569

80

+489

 

減価償却費及び無形資産等償却費

167

182

△15

当期利益(親会社の所有者に帰属)

621

183

+438

 

EBITDAは435億円の増加となりました。

・売上総利益は162億円の減益となりました。

- プロジェクト本部は、38億円の減益となりました。

- 機械・輸送システム本部は、以下を主因に124億円の減益となりました。

◇ メキシコの鉱山機械販売・サービス子会社の持分法適用会社化による67億円の減益

・販売費及び一般管理費は133億円の負担減となりました。

- プロジェクト本部は、9億円の負担減となりました。

- 機械・輸送システム本部は、以下を主因に124億円の負担減となりました。

◇ メキシコの鉱山機械販売・サービス子会社の持分法適用会社化による34億円の負担減

◇ インドネシアの二輪車販売金融会社Bussan Auto Financeにおけるコスト削減に伴う30億円の負担減

・持分法による投資損益は489億円の増益となりました。

- プロジェクト本部は、以下を主因に463億円の改善となりました。

◇ IPP(独立系発電)事業は86億円の利益となり、前期の415億円の損失から501億円の改善

◆ 前期において、電力価格低迷や一部発電所の老朽化による一過性損失542億円を計上

◆ 当期において、インドネシアの税制改正に伴う一過性の税負担の減少

◆ 当期において、発電所の閉鎖決定に伴う損失を計上

◆ 当期において、過去の買収案件の無形資産に係る減損損失を計上

◆ 電力デリバティブ契約や燃料購入契約などに係る時価評価損益は20億円の損失となり、前期の19億円の損失から、1億円の悪化

ブラジルのガス配給事業において、持分増加を主因に、53億円の増益

メキシコのLNG受入ターミナル運営事業において、前期のリース会計処理方法の変更の反動を主因に、46億円の減益

- 機械・輸送システム本部は、以下を主因に25億円の増益となりました。

◇ 前期より損失の続いていた鉱山機器レンタル会社National Plant and Equipmentの売却に伴う増益

当期利益(親会社の所有者に帰属)は438億円の増益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・当期において、IPP事業の取得価額に対する調整金受領により雑益を計上

・前期において、Road Machineryが子会社であるメキシコの鉱山機械販売・サービス会社の出資持分売却益を計上

・前期において、東京国際エアカーゴターミナルが減損損失118億円を戻入れ

・前期において、マレーシア電力事業への投資子会社株式の一部売却による利益を計上

・当期及び前期において、航空関連の出資持分の売却益41億円及び82億円を計上

 

化学品

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

388

325

+63

 

売上総利益

826

817

+9

 

販売費及び一般管理費

△619

△692

+73

 

受取配当金

16

13

+3

 

持分法による投資損益

64

80

△16

 

減価償却費及び無形資産等償却費

102

107

△5

当期利益(親会社の所有者に帰属)

155

186

△31

 

EBITDAは63億円の増加となりました。

・売上総利益は9億円の増益となりました。

- ベーシックマテリアルズ本部は、14億円の増益となりました。

◇ 米国メタノール事業会社MMTXは、工場の通期稼働を主因に32億円の増益

- パフォーマンスマテリアルズ本部は、5億円の減益となりました。

- ニュートリション・アグリカルチャー本部は、1億円の減益となりました。

・販売費及び一般管理費は73億円の負担減となりました。

・持分法による投資損益は16億円の減益となりました。

- 米州化学品関連事業において一過性損失を主因に30億円の減益

当期利益(親会社の所有者に帰属)は31億円の減益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・前期において、基礎化学品関連事業の持分売却益を計上

 

エネルギー

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

1,642

2,101

△459

 

売上総利益

653

1,090

△437

 

販売費及び一般管理費

△474

△507

+33

 

受取配当金

326

353

△27

 

持分法による投資損益

168

△223

+391

 

減価償却費及び無形資産等償却費

969

1,388

△419

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

326

△39

+365

 

EBITDAは459億円の減少となりました。

・売上総利益は以下を主因に437億円の減益となりました。

- 三井石油開発は、コスト削減や数量増の効果が有ったものの、原油・ガス価格の下落や為替変動による影響により、221億円の減益

- Mitsui E&P Middle Eastは、権益比率の減少を主因に190億円の減益

- MEP Texas Holdingsは、前期減損による減価償却費の減少が一部相殺したものの、主に原油価格の下落により38億円の減益

- Mitsui E&P USAは、前期減損による減価償却費の減少を主因に、40億円改善

・販売費及び一般管理費は33億円の負担減となりました。

・受取配当金は以下を主因に27億円の減少となりました。

- LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、アブダビ、オマーン、赤道ギニア及びカタールガス3)からの受取配当金は合計で304億円となり、前期の328億円から24億円減少

・持分法による投資損益は以下を主因に391億円の増益となりました。

- Japan Australia LNG (MIMI)は、原油価格の下落を前期に計上した減損損失403億円の反動が上回り増益

- 三井石油開発は、前期のタイ沖事業での減損損失の反動を主因に115億円の増益

- ENEOSグローブは、前期の在庫評価損の反動を主因に55億円の増益

・減価償却費及び無形資産等償却費は419億円の減少となりました。

- 三井石油開発の設備投資増による増加の一方、Mitsui E&P Middle Eastや米国シェール事業、Mitsui E&P Australia、Mitsui E&P UKにおける減少により石油・ガス生産事業で418億円減少

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)は365億円の増益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・前期において、主に原油価格の下落を反映し、MEP Texas Holdingsがイーグルフォード・シェールオイル・ガス事業に係る評価損194億円、Mitsui E&P USAがマーセラス・シェールガス事業に係る評価損182億円、Mitsui E&P UKが北海油田・ガス田事業に係る将来費用の見積もり変更などに伴う評価損89億円、三井石油開発がタイ沖事業にて評価損46億円を、それぞれ計上

・前期において、Mitsui E&P Middle Eastにて、215億円の固定資産除却損を計上

・前期において、中東・アフリカ地域のLNG事業に関わる事業会社株式を一元管理するMitsui & Co. LNG Investmentの解散に伴う為替換算の影響により、345億円の利益を計上

・当期において、三井石油開発などで75億円の探鉱費用を計上した一方、前期はMitsui E&P Australiaや三井石油開発などで147億円の探鉱費用を計上

 

原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量

 

米国SEC基準による当社の石油・ガスの持分生産量は、2016年3月期において年間75百万バレル(ガスをバレル換算、換算係数は原油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、三井石油開発の非支配持分12百万バレルを含まない)、2017年3月期において年間71百万バレル(三井石油開発の非支配持分12百万バレルを含まない、本報告書提出日における暫定値)となりました。

なお、当社は、2018年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス関連子会社及び持分法適用会社の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたり28億円と推定しています。

 

金属資源と同様に、実際の経営成績は、各連結子会社及び持分法適用会社における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。

 

生活産業

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

307

75

+232

 

売上総利益

1,320

1,129

+191

 

販売費及び一般管理費

△1,381

△1,387

+6

 

受取配当金

42

37

+5

 

持分法による投資損益

178

169

+9

 

減価償却費及び無形資産等償却費

147

127

+20

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

218

△149

+367

 

EBITDAは232億円の増加となりました。

・売上総利益は191億円の増益となりました。

- 食料本部は、105億円の増益となりました。

◇ Multigrain Tradingは前期の穀物集荷販売不調の反動により83億円の改善

- 流通事業本部は、19億円の増益となりました。

- ヘルスケア・サービス事業本部は、1億円の減益となりました。

- コンシューマービジネス本部は、68億円の増益となりました。

◇ 不動産関連事業会社MBK Real Estateの米州セグメントからの移管により36億円の増益

・持分法による投資損益は9億円の増益となりました。

- 三井製糖は、一過性利益の計上を主因に31億円の増益

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)は367億円の改善となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・当期において、IHH Healthcare Berhad株式の一部売却による売却益146億円を計上

・三井物産都市開発は、当期において、国内ビルの売却益を計上した一方、前期においても国内ビルの売却益131億円を計上

・前期において、Multigrain Tradingの暖簾及び固定資産の減損損失63億円及び30億円を計上

 

次世代・機能推進

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

53

125

△72

 

売上総利益

459

529

△70

 

販売費及び一般管理費

△520

△578

+58

 

受取配当金

39

49

△10

 

持分法による投資損益

29

78

△49

 

減価償却費及び無形資産等償却費

46

46

0

当期利益(親会社の所有者に帰属)

135

161

△26

 

EBITDAは72億円の減少となりました。

・売上総利益は70億円の減益となりました。

- ICT事業本部は、12億円の増益となりました。

- コーポレートディベロップメント本部は、以下を主因に82億円の減益となりました。

◇ 雑損益に計上された為替損益の改善75億円に対応する売上総利益が減少

・販売費及び一般管理費は58億円の負担減となりました。

- Mitsui & Co. Precious Metalsの清算に伴い31億円の負担減

・持分法による投資損益は49億円の減益となりました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)は26億円の減益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・当期及び前期において、当社の商品デリバティブ取引に係る売上総利益に対応する為替利益27億円及び為替損失48億円を雑損益に計上

・前期において、りらいあコミュニケーションズの過年度の評価損のうち62億円を戻入れ

・中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式について、当期の公正価値評価益が一部相殺したものの、前期の公正価値評価益の反動により45億円の減益

 

米州

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

453

694

△241

 

売上総利益

756

1,133

△377

 

販売費及び一般管理費

△497

△627

+130

 

受取配当金

0

1

△1

 

持分法による投資損益

116

98

+18

 

減価償却費及び無形資産等償却費

77

89

△12

当期利益(親会社の所有者に帰属)

251

283

△32

 

EBITDAは241億円の減少となりました。

・売上総利益は以下を主因に377億円の減益となりました。

- Novus Internationalは、メチオニン価格の下落、為替の影響などにより、339億円の減益

- 不動産関連事業会社MBK Real Estateの生活産業セグメントへの移管により36億円の減益

- 油井管販売会社Champions Cinco Pipe & Supplyは前期の在庫評価損の反動を主因に45億円の増益

・販売費及び一般管理費は以下を主因に130億円の負担減となりました。

- MBK Real Estateの生活産業セグメントへの移管により45億円の負担減

・持分法による投資損益は18億円の増益となりました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)は32億円の減益となりました。

 

欧州・中東・アフリカ

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

34

53

△19

 

売上総利益

199

205

△6

 

販売費及び一般管理費

△197

△197

0

 

受取配当金

2

3

△1

 

持分法による投資損益

25

37

△12

 

減価償却費及び無形資産等償却費

5

5

0

当期利益(親会社の所有者に帰属)

19

35

△16

 

EBITDAは19億円の減少となりました。

・売上総利益は6億円の減益となりました。

・持分法による投資損益は12億円の減益となりました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)は16億円の減益となりました。

 

アジア・大洋州

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

EBITDA

590

409

+181

 

売上総利益

224

233

△9

 

販売費及び一般管理費

△194

△204

+10

 

受取配当金

8

8

0

 

持分法による投資損益

538

355

+183

 

減価償却費及び無形資産等償却費

15

17

△2

当期利益(親会社の所有者に帰属)

381

116

+265

 

EBITDAは181億円の増加となりました。

・売上総利益は9億円の減益となりました。

・持分法による投資損益は183億円の増益となりました。

- 連結子会社の損益の他セグメントからの配賦額が、金属資源セグメントと共同で保有する豪州石炭生産事業及び豪州鉄鉱石生産事業の価格上昇を主因に、182億円の増加

当期利益(親会社の所有者に帰属)は265億円の増益となりました。上記のほか、以下の要因がありました。

・当期に、豪州風力発電事業会社の売却により有価証券売却益58億円を計上

 

(3)流動性と資金調達の源泉

 

会計基準に基づかない財務指標について

現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)

この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して、下表のとおり算出しています。

• 短期債務及び長期債務の合計により有利子負債を算出。

• 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。

当社の経営者は、債務返済能力と株主資本利益率 (ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを投資家にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。

 

当期末

前期末

 

(億円)

(億円)

短期債務

3,046

3,532

長期債務

44,970

43,573

有利子負債合計

48,016

47,105

(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)

△15,195

△14,955

ネット有利子負債

32,821

32,150

株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)

37,322

33,797

ネットDER(倍)

0.88

0.95

 

 

フリーキャッシュ・フロー

当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しています。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、或いは、資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、以下の表のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,042

5,870

△1,828

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,533

△4,081

+548

フリーキャッシュ・フロー

509

1,789

△1,280

 

①資金調達の基本方針

当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。

100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、国内外金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において連結有利子負債の4分の3程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。

また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。

 

②資金調達手段

当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。

当社は、内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。

これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠並びに2兆4,000億円のコマーシャルペーパー発行枠という直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。さらに、当社、Mitsui & Co. Financial Services (Asia)を発行体とする総額50億米ドルのユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムを設定しており、Mitsui & Co. Financial Services (Asia)によるノートの発行には当社の支払保証を付しています。当連結会計年度末における国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートの発行残高は、それぞれ1,850億円及び168億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による15億米ドルの米国コマーシャルペーパープログラムやMitsui & Co. Financial Services (Europe)による15億米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム、その他の海外地域の一部でも同様のプログラムを保有しており、それぞれ時機をみて活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における連結有利子負債に占める短期債務の比率は、6.3%となりました。

一部の連結子会社は金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠を設定していますが、前連結会計年度及び当連結会計年度において支払ったコミットメント・フィーの金額に重要性はありません。これらの信用枠を含めた銀行借入に係る未使用の信用枠につきましては、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示(6)リスク管理」を参照願います。

有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。

これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」を参照願います。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」を参照願います。

 

格付け

当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2017年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。

 

R&I

Moody's

S&P

短期格付け

a-1+

P-2

A-1(**)

(長期)発行体格付け

AA-

A

長期個別債務格付け

AA-

A3(*)

プログラム格付け
(ミディアム・ターム・ノート格付け)

AA-

A3

A

見通し

安定的

ネガティブ

ネガティブ

(*)Moody’sにおける呼称は「長期債務格付け(シニア無担保)」です。

(**)S&Pにおける呼称は「短期発行体格付け」です。

 

当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。

なお、格付けは当社からの情報あるいは格付機関が信頼できるとする情報に基づく各格付機関自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付機関によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付機関毎に異なります。

 

③流動性の状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1兆5,038億円となりました。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、当連結会計年度末の短期債務(3,046億円)と1年以内に返済予定の長期債務(3,883億円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しています。

当連結会計年度の世界経済は、年度前半では、英国のEU離脱をめぐる混乱等がありましたが、全体としては、国際商品市況の底打ちにより景況感が回復、米国を中心に総じて底堅い動きとなりました。当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期に亘る良好な関係や公的金融機関による各種施策を活用して必要資金の調達を着実に実行、また、資本性を有する調達手段である劣後特約付シンジケートローンでの調達により、財務健全性の向上にも努めました。しかしながら、今後の米国新政権が掲げる政策の進捗状況や、中東、東アジアを巡る地政学リスクの高まり等、金融情勢の先行きに不透明感が残ることから、流動性については引続き注視していく必要があると認識しています。

上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は4兆8,016億円(前連結会計年度末比911億円増)、連結有利子負債に占める長期債務の比率は、93.7%となりました。このうち、5,550億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付機関は、残高の50%である2,775億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の長期債務の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」を参照願います。

 

返済年限

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

合計

金額(億円)

3,883

4,938

4,682

3,584

3,387

24,496

44,970

 

当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は3兆7,322億円となり前連結会計年度末比で3,525億円増加しました。ネット有利子負債は3兆2,821億円となり同671億円増加、ネットDERは前連結会計年度末の0.95倍から0.88倍へ0.07ポイント低下しました。

また流動比率は、前連結会計年度末の167.3%に対し当連結会計年度末は177.3%となっています。

以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、2018年3月期よりはじまる新中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。

当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項24.「偶発債務」を参照願います。

当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。

連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しております。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。

なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に107億円を拠出する見込みです。

 

④投融資と財務政策

当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは、約4,950億円の資金獲得となりました。資産リサイクルは、約2,900億円の資金獲得となり、基礎営業キャッシュ・フローと合わせ、合計約7,850億円の資金を獲得しました。一方で、約6,350億円の投融資(*)を実行しました。この内、既存事業及びパイプライン案件への投融資額は約2,800億円となり、新規事業への投融資額は約3,550億円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の⑥ キャッシュ・フローの状況を参照願います。

 

(*)当社は全社の投融資を、定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フローにより把握することとしています。

 

0102010_007.png

 

前中期経営計画期間3年累計では、Recurring Free Cash Flow(経常的なフリーキャッシュ・フロー)は約1兆3,100億円となり、成長投資への資金支出約8,200億円を差し引くと、フリーキャッシュ・フローは約4,900億円の獲得となり、前中期経営計画の目標であったフリーキャッシュ・フローの黒字化を達成しました。また、株主還元の約3,750億円を差し引いた株主還元後のフリーキャッシュ・フローも約1,150億円の黒字となりました。前中期経営計画期間は、商品市況の下落による基礎営業キャッシュ・フローへの影響がありましたが、投資規律の徹底により投資を厳選したことからフリーキャッシュ・フローの黒字化を達成し、また株主還元では、配当約3,275億円に加え約475億円の自己株式取得を実施し、「成長投資」と「株主還元」をバランス良く両立させました。

 

0102010_008.png

新中期経営計画については、3「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)新中期経営計画「Driving Value Creation」を参照願います。既存の債務からの再調達については、前述の①資金調達の基本方針、及び② 資金調達手段を参照願います。

なお、最新のキャッシュ・フロー配分見通し(新中期経営計画3年間累計)には投融資の実行を決定していない案件が多く含まれており、これらの進捗は実際のキャッシュ・フローの状況及び財政状態に影響を与えます。

 

⑤資産及び負債並びに資本

2017年3月末の総資産は11兆5,010億円となり、2016年3月末の10兆9,105億円から5,905億円増加しました。

流動資産合計は4兆4,747億円となり、2016年3月末の4兆2,867億円から1,880億円増加しました。化学品セグメント、機械・インフラセグメント、米州セグメントにおける取扱数量の増加を主因に、営業債権及びその他の債権が1,315億円増加しました。また、鉄鋼製品セグメント及び生活産業セグメントにおける取扱数量の増加を主因に、棚卸資産が558億円増加しました。

流動負債は2兆5,240億円となり、2016年3月末の2兆5,628億円から388億円減少しました。営業債権及びその他の債権の増加に対応し、営業債務及びその他の債務が965億円増加しましたが、借入金の返済により、短期債務が486億円、一年以内に返済予定の長期債務が1,309億円それぞれ減少しました。

これらにより流動資産と流動負債の差額である運転資本(Working Capital)は1兆9,507億円となり、2016年3月末の1兆7,239億円から2,268億円増加しました。

 

非流動資産合計は7兆263億円となり、2016年3月末の6兆6,238億円から4,025億円増加しました。主な要因は以下のとおりです。(括弧内はオペレーティング・セグメント)

・持分法適用会社に対する投資は2兆7,417億円となり、2016年3月末の2兆5,153億円から2,264億円増加しました。主な要因は、以下のとおりです。

- 医療機器メーカーであるパナソニックヘルスケアホールディングスへの22%出資により541億円増加(生活産業)

- スペインの自動車プレス部品メーカーであるGestamp Automociónへの出資参画を目的としたGestamp 2020への25%出資による資金支出に伴い511億円増加(鉄鋼製品)

- 米国アセットマネジメント事業への出資による資金支出に伴い392億円増加(次世代・機能推進)

- インドネシアのIPP事業会社の持分追加取得による増加(機械・インフラ)

- スクラップ事業会社のSims Metal Managementが、その他の投資に区分変更されたことにより減少(金属資源)

- 当期における持分法による投資損益の見合いで1,706億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により1,478億円減少

 

2017年3月末及び2016年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

オペレーティング・セグメント

2017年3月末

2016年3月末

増減

 

(億円)

(億円)

(億円)

鉄鋼製品

1,636

1,074

+562

金属資源

6,980

7,226

△246

機械・インフラ

8,563

7,782

+781

化学品

960

997

△37

エネルギー

2,578

2,568

+10

生活産業

3,801

3,059

+742

次世代・機能推進

1,583

1,137

+446

米州

778

797

△19

欧州・中東・アフリカ

149

148

+1

アジア・大洋州

411

386

+25

合計

27,439

25,174

+2,265

その他

0

0

0

調整・消去

△22

△21

△1

連結合計

27,417

25,153

+2,264

 

・その他の投資は1兆3,372億円となり、2016年3月末の1兆1,797億円から1,575億円増加しました。主な要因は、以下のとおりです。

- 主にコスト削減によりLNGプロジェクトに対する投資の公正価値が増加(エネルギー)したことを主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が1,724億円増加

- 持分法適用会社であったSims Metal Managementにつき、その他の投資に区分変更されたことにより増加(金属資源)

- アジア最大手の中間所得層向け病院グループの持株会社である米国International Columbia U.S.の株式取得により114億円増加(生活産業)

- 東燃ゼネラル石油株式の売却により336億円減少(エネルギー)

 

・営業債権及びその他の債権(非流動)は4,771億円となり、2016年3月末の3,822億円から949億円増加しました。主な要因は以下のとおりです。

- モザンビークにおけるモアティーズ炭鉱及びナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業に対する融資により811億円増加(金属資源)

- エジプト石油精製事業への融資により224億円増加(機械・インフラ)

 

・有形固定資産は1兆8,235億円となり、2016年3月末の1兆9,384億円から1,149億円の減少となりました。主な要因は以下のとおりです。

- 米国シェールガス・オイル事業で206億円減少(為替変動の影響による15億円の減少を含む)(エネルギー)

- 豪州鉄鉱石生産事業で199億円減少(為替変動の影響による27億円の減少を含む)(金属資源)

- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業で196億円減少(為替変動の影響による11億円の減少を含む)(エネルギー)

 

なお、有形固定資産の2017年3月末及び2016年3月末の残高をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

オペレーティング・セグメント

2017年3月末

2016年3月末

増減

 

(億円)

(億円)

(億円)

鉄鋼製品

82

89

△7

金属資源

4,094

4,308

△214

機械・インフラ

1,998

2,157

△159

化学品

1,004

1,050

△46

エネルギー

6,913

7,316

△403

生活産業

1,714

1,447

+267

次世代・機能推進

379

387

△8

米州

1,044

1,296

△252

欧州・中東・アフリカ

37

30

+7

アジア・大洋州

53

253

△200

合計

17,318

18,333

△1,015

その他

696

550

+146

調整・消去

221

501

△280

連結合計

18,235

19,384

△1,149

 

また、2017年3月末及び2016年3月末においてオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳は次のとおりです。

内訳

2017年3月末

2016年3月末

 

(億円)

(億円)

不動産

847

677

船舶及び航空機

810

993

鉄道車輛及び機械装置

637

753

連結合計

2,294

2,423

 

・投資不動産は1,798億円となり、2016年3月末の1,478億円から320億円増加しました。大手町一丁目2番地区の一体開発事業により357億円増加しました(その他)。

 

・無形固定資産は1,687億円となり、2016年3月末の1,575億円から112億円増加しました。麦用種子処理殺菌剤の事業資産買収により159億円増加しました(化学品)。

 

非流動負債合計は4兆9,869億円となり、2016年3月末の4兆6,812億円から3,057億円の増加となりました。借入金の返済による減少があった一方、劣後特約付シンジケートローン5,550億円の調達を主因に、長期債務(一年以内返済予定分を除く)が2,705億円増加しました。

親会社の所有者に帰属する持分合計は3兆7,322億円となり、2016年3月末の3兆3,797億円から3,525億円増加しました。主な要因は、以下のとおりです。

・利益剰余金は、2,359億円の増加となりました。

・その他の資本の構成要素は1,674億円増加しました。

- 主にコスト削減と割引率の変更によりLNGプロジェクトに対する投資の公正価値が増加したことを主因に、FVTOCIの金融資産が1,237億円増加

- 円に対する伯レアル高の進行を主因に、外貨換算調整勘定が282億円増加

・自社株式の取得を実施したことなどにより、株主資本の減算項目となる自己株式は484億円増加しました。

 

 

⑥キャッシュ・フローの状況

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,042

5,870

△1,828

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,533

△4,081

+548

財務活動によるキャッシュ・フロー

△503

△505

+2

現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額

124

△384

+508

現金及び現金同等物の増減

130

900

△770

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

a

4,042

5,870

△1,828

営業活動に係る資産・負債の増減

b

△906

1,153

△2,059

基礎営業キャッシュ・フロー

a-b

4,948

4,717

+231

 

営業活動によるキャッシュ・フローは4,042億円の資金獲得となり、前期の5,870億円の資金獲得から1,828億円の減少となりました。

営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加による影響を主因に、906億円の資金支出となり、前期の1,153億円の資金獲得との比較では、2,059億円の資金支出の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動に係る資産・負債の増減によるキャッシュ・フローを除いた基礎営業キャッシュ・フローは4,948億円となり、前期の4,717億円から231億円の増加となりました。

・減価償却費及び無形資産等償却費は1,933億円となり、前期の2,532億円から599億円減少しました。

・持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は1,947億円となり、前期の2,202億円から255億円減少しました。

 

基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

鉄鋼製品

71

48

+23

金属資源

2,043

1,345

+698

機械・インフラ

777

629

+148

化学品

239

221

+18

エネルギー

1,381

2,060

△679

生活産業

137

△99

+236

次世代・機能推進

101

76

+25

米州

340

540

△200

欧州・中東・アフリカ

11

18

△7

アジア・大洋州

100

73

+27

合計

5,200

4,911

+289

その他/調整・消去

△252

△194

△58

連結合計

4,948

4,717

+231

 

 

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

投資活動によるキャッシュ・フローは3,533億円の資金支出となり、前期の4,081億円の資金支出から548億円の資金支出の減少となりました。当期の内訳は以下のとおりです。(括弧内はオペレーティング・セグメント)

・持分法適用会社に対する投資等の取得及び売却・回収の純額は、2,268億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。

- 医療機器メーカーであるパナソニックヘルスケアホールディングスへの22%出資による資金支出541億円(生活産業)

- モザンビークにおけるモアティーズ炭鉱及びナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業に対する投融資による資金支出539億円(金属資源)

- スペインの自動車プレス部品メーカーであるGestamp Automociónへの出資参画を目的としたGestamp 2020への25%出資による資金支出511億円(鉄鋼製品)

- 米国アセットマネジメント事業への出資による資金支出392億円(次世代・機能推進)

- インドネシアのIPP事業会社の持分追加取得による資金支出(機械・インフラ)

- ブラジル向けFPSOリース事業への投融資による資金支出133億円(機械・インフラ)

- MBK Healthcare Partnersを通じて投資するIHH Healthcare Berhad株式の一部売却による資金回収249億円(生活産業)

- ブラジル化学品関連事業の持分売却による資金回収240億円(化学品)

- 中国水事業会社Galaxy NewSpringの持分売却による資金回収102億円(機械・インフラ)

 

・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、722億円の資金回収となりました。主な回収及び支出は以下のとおりです。

- 東燃ゼネラル石油株式の売却による430億円の資金回収(エネルギー)

- 豪州風力発電事業会社の売却による126億円の資金回収(アジア・大洋州)

- リクルートホールディングス株式の売却による110億円の資金回収(生活産業)

- 日本ユニシス株式の売却による104億円の資金回収(次世代・機能推進)

- 米メキシコ湾沖合の石油・ガス事業取得による資金支出(エネルギー)

 

・長期貸付金の増加及び回収の純額は377億円の資金支出となりました。主な支出は以下のとおりです。

- モザンビークにおけるモアティーズ炭鉱及びナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業取得により282億円の資金支出(金属資源)

- エジプト石油精製事業への融資224億円による資金支出(機械・インフラ)

 

・有形固定資産等及び投資不動産の取得及び売却の純額は、1,520億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。

- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業合計で628億円の資金支出(エネルギー)

- 大手町一丁目2番地区の一体開発事業で245億円の資金支出(その他)

- 豪州鉄鉱石事業合計で119億円の資金支出(金属資源)

- 三井物産都市開発の国内ビル売却による資金回収105億円(生活産業)

- リース用航空機エンジン売却による資金回収102億円(米州)

 

これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは509億円の資金回収となりました。

 

当期及び前期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー(オペレーティング・セグメント別)

 

オペレーティング・セグメント

当期

(億円)

前期

(億円)

鉄鋼製品

△447

△89

金属資源

△836

△222

機械・インフラ

△809

△523

化学品

+139

△160

エネルギー

△459

△1,935

生活産業

△594

△172

次世代・機能推進

△376

△395

米州

+24

△430

欧州・中東・アフリカ

△38

△52

アジア・大洋州

+100

△135

合計

△3,296

△4,113

その他/調整・消去

△237

32

連結合計

△3,533

△4,081

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

財務活動によるキャッシュ・フローは503億円の資金支出となり、前期の505億円の資金支出から2億円の資金支出の減少となりました。当期は、借入金の返済による資金支出があった一方、劣後特約付シンジケートローン5,550億円の調達を主因に、長期債務の増加及び回収の純額は1,968億円の資金獲得がありました。一方、配当金支払いによる1,022億円の資金支出があったほか、自己株式の取得による486億円の資金支出がありました。

 

当期の資金調達状況については、前述の②資金調達手段の頁を参照願います。

 

(4)重要な判断を要する会計方針及び見積り

重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。

IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務などに重要な影響を及ぼすことがあります。

以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。

 

非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入

・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は1,007億円及び52億円です。また、前連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は118億円であり、当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生しておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆1,704億円及び2兆991億円です。

・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額に重要性はありません。また、前連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は124億円であり、当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生しておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は2兆5,153億円及び2兆7,417億円です。

・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。

・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落などによるものです。

・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。

・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。

・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しております。

・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。

- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。

- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去に於ける同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。

- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。

- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去に於ける収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。

・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。

・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。

・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っております。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れております。

 

暖簾の減損

・前連結会計年度における暖簾減損損失計上額は63億円であり、当連結会計年度における暖簾減損損失計上額に重要性はありません。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は692億円及び685億円です。

・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。

・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いております。

 

公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産

・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ5,610億円及び6,460億円です。

・公正価値で測定する市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。

・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画などに基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。

 

繰延税金資産の回収可能性

・繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の減額は、当社の連結損益計算書上の当期利益に重要な影響を及ぼすことがあります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産残高は、それぞれ2,223億円及び2,657億円です。

・当社は、繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。経営者は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更などにより、回収可能額が変動する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり考慮している要因は次のとおりです。

- 将来減算一時差異については繰延税金資産の計上とともに回収可能時期の見積りを行います。有価証券及び税務上償却されない固定資産の減損に係る繰延税金資産について、売却など処分の見込みのない場合、繰延税金資産の回収可能性が見込めないものとして繰延税金資産を計上しておりません。

- 関係会社の将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産について回収可能性の評価を行います。このうち、近年に重要な税務上の欠損金を計上しており、かつ、当期も重要な税務上の欠損金が見込まれる関係会社については、納税主体の事業の特性に基づく将来課税所得発生の確実性及び所在地国における税務上の欠損金の失効期限等を勘案し、将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産の回収可能性の有無を判断しています。

- 2010年3月期より、国税である法人税の申告において当社及び国内の100%出資子会社からなる企業グループを一つの課税単位とする連結納税制度を適用しており、国税については、当該連結納税グループの課税所得と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、個別に繰延税金資産の回収可能性の見積りを行っています。その結果、回収が見込まれないと判断した部分に対しては繰延税金資産を計上しておりません。なお、地方税については、連結納税制度の対象となっていないため、個社の課税所得に基づき、回収可能性の判断を行っており、その結果、回収が見込まれないと判断した部分に対しては繰延税金資産を計上しておりません。

- 2012年3月に豪州において拡大石油資源利用税が導入されました。同税制は2010年5月1日現在で保有する対象事業資産の税務上の簿価を同時点の時価まで引き上げ、将来的にその償却額を税務上損金算入する市場価値法を認めています。連結子会社及び持分法適用会社は、この市場価値法を適用し、対象事業資産の会計上の簿価と時価に引き上げられた税務上の簿価との差異について繰延税金資産を計上するとともに、資源価格等の前提や同税制上の繰越欠損金に対し法定利率を乗じることにより発生が見込まれる増加額等を考慮した上で、回収が見込めないと判断した部分については繰延税金資産を計上しておりません。

 

石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り

・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。

- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等

- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等

- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等

・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、

- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。

- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。

- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。

 

確定給付費用及び確定給付制度債務

・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRSでは、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。

・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債もしくは日本の長期国債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。

・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」を参照願います。