第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。2「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。

 

(1)中期経営計画の進捗状況

中期経営計画「Driving Value Creation」(*)の2年目となる2019年3月期の進捗は次のとおりです。

(*)「Driving Value Creation」に込められた意味:多様なプロ人材が、三井物産グループの総合力とネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組み、新たな事業価値を持続的に創造する。

 

①中期経営計画の4つの重点施策

(a) 強固な収益基盤づくりと既存事業の徹底強化

(b) 新たな成長分野の確立

(c) キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化

(d) ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化

 

②中期経営計画の進捗状況

◇重点施策(a) 強固な収益基盤づくりと既存事業の徹底強化

金属資源では、当社最大の収益源である豪州鉄鉱石事業の後継鉱床開発を通じて事業基盤の維持・拡充に大きな進展があり、また、一般炭専業炭鉱の持分を売却するなど、ポートフォリオの入替を進めています。エネルギーでは、米国CameronやモザンビークなどのLNG案件を着実に推進したことに加え、アブダビLNG事業の延長に合意したほか、豪州石油ガス資源開発会社AWEの事業買収を通じ、優良な原油・ガス資産に加えてオペレーターシップ機能を獲得しました。生活産業では、ブラジルの穀物集荷事業会社Multigrain Tradingからの撤退完了やアジア最大手の民間病院グループIHH Healthcareへの追加出資による筆頭株主化など、事業基盤の入替・拡充が順調に進んだほか、次世代・機能推進においても国内ICT関連事業の強化が進み、共に前年比で収益を大幅に改善することができました。以下に示すとおり、これらを含めた具体的成果を中心に各セグメントにおいて収益基盤の強化が進みました。

 

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◇重点施策(b) 新たな成長分野の確立

2019年3月期は4つの成長分野(モビリティ、ヘルスケア、ニュートリション・アグリカルチャー、リテール・サービス)のうち、特にヘルスケアを中心に将来の収益基盤確立に向けた取組みが加速しました。

IHH Healthcareに対しては、追加出資を実行し筆頭株主となりました。アジアの新興国では依然として病床数が圧倒的に不足しており、透析などの周辺事業もその多くが未だ病院事業に内包されていることから、先進国に比べて成長余地は格段に大きいとみており、当社リソースを重点的に配分することで、事業基盤の更なる強化を進めていきます。

また、米国の高機能サプリメント開発・製造・販売事業者Thorne Researchに出資しました。サプリメント市場は今後世界で年率8~9%の伸長が期待されており、当社が保有する幅広い事業アセットとパートナーとの協業を通じて、同社の米国事業の価値向上や、日本など他地域への進出による事業拡大を進めていきます。

 

◇重点施策(c) キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化

2019年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは5,700億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した2,300億円と併せて8,000億円のキャッシュ・インとなりました。一方、一部案件の実行が前期からずれ込んだことやIHH Healthcareへの追加出資を主因に、投融資は9,300億円となり、総額1,400億円の株主還元を加味すると、株主還元後のフリー・キャッシュ・フロー(*)は2,700億円の赤字となりました。2018年3月期の株主還元後のフリー・キャッシュ・フロー約2,400億円の黒字を加味した2年間合計では約300億円の赤字となりますが、3年間累計での株主還元後のフリー・キャッシュ・フローを黒字化する方針に変更はなく、今後も財務基盤の強化を進めていきます。

(*) 運転資本及び定期預金の増減の影響を除外したフリー・キャッシュ・フロー

 

◇重点施策(d) ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化

ガバナンスの強化では、取締役会においてサステナビリティなど全社的な重要テーマを議論する機会を増やすとともに、持続的成長の実現に向けた当社戦略に関する集中討議を取締役・監査役全員でオフサイトにて行うなど、取締役会の実効性強化を進めました。また、実業経験を有する内山田取締役候補の選任や株価連動型の譲渡制限付株式報酬制度を2019年6月20日開催の定時株主総会に付議し、同株主総会において可決されました。

人材の強化においては、優秀人材をグローバルベースで選抜・育成する「Change Leader Program」を導入し、海外採用社員の管理職登用も積極的に行うなど、グローバル人材マネジメントの強化を進めています。

イノベーション機能の強化については、新しいビジネスをゼロから「つくる」ためのMoon CreativeLab Inc.を子会社として設立したほか、デジタルトランスフォーメーションの取組みも加速しています。

 

(2)経営環境

全般

注:本項目は、2019年4月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経済環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。

当連結会計年度の世界経済は、米国は総じて堅調に推移した一方で、欧州や日本、中国では景気回復の勢いが弱まり、成長が鈍化しました。

米国は、良好な雇用所得環境を背景に個人消費は底堅く推移するものの、減税効果が徐々に剥落すると見込まれるため、今後は景気拡大のペースが落ちていくと予想されます。また、欧州では、輸出の停滞に伴い、成長鈍化が継続すると思われます。日本では、中国向け輸出が情報関連を中心に弱い動きとなっており、設備投資の鈍化もみられることから、景気の停滞が懸念されます。新興国については、中国では政策による一定の下支えが期待されるものの、米中貿易摩擦の影響もあり景気減速が続くと予想されます。一方、ブラジルでは新政権下で景気が持ち直しつつあり、またロシアでも輸出の回復によって景気は下げ止まっています。

世界経済は、全体として停滞感が強まっており、米中通商協議の行方や主要国の政策動向など、今後の情勢には引き続き注意が必要です。

 

②鉄鋼製品セグメント

2018年暦年の世界の粗鋼生産は前年比4.6%増の約18億トンとなり、中国・インドをはじめとした新興国のみならず、EU・北米などの先進国でも需要は増加しています。一方で供給サイドは世界の粗鋼生産の半分を占める中国を中心に過剰能力は解消されておらず、厳しい事業環境が継続しています。このような環境を受け、製鉄業統合に伴い、鋼材流通分野でも更なる業界再編が生じる可能性があります。また、米中貿易摩擦による影響も注視が必要です。

中長期的には、国内の鉄鋼市場が人口減少などにより緩やかに縮小する一方で、米州・アジアを牽引役とした世界経済の回復に伴い、海外では鉄鋼需要は増加していく見通しで、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。

 

③金属資源セグメント

短期的には中国や新興国の成長鈍化などにより市況が低迷するリスクがありますが、鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、その原料に対する需要は長期的な伸びが見込まれます。一方、開発・生産コストの上昇や既存鉱山の枯渇や品位悪化に加え、優良未開発案件には限りがあるため、供給が追いつかず、長期的には需給は逼迫していく見込みです。当セグメントが携わる金属資源分野は、引続き重要性が高いビジネスです。

 

④機械・インフラセグメント

人口増加・経済発展の著しい新興諸国では、電力・水・物流などの基幹インフラ整備の需要、先進国ではインフラ老朽化による改修需要が増しています。また、ESG意識の更なる高まりから、環境負荷の低い再生可能エネルギーの急速な広がりなど低炭素社会の加速、次世代電力においても異業種からの参画が活発化しています。加えて、アジア中間層の存在感の高まりにより、地場固有のインフラ関連ビジネスの勃興も起こっています。引続き安定収益を見込めるインフラ案件への投資の関心は高まっており、重要性が高いビジネスです。

また、モビリティ領域でも、物流・人流総量も引き続き増加傾向にあり、地球環境の保全に資する輸送・移動インフラ及びサービス需要は拡大する見込みです。地球温暖化対策の為の規制強化が進み、ITやビッグデータを用いた効率化の発達と、異業種参入による産業構造変化の継続で、取り巻く外部環境は劇的に変わってきています。新領域では、宇宙空間を活用したサービス需要拡大による新たな事業機会も出てきています。短期的には新車販売の鈍化、建機や船舶の市況影響など不透明な要素もありますが、エネルギー・電力産業を含め、最終需要家へのサービスを軸としたプラットフォームを提供するモビリティの市場拡大が進むものと見られています。

 

⑤化学品セグメント

シェール革命により、北米の石油化学事業の競争力が回復する一方、中国における資本・環境規制や、中東の地政学リスク等に起因して石油化学品の市況のボラティリティが高まる可能性があります。また、気候変動問題に伴う化石燃料需要の動向が石油化学品業界に与える影響についても注目しています。パフォーマンスマテリアルズ領域では、環境意識の高まりや健康・Quality Of Lifeの向上、デジタル化の進展といった時代の潮流を背景に、人とモノの「モビリティ」、住宅資材・パッケージング・パーソナルケアなどの「コンシューマー・プロダクツ」、次世代通信・ロボティクス・ヘルスケアなどの「エレクトロニクス・新産業」等の成長領域に着目しています。

農業化学や食品・栄養科学の領域では、世界的な人口増加・世界経済の成長に伴う食糧増産ニーズや、中間所得者層の増加や健康意識の向上に伴う食の高付加価値ニーズが増大し、市場は引続き拡大すると見込まれます。

 

⑥エネルギーセグメント

世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は今後も増加する見込みであり、中長期的に石油・天然ガス・石炭・原子燃料が主要一次エネルギーとして継続する見通しです。一方で気候変動問題への政策導入で化石燃料のエネルギー需要が2030年~2040年にはプラトーとなるシナリオもある為、コスト競争力のある優良資産のポートフォリオ構築が基本戦略の重要な柱となります。

原油市況は、中長期的には需要が増加する一方で、供給面では新規上流投資抑制による開発鈍化の影響、より高コストの油田開発必要性等により、緩やかな上昇基調を見込んでいます。一方で、EVの急速な普及や環境規制の強化等による原油需要の減少に関しては、蓋然性や影響を見極めて行く必要があります。

LNG市況は、短期的には豪州・米国などにおける新規大型LNGプロジェクトの立ち上がりに比し需要の伸長ペースが合わず、供給過剰の状態が当面継続する見込みですが、中長期的には新興輸入国の市場拡大や環境特性から堅調な需要伸長を背景に、2020年代初頭には需給ギャップが解消する見込みです。

当社は、E&P及びLNGプロジェクトを含む上・中流事業では主体的な取組みを強化し、未開発埋蔵量の開発促進や優良資産の取得を通じて、市況下落時にも継続的に収益貢献ができる下方耐性の強いポートフォリオの構築をさらに進めています。又、新興国を中心とした新たな需要の取り込みや、グローバルな物流体制の強化によりプレゼンスを一層高め、上流から中~下流までバリューチェーンで事業を展開し収益基盤を強化、事業ポートフォリオの持続的な価値創造力を高めていきます。

気候変動対応として、よりクリーンなエネルギーへのシフトや低炭素社会への対応が期待されており、当社はより環境負荷の低い天然ガス・LNG事業や新エネルギー事業に注力しています。急激な技術革新によるコスト低減を背景に、太陽光・風力等を中心とする再生可能エネルギーの増加率は高く、増加ペース次第では一次エネルギー供給構成に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は長期的な視点からエネルギービジネスのトレンドを捉えて、次世代を睨んだポートフォリオの構築を進めると共に、総合的なエネルギーの安定供給を通じて社会の持続的な成長に貢献していきます。

 

⑦生活産業セグメント

世界的な人口増加・世界経済の成長を背景に、食糧需要は今後も持続的に増加する見込みですが、先進国を中心とした農業人口の減少や気候変動による生産適地の変化などを背景に、食糧供給地の偏在化が進んでおり、食糧資源の確保と安定供給へのニーズが一層高まると予想されます。また、世界的な中間所得者層の増加に伴い、食糧需要は美味しさや動物性たんぱく質嗜好など高度化が進み、更に高齢化も相俟って健康向上・疾病予防・安全・安心など多様化が進んでおり、これら食の高付加価値ニーズへの対応も求められるようになります。

成熟した日本の消費市場では、人口減少や少子高齢化などにより、消費量は緩やかに減少していく見通しです。量だけでなく、高齢化や女性の社会進出による共働き世帯・少人数世帯の増加などに伴うライフスタイルの変化を背景に、例えば医療・健康の重視や利便性・安全性の追求など、求められるサービスの質も大きく変化しています。

アジアを中心とした新興国では、人口増加と高齢化、中間所得者層の拡大、経済発展に伴う慢性疾患の増加など疾病構造の変化に伴い、医療費支出の伸びが加速しています。一方、医療サービスの供給が追い付いておらず、医療の需給ギャップは更に拡大していくことが見込まれます。今後、質の高い医療サービスの供給を増やすことと、医療費支出を抑制していくという難しい課題への対応が求められるようになります。

 

⑧次世代・機能推進セグメント

ICT事業分野においては、IoT/AI・ロボティクスの普及、5G通信のインフラ整備、クラウドを活用したビジネスモデル革新、メディア視聴の多様化、消費者サービスの変革等、環境が大きく変化する中、今後先進技術とデータを掛合わせ、サービスに結び付ける取組みが必要とされています。

コーポレートディベロップメント分野においては、不動産事業と金融事業の知見を融合させた不動産アセットマネジメント事業が、先進国・新興国を問わずグローバルに拡大していますが、今後のマクロ経済や株式市場、資産価格の動向には注視が必要です。また、企業が事業拡大を行う上で、経営ノウハウおよび資金の提供者であるバイアウトファンドといったPEファンドが果たすべき役割はますます重要となっています。

 

(3)マテリアリティの見直し

世の中のメガトレンドは刻々と変化しており、ESG(環境・社会・ガバナンス)や国連「持続可能な開発目標(SDGs)」等、世界的にサステナビリティの重要性もますます高まっています。かかる状況下、今般当社では、持続的成長を遂げるための重要な経営課題として2015年3月に特定したマテリアリティを見直し、以下のとおり新たに5つのマテリアリティを特定しました。

● 安定供給の基盤をつくる

  社会の発展に不可欠な資源、素材、食料、製品等の持続可能な安定供給を実現。

● 豊かな暮らしをつくる

  人々の生活向上や地域産業の発展に貢献し、グローバルに持続可能な社会づくりを実現。

● 環境と調和する社会をつくる

  気候変動や水資源問題、資源循環への対応を促進。

● 新たな価値を生む人をつくる

  多様な個を尊重し、主体性を持って新たな価値やイノベーションを生む人材を育成。

● インテグリティのある組織をつくる

  社会から信頼される企業としてガバナンス・コンプライアンスの強化。

 

当社は今後もサステナビリティ経営を推進し、世界のさまざまな国や地域の持続可能な経済・社会の発展と、気候変動をはじめとする地球規模の課題の解決の両方に、グローバルな幅広い事業活動を通じて貢献し、長期的な視点で双方をバランスよく追求していきます。

 

(4)2020年3月期事業計画

中期経営計画の最終年度である2020年3月期は、当期利益は4,500億円、そして基礎営業キャッシュ・フローは6,400億円を目標とします。これは、いずれも2年前に公表した中期経営計画最終年度の目標を上回るものです。また株主資本利益率(ROE)は計画通り、10%の達成を目指します。

 

①2020年3月期アクションプラン

3つの中核分野(金属資源・エネルギー、機械・インフラ、化学品)と4つの成長分野(モビリティ、ヘルスケア、ニュートリション・アグリカルチャー、リテール・サービス)の収益基盤強化・確立は着実に進展しており、その枠組みに変更はありませんが、その中でも特に今後着実かつ高度な伸びが期待される分野は、「環境」と「健康」に関わる事業と考えており、その基盤強化と周辺事業の拡大・横展開に注力してまいります。

「環境」では、気候変動への対応が世界的なテーマとなる中で、より環境負荷の低いエネルギーであるLNGのアジアを中心とした需要増加や、モビリティ分野での電動化・共有化の動きは、今後ますます加速すると考えています。

また、「健康」では、特にアジアにおける中間層がますます拡大する中、生活水準の向上に伴う慢性疾患の増加に対応する医療サービスの提供や、高品質な食材と医薬品の供給が、人々の生活向上や地域産業の発展のために必須の課題となりつつあります。

これら環境と健康に関わる課題解決には、複数の異なる事業セグメントの強みを活かした横断的な取組みが求められることから、当社が得意とする総合力の発揮を通じたアクションプランを実行することで、新たな価値を創造していきます。

また、環境と健康以外の分野に関しても、全てのセグメントにおいて既存事業の徹底的な強化に引き続き取り組み、既存アセットの収益性向上と戦略的リサイクルを通じたポートフォリオの良質化を推進してまいります。

 

②事業資産群とその利益貢献・キャッシュ創出開始時期

2020年3月期には、エネルギーでの複数の重要プロジェクト立ち上げのほか、機械・インフラの発電事業や、化学品における塗料事業や農業資材・農薬事業の拡大などにより、収益基盤の拡大を予定しております。また、生活産業でも高品質な砂糖製造設備の完工やアジア最大手の民間病院グループIHH Healthcareへの追加出資による収益貢献開始を見込みます。既存事業の徹底強化に加えて、これら案件の着実な立ち上げや収益力の強化に万全を期すことで、今期の事業計画を達成してまいります。

 

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キャッシュ・フロー配分の実績及び最新見通し(中期経営計画3年間累計)

過去2年間の実績と2020年3月期の計画を踏まえて、中期経営計画3年間累計のキャッシュ・フロー配分を以下のとおり見直しました。基礎営業キャッシュ・フローは1.88兆円を見込み、投融資は2019年3月期のIHH Healthcareへの追加出資により2,000億円増加し、2.1兆円を見込みますが、これと併せて、資産リサイクルも1,000億円積み増し、8,000億円を見込みます。株主還元につきましては、後述の利益配分方針に基づき、2020年3月期の株主還元額を1,400億円とし、3年間累計額は4,500億円を見込みます。

この結果、3年間累計での株主還元後のフリー・キャッシュ・フローは1,300億円を見込んでおり、これをその時々の経営状況に鑑みて、追加株主還元、有利子負債の返済、追加投資に配分します。

 

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④利益配分に関する基本方針

株主還元策については第4 提出会社の状況 3「配当政策」を参照願います。

 

(5)2020年3月期連結業績予想

①2020年3月期連結業績予想

 

[業績予想の前提条件]

予想

実績

期中平均米ドル為替レート

110.00

111.07

原油価格(JCC)

67ドル

72ドル

期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格

67ドル

71ドル

 

単位:億円

2020年3月期業績予想

2019年3月期
実績

増減

増減要因

売上総利益

8,900

8,385

+515

豪州鉄鉱石・石炭事業、

新規子会社連結

販売費及び一般管理費

△5,800

△5,663

△137

新規子会社連結

有価証券・固定資産

関係損益等

300

△125

+425

ITC、Novus、Eagle Ford損失反動

利息収支

△500

△367

△133

IFRS16号適用影響

受取配当金

800

1,059

259

LNG/Vale配当減少

持分法による投資損益

2,600

2,554

+46

 

法人所得税前利益

6,300

5,843

+457

 

法人所得税

△1,400

△1,526

+126

 

非支配持分

△400

△175

△225

 

当期利益

(親会社の所有者に帰属)

4,500

4,142

+358

 

 

 

 

 

 

減価償却費・無形資産等償却費

2,500

1,863

+637

IFRS16号適用影響

 

 

 

 

 

基礎営業キャッシュ・フロー

6,400

5,705

+695

 

 

為替レートは2019年3月期の111.07円/米ドル、80.77円/豪ドル及び29.22円/伯レアルに対し、2020年3月期はそれぞれ110円/米ドル、77円/豪ドル及び28円/伯レアルを想定します。また、2020年3月期の原油価格(JCC)を67米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を67米ドル/バレル(2019年3月期比4米ドル/バレル下落)と想定します。

 

オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。

なお、2019年4月1日より、非資源分野のさらなる強化のため、旧来の「商品軸」に基づく事業領域の垣根を取り払い、消費者や顧客を意識した「機能軸」で大括りにした営業組織へ改変したことに伴い、2019年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。

 

(単位:億円)

2020年3月期

業績予想

2019年3月期

実績

増減

増減要因

鉄鋼製品

150

99

+51

 

金属資源

1,650

1,672

△22

 

機械・インフラ

900

784

+116

基礎収益力向上

化学品

300

52

248

ITC・Novus損失反動

エネルギー

900

957

△57

 

生活産業

400

363

+37

 

次世代・機能推進

200

220

△20

 

その他/調整・消去

0

△5

+5

 

連結合計

4,500

4,142

+358

 

 

オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。

 

(単位:億円)

2020年3月期

業績予想

2019年3月期

実績

増減

増減要因

鉄鋼製品

100

59

+41

 

金属資源

1,900

1,815

+85

 

機械・インフラ

1,050

740

+310

関連配当増加、IFRS16号適用影響

化学品

500

310

+190

ITC損失反動

エネルギー

2,100

2,191

91

 

生活産業

400

247

+153

IFRS16号適用影響

次世代・機能推進

150

198

△48

 

その他/調整・消去

200

145

+55

 

連結合計

6,400

5,705

+695

 

 

②2020年3月期連結業績予想における前提条件

2020年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。

 

価格変動の2020年3月期

当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額

2020年3月期

前提

 

2019年3月期

実績

市況商品

原油/JCC

-

67

 

72

連結油価(*1)

31

億円(US$1/バレル)

67

 

71

米国ガス(*2)

7

億円(US$0.1/mmBtu)

3.00(*3)

 

3.07(*4)

鉄鉱石(*5)

21

億円(US$1/トン)

(*6)

 

72(*7)

石炭

原料炭

5

億円(US$1/トン)

(*6)

 

202(*8)

一般炭

1

億円(US$1/トン)

(*6)

 

110(*8)

銅(*9)

7

億円(US$100/トン)

6,600

 

6,525(*10)

為替(*11)

米ドル

27

億円(\1/米ドル)

110

 

111.07

豪ドル

19

億円(\1/豪ドル)

77

 

80.77

伯レアル

3

億円(\1/伯レアル)

28

 

29.22

 

(*1) 原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。20/3期には約50%が4~6ヵ月遅れで、約40%が1~3ヵ月遅れで、約10%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。

(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。

(*3) HH連動の販売価格は、HH価格US$3.00/mmBtuを前提として使用している。

(*4) 米国ガスの19/3期通期実績欄には、2018年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。

(*5) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。

(*6) 鉄鉱石・石炭の前提価格は非開示。

(*7) 鉄鉱石の19/3期通期実績欄には、2018年4月~2019年3月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。

(*8) 石炭の19/3期通期実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。

(*9) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2019年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。

(*10) 銅の19/3期通期実績欄には、2018年1月~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。

(*11) 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。

 

) 経営成績に対する外国為替相場の影響について

2018年3月期及び2019年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ3,121億円及び3,688億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドル、豪ドル、伯レアルです。2020年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。

(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず豪ドル、伯レアル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出するほか、両通貨以外の機能通貨を使用する関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を全て米ドル相当額に換算しました。これら3つの通貨別に表示された予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高は、1円当たり27億円程度の当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少をもたらすと試算されます。また、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)に係る円高の影響は、1豪ドル及び1伯レアル当たりでそれぞれ1円の円高で19億円及び3億円の減益となります。

(b)なお、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

(c)但し、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。

 

2【事業等のリスク】

(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク

世界的な或いは特定の地域における経済情勢、とりわけ欧州や日本、中国、米国や新興国の景気減速は、製品・素材の流通量の減少、個人消費や設備投資の低下をもたらしえます。その結果、当社及び連結子会社の商品及びサービスに対する需要が減少し、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場リスク

①商品価格リスク

原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、銅などをはじめとする各種市況商品の生産及び売買は、当社及び連結子会社の重要な事業分野です。とりわけ金属資源及びエネルギー生産事業は経営成績の重要な割合を占めています。これらの商品価格は、需給の不均衡、景気変動、在庫調整、為替変動などの当社及び連結子会社にとって制御不能な要因により、短期的に乱高下或いは周期的に変動します。予想外の相場変動は、以下に示すように当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・多額の投資を行ってきた金属資源・エネルギー開発事業等で、販売価格の下落により、生産した商品の販売を通じた投下資金の回収が困難になる、或いは許容しうる価額での当社出資持分の売却が困難になることがあります。

・評価差額をその他の包括利益に認識する資本性金融資産(以下、FVTOCI)に区分するLNGプロジェクト等に対する投資の価値の下落により、当社の包括利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

・相場商品の現物或いは派生商品のトレーディングで、予想外の相場変動により損失が発生することがあります。

・商品市況の下落により当社及び連結子会社が関わる仲介取引が減少することがあります。

商品市況の変動が当連結会計年度の経営成績に及ぼした影響及び将来及ぼしうる影響については、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2020年3月期連結業績予想」及び3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)経営成績に係る検討と分析」を参照願います。

 

②為替リスク

当社及び連結子会社は外国為替相場の変動に係るリスクを有しており、外国為替相場の変動は当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の連結決算上の報告通貨は日本円ですが、事業活動、連結上の収益と営業費用の相当部分は日本円以外の通貨により受払いされています。このため、日本円に対するその他の通貨の価値の上昇或いは下落は、取引に伴う多額の利益または損失をもたらします。海外の関係会社の収入・支出は米ドル、豪ドル、伯レアルなどにより構成されていますので、当社及び連結子会社の当期利益はこうした通貨の為替変動の影響を受けます。更に当社及び連結子会社は外国通貨で表示された資産及び負債の換算リスクを負います。また、海外の関係会社に対する投資やFVTOCIに区分する投資は、為替変動によりその価値を減じ、当社の包括利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

外国為替相場の変動が当連結会計年度の経営成績に及ぼした影響及び将来及ぼしうる影響については、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2020年3月期連結業績予想」及び3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

 

③金利リスク

当社及び連結子会社は金利変動に係るリスクを有しており、金利変動は営業費用全般、並びに金融資産・負債の価額、とりわけ資本市場及び金融機関借入により調達される負債の価額に影響を及ぼします。なお、当連結会計年度末における当社及び連結子会社の短期債務及び長期債務はそれぞれ3,370億円及び4兆2,885億円となります。金利水準の上昇、特に日本及び米国における上昇は、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社及び連結子会社の資金調達の状況については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)流動性と資金調達の源泉」及び連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示」を参照願います。

 

④株価リスク

当社及び連結子会社の投資ポートフォリオには、市場性のある資本性金融資産が含まれます。当連結会計年度末において、当社及び連結子会社はFVTOCIに区分する市場性のある資本性金融資産を1兆87億円保有しており、総資産の8.4%に相当します。当社及び連結子会社は、株式ポートフォリオの見直しを定期的に行っておりますが、株式市場の価格変動や相場の下落は投資ポートフォリオを毀損し、その他の包括利益の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤確定給付費用及び確定給付債務に関するリスク

国内外の国債等の債券や上場株式の価格下落は、当社及び連結子会社の制度資産の価値を減少させます。制度資産の価値の下落或いは確定給付制度債務の増加は、その他の包括利益及び利益剰余金の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

確定給付費用については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」 及び連結財務諸表注記事項19.「従業員給付」 を参照願います。

 

(3)与信リスク

当社及び連結子会社は商取引や融資取引のある様々な顧客や事業に係る多額の与信リスクにさらされています。

・当社及び連結子会社は、多数の取引先に後払い条件で商品・サービスを販売し、或いは販売契約に付随する融資プログラムや顧客の借入に係る支払保証を供与することがあります。当連結会計年度末において当社及び連結子会社の損失評価引当金控除後の流動売上債権等は1兆8,042億円であり、総資産の15.1%を占めています。控除した当連結会計年度の損失評価引当金残高(流動)は125億円となっています。

・様々なプロジェクトにおけるファイナンスのため、回収リスクを伴う多額の貸付や保証を行っています。

・ヘッジ取引のために行ったデリバティブ取引の相手方による支払不能リスクを有しています。

当社及び連結子会社における与信管理政策は、与信先の財政状態悪化により発生しうるリスクを完全に排除することはできません。加えて、流動性危機の発生、不動産や株式などの市場価格急落による顧客の支払不能、或いは企業倒産の増加などによって、当社及び連結子会社の債権回収が困難となる可能性があります。

 

(4)固定資産に関する減損リスク

当社及び連結子会社が自ら使用、または第三者に貸与する機械及び装置、土地及び建物などは、資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされています。当連結会計年度末において、有形固定資産、投資不動産、及び無形資産の帳簿価額の合計は2兆3,226億円です。固定資産の価値は、世界的或いは地域的な需要と供給に基づく価格、生産・販売数量、及びコストの変動等の当社が制御しえない要因の影響を受けます。固定資産について減損損失が発生した場合、減損処理は当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

非金融資産の減損に係る会計方針及び見積りについては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」を参照願います。

 

(5)資金調達に関するリスク

金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、或いは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。

資金調達及び格付けについては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

 

(6)繰延税金資産に関するリスク

当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。

また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)リスク・エクスポージャーの集中リスク

当社及び連結子会社が世界各地で展開する事業は、商品市況及び需給、為替・金利相場などのグローバルな経済環境に加えて、地域の政治的及び経済的不安定性に起因するリスクを有しております。更に、当社及び連結子会社の事業活動は、特定の国または地域の特定の分野に関する集中化リスクを有しています。例えば、当社及び連結子会社は、

・ブラジル、チリ、ロシアにおいて、金属資源・エネルギーの探鉱・開発・採掘に係る投資を推進しています。

・インドネシアにおいて発電事業をはじめとする各種インフラ関連プロジェクトや二輪車販売金融事業を推進しています。

・モザンビークにおいて、鉄道・港湾インフラ事業及び金属資源の探鉱・開発・採掘に係る投資を推進しています。

・マレーシアにおいて、アジア広域のヘルスケア事業に係る投資を推進しています。

こうした事業集中地域や分野において当社及び連結子会社の事業活動が低迷する、或いは予想外の政治的或いは経済的混乱が生じる場合には、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8)事業投資リスク

当連結会計年度末現在、当社は277社の連結子会社及び214社の持分法適用会社を有しています。当社は、連結子会社及び持分法適用会社の事業性を評価するためのモニタリング・プロセスを導入し、収益性の低い事業の再編に継続的に取組んでいます。こうした事業再編を計画に沿って達成できない場合は、非効率な事業運営を進めることとなり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社及び連結子会社は第三者との合弁事業、或いは、第三者に対する戦略的投資を通じて多様な事業分野に参入しています。しかしながら、その結果の予測は困難なことがあります。すなわち、

・これらの事業の成否は、合弁事業のパートナーや戦略的投資先企業の業績や財政状態といった当社及び連結子会社が制御しえない事象が決定的な要因となる場合があります。

・更に、持分法適用会社での事業において、経営、業務運営、資産処分に関する適切な統制ができない、或いはパートナーと事業目的及び戦略的課題を共有できないために重要な決定ができなくなる可能性があります。

こうした事態の発生は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)金属資源、石油・ガスの探鉱・開発・生産に係るリスク

当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態において重要な割合を占める金属資源や石油・ガスの探鉱・開発・生産事業は、以下のリスクを伴います。

・開発事業においては、技術・資材調達・資金調達・環境面を含む当局による規制などの問題により、当初の想定より工期が遅延する或いは開発費用負担が増加する可能性があります。

・埋蔵量の計算は、利用可能な地質情報・技術・契約条件・経済的条件に基づく推定であり、現実の開発・生産は想定と異なる可能性があります。

・探鉱作業は不確定要素を伴うため、想定したコストやスケジュールでの持分埋蔵量の補充ができない可能性があります。

これらの多くの事業において、当社及び連結子会社はノンオペレーターの立場で参画しています。この場合、当社及び連結子会社はオペレーターである事業参加者が作成した情報に基づき事業性を検討しますが、開発及び生産に係る意思決定を含めた事業の運営は実質的にオペレーターに支配的権限があります。オペレーターによる事業運営が適切に行なわれない場合、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)競合リスク

当社及び連結子会社が提供する商品及びサービスの市場は、概して競争的な環境にあります。他の総合商社をはじめ、各種分野において同様の事業活動を展開する競合他社は、商品によって当社及び連結子会社の内外の顧客に対してより堅固な取引関係を有している場合や、より充実した世界的ネットワーク、特定地域に係る専門知識、広範な海外顧客基盤、金融サービス機能、市場分析能力を有することがありえます。当社及び連結子会社が、顧客の求める革新的かつ総合的なサービスを競争力あるコストにより提供できない場合、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)経営資源の制約に関するリスク

新規事業において、当社及び連結子会社は、事業の立案・評価及び実行や人員の指揮・監督などにあたる人的資源を投入しています。しかしながら、事業分野によっては求められる人材が不足し、新事業創出の機会の逸失につながる可能性があります。新規事業に対するこうした人的資源の制約は、当社及び連結子会社の将来の事業展開と経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境に関するリスク

当社及び連結子会社が内外各地で展開する事業は、広範な環境関連法令の規制を受けます。とりわけ金属資源セグメントやエネルギーセグメントの経営成績は、現在或いは将来における探鉱・開発事業に対する環境規制の影響を被る可能性があります。例えば当社及び連結子会社は、豪州、ブラジル、チリ、ロシア、中東等において一連の環境規制の制約を受けていますが、これらの地域における法令は、事業区域の浄化、操業停止あるいは事業終了、重大な環境破壊に対する罰金及び補償金、高額な汚染防止設備の設置、操業方法の変更などを課すことがあります。環境法令の変更や新設、NPO・NGO等ステークホルダーの批判、議決権行使助言機関からの助言やESG/SRI調査会社による格付は、これらのプロジェクトの進捗に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、ひとたび環境事故が生じると、当社及び連結子会社は資源・エネルギー権益の所有者として、当該事故への寄与度や過失の有無に拘らず、また、ノンオペレーターとして操業に全く関与していない場合であっても、清掃費用、環境破壊への賠償、事故被害者への健康・財産被害や休業補償・逸失利益補填等のための損害賠償費用、環境当局からの罰金や補償金等の負担を強いられることで、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)法的規制に係るリスク

当社及び連結子会社は内外の広範な法令に従い事業活動を展開しています。当社及び連結子会社の事業は、具体的には、各種の商品規制、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、環境保護規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法、独占禁止法などの制約の下にあります。例えば当社及び連結子会社による発展途上国でのインフラストラクチャー開発プロジェクトは、十分に整備されていない法基盤の下で遂行されることがあり、包括的な法令体系の欠如や、一貫性のない法令の適用及び解釈、監督当局による規制措置の一方的変更などに対応する費用負担が増大することがあります。また、これらの事業が供給する製品或いはサービスに賦課される税率、環境規制に係る技術的要件、所得税及び関税、投資元本及び配当の還流に関する為替規制などの諸法令などについて、予想外の変更が行われることがあります。

当社及び連結子会社が行う探鉱・開発・採掘事業について、必ずしも事業権に係る契約の相手方による義務の履行がなされる保証や契約期限到来時に事業権の存続期間が延長される保証はありません。また、これら事業に係る規制当局が、金属資源や石油・ガス生産事業における生産量、価格体系、ロイヤリティ、環境保護費用及び借地権等に関する契約条件に関し、一方的な介入或いは変更を行わない保証はありません。規制当局が一方的に契約条件を変更した場合、或いは、変更・新設された法令について遵守に対応する費用が増大する場合、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は法令に適合するため、相当の追加費用を負担することが起こりえます。

 

(14)役職員による法令及び社内規定の遵守違反に関するリスク

当社及び連結子会社は、その規模、業務範囲及び活動領域が広範に亘っていることから、日常業務は自ずと分権的に運営されており、従業員が全ての法令や社内規定を遵守しているとの確証を得ることはできません。例えば、従業員が必要な社内許可を取得しないまま社外との取引を行うこと、商品取引において許可されたリスク・エクスポージャー限度額を超過することや、与信限度枠を超えて取引を拡大することもありえ、それらはどのケースにおいても予測不能な損失や管理不能なリスクに繋がります。また、従業員が日本或いは外国における輸出貿易規制、汚職防止法、独占禁止法、税法などの法令を犯すこともありえます。法令及び社内規定の遵守のための様々な取組みをもってしても、従業員の全ての不正行為を完全に防止できる確証はありません。従業員の不正行為はその内容次第で当社の経営成績や社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)内部統制に関するリスク

当社及び連結子会社の事業は世界中の様々な商品やサービスに亘っているため、財務報告に係る内部統制についても様々な取引パターンに応じて構築する必要があります。当社及び連結子会社は適正な財務報告に係る内部統制を維持できず、財務報告に係る内部統制が有効であると主張できない場合があります。こうした場合には、当社及び連結子会社に対する市場の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)気候変動・自然災害に関するリスク

国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択、各国で批准されたのを機に、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められています。

当社は気候変動の重要性を認識しており、気候変動の移行リスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)と物理的リスクは当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらリスクのうち、政策・法規制リスクとして、炭素税の賦課やキャップ・アンド・トレード型の排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制は、当社及び連結子会社が出資する海外発電事業など化石燃料を使用し温室効果ガス排出量が多い事業、及び石炭・石油・ガスの生産事業の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、物理的リスクとしては、気候変動により近年発生が増加傾向にある異常気象のうち、局地的な暴風雨、とりわけ大西洋及び南太平洋で発生する強い熱帯低気圧であるハリケーンやサイクロンは当社及び連結子会社が行う金属資源、石油・ガス及び塩田事業の生産活動及び出荷に悪影響を及ぼし、費用の増加や収益の減少をまねく可能性があります。こうした異常気象により生産現場や生産設備、出荷に使用される道路、鉄道、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間に亘り停止することがありえます。また、干ばつなどの異常気象は当社及び連結子会社が行う食料生産事業の生産活動に対しても悪影響を与える可能性があります。

また、地震、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社及び連結子会社の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。当社では、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練などの対策を講じていますが、自然災害等による被害を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク

通信ネットワークのグローバル規模での運用が進展する中、ITシステムの適切な運用と情報価値の把握並びに適切な取扱いが重要です。当社は、情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化の為、関連規程を整備し、当社及び連結子会社が保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性を適切に確保し、またリスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏えい等のリスクを管理し、通信ネットワーク監視等を通じた外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練に努めています。しかしながら、予期できない水準の情報システム基盤や通信回線の重大な障害或いは経営に関わる機密情報の破壊・窃取が発生する可能性を完全に排除することはできず、この様な場合、業務効率の著しい低下が避けられず、事業継続或いはビジネスの伸長に困難を来すことから、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)テロ・暴動遭遇リスク

当社及び連結子会社は、グローバルに営業活動を展開しており、海外各国のテロ・暴動等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされております。こうした様々なリスクは、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、2「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。

なお、経営上の目標の達成状況については、「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)中期経営計画の進捗状況」を参照願います。

 

(1)業績等の概要

①業績

「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」を参照願います。

②キャッシュ・フロー

「(5)流動性と資金調達の源泉 ⑥キャッシュ・フローの状況」を参照願います。

 

(2)仕入、成約及び売上の状況

①仕入の状況

各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しております。

②成約の状況

各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しております。

③売上の状況

「(4)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項7.「セグメント情報」を参照願います。

(注) 当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としております。

 

(3)経営者の検討における重要な指標について

当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、2「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。

売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)

当社及び連結子会社は様々な商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスク・リターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。

②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向

当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向に関する詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」及び「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」内の金属資源セグメント及びエネルギーセグメントの該当箇所を参照願います。

③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ

前中期経営計画(2014年5月公表)において、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す指標として、基礎営業キャッシュ・フロー(*1)を導入しており、2018年3月期から始まった中期経営計画(2017年5月公表)でも、引き続き、基礎営業キャッシュ・フローを重要な経営指標としております。

当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本(*2)の水準及び、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連」を、財務戦略については「(5)流動性と資金調達の源泉」を参照願います。

(*1)基礎営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動に係る資産・負債の増減によるキャッシュ・フローを除いた金額として算出されます。

(*2)連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。

 

(4)経営成績に係る検討と分析

①連結損益計算書項目

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

収益

69,575

48,921

+20,654

売上総利益

8,385

7,907

+478

販売費及び一般管理費

△5,663

△5,717

+54

その他の

収益・費用

有価証券損益

44

551

△507

固定資産評価損益

△270

△255

△15

固定資産処分損益

179

151

+28

雑損益

△188

158

△346

マルチグレイン事業関連引当金

111

△250

+361

金融

収益・費用

受取利息

434

365

+69

受取配当金

1,059

848

+211

支払利息

△801

△665

△136

持分法による投資損益

2,554

2,349

+205

法人所得税

△1,526

△1,031

△495

当期利益

4,318

4,413

△95

当期利益(親会社の所有者に帰属)

4,142

4,185

△43

(*) 四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。

 

収益

IFRSに従い、履行義務の識別にあたっては、本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財またはサービスを自ら提供する履行義務である場合には、本人として収益を対価の総額で認識しており、それらの財またはサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には、代理人として収益を手数料または報酬の額もしくは対価の純額で認識しております。

 

当連結会計年度より、従来、IAS第18号「収益」に従い、財またはサービスの提供に関する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有していないことから代理人として収益を純額で認識していた取引のうち、顧客に財またはサービスが移転される前に当社が当該財またはサービスを支配している取引については、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」では本人としての取引と判断されることから、収益を総額で認識しております。この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の連結損益計算書において、収益及び原価が、それぞれ、2兆547億円増加しております。

 

売上総利益

主にエネルギーセグメント及び次世代・機能推進セグメント、生活産業セグメントで増益となった一方、金属資源セグメント及び鉄鋼製品セグメントで減益となりました。

 

その他の収益・費用

販売費及び一般管理費

変動の内訳を社内管理上の費目別に見ると以下のとおりです。

(単位:億円)

費目別内訳

人件費

福利費

旅費
交通費

交際費
会議費

通信情報費

当期

2,995

119

309

66

438

前期

2,971

122

298

70

458

 増減額(*)

24

△3

11

△4

△20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

費目別内訳

借地借家料

減価償却費

租税公課

損失評価

引当金繰入額

諸雑費

合計

当期

302

165

124

133

1,012

5,663

前期

275

144

169

203

1,007

5,717

 増減額(*)

27

21

△45

△70

5

△54

(*)△は負担減

 

変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

(単位:億円)

オペレーティング

・セグメント

鉄鋼製品

金属資源

機械・
インフラ

化学品

エネルギー

生活産業

次世代・

機能推進

当期

278

323

1,234

992

451

1,554

515

前期

321

444

1,215

966

421

1,530

508

 増減額(*)

△43

△121

19

26

30

24

7

 

オペレーティング

・セグメント

その他/

調整・消去

合計

当期

316

5,663

前期

312

5,717

 増減額(*)

4

△54

(*)△は負担減

 

有価証券損益

当期は、主に生活産業セグメントで有価証券利益を計上しました。前期は、主に金属資源セグメントで有価証券利益を計上した一方、機械・インフラセグメントで有価証券利益及び損失を計上しました。また、生活産業セグメント及び次世代・機能推進セグメントで有価証券損失を計上しました。

 

固定資産評価損益

当期は、エネルギーセグメント及び化学品セグメントで固定資産評価損失を計上しました。前期は、主に生活産業セグメント及び機械・インフラセグメントで固定資産評価損失を計上しました。

 

固定資産処分損益

当期は、主に金属資源セグメント及び鉄鋼製品セグメント、生活産業セグメントで固定資産売却益を計上した一方、化学品セグメントで固定資産処分損失を計上ました。前期は、主に生活産業セグメント及び次世代・機能推進セグメントで固定資産売却益を計上しました。

 

雑損益

当期は、化学品セグメントにおいて、火災事故に係る損失を計上しました。前期は、鉄鋼製品セグメントにおいて、持分法適用会社出資に係る価格調整条項のデリバティブ評価益を計上しました。

 

マルチグレイン事業関連引当金

生活産業セグメントで、前期において、事業環境の悪化に伴う損失に対する引当金繰入額を計上した一方、当期において、当該引当金の一部取崩しに係る利益を計上しました。

 

金融収益・費用

受取配当金

主に、エネルギーセグメント及び金属資源セグメントで増加しました。

 

持分法による投資損益

主に、エネルギーセグメント及び次世代・機能推進セグメント、生活産業セグメントで増益となった一方、機械・インフラセグメントで減益となりました。

 

法人所得税

・前期において、Valeparへの投資に係る繰延税金負債の取崩しや、配当に伴う持分法適用会社への投資に係る繰延税金資負債の取崩し、米国税制改正に伴う繰延税金負債の取崩し等により、法人所得税の負担が減少した一方、持分法適用会社への投資に係る繰延税金資産の取崩し及びMultigrain Tradingにおける繰延税金資産の取崩しによる法人所得税の増加がありました。

・当期の実効税率は26.1%となり、前期の18.9%から、7.2ポイント増加しました。上述の前期の繰延税金資産の取崩しが税率減少要因となった一方、繰延税金負債の取崩しが税率増加要因となりました。

 

当期利益(親会社の所有者に帰属)

上記の結果、前期から43億円減益の4,142億円となりました。

 

②オペレーティング・セグメント情報

オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。

 

鉄鋼製品

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(親会社の所有者に帰属)

99

247

△148

 

売上総利益

272

419

△147

 

持分法による投資損益

162

133

+29

 

受取配当金

17

25

△8

 

販売費及び一般管理費

△278

△321

+43

 

その他

△74

△9

△65

 

・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。

- 三井物産スチールは、日鉄住金物産へ事業譲渡したことを主因に、70億円の減益

- 前期のChampions Cinco Pipe & Supply売却及び前期の大型パイプライン案件受注の反動を主因に減益

・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。

- 当期において、日鉄住金物産が持分法適用会社となったことに伴い、持分法による投資損益を計上

・販売費及び一般管理費の負担減少の主因は以下のとおりです。

- 三井物産スチールは、日鉄住金物産への事業譲渡を主因に、55億円の負担減少

・上記のほか、以下要因がありました。

- 前期において、Gestamp Automociónへの出資参画に伴う価格調整条項のデリバティブ評価益48億円を計上

- 前期において、Game Changer Holdingsで米国税制改正による繰延税金負債の取崩益35億円を計上

- 当期において、関係会社の土地売却に伴う一過性利益59億円を計上

 

金属資源

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(親会社の所有者に帰属)

1,672

2,576

△904

 

売上総利益

1,756

2,068

△312

 

持分法による投資損益

593

618

△25

 

受取配当金

209

164

+45

 

販売費及び一般管理費

△323

△444

+121

 

その他

△563

170

△733

 

・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。

- 豪州鉄鉱石事業は、鉄鉱石販売価格の下落及びジョイント・ベンチャー間における保有鉱区の変更を主因に202億円の減益

- 豪州石炭事業は、採掘計画変更に伴う操業費の上昇を主因に124億円の減益

・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。

- Valeparは、2018年3月期第2四半期にValeへ吸収合併され、持分法適用会社から異動したことにより、94億円の減益

- チリの銅鉱山事業会社Inversiones Mineras Acruxは、前期の減損戻入れの反動を主因に41億円の減益

- カセロネス銅鉱山を開発するMinera Lumina Copper Chileは、前期に当社連結決算にて減損を認識したことに伴い78億円の改善

- 豪州石炭事業は、石炭価格の上昇を主因に増益

・Vale及び豪州鉄鉱石事業からの受取配当金増加を主因に、前期から45億円の増益

・販売費及び一般管理費の負担減少の主因は以下のとおりです。

- 前期において、当社連結決算にて、カセロネス銅鉱山を開発するMinera Lumina Copper Chileにおける各種前提の見直しを行った結果、融資に係る引当金繰入額147億円を計上

・上記のほか、以下要因がありました。

- 当期において、豪州Bengalla炭鉱事業売却に伴い、固定資産処分益を計上

- 前期において、ValeparのValeへの吸収合併に伴い、有価証券利益563億円及びValeparの未処分利益に係る繰延税金負債の取崩益352億円を計上

- 前期において、持分法適用会社Inner Mongolia Erdos Electric Power & Metallurgicalからの配当に伴い、未処分利益に係る繰延税金負債の取崩益を計上

 

鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量

価格変動は、当社の鉄鉱石関連の海外子会社及び持分法適用会社が保有する権益持分相当の生産量からの販売収入に直接的な変動を及ぼします。2020年3月期において連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により21億円と概算しております。

当連結会計年度の1年間における当社鉄鉱石関連の権益見合い生産量は59.7百万トン(一般社外のVale権益見合い生産量21.2百万トン含む)です。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、海外子会社及び持分法適用会社の権益見合いに対して、2020年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場などを前提条件とした上で算出したものです。なお、一般的に、豪ドルなどの資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。

 

機械・インフラ

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(親会社の所有者に帰属)

784

896

△112

 

売上総利益

1,307

1,219

+88

 

持分法による投資損益

875

965

△90

 

受取配当金

58

34

+24

 

販売費及び一般管理費

△1,234

△1,215

△19

 

その他

△222

△107

△115

 

・売上総利益の増益の理由は以下のとおりです。

- 船舶売買事業における引渡隻数の増加

・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。

- IPP(独立系発電)事業は213億円の減益

◇前期において、英国発電所の売却益203億円を計上

◇前期において、尼国発電事業のリファイナンスに伴う利益39億円を計上

◇当期において、IPP事業の投資形態変更に伴い、持分法適用会社で繰延税金資産を計上

◇電力デリバティブ契約などに係る時価評価損益は17億円の損失となり、前期の6億円の利益から、23億円の悪化

- 当期において、海外鉄道事業における損失を計上

- 前期において、持分法投資先の海外プロジェクトに起因する業績悪化による損失計上

- 前期において、中南米における融資案件に対する引当金51億円を計上

・上記のほか、以下の要因がありました。

- 前期において、コンテナターミナルの開発・運営事業で固定資産の減損損失54億円を計上

- 当期において、IPP事業の投資形態変更に伴い、持株会社で繰延税金資産を計上

- 前期において、尼国発電事業の融資子会社でリファイナンスに伴う損失41億円を計上

- 前期において、英国発電事業の売却に伴い、英国発電事業への投資会社において有価証券評価損35億円を計上

- 前期において、発電事業を行う持分法適用会社からの配当に伴い、未処分利益に係る繰延税金負債の取崩益を計上

- 前期において、持分法適用会社の株式一部売却に伴い有価証券売却益を計上

 

化学品

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(親会社の所有者に帰属)

45

342

△297

 

売上総利益

1,428

1,366

+62

 

持分法による投資損益

128

113

+15

 

受取配当金

27

23

+4

 

販売費及び一般管理費

△992

△966

△26

 

その他

△546

△194

△352

 

・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。

- MMTXはメタノール価格の上昇を主因に62億円の増益

- Novus Internationalは、メチオニン価格の下落を主因に58億円減益

・上記のほか、以下要因がありました。

- 当期において、Intercontinental Terminals Companyで火災事故による損失206億円を計上

- 当期において、Novus Internationalでプロジェクトコスト上昇等によりメチオニン製造能力拡張計画の見直しを行った結果、140億円の損失を計上

- 前期において、Intercontinental Terminals Companyで米国税制改正による繰延税金負債の取崩益84億円を計上

 

エネルギー

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(親会社の所有者に帰属)

957

486

+471

 

売上総利益

1,340

968

+372

 

持分法による投資損益

403

245

+158

 

受取配当金

652

519

+133

 

販売費及び一般管理費

△451

△421

△30

 

その他

△987

△825

△162

 

・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。

- 三井石油開発は、原油ガス価格の上昇やコスト減少を主因に243億円増益

- Westport Petroleumは、デリバティブ契約などに係る時価評価を主因に53億円増益

- Mitsui E&P USA は、ガス価格の上昇やコスト減少を主因に51億円増益

- Mitsui E&P Middle Eastは、原油価格の上昇を主因に42億円増益

- Mitsui & Co. Energy Trading Singaporeは、LNG・石油トレーディングの好調を主因に34億円増益

・Japan Australia LNG (MIMI)の原油ガス価格上昇や生産数量増加による増益を主因に、持分法による投資損益が増益

・LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、アブダビ、オマーン、カタールガス3及び赤道ギニア)からの受取配当金は634億円となり、前期から133億円の増加

・上記のほか以下要因がありました。

- 当期において、開発計画の変更等を反映し、MEP Texas Holdingsがイーグルフォード・シェールオイル・ガス事業に係る評価損116億円を計上

- 当期において、三井石油開発などで63億円の探鉱費用を計上した一方、前期は三井石油開発などで70億円の探鉱費用を計上

- 前期において、米国シェールガス・オイル事業の持株会社MEPUS Holdingsで米国税制改正に伴い、繰延税金資産の取崩しによる損失149億円を計上

 

原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量

当社の石油・ガスの持分生産量は、2018年3月期において年間244百万バレル(ガスはバレル換算、換算係数は原油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、当社連結子会社・持分法適用会社・非連結先の当社権益保有見合い)、2019年3月期における実績見通しは年間251百万バレル(同上)となりました。

なお、当社は、2020年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス関連子会社及び持分法適用会社の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたり31億円と推定しています。尚、当社は米国SEC基準による持分生産量の公表を行っておりません。

金属資源と同様に、実際の経営成績は、各連結子会社及び持分法適用会社における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。

 

生活産業

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

424

△263

+687

 

売上総利益

1,589

1,395

+194

 

持分法による投資損益

293

228

+65

 

受取配当金

54

43

+11

 

販売費及び一般管理費

△1,554

△1,530

△24

 

その他

42

△399

+441

 

・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。

- ファッション事業において、アジア事業の連結子会社化により58億円増益

- Multigrain Tradingは、前期不調の反動を主因に50億円増益

・上記のほか、以下要因がありました。

- 前期において、Multigrain Tradingの事業環境の悪化に伴う損失に対する引当金繰入額255億円及び繰延税金資産取崩を主因とする税金費用86億円を計上したほか、固定資産処分等に係る損失41億円を計上した一方、当期において当該引当金の取崩しに係る利益116億円を計上

- 前期において、XINGU AGRIにて土地評価額下落により、固定資産評価損113億円を計上

- 当期において、IHH Healthcareの発行済株式数増加に伴う持分変動利益75億円を計上

- 前期において、MBK Healthcare Networkにて、出資するDaVita Careの将来計画の見直しによる有価証券評価損59億円を計上

- 当期及び前期において、国内ビルの売却益を計上

- 前期において、IHH Healthcare株式を保有するMBK Healthcare Partnersの解散に伴う繰延税金負債の取崩益83億円を計上

 

次世代・機能推進

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)

166

△46

+212

 

売上総利益

667

451

+216

 

持分法による投資損益

117

50

+67

 

受取配当金

29

27

+2

 

販売費及び一般管理費

△515

△508

△7

 

その他

△132

△66

△66

 

・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。

- 前期において、新興国での携帯通信事業会社株式の公正価値評価損60億円を計上

- Mitsui Bussan Commoditiesは、良好な市況環境によるトレーディング好調により32億円の増益

- 前期において、中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価益45億円を計上した一方、当期において公正価値評価益30億円を計上

・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。

- 持分法適用会社において、前期の業績悪化懸念損失の反動を主因に34億円改善

・上記のほか、以下要因がありました。

- 前期において、インドのTVショッピング事業Naaptol Online Shoppingに関して有価証券評価損31億円を計上

- 前期において、国内倉庫売却に伴い、固定資産売却益を計上

 

(5)流動性と資金調達の源泉

 

会計基準に基づかない財務指標について

現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)

この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して、下表のとおり算出しています。

• 短期債務及び長期債務の合計により有利子負債を算出。

• 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。

当社の経営者は、債務返済能力と株主資本利益率 (ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを投資家にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。

 

 

当期末

前期末

 

(億円)

(億円)

短期債務

3,370

2,016

長期債務

42,884

40,254

有利子負債合計

46,255

42,269

(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)

△9,663

△11,377

ネット有利子負債

36,592

30,892

株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)

42,632

39,747

ネットDER(倍)

0.86

0.78

 

フリーキャッシュ・フロー

当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しています。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、或いは、資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、以下の表のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,107

5,536

△1,429

投資活動によるキャッシュ・フロー

△7,190

△2,482

△4,708

フリーキャッシュ・フロー

△3,083

3,054

△6,137

 

①資金調達の基本方針

当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。

100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において連結有利子負債の4分の3程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。

また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。

 

②資金調達手段

当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。

当社は、内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。

これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠、2兆4,000億円のコマーシャルペーパー発行枠、並びに総額50億米ドルのユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムという直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。当連結会計年度末における(短期社債除く)国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートの発行残高は、それぞれ1,350億円及び148億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による15億米ドルの米国コマーシャルペーパープログラムやMitsui & Co. Financial Services (Europe)による15億米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム、その他の海外地域の一部でも同様のプログラムを保有しており、それぞれ時機をみて活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における連結有利子負債に占める短期債務の比率は、7.3%となりました。

当社及び一部の連結子会社は金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠を設定しています。これらの信用枠を含めた銀行借入に係る未使用の信用枠につきましては、連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示(6)リスク管理」を参照願います。

有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。

これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示」を参照願います。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項16.「金融債務及び営業債務等に関する開示」を参照願います。

 

格付け

当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2019年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。

 

 

R&I

Moody's

S&P

短期格付け

a-1+

P-2

A-1(**)

(長期)発行体格付け

AA-

A

長期個別債務格付け

AA-

A3(*)

プログラム格付け
(ミディアム・ターム・ノート格付け)

AA-

A3

A

見通し

安定的

安定的

安定的

(*)Moody’sにおける呼称は「長期債務格付け(シニア無担保)」です。

(**)S&Pにおける呼称は「短期発行体格付け」です。

 

当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。

なお、格付けは当社からの情報あるいは格付機関が信頼できるとする情報に基づく各格付機関自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付機関によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付機関毎に異なります。

 

③流動性の状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、9,561億円となりました。この現金及び現金同等物の半分程度は円建てであり、当連結会計年度末の短期債務(3,370億円)と1年以内に返済予定の長期債務(4,794億円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しています。

当連結会計年度の世界経済は、米国は総じて堅調に推移した一方で、欧州や日本、中国では景気回復の勢いが弱まり、成長が鈍化しました。FRBは2018年4月以降に3度の利上げを実施した後、金融引き締め政策の一時停止を余儀なくされました。このような状況下、当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期に亘る良好な関係や公的金融機関による各種施策を活用して必要資金の調達を着実に実行しました。米中通商協議の行方や主要国の政策動向などに不透明感が残り、世界経済は全体として停滞感が強まっていることから、流動性については引続き注視していく必要があると認識しています。

上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は4兆6,255億円(前連結会計年度末比3,986億円増)、連結有利子負債に占める長期債務の比率は、92.7%となりました。このうち、5,550億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付機関は、残高の50%である2,775億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の長期債務の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項16.「金融債務及び営業債務等に関する開示」を参照願います。

 

返済年限

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

合計

金額(億円)

4,794

4,682

3,727

2,769

4,281

22,630

42,884

 

当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は4兆2,632億円となり前連結会計年度末比で2,885億円増加しました。ネット有利子負債は3兆6,592億円となり同5,700億円増加、ネットDERは前連結会計年度末の0.78倍から0.86倍へ0.08ポイント上昇しました。

また流動比率は、前連結会計年度末の156.6%に対し当連結会計年度末は145.8%となっています。

以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。

当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項26.「偶発債務」を参照願います。

当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。

連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しております。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。

なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に140億円を拠出する見込みです。

 

④投融資と財務政策

当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは約5,700億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した約2,300億円と併せて約8,000億円のキャッシュ・インとなりました。一方、一部案件の実行が前期からずれ込んだことやIHH Healthcareへの追加出資を主因に、投融資(*)は約9,300億円となり、総額約1,400億円の株主還元を加味すると、株主還元後のフリーキャッシュ・フロー(**)は約2,700億円の赤字となりました。前連結会計年度の株主還元後のフリーキャッシュ・フロー約2,400億円の黒字を加味した2年合計では約300億円の赤字となりますが、3年間累計での株主還元後のフリーキャッシュ・フローを黒字化する方針に変更はなく、今後も財務基盤の強化を進めて行きます。尚、当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の⑥ キャッシュ・フローの状況を参照願います。

 

(*)定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フロー

(**)運転資本及び定期預金の増減の影響を除外したフリーキャッシュ・フロー

  19/3期より、従来運転資本として認識していた一部のリース取引に係るキャッシュ・フローを会計上投資キャッシュ・フローとして認識するも、当該要素は除外して計算

 

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当連結会計年度の実績と2020年3月期の計画を踏まえて見直した、中期経営計画3年累計のキャッシュ・フロー配分については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)2020年3月期事業計画 ③キャッシュ・フロー配分の実績及び最新見通し(中期経営計画3年間累計)」を参照願います。また、既存の債務からの再調達については、前述の①資金調達の基本方針、及び② 資金調達手段を参照願います。

なお、最新のキャッシュ・フロー配分見通し(中期経営計画3年間累計)には投融資の実行を決定していない案件が多く含まれており、これらの進捗は実際のキャッシュ・フローの状況及び財政状態に影響を与えます。

 

⑤資産及び負債並びに資本

(単位:億円)

2019年3月末

2018年3月末

増減

総資産

119,458

113,067

+6,391

 

流動資産

39,963

42,262

△2,299

 

非流動資産

79,495

70,805

+8,690

流動負債

27,403

26,988

+415

非流動負債

46,752

43,898

+2,854

親会社の所有者に帰属する持分合計

42,632

39,747

+2,885

 

資産

流動資産:

・現金及び現金同等物は1,753億円減少しました。

・営業債権及びその他の債権は、エネルギーセグメントにおける取扱数量増加を主因に、382億円増加しました。

・棚卸資産はエネルギーセグメントにおける取扱数量増加を主因に、570億円増加しました。

・前受金との純額表示を主因に、前渡金は875億円減少しました。

・売却目的保有資産は、2018年3月末に当社及び三井物産スチールが日鉄住金物産へ譲渡する資産を区分表示しましたが、当期に事業譲渡完了したことにより、1,089億円減少しました。

 

非流動資産:

・持分法適用会社に対する投資は4,727億円増加しました。

- アジア最大手の民間病院グループIHH Healthcareの持分追加取得により、2,246億円増加

- 日鉄住金物産の持分追加取得、及びこれに伴う持分法適用会社に対する投資への区分変更により、380億円増加

- 東アフリカで農産物・農業資材取引や食品製造販売事業を展開するETC Groupへの出資により219億円増加

- 石油製品輸送船保有会社MAERSK PRODUCT TANKERSへの出資により増加

- 中国上海市におけるオフィスリノベーション事業会社ACCF3 Trusteeへの出資により152億円増加

- 欧州における塗料製造事業を展開するKansai Helios Coatingsへの出資により123億円増加

- ブラジルの農薬製造販社Ouro Fino社への出資により増加

- チリ最大手の自動車オペレーティングリース・レンタカー事業の持株会社であるInversiones Mittaへの出資により増加

- 米国天然ガス液化事業Cameron LNG Holdingsへの出資により113億円増加

- カンボジアの携帯通信事業会社Smart Axiataの持株会社であるAxiata (Cambodia) Holdingsへの追加出資により101億円増加

- 当期における持分法による投資損益の見合いで2,554億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により2,199億円減少

- 為替変動の影響により120億円増加

- アジア・オセアニア地域の医薬情報サービス事業会社MIMSグループの持株会社であるMedica Asia売却により115億円減少

 

2019年3月末及び2018年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

オペレーティング・セグメント

2019年3月末

2018年3月末

増減

 

(億円)

(億円)

(億円)

鉄鋼製品

2,551

2,178

+373

金属資源

4,287

4,317

△30

機械・インフラ

9,759

8,802

+957

化学品

1,568

1,174

+394

エネルギー

2,728

2,543

+185

生活産業

7,092

4,529

+2,563

次世代・機能推進

1,712

1,514

+198

その他/調整・消去

60

△27

+87

連結合計

29,757

25,030

+4,727

 

・その他の投資は1,226億円増加しました。

- 期間延長に伴いLNGプロジェクトに対する投資の公正価値が増加したことを主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が897億円増加

- 尼国消費者関連事業会社CT Corpの社債引受により330億円増加

- 為替変動の影響により191億円増加

- 東南アジアにおける総合食品事業会社FKS Food & Agriの株式取得により118億円増加

- 日鉄住金物産の持分追加取得に伴う持分法適用会社に対する投資への区分変更により299億円減少

- ニュージーランドの乳製品製造・販売会社Synlait Milkの株式売却により120億円減少

 

・有形固定資産は2,155億円の増加となりました。

- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業で980億円増加(豪州石油ガス資源開発会社AWEの連結化による507億円の増加、為替変動の影響による82億円の増加を含む)

- 米国の不動産事業で410億円増加(為替変動の影響による5億円の増加を含む)

- タイの製糖事業で226億円の増加(為替変動の影響による3億円の増加を含む)

- 航空関連リース事業で205億円増加(為替変動の影響による8億円の増加を含む)

- 米国のタンクターミナル事業で170億円増加(為替変動の影響による38億円の増加を含む)

- 米国発電事業で123億円増加(為替変動の影響による1億円の増加を含む)

- 豪州鉄鉱石事業で112億円減少(為替変動の影響による118億円の減少を含む)

 

なお、有形固定資産の2019年3月末及び2018年3月末の残高をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

オペレーティング・セグメント

2019年3月末

2018年3月末

増減

 

(億円)

(億円)

(億円)

鉄鋼製品

92

109

△17

金属資源

3,658

3,817

△159

機械・インフラ

2,468

1,994

+474

化学品

2,134

2,015

+119

エネルギー

7,315

6,284

+1,031

生活産業

2,339

1,700

+639

次世代・機能推進

363

364

△1

その他/調整・消去

1,085

1,016

+69

連結合計

19,454

17,299

+2,155

 

また、2019年3月末及び2018年3月末においてオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳は次のとおりです。

内訳

2019年3月末

2018年3月末

 

(億円)

(億円)

不動産

1,339

876

船舶及び航空機

950

756

鉄道車両及び機械装置

730

625

連結合計

3,019

2,257

 

・投資不動産は、三井物産都市開発において新橋田村町地区市街地再開発事業等で90億円増加したことを主因に、141億円の増加となりました。

 

負債

流動負債:

・短期債務は1,354億円増加しました。また、1年以内に返済予定の長期債務は借入金の返済による減少があったものの、短期化による増加を主因に、2018年3月末と略同水準となりました。

・営業債権及びその他の債権の増加に対応し、営業債務及びその他の債務は580億円増加しました。

・前渡金との純額表示に対応し、前受金は864億円減少しました。

・売却目的保有資産に直接関連する負債は、2018年3月末に当社及び三井物産スチールが日鉄住金物産へ譲渡する負債を区分表示しましたが、当期に事業譲渡完了したことにより、403億円減少しました。

 

非流動負債:

・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は2,663億円増加しました。

・その他の金融負債(非流動)は、北米トラックリース・レンタル事業会社Penske Truck Leasingの持分取得に係る未払金の支払を主因に、311億円減少しました。

・引当金(非流動)は、118億円増加しました。

- IPP事業において、投資形態変更に伴う連結会計処理変更による勘定科目振替により137億円増加

- 豪州石油ガス資源開発会社AWEの連結化により増加

- マルチグレイン事業関連引当金取崩により減少

・FVTOCIの金融資産の増加を主因に、繰延税金負債が328億円増加しました。

 

親会社の所有者に帰属する持分合計

・利益剰余金は、1,753億円の増加となりました。

・その他の資本の構成要素は、153億円の増加となりました。

- 期間延長に伴いLNGプロジェクトに対する投資の公正価値が増加したことを主因にFVTOCIの金融資産が496億円増加

- 対円での米ドル高の一方、豪ドル安、伯レアル安の進行を主因に、外貨換算調整勘定が370億円減少

・自己株式の消却を実施したことにより、株主資本の減算項目となる自己株式は968億円減少しました。

 

⑥キャッシュ・フローの状況

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,107

5,536

△1,429

投資活動によるキャッシュ・フロー

△7,190

△2,482

△4,708

フリーキャッシュ・フロー

△3,083

3,054

△6,137

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,274

△6,523

+7,797

現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額等

56

△255

+311

現金及び現金同等物の増減

△1,753

△3,724

+1,971

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

a

4,107

5,536

△1,429

営業活動に係る資産・負債の増減

b

△1,598

△1,129

△469

基礎営業キャッシュ・フロー

a-b

5,705

6,665

△960

 

営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは1,598億円の資金支出となり、Working Capitalの増減によるキャッシュ・フローを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、5,705億円となりました。

・持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は3,187億円となり、前期の3,764億円から577億円減少

・減価償却費及び無形資産等償却費は1,863億円となり、前期の1,926億円から63億円減少

 

基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。

 

(単位:億円)

当期

前期

増減

鉄鋼製品

59

142

△83

金属資源

1,815

2,408

△593

機械・インフラ

740

1,588

△848

化学品

299

502

△203

エネルギー

2,191

1,753

+438

生活産業

248

71

+177

次世代・機能推進

208

31

+177

その他/調整・消去

145

170

△25

連結合計

5,705

6,665

△960

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、3,771億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。(括弧内はオペレーティング・セグメント)

- アジア最大手の民間病院グループIHH Healthcareの持分追加取得による2,232億円の資金支出(生活産業)

- 東アフリカで農産物・農業資材取引や食品製造販売事業を展開するETC Groupへの出資による219億円の資金支出(その他、化学品、機械・インフラ、生活産業)

- 北米トラックリース・レンタル事業会社Penske Truck Leasingの持分取得に係る未払金支払による資金支出(機械・インフラ)

- 石油製品輸送船保有会社MAERSK PRODUCT TANKERSへの出資による資金支出(機械・インフラ)

- 中国上海市におけるオフィスリノベーション事業会社ACCF3 Trusteeへの出資による152億円の資金支出(生活産業)

- 欧州における塗料製造事業を展開するKansai Helios Coatingsへの出資による123億円の資金支出(化学品)

- ブラジルの農薬製造販社Ouro Fino社への出資による資金支出(化学品)

- チリ最大手の自動車オペレーティングリース・レンタカー事業の持株会社であるInversiones Mittaへの出資による資金支出(機械・インフラ)

- 米国天然ガス液化事業Cameron LNG Holdingsへの出資による113億円の資金支出(エネルギー、機械・インフラ)

- カンボジアの携帯通信事業会社Smart Axiataの持株会社であるAxiata (Cambodia) Holdingsへの追加出資による101億円の資金支出(次世代・機能推進)

- アジア・オセアニア地域の医薬情報サービス事業会社MIMSグループの持株会社であるMedica Asia売却による115億円の資金回収(生活産業)

・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、359億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・償還は以下のとおりです。

- 豪州の石油・ガス資源開発事業の買収による482億円の資金支出(エネルギー)

- 尼国消費者関連事業会社CT Corpの社債引受による330億円の資金支出(その他)

- 米国の不動産事業の買収による263億円の資金支出(生活産業)

- 東南アジアにおける総合食品事業会社FKS Food & Agriの株式取得による118億円の資金支出(生活産業)

- 日鉄住金物産への事業譲渡による644億円の資金回収(鉄鋼製品)

- 豪州Bengalla炭鉱事業売却による153億円の資金回収(金属資源)

- 国内発電事業売却による146億円の資金回収(機械・インフラ)

- ニュージーランドの乳製品製造・販売会社Synlait Milkの株式売却による120億円の資金回収(生活産業)

・貸付金の増加及び回収の純額は、403億円の資金支出となりました。主な支出は以下のとおりです。

- モロッコのIPP事業向け貸付金の実行による167億円の資金支出(機械・インフラ)

- 中東のIPP事業向け貸付金の実行による158億円の資金支出(機械・インフラ)

- 保証差入に伴うフィリピンのニッケル事業向け貸付金の回収による資金獲得(金属資源)

・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、2,556億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。

- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業合計で1,039億円の資金支出(エネルギー)

- 豪州鉄鉱石事業で218億円の資金支出(金属資源)

- 航空関連リース事業で188億円の資金支出(機械・インフラ)

- 米国のタンクターミナル事業で170億円の資金支出(化学品)

- タイの製糖事業で156億円の資金支出(生活産業)

- 豪州石炭事業で148億円の資金支出(金属資源)

- 米国発電事業で112億円の資金支出(機械・インフラ)

・投資不動産の取得及び売却の純額は、69億円の資金支出となりました。主な支出は以下のとおりです。

- 三井物産都市開発の再開発事業で108億円の資金支出(生活産業)

- 三井物産都市開発の国内オフィスビル売却で110億円の資金回収(生活産業)

 

当期及び前期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー(オペレーティング・セグメント別)

 

オペレーティング・セグメント

当期

(億円)

前期

(億円)

鉄鋼製品

620

△225

金属資源

23

△24

機械・インフラ

△1,572

△381

化学品

△812

△354

エネルギー

△1,717

△572

生活産業

△3,025

△691

次世代・機能推進

△202

△33

その他/調整・消去

△505

△202

連結合計

△7,190

△2,482

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

・短期債務の増減は1,033億円の資金獲得、長期債務の増加及び返済の純額は1,615億円の資金獲得となりました。

・配当金支払いによる1,390億円の資金支出がありました。

 

当期の資金調達状況については、前述の②資金調達手段の頁を参照願います。

 

(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り

重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。

IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務などに重要な影響を及ぼすことがあります。

以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。

 

非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入

・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、投資不動産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は205億円及び273億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は14億円及び27億円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆119億円及び2兆2,365億円です。

・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額は144億円及び45億円です。また、前連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は10億円であり、当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生しておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は2兆5,030億円及び2兆9,757億円です。

・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。

・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落などによるものです。

・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。

・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。

・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しております。

・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。

- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。

- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去に於ける同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。

- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。

- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去に於ける収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。

・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。

・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。

・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っております。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れております。

 

暖簾の減損

・前連結会計年度及び当連結会計年度における暖簾減損損失計上額は64億円及び35億円です。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は758億円及び786億円です。

・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。

・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いております。

 

公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産

・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ6,389億円及び7,629億円です。

・市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。

・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画などに基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。

 

繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の減額は、当社の連結損益計算書上の当期利益及び連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。

・経営者は、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更などにより、回収可能額が変動する可能性があります。

 

石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り

・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。

 

- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等

- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等

- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等

・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、

- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。

- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。

- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。

 

確定給付費用及び確定給付制度債務

・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRSでは、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。

・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債もしくは日本の長期国債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。

・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項19.「従業員給付」を参照願います。

 

4【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

5【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。