この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)前中期経営計画の総括
2020年5月に公表した前中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)「変革と成長」の総括は次のとおりです。
1)定量目標の達成状況
前中期経営計画期間は、新型コロナウイルスの感染拡大や地政学的情勢変化と、これらに起因するサプライチェーンの分断・混乱やインフレ高進など、事業環境の不確実性が高い3年間となりました。そのような経営環境において、当社は強みであるグローバルに分散され広がりをもつ事業ポートフォリオから力強い収益を生み出し、各年度それぞれ期初に設定した事業計画を達成しました。2023年3月期には、前中期経営計画における目標を大きく上回る当期利益(親会社の所有者に帰属)1兆1,306億円、基礎営業キャッシュ・フロー1兆2,055億円を達成し、ともに過去最高を更新しました。また、目標としていたROE10%を上回る18.9%を達成しました。
力強いキャッシュ・フローを源泉に、株主還元については、1株当たり配当は2020年3月期の80円から2023年3月期の140円まで継続的な増配を実行しました。また、自己株式取得は2018年3月期から2020年3月期までの前々中期経営計画期間3年累計1,080億円に対し、前中期経営計画期間は3年累計で5,090億円まで増額しました。
2)前中期経営計画の成果
(a)事業経営力強化と収益力強化
不確実性の高い事業環境下、当社はグローバルに培ってきたトレーディング機能を発揮し、LNG・金属資源・化学品・鉄鋼製品・穀物等、社会を支えるエネルギー・素材・食の安定供給、販路拡大、サプライソースの多角化に取り組み、収益力を強化しました。また、米州を中心とした自動車・商用車事業に加え、ヘルスケア、船舶、化学品、食料事業等の強化を通じ、収益の拡大につなげました。
(b)財務戦略・ポートフォリオ経営の進化
前中期経営計画期間の3年累計での基礎営業キャッシュ・フローは、3兆230億円の獲得となり、資産リサイクルにより獲得した7,920億円と合わせて3兆8,150億円のキャッシュ・インとなりました。強靭なキャッシュ創出力を源泉とし、投融資、株主還元への戦略的な資金配分を実行した結果、投融資によるキャッシュ・アウトは1兆5,840億円となり、株主還元総額は1兆390億円となりました。また、前中期経営計画期間より、社内管理指標としてROIC(Return On Invested Capital)を導入しました。収益性・成長性の2つの軸で事業ポートフォリオのあり姿とその実現に向けたプロセスの可視化、投資規律の徹底を図り、大胆なリソースの再配分を行いました。チリ銅事業融資回収、豪州原料炭事業Stanmore SMC売却実行等、リサイクルで得た資金から成長投資へ再配分し、事業ポートフォリオの新陳代謝・良質化を図りました。
(c)人材戦略
国内・海外拠点及び関係会社で活躍する多様な人材は当社競争力の源泉であり、一人ひとりの「挑戦と創造」を通じて価値創造につなげていくことで持続的な成長を実現していきます。前中期経営計画期間中には、新卒採用プロセスにおける100%インターンシップ導入や積極的なキャリア採用による人材獲得強化、グローバルでの適材配置を支えるタレントマネジメントシステム“Bloom”の開発・一部海外地域への先行導入を行いました。また、多様な人材の活躍促進を加速すべく、女性リーダー育成プログラムや海外拠点より選抜された次世代リーダーの育成プログラムにも継続的に取り組んでいます。加えて、新しい働き方を加速させる施策としてリモートワークやフレックスタイム制の導入などを引き続き推進しており、多様な価値観を認め新しい価値を生み出す取組みを進めていきます。
(d)Strategic Focus・新事業への挑戦
前中期経営計画で注力した3つの領域における進捗は次のとおりです。
(ⅰ)エネルギーソリューション
グローバルなエネルギートランジションにおける地域毎のソリューションの提供として、エネルギー分野では石
油・ガス上流事業の知見とネットワークを活かし、CCS(Carbon Capture and Storage)事業を推進する英国Storeggaへの出資参画や、豪州でのクリーン燃料アンモニア生産を見据えたCCS事業調査に取り組みました。また、クリーン燃料アンモニア生産事業推進に向けた複数のパートナーとの共同事業化に進捗がありました。電力事業分野では火力発電事業売却と並行して英国・中南米・アフリカ・アジア等に展開する再生可能エネルギー事業Mainstream、ReNew Powerとのインドでの大型再生可能エネルギー事業に参画、北米・南米・欧州・本邦における電力販売と合わせて電力バリューチェーンでの取組強化を推進しました。また、本邦におけるCO2可視化・削減クラウドサービスe-dashの事業化、フランスの電池システム製造会社Forsee Powerの事業拡大や、当社が排出権事業を通じて得た知見を活かして、豪州の排出権デベロッパーのClimate Friendly株式取得を行いました。
(ⅱ)ヘルスケア・ニュートリション
当社が出資参画するIHH Healthcareでは、調達の合理化やオペレーション改善、オンライン診療サービスの提供、事業ポートフォリオの見直しなどを推進し、グループ経営基盤を強化しました。また、健康に通じる「食」や複合型ホスピタリティサービス等の事業強化に向け、国内大手給食事業者エームサービスの完全子会社化を決定、および保健同人フロンティアを通じた企業の健康経営ニーズに対するサービス提供を推進しました。加えて、当社出資先のThorneとのアジアにおける未病対策事業会社設立、畜水産種苗事業会社Hendrixへのファンドを通じた出資、アニマルヘルス企業Ouro Fino Saúde Animal、シンガポール漢方薬製造販売企業Eu Yan Sangへの出資、住友ファーマアニマルヘルスへの出資参画の決定など、人の「治療」から「未病・予防」、アニマルヘルス・畜水産種苗分野に対象を広げ、世界の人々の健康を支える事業群の形成に進捗がありました。
(ⅲ)マーケット・アジア
「伸びゆく・変わりゆくアジア消費者市場」の成長を取り込み、また、多様化する消費者ニーズに対応すべく、ヘルスケア・ニュートリション、インフラ等での新規取組みを進めました。新型コロナウイルスの影響が継続する中でも、当社が強みをもつ鉄鋼製品・化学品などを中心とした関係会社の業績や物流事業が堅調に推移しました。また、インドネシアで金融、リテール、メディア、不動産、ホスピタリティ、エンターテインメント、ライフスタイルを含む消費者関連事業を担う企業グループCT Corpの転換社債を引き受け、マーケット・アジアにおける「消費者プラットフォーム」構築に向けた進捗がありました。本邦大手食品容器製造会社エフピコと共同でマレーシアの機能性食品容器製造会社Lee Soon Seng Plastic Industriesの株式を取得したほか、豪州情報化施工システムインテグレーターPosition Partnersの株式を追加取得しました。
(e)サステナビリティ経営の実践/ESGの進化
前中期経営計画期間では、「気候変動」、「サーキュラーエコノミー」、「ビジネスと人権」の3つを重要課題とし、一層のサステナビリティ経営の実践を継続的に進めました。「気候変動」対応では、2021年12月に開催したESG Dayにて公表したGHG(温室効果ガス)削減ロードマップに沿って、自社排出量の削減とGHG削減貢献の取組みを推進しています。また、GHG多排出事業領域については、前中期経営計画期間中に2℃シナリオに加え1.5℃シナリオ分析を実施、開示するとともに、GHG削減を機会とする事業領域への各種支援制度(グリーン案件評価連絡会・社内カーボンプライシング制度)を導入しました。「サーキュラーエコノミー」では、事業別及び地域別のリスク分野と、機会となる重点領域を特定しました。「ビジネスと人権」では、高リスク事業分野を特定し、人権デューデリジェンスを推進するとともに個別調達方針を策定、また、社内の意識向上に資する各種セミナー・アンケート調査等を実施しています。詳細については当社サステナビリティWebサイトをご参照ください。https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/index.html
ガバナンスの強化については、取締役・監査役フリーディスカッションを継続的に設営、中期経営計画や気候変動などの経営課題に関する議論を行いました。取締役会においては事業戦略、事業ポートフォリオ、サステナビリティ、労働安全・衛生などの重要テーマについての審議時間を充分に確保することに加え、取締役会付議・報告基準の見直しや書面決議の活用を通じて更なる取締役会の実効性向上を図りました。また、ROE・ESG等の要素をKPIとする役員向け株式報酬制度も新設し、当社の機関設計・取締役会のあり方などについても社外役員の視点を交えてガバナンス委員会で議論しました。詳細については、第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等をご参照下さい。
(2)経営環境
1)全般
注:本項目は、2023年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経営環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。
当連結会計年度の世界経済は、米欧先進国を中心とした高インフレと急速な金融引締め、ロシア・ウクライナ情勢の波及、ゼロコロナ政策を巡る中国経済の混乱の影響により、前年度比で更に減速しました。また、今春には米国の地域金融機関が経営破綻するなど新たなリスク要因が顕在化しました。
米国では、高インフレが続く中でも堅調な雇用情勢等を背景に個人消費の回復が概ね継続した一方、急速な金融引締めにより、住宅投資が減少し、設備投資も伸び悩んだことから景気は減速しました。先行きは、金融引締めの継続や地域金融機関の経営破綻の影響により、景気の減速局面が続くと見込まれます。欧州では、ロシア・ウクライナ情勢を受けたエネルギーの供給制約や物価の高騰などを受けて、景気は弱まりました。先行きは、高インフレの継続、金融引締めにより、景気は停滞するとみられます。日本では、経済活動の正常化が進む中でサービス消費やインバウンド需要は回復に向かいましたが、物価の高まりを受けた財消費の抑制や輸出の伸び悩みなどから、緩慢な持ち直しとなりました。先行きは、例年実績を超える賃上げの動きや政策支援もあり、緩やかな景気回復基調が維持されると見込まれます。中国では、昨年はゼロコロナ政策の影響や不動産市況の悪化等で景気は一段と減速しましたが、昨年末のゼロコロナ政策の解除により、サービス消費など内需に持ち直しの動きがみられました。先行きは、預金準備率の引下げ等の政策支援もあって、緩やかに景気が持ち直すと予想されます。ブラジルは、昨年までの金融引締めなどの影響により景気の減速が見込まれます。ロシアは、国際社会から課された経済制裁による経済活動の停滞が続くとみられます。
世界経済の先行きは、中国の持ち直しが期待されるものの、ロシア・ウクライナ情勢の影響が長引くと見込まれる中で、米欧先進国の高インフレと金融引締めの継続、金融システムへの懸念などにより、全体として減速局面が続くとみられます。
2)事業セグメント
上記経営環境を踏まえた各事業セグメントにおける環境認識並びにリスクと機会は、以下のとおりです。
|
(a) 金属資源セグメント |
||
|
環境認識 |
・ インフレや金利高・燃料費の高値推移、労働力不足による人件費上昇などによる鉱山での ・ 産業界の期待に応えた安定供給を支えるアセットの希少性増加 |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 脱炭素社会への移行に向けた技術革新や価値観の変 ・ 地政学的リスク顕在化や新型コロナウイルス感染症 |
・ アジアを中心とした世界経済成長に伴うインフラ需 ・ 電動化・軽量化やグリーン鉄源・素材、高品位資源 |
|
|
(b) エネルギーセグメント |
||
|
環境認識 |
・ 人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は増加する見込み ・ エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に対する社会ニーズの高まり |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 原油・天然ガス価格の変動や生活・行動様式の変化 ・ クリーンエネルギーに対する社会ニーズの高まりに |
・ 一次エネルギーの需要拡大、現実解としての天然 ・ クリーンエネルギーや次世代エネルギーの需要拡大 ・ 脱炭素化の加速によるエネルギーソリューション事 |
|
|
(c) 機械・インフラセグメント |
||
|
環境認識 |
・ 再エネ、天然ガスを電源とする電力需要が浸透する見込み ・ 半導体不足による自動車供給不足は今後正常化の見込み ・ 環境負荷の低いモビリティへのシフトが進む見込み ・ ばら積み船市況は当面下落継続する一方、タンカー市況は高止まる見込み |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 世界的なインフレ傾向と金融マーケットの変化 ・ 社会ニーズの変化を受けた新規資源開発の減少など 産業構造の変化 |
・ DX活用の進展、デジタルインフラ加速 ・ 気候変動対応に伴う再エネ電源や、新燃料・電動 |
|
|
(d) 化学品セグメント |
||
|
環境認識 |
・ 気候変動対応に伴う環境配慮型事業に対する社会からの要請の高まり ・ 人口増加や経済成長に伴う食料やエネルギー由来の化学品需要の増大 ・ 健康意識の高まりによる食の高付加価値化ニーズの増大 |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 気候変動対応に伴う石油化学産業の構造変化の加速 ・ 地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの 再編と地産地消化 ・ エネルギー価格高騰や人手不足による製造コストの |
・ サプライチェーンの変化による安定供給ニーズの増 大 ・ 環境配慮型素材・製品・事業のニーズ増大 ・ 健康・ウェルネス、Quality of Life向上へのニー |
|
|
(e) 鉄鋼製品セグメント |
||
|
環境認識 |
・ 脱炭素社会に向けた技術革新による段階的なグリーン化が進展する見込み ・ 原燃料費の高止まり、地政学的リスクの顕在化が継続する見込み ・ 中期的な世界鉄鋼需要はアジアを牽引役として増加する見込み |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 国内粗鋼生産減少を背景とした業界再編と流通構造 の変化 ・ 地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの |
・ 脱炭素化・循環型経済の加速によるサプライチェー ・ 車体軽量化・高強度化ニーズに伴う素材の需要拡大 ・ DX活用による鋼材流通改革ニーズ |
|
|
(f) 生活産業セグメント |
||
|
環境認識 |
・ ライフスタイルの多様化と健康志向、サステナビリティ等社会価値への関心の高まり ・ 原材料費・労務費等の上昇が継続する見通し ・ オンラインとオフラインの融合に伴うリアルな「場」の重要性の高まり |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 気候変動による伝統的産地の移動 ・ 地政学的リスクによる貿易構造の変化 ・ 医療規制動向及び人手不足、GAFA等異業種参入に伴 |
・ 価値観の多様化・細分化、及び消費行動の多様化 ・ 未病・予防、健康への行動様式や価値観の変化 ・ アジア等新興国における医療需給ギャップ拡大、先 |
|
|
(g) 次世代・機能推進セグメント |
||
|
環境認識 |
・ デジタル化に伴う価値あるサービスや、サイバーセキュリティ対応に関するニーズの上昇 ・ 環境意識の高まりなどの市場環境・ニーズの変化を捉えた投資判断の重要性増大 |
|
|
リスク |
機会 |
|
|
・ 株価変動などの市場価格変動リスク ・ 金利上昇、インフレに伴う景況感、企業業績の悪化 |
・ 技術進化に伴うICTソリューションニーズの高まり ・ ライフスタイルの多様化に伴うデジタルサービスの ・ 気候変動対応に伴う金融商品組成機会、ボラティリ |
|
(3)新中期経営計画
1)当社の目指すこと
当社は、今般、新中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)「Creating Sustainable Futures」を策定しました。サステナビリティを経営の中核に据え、グローバル・サステナビリティの視点から、あらゆる産業の社会課題を掘り起こし、そこから新しいビジネスイノベーションを生み出し、強い事業群及び新しい産業の創出を目指します。
2)2024年3月期及び2026年3月期定量目標
2024年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは8,700億円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は8,800億円を計画します。また、新中期経営計画の最終年度である2026年3月期の基礎営業キャッシュ・フローは1兆円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は9,200億円、ROEは新中期経営計画期間の3年間で平均12%超を目標とします。
3)5つのCorporate Strategy
新中期経営計画で目指す「Creating Sustainable Futures」実現に向けた全社施策として、5つのCorporate Strategyを策定しました。
(a)グローバル・産業横断的な提案力の高度化
複雑化する世界の課題に対しては、地球規模で考え、産業横断的に対応することが必要不可欠です。当社の事業本部体制・グローバルマトリクス体制は、事業本部間や地域間の垣根が低く、柔軟で機動的な連携が可能となる点が強みです。この体制を活かし、当社の強みをグローバル・産業横断的に組み合わせることで、複雑化する社会課題の解決のための提案力を高度化します。
(b)「創る・育てる・展(ひろ)げる」(ビジネスモデル)の推進
コア事業と周辺事業を組み合わせ、社会課題に対し時間軸を踏まえた最良の現実解を提供します。当社が知見を有する領域の周辺で事業を強化することで事業の成功確度を上げることができます。インパクトある収益基盤・事業群の構築に向け、全社最適視点での経営資源配分を徹底します。
(c)サステナビリティ経営の更なる深化
気候変動・自然資本・ビジネスと人権といった社会課題に対して、サプライチェーン全体を通じた対応を牽引します。気候変動対応においては、脱炭素社会の実現に向けて事業ポートフォリオの変革を継続します。当社は2030年までの目標として、GHGインパクトの2020年3月期対比半減となる17百万トン*1、再エネ比率30%超*2をそれぞれ掲げています。新中期経営計画最終年度の2026年3月期においては、GHGインパクトは27百万トン、再エネ比率は27%を見込みます。
なお、サステナビリティ経営に関する詳細は、第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組をご参照ください。
*1:2030年に自社の排出量から事業を通じて実現した削減貢献量を差し引いたGHGインパクトを20/3期比半減させる。
*2:発電事業における再生可能エネルギー比率を2030年までに30%超に引き上げる。
(d)グループ経営力の強化
事業ポートフォリオの絶え間ない変革にあたっては、1人当たりの生産性を向上させる必要があります。データドリブン経営とグループアセットの活用を両輪に、現在の人員数でより大きな仕事を、効率的かつ効果的に推進します。
(e)グローバルでの多様な個の活躍推進
自律的なキャリア形成を後押しするべく、人材への投資を更に加速します。強い「個」の育成、インクルージョン、戦略的適材配置という人材戦略の3つの柱は前中期経営計画から不変です。これらに加え、1人当たりの生産性を向上させ、仕事の付加価値を追求することで、事業ポートフォリオの変革を支えます。
なお、人材戦略の詳細は、第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組をご参照ください。
4)3つの攻め筋
前中期経営計画におけるStrategic Focusの取組みを深化させ、また、重要な環境変化を踏まえて、当社の強みが発揮できる分野として3つの攻め筋、Key Strategic Initiativesを設定しました。
(a)Industrial Business Solutions
グローバルに展開する事業ポートフォリオを通じ、エネルギー・金属資源・食料・素材等の安定供給に資する高度な仕組みを提供します。グローバルサプライチェーンの分断・混乱に対し、供給先・調達先の確保、適切な組替え、トレーディング機能の先鋭化・高度化により、サプライチェーンの安定化を図ります。また、デジタル化の進展を支える高機能素材、気候変動対応としての環境配慮型素材・グリーンマテリアル等、ニーズが高度化・多様化する素材の安定供給を通じ、サステナブルで豊かな社会の実現に貢献します。
(b)Global Energy Transition
持続可能な形で脱炭素社会へ移行していくために、当社はエネルギー安定供給と気候変動対応の双方の観点から、事業を通じた最先端の現実解を提供します。当社はグローバルに時間軸の異なる多数の事業をポートフォリオ経営することで、収益を維持・確保しながら、社会課題となるエネルギートランジションの解決に貢献します。気候変動対応としての次世代エネルギー、環境負荷の低い次世代モビリティ、素材・化学品等のバリューチェーン全体を低炭素化するサーキュラーエコノミー等の脱炭素社会実現に資するビジネスを推進します。
(c)Wellness Ecosystem Creation
医療、未病・予防に加え、健康に通じる食の提供により、多様化する消費者のライフスタイルの質向上に貢献します。食の安定供給、環境負荷の低減、多様なニーズに応じた食品の提供など、食・ニュートリションを通じた健康の提供に加え、データ活用によりヘルスケア関連事業を連携させ、ウェルネス事業群において有機的に組み合わせることで、多数の付加価値をバリューチェーンに沿って創出します。
5)キャッシュ・フロー・アロケーション
新中期経営計画期間中の資金配分の見通しは以下のとおりです。2024年3月期から2026年3月期までの3か年の累計基礎営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計額から株主還元を差し引いた株主還元後キャッシュ・フローの黒字維持を基本方針としつつ、マネジメント・アロケーションの枠組みを通じ、厳選した成長投資と追加還元の充実に向けて、戦略的に資金を配分します。
(4)利益配分に関する基本方針
株主還元策については第 3 提出会社の状況 3 配当政策をご参照ください。
(5)2024年3月期連結業績予想
①2024年3月期連結業績予想
|
[業績予想の前提条件] |
24年3月期 予想 |
23年3月期 実績 |
|
期中平均米ドル為替レート |
130.00 |
136.00 |
|
原油価格(JCC) |
79ドル |
103ドル |
|
期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格 |
88ドル |
93ドル |
|
単位:億円 |
2024年3月期 業績予想 |
2023年3月期 実績 |
増減 |
増減要因 |
|
売上総利益 |
11,700 |
13,962 |
△2,262 |
商品価格下落 |
|
販売費及び一般管理費 |
△7,500 |
△7,028 |
△472 |
|
|
有価証券・固定資産 関係損益等 |
2,300 |
583 |
+1,717 |
一過性評価益 資産リサイクル |
|
利息収支 |
△1,100 |
△668 |
△432 |
金利上昇 |
|
受取配当金 |
1,600 |
1,549 |
+51 |
|
|
持分法による投資損益 |
4,400 |
5,555 |
△1,155 |
商品価格下落 |
|
法人所得税前利益 |
11,400 |
13,953 |
△2,553 |
|
|
法人所得税 |
△2,400 |
△2,407 |
+7 |
|
|
非支配持分 |
△200 |
△240 |
+40 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
8,800 |
11,306 |
△2,506 |
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費・無形資産等償却費 |
2,700 |
2,727 |
△27 |
|
|
|
|
|
|
|
|
基礎営業キャッシュ・フロー |
8,700 |
12,055 |
△3,355 |
|
・為替レートは2023年3月期の136.00円/米ドルおよび92.67円/豪ドルに対し、2024年3月期はそれぞれ130.00円/米ドルおよび85.00円/豪ドルを想定します。また、2024年3月期の原油価格(JCC)を79米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を88米ドル/バレル(2023年3月期比5米ドル/バレル下落)と想定します。
オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
2024年3月期 業績予想 |
2023年3月期 実績 |
増減 |
増減要因 |
|
金属資源 |
2,900 |
4,388 |
△1,488 |
原料炭・鉄鉱石価格 前期売却益の反動 |
|
エネルギー |
1,300 |
3,094 |
△1,794 |
原油・ガス価格 LNG物流 |
|
機械・インフラ |
2,400 |
1,719 |
+681 |
資産リサイクル |
|
化学品 |
600 |
709 |
△109 |
|
|
鉄鋼製品 |
200 |
225 |
△25 |
|
|
生活産業 |
900 |
548 |
+352 |
関連会社の子会社化に 伴う一過性利益 |
|
次世代・機能推進 |
600 |
667 |
△67 |
|
|
その他/調整・消去 |
△100 |
△44 |
△56 |
|
|
連結合計 |
8,800 |
11,306 |
△2,506 |
|
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
2024年3月期 業績予想 |
2023年3月期 実績 |
増減 |
増減要因 |
|
金属資源 |
3,200 |
4,367 |
△1,167 |
原料炭・鉄鉱石価格 受取配当金 |
|
エネルギー |
2,300 |
4,196 |
△1,896 |
原油・ガス価格 LNG物流 |
|
機械・インフラ |
1,400 |
1,829 |
△429 |
資産リサイクル |
|
化学品 |
800 |
895 |
△95 |
|
|
鉄鋼製品 |
100 |
180 |
△80 |
|
|
生活産業 |
500 |
311 |
+189 |
前期コーヒー関連取引 不調の反動 |
|
次世代・機能推進 |
400 |
466 |
△66 |
|
|
その他/調整・消去 |
0 |
△189 |
+189 |
|
|
連結合計 |
8,700 |
12,055 |
△3,355 |
|
② 2024年3月期連結業績予想における前提条件
2024年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
|
価格変動の2024年3月期 当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額 |
2024年3月期 前提 |
|
2023年3月期 実績 |
|||
|
市況商品 |
原油/JCC |
- |
79 |
|
103 |
|
|
連結油価(*1) |
26 |
億円(US$1/バレル) |
88 |
|
93 |
|
|
米国ガス(*2) |
14 |
億円(US$0.1/mmBtu) |
2.99 |
|
6.51 (*3) |
|
|
鉄鉱石(*4) |
27 |
億円(US$1/トン) |
(*5) |
|
116 (*6) |
|
|
原料炭 |
3 |
億円(US$1/トン) |
(*5) |
|
352 (*7) |
|
|
銅(*8) |
7 |
億円(US$100/トン) |
8,600 |
|
8,815 (*9) |
|
|
為替(*10) |
米ドル |
39 |
億円(\1/米ドル) |
130.00 |
|
136.00 |
|
豪ドル |
27 |
億円(\1/豪ドル) |
85.00 |
|
92.67 |
|
(*1) 原油価格は期ずれで当社連結業績に反映されるため、それを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2024年3月期には約35%が4~6ヵ月遅れ、約30%が1~3ヵ月遅れ、約30%が1年超遅れ、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。
(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。
(*3) 米国ガスの2023年3月期実績には、2022年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*4) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。
(*5) 鉄鉱石・原料炭の前提価格は非開示。
(*6) 鉄鉱石の2023年3月期実績には、2022年4月~2023年3月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。
(*7) 原料炭の2023年3月期実績には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。
(*8) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2023年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。
(*9) 銅の2023年3月期実績には、2022年1~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。
(*10)上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。
注) 経営成績に対する外国為替相場の影響について
2022年3月期及び2023年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ7,505億円及び8,946億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドルおよび豪ドルです。2024年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。
(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず米ドルおよび豪ドル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出しました。これら2つの通貨別に表示された海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に一部の海外出資先からの通貨別の配当金を合計した金額に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高は、1円当たり39億円程度の当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少をもたらすと試算されます。また、豪ドルに対する円高の影響は、1豪ドル当たりで1円の円高で27億円の減益となります。
(b)なお、豪ドルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
(c)但し、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
(1) サステナビリティ基本方針
三井物産は、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現し、「世界中の未来をつくる」ことを経営理念に掲げています。この理念の下、本方針においてサステナビリティへの取組みを重要な経営課題と位置付け、三井物産グループ行動指針—With Integrityや本方針、サステナビリティ関連方針等に従い、サステナビリティを重視した経営を行います。三井物産グループは事業活動を通じ、地球規模の課題解決に挑み、持続可能な社会と経済成長の実現に寄与していきます。
-マテリアリティの特定と取組推進-
当社は、社会と当社の持続的な発展のために、当社およびステークホルダーに影響を与える重要な課題をマテリアリティとして特定します。マテリアリティは中長期的にリスクまたは機会となる事項であることから、中期経営計画や事業計画等、当社の事業方針・戦略策定の基軸とし、本方針を実践します。
-取締役会の役割-
取締役会は、当社のサステナビリティへの取組みを適切に監督し、中長期的な企業価値向上に努めます。サステナビリティに関する重要な事項はサステナビリティ委員会、経営会議を経て、取締役会に付議または報告の上決定します。
-ステークホルダーエンゲージメントと情報開示-
当社は、ステークホルダーとの対話を重視し、適切な情報開示に努め、信頼と期待に真摯にそして誠実に応えます。
(2) 三井物産のマテリアリティ
当社グループは、サステナビリティを重視した経営を行っており、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、当社が経営理念に掲げている「世界中の未来をつくる」に貢献すべく、社会と当社が持続的に成長するための重要な経営課題として以下のとおり、5つのマテリアリティを特定しています。
また、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の17目標に取り組んでいくために、三井物産のマテリアリティとSDGsを関連付けて事業・活動を推進しています。各マテリアリティと組織ごとの具体的な方針、目標、取組み、進捗状況に関してはマテリアリティアクションプランとして整理のうえ、進捗を管理し、開示しています。
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(3) サステナビリティ情報
当社グループを取り巻くサステナビリティの課題は上記のとおり、多岐に亘ります。この内、気候変動対応、情報セキュリティ並びに人材戦略については、(4)気候変動対応、(5)情報セキュリティおよび(6)人材戦略をご参照ください。また、生物多様性や人権、サプライチェーンマネジメントなどの対応につきましては、当社サステナビリティレポート2022をご参照ください。
サステナビリティレポート2022:
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/sustainabilityreport/2022/pdf/ja_sustainability_2022.pdf
(4) 気候変動対応
当社が特定したマテリアリティには、「安定供給の基盤をつくる」、「豊かな暮らしをつくる」や「環境と調和する社会をつくる」が含まれ、環境方針においては、GHGの削減や気候変動の緩和と適応に貢献する事業の推進に努めることを掲げています。また、中期経営計画2026においては、気候変動をサステナビリティ経営における課題の一つに特定しています。 当社グループは国際的な枠組みであるパリ協定や日本の中長期的な削減目標に寄与するべく、世界のさまざまな国・地域の経済・社会の発展と、気候変動の緩和および適応といった地球規模の課題の解決の両方に、幅広い事業活動を通じて貢献していきます。
気候変動対応に係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標および目標は以下のとおりです。
①ガバナンス
・気候変動に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略は、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会が企画・立案・提言を行っており、2023年3月期(計7回開催)はTCFD開示拡充、Scope3、シナリオ分析等の主要課題について審議を行いました。
・経営上の重要課題である気候変動対応に関する基本方針や重要事項は、サステナビリティ委員会での審議を経て、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告しています。2023年3月期は取締役会での年2回のサステナビリティ推進活動に関する定例報告に加えて、「気候変動対応」をテーマに、社外役員も含めた取締役・監査役がフリーディスカッションを行い、活発な議論を行いました。
・また、外部有識者から構成されるサステナビリティアドバイザリーボードを設置し、メンバーからの情報や助言をサステナビリティ委員会の審議に活用しています。2023年3月期には、気候変動やビジネスと人権といったサステナビリティ経営上の重要テーマに関して9回の諮問・意見交換を実施しました。
・サステナビリティ経営を推進するにあたり、さまざまなステークホルダーとの対話を行い、外部からの意見を尊重した事業活動を実践することが重要と考えています。そのため、サステナビリティ課題についてNGO、NPO、大学教授などの社外有識者やZ世代など次世代を担う若者と当社社員が双方向に対話する場として、毎年ステークホルダーダイアログを開催しています。
②戦略
・当社グループでは、短期、中期、長期の時間軸に分けて、最長2050年までのシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析に際しては、IEA(国際エネルギー機関)が発行するWorld Energy Outlook(WEO)に記載のあるシナリオ等を参照して、移行リスク・機会の分析を行っています。
・参照したシナリオは現行シナリオ、移行シナリオ(2℃)に区分し活用していましたが、2022年11月に新たにIEA NZE等に基づく移行シナリオ(1.5℃)を追加しました。
・事業規模と気候変動インパクト(GHG排出量または削減・吸収量)を勘案し、シナリオ分析の対象として、石油・ガス開発事業およびLNG事業、原料炭事業、火力発電事業、鉄鉱石事業、海洋油・ガス田生産設備事業、ガス配給事業、LNG船事業、再生可能エネルギー事業、次世代エネルギー事業、森林資源事業を優先度の高い事業としてシナリオ分析の対象事業に選定しています。
・2022年12月に開示したシナリオ分析結果については以下、当社サステナビリティWebサイト内「TCFD提言に基づく情報開示-移行リスク分析」をご参照ください。
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/environment/climate_change/pdf/ja_202212tcfd.pdf
・シナリオ分析は2024年3月期連結業績予想策定を含む事業計画プロセスにおいて実施しており、分析結果は事業ポートフォリオ戦略にも反映しています。
・一方、物理的リスクに関しては、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)に採用されているRCP(代表的濃度経路)も参考にしつつ、一定額以上の投資性資産を有する事業に関して、過去5年間に発生した気候災害の状況を基に調査し、影響の分析を行いました。
③リスク管理
・気候変動によるリスク(移行・物理的)を、当社の重要なリスクにおいて事業投資に関わるリスクや地政学的リスク、カントリーリスクに次ぐ重要度と位置づけ、対応策を講じています。詳細については、
④指標および目標
・当社では気候変動に係る各種目標を設定、モニタリングを継続して実施していますが、特に重要なものは以下の通りです。
(a) 親会社+連結子会社(含むUn-inco JV*)のScope1+2およびScope3カテゴリー15(投資):
2050年の「あり姿」としてのNet-zero emissions(図1)を掲げ、その道筋として2030年に2020年3月期比GHGインパクト半減(目標値:17百万トン以下)を目指す。
(b) 親会社+連結子会社(除くUn-inco JV*)のScope1+2:
2030年のGHG排出量を2020年3月期比半減させる。
(c) 発電事業における再生可能エネルギー比率:
2030年までに30%超に引き上げる。
* Un-inco JV: Un-incorporated Joint Venture(共同支配事業)
なお、中期経営計画2026において、上記目標達成に向けたマイルストーンとして、2026年3月期時点のGHGインパクトを27百万トンに削減すること、発電事業における再生可能エネルギー比率を27%に引き上げることをそれぞれ設定しています。
・GHGを多く排出する事業の中長期的なレジリエンスの向上、また当社および社会のGHG排出削減に貢献する事業の促進を目的に、2020年4月から社内カーボンプライシング制度を導入しています。
・当社グループのGHG排出量の推移は以下のとおりです。
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単位:千t-CO2e |
|||
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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Scope1+2 |
4,336 |
4,183 |
3,406 |
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Scope3カテゴリー15(投資) |
35,000 |
36,000 |
*1 |
2021年3月期、2022年3月期のGHG排出量におけるScope1および2、一部のScope3(カテゴリー4(輸送)の内、国内輸送*2)については、それぞれサステナビリティレポート2021および2022において第三者保証を受けています。
2022年3月期の保証範囲の詳細については当社サステナビリティレポート2022をご参照ください。
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/sustainabilityreport/2022/pdf/ja_sustainability_2022.pdf#page=129
*1 Scope3カテゴリー15(投資)を含む2023年3月期のGHG排出量関連データについては、2023年8月頃に当社サステナビリティWebサイトにおいて公表する予定です。
*2 親会社(単体)が第三者保証の対象
サステナビリティWebサイト: https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/index.html
(図1)GHG削減目標達成イメージ
(5) 情報セキュリティ
当社グループでは、以下の情報セキュリティ方針を掲げ、情報セキュリティに関するリスクマネジメントに取り組んでいます。
・情報セキュリティ方針
(a) 情報セキュリティへの取組み
当社は、情報セキュリティの重要性を認識し、「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」に則り情報の適時・有効な活用を図るため、関連規程の整備・実施を通じて、連結グローバル・グループベースで情報資産(情報及びITシステム)に対する適切な管理を行い、これを継続的に改善して参ります。
(b) 法令等の遵守(コンプライアンスの確立)
当社は、情報セキュリティに関連する法令、確立された規格、その他の規範を遵守し、これらに準拠・適合した情報セキュリティの構築・確保に向け取組みます。
(c) 情報資産の保護
当社は、情報資産の機密性、完全性及び可用性を確保するための適切な管理を行い、これらを脅かす全ての脅威から情報資産を保護することに努めます。
(d) 事故への対応
当社は、情報セキュリティに関する事故の発生予防に努めるとともに、万一事故が発生した場合は、事故対応のみならず再発防止策を含む適切な対策を速やかに講じます。
情報セキュリティに係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標は以下のとおりです。
①ガバナンス
当社のグローバル・グループ情報戦略に係る重要方針は、「情報戦略委員会規程」に基づいて設置されたCDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)を委員長とする情報戦略委員会の審議を経て経営方針に沿い策定されています。
2023年3月期は、情報戦略委員会を合計9回開催しました。2021年3月期に策定したDX事業戦略・Data Driven(DD)経営戦略・DX人材戦略からなる「DX総合戦略」の進捗をモニタリングしたほか、サイバー攻撃に対応するための体制拡充・点検・訓練、人事システムや貿易業務システムの次世代化方針、利活用すべきグループ会社データのあり姿やデータマネジメント体制構想、当社社員が身に着けるべきITツールの知識と啓発施策に関する討議を行いました。
同委員会を中心とした体制のもと、情報システムの構築運営や情報セキュリティ面で必要となる以下の各規程の整備を通じて、情報漏えいやサイバー攻撃等の想定される各リスクの管理を含む内部統制体制の強化を進めています。
・「情報システム管理規程」:情報資産の調達・導入からその運用方法を規定
・「ITセキュリティ規程」:ITセキュリティの面でのシステム主管部の行動原則を規定
・「情報管理規程」:情報リスク管理体制、情報管理に関する基本事項を規定
・「個人情報保護規程」:事業遂行上必要となる個人情報の取扱に関する規程(国内のみが対象)
・「サイバーセキュリティ対策に関する規程」:サイバー攻撃等への予防および事件発生時の緊急対策に関する規程
・「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」:当社グループ各社が共通的に実施することを目指す、基本的サイバーセキュリティ対策
また、特定の企業・組織を狙い撃ちする標的型攻撃、ランサムウェア(ファイルが暗号化され復号と引き換えに身代金を要求)、BEC(Business Email Compromise:ビジネスメール詐欺)、および不特定多数を狙ったばらまき型メール攻撃など、日々発生するサイバー攻撃は巧妙化・高度化・深刻化する中、当社グローバル・グループでのサイバーセキュリティ対策は重要性を増しており、年1回、情報戦略委員会並びに経営会議での審議を経た後、取締役会に報告しています。
②戦略
当社では、米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)のサイバーセキュリティフレームワークに沿って対策を立案・実行し、サイバーセキュリティ専門子会社である三井物産セキュアディレクションの知見を活用しながら、「予防」「鍛錬」「処置」の3つのステップに分けて対策を講じています。
(a) 予防
当社ではサイバーハイジーン(IT公衆衛生)が重要と考えており、IT環境を健全な状態に保つと共に、役職員のセキュリティ意識醸成を目指しています。システムの観点では、IT資産の状態把握のためのインベントリの適切な管理や、攻撃の糸口になる箇所を掌握する脆弱性管理などに取り組んでいます。また、人に焦点を当てた啓発活動では、サイバーセキュリティに関する意識向上、攻撃被害拡大防止を目的として、関係会社を含む役職員に「サイバーセキュリティポータル」を公開し、サイバーセキュリティに関する最近の動向、事例や役職員が取るべき対策等の各種情報を発信しています。また、一般役職員向けとセキュリティ担当者向け夫々の「サイバーセキュリティe-Learning」を作成、活用しています。
(b) 鍛錬
当社は、従来の「境界型セキュリティ」(「社内は安全だが、外部は危険」という考えに基づき、社内ネットワークと社外ネットワークの境界線を中心としたセキュリティ対策)から「ゼロトラスト」(ネットワークの内部と外部を区別することなく、守るべき情報資産やシステムにアクセスするものは全て信用せずに検証するセキュリティ対策)に転換し、デバイス、データ、ネットワーク、クラウド等の各IT領域でのセキュリティ対策を強化しています。また、グローバルでの24時間365日のセキュリティ監視、および有事の際の対応体制を構築・維持・拡充しています。
(c) 処置
当社は、サイバーセキュリティ対策の中心として「MBK-CSIRT(Computer Security Incident Response Team)」を構築し、各部門のサイバーセキュリティ担当と連携し、報告・支援する仕組を確立、組織的・継続的なインシデント対応、再発防止を実現しています。また、被害の規模や深刻度に応じたセキュリティインシデント発生時の対応を定め、必要に応じた有効性確認の為の訓練を定期的に実施しています。
③リスク管理
情報システム及び情報セキュリティに関するリスクは、「3.事業等のリスク」において重要なリスクの一つと位置づけ、以下の対応策を講じています。
・情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化の為、関連規程を整備し、当社及び連結子会社が保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性を適切に確保し、またリスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏えい等のリスクを管理しています。
・当社グローバル・グループでのサイバーセキュリティ対策強化のため、当社グループ各社が準拠すべき「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」を定めています。また、関係会社各社にて年1回実施する「サイバーセキュリティベースライン調査」にて準拠状況をセルフチェックすると共に、「サイバーセキュリティアセスメント」による第三者評価も実施しています。
・当社では、サイバーBCP(事業継続計画)として、被害の規模や深刻度に応じたセキュリティインシデント発生時の対応を予め定めています。
④指標及び目標
2023年3月期に、当社グループ各社が共通的に実施することを目指す基本的サイバーセキュリティ対策として、「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」を策定しました。当社では、サイバーセキュリティ上の重要な関係会社を毎年指定し、当該原則への準拠状況をモニタリングしています。
(6) 人材戦略
人材戦略に係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標は以下のとおりです。
①ガバナンス
(a) ダイバーシティ推進委員会
経営会議の諮問委員会として、人事管掌役員(CHRO)を委員長とし、人事総務部長、経営企画部長に加え、委員長が別途指名する委員から構成されています。2023年3月期は「別途指名する委員」として、海外現地法人役員(現地採用Executive Vice President)や事業本部長を含む5名(内、女性3名、外国籍1名)が指名され、計8名の多様なバックグラウンドを有するメンバーで以下記載のテーマについてダイバーシティに関する討議を行いました。各議事録はイントラネットを通じて従業員に公開しています。
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日程 |
主要なテーマ |
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第1回 |
2022年7月29日 |
年間活動計画、女性活躍推進・海外採用社員活躍推進施策、LGBTQ関連施策 |
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第2回 |
2022年11月2日 |
D&I強化施策に関する討議(多様なリーダーの育成・活躍推進、社員エンゲージメントの取組み、当社グループ・海外・事業本部別のD&I重点施策等)、中期経営計画振り返り |
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第3回 |
2023年2月15日 |
D&I推進に向けた委員による講演と討議、女性活躍推進に向けた環境整備 |
(b) Human Resource Strategy Meeting
社長と人事管掌役員(CHRO)、人事総務部長、各事業本部長・コーポレートスタッフ部門各部長が参加する年次の人材戦略会議です。本会議では、当社グループの重要ポジションのサクセッションプラン(後継者育成計画)についての議論や、女性や海外拠点で採用された社員等の活躍状況と育成方針が確認されています。
②戦略
当社グループは、「挑戦と創造」のDNAを継承し、常に時代の潮流を先取りして様々な分野や国で新たな事業を創出してきました。多様なバックグラウンドを持つ人材が、多様な現場でグローバルに活躍する姿を後押しすることが当社グループの人材戦略の根幹です。人材戦略は、中期経営計画2026*1の重点施策の1つとして位置づけられています。自律的なキャリア形成(挑戦・経験・学び)を支援し、従業員一人ひとりの活躍を支える諸施策・環境整備のために更なる投資を推進します。
*1 中期経営計画の詳細は、
(a) 強い「個」の育成
当社グループの「世界中の未来をつくる」というMissionの達成に向けては、従業員一人ひとりが変革をリードし、自らの強みを活かして世界標準で成果を積み上げることが重要です。当社グループは人材育成を最重要に考える組織であり、各現場でのOJT(On the job training:業務を通じて知識などを身に着ける教育方法)を軸としつつ、それを補完する体系的な人材育成プログラムや、従業員の志向を起点にしたグローバルなキャリア開発のための各種制度や基盤を提供し、強い「個」を育成します。
(i) グローバル・グループでの人材育成
当社グループは新入社員からリーダー層に至るまで、役割期待別研修、選択型研修、選抜型研修等、豊富な人材育成プログラムを実施しています。
当社(単体)では、若手社員を対象とした各地域のエキスパートを育成する海外修業生や専門性を高める部門研修員制度、中堅層社員対象のビジネススクールへの派遣制度を実施すると共に、国内グループ社員を対象とした節目研修や「物産アカデミー」等の選択研修の実施等を通じて、人材の育成・人的ネットワークの構築を支援しています。
また海外現地法人等の社員に対しても、現地事情に合わせたリーダーシッププログラムやスキル系研修を実施しているほか、日本への派遣プログラムとして、短期でのJapan Trainee Programや、1~2年間の長期に亘るJapanese Language & Business Program及びJapan Business Integration Programを設けています。
その他、重要パートナー企業までに対象を広げ、社会課題を解決するビジネスを創出し、事業において困難な局面を乗り越えるためのリーダーシップを発揮するグローバルリーダーの育成を目的とするHarvard Business Schoolの協力を得て開発した当社独自のGlobal Management Academy Programを設けています。2022年は日本を含む計18か国から合計41名が参加し、過去10回の開催で累計355名が参加しました。
(ii)多様なキャリアプラン
前中期経営計画期間にて人事制度の一部を改定し、①所定の任用・昇格要件や年齢に関わらず、適任者が上位ポジションでより大きな役割・職務にチャレンジできるキャリアチャレンジ制度、②従来のラインマネージャーを前提とした職群に加えて、高度な専門性を蓄えた人材のための複線型キャリアパスであるExpertバンド、③従業員向け株式報酬制度を導入しました。また、人材ニーズの社内マッチングの仕組みである人事ブリテンボード制度の実施回数を増やし、社員の自律的なキャリア開発と適材適所での人材配置をより機動的に実現できるよう拡充しました。
(b) インクルージョン
当社グループは、多様な個性を有する従業員が、自分らしく社会や組織に属し、最大限に力を活かすことができる会社を目指します。当社はインクルージョンの推進を加速させる環境を整えると共に、無意識のうちに暗黙的な排他や区別を行うことがないよう、従業員一人ひとりのインクルージョンに対する意識醸成を支援し、グローバル・グループでのインクルージョンを実現します。採用地や性別によらず、社員一人ひとりがお互いを認め合い、恒常的に異なる考えや新しい考え方が入ることで刺激を受け合いながら能力を最大限に発揮し、イノベーションを生み出すことでビジネスに新たな価値をもたらし、当社グループの価値向上に繋げます。
(i) 当社(単体)採用人員数
多様性を重視し、当社(単体)は国内でのキャリア採用をいち早く導入しました。2023年3月期に当社(単体)へ入社した総合職社員203名(新卒・キャリア採用合計)の内、女性は75名(36.9%)となります。
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男性(名) |
女性(名) |
女性比率 |
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新卒入社 |
67 |
44 |
39.6% |
|
キャリア入社 |
61 |
22 |
26.5% |
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配偶者転勤による再雇用入社 |
0 |
9 |
100% |
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128 |
75 |
36.9% |
(ii) 女性の活躍推進
女性社員の活躍推進をさらに加速させるため、さまざまな取組みを行っています。当社(単体)では、2020年3月期から管理職の女性を対象にしたWomen Leadership Initiativeプログラムを実施し、ライン長候補の育成を強化しています。加えて、2022年3月期からは経営会議メンバーがスポンサーとなり、シニアリーダー候補の女性社員に対しキャリアに関する助言や指導を行い、ストレッチアサインメント(一段目線の高いチャレンジとなる業務機会の提供)に繋げるSponsorship Programを実施しています。これら取組みにより女性管理職におけるラインマネージャーやシニアマネージャーへの登用を着実に進めています。
(iii) 海外採用職員の管理職登用
各国や地域に根を深く張ったビジネスを展開するため、当社グループの海外拠点(現地法人・海外事務所)において人材の活躍推進に力を入れています。世界各国から選抜された社員を対象に、2019年3月期から変革を積極的に推し進める先導者を育成するChange Leader Programを実施しています。2023年3月期は4回目として、オンラインセッションと日本での経営会議メンバーを交えた対面型セッションを組み合わせて開催しました。また、三井物産人材開発(株)では、当社グループの海外拠点だけではなく、グループ各社で働く世界中の社員を対象とした教育・研修の企画運営の提供も行っています。
(iv) 社員エンゲージメント
社員一人ひとりの意欲を高め、組織としての力につなげていくことを企図し、2018年からMitsui Engagement Survey (MES)を実施しています。4回目となる2022年には当社(単体)・海外現地法人に加え国内外の主要な連結子会社20社が参加し、総勢約12,000名の社員による調査を実行しました。調査結果はより良い組織づくりに向けた各現場での組織開発に活用すると共に、「多様性を力に」する為の重要な経営データとして経営会議や取締役会にも報告し、人事戦略の策定に活用しています。また、「社員エンゲージメント」肯定的回答率の前期対比での増減は、取締役(除く社外取締役)を対象とした報酬制度の一要素にもなっています。取締役の報酬の詳細は、「
(Mitsui Engagement Surveyの結果)
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2020 |
2021 |
2022 |
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社員エンゲージメント*1 |
70% |
71% |
72% |
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社員を活かす環境*2 |
69% |
69% |
69% |
*1 「会社に対して貢献意欲やロイヤルティがあり、自発的努力をしようという気持ち」についての複数の関連設問における肯定的回答率
*2 「自分のスキルや能力を活かす機会があり、働きやすい環境が整備されているか」についての複数の関連設問における肯定的回答率
(c) 戦略的適材配置
当社は16事業本部を中心としてグローバル展開をしていますが、国や地域毎に強みを発揮していく為に、事業と地域を2軸としたグローバルマトリクス制を採用しています。事業戦略に連動した活躍の場を用意し、従業員は新しい仕事への挑戦を通じてスキルや専門性を身に付け、会社と共に成長します。このような戦略的適材配置と自律的なキャリア形成をグローバル規模で推進します。
(i) Global People Data Platform(Bloom)導入
採用地を問わず、社員一人ひとりの経験・能力・知識やキャリアの志向といった人材データを活用し、適所で適材が活躍するフィールドの醸成と、社員の自律的なキャリア形成を支えるグローバルデータプラットフォームとして、Bloomを2022年10月にアジア・大洋州本部、東アジアブロック、韓国物産で導入しました。2025年3月期までに全世界で導入される予定です。
(ii) 海外拠点における人材の活躍
事業を牽引する人材を戦略的に配置するため、海外採用職員の転勤プロセスを標準化すべくグローバルモビリティプログラムを2022年10月に策定し、2023年4月の転勤者から全世界で導入しました。導入以前は転勤時の諸条件が転勤者ごとに個別決定となっておりプロセスが煩雑且つ調整に時間を要していましたが、統一ルールを導入することで海外採用職員の国を超える異動の難易度を低減し、グローバルベースでの戦略的配置を実践します。
③リスク管理
・人的資源の制約に関するリスクを当社は認識しており、対応策を講じています。詳細については、「
(a) 健康経営及び労働安全衛生
世界中の国や地域で当社グループの事業活動を行う上で、従業員が自らの持てる力を最大限発揮し、一人ひとりが活き活きと健康に、そして安全に働き続けられる職場環境の整備をします。また、自主的に事業活動における健康と安全の推進に取り組むべく、自己と周囲の安全と健康への責任を果たせる文化を醸成します。2023年3月期は、2回の取締役会にて健康経営・労働安全衛生に関する報告、改善に向けた審議が行われました。
(b) 労働時間基本方針
当社(単体)は、働き方の選択肢を拡げつつ、労働基準法・労働安全衛生法に準拠した適正な労働時間管理により、過重な長時間労働を回避します。また、社員の安全・健康をしっかりと保持し安心して働き続けられる職場環境の整備をさらに推進します。グローバルについては各国の法令に準拠した労働時間管理を行います。
④指標及び目標
当社グループでは以下のとおり各種環境指標や目標を設定、モニタリングを継続して実施しています。
(a) 当社(単体)における女性管理職数・比率推移
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2021年3月末 |
2022年3月末 |
2023年3月末 |
目標 |
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女性管理職数(名) |
252 |
267 |
284 |
- |
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管理職比率(%) |
7.5% |
8.0% |
8.5% |
10.0% |
なお、当社グループ(当社および国内外連結子会社)における2023年3月末時点の女性管理職比率は18.8%となります。
(b) 当社(単体)における労働安全衛生データ
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
目標 |
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労働災害発生件数 |
0 |
0 |
0 |
0 |
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死亡事故災害件数 |
0 |
0 |
0 |
0 |
(c) 当社(単体)における有給休暇年間平均日数・比率推移
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
目標 |
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年間平均取得日数(日) |
11.5 |
12.5 |
13.8 |
- |
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年間平均取得率(%) |
60.0% |
64.9% |
71.4% |
70% |
対象者:本店および国内支社勤務の従業員(嘱託社員は含まず)
当社及び連結子会社を取り巻く多種多様な定量・定性リスクに対し、関係のコーポレートスタッフ部門各部がそれぞれの職掌に定めるリスク管理分野において各種社内規程等の制定を行うと共に、事前審査もしくは事後モニタリングを通じ、相互連携して対応しています。また、経営会議及び経営会議の諮問機関であるポートフォリオ管理委員会を核として、全社一元的に管理する統合リスク管理体制を構築し、全社リスクを横断的に見て、発生頻度と想定損害規模及び全社リスク許容度に鑑み、重要なリスクを特定、対策を講じています。当連結会計年度末における重要なリスクは以下のとおりです。
なお、地政学的リスクの相対的な高まりにより、世界各国・各地域で事業展開している当社及び連結子会社の事業環境が大きく変化し、今後の事業への影響が多岐にわたる可能性があると想定されるため、当連結会計年度より、新たに「(2)地政学的リスク」を追加しています。
(1)事業投資リスク
当社及び連結子会社は、持分・株式取得を通じ、様々な事業に対する投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金が回収不能となるリスク、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。
また、当社及び連結子会社は第三者との合弁事業、或いは、第三者に対する戦略的投資を通じて多様な事業分野に参入しています。しかしながら、その結果の予測は困難なことがあります。すなわち、
・これらの事業の成否は、合弁事業のパートナーや戦略的投資先企業の業績や財政状態といった当社及び連結子会社が制御しえない事象が決定的な要因となる場合があります。
・更に、持分法適用会社での事業において、経営、業務運営、資産処分に関する適切な統制ができない、或いはパートナーと事業目的及び戦略的課題を共有できないために重要な決定ができなくなる可能性があります。
こうした事態の発生は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態において重要な割合を占める金属資源や石油・ガスの探鉱・開発・生産事業の多くにおいて、当社及び連結子会社はノンオペレーターの立場で参画しています。この場合、当社及び連結子会社はオペレーターである事業参加者が作成した情報に基づき事業性を検討しますが、開発及び生産に係る意思決定を含めた事業の運営はオペレーターの定める方針に影響を受けます。オペレーターによる事業運営が適切に行われない場合、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、新規投資の実行については必要収益率などの定量基準や定性評価に基づき意思決定するとともに、全事業の保有意義を定期的にモニタリングし、不振事業や撤退アラート基準に抵触する事業の改善計画や撤退方針を擦り合わせ、効率的な資産の入替を行っています。また、連結財政状態計算書上の資産に内在するリスクに加えて、マーケットリスクや保証債務などのオフバランスのリスクを一定の基準で評価し、リスクアセット(注)として定期的にモニタリングするとともに、一定の前提の下にストレステストを定期的に実施し、リスクアセットと株主資本の比率への影響も検証しています。
(注)リスクアセットは、営業債権や投資、固定資産などの連結財政状態計算書上の残高及び保証債務などのオフバランスシート・ポジションに、その潜在的な損失リスクに応じ当社が独自に設定したリスクウェイトを乗じることにより算出している想定損失の最大額です。
(2)地政学的リスク
ロシア・ウクライナ情勢や米中関係等、国・地域間の政治的・社会的緊張の高まりにより、当社および連結子会社が当該地域・国に展開する事業の業績が悪化、または継続が困難となるリスクを負っています。
地政学的な不確実性により、当社及び連結子会社の事業を取り巻く環境が大きく変わる中、難易度の高い組織運営と責任のある主体的な行動が一層求められており、各事業に関わるステークホルダーとの緊密なコミュニケーションも必須となっています。こうした地政学的リスクの高まりによる不確実な情勢の中で機動的に対応するために、当社では以下のようなリスクヘッジ策を講じていますが、全ての地政学的リスクを回避することは困難であり、当社業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・事業を展開する国・地域の政治・経済情勢等の動向を定期的にモニタリングし、その国や地域に存在するリスクや事業環境の変化について慎重に判断を行っています。
・地政学的リスクが高いとされる地域へ事業を展開する際は、保険・各国輸出信用機関によるファイナンス等の金融的手段によりリスクを低減しています。
・有事の際の対応についてのノウハウを蓄積し、国・地域をまたぎ複数の現地法人が連携、従業員の安全を図り、日本国内または海外で事業を継続する体制を構築しています。
ウクライナ情勢に関して、当社は国際社会が協調し制裁措置を取る中で、それらを遵守しつつ各事業に取り組んでいます。ロシア向けの投融資保証残高は2023年3月末時点で3,625億円となり、当社及び連結子会社の投融資保証残高の約4%となりますが、将来の不確実なロシア・ウクライナ情勢によって影響を受ける可能性があります。また、ウクライナ向けの投融資保証残高は僅少です。なお、2023年3月期決算における影響については、連結財務諸表注記事項29.「ロシア・ウクライナ情勢のロシアLNG事業への影響」をご参照ください。
(3)カントリーリスク
当社及び連結子会社が世界各地で展開する事業は、各国の政治・経済・社会状況の変化により、当該国に所在する取引先等に対する債権や、出資先もしくは進行中のプロジェクトに関する投融資等の回収が不能になる、もしくは在庫・固定資産等の価値が毀損するリスクを負っています。
さらに、当社及び連結子会社の事業活動は、特定の国または地域の特定の分野に一定程度集中しています。例えば、当社及び連結子会社は、
・ブラジル、チリ、ロシアにおいて金属資源・エネルギーの探鉱・開発・採掘・液化に係る投融資残高があります。
・マレーシアにおいて、アジア広域のヘルスケア事業に係る投融資残高があります。
・モザンビークにおいて、エネルギーの開発・生産・液化に係る投融資残高があります。
・インドネシアにおいて、消費者関連事業や二輪車販売金融事業、インフラ関連プロジェクトに係る投融資残高があります。
そのため、カントリーリスクについては、保険・各国輸出信用機関によるファイナンス等、案件の内容に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。
また、ポジションを有するすべての国について債権、投融資、保証等のエクスポージャーを国別に定期的に把握するとともに、原則として先進国を除く国を対象に、カントリーリスク状況の定性・定量的なモニタリングを行い、年1回及び必要と判断する都度、カントリーリスク管理上の対応方針を策定しています。全社ポートフォリオの定期的なモニタリングにおいては、事業分野別だけでなく国別のアセットサイズが適切なレベルかどうかも検証しています。
(4)気候変動に関するリスク
当社では気候変動による将来影響を把握し、また成長機会として取り込むことで、より強靭な事業ポートフォリオを確立すべく、2050年の「あり姿」としてNet-zero emissionsを掲げ、2030年はその「あり姿」に向けた道筋として、2020年比GHGインパクト半減を目指しています。
中長期的に発現する可能性がある移行リスクとしては、主に以下を認識しています。
・政策・法規制リスク:各国・地域の政策によるエネルギー・電源構成の変更や、炭素税の賦課などの排出規制は、当社及び連結子会社が出資するGHG排出量が多い事業の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
・技術リスク:気候変動に適応した新技術の導入による既存商材・サービスの需給の変化や既存製造設備の陳腐化が生じる可能性があります。
・資金調達リスク:金融機関・保険会社の低・脱炭素方針により資金調達上のリスクが発生する可能性があります。
当社では、国際エネルギー機関(IEA)などの複数の気候変動シナリオを参考に、事業への影響を分析していますが、既存ポートフォリオを維持する前提では、長期的には保有権益の価値毀損により当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
主な物理的リスクとしては、局地的な暴風雨、特に大西洋および南太平洋で発生する強い熱帯低気圧であるハリケーンやサイクロン等が、当社が行う金属資源やエネルギー等の事業の操業に悪影響を及ぼす可能性があるほか、生産現場や生産設備、出荷に使用される道路、鉄道、港等のインフラが甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間にわたり停止する可能性があります。また、当社出資先のみならず、当社取引先が甚大な被害を受けた場合、原料供給を受けられない等サプライチェーン全体での不稼働リスクの可能性があります。当社及び連結子会社各社において、保険付保、危機管理方針策定、設備増強等の対策は取っていますが、物理的リスクを完全に回避できるものではなく、将来の当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社では、レジリエンスの向上とGHG排出削減効果のある取組みの促進を目的に社内カーボンプライシング制度を導入し、案件審査の一要素としています。
気候変動に関する当社及び連結子会社の取組みについては2 サステナビリティに関する考え方及び取組をご参照ください。
(5)商品価格リスク
鉄鉱石、原料炭、銅、原油、天然ガス・LNGなどをはじめとする各種市況商品の生産及び売買は、当社及び連結子会社の重要な事業分野です。とりわけ金属資源及びエネルギー生産事業は経営成績の重要な割合を占めています。これらの商品価格は、需給の不均衡、景気変動、在庫調整、為替変動などの当社及び連結子会社にとって制御不能な要因により、短期的に乱高下或いは周期的に変動します。
価格変動は、当社連結子会社及び持分法適用会社が保有する権益持分相当の生産量からの販売収入に直接的な影響を及ぼします。2024年3月期において、連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、原油価格でUS$1/バレルあたりの価格変動により26億円、鉄鉱石でUS$1/トンあたりの価格変動により27億円と推定しています。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2024年3月期連結業績予想」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)経営成績に係る検討と分析」をご参照ください。
そのため、当社及び連結子会社は、商品価格リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、様々な階層において管理体制を構築しています。特に商品価格リスクに関しては、各事業本部長及び海外地域本部長は、各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っています。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、市場リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しています。
また、当社及び連結子会社は、市況商品に係る営業活動を行うにあたり、約定残高のキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に商品スワップなどのデリバティブを用いてヘッジを行っており、その一部についてはヘッジ会計を適用しています。
詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連、(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計」をご参照ください。
また、予想外の相場変動は、以下に示すように当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
・多額の投資を行ってきた金属資源・エネルギー開発事業等で、販売価格の下落により、生産した商品の販売を通じた投下資金の回収が困難になる、或いは許容しうる価額での当社出資持分の売却が困難になることがあります。
・評価差額をその他の包括利益に認識する資本性金融資産(以下、FVTOCI)に区分するLNGプロジェクト等に対する投資の価値の下落により、当社及び連結子会社の包括利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)為替リスク
当社及び連結子会社は外国通貨で表示された資産及び負債の換算リスクを負います。また、海外の関係会社に対する投資やFVTOCIに区分する投資は、為替変動によりその価値を減じ、当社の包括利益及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
2024年3月期において、連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、米ドル/円で1円の変動により39億円、豪ドル/円で1円の変動により27億円と推定しています。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2024年3月期連結業績予想」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)経営成績に係る検討と分析」をご参照ください。
当社及び連結子会社は、為替リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、様々な階層において管理体制を構築しています。特に為替リスクに関しては、各事業本部長及び海外地域本部長は、各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っています。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、為替リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しています。
当社及び連結子会社は、世界各国で多種多様な営業活動を行っており、所在国通貨以外での売買取引より生じる外貨建金銭債権債務及びファイナンス取引より生じる外貨建長期金銭債権債務などのキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を用いてヘッジを行っており、その一部についてはヘッジ会計を適用しています。さらに、当社及び連結子会社は、主に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避することを目的として、主に外貨建借入金を用いてヘッジを行うとともにヘッジ会計を適用しています。
詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連、(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計」をご参照ください。
(7)保有上場株式の株価リスク
当社及び連結子会社は、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化を図るため、市場性ある資本性金融資産への投資を行っており、株価リスクを有しています。当連結会計年度末において、当社及び連結子会社はFVTOCIに区分する市場性のある資本性金融資産を1兆1,407億円保有しており、総資産の7.4%に相当します。当社及び連結子会社は、株式ポートフォリオの見直しを定期的に行っていますが、株式市場の価格変動や相場の下落は投資ポートフォリオを毀損し、その他の包括利益の悪化により、当社及び連結子会社の財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社及び連結子会社は、株価リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、様々な階層において管理体制を構築しています。特に株価リスクに関しては、時価総額の増減要因の把握を行うことにより管理しています。
詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連」をご参照ください。
(8)与信リスク
当社及び連結子会社は商取引や融資取引のある様々な顧客や事業に係る多額の与信リスクにさらされています。
当社及び連結子会社は、多数の取引先に後払い条件で商品・サービスを販売し、或いは販売契約に付随する融資プログラムや顧客の借入に係る支払保証を供与することがあります。当連結会計年度末において当社及び連結子会社の損失評価引当金控除後の流動売上債権等は2兆1,912億円であり、総資産の14.2%を占めています。控除した損失評価引当金残高(流動)は226億円となっています。
様々なプロジェクトにおけるファイナンスのため、回収リスクを伴う多額の貸付や保証を行っています。
そのため、定期的に取引先の状況を確認し、適切な決裁者により承認されたクレジットライン管理を行うと共に、債権等の回収期日経過状況をモニタリングしています。また、必要に応じて取引先に担保などの提供を要求しています。詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連」をご参照ください。
しかしながら、こうした管理を行ったとしても、当社及び連結子会社における与信管理政策は、与信先の財政状態悪化により発生しうるリスクを完全に排除することはできません。加えて、流動性危機の発生、不動産や株式などの市場価格急落による顧客の支払不能、或いは企業倒産の増加などによって、当社及び連結子会社の債権回収が困難となる可能性があり、将来の当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)資金調達に関するリスク
金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、或いは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行うと同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。
資金調達及び格付けについては、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析「(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。
(10)オペレーショナルリスク
当社及び連結子会社は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進の各セグメントにおいて、当社を中心として全世界に広がる事業拠点とその情報力を活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなど各種事業を多角的に行っており、更には資源・インフラ開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代燃料やウェルネスに関連する事業投資やデジタルを活用した価値創出などの幅広い取組みを展開しています。これらの事業は、火災、爆発、事故、輸出入制限、自然災害等の様々な操業上のリスクを伴っており、これらの事故・災害等が発生した場合には、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
環境事故が生じると、当社及び連結子会社は資源・エネルギー権益の所有者として、当該事故への寄与度や過失の有無に拘らず、また、ノンオペレーターとして操業に全く関与していない場合であっても、清掃費用、環境破壊への賠償、事故被害者への健康・財産被害や休業補償・逸失利益補填等のための損害賠償費用、環境当局からの罰金や補償金等の負担を強いられることで、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社及び連結子会社は、リスク軽減策・損害防止策を検討するほか、可能かつ妥当な範囲において、事故、災害等に関する保険を付していますが、それらによってもすべての損害を填補し得ない可能性があります。
(11)役職員による法令及び社内規定の遵守違反に関するリスク
当社及び連結子会社は、その規模、業務範囲及び活動領域が広範に亘っていることから、日常業務は自ずと分権的に運営されており、従業員が全ての法令や社内規定を遵守しているとの確証を得ることはできません。例えば、従業員が必要な社内許可を取得しないまま社外との取引を行うこと、投融資案件において許可されたリスク・エクスポージャー限度額を超過することや、与信限度枠を超えて取引を拡大することもあり得、それらはどのケースにおいても予測不能な損失や管理不能なリスクに繋がります。また、従業員が日本或いは外国における輸出貿易規制、汚職防止法、独占禁止法、税法などの法令を犯すこともあり得ます。
当社及び連結子会社では、グローバル・グループベースでのコンプライアンス体制を強化、経営幹部が継続的にメッセージを発信し、コンプライアンスに関する職制ライン及び職制外の報告・相談ルートを設置すると共に、スピークアップ文化を醸成し、コンプライアンス違反に対して厳正に対処する等、さまざまな取組みを行っています。詳細は、第4 提出会社の状況 4. コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要「③内部統制システムの整備状況 (d)コンプライアンス体制」をご参照ください。
しかしながら、このような取組みをもってしても、従業員の全ての不正行為を完全に排除することはできず、従業員の不正行為はその内容次第で当社及び連結子会社の事業、社会的信用、経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク
通信ネットワークのグローバル規模での運用が進展、またサイバー攻撃が全世界的に増加する中、ITシステムの適切な運用と情報価値の把握並びに適切な取扱いが重要です。当社は、情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化の為、関連規程を整備し、当社及び連結子会社が保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性を適切に確保し、またリスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏えい等のリスクを管理し、通信ネットワーク監視等を通じた外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練に努めています。
しかしながら、予期できない水準の情報システム基盤や通信回線の重大な障害、或いは経営に関わる機密情報の破壊・窃取が発生する可能性を完全に排除することはできず、この様な場合、業務効率の著しい低下が避けられず、事業継続或いはビジネスの伸長に困難を来すことから、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。また、可能かつ妥当な範囲において、外部からの攻撃に伴う被害等に関する保険を付していますが、それらによってもすべての損害を填補し得ない可能性があります。
なお、情報セキュリティに関する当社の取組みについては、「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)情報セキュリティ」をご参照ください。
(13)自然災害、テロ・暴動遭遇、感染症等によるリスク
当社及び連結子会社が事業活動を展開する国や地域において、地震や水害、テロ、感染症、電力不足等が発生した場合には、当社及び連結子会社の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社及び連結子会社では、災害時事業継続計画(BCP)や災害対策マニュアルを予め策定するとともに、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練などの対策を講じていますが、全ての被害や影響を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末に重要なリスクとして特定したもの以外で、当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。但し、これらは全てのリスクを網羅したものではありません。
・当社固有のリスクではない、一般的なリスク
- 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
世界的な或いは特定の地域における経済情勢、とりわけ欧州や日本、中国、米国や新興国の景気減速は、製品・素材の流通量の減少、個人消費や設備投資の低下をもたらしえます。その結果、当社及び連結子会社の商品及びサービスに対する需要が減少し、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 法的規制に関するリスク
当社及び連結子会社は内外の広範な法令に従い事業活動を展開しています。当社及び連結子会社の事業は、具体的には、各種の商品規制、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、環境保護規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法、独占禁止法などの制約の下にあります。例えば当社及び連結子会社による新興国でのインフラ開発プロジェクトは、十分に整備されていない法基盤の下で遂行されることがあり、包括的な法令体系の欠如や、一貫性のない法令の適用及び解釈、監督当局による規制措置の一方的変更などに対応する費用負担が増大することがあります。また、これらの事業が供給する製品或いはサービスに賦課される税率、環境規制に係る技術的要件、所得税及び関税、投資元本及び配当の還流に関する為替規制などの諸法令などについて、予想外の変更が行われることがあります。
当社及び連結子会社は、豪州、ブラジル、チリ、ロシア、中東等において一連の環境規制の制約を受けていますが、これらの地域における法令は、事業区域の浄化、操業停止あるいは事業終了、重大な環境破壊に対する罰金及び補償金、高額な汚染防止設備の設置、操業方法の変更などを課すことがあります。
当社及び連結子会社が行う探鉱・開発・採掘事業について、必ずしも事業権に係る契約の相手方による義務の履行がなされる保証や契約期限到来時に事業権の存続期間が延長される保証はありません。また、これら事業に係る規制当局が、金属資源や石油・ガス生産事業における生産量、価格体系、ロイヤリティ、環境保護費用及び借地権等に関する契約条件に関し、一方的な介入或いは変更を行わない保証はありません。規制当局が一方的に契約条件を変更した場合、或いは、変更・新設された法令について遵守に対応する費用が増大する場合、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術・資材調達・資金調達・環境面を含む当局による規制などの変更により、当初の想定より工期が遅延する可能性があります。
- 競合リスク
当社及び連結子会社が提供する商品及びサービスの市場は、概して競争的な環境にあります。他の総合商社をはじめ、各種分野において同様の事業活動を展開する競合他社は、商品によって当社及び連結子会社の内外の顧客に対してより堅固な取引関係を有している場合や、より充実した世界的ネットワーク、特定地域に係る専門知識、広範な海外顧客基盤、金融サービス機能、市場分析能力を有することがありえます。当社及び連結子会社が、顧客の求める革新的かつ総合的なサービスを競争力あるコストにより提供できない場合、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 人的資源の制約に関するリスク
事業において、当社及び連結子会社は、事業の立案・評価及び実行や人員の指揮・監督などにあたる人的資源を投入しています。しかしながら、事業分野によっては求められる人材が不足し、事業価値創出の機会の逸失につながる可能性があります。事業に対するこうした人的資源の制約は、当社及び連結子会社の将来の事業展開と経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、人材戦略に関する当社の状況については「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (6) 人材戦略」をご参照ください。
- 金利リスク
当社及び連結子会社は金利変動に係るリスクを有しており、金利変動は営業費用全般、並びに金融資産・負債の価額、とりわけ資本市場及び金融機関借入により調達される負債の価額に影響を及ぼします。金利水準の上昇、特に日本及び米国における上昇は、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社及び連結子会社の資金調達の状況については、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析「(5)流動性と資金調達の源泉」及び連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。
- 確定給付費用及び確定給付債務に関するリスク
国内外の国債等の債券や上場株式の価格下落は、当社及び連結子会社の制度資産の価値を減少させます。制度資産の価値の下落或いは確定給付制度債務の増加は、その他の包括利益及び利益剰余金の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
確定給付費用については、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析「(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」及び連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」をご参照ください。
・IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合があります。この前提条件の置き方などにより、当社及び連結子会社の経営成績や財政状態に影響を及ぼすことがあります。詳細は、4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」をご参照ください。
この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。
なお、経営上の目標の達成状況については、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等「(1)前中期経営計画の総括」をご参照ください。
(1)業績等の概要
①業績
「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」をご参照ください。
②キャッシュ・フロー
「(5)流動性と資金調達の源泉 ⑥キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(2)仕入、成約及び売上の状況
①仕入の状況
各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しています。
②成約の状況
各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しています。
③売上の状況
「(4)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項6.「セグメント情報」をご参照ください。
(注) 当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としています。
(3)経営者の検討における重要な指標について
当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。
①売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)
当社及び連結子会社は様々な商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスク・リターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。
②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向
当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格および需給の動向に関する詳細は、以下のとおりです。
(a) 金属資源
鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、世界経済の成長に伴いその原料に対する需要は堅調に推移することが見込まれます。中長期的には、粗鋼生産量は中国で横ばいから減少となるも、インド等アジア地域などで増加もあり、引続き高水準を維持することが見込まれています。また、非鉄金属は成長に対するリスクファクターはあるものの、電気自動車や再生可能エネルギー向けを中心として需要が堅調に拡大していくことが見込まれます。供給側では、鉱山操業での資機材・人件費を始めとした開発・生産コストの上昇や、既存鉱山の鉱石の品位低化や埋蔵量の減少が進む一方で、優良未開発案件には限りがあるため、需給は逼迫していく見込みであり、引き続き原料の安定供給が求められます。
また、社会の持続可能性追求に向け、気候変動対応や人権、生物多様性、サーキュラーエコノミー、水資源や地域社会との共生といった観点を踏まえて、例えば高品位資源やリサイクル原料、低炭素/グリーン素材、バリューチェーン全体でのGHG排出量削減可能な原料へのニーズの高まりなど、原料に対する価値観が変化することにより、金属資源の需給・相場へ影響を及ぼすことが予想されます。
(b) エネルギー
主要産油国の協調減産体制や地政学的リスク等の需給動向への影響について慎重に見極めていく必要がありますが、中長期的には世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は今後も増加する見込みです。一方、気候変動対応への必要性は不可逆的と言えますが、政策導入等に伴う将来的なエネルギー構成については様々な見方があります。斯かる状況下、エネルギーの安定供給・調達と、気候変動対応を高い次元で両立させていく必要性が益々高まっており、脱炭素社会実現に向け、現実的なエネルギートランジション取組みが求められています。
原油の中長期的な見通しとして、特に供給面で新規上流投資抑制による開発鈍化が懸念されています。一方で、消費者の行動様式の変化や、EVの急速な普及、環境規制の強化などによる原油需要の減少可能性も考えられ、これらの影響を見極めていく必要があります。
LNGについては、エネルギートランジションにおける現実解としての役割が期待されることに加え、新型コロナウイルス感染症の収束後の各国経済回復や新興輸入国の市場拡大に伴い需要が堅調に伸長すると見込まれます。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響やインフレ懸念等により新規プロジェクトの開発計画や最終投資決断が軒並み遅延していることから、2025~2026年頃迄は需給がタイトな期間が続く見込みです。
また、先進国を中心に各国政府が気候変動対策としてのグリーンエネルギーの導入促進を打ち出し、再生可能エネルギーの更なる普及、よりクリーンな燃料への転換、モビリティの電動化や水素燃料電池自動車の普及等、気候変動対応事業が新たな成長領域へと変貌する中、総合エネルギーサービス事業と次世代燃料事業を柱としたエネルギーソリューション分野における取組ニーズが拡大、加速すると見ています。
③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ
中期経営計画2026(2023年5月公表)において、基礎営業キャッシュ・フローを、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す重要な経営指標としています。
当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本(*1)の水準及び、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連」を、財務戦略については「(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。
(*1)連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。
(4)経営成績に係る検討と分析
① 連結損益計算書項目
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
|
|
収益 |
143,064 |
117,576 |
+25,488 |
|
|
売上総利益 |
13,962 |
11,414 |
+2,548 |
|
|
販売費及び一般管理費 |
△7,028 |
△5,963 |
△1,065 |
|
|
その他の 収益・費用 |
有価証券損益 |
595 |
87 |
+508 |
|
固定資産評価損益 |
△300 |
△191 |
△109 |
|
|
固定資産処分損益 |
194 |
145 |
+49 |
|
|
雑損益 |
92 |
149 |
△57 |
|
|
金融 収益・費用 |
受取利息 |
478 |
200 |
+278 |
|
受取配当金 |
1,549 |
1,965 |
△416 |
|
|
支払利息 |
△1,146 |
△473 |
△673 |
|
|
持分法による投資損益 |
5,555 |
4,313 |
+1,242 |
|
|
法人所得税 |
△2,407 |
△2,268 |
△139 |
|
|
当期利益 |
11,546 |
9,377 |
+2,169 |
|
|
当期利益(親会社の所有者に帰属) |
11,306 |
9,147 |
+2,159 |
|
(*) 四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
IFRSに従い、履行義務の識別にあたっては、本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財またはサービスを自ら提供する履行義務である場合には、本人として収益を対価の総額で認識しており、それらの財またはサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には、代理人として収益を手数料または報酬の額もしくは対価の純額で認識しています。詳細は連結財務諸表注記事項2.「連結財務諸表の作成基準並びに重要な会計方針の要約 (5)重要な会計方針の要約」をご参照ください。
・収益は、主にエネルギーセグメント、生活産業セグメントの増加を主因に14兆3,064億円となり、前期の11兆7,576億円から2兆5,488億円の増加となりました。
売上総利益
・主に、エネルギーセグメント、機械・インフラセグメントが増益となりましたが、金属資源セグメントは減益となりました。
販売費及び一般管理費
・主に、機械・インフラセグメント、化学品セグメントで負担増加となりました。社内管理上の費目別に見ると以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
||||||
|
費目別内訳 |
|
当期 |
|
前期 |
|
増減額(*) |
|
人件費 |
|
△3,840 |
|
△3,336 |
|
△504 |
|
福利費 |
|
△134 |
|
△118 |
|
△16 |
|
旅費交通費 |
|
△252 |
|
△106 |
|
△146 |
|
交際費会議費 |
|
△64 |
|
△32 |
|
△32 |
|
通信情報費 |
|
△553 |
|
△486 |
|
△67 |
|
借地借家料 |
|
△117 |
|
△90 |
|
△27 |
|
減価償却費 |
|
△412 |
|
△350 |
|
△62 |
|
租税公課 |
|
△173 |
|
△129 |
|
△44 |
|
損失評価引当金繰入額 |
|
△189 |
|
△202 |
|
+13 |
|
諸雑費 |
|
△1,294 |
|
△1,114 |
|
△180 |
|
合計 |
|
△7,028 |
|
△5,963 |
|
△1,065 |
(*)△は負担増
・変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
|
|
|
|
|
(単位:億円) |
||
|
オペレーティング ・セグメント |
|
当期 |
|
前期 |
|
増減額(*) |
|
金属資源 |
|
△334 |
|
△302 |
|
△32 |
|
エネルギー |
|
△579 |
|
△531 |
|
△48 |
|
機械・インフラ |
|
△1,636 |
|
△1,277 |
|
△359 |
|
化学品 |
|
△1,374 |
|
△1,128 |
|
△246 |
|
鉄鋼製品 |
|
△276 |
|
△236 |
|
△40 |
|
生活産業 |
|
△1,420 |
|
△1,307 |
|
△113 |
|
次世代・機能推進 |
|
△827 |
|
△678 |
|
△149 |
|
その他/調整・消去 |
|
△582 |
|
△504 |
|
△78 |
|
合計 |
|
△7,028 |
|
△5,963 |
|
△1,065 |
(*)△は負担増
その他の収益・費用
有価証券損益:
・当期は、主に金属資源セグメント、次世代・機能推進セグメントで有価証券売却益を計上した一方、機械・インフラセグメントで減損損失を計上しました。
・前期は、主に生活産業セグメントで有価証券関連損益を計上した一方、機械・インフラセグメントで減損損失を計上しました。
固定資産評価損益:
・当期は、主に機械・インフラセグメントで固定資産評価損を計上しました。
・前期は、主にエネルギーセグメントで固定資産評価損を計上しました。
固定資産処分損益:
・当期及び前期において、主に次世代・機能推進セグメントで固定資産売却益を計上しました。
雑損益:
・当期及び前期において、エネルギーセグメントにおける引当金の計上があった一方、生活産業セグメントにおけるオプション評価益や、化学品セグメントにおける保険金の計上がありました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、金属資源セグメントで減少しました。
持分法による投資損益
・主に、エネルギーセグメント、機械・インフラセグメントが増益となった一方、金属資源セグメントでは減益となりました。
法人所得税
・法人所得税は2,407億円となり、前期の2,268億円から139億円の負担増となりました。
・当期の実効税率は17.2%となり、前期の19.5%から2.3ポイント減少しました。持分法による投資損益は増益となりましたが、その一部について税効果を認識しない等の影響により、法人所得税の負担割合が減少しました。
当期利益(親会社の所有者に帰属)
・上記の結果、前期から2,159億円増益の1兆1,306億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。なお、「その他」には、法人所得税が含まれますが、法人所得税前利益の各勘定科目の主な増減要因の説明には、法人所得税の影響は原則として含まれておりません。
金属資源
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
4,388 |
4,976 |
△588 |
|
|
|
|
売上総利益 |
3,558 |
3,925 |
△367 |
・豪州鉄鉱石△602(価格下落) ・豪州石炭+202(価格上昇) |
|
|
持分法による投資損益 |
1,276 |
1,453 |
△177 |
・豪州鉄鉱石△122(価格下落) ・Oriente Copper Netherlands*1△88(価格下落) ・Japan Collahuasi Resources*2 △87(価格下落) ・オルドス電力冶金△32(合金鉄・化学品価格下落) ・豪州石炭増益(価格上昇) |
|
|
受取配当金 |
743 |
1,243 |
△500 |
・Vale配当金減、豪州鉄鉱石配当金減 |
|
|
販売費及び一般管理費 |
△334 |
△302 |
△32 |
|
|
|
その他 |
△855 |
△1,343 |
+488 |
・Stanmore SMC有価証券売却益+367 ・銅価格ヘッジ取引増益 ・Japan Collahuasi Resources△62 (前期繰延税金負債取崩反動*3) |
*1 チリ銅鉱山事業会社Anglo American Surを保有するInversiones Mineras Becruxへの投資会社
*2 チリ銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiを保有する投資会社
*3 Japan Collahuasi Resourcesの再編に伴い繰延税金負債を取り崩し
鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量
2024年3月期において、鉄鉱石価格の変動が、当社鉄鉱石事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により27億円と概算しています。
当連結会計年度の1年間における当社鉄鉱石関連の権益見合い生産量は58.3百万トン(一般社外のVale権益見合い生産量19.4百万トン含む)です。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、当社の鉄鉱石事業が保有する権益見合いに対して、2024年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場などを前提条件とした上で算出したものです。なお、一般的に、豪ドルなどの資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。
エネルギー
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
3,094 |
1,140 |
+1,954 |
|
|
|
|
売上総利益 |
3,164 |
1,454 |
+1,710 |
・LNG物流増益 ・Mitsui E&P USA+413(ガス価格上昇) ・Mitsui E&P Australia+351(原油価格上昇) ・Mitsui E&P Italia B+144(コスト改善) ・Mitsui E&P Middle East+108(原油価格上昇) ・MEP Texas Holdings+96(原油・ガス価格上昇) ・MOEX North America+72(原油価格上昇) ・燃料供給取引関連減益△77 |
|
|
持分法による投資損益 |
1,085 |
323 |
+762 |
・Japan Australia LNG (MIMI) 増益 (原油・ガス価格上昇) ・Japan Arctic LNG+102 (原油価格・為替変動等評価損益) ・Mitsui & Co. LNG Investment USA+52 (数量増) ・三井石油開発+31(出資先リース会計処理変更等) ・Mitsui E&P Mozambique Area 1△35 |
|
|
受取配当金 |
587 |
536 |
+51 |
・LNGプロジェクト4案件*1+39 (当期567億円、前期528億円) |
|
|
販売費及び一般管理費 |
△579 |
△531 |
△48 |
・前期Japan Arctic LNG宛融資に係る |
|
|
その他 |
△1,163 |
△642 |
△521 |
・三井石油開発△136(引当金計上) ・Mitsui E&P Australia△88(引当金計上) ・バイオマス発電事業減損△33 ・前期Arctic LNG2事業関連保証の ・燃料供給取引為替ヘッジ損益等+64 ・前期三井石油開発M-3探鉱事業評価損*2反動+46 |
*1 サハリンⅡ、アブダビ、オマーン及びカタールガス3。前期は権益満了したカタールガス1を含む
*2 前期にBlock M-3探鉱事業における評価損73億円及び海外投資等損失準備金の取崩に係る利益27億円を計上
原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量
2024年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス開発事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたり26億円と推定しています。
金属資源と同様に、実際の経営成績は、各石油・ガス開発事業における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。
また、当社の石油・ガスの持分生産量は、2023年3月期において日量216千バレル(ガスはバレル換算、換算係数は原油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、当社連結子会社・持分法適用会社・非連結先の当社権益保有見合い)となりました。
機械・インフラ
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
1,719 |
1,208 |
+511 |
|
|
|
|
売上総利益 |
1,999 |
1,429 |
+570 |
・産機・建機関連事業+124(販売好調) ・Inversiones Mitta連結化+77 ・Bussan Auto Finance+77 (営業資産積み増しに伴う金利収益増加) ・Position Partners連結化+51 ・Hino Mexico+37(販売好調) |
|
|
持分法による投資損益 |
1,973 |
1,460 |
+513 |
・MBK USA Commercial Vehicles+189 (トラックリース・レンタル事業好調) ・タンカー保有関連会社(用船収入増加) ・Penske Automotive Group+91(販売好調) ・FPSO+78(MV30/31操業開始に伴う取込益増) ・カナダ自動車関連会社(販売台数増、販売促進費減) ・ガス配給事業+64(ガス需要堅調) ・VLI△65(固定資産減損損失等*1△86) ・IPP事業△131 (中国賀州事業減損*2△65、Mainstreamチリ事業 |
|
|
受取配当金 |
42 |
41 |
+1 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
△1,636 |
△1,277 |
△359 |
・Position Partners連結化△51 ・Bussan Auto Finance△36 (営業資産積み増しに伴う引当金繰入額増加) |
|
|
その他 |
△659 |
△445 |
△214 |
・ブラジル旅客鉄道事業固定資産評価損*3△151 ・MT Falcon減損*4:当期△31、前期△97 ・Lucid Group株式売却に係る法人税負担減*5+72 |
*1 ブラジル貨物鉄道事業における一部資産の回収可能価額見直しに伴い、固定資産減損損失を67億円、繰延税金資産の取崩19億円をそれぞれ計上
*2 中国賀州石炭火力発電事業における回収可能価額見直しに伴い、持分法損失を65億円計上
*3 ブラジル旅客鉄道事業における運賃収入の減少及び割引率上昇を踏まえた最新の見積りに基づく固定資産評価損
*4 当期にMT Falcon Holdingsの株式売買契約の改定に伴い、減損損失31億円を計上。また、前期に同社の株式売買契約締結に伴い、減損損失97億円を計上
*5 FVTOCIの金融資産であるLucid Group株式の売却により、その他の包括利益として認識される税金費用に関連する法人所得税の負担減少
化学品
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
709 |
689 |
+20 |
|
|
|
|
売上総利益 |
2,093 |
1,830 |
+263 |
・Mitsui AgriScience International*1+64 (農薬需要好調) ・肥料関連トレーディング(価格上昇) ・Intercontinental Terminals Company+33 ・MMTX△68(原料価格上昇、販売価格下落) |
|
|
持分法による投資損益 |
274 |
207 |
+67 |
・MVM Resources+51(燐鉱石価格上昇) |
|
|
受取配当金 |
38 |
33 |
+5 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
△1,374 |
△1,128 |
△246 |
・Mitsui AgriScience International*1△47 (経営統合に伴う一過性費用) |
|
|
その他 |
△322 |
△253 |
△69 |
・Intercontinental Terminals Company火災関連*2 |
*1 経営統合に伴い、前期数値はMitsui AgriScience International及びその傘下のCertis Belchimの合算値を使用
*2 Intercontinental Terminals Companyにおいて、当期及び前期に保険金収入及び費用を計上(当期は73億円の雑益)
鉄鋼製品
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
225 |
269 |
△44 |
|
|
|
|
売上総利益 |
407 |
355 |
+52 |
・三井物産スチール+43(上半期トレーディング好調) ・現地法人△37(価格下落) |
|
|
持分法による投資損益 |
247 |
260 |
△13 |
・NuMit*1△46(在庫評価損・価格下落) |
|
|
受取配当金 |
30 |
17 |
+13 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
△276 |
△236 |
△40 |
|
|
|
その他 |
△183 |
△127 |
△56 |
|
*1 Steel Technologiesの投資会社
生活産業
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
548 |
615 |
△67 |
|
|
|
|
売上総利益 |
1,537 |
1,430 |
+107 |
・穀物トレーディング好調+58 ・コーヒートレーディング為替影響+49 ・MITSUI & CO. COFFEE TRADING (Brazil)為替影響+35 ・創薬支援ファンド公正価値評価損*1△61 |
|
|
持分法による投資損益 |
507 |
411 |
+96 |
・IHH Healthcare+85(事業堅調・資産リサイクル等) ・WILSEY FOODS+55 ・PHCホールディングス一般社外化*2△43 |
|
|
受取配当金 |
62 |
56 |
+6 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
△1,420 |
△1,307 |
△113 |
|
|
|
その他 |
△138 |
25 |
△163 |
・前期三井物産アイ・ファッション 公正価値評価益反動△107 ・前期PHCホールディングス有価証券関連損益反動△89 ・コーヒートレーディング為替ヘッジ損益△45 ・FVTOCI金融資産売却に係る法人税負担減*3+122 ・Multigrain関連税金還付+50 ・JSC R-Pharmプットオプション*4 当期+65、前期反動△62 |
*1 MBK Pharma Partnering経由で投資する創薬支援ファンドにおける投資対象医薬品の価値毀損
*2 一般社外化したPHCホールディングスの、前期に持分法適用会社として計上した持分法による投資損益の反動
*3 FVTOCIの金融資産の売却により、その他の包括利益として認識される税金費用に関連する法人所得税の負担減少
*4 JSC R-Pharmに係るプットオプションの公正価値評価益
次世代・機能推進
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
主な増減要因 |
|
|
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
667 |
576 |
+91 |
|
|
|
|
売上総利益 |
1,126 |
977 |
+149 |
・Mitsui Bussan Commodities+153 (商品デリバティブトレーディング好調) ・前期Wise株式売却益反動△35 |
|
|
持分法による投資損益 |
189 |
197 |
△8 |
・Peterson Ventures Partners△44 (保有株式公正価値評価減) |
|
|
受取配当金 |
38 |
28 |
+10 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
△827 |
△678 |
△149 |
・Mitsui Bussan Commodities△64 |
|
|
その他 |
141 |
52 |
+89 |
・シンガポール不動産事業売却益*1 ・日比谷フォートタワー一部売却益+59 ・有価証券売却益+40 ・米国不動産事業物件売却益*2+36 ・前期土地売却益の反動△51 |
*1 シンガポールにおけるオフィス開発物件保有会社Southernwood Propertyの売却益
*2 米国における複数の物件売却に伴う固定資産売却益
③ ロシアにおけるLNG事業に係る資産・負債の評価
当社が参画するロシアにおけるLNG事業は、ロシア・ウクライナ情勢の影響を受けており、各パートナーとの協議等を踏まえ、関連する資産・負債の評価を行っています。
サハリンⅡ事業に関して、2022年6月30日付けロシア大統領令(第416号)及び2022年8月2日付け政府令(第1369号)に基づき設立されたSakhalin Energy LLC(以下SELLC)について、当社が新たに設立したMIT SEL Investmentにおいて、2022年9月2日に持分を引き受けました。引受けの前後において、当社グループはサハリンⅡ事業に係る投資を継続していることから、再編に伴う連結財務諸表への影響はありません。一方、当連結会計年度末において、SELLC社の最終的な出資者構成が決定されておらず、また出資者間協定書が未締結であるなど、不確実性の高い状況が継続しています。
これらの状況を踏まえ、SELLCへの投資を通じて継続的に配当収入を見込むシナリオ及びその他のシナリオを加味し、確率加重平均を用いた期待現在価値技法によって評価を行いました。その結果、当連結会計年度末におけるサハリンⅡ事業の投資の残高は985億円です。また、当連結会計年度において、投資の公正価値の減少1,260億円をその他の包括利益において認識しました。
なお、2023年4月11日付け政府令(第890号)において新たな出資者の決定を認識しています。上記の公正価値に影響はないと判断していますが、今後の更なる状況変化により公正価値が増加または減少する可能性があります。
また、Arctic LNG2事業に関しては、当連結会計年度において重要な損益及びその他の包括利益は認識しておらず、連結会計年度末におけるArctic LNG2事業に関係する投融資保証残高は2,392億円(投融資158億円、保証2,234億円)となります。また、金銭債務保証残高に対する引当金として182億円を計上しています。詳細につきましては、連結財務諸表注記事項29.「ロシア・ウクライナ情勢のロシアLNG事業への影響」をご参照ください。
(5)流動性と資金調達の源泉
会計基準に基づかない財務指標について
現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)
この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して、下表のとおり算出しています。
• 短期債務及び長期債務の合計よりリース負債を除外し、有利子負債を算出。
• 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
当社の経営者は、債務返済能力と株主資本利益率(ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを投資家にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。
|
(単位:億円) |
当期末 |
前期末 |
|
短期債務 |
4,322 |
2,818 |
|
長期債務 |
46,083 |
45,956 |
|
長短債務合計 |
50,405 |
48,774 |
|
(控除)リース負債 |
△4,310 |
△3,682 |
|
有利子負債合計 |
46,095 |
45,092 |
|
(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内) |
△13,968 |
△11,703 |
|
ネット有利子負債 |
32,127 |
33,389 |
|
株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計) |
63,678 |
56,052 |
|
ネットDER(倍) |
0.50 |
0.60 |
株主還元後のキャッシュ・フロー
当社の経営者は、財務基盤の維持・向上において、株主還元後のキャッシュ・フローを有用な指標と考えております。株主還元後のキャッシュ・フローに関しては、④「投融資と財務政策」をご参照ください。
①資金調達の基本方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。
100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において有利子負債の5分の4程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。
また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。
②資金調達手段
当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。
当社は、内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。
これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠、コマーシャルペーパー発行枠、並びにユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムという直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。当連結会計年度末における(短期社債除く)国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートの発行残高は、それぞれ2,200億円及び425億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による米国コマーシャルペーパープログラムとMitsui & Co. Financial Services (Europe)によるユーロコマーシャルペーパープログラムを保有しており、それぞれ時機をみて活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における一年以内に返済予定の有利子負債(劣後特約付シンジケートローンで1年以内に期限前返済が可能となるものを含む)が有利子負債全体に占める比率は、25.5%となりました。
当社及び一部の連結子会社は金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠を設定しています。
有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。
これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。
格付け
当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2023年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。
|
|
R&I |
Moody's |
S&P |
|
長期(見通し) |
AA(安定的) |
A3(安定的) |
A(安定的) |
|
短期 |
a-1+ |
P-2 |
A-1 |
当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。
なお、格付けは当社からの情報あるいは格付会社が信頼できるとする情報に基づく各格付会社自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付会社によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付会社毎に異なります。
③流動性の状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1兆3,901億円となりました。この現金及び現金同等物の半分程度は円建てであり、当連結会計年度末の1年以内に返済予定の有利子負債(1兆1,762億円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しています。尚、1年以内に返済予定の有利子負債には劣後特約付シンジケートローンで1年以内に期限前返済が可能となる3,500億円を含んでいます。また、2023年6月15日に、主要取引金融機関を貸付人とした劣後特約付シンジケートローンによる資金調達、及び既存のシンジケートローンによる借入金の返済を行いました。詳細については、連結財務諸表注記事項30.「後発事象」をご参照ください。
当連結会計年度の世界経済は、米欧先進国を中心とした高インフレと急速な金融引締め、ロシア・ウクライナ情勢の波及、ゼロコロナ政策を巡る中国経済の混乱の影響により、前年度比で減速しました。また、今春には米国の地域金融機関が経営破綻するなど新たなリスク要因が顕在化しました。このような状況下、当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期に亘る良好な関係や公的金融機関による各種施策、社債発行登録枠等を活用して必要資金の調達を着実に実行しました。
上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は4兆6,095億円(前連結会計年度末比1,003億円増)となりました。このうち、5,550億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付会社は、残高の50%である2,775億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の有利子負債の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の短期債務及び長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。
|
返済年限 |
1年以内 (*) |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
合計 |
|
金額(億円) |
11,762 |
5,821 |
5,367 |
2,439 |
3,438 |
17,268 |
46,095 |
(*)1年以内に期限前返済が可能な劣後特約付シンジケートローン3,500億円を含む。
当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は6兆3,678億円となり前連結会計年度末比で7,626億円増加しました。ネット有利子負債は3兆2,127億円となり同1,262億円減少、ネットDERは前連結会計年度末の0.60倍から0.50倍へ0.10ポイント低下しました。
また流動比率は、前連結会計年度末の150.1%に対し当連結会計年度末は150.7%となっています。
以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。
当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項25.「偶発債務」をご参照ください。
当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。
連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しております。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。
なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に87億円拠出する見込みです。
④投融資と財務政策
当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは約1兆2,060億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した約3,920億円と併せて約1兆5,980億円のキャッシュ・インとなりました。一方、エネルギーソリューション領域におけるMainstream、インド大型再生エネルギー、排出権デベロッパーClimate Friendly等、投融資*1は約6,280億円となり、総額約4,870億円の株主還元を加味すると、株主還元後キャッシュ・フロー*2は約4,830億円の黒字となりました。引き続き、投資機会と事業環境を総合的に勘案し、成長投資と追加還元へ柔軟で戦略的な資金配分を実行すると共に、強靭なキャッシュ創出力と資本効率の向上を目指します。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の「⑥キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
*1 定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フローに一部非支配持分からの取得に伴う財務キャッシュ・フローを足したもの
*2 運転資本及び定期預金の増減の影響を除外したフリー・キャッシュ・フロー
既存の債務からの再調達については、前述の「①資金調達の基本方針」、及び「②資金調達手段」をご参照ください。
⑤資産及び負債並びに資本
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
|
|
総資産 |
153,809 |
149,233 |
+4,576 |
|
|
|
流動資産 |
56,748 |
57,167 |
△419 |
|
|
非流動資産 |
97,061 |
92,066 |
+4,995 |
|
流動負債 |
37,666 |
38,086 |
△420 |
|
|
非流動負債 |
50,491 |
53,192 |
△2,701 |
|
|
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
63,678 |
56,052 |
+7,626 |
|
資産
流動資産:
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
主な増減要因 |
|
流動資産 |
56,748 |
57,167 |
△419 |
|
|
現金及び現金同等物 |
13,901 |
11,279 |
+2,622 |
|
|
営業債権及びその他の債権 |
21,912 |
23,031 |
△1,119 |
・売掛金△1,645 (エネルギー) 市況変動・取扱数量減少 ・貸付金+574 (機械・インフラ)長期貸付金短期化 |
|
その他の金融資産 |
7,730 |
9,979 |
△2,249 |
・(次世代・機能推進、生活産業) 市況変動・デリバティブ債権減少 ・(エネルギー) 市況変動・取扱数量減少 |
|
棚卸資産 |
9,405 |
9,497 |
△92 |
|
|
前渡金 |
2,267 |
1,834 |
+433 |
・(機械・インフラ) |
|
その他の流動資産 |
1,533 |
1,547 |
△14 |
|
非流動資産:
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
主な増減要因 |
|
非流動資産 |
97,061 |
92,066 |
+4,995 |
|
|
持分法適用会社に対する投資 |
39,296 |
33,874 |
+5,422 |
・持分法による投資損益見合い+5,555 ・為替変動+2,162 ・Mainstream Renewable Power 持株会社出資+798 ・Climate Friendly出資 ・Ouro Fino Saúde Animal出資 ・FPSO事業(Libra MV31)出資+157 ・New Forests出資 ・Mitsui E&P Mozambique Area 1 出資+106 ・持分法適用会社からの受取配当 △4,259 ・Stanmore SMC△151 (売却△296、期中異動+145) ・Southernwood Property株式売却△107 |
|
その他の投資 |
21,341 |
23,474 |
△2,133 |
・FVTOCI公正価値評価△2,468 (含むサハリンⅡ△1,260) ・(生活産業)FVTOCI金融資産売却△425 ・Lucid Group持分売却△251 ・為替変動+410 ・インド大型再生可能エネルギー 事業参画 |
|
営業債権及びその他の債権 |
3,200 |
3,200 |
0 |
|
|
その他の金融資産 |
2,080 |
1,678 |
+402 |
・(機械・インフラ)取扱数量増加 |
|
有形固定資産 |
23,006 |
21,909 |
+1,097 |
・石油・ガス生産事業+488 (うち、為替変動+76) ・三井食品物流センター新設+334 ・Intercontinental Terminals Company+110(うち、為替変動+111) ・M&T Aviation保有航空機売却△109 ・OMC Shipping保有船売船△106 |
|
投資不動産 |
2,825 |
3,186 |
△361 |
・Xingu Agri△221(うち、農地売却 △332、為替変動+134) ・MBK Real Estate Holdings△144 (うち、物件売却△208) |
|
無形資産 |
2,773 |
2,530 |
+243 |
・連結化(Position Partners、Lee Soon Seng Plastics Industries) ・ブラジル旅客鉄道事業△132(うち、 減損△151) |
|
繰延税金資産 |
1,052 |
1,007 |
+45 |
|
|
その他の非流動資産 |
1,488 |
1,208 |
+280 |
・年金関連資産増加(掛金拠出) |
2023年3月末及び2022年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
|
金属資源 |
4,674 |
4,549 |
+125 |
|
エネルギー |
5,214 |
4,304 |
+910 |
|
機械・インフラ |
14,059 |
11,229 |
+2,830 |
|
化学品 |
2,467 |
2,137 |
+330 |
|
鉄鋼製品 |
3,126 |
2,876 |
+250 |
|
生活産業 |
7,215 |
6,423 |
+792 |
|
次世代・機能推進 |
2,559 |
2,377 |
+182 |
|
その他/調整・消去 |
△18 |
△21 |
+3 |
|
連結合計 |
39,296 |
33,874 |
+5,422 |
2023年3月末及び2022年3月末における有形固定資産をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
|
金属資源 |
5,139 |
5,166 |
△27 |
|
エネルギー |
7,175 |
6,618 |
+557 |
|
機械・インフラ |
2,732 |
2,695 |
+37 |
|
化学品 |
2,558 |
2,302 |
+256 |
|
鉄鋼製品 |
99 |
92 |
+7 |
|
生活産業 |
2,126 |
1,775 |
+351 |
|
次世代・機能推進 |
1,332 |
1,381 |
△49 |
|
その他/調整・消去 |
1,845 |
1,880 |
△35 |
|
連結合計 |
23,006 |
21,909 |
+1,097 |
2023年3月末及び2022年3月末におけるオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳については、連結財務諸表注記事項9.「リース」をご参照ください。
負債
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
主な増減要因 |
|
流動負債 |
37,666 |
38,086 |
△420 |
|
|
短期債務 |
4,322 |
2,818 |
+1,504 |
|
|
1年以内に返済予定の長期債務 |
8,110 |
4,103 |
+4,007 |
|
|
営業債務及びその他の債務 |
15,104 |
17,391 |
△2,287 |
・買掛金増加 |
|
その他の金融負債 |
6,220 |
10,032 |
△3,812 |
・デリバティブ債務の減少 |
|
未払法人所得税 |
493 |
685 |
△192 |
|
|
前受金 |
2,349 |
2,021 |
+328 |
・前渡金の増加に対応 |
|
引当金 |
590 |
486 |
+104 |
・(エネルギー、化学品)引当増加 |
|
その他の流動負債 |
478 |
550 |
△72 |
|
|
非流動負債 |
50,491 |
53,192 |
△2,701 |
|
|
長期債務(1年以内返済予定分を除く) |
37,973 |
41,854 |
△3,881 |
|
|
その他の金融負債 |
2,234 |
1,470 |
+764 |
・デリバティブ債務の増加 |
|
退職給付に係る負債 |
370 |
380 |
△10 |
|
|
引当金 |
3,105 |
2,662 |
+443 |
・(エネルギー)資産除去債務増加 |
|
繰延税金負債 |
6,483 |
6,540 |
△57 |
|
|
その他の非流動負債 |
326 |
286 |
+40 |
|
資本
|
(単位:億円) |
2023年3月末 |
2022年3月末 |
増減 |
主な増減要因 |
|
資本金 |
3,426 |
3,424 |
+2 |
|
|
資本剰余金 |
3,819 |
3,765 |
+54 |
|
|
利益剰余金 |
48,405 |
41,660 |
+6,745 |
|
|
その他の資本の構成要素 |
8,690 |
8,274 |
+416 |
|
|
(内訳) |
|
|
|
|
|
FVTOCIの金融資産 |
2,156 |
4,651 |
△2,495 |
・株式下落、サハリンⅡ評価減 |
|
外貨換算調整勘定 |
6,385 |
4,786 |
+1,599 |
・米ドル+1,237 /USD) ・豪ドル△279 |
|
キャッシュ・フロー・ヘッジ |
149 |
△1,163 |
+1,312 |
・商品、金利ヘッジ会計 |
|
自己株式 |
△662 |
△1,071 |
+409 |
・自己株式消却+3,107 ・自己株式取得△2,700 |
|
親会社の所有者に帰属する 持分合計 |
63,678 |
56,052 |
+7,626 |
|
|
非支配持分 |
1,974 |
1,902 |
+72 |
|
⑥キャッシュ・フローの状況
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
10,475 |
8,069 |
+2,406 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,783 |
△1,812 |
+29 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
8,692 |
6,257 |
+2,435 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△6,347 |
△6,143 |
△204 |
|
現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額 |
278 |
533 |
△255 |
|
現金及び現金同等物の増減 |
2,623 |
647 |
+1,976 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
a |
10,475 |
8,069 |
+2,406 |
|
営業活動に係る資産・負債の増減 |
b |
△2,235 |
△4,074 |
+1,839 |
|
リース負債の返済による支出 |
c |
△655 |
△556 |
△99 |
|
基礎営業キャッシュ・フロー |
a-b+c |
12,055 |
11,587 |
+468 |
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは2,235億円の資金支出、リース負債の返済は655億円の資金支出となり、基礎営業キャッシュ・フローは、12,055億円となりました。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は5,742億円となり、前期の5,548億円から194億円増加
- 減価償却費及び無形資産等償却費は2,727億円となり、前期の2,964億円から237億円減少
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
|
金属資源 |
4,367 |
5,528 |
△1,161 |
|
エネルギー |
4,196 |
2,802 |
+1,394 |
|
機械・インフラ |
1,829 |
1,440 |
+389 |
|
化学品 |
895 |
938 |
△43 |
|
鉄鋼製品 |
180 |
124 |
+56 |
|
生活産業 |
311 |
352 |
△41 |
|
次世代・機能推進 |
466 |
466 |
0 |
|
その他/調整・消去 |
△189 |
△63 |
△126 |
|
連結合計 |
12,055 |
11,587 |
+468 |
減価償却費及び無形資産等償却費のオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
増減 |
|
金属資源 |
587 |
513 |
+74 |
|
エネルギー |
882 |
1,385 |
△503 |
|
機械・インフラ |
348 |
239 |
+109 |
|
化学品 |
316 |
247 |
+69 |
|
鉄鋼製品 |
15 |
14 |
+1 |
|
生活産業 |
232 |
218 |
+14 |
|
次世代・機能推進 |
188 |
181 |
+7 |
|
その他/調整・消去 |
159 |
167 |
△8 |
|
連結合計 |
2,727 |
2,964 |
△237 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
当期の内訳 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,783 |
△1,812 |
|
|
持分法適用会社に対する投資 |
△1,034 |
△271 |
|
|
取得 |
△2,386 |
△922 |
・Mainstream Renewable Power持株会社△798 ・Climate Friendly ・Ouro Fino Saúde Animal ・FPSO事業(Libra MV31)△157 ・New Forests ・Mit Power Capitals△115 ・Japan Arctic LNG ・Mitsui E&P Mozambique Area 1△106 |
|
売却・回収 |
1,352 |
651 |
・Stanmore SMC+549 ・Southernwood Property株式+201 ・MT Falcon Holdings+116 |
|
その他の投資 |
339 |
△438 |
|
|
取得 |
△1,004 |
△1,061 |
・インド大型再生可能エネルギー事業 |
|
売却・償還 |
1,343 |
623 |
・(生活産業)FVTOCI金融資産 ・Lucid Group+251 |
|
有形固定資産等 |
△1,900 |
△1,566 |
|
|
取得 |
△2,280 |
△1,855 |
・石油ガス生産事業△509 ・豪州鉄鉱石事業△437 ・豪州石炭事業△247 ・MyPower△170 ・Intercontinental Terminals Company△130 |
|
売却 |
380 |
289 |
・M&T Aviation保有航空機売却+109 |
|
投資不動産 |
484 |
△45 |
|
|
取得 |
△123 |
△264 |
|
|
売却 |
607 |
219 |
・MBK Real Estate Holdings物件売却+326 ・Xingu Agri農地売却+179 ・日比谷フォートタワー一部売却 |
|
貸付金の増加及び回収 |
△42 |
500 |
|
|
定期預金の増減-純額 |
370 |
8 |
|
当期及び前期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
|
金属資源 |
△176 |
239 |
|
エネルギー |
△1,104 |
△740 |
|
機械・インフラ |
△899 |
△165 |
|
化学品 |
△703 |
△217 |
|
鉄鋼製品 |
△12 |
5 |
|
生活産業 |
379 |
△243 |
|
次世代・機能推進 |
400 |
△539 |
|
その他/調整・消去 |
332 |
△152 |
|
連結合計 |
△1,783 |
△1,812 |
財務活動によるキャッシュ・フロー
|
(単位:億円) |
当期 |
前期 |
当期の内訳 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△6,347 |
△6,143 |
|
|
短期債務の増減-純額 |
1,687 |
△825 |
|
|
長期債務の増加及び返済 |
△2,176 |
△550 |
|
|
(長期債務の増加) |
10,412 |
12,066 |
|
|
(長期債務の返済) |
△12,588 |
△12,616 |
|
|
リース負債の返済による支出 |
△655 |
△556 |
|
|
自己株式の取得及び売却 |
△2,702 |
△1,749 |
|
|
配当金支払による支出 |
△1,981 |
△1,482 |
|
|
非支配持分株主との取引 |
△520 |
△981 |
・三井石油開発株式取得費を主因 |
当期の資金調達状況については、前述の②資金調達手段の頁をご参照ください。
(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り
重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。重要な会計方針は、注記2.「連結財務諸表の作成基準並びに重要な会計方針の要約 (5)重要な会計方針の要約」をご参照ください。
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務などに重要な影響を及ぼすことがあります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢及びそれに伴うロシアに対する制裁措置等による影響はグローバルに及び、当社が行うさまざまな事業分野に影響を及ぼす可能性がありますが、商品や事業内容、所在地域によってその影響範囲は異なるため、見積りにおいては個々の状況を鑑み判断しています。
以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。
非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入
・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、投資不動産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は180億円及び271億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額に重要性はありません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆6,785億円及び2兆7,571億円です。
・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額は119億円及び43億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生していません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は3兆3,874億円及び3兆9,296億円です。
・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。
・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落などによるものです。
・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。
・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。
・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しています。
・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。
- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。
- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去における同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。
- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。
- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去における収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。
・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。
・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。
・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っています。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れています。
暖簾の減損
・前連結会計年度及び当連結会計年度における暖簾減損損失計上額は8億円及び4億円です。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は719億円及び875億円です。
・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。
・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いています。
公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産
・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ7,324億円及び6,343億円です。
・市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。
・重要な観察不能なインプットである原油価格の見積りについては、注記24.「公正価値測定 (3)定期的に公正価値で測定される資産及び負債に係る開示」をご参照ください。
・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画などに基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。
繰延税金資産の回収可能性
・繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の減額は、当社の連結損益計算書上の当期利益及び連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。
・経営者は、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更などにより、回収可能額が変動する可能性があります。
石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り
・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。
- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等
- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等
- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等
・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、
- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。
- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。
- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の引当金の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。
確定給付費用及び確定給付制度債務
・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率などの年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRSでは、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。
・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。
・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」をご参照ください。
気候変動による影響
・当社及び連結子会社において、気候変動の影響を受け、関連する資産・負債に金額的重要性があるのはエネルギーセグメントの事業であり、将来の状況が重要な影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度末における会計上の重要な見積り及び判断については以下のとおりです。
・エネルギーセグメントは、主に石油・ガス開発事業及びLNG事業から構成され、これらの事業は今後、低・脱炭素化の世界的潮流が強まる中で、将来的な制約・規制強化により石油・ガス及びLNGの需要が低下する場合は、既存案件から有形固定資産の減損、持分法適用会社に対する投資の減額、及びその他の投資の公正価値の低下等が生じる可能性があります。これらの評価は主に油価の影響を受け、同前提は、市況水準や複数の第三者機関の公表する中長期見通しを考慮して策定しています。第三者機関のうち、IEAの公表するシナリオについては、STEPS(Stated Policies Scenario)に重点を置いていますが、その他のシナリオも参考にしています。
・当連結会計年度末の連結財政状態計算書に計上したエネルギーセグメントにおける主要な資産及び負債の金額は以下のとおりです。
|
有形固定資産 |
717,545百万円 |
|
持分法適用会社に対する投資 |
521,420百万円 |
|
その他の投資 |
256,805百万円 |
|
引当金(非流動) |
217,991百万円 |
当社において、事業上の依存度が著しく大きい、もしくは事業活動に著しい拘束を受ける契約や、ローンと社債に付される財務上の重要な特約、重要な資産の管理、処分に係る契約、当社のガバナンスや当社株式の処分・買い増しに関する合意といった経営上の重要な契約等はありません。なお、財務上の特約の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5) 流動性と資金調達の源泉③流動性の状況」をご参照ください。
特に記載すべき事項はありません。