(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、マイナス金利導入や円高の影響から、上半期には金融機関や輸出型企業を中心に業績が伸び悩みましたが、11月に行われたアメリカ大統領選挙の結果を受け、為替が円安に振れ始めたため、輸出・設備投資が持ち直し、経済は緩やかな回復基調をたどりました。また、2月の完全失業率が2.8%と22年ぶりの低水準を記録するなど、雇用情勢は引き続き改善しています。所得環境の面では、大手を中心に4年連続のベースアップに踏み切る企業も多く、今後の個人消費への波及が期待されます。また、政府は「働き方改革実現会議」において長時間労働の是正に向けた働き方改革実行計画書を提示し、労働環境の改善にも着手しています。今後、働き方改革の基礎となるダイバーシティ経営がますます重視される方向にあります。
世界経済をみると、米国は雇用環境が継続的に改善していることに加え、個人消費も順調に推移しており、経済は回復基調にあります。トランプ大統領の経済政策への期待から、株価が史上最高圏で推移したことに伴い、消費者と企業のマインドは改善し、FOMCは12月と3月の2回にわたって利上げを決定しました。欧州では英国のEU離脱プロセスが公式にスタートし、域内での離脱派勢力の台頭などが危惧されていますが、経済面では雇用環境の改善を背景に、個人消費が緩やかに回復しています。中国では実質GDP成長率が7%を切る状態が続いていますが、インフラや不動産投資の下支えにより、景気減速には歯止めがかかっています。今後は公共投資に頼らずとも成長を維持できるよう、構造改革を進めて行くことが課題となっています。新興国では、インドで高額紙幣が突如廃止され国内経済が混乱に陥りましたが、経済成長に大きな影響は見られませんでした。一方、ブラジルの景気は最悪期を脱したとみられますが、個人消費や投資の回復には至っていません。ロシアは個人消費と投資が低迷しており、景気の回復に遅れがみられます。
国内紙パルプ業界におきましては、人口減・少子高齢化等の構造変化や、出版物・広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。板紙は、段ボール原紙の軽量化が進んでいますが、猛暑による飲料関連の伸びや、好調なネット通販などに支えられ、消費が前年に比べ増加しました。
この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,667億77百万円(前期比5.9%減)、営業利益は10億31百万円(同32.0%減)、経常利益は11億14百万円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億15百万円(同82.3%増)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>
紙分野では、昨年度に引き続きコピー用紙が増販となりましたが、需要構造の変化により出版や広告業界等で紙媒体の消費が減少し、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では猛暑により飲料関係は好調でしたが、用紙の軽量化や、天候不順による青果物向けの段ボール原紙が減販となり、販売数量・金額ともに減少となりました。製紙原料分野では、古紙は「タウンecomo」設置台数増加に伴う相乗効果により仕入ネットワークが拡大していますが、度重なる台風の発生の影響もあり、販売数量・金額ともに減少しました。一方、パルプは輸入品を中心に、今年度を通じて好調に推移しました。
この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,100億42百万円(同3.3%減収)、セグメント利益は39億61百万円(同6.1%減)となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>
海外紙パルプ等卸売事業に関しては、香港及び東南アジアは市況軟化にも関わらず前期比横ばいでありました。一方豪州は、為替の要因もあり販売不振となりました。また、事業構造改革を進めてきた米国及び中国など、海外拠点全体の売上高は円高の影響もあり、前期比減少となりました。
この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は551億97百万円(同18.0%減収)、セグメント損失は10億8百万円(前年同期は6億24百万円のセグメント損失)となりました。
<不動産賃貸事業>
全国主要都市のオフィスビル市場は、拡張移転、館内増床のニーズから需要は堅調に推移しました。この結果、平均空室率は全国的に低下傾向となりました。また、平均賃料につきましては、東京地区では緩やかな上昇傾向が続き、その他の地区でも小幅ながら横ばいから上昇に転じる傾向が見受けられるようになりました。
この様な状況下、当社グループでは主力物件のKPP八重洲ビルが満室稼働を維持したことや、大阪・名古屋地区のテナントビルがほぼ満室稼働するなど増収要因もありましたが、一部所有物件の売却による減収もあり、結果賃料収入はほぼ横ばいとなりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は15億38百万円(同0.6%減収)、セグメント利益は6億82百万円(同12.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億10百万円減少し、当連結会計年度末には22億91百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は11億14百万円(前年同期は53億78百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は55億96百万円(前年同期は12億49百万円の使用)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の売却による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は67億91百万円(前年同期は39億60百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金及び長期借入金の減少等によるものであります。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
296,610 |
95.9 |
|
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
48,242 |
85.7 |
|
合計(百万円) |
344,852 |
94.3 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
310,042 |
96.7 |
|
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
55,197 |
82.0 |
|
不動産賃貸事業(百万円) |
1,538 |
99.4 |
|
合計(百万円) |
366,777 |
94.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下の通りであります。
|
品種別 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
紙 |
数量(トン) |
1,855,415 |
|
1,792,285 |
|
|
金額(百万円) |
202,821 |
|
185,300 |
|
|
|
板紙 |
数量(トン) |
1,027,487 |
|
1,050,588 |
|
|
金額(百万円) |
76,109 |
|
73,892 |
|
|
|
紙二次加工品 |
数量(トン) |
47,981 |
|
38,304 |
|
|
金額(百万円) |
33,520 |
|
34,795 |
|
|
|
パルプ・古紙 |
数量(トン) |
1,596,927 |
|
1,572,410 |
|
|
金額(百万円) |
40,895 |
|
39,905 |
|
|
|
その他 |
金額(百万円) |
36,330 |
|
32,883 |
|
|
合計 |
数量(トン) |
4,527,811 |
|
4,453,588 |
|
|
金額(百万円) |
389,678 |
|
366,777 |
|
|
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下の通りであります。
|
品種別 |
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
紙 |
数量(トン) |
1,454,570 |
|
1,448,260 |
|
|
金額(百万円) |
164,615 |
|
157,902 |
|
|
|
板紙 |
数量(トン) |
766,575 |
|
741,270 |
|
|
金額(百万円) |
59,011 |
|
55,907 |
|
|
|
紙二次加工品 |
数量(トン) |
28,149 |
|
23,106 |
|
|
金額(百万円) |
31,006 |
|
29,798 |
|
|
|
パルプ・古紙 |
数量(トン) |
1,573,856 |
|
1,539,984 |
|
|
金額(百万円) |
39,244 |
|
38,623 |
|
|
|
その他 |
金額(百万円) |
31,399 |
|
29,272 |
|
|
合計 |
数量(トン) |
3,823,151 |
|
3,752,621 |
|
|
金額(百万円) |
325,277 |
|
311,505 |
|
|
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下の通りであります。
|
用途 |
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前年比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前年比 (%) |
|
|
新聞用 |
3,419 |
1.1 |
85.5 |
2,713 |
0.9 |
79.4 |
|
印刷用 |
137,092 |
42.1 |
93.8 |
130,556 |
41.9 |
95.2 |
|
包装・容器用 |
74,399 |
22.9 |
99.6 |
69,947 |
22.5 |
94.0 |
|
情報用紙 |
44,664 |
13.7 |
101.5 |
43,499 |
14.0 |
97.4 |
|
製紙原料用 |
39,247 |
12.1 |
111.7 |
38,626 |
12.4 |
98.4 |
|
その他 |
26,454 |
8.1 |
94.1 |
26,161 |
8.3 |
98.9 |
|
合計 |
325,277 |
100.0 |
97.9 |
311,505 |
100.0 |
95.8 |
(注)1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1
(ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。
+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。
|
GLOBALIZATION |
グローバルにビジネスフィールドを展開する |
|
INNOVATION |
“創紙力”で未来を開拓する |
|
FUNCTION |
提案力・企画力で付加価値を創造する |
|
TRUST |
ステークホルダーの信頼に応える |
(2)経営環境及び対処すべき課題
国内紙パルプ業界におきましては、人口減・少子高齢化等の構造変化や、出版物・広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。板紙は、段ボール原紙の軽量化が進んでいますが、猛暑による飲料関連の伸びや、好調なネット通販などに支えられ、消費が前年に比べ増加しました。海外紙パルプ業界におきましては、北米や欧州を中心に印刷用紙が減少する一方、中国等の堅調な需要に支えられ板紙や衛生用紙は堅調に推移しています。
このような状況下、当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。
①海外展開の強化
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中でも、当社グループは「Globalization」を特に重視しています。海外においてもトータル・パッケージ分野への投資を進めており、3月には中国の新希望六和食品控股有限公司との合弁事業である成都新国富包装材料有限公司の工場竣工式を執り行いました。同工場は中国の厳しいVOC(揮発性有機化合物)規制に対応した設備を有し、ケーシング用シュリンクフィルムなど低環境負荷製品の生産で中国におけるフィルム化成品事業の展開を加速させます。今後とも、ASEAN諸国などの世界の成長市場を捉え、海外事業展開を積極的に進めてまいります。
②新規事業の立ち上げ
当社グループは、紙の専門商社として紙・板紙の販売を行う一方で、製紙原料となる古紙を回収し製紙会社へ納入するマテリアル・リサイクル事業を展開していますが、これに加え、木質バイオマス発電燃料を販売するサーマル・リサイクル事業にも進出しました。この一環としてすでにバイオマス発電会社に一部出資をしており、マテリアル・リサイクルとサーマル・リサイクルの二つの事業を両輪とした「総合循環型企業」の地位を確かなものにします。また、事業ポートフォリオ拡充のために設置した事業創造推進室を中心に、訪問看護事業の起業支援及び設立後の運営支援を行う、「ホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社」を設立しました。同社は、厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」事業の一翼を担い、高齢化問題のソリューションを提供していきます。
③透明性の高いガバナンスの実現
企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上を確実なものとするためには、「コーポレートガバナンス・コード」を重視し、ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションをとることが欠かせません。当社グループはすでに監査等委員会設置会社へ移行しており、今後さらに透明性・機動性が高い経営の実現を目指します。また、一層のガバナンスの充実という観点から、新たな基幹システムの構築と導入を進めています。さらに、包括的な経営実態の開示を目的とした「統合報告書」の発行を開始しました。この中では、財務情報に加え、経営戦略、企業統治、環境経営などについても発信しています。
④人材の育成・確保
当社グループでは「ダイバーシティ推進方針」を掲げ、商社として最大の資産である「社員」が意欲的に活躍できる環境づくりを進めています。さらにグローバルな企業へと進化していくために、海外大学の新卒人材の採用や、海外拠点の幹部人材の中途採用にも取り組んでいます。また、女性活躍推進の一環として、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の継続的な採用と、これまで女性総合職の少なかった職種への積極的な配属を実施しています。研修制度としては、新たな事業環境に対応できる柔軟な能力を引き出すため、eラーニングを導入しています。人材育成では、新入社員研修に始まり、職場の先輩社員によるOJT教育、各階層別の社内外研修、資格取得支援制度などを実施しています。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)主要取引先への依存について
当社の主要株主である王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であります。当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の41.1%になります。
当社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、今後も取引の継続的な拡大を図っていく方針でありますが、何かしらの影響により、両社グループから当社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)商品市況の影響について
当社グループの主要な商品である紙、板紙等の製品の仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の世界的な需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与えます。当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っておりますが、販売価格への転嫁の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)紙・パルプ業界の流通再編について
紙・パルプ市場は、景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。また、人口減少やペーパーレス化等により、国内市場の縮小化が進むことが予想され、それに伴い、流通会社の再編がさらに進む可能性があります。当社グループでは、従来よりM&A等により業界再編に対応しており、今後も柔軟な対応を継続していく方針でありますが、市場環境の当社グループの想定を超える変化やM&Aが当社グループの想定とおりの効果を上げられなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)メーカーの直売指向について
厳しい経済環境の中、紙製品のユーザーにはコスト削減を積極的に進める会社が増加する傾向があり、当社グループもこれに対応するため、流通コストの削減等の企業努力を行い、取引関係の維持に努めております。しかしながら、近年では製紙メーカー各社の直売指向があり、特に産業用紙の分野ではこの傾向が強くなっております。このような場合、当社グループの販売先であるユーザーがメーカーとの直接取引に切り替えることがあり、このようなケースが当社グループの想定を超えて増加した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替レートの変動リスク
当社グループの事業区分である海外拠点紙パルプ等卸売事業では、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外売上高は連結売上高の15.0%となっております。
また、当社グループでは、日本からの紙、板紙、古紙等の輸出販売も行っており、これらの商品の海外での価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。
連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算した上で計算しており、円換算時の為替レートの影響を受けることとなります。当社グループは、為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。しかしながら、為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)金利変動リスク
当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。当社グループでは、長期借入金(固定金利)による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を最小限に止めることに努めておりますが、当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は43,596百万円であり、総資産に対する割合は23.7%であります。
(7)カントリーリスク
当社グループは、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業は連結売上高の15.0%を占めておりますが、これらの国々においては、法改正や人件費高騰、外交問題等の要因により、事業活動に制約が生じる可能性があります。また、紙・パルプ市場は、事業展開を行っている国または地域の景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。当社グループでは、海外事業の売掛金に係る保険の付保や当該国における情報収集の徹底等により、これらのリスクを最小限に止めることに努めておりますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前連結会計年度並びに当連結会計年度において、中国及び香港の取引先を中心に多額の貸倒引当金繰入額を計上し、海外拠点紙パルプ等卸売事業ではセグメント損失を計上するに至りました。中国事業においては、上記の貸倒引当金繰入等を主要因として財政状態が悪化した国紗褘紙漿紙張商貿(上海)有限公司の清算手続きを進めておりますが、清算の過程において不測の損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)取引先与信リスク
当社グループの販売取引では、掛売り、手形回収が慣行となっている取引先が多くなっております。当社グループでは、取引先個別管理を徹底するとともに、回収不能の未然防止対策として規程、マニュアル等を整備し、当該規程等に基づいた審査を定期的に実施し、与信リスク回避に努めております。しかしながら、取引先の信用状態が悪化し、回収不能になる債権が当社グループの想定以上に増加した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)退職給付債務
当社グループでは、確定給付年金制度、退職一時金制度及び確定拠出年金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。また、年金資産の一部には株式信託を採用しております。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)所有する株式の時価変動リスクについて
当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)不動産市況等の影響について
当社グループは、収益基盤の安定化を目的とし、所有不動産を活用した不動産賃貸事業に取り組んでおります。しかしながら、不動産市況に変動が生じ、所有する不動産価格や賃貸料が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における総資産に対する賃貸不動産の比率は7.9%であります。
(12)大株主との関係について
昭和54年3月に、共に当社の株主であった王子製紙㈱と日本紙パルプ工業㈱の合併により、王子製紙㈱(存続会社)の当社への議決権保有率が24.3%となり、当社は王子ホールディングス㈱(持株会社制に移行し、商号を王子製紙㈱から王子ホールディングス㈱と変更)の持分法適用関連会社に該当しております。本書提出日現在の議決権保有比率は20.7%(間接所有含む)であります。
大正13年の当社設立以来、同社及び同社のグループ会社(以下、同社グループ)を主力仕入先として継続的な取引を行っておりますが、同社グループとの取引は、他の仕入先である製紙メーカーと同様の取引条件で行っております。
また、本書提出日現在、同社グループと当社グループにおいて、役職員の兼務や出向者の受入れはありません。加えて、経営の意思決定において、同社グループへの事前承認等が必要となる事項もなく、当社グループは独立的な経営を行っております。しかしながら、将来において、同社グループの経営方針や戦略が変更された場合には、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。
②投資有価証券の減損
当社グループは、長期的取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関の株式等を所有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。
③繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
売上高は、前連結会計年度に比べ5.9%減の3,667億77百万円となりました。セグメントの業績は次の通りであります。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>
紙分野では、昨年度に引き続きコピー用紙が増販となりましたが、需要構造の変化により出版や広告業界等で紙媒体の消費が減少し、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では猛暑により飲料関係は好調でしたが、用紙の軽量化や、天候不順による青果物向けの段ボール原紙が減販となり、販売数量・金額ともに減少となりました。製紙原料分野では、古紙は「タウンecomo」設置台数増加に伴う相乗効果により仕入ネットワークが拡大していますが、度重なる台風の発生の影響もあり、販売数量・金額ともに減少しました。一方、パルプは輸入品を中心に、今年度を通じて好調に推移しました。
この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は前連結会計年度に比べて3.3%減の3,100億42百万円となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>
海外紙パルプ等卸売事業に関しては、香港及び東南アジアは市況軟化にも関わらず前期比横ばいでありました。一方豪州は、為替の要因もあり販売不振となりました。また、事業構造改革を進めてきた米国及び中国など、海外拠点全体の売上高は円高の影響もあり、前期比減少となりました。
この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は前連結会計年度に比べて18.0%減の551億97百万円となりました。
<不動産賃貸事業>
全国主要都市のオフィスビル市場は、拡張移転、館内増床のニーズから需要は堅調に推移しました。この結果、平均空室率は全国的に低下傾向となりました。また、平均賃料につきましては、東京地区では緩やかな上昇傾向が続き、その他の地区でも小幅ながら横ばいから上昇に転じる傾向が見受けられるようになりました。
この様な状況下、当社グループでは主力物件のKPP八重洲ビルが満室稼働を維持したことや、大阪・名古屋地区のテナントビルがほぼ満室稼働するなど増収要因もありましたが、一部所有物件の売却による減収もあり、結果賃料収入はほぼ横ばいとなりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は前連結会計年度に比べて0.6%減の15億38百万円となりました。
②営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べて32.0%減の10億31百万円となりました。
セグメントでみると、国内拠点紙パルプ等卸売事業は前連結会計年度に比べて6.1%減の39億61百万円、海外拠点紙パルプ等卸売事業は前連結会計年度に比べて3億84百万円減の△10億8百万円となり、不動産賃貸事業は同12.1%増の6億82百万円となりました。
③営業外損益・経常利益
営業外損益は、前連結会計年度の3億36百万円の利益(純額)から、83百万円の利益(純額)となりました。
以上により、経常利益は前連結会計年度に比べて39.9%減の11億14百万円となりました。
④特別損益
特別損益は、前連結会計年度の2億61百万円の損失(純額)から23億83百万円の利益(純額)となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は22億15百万円(前期は12億15百万円)となりました。1株当たりの当期純利益金額は前連結会計年度の18円25銭に対し、33円27銭となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローについて
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて42億63百万円減少し11億14百万円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて68億45百万円増加し55億96百万円の獲得となりました。これは主に有形及び無形固定資産の売却による収入等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて28億31百万円減少し67億91百万円の使用となりました。これは主に短期借入金及び長期借入金の減少等によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて2億10百万円減少し、22億91百万円となりました。
②財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達をすることとしております。原則として運転資金については短期借入金、設備資金については長期借入金にて調達しております。また、受取手形及び売掛金債権流動化による資金調達を行っております。