(1)経営の基本方針
当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1
(ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。
+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。
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GLOBALIZATION |
グローバルにビジネスフィールドを展開する |
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INNOVATION |
“創紙力”で未来を開拓する |
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FUNCTION |
提案力・企画力で付加価値を創造する |
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TRUST |
ステークホルダーの信頼に応える |
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。
①海外展開の強化
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中で、特に「Globalization」を重視しております。主力商品である印刷・情報用紙は、依然として内需低迷が続いており、収益機会の多様化を進めるため、海外展開の強化を推進しております。中でも成長市場である、中国・東南アジア・インドへの展開が課題と捉えており、現地化と業容の拡大を図っていますが、特に包装関連需要は、経済成長に伴い底堅い需要が見込まれることから、紙・板紙に化成品及び製品も含めたトータル・パッケージ分野へ注力しております。既に中国において軟包装印刷事業への投資を行い、同国の環境規制に対応した日本の先進技術を導入する等競争力の強化も進めております。また、インドビジネスの再構築を目的として、新会社設立に向けた準備を進めております。アジアにおける投資機会を継続的に模索していくため、昨年6月にはグローバルビジネス統括本部にグローバルビジネス業務本部を新設し、営業と管理が一体となり機動的に動けるよう組織を改編しております。
②新規事業の立ち上げ
昨年6月に、「Society 5.0」の実現を目指す「未来投資戦略2017」が閣議決定されました。AI、IoT、ロボットなどを活用した、来たるべき新たな社会においても価値を生み出し続ける企業となるため、次期成長戦略としてシステム開発をベースとしたソフトサービス産業分野への進出を図り、現在3つの案件を進めております。まず1つ目は、ラベル等に印刷可能な感温センサーの開発を目指す「温度管理物流ソリューション事業」です。2つ目は、燃焼効率を最適化するソフトウエアを開発し販売につなげる「バイオマス発電最適化システムソリューション事業」です。そして3つ目が、昨年4月にスタートした「地域包括ケアシステムソリューション事業」です。これらのソリューション事業を通して当社グループは「Society 5.0」の実現に貢献してまいります。
③透明性の高いガバナンスの実現
企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上のため、「コーポレートガバナンス・コード」を重視しており、より一層のガバナンスの充実という観点から、新システムの導入準備を進めております。また、アジア地域統括会社のKPP ASIA-PACIFIC PTE. LTD.の傘下に、DAIEI AUSTRALASIA PTY LTD及びDAIEI PAPERS (S) PTE LTDを再配置し、DAIEI PAPERS BRAZIL LTDA.を本社の直轄とするなど、海外におけるガバナンスも強化しております。さらに、海外子会社を対象としたグローバル与信会議や、現地管理担当者研修会を継続的に実施し、海外法人の管理体制の強化を図っております。
④人材の育成・確保
当社グループでは、ダイバーシティをさらに推進するために、継続的に人材の多様化を図っており、国内外のグローバル人材の中途採用や、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の採用などにも取り組んでおります。また、昨年4月より開始した社内改革プロジェクトによって、働き方改革につながる業務の効率化を進めております。さらに、Eラーニングを積極的に活用し、「Society 5.0」という新しい環境に対応できる、幅広い知識を基盤とした高い専門性を持つ「T型人材」の育成を進めております。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 主要取引先への依存について
当社の主要株主である王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であります。当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の47.1%になります。
当社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、今後も取引の継続的な拡大を図っていく方針でありますが、何かしらの影響により、両社グループから当社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 商品市況の影響について
当社グループの主要な商品である紙、板紙等の製品の仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の世界的な需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与えます。当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っておりますが、販売価格への転嫁の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 紙・パルプ業界の流通再編について
紙・パルプ市場は、景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。また、人口減少やペーパーレス化等により、国内市場の縮小化が進むことが予想され、それに伴い、流通会社の再編がさらに進む可能性があります。当社グループでは、従来よりM&A等により業界再編に対応しており、今後も柔軟な対応を継続していく方針でありますが、市場環境の当社グループの想定を超える変化やM&Aが当社グループの想定どおりの効果を上げられなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) メーカーの直売指向について
厳しい経済環境の中、紙製品のユーザーにはコスト削減を積極的に進める会社が増加する傾向があり、当社グループもこれに対応するため、流通コストの削減等の企業努力を行い、取引関係の維持に努めております。しかしながら、近年では製紙メーカー各社の直売指向があり、特に産業用紙の分野ではこの傾向が強くなっております。このような場合、当社グループの販売先であるユーザーがメーカーとの直接取引に切り替えることがあり、このようなケースが当社グループの想定を超えて増加した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替レートの変動リスク
当社グループの事業区分である海外拠点紙パルプ等卸売事業では、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は連結売上高の17.7%となっております。
また、当社グループでは、日本からの紙、板紙、古紙等の輸出販売も行っており、これらの商品の海外での価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。
連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算した上で計算しており、円換算時の為替レートの影響を受けることとなります。当社グループは、為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。しかしながら、為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 金利変動リスク
当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。当社グループでは、長期借入金(固定金利)による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を最小限に止めることに努めておりますが、当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は496億93百万円であり、総資産に対する割合は25.0%であります。
(7) カントリーリスク
当社グループは、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業は連結売上高の17.7%を占めておりますが、これらの国々においては、法改正や人件費高騰、外交問題等の要因により、事業活動に制約が生じる可能性があります。また、紙・パルプ市場は、事業展開を行っている国または地域の景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。当社グループでは、海外事業の売掛金に係る保険の付保や当該国における情報収集の徹底等により、これらのリスクを最小限に止めることに努めておりますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、第142期連結会計年度並びに第143期連結会計年度において、中国及び香港の取引先を中心に多額の貸倒引当金繰入額を計上し、海外拠点紙パルプ等卸売事業ではセグメント損失を計上するに至りました。中国事業においては、上記の貸倒引当金繰入等を主要因として財政状態が悪化した国紗褘紙漿紙張商貿(上海)有限公司の清算手続きを進めておりますが、清算の過程において不測の損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 取引先与信リスク
当社グループの販売取引では、掛売り、手形回収が慣行となっている取引先が多くなっております。また、当社グループの「海外拠点紙パルプ等卸売事業」においては、「アジア」に占める割合が高い状況にあります。このような状況等をも踏まえ、当社グループでは、定期的に海外拠点全店を対象とした与信見直会議を実施しているほか、海外店の管理担当者会議を年1回開催し、取引先個別管理を徹底するとともに、回収不能の未然防止対策として規程、マニュアル等を整備し、当該規程等に基づいた審査を定期的に実施し、与信リスク回避に努めております。しかしながら、取引先の信用状態が悪化し、回収不能になる債権が当社グループの想定以上に増加した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、「アジア」地区における当社グループの主要な販売先は、香港証券取引所に上場する森信紙業集團有限公司(Samson Paper Holdings Ltd.以下「サムソンペーパーホールディングスグループ」という。)であり、同社グループに対する当連結会計年度末の売掛金残高は146億39百万円となっております。
(9) 退職給付債務
当社グループでは、確定給付年金制度、退職一時金制度及び確定拠出年金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。また、年金資産の一部には株式信託を採用しております。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 所有する株式の時価変動リスクについて
当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新規事業投資のリスクについて
当社グループは、事業機会の拡大、既存事業の強化等を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、2017年4月には訪問介護事業の起業支援及び運営支援を行うホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社へ1億90百万円投資しております。この投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。
これらのリスクの管理については、投資委員会を開催し投資の採算性について十分な審議を行い、定期的に投資先の経営状況や計画の進捗等を確認し、取締役会等に報告することとしております。しかしながら、追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 中国投資に係るリスク
当社は、中国に持分法を適用する製造会社を2社有しております。サムソンペーパーホールディングスグループとの合弁で段ボール原紙の製造及び販売をおこなっているMISSION SKY GROUP LIMITEDグループへの当連結会計年度末における持分法による投資額は39億92百万円であり、そのうちのれん額は14億41百万円となります。中国投資事業につきましては社内で管理レポートラインを作り、主管部門が四半期ごとに経営成績や投資計画の進捗状況をモニタリングしております。事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化で事業計画からの大幅な乖離が生じ、持分法適用会社に損失が発生した場合は、当社の持分比率に応じて、連結財務諸表に計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 不動産市況等の影響について
当社グループは、収益基盤の安定化を目的とし、所有不動産を活用した不動産賃貸事業に取り組んでおります。しかしながら、不動産市況に変動が生じ、所有する不動産価格や賃貸料が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における総資産に対する賃貸不動産の比率は8.2%であります。
(14) 大株主との関係について
1979年3月に、共に当社の株主であった王子製紙㈱と日本パルプ工業㈱の合併により、王子製紙㈱(存続会社)の当社への議決権保有率が24.3%となりました。王子ホールディングス㈱(持株会社制に移行し、商号を王子製紙㈱から王子ホールディングス㈱と変更)の本書提出日現在の議決権保有比率は18.7%(間接所有含む)であります。
1924年の当社設立以来、同社及び同社のグループ会社(以下、同社グループ)を主力仕入先として継続的な取引を行っておりますが、同社グループとの取引は、他の仕入先である製紙メーカーと同様の取引条件で行っております。
また、本書提出日現在、同社グループと当社グループにおいて、役職員の兼務や出向者の受入れはありません。加えて、経営の意思決定において、同社グループへの事前承認等が必要となる事項もなく、当社グループは独立的な経営を行っております。しかしながら、将来において、同社グループの経営方針や戦略が変更された場合には、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
(15)資金使途について
当社が2018年6月26日に実施した公募増資による調達資金の使途については、社内基幹システム関連の設備投資及び借入金の返済に充当することを予定しております。しかしながら、計画に沿って調達資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性や設備投資にかかる遅延等が発生し想定外の費用増等が発生した場合においては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、社内基幹システム関連の設備投資の完了後は償却負担を含む経費の増加を見込んでいます。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な好景気と円安基調を背景に輸出主導の景気拡大が続き、実質GDPが2017年12月までの8四半期連続でプラス成長となるなど、デフレ脱却に向けて確かな足取りで前進を続けました。また、今年1月には失業率が24年9か月ぶりに2.4%にまで低下し、雇用情勢は継続的に改善しましたが、宿泊・飲食サービス、及び運輸・郵便等の業界では、労働力不足が深刻な状況にあります。昨年11月に発足した第4次安倍内閣は、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として税や予算などの政策を総動員すると発表しました。このうち、生産性革命は、IoT、ビッグデータ、人工知能による産業構造の変革などを「鍵となる施策」に掲げており、新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。
一方、世界経済は、北朝鮮問題やシリア問題などの地政学的リスクを抱えていますが、リーマンショック以降初めての全面的な景気回復局面をたどりました。米国では、保護主義的な貿易政策の影響が懸念されますが、実質GDP成長率が2.6%(2017年10~12月期)と高い水準で推移しました。また、昨年末にトランプ政権が1.5兆ドルに及ぶ過去最大の減税を決定したことから、国内投資や雇用情勢がさらに改善に向かいました。欧州や中国、新興国などにおいても、世界的に景気が回復していることを背景に、輸出部門中心に景気が堅調に推移しました。
国内紙パルプ業界におきましては、人口の減少や少子高齢化による構造的な変化に加え、出版物や広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。一方、板紙は、Eコマース市場の拡大が段ボール需要をけん引し、前年に比べ増加しました。また衛生用紙は、生活必需品としての底堅い需要に加え、インバウンド需要等も取込み、比較的堅調に推移しました。当業界においても労働力不足は運賃値上げを通して企業業績に影響を与えることが懸念されます。
この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,777億14百万円(前期比3.0%増)、営業利益は23億62百万円(同129.2%増)、経常利益は30億86百万円(同177.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億33百万円(同9.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>
紙分野では、需要構造の変化による出版印刷市場の縮小や、広告の電子媒体への移行などが要因となり、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では、食料品用途の堅調な伸びや、販路の拡大により、販売金額は増加となりました。製紙原料分野では、古紙は国内販売が堅調に推移し、販売金額が前年に比べ増加しました。パルプは輸入品を中心に需要が伸長したことに加え、価格の上昇も寄与し、販売数量・金額ともに前年増となりました。
この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,096億70百万円(同0.1%減収)、セグメント利益は45億21百万円(同14.1%増)となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>
海外紙パルプ等卸売事業に関しては、米国では、段ボール原紙の輸出は伸長したものの、価格問題・供給メーカーの数量確保困難等の理由により塗工紙及びコピー用紙、ならびにブラジル向けの特殊紙等が振るわず、売上高は低調に推移しました。東南アジアにおいては、一部日本メーカーの取扱商品については好調であったものの、成長鈍化に加えパルプの入札が価格面で折り合わず不振となり、売上は伸び悩みました。東アジアにおいては主要得意先への販売が好調で、香港で塗工紙、板紙等全般的に販売が増加すると共に、中国でも上質紙・塗工紙・板紙の販売が拡大しました。豪州においては、上質紙やコピー用紙の取扱増により売上を伸ばしました。
この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は668億10百万円(同21.0%増収)、セグメント損失は91百万円(前年同期は10億8百万円のセグメント損失)となりました。
<不動産賃貸事業>
全国主要都市のオフィスビル市場は、館内増床や拡張移転など底堅いオフィス需要を背景に、平均空室率は低下傾向にあります。また、平均賃料につきましても緩やかな上昇傾向で推移しております。
このような状況下、当社グループでは主力物件の「KPP八重洲ビル」をはじめ、テナントビルは高稼働を維持しておりますが、一部所有不動産の売却により、賃料収入は減収となりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億33百万円(同19.8%減収)、セグメント利益は5億61百万円(同17.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出を、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加及びコマーシャル・ペーパーの純増等により賄うことで、前連結会計年度末比18億43百万円増加し、41億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は40億19百万円(前年同期は11億14百万円の獲得)となりました。これは主に国内拠点における在庫増等による資金支出と、仕入債務の増加及び税金等調整前当期純利益の獲得等による資金獲得によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79億20百万円(前年同期は55億96百万円の獲得)となりました。これは主に、経費削減のための本社の取得、物流戦略に基づく戸田物流センターの取得及び社内基幹システムへの投資への資金支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は57億60百万円(前年同期は67億91百万円の使用)となりました。これは投資活動による支出を賄うため、翌連結会計年度の増資による資金調達を勘案したうえで短期借入金及びコマーシャル・ペーパー等による資金調達を行ったためであります。
③仕入及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
295,883 |
99.8 |
|
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
60,931 |
126.3 |
|
合計(百万円) |
356,815 |
103.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
309,670 |
99.9 |
|
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) |
66,810 |
121.0 |
|
不動産賃貸事業(百万円) |
1,233 |
80.2 |
|
合計(百万円) |
377,714 |
103.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のおとりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
サムソンペーパーホールディングスグループ |
- |
- |
42,554 |
11.3 |
(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
|
品種別 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
|||
|
紙 |
数量(トン) |
1,792,285 |
|
1,901,076 |
|
|
金額(百万円) |
185,300 |
|
199,238 |
|
|
|
板紙 |
数量(トン) |
1,050,588 |
|
855,613 |
|
|
金額(百万円) |
73,892 |
|
65,953 |
|
|
|
紙二次加工品 |
数量(トン) |
38,304 |
|
32,424 |
|
|
金額(百万円) |
34,795 |
|
33,932 |
|
|
|
パルプ・古紙 |
数量(トン) |
1,572,410 |
|
1,495,967 |
|
|
金額(百万円) |
39,905 |
|
44,489 |
|
|
|
その他 |
金額(百万円) |
32,883 |
|
34,100 |
|
|
合計 |
数量(トン) |
4,453,588 |
|
4,285,080 |
|
|
金額(百万円) |
366,777 |
|
377,714 |
|
|
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
|
品種別 |
前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
|||
|
紙 |
数量(トン) |
1,448,260 |
|
1,402,256 |
|
|
金額(百万円) |
157,902 |
|
149,982 |
|
|
|
板紙 |
数量(トン) |
741,270 |
|
729,614 |
|
|
金額(百万円) |
55,907 |
|
56,262 |
|
|
|
紙二次加工品 |
数量(トン) |
23,106 |
|
19,504 |
|
|
金額(百万円) |
29,798 |
|
29,680 |
|
|
|
パルプ・古紙 |
数量(トン) |
1,539,984 |
|
1,460,360 |
|
|
金額(百万円) |
38,623 |
|
43,030 |
|
|
|
その他 |
金額(百万円) |
29,272 |
|
30,745 |
|
|
合計 |
数量(トン) |
3,752,621 |
|
3,611,734 |
|
|
金額(百万円) |
311,505 |
|
309,702 |
|
|
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
|
用途 |
前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前年比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前年比 (%) |
|
|
新聞用 |
2,713 |
0.9 |
79.4 |
2,454 |
0.8 |
90.5 |
|
印刷用 |
130,556 |
41.9 |
95.2 |
122,277 |
39.5 |
93.7 |
|
包装・容器用 |
69,947 |
22.5 |
94.0 |
72,854 |
23.5 |
104.2 |
|
情報用紙 |
43,499 |
14.0 |
97.4 |
43,417 |
14.0 |
99.8 |
|
製紙原料用 |
38,626 |
12.4 |
98.4 |
43,034 |
13.9 |
111.4 |
|
その他 |
26,161 |
8.3 |
98.9 |
25,666 |
8.3 |
98.1 |
|
合計 |
311,505 |
100.0 |
95.8 |
309,702 |
100.0 |
99.4 |
(注)1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2)経営者の視点による認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。
(b)投資有価証券の減損
当社グループは、取引先との良好な取引関係の維持・強化を図るため、取引先の株式を保有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。
(c)のれんの減損
当社グループは、のれんについて減損の兆候があると判定された場合、減損の認識の判定を行っております。のれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(d)繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上髙)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ109億36百万円増収の3,777億14百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億93百万円増益の220億8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上総利益率は、主にパルプ・古紙の利益率の増加が寄与し、前連結会計年度に比べ0.07ポイント増加し5.8%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売諸掛、従業員給与手当が増加したものの、海外拠点紙パルプ等卸売事業において貸倒引当金繰入額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ4億38百万円減少し、196億45百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ13億31百万円増益の23億62百万円(同129.2%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、円高による為替差益及び貸倒引当金戻入額の計上等により、前連結会計年度に比べ3億18百万円増加し13億63百万円(前年同期比30.4%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に計上した為替差損が為替差益に転じたこと及び持分法投資損失の減少等により前連結会計年度に比べ3億22百万円減少し6億40百万円(同33.5%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ19億72百万円増益の30億86百万円(同177.0%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、物流戦略に基づく春日井倉庫の売却等があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益27億73百万円及び投資有価証券売却益4億83百万円を計上した事等から、前連結会計年度に比べ26億34百万円減少し6億23百万円(前年同期比80.9%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に固定資産売却損5億88百万円を計上したことから、前連結会計年度に比べ8億3百万円減少し71百万円(同91.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億41百万円増益の36億39百万円(同4.0%増)となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、1,986億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ143億86百万円増加しました。これは主に、経費削減のための本社の取得及び物流戦略に基づく戸田物流センターの取得等による有形固定資産の増加、社内基幹システム投資による無形固定資産の増加等によるものです。
(負債)
負債は、1,509億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億36百万円増加しました。これは主に借入金及びコマーシャル・ペーパーによる有利子負債の増加、仕入債務の増加によるものです。
(純資産)
純資産は、476億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億50百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加しました。これは主に利益剰余金の増加、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加、年金資産の時価上昇等による退職給付に係る調整累計額の増加によるものであります。
(c)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(d)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(e)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは経常運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウエア投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパーを基本としており、投資を目的とした資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
2018年6月26日付で、当社株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、新株発行による手取額22億12百万円については、社内基幹システム関連の設備投資に8億51百万円、残額を金融機関からの借入金の返済に充当する予定であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は496億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は41億35百万円となっております。
(f)経営方針/経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、次のとおりです。
当社グループでは、ROA及びROEを経営指標として重視し、効率的な経営の実現に取り組んでおります。当連結会計年度の実績は、ROA1.3%、ROE5.3%となりました。
(g)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析は・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
当社グループは、将来の事業領域拡大と収益基盤の多様化を目指し、以下の研究開発を進めております。
昨今安心・安全な品質管理が求められる中、物流過程における製品の温度管理の課題解決に向け、温度で色が変化するインクと印刷が可能なコード化及びソフトウエアを統合した技術開発を目的に、技術研究組合(名称:プリンタブルセンサーコード技術研究組合)を2018年2月に設立し、課題の研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費支出はありませんが、2019年3月期から2021年3月期までの3年間で90百万円の支出を見込んでおります。