第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営の基本方針

当社は、グループ社員全員が共有し、共通の価値観としてすべての活動の基本となる考え方として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「経営理念」「グループ企業行動指標」「経営ビジョン」の3層から形成され、当社のミッション、行動指標、経営ビジョンを表しています。

 


 

中でも、長期経営ビジョンとしてGIFT+1(ギフトプラスワン)を掲げ、+1(プラスワン)は環境貢献・ESG経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族などのステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に「環境」を付加した活動を強力に推進するものです。

この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに、経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

紙パルプ産業の国内市場においては、IT技術の進化によってデジタル社会が出現し、紙の需要がいわゆるグラフィック系(新聞出版や商業印刷用途)からパッケージ系(包装資材用途)へと変化する傾向が強くなってきております。また、海外市場では、新興国を中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大している他、包装資材用途の板紙製造設備が東南アジアを中心に稼働し、その原料である古紙の需要が高まってきております。一方、先進諸国では国内市場と同様にグラフィック系用紙の需要が減速する一方で、パッケージ系用紙の需要は堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、持続的な成長という観点からバイオマス由来の紙資源が注目されており、石油由来のプラスチックからバイオマス由来の紙への製品シフトが見られるようになってきております。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大継続による影響についてですが、世界経済は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及するにつれ制限が緩和され、国・地域や産業ごとにばらつきはあるものの、財政・金融政策の後押しもあり、景気の回復傾向は継続する見込みです。我が国におきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大防止策の浸透や、ワクチン接種の進捗により、景気は徐々に回復基調となることが見込まれますが、現状では感染拡大の収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

国内市場においては経済活動の再開に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年度からは回復基調にあるものの、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業は回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至っておりません。一方、板紙については、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因により、飲料、食品向けを中心とした段ボール原紙や紙器用板紙の需要は堅調に推移いたしました。

海外市場におきましては、欧州及び豪州ではウイズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられており、紙の需要も前年を上回っております。また供給不足やエネルギーコスト問題により価格は上昇基調が続いています。中国では、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会経済への影響が影を落としており、紙需要も弱含んでおります。

 

このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、新型コロナウイルス感染症の対応継続を課題として取り組んでおります。

 

① 総合循環型経営の促進

当社は、サステナブルな社会の実現を目指し、紙・板紙の卸売事業と古紙回収による再資源事業を両立させたマテリアルリサイクル及びバイオマス発電所運転支援システムによるサーマルリサイクルを両輪とする総合循環型経営を推進していきます。

 

② 海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー

国内市場が成熟化するなか、海外事業の拡大、ポートフォリオ改革は当社の最重要課題となっています。また、環境問題やEC市場の成熟による世界的なパッケージ需要の拡大に対応するため、この分野で先行する海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓をします。グラフィック用紙事業は、他社との差別化戦略によるシェア拡大を図ります。

 

③ 環境事業の推進・拡大

2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、使い捨てプラスチック商品の紙化やバイオ素材対応などが一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは「Green Biz Project」を中心とした脱プラ関連需要への取組みを強化し、海洋プラスチック汚染問題などの社会課題の解決に向けた取り組みを進めています。また、2022年3月1日に「株式会社BMエコモ」設立し、高度なIoTを活用したバイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」の事業を通じて、脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速させます。

 

④ グローバル・ガバナンスの充実

2019年に豪州、2020年には欧州の紙関連業界におけるリーディングカンパニーを続けて買収し、海外事業の売上規模は当社グループ売上高の55%を占め、海外拠点も133都市を数えるグローバル企業へと変貌しました。2022年10月1日にはグローバル・ガバナンス強化や資本政策の効率化を目指し持株会社へ移行する予定です。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の対応継続

感染症は人類にとって長い闘いの歴史であり、一過性の課題として片付けず、従業員と家族の健康・安全とBCPの視点を軸に、その対応策のマニュアルを日々改善していきます。特にエッセンシャルワーカーへのインセンティブなどグループ企業全体の共通課題の検討も必要となっています。

 

 

(3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。

 

【基本方針】

(テーマ)

長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて

(メッセージ)

循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上

(基本戦略)

「収益基盤の確立・深化」

・各事業会社の利益最大化

・戦略的アライアンス、M&Aの推進

・グローバルシナジーの追求

・DXの推進

「グローバルグループ経営の強化」

・ESG経営の実現

・グローバルオペレーション体制構築

・グループコミュニケーション強化

・経営資源の適正配分

 

 目標とする経営指標と数値は、以下の通りです。

 

第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標

営業利益

営業利益率

ROE

ROA

D/Eレシオ※

145億

2.2%

12.0%以上

2.5%以上

1.0倍以下

 

※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)当社のリスク管理体制及びリスク管理プロセス

当社は、当社グループのリスク管理体制の維持、向上を図るため、リスク管理委員会を設置し、リスク管理委員会規則に従い、サステナビリティ委員会委員長がリスク管理委員会委員長および副委員長を任命しております。

リスク管理委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価を行い、重点対応策を決定し、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行い、その結果についてサステナビリティ委員会へ報告を行うこととしています。

 

■ 当社のリスク管理体制


 

 

■ 当社のリスク管理プロセス


 

 

(2)   事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

最初に、各リスク項目を影響度と発生頻度で評価したリスクマップを掲載いたします。

 


 

上記リスクのうち重要と認識しているリスクは以下の通りです。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、リスクを低減するための対応を記載しておりますが、リスクを完全に回避することは困難です。

 

① 外部要因リスク

リスク

感染症

内容

未知の変異ウィルス等による感染が世界的に拡大するなど、想定を超えるような事態が発生した場合には、売上の減少や信用リスクの増大、回収遅延・不良債権の発生など、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、社員やその家族の健康にも大きな影響を与えるとともに、多数の罹患者が発生した場合は、事業の一部の継続が困難となる可能性があります。

対応

当社グループは、社員とその家族の健康、そしてお取引先様等ステークホルダーの安全・安心を最優先するため、感染症に関する対策委員会を設置し、テレワークによる在宅勤務、時差出勤、マスクの着用、消毒液の設置に加えて3密回避などあらゆる角度から感染拡大防止の施策を講じております。加えて、多数の罹患者が発生した場合にも業務を継続できるよう、緊急時における優先継続業務を定め、業務の補完体制を構築する等の対応方針を定めております。また、新型コロナウイルス感染症終息後においても、勤務体制や営業活動の手法を継続的な検討課題とするとともに、事業の持続的成長に向けた対応を確実に進めてまいります。

 

 

 

リスク

カントリーリスク

内容

当社グループは、世界各国に事業を展開しており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業は連結売上高の54.3%を占めており、投資する国・地域の政治、経済、社会情勢などの変化に影響を受けます。これらのリスクが顕在化した場合、当該国において代金回収の遅延や事業遂行上の大きな問題が発生する可能性があります。

対応

当社グループでは、海外拠点紙パルプ等卸売事業における売掛金に係る取引信用保険の活用といったリスクヘッジ策の実行や、「信用リスク」の項目において記載する与信管理の実施、当該国における情報収集の徹底等により、これらのリスクを最小限に止めることに努めております。

 

 

② 経営リスク

リスク

競争力/業績(海外投資)

内容

当社グループはインオーガニック戦略として、事業ポートフォリオの改革を目的に海外への投資を進めております。豪州への投資について、2019年7月にSpicers Limitedの全株式を取得し、当連結会計年度末現在16億58百万円ののれん額が計上されております。また、Spicers LimitedによるWilmaridge Pty Ltdが営む事業の譲受け、Universal Packaging Limitedの取得等により、当連結会計年度末現在、27億39百万円ののれん額が計上されております。

海外投資に関わるのれんの額につきましては、将来のシナジー効果が発揮されることによる収益力を適切に反映しているものと考えておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合は減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対応

これらのリスクの管理については、投資委員会において投資の採算性について十分な審議を行った上で、定期的に業績の推移や計画の進捗等を確認し、事業環境の調査・情報収集を徹底すると共に、取締役会等でモニタリングしております。

 

 

リスク

競争力/業績(研究開発活動)

内容

当社グループは、事業ポートフォリオの改革、事業機会の拡大を図っていくため、様々な研究開発を進めております。例えば2018年9月より開始した、バイオマス発電所運転支援システム(BMecomo)の開発につきましては、当連結会計年度末までに6億63百万円の開発費用を拠出しております。こうした研究開発活動において、期待された効果が得られない場合や、事業環境の変化によって撤退した場合など、状況変化により拠出した資金を回収できない可能性があります。

対応

これらのリスクの管理については、投資委員会を開催し投資の採算性について十分な審議を行った上で、定期的に開発状況や計画の進捗等を確認し、事業環境の調査・情報収集を徹底すると共に、取締役会等でモニタリングしております。

 

 

 

③ オペレーショナルリスク

リスク

環境(気候変動)

内容

当社は気候変動によるリスクとして、脱炭素社会に向けた規制強化や低炭素技術の革新、気候変動対応に伴う市場の変化、および気候変動によって生じる災害を主に想定しております。

例えば仕入先のパルプメーカーや製紙会社が炭素税やGHG削減対応等、気候変動に対応するための施策を講じた場合、仕入価格への転嫁などに起因する当社の調達コスト増が予想されます。

また、台風や豪雨といった災害の激甚化・頻発化が進行すれば、被災によるサプライチェーンの混乱など、事業・財務に大きな影響を与えるリスクが高まることが予想されます。

対応

環境負荷低減製品の選定を積極的に検討するとともに、幅広い仕入ソースを引き続き確保してまいります。

また、非化石エネルギー利用拡大や循環型社会の形成を見越し、バイオマス発電所運転支援システム「BMecomo」の開発や提供、古紙回収ソリューション「ecomo」を通じた循環型事業モデルの構築を目指す等、ビジネス機会の獲得に向けた対策を積極的に進めてまいります。

 

 

リスク

サプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存)

内容

当社の主要株主である王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であります。当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の28.1%になります

当社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、今後も取引の継続的な拡大を図っていく方針でありますが、天災及び何かしらの影響により、両社グループから当社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対応

当該リスクにつきましては、さまざまな仕入先を国内外問わず開拓して仕入ソースを確保するとともに、海外事業の拡大により国内取引への依存度を下げ、事業ポートフォリオ改革により新たな事業領域を開拓し、紙及び板紙販売の事業比率を下げていくことで対応をしてまいります。

 

 

リスク

情報システム(基幹システムの開発)

内容

グローバル展開および新規ビジネスの推進に対応すべく、経営管理の見える化を目的として、基幹システムの開発を進めておりますが、想定した投資効果が得られない可能性や、開発スケジュールの遅延等による想定外のコストが発生する可能性があります。

対応

経営管理の見える化を実現するため、分析粒度や多面的分析軸の向上を考慮し各マスターの見直しや追加データ項目の検討を進めています。また、プロジェクト全体管理として、開発ベンダーやプロジェクトメンバーの代表者から成る運営組織を形成し、定期的な進捗管理やチェックポイントを設定し遅延を防止するとともに、想定した投資効果との整合性を評価しております。

 

 

 

④ 財務リスク

リスク

信用リスク(取引先与信)

内容

当社グループにおける営業取引においては、売掛金及び受取手形などの形で取引先に対して信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する可能性があります。

対応

当社では、取引先ごとに与信限度額を定めて取引先との取引額を管理する他、取引先の信用状態に応じて必要な担保の設定や取引信用保険の活用等を行うことにより、信用リスクの低減に努めております。

 

 

リスク

市場リスク(商品市況変動の影響)

内容

① 紙・板紙等

当社グループの主要な取扱商品である紙、板紙等の製品仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の世界的な需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与えます。

② 古紙

当社の主要な取扱商品である古紙の販売価格は、世界の主要な古紙消費国の輸入により、大きく価格が変動する為、短期間での大幅な価格下落の場合、完全には回避できない可能性があります。また、増加する日本国内の古紙需要に対して古紙供給量は減少しており、古紙販売に影響を及ぼす可能性もあります。

③ パルプ

紙、板紙等の原材料であるパルプにつきましては、当社の主要な取扱商品でもありますが、世界的な市況商品であるため販売価格及び仕入価格が市況に応じて変動いたします。2021年度も前半の市況安定から夏以降は下落傾向となり、年末から現在に至るまでは価格が大幅に上昇するなど、価格変動のリスクが内包されており、短期間での大幅な価格下落の場合、完全には回避できない可能性があります。

対応

① 紙・板紙等

当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っております。

② 古紙

日本国内のみならず、世界中の古紙需要先を対象として、特に今後需要の増加が見込まれる東南アジア諸国を中心に販路の拡大に努め、仕入先の確保にも注力してまいります。

③ パルプ

仕入成約時の販売価格決定や、在庫の低減などを行ってまいります。

 

 

リスク

市場リスク(為替変動)

内容

当社グループの事業セグメントである海外拠点紙パルプ等卸売事業は、世界各国に事業を展開しております。連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算しておりますが、外国通貨に対して円高が進むと連結当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。

また、当社グループでは、日本からの紙、板紙、古紙等の輸出販売も行っており、これらの商品の海外での価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対応

為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。

 

 

 

リスク

市場リスク(金利変動)

内容

当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。

当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は802億37百万円です。

対応

長期借入金(固定金利)による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を想定の範囲に止めることに努めております。

 

 

リスク

市場リスク(所有株式の時価変動)

内容

当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対応

所有株式につきましては、2021年12月20日に当社ホームページにてご報告しております「コーポレート・ガバナンス報告書」の『コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示』における[原則1-4 政策保有株式]に、その所有に関する方針を記載しております。適宜適切に売却を進めることで、当該リスクの低減に努めております。

 

 

リスク

市場リスク(退職給付債務)

内容

当社グループでは、確定給付年金制度及び退職一時金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。年金資産の一部には株式信託を採用しております。また、イギリスにおける確定給付年金制度については、新規の加入者を停止していることから平均残存勤務期間が短くなる可能性があり、その場合数理計算上の差異の償却期間も短くなります。

従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下及び多額の数理計算上の差異の償却が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの年金資産及び退職給付債務の残高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」をご参照ください。

対応

年金資産の見直し等を定期的に行い、安全性の高い資産の割合を増やすなどの検討をしてまいります。

 

 

リスク

市場リスク(不動産市況)

内容

当社グループは、収益基盤の安定化を目的とし、所有不動産を活用した不動産賃貸事業に取り組んでおります。しかしながら、不動産市況に変動が生じ、所有する不動産価格や賃貸料が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における総資産に対する賃貸不動産の比率は2.3%であります。

対応

物件維持のための適正な修繕、建替え・用途変更などの再開発や売却検討を行うとともに経費削減に努めるなど、各所有不動産の状況に応じた有効活用策を継続的に検討しております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。そのため、売上高についての当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前連結会計年度と比較しての前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、ワクチン接種の進展や各種政策の効果等により一部で景気持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株(オミクロン株)の感染拡大の懸念から、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社の主力事業である紙・パルプ業界におきましては、紙・板紙の内需は前年比でやや回復微増したものの、新型コロナウィルス感染拡大前の水準までの回復には至りませんでした。

一方、世界経済においては、ワクチン接種が進んだ欧米諸国と発展途上国に経済の回復スピードの差が生じ、特に中国においては、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会・経済への影響が影を落としています。また、港湾労働者不足やコンテナ不足によるサプライチェーンの分断によって品不足も常態化している最中、新たな課題としてロシアのウクライナ侵攻により出口が見通せない状況となっております。

このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高5,634億14百万円営業利益は93億79百万円(前期は90億35百万円の営業損失)、経常利益は88億44百万円(前期は120億41百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億97百万円となりました。

 

当連結会計年度の業績については、以下の通りです。

 

(単位:百万円)

2021年3月

2022年3月

 

売上比

(%)

 

売上比

(%)

前年同期比

増減率

(%)

売 上 高

430,404

100.0

563,414

100.0

133,010

30.9

    

51,915

12.1

92,951

16.5

41,036

79.0

    

    

60,950

14.2

83,571

14.8

22,621

37.1

営 業 利 益

又は営業損失(△)

△9,035

9,379

1.7

18,414

経 常 利 益

又は経常損失(△)

△12,041

8,844

1.6

20,885

親会社株主帰属

    

1,416

0.3

7,497

1.3

6,080

429.3

 

 

 

売上高の主な増減要因

営業利益の主な増減要因

+128,849百万円(海外拠点紙パルプ等卸売事業)

+1,272百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業)

 

Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与

 

売上高増収要因

 

欧州・オセアニアの需要回復及び販売価格上昇

+17,717百万円(海外拠点紙パルプ等卸売事業)

+4,178百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業)

 

前期発生した香港・中国における貸倒引当金繰入額(△11,475百万円)の影響がなくなる

 

紙:コロナウィルス影響を大きく受けた前年度から売上高は回復基調

 

Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与したことによる売上高増収要因

 

古紙:古紙発生量は減少も価格は上昇

 

 

 

パルプ:輸出の増加及び販売単価の上昇

 

 

 

 

事業別セグメントの業績は次の通りです。

 

<国内拠点紙パルプ等卸売事業>

紙分野では、経済活動の再開に伴い、新型コロナウィルス感染症の影響を大きく受けた前年度を数量・売上高共に上回りましたが、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業が回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至りませんでした。

一方、板紙分野では、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因が紙器用板紙や段ボール原紙の需要を押し上げて前年度実績を共に上回りました。

製紙原料分野では、古紙は緊急事態宣言の発令延長により家庭からの古紙発生量が減少した結果、数量では前年度割れとなりましたが、価格の上昇により売上高は前年度を上回りました。

パルプは、国内家庭紙メーカー向けの需要が減少しましたが、中国向け輸出の増加や販売単価の上昇によって数量・売上高共に前年度を上回りました。

この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は2,562億82百万円、セグメント利益は49億82百万円(同34.3%増)となりました。

 

<海外拠点紙パルプ等卸売事業>

●トレード事業

トレード事業は、サプライチェーンの分断やコンテナ不足に加え、製紙メーカーの生産枠制限により取扱い数量は低調に推移しました。

●域内事業

ANZ市場(豪州・ニュージーランド)及び欧州市場については、ウィズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられました。更に供給不足やエネルギーコスト問題によって、価格は上昇基調が続いています。このような状況下、前年度に買収したAntalis S.A.S.の業績が通期で貢献したこともあり、大幅な増収・増益となりました。

アセアン地域では、経済の回復が遅れているものの、重複拠点の整理統合によるシナジー効果が出ております。

中国事業については、子会社、及び新たに設立した分公司における紙卸売事業での販売が寄与し、売上高は前年を上回り、経常利益も前年を上回りました。

この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,059億1百万円セグメント利益は71億60百万円(前期は105億57百万円のセグメント損失)となりました。

 

<不動産賃貸事業>

全国主要都市のオフィスビル市場は、コロナ禍の影響による景気の悪化やテレワークの普及等からオフィス需要は減退し、平均空室率の上昇や平均賃料の下落基調が続いております。今後も各地で新築ビルの竣工が控えるなど、需給バランスに注視が必要な状況です。

当社グループでは主力のKPP八重洲ビルが満室稼働を継続しましたが、所有物件の再開発に伴う賃料収入減もあり、前年比で減収となりました。

この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億30百万円、セグメント利益は1億76百万円(同72.0%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益で獲得した資金を、固定資産の取得及び短期借入金の減少等に充当したことで、前連結会計年度末比79億12百万円減少し、226億31百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は48億21百万円(前期は64億72百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の獲得、仕入債務の増加等によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は26億78百万円(前期は230億46百万円の獲得)となりました。これは主に、固定資産の取得によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は118億3百万円(前期は65億97百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。

 

③ 仕入及び販売の実績

(1) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)

245,245

103.0

海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)

235,390

147.2

合計(百万円)

480,635

120.7

 

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)

256,282

101.7

海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)

305,901

172.8

不動産賃貸事業(百万円)

1,230

98.7

合計(百万円)

563,414

130.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(参考情報)

当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。

 

品種別

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

数量(トン)

2,139,066

2,248,140

金額(百万円)

228,021

298,369

板紙

数量(トン)

872,418

636,475

金額(百万円)

70,334

66,670

紙二次加工品

数量(トン)

25,916

16,959

金額(百万円)

21,028

24,672

パルプ・古紙

数量(トン)

1,257,351

1,303,430

金額(百万円)

31,119

40,755

その他

金額(百万円)

79,900

132,946

合計

数量(トン)

4,294,751

4,205,004

金額(百万円)

430,404

563,414

 

(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。

2.賃貸収入は「その他」に含まれております。

 

提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。

 

品種別

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

数量(トン)

1,049,535

1,066,545

金額(百万円)

121,447

121,328

板紙

数量(トン)

699,165

680,566

金額(百万円)

55,268

54,102

紙二次加工品

数量(トン)

15,144

14,860

金額(百万円)

19,773

20,587

パルプ・古紙

数量(トン)

1,211,422

1,254,491

金額(百万円)

28,982

39,895

その他

金額(百万円)

27,638

21,908

合計

数量(トン)

2,975,266

3,016,462

金額(百万円)

253,111

257,822

 

(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。

2.賃貸収入は「その他」に含まれております。

 

提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。

 

用途

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

前年比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

前年比

(%)

新聞用

2,081

0.8

88.9

1,921

0.7

92.3

印刷用

98,186

39.0

81.3

100,400

39.1

102.3

包装・容器用

66,794

26.5

95.3

63,667

24.8

95.3

情報用紙

36,465

14.5

83.3

36,246

14.1

99.4

製紙原料用

28,982

11.5

94.3

39,895

15.6

137.6

その他

19,318

7.7

86.5

14,416

5.6

74.6

合計

251,830

100.0

86.8

256,545

100.0

101.9

 

(注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。

2.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。

ワクチン接種率の向上に伴い、各地域や事業にて新型コロナウイルス感染症による景気低迷から回復が見られるものの、ロシアのウクライナ侵攻による混乱やインフレの長期化を反映し、世界経済の成長は鈍化しております。

このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載の通り、対処すべき課題に対応してまいります。

 

(a) 事業別セグメントの実績

(単位:百万円)

2021年3月

2022年3月期

 

前年同期比

増減率(%)

国  内  拠  点

紙パルプ等卸売事業

売  上  高

252,104

256,282

4,178

1.7

セグメント利益

3,710

4,982

1,272

34.3

利 益 率 (%)

1.5

1.9

0.4

海  外  拠  点

紙パルプ等卸売事業

売  上  高

177,052

305,901

128,848

72.8

セグメント利益

又 は 損 失

△10,557

7,160

17,718

利 益 率 (%)

2.3

      

売  上  高

1,247

1,230

△16

△1.3

セグメント利益

629

176

△453

△72.0

利 益 率 (%)

50.4

14.3

△36.1

合    計

売  上  高

430,404

563,414

133,010

30.9

セグメント利益

又 は 損 失

△6,217

12,319

18,536

調  整  額

△2,817

△2,940

△122

営 業 利 益

又は営業損失

△9,035

9,379

18,414

利 益 率 (%)

1.7

 

 

(b) 国内紙パルプ等卸売事業について

当連結会計年度における、国内紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。

2023年3月期の日本国内市場におきましては、紙事業、特にグラフィック用紙事業については経済活動の再開により回復が見込まれるものの、前連結会計年度の需要まで回復するのは難しいと見込んでおります。板紙事業につきましては、当連結会計年度より飲料関係及び通販関連の段ボール原紙需要の増加が下支えし、2023年3月期も全体的には需要の増加を見込んでおります。また紙需要の減退を紙・板紙の価格修正により当連結会計年度の実績を上回ると見込んでおります。古紙につきましては、世界的な古紙需要の増加及び国内古紙発生量の減少もあり国内市況の大きな変動は見込んでおりません。パルプにつきましては、ロシア・ウクライナ情勢の影響により世界的な供給減となっており価格の上昇を見込んでおります。

このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、国内紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。

 

[国内基本戦略]

1.総合循環型経営の促進

製品販売と古紙回収による循環型事業モデルの確立

マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルによる事業の拡大

2.海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー

  海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓

グラフィック用紙事業の他社との差別化戦略によるシェア拡大

3.環境事業の推進・拡大

環境配慮型素材や製品の開発・販売

バイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」 を3月1日に子会社化。脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速

 

(c) 海外紙パルプ等卸売事業について

当連結会計年度における、海外紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。

2022年3月期の海外市場につきましては、欧州・豪州ともに、グラフィック用紙の需要は回復基調にありますが、コロナ前の需要水準にはいたりませんでした。また、欧州におけるパッケージ事業では、Eコマース市場の成長に伴う需要増加により好調を維持しております。ビジュアルコミュニケーション事業では、欧州にて公共イベントや展示会の再開が進み、市場は拡大しておりますが、コロナ前の水準までは完全には回復しておりません。一方、豪州においては、ビジュアルコミュニケーション事業でのM&A効果が業績に寄与しております。中国については、新たに中国国内市場での販売体制を再構築した結果、業績は回復しました。

なお、2022年3月期より、2020年7月に買収した仏Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与するため、大幅な増収増益を達成しました。

このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、海外紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。

 

[海外基本戦略]

1.インオーガニック・グロース

パッケージやビジュアルコミュニケーションにて、積極的な外部経営資源の獲得(インオーガニック)によって事業領域の拡大を目指します。

2.Eコマース事業
  Eコマース事業を推進し、利益率のさらなる向上を目指します。
3.グローバルネットワークを活かした展開

ハイブリッド型ビジネスモデル(※)の展開

 

 

※ハイブリッド型ビジネスモデル

 


 

(d) 不動産賃貸事業について

当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 経営成績の状況」に記載の通りです。

当該事業セグメントにつきましては、前連結会計年度でのKPP八重洲ビルの底地売却による地代負担増はあるものの、本社隣地の再開発事業による収益確保を進めてまいります。

当社グループでは賃貸物件の安定稼働を重視しており、資産価値を維持するための修繕等を計画的に実施しております。

今後も引き続き、安定稼働とローコストでの運用を心掛け、安定した収益を確保する事業として推進してまいります。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、2,907億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ155億87百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加及び退職給付に係る資産の増加によるものであります。

 

負債は、2,343億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億94百万円増加しました。これは主に、有利子負債が減少した一方で、仕入債務の増加したことによるものであります。 

 

純資産は、563億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ127億92百万円増加し、自己資本比率は19.4%となり、前連結会計年度末に比べ3.8ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、退職給付に係る調整累計額の増加等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。

成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。

株主還元への支出につきましては、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針としております。

なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で25億58百万円、海外で200億72百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り及び追加情報」に記載しているとおりです。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(持株会社体制への移行に伴う会社分割)

 当社は、2022年3月28日開催の取締役会において、2022年10月1日(予定)を効力発生日として会社分割(吸収分割)の方式により、持株会社体制へ移行すること、吸収分割準備会社として当社100%子会社「国際紙パルプ商事分割準備株式会社」を設立することを決議しております。

 また、2022年5月25日開催の取締役会において、当社を吸収分割会社、「国際紙パルプ商事分割準備株式会社」を吸収分割承継会社として、当社の紙パルプ等卸売事業に関する権利義務を承継させる吸収分割を行うため、吸収分割承継会社との間で吸収分割契約の締結を承認することを決議いたしました。本件分割後の当社は「KPPグループホールディングス株式会社」に、吸収分割承継会社は「国際紙パルプ商事株式会社」に、それぞれ商号を変更するとともに、当社は持株会社体制への移行後も引き続きグループ会社の経営管理を行う持株会社として上場を維持する予定です。

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、国内拠点紙パルプ等卸売事業において、将来の事業領域拡大と収益基盤の多様化を目指し、以下の研究開発を進めております。

2018年9月の取締役会においてバイオマス発電所運転支援システム開発の開始を決議し、当連結会計年度において研究開発費130百万円を支出いたしました。当社が目指す支援システムは、運転制御をはじめとするバイオマス発電所のオペレーション全体の支援を目的としたもので、開発にあたっては当社が出資するバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社と連携し、開発を行っております。

2022年3月に、さらなる事業の拡大と効率化、及び意思決定の迅速化等を目的として、バイオマス発電所のオペレーション全体の支援を主な業務とする会社「株式会社BMエコモ」を設立し、これまで開発を進めてきた運転支援システムを当社から株式会社BMエコモに売却しております。