第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、次の「経営理念」並びに「菱電商事グループ行動指針」を経営の基本に置いて、事業活動を展開しています。

①経営理念

 ・社会の変化に対応し、会社経営の安定と発展に努め、社会に貢献する。

 ・誠実な営業活動と先進的な技術の提供により、取引先の信頼に応える

 ・社員の人格と個性を尊重し、専門性及び改革心と創造力の高い人材を育成する

②行動指針

 ・法令・ルールを遵守する

 ・利益ある成長を目指す

 ・グローバルな企業として社会に対する責任をはたす

 ・自己の考えを確立し、活力ある組織を創る

 ・人格や個性を尊重し、高い目的意識をもって自己啓発を行う

 ・経営者・管理者は自らの役割を全うする

 

(2) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題

国際通貨基金(IMF)は、2021年の世界経済成長率見通しについて前年比6.0%と高い伸び率を発表しました。新型コロナウイルス禍で2020年がマイナス3.3%成長に落ち込んだ反動はあるものの、ワクチンの普及や先進国を中心とした空前の経済対策が押し上げます。特に、バイデン政権が主導する巨額の財政出動等により米国が早期に感染拡大を抑え込み成長ペースを維持する中国とともに世界経済を牽引すると見られています。一方、変異株の猛威に苦しむ欧州は回復の足取りが重く、財政余力のない低所得国は景気対策に限度があり、経済の回復に格差が広がっています。
 国内では、第4波といわれる感染の再拡大がみられ、感染拡大の防止に期待が集まるワクチン接種も欧米より遅れていることから、急回復が鮮明な米中に比べ日本経済の回復ペースが遅くなることが懸念されています。
 当社グループの取引に関する業界では、中国の新型スマートフォンや電気自動車向けの産業・工作機械受注が高水準で推移すると見込まれますが、車載半導体不足による自動車の減産や生産調整が続いた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 こうした中、当社グループの中期経営計画「ICHIGAN 2024」は2年目を迎えました。代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新しい価値を創造し続け、サステナブルな社会の実現に貢献することを目指し、必要な構造改革を実践し、収益力強化を進めてまいります

次期の業績の見通しにつきましては、収益力確保に向けた事業活動の加速や経費削減などに引き続き取り組んでまいりますが、コロナ以前の水準に戻すには今暫くの時間を要すると想定しており、連結売上高2,200億円、営業利益43億円、経常利益44億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を見込んでいます

なお、新型コロナウイルスの感染状況により、経済活動の抑制が継続される場合は、業績の見通しは変動する可能性があります。

 

 

<中期経営計画「ICHIGAN 2024」>

当社グループは、2050年に向けて目指す姿として、「100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」ことをビジョンとして掲げています。その実現に向け、2013年から2015年の中期経営計画「GSP15」では第二の創業期としてソリューションビジネスの創造に挑み、2016年から2018年の「CE2018」では100年企業を目指して顧客価値創造型のビジネスモデルの構築に努めました。この流れを継承する新たな中期経営計画として、2020年度から5年間の中期経営計画「ICHIGAN2024」の取り組みを開始しました

 

 


 

「ICHIGAN2024」では、代理店や商社の枠を超えた事業創出会社として、新たな価値を生み出し続けることができる会社となることを目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進していくことを戦略テーマとしています。「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」、「事業推進基盤の強化」という3つの成長エンジンにより収益を最大化していくという戦略で、経営目標として営業利益を100億円以上とすることなどを掲げています。

2020年度においては、コロナ禍という前例のない事態の下で、新しい形態の営業活動を模索してまいりましたが、当社グループも大きな影響を受け前年度比減収減益となりました。一方で、植物工場をはじめとする新規事業は着実に成長し、新しい芽も育ってまいりました。

また2021年4月に事業活動の迅速化と更なる業務運営の効率化を図ることを目的として、次のとおり組織変更を実施致しました。

 ①DX途上企業からデジタル企業への進化を図るべくDX戦略推進室を設置

  ②管理部門の機能の集約化及び効率化・ガバナンス強化を図るべく支社管理部門を本社(経理部)に設置した
   業務統括センターに集約

 ③顧客に最も近い最前線ラインのマーケティング機能と営業力の向上に注力するため、国内の10支社制を3支
  社制に再編

 

 

 

このような環境の中であるからこそ、歩みを止めることなく堅実かつ大胆に、全社員「ICHIGAN(一丸)」となって活動に邁進してまいります。

 

 


 

 

<脱炭素社会に向けた取り組み>

きれいな地球を未来へと引き継ぐために――。当社グループは2020年4月にグループ環境ビジョンを制定しました。2030年までに環境に配慮した事業活動を加速させ、サステナブルな社会創りに貢献します。そして、2050年、100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

 

 


 

 

具体的な取り組みとして、電力使用に関する温室効果ガス排出実質ゼロを目指し、当社所有の栗原太陽光発電所(宮城県栗原市)を有効活用することで、事務所の電力を可能なところからクリーン電力に切り替えていきます(東京都豊島区の本社ビルは本年8月よりクリーン電力に切り替え予定。その他の事業所も順次切り替え予定)。また、ライフサイクル視点での温室効果ガス排出削減を目指した当社独自のトータルカーボンマネジメントを第79期から運用しています。

こうした活動を通し、当社グループは「環境」の価値観を共有し、事業活動を通して社会に貢献する「環境経営」を推進していきます。

 

※トータルカーボンマネジメント:事業活動で排出する温室効果ガスと当社の販売した製品を使用することにより削減された温室効果ガスを数値化し、当社の環境貢献度を見える化した当社独自の環境活動。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 経済状況について

当社グループは、「FAシステム」、「冷熱ビルシステム」、ネットワークシステムやスマートアグリ・ヘルスケアなどの「ICTシステム」、半導体・デバイス品などの「エレクトロニクス」関連の機器・システムの販売を主な事業とする企業集団であり、取引先は製造業や卸売業、建設関連及び医療関係やサービス業など幅広い業種に及んでいます。
 各取引先の状況は、景気変動やそれぞれが属する業界の需要の低迷や設備投資の減少などにより影響を受けるため、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 また新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、今後も継続するものの、5G関連投資や国内・中国市場向けの自動車関連が回復し、これに伴い当社グループの業績も回復していくと見込まれますが、新型コロナウイルスの感染拡大が今後もさらに深刻化・長期化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 さらに、世界的な半導体不足の影響は、仕入先のリードタイムの長期化などに影響が出ているものの、当連結会計年度末時点において当社グループの業績及び財政状態に大きな影響は受けていません。しかしながら、今後事態が更に深刻化・長期化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、こうした状況下ではありますが、2年目を迎える中期経営計画「ICHIGAN 2024」に掲げた戦略である「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」への取り組みを更に加速し、景気変動に影響されにくい事業を育て、企業体質の強化を図ってまいります。

② 主要仕入先との関係について

当社グループの主要仕入先は、「FAシステム」及び「冷熱ビルシステム」では三菱電機株式会社及びそのグループ会社であり、当連結会計年度における仕入高は連結仕入高の33%(三菱電機株式会社が17%、そのグループ会社が16%)を占めています。また「エレクトロニクス」の主要仕入先はルネサスエレクトロニクス株式会社であり、当連結会計年度における仕入高は連結仕入高の15%を占めています。
 これら主要仕入先の事業戦略や製品の市場戦略、代理店政策の変更や供給動向などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 主要仕入先との関係は安定しておりますが、事業戦略の共有化などで関係強化に努めるほか、様々なソリューションを展開するなかで様々な協業先ともパートナーシップを強め、業績への影響を少なくすべく多面的で安定した仕入先との関係を構築していきます。

③ 自然災害の発生

当社グループは、大規模地震や異常気象その他自然災害が発生した場合、当社内インフラ(社屋、通信)の損壊などによる本社・支社機能および営業活動に支障が生じる可能性があります。また、仕入先及び販売先の被災の状況、社会インフラ、物流網などの復旧の遅れ、さらには事業活動の制限や停止などで製品の調達や供給に大きな影響を受けた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、こうした影響を最小限に留めるため、防災マニュアルなどBCPの策定、顧客や仕入先などのサプライチェーン全体で供給不足に対応するためのBCP在庫を確保するなどの対応を進めています。

④ 新事業の展開

当社グループは、国内外の最先端技術商品の取り扱いの拡充を図り、市場の構造変化へ対応してまいりますが、その中で過去に取り扱ったことのない部材・商品やサービスの提供に新たに取り組んでおり、技術革新または予測不可能な事象や当社の責に帰す想定外の不具合などが生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、こうした新事業を展開するにあたり、品質リスク・損失リスク・法的リスクなどを適切に評価し、それらを踏まえ事業への影響を最小限に抑える対策を講じ、新事業を進めています。

 

⑤ カントリーリスクについて

当社グループは、中国を中心とした東アジア、タイを中心とした東南アジア及び欧米(ドイツ・米国)などで事業を展開しており、当連結会計年度における海外売上高の合計は連結売上高の17%を占めています。海外事業展開時には、海外事業を担当する海外事業推進本部が予め事業展開にあたっての法規制やリスクを関係部門と連携の上、現地弁護士事務所やコンサルタントを通じて調査・検討し、経営会議・取締役会の審議を経て展開しています。しかしながら、事業展開している国々・地域において予期しない法律又は規制の変更、政治又は経済情勢の悪化、テロ・戦争などによる社会的混乱など、国内における事業展開とは異なるカントリーリスクが発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、こうしたリスクを低減するため、事業展開している国・地域の法規則に照らし合わせた遵法チェックを毎年実施しているほか、現地のコンサルタントなどと連携し情勢の把握に努めています。また、海外事業推進本部において定期的に現地法人の役員と情報交換を行い、適宜対策を講じています。

⑥ 為替レートの変動について

当社グループの事業には、海外顧客への商品供給及び海外仕入先からの調達があります。各地域における売上・費用・資産を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。決算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
 当社グループは、先物為替予約などによる通貨ヘッジ取引を行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をしていますが、必ずしもこれを全面的に回避できるものではありません。中長期的な通貨変動により、計画された調達及び商品供給を実行できないことや、予定された利益の確保ができない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 在庫

当社グループは、顧客の所要見込みや仕入先の供給状況などの情報収集に努め、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防ぐ努力をしていますが、市況変動など当初見込んでいた顧客の所要見込みの減少により廃棄損や評価損を計上する場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、こうした影響を低減するため、金額に応じた発注権限の設定や発注時点での顧客の所要量の精査、仕入先への発注量の調整並びに顧客に対する引き取り交渉などの基本的な行動の継続に努めています。

⑧ 投資

当社グループは、将来の成長に向けビジネスパートナーに対して出資を行うことがありますが、出資先の業績が出資時点と大きくかい離し、出資の減損処理が必要になるリスクがあります。
 出資に際しては、出資先の財政状態、事業計画の実現性、投資リターン等を慎重に判断し、経営会議や取締役会で審議を行っています。また、出資後は、出資先の財政状態、事業計画の進捗を定期的にモニタリングしています。

⑨ 気候変動問題への対応

世界各国ではパリ協定を受け地球温暖化ガスの削減に向けた脱炭素社会の実現の動きが加速しています。当社グループは、脱炭素社会への対応を重要な課題として捉え、それらに関するリスクの低減とともに、社会課題の解決につながる事業機会の創出に取り組んでいます。今後、環境関連法規制等の強化、気候変動に関するリスクへの対策、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、2020年4月に制定したグループ環境ビジョンに則り、環境に配慮した事業活動を加速させ、サステナブルな社会創りに貢献し、事業機会の創出に取り組んでまいります。

 

⑩ コンプライアンス

当社グループは、経営理念に基づく行動指針に「法令・ルールを遵守する」を掲げ、全ての事業活動において法令・ルールの遵守を最優先させるとともに、倫理を逸脱する行為は行わないことを社内外に約束しています。
 しかしながら、管理体制上の問題が発生する可能性はゼロではなく、法令・規制に違反した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員の不正行為は、その内容次第では当社の業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、こうした影響を低減するため、担当取締役を委員長とする「倫理・遵法委員会」を設置するとともに、「コンプライアンスマネージャー」を配置し、企業活動における法令遵守・公平性・倫理性を確保するための活動を行っています。また、各部門・支社並びに海外を含めた関係会社において「遵法チェック」を行い、コンプライアンスに関する遵守状況の確認を行うとともに、グループ全社員に対しコンプライアンスe-learningを実施し、法令遵守の徹底に努めています。

⑪ 新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対し、当社グループは社長直轄の「COVID-19対策室」を立ち上げ感染防止対策に取り組んでいます。取引先や当社グループ従業員とその家族の健康と安全を最優先として、衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務などの感染防止対策を継続し、顧客の要求に応えるべく事業活動を進めてまいりました。
 当連結会計年度末時点において、新型コロナウイルスに感染した従業員は若干名にとどまっており、当社グループの事業活動に大きな影響は生じておりませんが、感染拡大が今後もさらに深刻化・長期化し当社グループ従業員が感染した場合、当社グループの事業活動に係る物流体制・営業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。

(1) 経営成績

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、感染拡大に歯止めがかからず、人・物の動きや経済活動が世界的に制限されたことで、第二次世界大戦後で最悪の景気後退と言われるほどのダメージを受けました。

国境を越えるサプライチェーンが途絶し、対面するサービス業に制約がかかるなど供給面に影響が生じたことに加え、外出制限や渡航制限に伴い、飲食や宿泊、運輸などで前例の無い規模で需要が縮小し、さらに耐久財についても需要が急減するなど全世界で異次元の経済危機に発展しました。

国内経済においては、緊急事態宣言が出され、GDPが年率換算で戦後最悪の下落となった4~6月期以降、感染拡大第2波、第3波の影響による先行き不透明感から、民間消費や設備投資といった内需が弱い状況が続き、業種間の成長格差も広がりました。

当社グループの取引に関する業界は、次世代通信規格「5G」やデータセンター向けが好調に推移した一方、国内の産業・工作機械の設備投資は抑制されました。また国内の自動車生産は復調傾向にあったものの、車載半導体不足が世界中で深刻化し、2月以降は多くのメーカーが減産や生産調整を迫られることとなりました。

このような状況下、当社グループは、5年間の新たな成長戦略として中期経営計画「ICHIGAN 2024」を2020年4月からスタートし、「環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」をテーマに掲げ、代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新たな価値を創造していくことを目指し、事業活動を進めてまいりました

その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高1,968億41百万円(前期比14.4%減)、営業利益34億15百万円(前期比38.6%減)、経常利益36億53百万円(前期比36.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23億43百万円(前期比39.3%減)となりました。

 


 

 

セグメントごとの業績の概要及び分析は、次のとおりです。

当連結会計年度より、報告セグメントの区分及び名称を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値及び名称を当該変更後の数値及び名称で比較しております。詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 


 

半導体製造装置関連及び工作機械向けは年度後半から中国市場を中心に好転しましたが、自動車関連を始めとした製造業向けが年間を通じて低調に推移し減収となり、営業利益も減益となりました

 

 


 

年度後半における冷熱システム分野の換気需要及び冷蔵・冷凍分野の好調が下支えしたものの、前年度活況を呈していた建設市場の反動減及び新規案件の延期・中止等が影響し減収となり、営業利益も減益となりました。

 

 


 

スマートアグリ分野では、年度前半に大型植物工場案件の計上がありましたが、後半は生産事業へのビジネスモデル転換の準備期間と重なったことにより低調に推移しました。ネットワークシステム分野では、テレワーク用製品の引き合いが強くコンポーネントビジネスが堅調に推移しましたが、モニタリングなどの工場管理システムの新規受注が低調に推移しました。ヘルスケア分野では、サプライビジネスが増加基調となりましたが、病院内IT設備関連ビジネスは低調に推移しました。
 その結果、ICTシステム全体では減収となり、営業利益も減益となりました。

 


 

国内では、自動車関連向けが後半回復傾向となり、産業機器関連向けについても下期後半より中国向けを中心に回復してきましたが、前半の低迷をカバーするには至らず、減収となりました。

海外子会社では、自動車関連向けが後半回復基調となりましたが、前半低調に推移したことに加え、中国地域におけるエアコンなどの空調機器関連向けが天候不順等の影響を受け、減収となりました。

その結果、エレクトロニクス全体では減収となり、営業利益も減益となりました。

 

 

通期の業績の見通しとして公表した経営目標値とその達成状況は次のとおりです。

 

経営目標値

(百万円)

当連結会計年度実績

(百万円)

達成率

(%)

売上高

204,000

196,841

96.5

営業利益

4,000

3,415

85.4

経常利益

4,000

3,653

91.3

親会社株主に帰属する

当期純利益

3,000

2,343

78.1

 

 

(2)生産、受注及び販売の状況

①仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

FAシステム

30,747

84.8

冷熱ビルシステム

25,369

82.9

ICTシステム

6,062

77.9

エレクトロニクス

117,522

87.2

合計

179,702

85.8

 

 

(注) 1  金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。

2  数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。

 

 

②販売実績

ア  販売方法

当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しています。

イ  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

FAシステム

35,713

86.1

冷熱ビルシステム

27,278

82.2

ICTシステム

7,605

81.9

エレクトロニクス

126,243

86.4

合計

196,841

85.6

 

 

(注) 1  販売実績は、受入手数料を含めて計上しています。

2  上記金額には消費税等は含まれていません。

3  数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しています。

4  主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

  パナソニック(株)

30,466

13.2

25,650

13.0

 

(3)財政状態

資産の部は、現金及び預金が9億55百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が49億78百万円、商品及び製品が15億72百万円減少したこと等により、資産合計は前連結会計年度末比27億74百万円減少し、1,255億29百万円となりました

負債の部は、支払手形及び買掛金が53億58百万円、未払法人税等が9億15百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比51億36百万円減少し、556億9百万円となりました

純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を23億43百万円、配当金を12億17百万円計上したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比23億62百万円増加し、699億19百万円となりました

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比3.0ポイント増加し、55.6%となりました。

(4)キャッシュ・フロー

当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比9億55百万円増加し、211億20百万円の残高となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、19億39百万円(前年同期比39億98百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益35億99百万円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の減少によるネット資金の増加3億74百万円、法人税等の支払18億91百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により得られた資金は、1億83百万円(前年同期比7億1百万円収入増)となりました。これは主に、長期貸付けによる支出3億50百万円、投資有価証券の売買によるネット収入3億2百万円、定期預金の払戻による収入3億円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、10億52百万円(前年同期比12億29百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払12億16百万円、短期借入金の増加1億65百万円によるものです。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。

中期経営計画「ICHIGAN 2024」においては、事業創出会社として既存の枠を超えた新たな付加価値を創造することを目指し、「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」による収益力の強化に向けた成長投資を行ってまいります。

株主還元については、中長期的な安定配当を維持継続することを基本として、各事業年度の連結業績及び中長期的なグループ戦略等を勘案のうえ利益還元を実施してまいります。

これら資金需要に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フロー及び手許資金を充当することを基本としております。

(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

2021年3月31日現在における主な代理店契約等は次のとおりです。 

契約会社名

相手先名称

契約の種類

主要取扱商品

契約期間

菱電商事株式会社

三菱電機株式会社

販売代理店契約

機器製品、工業用ミシン

2004年11月19日から1か年  (注)1

放電加工機、レーザ加工機、NC装置

2002年4月1日から1か年  (注)1

エレベーター、エスカレーター

1993年4月1日から1か年  (注)1

半導体製品

2015年4月1日から1か年  (注)1

販売特約店契約

電子デバイス

1984年10月1日から1か年  (注)1

菱電商事株式会社

三菱電機株式会社

三菱電機住環境システムズ株式会社

販売代理店契約

パッケージエアコン、

各種冷凍機

2018年4月1日から1か年  (注)1

菱電商事株式会社

サンケン電気株式会社

販売特約店契約

半導体・電子製品

2018年4月1日から1か年  (注)1

電源機器

2000年4月1日から1か年  (注)1

菱電商事株式会社

ルネサスエレクトロニクス

株式会社

販売特約店契約

半導体製品

(注)2

菱電商事株式会社

マイクロンジャパン

株式会社

販売店契約

半導体製品

2020年1月1日から2021年12月31日

菱電商事株式会社

ON Semiconductor

Trading Sárl

販売店契約

半導体製品

2015年11月30日から5か年  (注)3

 

(注) 1  全て自動更新です。

2  2020年1月1日から契約の定めに基づき当事者のいずれかから解除されるまでです。

3 2020年12月1日以降の契約は更新手続中です。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりです。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は15百万円です。

(1)FAシステム

FAシステムでは、国立大学法人信州大学とバイオミメティクス(生物模倣)のレーザー加工技術に関する共同研究開発を行っています。

 当セグメントに係る研究開発費は、9百万円です。

(2)冷熱ビルシステム

該当事項はありません。

(3)ICTシステム

ICTシステムでは、国立大学法人東京医科歯科大学とプライベートLTE(sXGP)によるスマートフォン活用の研究を進めているほか、神戸大学とAI空調システムの運用最適化研究と実証及び効果検証の共同研究を行っています。

当セグメントに係る研究開発費は、3百万円です。

(4)エレクトロニクス

エレクトロニクスでは、名古屋大学とAUTOSARツールチェーンに関するコンソーシアム型共同研究を進めているほか、国立大学法人東北大学とADAS(先進運転支援システム)関連技術の共同研究開発を行っています。

当セグメントに係る研究開発費は、3百万円です。