当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、「パーパス」、「ビジョン」、「バリューズ」並びに「経営理念」及び「RYODENグループ行動指針」を経営の基本に置いて、事業活動を展開し、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくとともに、企業価値の向上とさらなる成長に向け取り組んでいます。
①パーパス
人とテクノロジーをつなぐ力で”ワクワク”をカタチにする
②ビジョン
環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する
③バリューズ
・人とのつながりを力に
・強みを知り、強みを磨く
・常に挑戦し、失敗から学ぶ
・フェアに、そして誠実に
④経営理念
・社会の変化に対応し、会社経営の安定と発展に努め、持続可能な社会の実現に貢献する
・誠実な事業活動と先進的な技術の提供により、ステークホルダーの信頼に応える
・社員の人格と個性を尊重し、専門性及び改革心と創造力の高い人材を育成する
⑤行動指針
・法令・ルールを遵守する
・利益ある成長を目指す
・グローバルな企業として社会に対する責任をはたす
・自己の考えを確立し、高い目的意識をもって自己啓発を行い、活力ある組織を創る
・経営者・管理者は自らの責任を全うする
米国経済は減速傾向にはあるものの生産性の向上などに支えられ堅調に推移、欧州経済はインフレ基調が鈍化しつつもドイツ経済の低迷が長期化し、また中国経済は不動産市場の調整と雇用・所得の回復の鈍さを背景に大幅な回復が見込めず、さらにウクライナ・中東情勢不安などの地政学リスクは長期化が見込まれ、引き続き先行き不透明な状況です。
日本経済は円安による影響が注視されるものの、海外経済の緩やかな成長と緩和的な金融環境などを背景に潜在成長率を上回る成長が継続するものと見られます。
当社グループの取引に関する業界は、半導体不足によるサプライチェーンの混乱は収束し、品不足時の過剰発注や過剰在庫の反動による一時的な調整はあったものの、需給バランスは正常化してきており、脱炭素・省電力投資や電気自動車、生成AIなどの先端分野への投資、2024年問題や2025年問題に対する省人化投資などの設備投資が活発化していくものと見込まれます。
このような状況下、次期(2025年3月期)は5ヶ年の中期経営計画「ICHIGAN 2024」の最終年度となりますが、収益の柱と見込んだスマートアグリの事業環境の激変、ヘルスケアの市場低迷に加えエレクトロニクスにおける主要取扱製品の販売終了などの影響もあり、最終年度の経営目標値の達成にはまだ時間がかかる見通しです。
当社グループはこうした環境変化をさらなる成長の機会と捉え、戦略的な投資とブランド価値の向上、技術の集約による提案力とイノベーション力の強化を推し進めるとともに、基幹中核事業であるFAシステム・冷熱ビルシステムではメーカーとの単なる縦の連携から脱却、徹底した顧客志向でハードウェアを販売するためのソリューションモデルからお客様の求める価値にお応えするソリューションへ視点を変革することで事業ドメインを拡大し、競合他社ではできない価値を提案、販路拡大を進めます。
エレクトロニクスではマーケティング機能の強化に取り組み、特に車載向けを中心とした新規顧客の開拓と既存顧客への積極的な拡販に加えパワー・アナログ及びセンサーの取扱いを拡充し、収益力の強化を図ります。
そしてスマートアグリでは収益力の高いビジネスモデルを早期に確立し、植物工場野菜の特長を生かせる市場を自ら創出するとともに、これまで蓄積した光合成エンジニアリング技術をフードテック市場に展開し、事業領域の拡大を図ります。またヘルスケアでは引き続き医療ITソリューションビジネスに注力するとともに、次世代病室プロジェクトや検体検査ビジネスにもチャレンジしてまいります。
次期の業績の見通しにつきましては、連結売上高2,190億円、営業利益72億円、経常利益73億円、親会社株主に帰属する当期純利益53億円を見込んでいます。
なお、上記の見通しは現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。実際の業績は、様々な要因によりこれらの見通しとは異なる結果となることがあります。
また次期中期経営計画は決定次第、公表いたします。
当社グループは、2050年に向けて目指す姿として、「100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」ことをビジョンとして掲げています。その実現に向け、2013年から2015年の中期経営計画「GSP15」では第二の創業期としてソリューションビジネスの創造に挑み、2016年から2018年の「CE2018」では100年企業を目指して顧客価値創造型のビジネスモデルの構築に努めました。この流れを承継する中期経営計画として、2020年度から5年間の中期経営計画「ICHIGAN2024」に取り組んでまいりました。


<脱炭素社会に向けた取り組み>
きれいな地球を未来へと引き継ぐために――。
当社グループは2020年4月にグループ環境ビジョンを制定しました。2030年までに環境に配慮した事業活動を加速させ、サステナブルな社会創りに貢献します。そして、2050年、100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

具体的な取り組みとして、電力使用に関する温室効果ガス排出実質ゼロを目指し、当社所有の栗原太陽光発電所(宮城県栗原市)を有効活用することで、事務所の電力を可能なところからクリーン電力に切り替えていきます。また、ライフサイクル視点での温室効果ガス排出削減を目指した当社独自のトータルカーボンマネジメントを2019年3月期(第79期)から運用しています。
こうした活動を通し、当社グループは「環境」の価値観を共有し、事業活動を通して社会に貢献する「環境経営」を推進していきます。
※トータルカーボンマネジメント:事業活動で排出する温室効果ガスと当社の販売した製品を使用することにより削減された温室効果ガスを数値化し、当社の環境貢献度を見える化した当社独自の環境活動。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)戦略
当社グループは、2050年に目指す姿として「100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」ことをビジョンとして掲げています。この理念とビジョンのもと、サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置づけ、2023年度に制定したサステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティを重視した経営を行っています。そのうえで、事業活動を通じて社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(2)ガバナンス
①総論
当社が掲げるビジョン実現のために、取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置しています。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ課題への全社横断的な推進組織と位置づけ、サステナビリティ経営の基本方針の検証、アクションプランの進捗レビューなどを行い、サステナビリティ課題のプラスの事象(収益機会)の戦略の検証と、気候変動を含むサステナビリティ課題に関するリスクのマイナスの事象を管理します。
②サステナビリティ委員会の取り組み
当社は当事業年度、サステナビリティ委員会においてサステナビリティ経営推進のための組織の新設、各ワーキンググループの活動状況などについて検討し、経営会議・取締役会へ報告しました。
③気候関連のガバナンス
当社グループでは、気候変動を含むサステナビリティ課題を所管するサステナビリティ委員会を設置しています。
カーボンニュートラルへの取組みの加速が問われているお客さまからのニーズ及び自社の温室効果ガス排出に対する責任を自覚し、気候変動への対応を経営の重要課題と位置づけ、サステナビリティを重視した経営を行っています。気候関連の重要事項は、サステナビリティ委員会において審議後、経営会議・取締役会に原則として年1回以上報告され、対策を検討しています。
また、当社グループは、お客さまのカーボンニュートラルに関するニーズにスピーディーに対応するため、経営層が深く関わって気候関連課題の実効性管理を行います。具体的には、気候関連問題の責任者である取締役社長がサステナビリティ委員会において課題の進捗を管理し、必要に応じて各部門、支社・グループ会社に指示し、監督します。
さらに、当社独自のトータルカーボンマネジメント(TCM)により、温室効果ガス排出量及び削減貢献量を可視化、国内外の事業所の活動を推進するとともに、お客さまに提供する商品・サービスを通じて、気候変動の抑制に貢献していきます。活動の進捗状況はサステナビリティ委員会によって審議され、経営会議・取締役会に報告後、取締役会から対策が指示され、気候関連課題への対策の実効性を高める監督体制としています。
(3)リスク管理
①総論
サステナビリティ委員会は、重大な影響を及ぼす、気候変動を含むサステナビリティ課題のリスク及び機会を特定・評価、対応を審議し、委員長 (取締役社長)から経営会議・取締役会へ報告します。取締役会では、サステナビリティリスク及び機会への対応の承認を行い、 サステナビリティ委員会への指示・監督を行います。
②気候関連リスクの管理プロセス
当社では、サステナビリティ委員会が気候関連リスクを監督しており、その下部組織として設置するワーキンググループが気候関連のリスクを管理します。
当社グループの気候関連のリスクに関しては、自社及び国内外のサプライチェーンに影響が及ぶため、各部門・支社・グループ会社と連携したリスク管理が重要であると考えています。そのため、サステナビリティ委員会の下部組織のワーキンググループが各部門・支社・グループ会社に対して、サプライチェーンまで含めた気候関連のリスク管理の指示・監督を行い、サステナビリティ委員会を通じてリスク管理に関する活動状況を最終的に経営会議・取締役会に報告し、指示・監督を受けます。
取り扱う気候関連リスクの管理項目は、CO2排出や気候変動に伴う物理的なリスクとなる災害、規制の変更、新たな規制、市場の変化、レピュテーションや訴訟に関するリスクなどが挙げられます。
また、気候関連の機会に関して、脱炭素に向けて気候変動の「緩和」に関連する市場の拡大や、気候変動の影響を低減する「適応」に関連する市場の拡大が期待されます。そのため、各部門では、気候関連のシナリオ分析を踏まえた事業計画を策定しています。
これらの対応に必要な気候変動に対する戦略や事業計画及び年度予算、目標・実績等については、サステナビリティ委員会で審議しています。また、取締役会に報告し、審議、監督を受けます。
③気候関連のリスクと機会
当社のお客さまにとって、カーボンニュートラルは喫緊の課題であり、「事業創出会社」を目指す当社にとって、気候変動に対応した商品やサービスの提供は好機であると考えます。
そのため、当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を当社の気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、持続可能な成長に向けて、成長機会の取り込み及びリスクへの対応を行っています。
具体的には、当社グループに影響をもたらす気候関連のリスク・機会を洗い出し、脱炭素シナリオ(1.5~2℃シナリオ)および気候変動進行シナリオ(4.0℃シナリオ)を設定しています。そのうえで、2050年に目指す姿の実現に向け、2050年頃のリスク・機会の財務面・戦略面に与える影響を評価しています。脱炭素社会への移行に向けた規制強化といった移行リスクについては脱炭素シナリオ(1.5~2℃シナリオ)を、気候変動進行に伴う異常気象の増加といった物理リスクについては気候変動進行シナリオ(4.0℃シナリオ)をそれぞれ参照し、発生可能性や影響度を評価しています。
シナリオ
リスク・機会の「発生可能性」及び「影響度」については、それぞれ以下のように定義しており、このうち、「発生可能性」が4以上、「影響度」が4以上のリスク・機会を重大な影響と定義しています。
気候変動に関するリスク・機会についても、最終的には財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響をもたらす可能性が考えられるため、同様に、「発生可能性」「影響度」でリスク・機会の特定と評価を行っています。
発生可能性と影響度
なお、当社の事業は、仕入先からの製品調達やビジネスネットワーク構築など、「サプライチェーン」と深いかかわりを持つビジネスモデルにより確立されています。こうした理由から、気候変動リスク・機会が当社の財務面・戦略面に与える重大な影響を検討する際、グローバルなサプライチェーンの責任ある一員として、自社のみならずサプライチェーンも含めた影響を考慮しています。
そのうえで、環境規制の動向と市場の変化を注視し、戦略や業務への影響を検討、冷熱ビルシステムでは省エネ性能が高い商品の提供を強化し、FAシステムでは生産効率を改善するシステムの提供強化等を進めていきます。
中期的には、脱炭素実現に向かって活動するお客さま、仕入先メーカーとの対話を通じて技術開発に貢献するなどし、脱炭素対応の新規商品の提供を加速させていきます。こうした「気候変動による好機のリスクと機会」に対して、気候変動対応ロードマップ(移行計画)を策定し、活動を推進していきます。
気候関連のリスク・機会
シナリオ分析
法規制強化による自社のエネルギーコストの増加
「法規制強化による自社のエネルギーコストの増加」のリスクに関して、国際エネルギー機関(IEA)のシナリオをもとに、財務面への影響を評価しています。1.5℃シナリオの場合、炭素価格の上昇により、財務面に一定の影響があると想定されます。
当社として、再生可能エネルギーの利用等を推進しているほか、電力を多量に使用する植物工場においては、最適制御等によるエネルギー効率化を進めています。こうした脱炭素に向けた取り組みを進めることで、法規制強化による影響を低減可能と考えています。
※為替レート:1USD=130円で算出
※上記シナリオは、当社単体+国内連結対象会社(テクノフォート、ブロックファーム)+海外連結対象会社(7社)を対象範囲として検討。
環境負荷低減に繋がる半導体等の需要拡大
国際エネルギー機関(IEA)では、内燃車(ガソリン車等)やゼロエミッション車(EV等)の乗用車新車登録台数の予測を行っています。STEPS(公表政策シナリオ)やAPS(発表誓約シナリオ)といったシナリオ毎に内燃車やゼロエミッション車の新車登録台数は異なっていますが、いずれのシナリオにおいても、全体の新車登録台数、およびEVの新車登録台数は現状より増えると予測されています。
EVに搭載される半導体の数は、ガソリン車と比較すると2倍以上になるといわれています。脱炭素化が加速し、EVが普及することで、半導体の需要がさらに増えることが期待できます。一方で、充電インフラ整備の遅れや政府の補助金削減によるEV価格の高騰等により、EVの普及にブレーキが掛かる可能性があります。
そのため、新事業の創出や新規パートナーとの連携を図り、環境負荷低減につながる半導体や電子部品の商材を増やすとともに、その提案・販売を拡大していきます。
(4)指標及び目標
当社グループでは、気候変動への対応が重要な社会課題であるという認識のもと、すべての自社内における事業活動に伴う温室効果ガス排出量を2030年度までに2021年度比で100%削減する目標を策定しています。
目標に対する進捗

※2023年度における温室効果ガス排出量Scope1、2の値は有価証券報告書提出時点での暫定値を記載しております。
※上記、数値の確定値は当社ホームページ「気候に対する考え方」
(https://sustainability.ryoden.co.jp/environment/climatechange/)に開示予定です。
※第三者検証後の温室効果ガス排出量(㈱テクノフォート・ブロックファーム合同会社・海外連結対象会社を含む)、Scope3の値は算定が完了次第、当社WEBサイトの「ESGデータ集」(https://sustainability.ryoden.co.jp/data/)に開示予定です。
※Scope2は、マーケット基準での開示となります。
※温室効果ガス排出量の低減には、当社保有の栗原太陽光発電所(宮城県栗原市)由来のトラッキング付き非化石証書を活用しております。
※目標設定以後、算定範囲に変更があるため、今後、目標を見直す可能性がございます。
(5)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りであります。
①人材育成方針
当社グループでは、企業理念体系の上位概念として「パーパス」及び「バリューズ」を制定しています。
私たちは、「事業創出会社」として2050年グループビジョン「100年企業として環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」に向けて、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値の向上とさらなる成長を目指して従業員・顧客・パートナー・地域社会・株主など、全てのステークホルダーの期待に応えることを目標にしています。また中期経営計画「ICHIGAN 2024」では、あるべき姿 (5年後のRYODEN)として「代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新たな価値を生み出し続ける」ことを掲げ、戦略の柱のひとつとして事業推進基盤の強化(グローバル人材の育成、グループガバナンスの強化)に取り組んでいます。
②環境整備方針
(a)「人が育つ文化」の醸成
「自ら考え、自ら行動する、成長意欲の高い自律型人材」が育つ環境整備を行うため、2020年度に人材育成委員会を発足しました。同委員会では、新入社員から中堅社員層に対しては当社社員として必ず身につけるべき行動規範・事業推進スキルをビジネススキルマップとして定義、マネージャー層に対してはメンバーの成長を支援し組織運営を正しく機能させるためのマネジメントマニュアルを策定し、全従業員に公開しています。
各職場では、スキルマップやマネジメントマニュアルを用いて、自身に求められているスキルと現在置かれている状況を踏まえて、職場での教育(OJT)や職場外研修(OFF-JT)、自己啓発(SD)や各種諸制度等を効果的に組み合わせ、「基準を示し・教え・要求し・評価する」グローイングサイクルを回すことで、新たな価値創造に挑戦できる人材の育成を進めています。同時に、2023年度には、ビジネススキルマップを基にした、事業や部門ごとのスペシャリスト育成に向けたキャリア体系(キャリア開発研修、キャリアルート)の構築に向けた準備を実施しています。これにより、従業員は自社での成長が具体的に可視化され自律的なキャリアを歩むことが可能となり、当社として「人が育つ文化」を醸成することで、従業員と会社双方の長期的な価値向上を図っていきます。
(b)多様なキャリア選択が可能な人事制度の構築
新入社員から中堅層クラスの人事制度では、採用時は総合職・事務職に区分するものの、育成を含む一定期間が経過し基準を満たした社員については、本人の意欲や働き方に応じて、総合職・事務職の垣根を無くして同一資格者としてキャリアが歩めることを可能とし、その資格には自ら考え・仕事の質を高め・成果を出すことを推奨する制度としています。
また 、2022年には、中核人材と位置付けられる階層(上級職)の人事制度についても対しても、経営理念の「社員の人格と個性を尊重し、専門性及び改革心と創造力の高い人材を育成する」に基づき、個々の役割や職務に応じた現在価値基準を明文化し、社員の能力発揮度と職務遂行度を評価するシステムを確立しました。この層にはマネージャーや高度な専門性を持つスペシャリストが含まれており、双方のキャリアパスが歩める複線型人事制度になっています。
今後は、上記キャリアパスの構築と併せて、実際の制度運用を通して、当社社員一人一人が自身の強みと専門知識を最大限に活かして社内でキャリアを歩むことができるよう、環境整備を構築してまいります。
(c)心理的安全性と相互理解を高める環境づくり
上記の取り組みにより個々人のスキルアップの推進や多様なキャリア選択を可能とすると共に、組織にも着目して、組織の最小単位である課を1つのチームとして約3ヶ月間の研修プログラムを実施し、チームメンバーの多様な考え方やバックグラウンドを活かす土台として、「本音で意見が言い合える」心理的安全性の高い職場づくりを推進しています。プログラムでは、チーム内の相互理解を深めることでメンバー同士の関係の質を高め、チームメンバーがより能動的に課題を発掘し、解決に向けたアイデアを出し合える、といった思考の質を高め、実際に解決に向けて皆で力を合わせて自律的に行動する、といった成功循環モデルのサイクルを回していく内容となっています。
(d)健康経営の推進
からだの健康については、全社員が健康診断を受診するよう徹底し、生活習慣病のリスクの高い社員に対しては保健師による指導・改善に繋げています。また、予防医療費(人間ドック等)の補助金額を拡充し、健康保険組合の協力の元で卒煙プログラム、ウォーキングイベントを実施しています。長時間労働の状況については、安全衛生委員会等で定期的に労使で共有し、一定の基準を超えた社員に対する産業医面談、直属上司と管理部門との面談を実施し、健康確保措置を強化しています。
こころの健康については、全社員がストレスチェックを受診するように徹底しており、結果を本人へフィードバックし、必要な場合には、相談やカウンセリングの受診を推奨する等、セルフケアに繋げています。また、ストレスチェックに加えて従業員エンゲージメント調査も実施しており、この2つの診断結果から見える社員の状態、エンゲージメントの状態を専門家の説明を加え経営陣や管理職へフィードバックし、改善活動につなげることで職場でより効果の高いこころの健康づくりができるように支援しています。
(e)ワークライフバランスの推進
社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、フレックスタイムや在宅勤務制度の導入など柔軟な勤務制度をはじめ社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。ワークライフバランスについての数値目標は、「2024年度年次有給休暇取得率65%」を設定しており、2023年度では76%となっています。
(f)育児が行いやすい勤務環境の構築
子育て支援に関しては、就業支援としては、子が小学校3年生までの育児短時間勤務制度やフレックスタイム勤務制度等があります。金銭的支援としては、産前産後休業は有給、育児休業中においても約50%の賞与を支給しており、子供に対する家族手当の増額、託児所利用や不妊治療に対する費用補助等も行っています。
育児休業取得率としては、2023年度女性100%・男性45.5%となっています。
(g)女性活躍推進
当社では、マネジメントに長けた社員だけではなく専門性を備えた社員も重視し、女性管理職というよりも女性中核人材(上級職)候補の裾野を広げていくことに着目して、新卒総合職採用活動や研修制度の再構築、環境整備に取り組んでいます。
女性中核人材(上級職)の登用について、当社は、従来から理工系の学生を中心として総合職を採用してきたことから、総合職に占める男性の割合が高く、2024年3月時点の中核人材(上級職)317名のうち、女性は8名(2.5%)です。
一方、2024年3月時点で、中核人材(上級職)候補となる女性社員は、全社員の候補者426名のうち、176名です。
採用活動では、新卒総合職のうち3割を女性とすると共に、入社後は、育成方針に基づき、性別にとらわれずに中核人材(上級職)へスムーズに進むための環境を整えています。具体的には、育成環境整備(ビジネススキルマップやマネジメントマニュアル整備と実践、キャリアパス環境の運用)や、個々人が自らの状況に応じて手挙げ制で受講できるスキルアップ研修プログラム(自律型人材のベースとなるロジカルシンキングや問題解決・仮説思考、業務変革など)の実施を進めています。
これらの取り組みを通して、中核人材(上級職)候補となる女性社員の裾野を広げていき、将来の女性上級職の数を現在の8名(2.5%)から2030年には20名程度(5%程度)まで拡大させていきたいと考えています。
キャリア採用については、専門分野の経験者や即戦力としての人材を求めており、性別を指定した募集はしていませんが、その中で女性の応募があれば、性別にとらわれず希望を傾聴し、マッチング確認をしながら採用活動を進めています。
また、「2030年度 女性中核人材(上級職)数を20名程度に」を目標とした女性社員による座談会を実施し、女性社員から生の声を収集しました。女性社員からは、早期キャリア開発を目的とする研修や、育児休業からの復職支援の充実化などが提案され、それらの意見を踏まえ順次実施していくことで環境整備に繋げていこうとしています。
(h)障がい者雇用推進
障がい者雇用については継続的に取り組んでおり、当社でやりがいを感じ働き続けられるよう、応募者一人ひとりが求める業務内容や働き方を傾聴し、その希望を満たす業務が当社で用意できるかを丁寧に検証しながら進めています。2023年度は1名の採用を行いました。2024年4月には2名を新たに採用しており、今後も推進してまいります。
(i)外国籍人材の活躍推進
グローバル人材育成の一環として、国内若年層総合職の海外グループ企業への研修派遣や、海外グループ企業スタッフの現地化、国内における外国人採用活動等を進めています。特に海外グループ企業のマネジメント層を国内派遣者から現地社員に切替えていくことは、ローカルビジネスの加速や当社グループ全体としての機動力や効率性向上に繋がると考えています。
2024年3月時点、海外グループ会社の管理職63名のうち33名が現地採用の外国人です。なお海外グループ会社ごとに人事制度が異なるため、中核人材としての人数は示し難いですが、現地化を進めることで次世代を担う階層が管理職候補として活躍することを目指し取り組んでいます。
2024年4月には、国内における3名の外国籍人材を採用しており、当社グループの中核人材として活躍することを期待しています。
(j)当社人材への投資費用
人材への投資額としては、2024年度は年間70百万円を予定しています(研修費用・研修制度構築に係るコンサル費用)。
(6)指標及び目標
当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注)連結(1,360名)の大部分を占めるのは提出会社単体(996名)であり、また人事・雇用制度が異なるため、実績の数値は提出会社単体での開示としています。
当社は、当社グループのリスクマネジメントに関する「リスクマネジメント基本規程」を定め、担当の役付執行役員を委員長とする「事業リスク委員会」において当社グループの多面的なリスクマネジメントを行っています。
委員会を構成する各委員は、現在本社管理部門の長・事業本部長です。事業リスク委員会は当社グループ全体のリスクを分析し、発生可能性と影響度等を勘案し、管轄するリスクマネジメント統括委員会にその活動状況などを報告するとともに、主管部門に各対策の立案を指示し、その実施状況を監督します。
体制図については、本有価証券報告書 第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等又は当社「RYODEN REPORT 2023」コーポレートガバナンスに記載のとおりです。
「RYODEN REPORT 2023」 https://ir.ryoden.co.jp/library/annual/
(2) 当社のリスクマネジメント体制の運用状況
事業リスク委員会は原則年2回開催しており、本委員会では企業活動に関して抽出されたリスクとその対応策を策定するとともに、リスクマネジメントが有効に機能しているかの検証・評価を行います。
当事業年度は2回開催し、主要仕入先との関係、自然災害、情報セキュリティ、カントリーリスク、急速な円安の進行による財務リスク、車載・産業市場の顧客の生産調整に伴う納入遅延などによる在庫リスク、その他投資案件などへの対応・対策について検討・評価しました。
(3) 事業等のリスク
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、リスクの発生可能性及び影響度については、それぞれ以下のように定義しております。
①経済環境の変動に関するリスク
②主要仕入先との関係
③自然災害の発生
④新事業の展開
⑤カントリーリスク
⑥為替レートの変動
⑦在庫
⑧投資
⑨気候変動問題への対応
⑩コンプライアンス
⑪パンデミック
⑫情報セキュリティ
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
当連結会計年度における世界経済は、欧米ではインフレを起因とする金融引き締めが続き、ウクライナ侵攻の長期化により食料品やエネルギー資源が高騰、アジアでは中国の不良債権問題の顕在化や経済安全保障の動向により輸出規制やサプライチェーンにも影響が出るなど総じて弱含みに推移しました。
国内経済は、日米金利差により円安が進むなか、企業収益は高水準を維持し、人手不足解消のためのデジタル投資や半導体・電動化関連などの設備投資も高水準で推移しました。個人消費については、エネルギー価格や消費財の高騰などの影響により足踏み状態で推移しました。
当社グループの取引に関係する業界は、産業機器市場で一部在庫調整の局面が見られ、また工事現場や生産現場における人手不足が顕在化したものの、省力化投資などの設備投資や自動車生産の回復に加え、サプライチェーンの回復とリバウンド需要などにより堅調に推移しました。
このような状況下、当社は、2023年4月には会社名を「菱電商事株式会社」から「株式会社RYODEN」に変更、新生RYODENとして新たな価値を創造すべく「成長事業のビジネスモデルの確立」「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,590億8百万円(前期比0.5%減)、営業利益83億26百万円(前期比11.2%減)、経常利益82億36百万円(前期比9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益57億36百万円(前期比6.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。

セグメントごとの業績の概要及び分析は、次のとおりです。

工作機械向けの販売は低調に推移しましたが、盤メーカー及び半導体製造装置メーカー向けの販売が好調だったことに加え、エンドユーザー向け大型設備投資案件の獲得に注力したことで好調に推移しました。

冷熱分野では、製造業の設備投資やインバウンド需要が回復したことで、業務用パッケージエアコン、低温設備機器の販売が好調に推移しました。
ビルシステム分野では、建設市場における資機材高騰や工期長期化の影響を受けましたが、昇降機設備や環境・省エネ設備案件などのビルマネジメント分野の受注を獲得したことで好調に推移しました。

ヘルスケア分野では、医療関連の設備投資が落ち込んだことにより、IT関連機器をパッケージ化して提供するサブスクリプションサービス「トータルパックIT」等の販売が低調に推移しました。
ICT分野では、ビデオマネジメントシステム「FlaRevo」やRFID関連製品の販売が減少しましたが、PC・サーバーを始めとしたIT関連機器の販売は好調に推移しました。
スマートアグリ分野では、電気代高騰等の影響を受け引き続き受注が低調に推移したものの、2025年度以降再投資局面に入ることをにらみ、植物工場野菜の研究開発・生産・販売・ブランディングを提供できる体制を整え、データドリブンで収益性の高いスマート農業の実現に向けた当社独自サービスの構築に引き続き取り組んでおります。

国内では、車載市場は一部顧客の在庫調整もありましたが、インフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ、センサーIC等の販売が堅調に推移しました。産業機器市場では顧客の受注残による生産が継続したことでパワーデバイス等の販売が堅調に推移しましたが、中国の景気減速の影響を受け、年度後半は生産調整により低調な推移となりました。
海外子会社では、東南アジア地域の車載関連向けメモリ等の販売が堅調に推移したものの、中国市場の景気減速の影響を受け民生・産業機器関連向けアナログ半導体等の販売が低調に推移しました。
通期の業績の見通しとして公表した経営目標値とその達成状況は次のとおりです。
(2)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しています。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しています。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しています。
3 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(3)財政状態
資産の部は、受取手形、売掛金及び契約資産が12億49百万円、商品及び製品が26億78百万円減少しましたが、現金及び預金が76億51百万円、電子記録債権が31億36百万円増加したことにより、資産合計は前連結会計年度末比49億78百万円増加し、1,560億27百万円となりました。
負債の部は、電子記録債務が126億53百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が141億31百万円、短期借入金が1億90百万円、退職給付に係る負債が26億1百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比22億6百万円減少し、689億44百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を57億36百万円、配当金19億1百万円計上、為替換算調整勘定が7億90百万円、その他有価証券評価差額金が7億84百万円、退職給付に係る調整累計額が17億27百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比71億84百万円増加し、870億83百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.9ポイント増加し、55.7%となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比73億31百万円増加し、184億22百万円の残高となりました。
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、99億42百万円(前年同期比101億41百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益84億7百万円の計上と、売上債権・棚卸資産、並びに仕入債務の増加によるネット資金の増加2億18百万円、未収入金の減少による資金の増加29億15百万円、法人税等の支払34億45百万円によるものです。
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、7億10百万円(前年同期比5億40百万円収入増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億6百万円、無形固定資産の取得による支出2億24百万円、投資有価証券の取得による支出1億82百万円によるものです。
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、22億83百万円(前年同期比21億68百万円支出増)となりました。これは主に、配当金の支払18億97百万円、短期借入金の返済2億73百万円、長期借入金の返済1億10百万円によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
中期経営計画「ICHIGAN 2024」においては、事業創出会社として既存の枠を超えた新たな付加価値を創造することを目指し、「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」による収益力の強化に向けた成長投資を行ってまいります。
株主還元については、中長期的な安定配当を維持継続することを基本として、各事業年度の連結業績及び中長期的なグループ戦略等を勘案のうえ配当性向40%~60%を目安に利益還元を実施してまいります。
これら資金需要に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フロー及び手許資金を充当することを基本としております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
2024年3月31日現在における主な代理店契約等は次のとおりです。
(注) 1 全て自動更新です。
2 2005年6月1日から契約の定めに基づき当事者のいずれかから解除されるまでです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりです。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1)FAシステム
FAシステムでは、国立大学法人信州大学とバイオミメティクス(生物模倣)のレーザー加工技術に関する共同研究開発を行っています。
当セグメントに係る研究開発費は、
(2)冷熱ビルシステム
冷熱ビルシステムでは、神戸大学と冷凍機排熱を利用した空調エネルギーの削減モデルの検証、冷媒配管熱を利用した除湿装置の開発、および当社独自研究としてCO2濃度を自動計測することによるロスナイの最適な換気制御の開発を行いました。
当セグメントに係る研究開発費は、
(3)X-Tech
X-Techでは、スマートアグリ事業部では、NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開
発・社会実装促進プログラム」において革新的省エネ植物工場技術の開発、ヘルスケアで次世代病室プログラムの
開発を行いました。
当セグメントに係る研究開発費は
(4)エレクトロニクス
エレクトロニクスでは、ペストコントロールを支援するクラウド型AIサービス(Pescle)の開発、CUSIC社と次世
代パワー半導体に関する共同研究開発等を行いました。
当セグメントに係る研究開発費は