当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断するものです。
(1) 経営成績に関する説明
当中間連結会計期間における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調が続いた一方、米国の通商政策の影響や、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れ、原材料・エネルギー価格の高止まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いており、消費者の購買行動は、より選択的になってきています。
このような環境の中、当社グループでは、戦略強化ブランドを中心に、商品ラインナップやマーケティングを強化するとともに新規出店の着実な進展により、当中間連結会計期間の業績は堅調に推移しました。また、前第3四半期連結会計期間に完全子会社化した株式会社ウィゴーでは、SNS連動型のプロモーションやコラボアイテムなど、Z世代を中心とした若年層へのブランド訴求施策が奏功し、グループ全体の収益性の拡大に寄与しました。
以上の結果、連結売上高は1,126億36百万円(前年同期比18.4%増)、連結営業利益は57億36百万円(前年同期比9.1%増)、連結経常利益は55億21百万円(前年同期比5.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は48億22百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
また、当社グループでは、新規事業の創出やM&A等を活用した事業基盤の強化・拡大により成長を加速していく中で、会計基準の差異にとらわれることなく企業比較を容易にすることを目的とし、EBITDA(営業利益+減価償却費およびのれん償却費)を重要な経営指標としています。
当中間連結会計期間のEBITDAは84億8百万円(前年同期比9.3%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりです。
〔国内事業〕
中核事業会社の株式会社オンワード樫山は、「クリック&トライ」サービス導入店舗を引き続き拡大しました。『23区』の売上高は堅調に推移するとともに『アンフィーロ』は大幅な増収となりました。
オーダーメイドスーツの『KASHIYAMA』を展開する株式会社オンワードパーソナルスタイルは、デジタル広告によるプロモーション施策が引き続き奏功し、売上高が大幅に伸長しました。
チャコット株式会社は、『チャコット・コスメティクス』の定番ラスティングベースと、季節限定品「クールシリーズ」が好調に推移しました。
『WEGO』を展開する株式会社ウィゴーは、各コラボアイテムや盛夏アイテムが好調に進捗し、売上高が大幅に伸長しました。
以上の結果、国内事業の業績は増収増益となりました。
〔海外事業〕
ヨーロッパ地域は、英国ロンドン発祥のコンテンポラリーデザイナーズブランドであるJOSEPH事業が、小売は堅調に推移したものの、卸売が苦戦し、減収増益となりました。
アメリカ地域は、前連結会計年度末に米国グアムにおけるゴルフ事業会社の株式譲渡をおこなった影響により減収となりましたが、トラディショナルブランドであるJ.PRESS事業のEコマース売上高が伸長し、収益性が改善しました。
アジア地域は、オーダーメイドスーツの生産受注の増加に伴い大連工場の稼働率が向上し、売上高が拡大しました。一方で中国経済の減速などの影響から、中国・香港における小売は苦戦し、減収となりました。
以上の結果、海外事業の業績は減収となりました。
(2) 財政状態に関する説明
(資産、負債、純資産の状況)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1億93百万円減少し、1,790億25百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が5億51百万円、商品及び製品が37億63百万円、その他の流動資産が34億41百万円増加し、現金及び預金が31億78百万円、投資有価証券が36億20百万円減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億35百万円増加し、953億67百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が20億43百万円、短期借入金が9億7百万円増加し、長期借入金が28億27百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ6億29百万円減少し、836億58百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による増加48億22百万円、その他有価証券評価差額金の減少14億56百万円、為替換算調整勘定の減少4億58百万円、剰余金の配当による減少35億29百万円によるものです。
この結果、自己資本比率は46.7%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益、棚卸資産の増加、売上債権の増加、仕入債務の増加等により39億80百万円の収入(前年同期は62億82百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、差入保証金の回収による収入等により11億69百万円の支出(前年同期は27百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増減および配当金の支払いが主なもので58億95百万円の支出(前年同期は47億72百万円の支出)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて31億78百万円減少し、103億27百万円となりました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
記載すべき重要な研究開発活動はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。