第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

わが国経済の見通しにつきましては、堅調な輸出環境と製造業の高い活動水準、及びオリンピックに向けた国内インフラ需要の盛り上がりなどにより好調な推移が予想される一方で、米国の通商政策や円高進行、北朝鮮の情勢など懸念材料も見受けられ、先行き不透明感が払拭できない状況です。

このような状況の下、当社グループは「神戸製鋼グループの中核となるグローバル商社を目指す」を長期経営ビジョンとし、その実現に向け2016‐2020年度中期経営計画を達成すべく各施策を推し進めております。対処すべき課題は以下のとおりです。

 

①グローバルビジネスの加速

(ⅰ)海外グローバル拠点の拡充

海外3大拠点(米国、タイ、中国)のより一層の機能充実を進めております。米国では、現政権の政策に対する不透明感はありますが、米国拠点と深い繋がりのあるメキシコの冷間圧造用鋼線(CHワイヤー)の製造・販売会社 「Kobelco CH Wire Mexicana, S.A. de C.V.」社製品の拡販によりビジネス拡大を図ってまいります。タイでは、神戸製鋼所の線材圧延合弁事業「Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.」社へのビレット供給及び製品販売サポート強化によりビジネス拡大を図っております。中国におきましても、神戸製鋼所の自動車パネル用アルミ板材事業「神鋼汽車鋁材(天津)有限公司」社製品の川下物流・加工機能対応強化を図ってまいります。また、アセアン・インド地域につきましては、地域統括機能の充実により域内サポート機能の強化を図ってまいります。

(ⅱ)海外取引比率の向上

海外取引比率を長期的には50%まで高めることを目指してまいります。

 

②商社機能の強化

韓国における神戸製鋼所のアルミ板圧延合弁事業「Ulsan Aluminum Ltd.」社への原料供給と製品販売を物流・金融などの面においてサポートし同社の早期立ち上げに貢献してまいります。国内においては、「森本興産株式会社」を子会社化し、また、既に子会社化していた「中山金属株式会社」を完全子会社化しました。なお、「森本興産株式会社」は、平成30年4月1日付で完全子会社化しております。

引続き投資事業の収益拡大、M&Aの継続的な実施などにより、一層のビジネス拡大を図ってまいります。また、メーカー商社として積極的な提案を行うとともに、成長分野への進出を図ってまいります。

 

③経営基盤の充実

(ⅰ)人材の確保と育成

グローバルビジネスに対応するため、幅広い人材の採用や活用、若手社員の海外派遣研修、ナショナルスタッフの日本研修など、将来に向けた人材の確保、配置、育成を積極的に実施してまいります。また、働き方の多様化に対応した労働環境作り、有給休暇取得の促進、時間外労働時間の削減にも取り組んでまいります。

(ⅱ)財務体質の強化

事業投資拡大に対応すべく資金調達力の強化、グループ内の資金効率の向上を図るとともに、自己資本の更なる充実を目指してまいります。

(ⅲ)経営システムの充実

コンプライアンス、安全・品質・環境を含めたリスクマネージメントの徹底、コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)経済環境・事業環境リスク

当社グループは、国内を中心に米国及びアジア地域を含めたグローバルビジネスを積極的に展開しております。従って、国内はもとより、米国及びアジア地域の経済環境及び事業環境の変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)特定取引先への集中

当社は㈱神戸製鋼所の関連会社であり、当連結会計年度末現在、同社グループは当社の議決権の35.0%(間接所有分を含む。)を所有しております。当連結会計年度において、売上高に占める同社への売上高は35.6%であり、また、仕入高に占める同社からの仕入高は28.4%であります。このため同社の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)金利リスク

当社グループは、金利スワップを用いるなど借入金に係る金利の変動リスクの軽減に努めておりますが、急激な金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)為替リスク

当社グループが行う取引には外国通貨建の海外取引が含まれており、為替相場の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替予約等を用いるなどの為替リスクを回避する対策を講じておりますが、リスクをすべて排除することは困難であります。また、当社の連結財務諸表には、海外連結子会社等の外国通貨建事業に係る為替換算リスクが存在しております。

 

(5)商品価格リスク

当社グループが取り扱う商品は多岐にわたっており、相場変動による商品価格リスクを伴うものが含まれております。そのため、商品価格の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)信用リスク

当社グループが行う取引には国内及び海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクが存在いたします。「信用限度規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)株価リスク

当社グループは、取引先などの株式を中心に時価のある株式を保有しており、今後の株価動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)事業投資リスク

当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)カントリーリスク

当社グループは、貿易取引又は海外投融資の相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権又は投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応しておりますが、特定の国又は地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(10)訴訟等のリスク

当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外に有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1)経営成績

当連結会計年度における世界経済は、着実に回復が続く米国経済に加え、中国をはじめとする新興国等においても引き続き成長が見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。わが国経済は、企業収益の改善に伴う好調な雇用環境や積極的な設備投資とともに、製造業をはじめとする企業の生産活動に改善が見られるなど、緩やかな成長が続きました。

このような環境の下、当社グループは、海外ではメキシコの冷間圧造用鋼線の製造・販売会社「Kobelco CH Wire Mexicana, S.A. de C.V.」が量産を開始しました。また、韓国のアルミ板切断加工・卸売会社「KTN Co.,Ltd.」が現地での液晶・半導体製造装置の需要拡大への対応を目的に工場の拡張移転を実施するなど、グローバルビジネス展開の基盤拡充を図ってまいりました。国内では、鋼板製品の切断加工・卸売会社「森本興産株式会社」を株式取得により子会社化し、また、連結子会社である非鉄金属の卸売・加工会社「中山金属株式会社」を株式の追加取得により完全子会社化するなど、販売体制の強化を推し進めてまいりました。このような活動を通じて、メーカー商社の特色を活かしたビジネスを積極的に推進してまいりました。

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は929,467百万円前連結会計年度比20.8%増)、営業利益は8,119百万円同68.5%増)、経常利益は8,624百万円同64.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5,449百万円同83.5%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

①鉄鋼

鋼板製品は国内向けは製造業の堅調な需要等により取扱量が増加し、価格も市況の影響により上昇しました。また、輸出向けは取扱量が減少したものの、価格は上昇しました。線材製品は国内向けは取扱量が増加し、輸出向けは取扱量が減少しましたが、自動車向け価格の上振れ等の影響により、国内外ともに価格は上昇しました。

これらにより売上高は338,632百万円前連結会計年度比19.5%増)、セグメント利益は4,048百万円同53.1%増)となりました。

 

②鉄鋼原料

輸入鉄鋼原料は取扱量が増加し、価格も上昇しました。冷鉄源は取扱量が増加し、価格も上昇しました。合金鉄、チタン原料は取扱量が増加しました。

これらにより売上高は303,069百万円前連結会計年度比33.1%増)、セグメント利益は1,394百万円同33.8%増)となりました。

 

③非鉄金属

銅製品は空調用銅管、自動車向け端子材用銅板条、半導体向け銅板条の販売量が増加しました。アルミ製品は自動車向けアルミ板条及びアルミ押出材、液晶・半導体製造装置用のアルミ加工品の取扱量が増加しました。また、非鉄原料は銅スクラップの取扱量が増加しました。

これらにより売上高は242,656百万円前連結会計年度比21.3%増)、セグメント利益は2,175百万円同52.6%増)となりました。

 

④機械・情報

機械製品は製鉄所向け及び圧縮機工場向け大型設備案件等の取扱いは減少しましたが、汎用圧縮機、熱処理炉、試験設備、電池関連材料等の取扱いが増加しました。情報関連商品は太陽電池関連機器等の取扱いが減少しましたが、パソコン用部品等の取扱いは増加しました。

これらにより売上高は66,933百万円前連結会計年度比1.8%減)となりましたが、セグメント利益は967百万円同758.5%増)となりました。

 

⑤溶材

溶接材料は国内の取扱量は建築鉄骨を中心に、建設機械など流通向けが堅調に推移しました。造船向けは横ばいとなりましたが、化工機向けが減少しました。また、輸出の取扱量も減少しました。溶接関連機器は汎用溶接機、鉄骨溶接ロボットシステムの取扱いは堅調に推移しました。造船設備については海外向けは増加しましたが、国内向けが大きく減少しました。生産材料はチタン原料の減少が売上に大きく影響しました。

これらにより売上高は42,080百万円前連結会計年度比1.1%減)、セグメント利益は94百万円同65.3%減)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱神戸製鋼所

262,437

34.1

330,960

35.6

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は240,383百万円となり、前連結会計年度末比24,781百万円増加いたしました。これは、受取手形及び売掛金と商品及び製品の増加が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は43,908百万円となり、前連結会計年度末比2,000百万円増加いたしました。これは、保有株式の時価の変動による投資有価証券の増加が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は205,324百万円となり、前連結会計年度末比23,439百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金と短期借入金の増加が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は25,242百万円となり、前連結会計年度末比2,701百万円減少いたしました。これは、長期借入金の減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は53,725百万円となり、前連結会計年度末比6,043百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことに加え、保有株式の時価の変動によりその他有価証券評価差額金が増加したことが主な要因であります。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,531百万円増加し、19,022百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、199百万円となり、前連結会計年度に比べ5,675百万円減少しました。これは主に、売上債権の増加額19,567百万円とたな卸資産の増加額5,392百万円などの減少要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△680百万円となり、前連結会計年度に比べ637百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出660百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,840百万円となり、前連結会計年度に比べ7,416百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加額5,306百万円によるものであります。 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。