第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)企業理念

私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。

 

(2)経営環境、経営方針および対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、当社グループの各セグメント業績へ影響を与える事象であり、特に鉄鋼セグメント及び非鉄金属セグメント、溶材セグメントにおいては、国内外の自動車メーカーの一時的な操業停止や生産計画の縮小等に伴うセグメント売上高の減少等により、2020年度以降、業績へ重大な影響を与える可能性があります。
 このような状況ではありますが、当社グループは2016‐2020年度中期経営計画の最終年度として、目標にむけて各施策を推し進めてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

中期経営計画では、2020年度に連結売上高8,900億円、経常利益80億円を目指してまいります。

 

(4)経営戦略

①グローバルビジネスの加速

(ⅰ)海外グローバル拠点の機能強化

海外3大拠点(米国、タイ、中国)を中心とした海外拠点の機能強化、日本を含む三国間取引など有機的なビジネス展開を引き続き推進してまいります。米国国内では、自動車産業向けに鉄鋼・非鉄部材の拡販を引き続き推進いたします。中国では「蘇州神商金属有限公司」において、自動車パネル用アルミ板材の加工を軸としたアルミ材販売拡大を進めてまいります。またアジア各地域においても、ベトナムにおける非鉄セグメントのビジネス基盤強化、インドの厚板切断および製缶部品の製造・販売会社 「Kobelco Plate Processing India PVT. LTD.」 社の更なる技術力向上など、ビジネス基盤の強化に努めてまいります。

(ⅱ)海外取引比率の向上

海外取引比率を長期的には50%まで高めることを目指してまいります。

 

②商社機能の強化

連結子会社であるコベルコ筒中トレーディング株式会社と中山金属株式会社の両社を経営統合し、2019年7月に「神鋼商事メタルズ株式会社」として発足、非鉄金属セグメントにおいて、同社、当社および神商非鉄株式会社との役割最適化による営業力強化を図ります。また溶材セグメントでは、2019年4月に完全子会社化したエスシーウエル株式会社の機能活用による国内溶材事業の再編を推進してまいります。

引き続き、既投資事業の安定操業と収益拡大を推進するとともに、今後もM&Aを継続的に検討・実施してまいります。また、メーカー商社としてお客様に積極的な提案を行い、次の成長分野を模索し、事業の拡大を図ってまいります。

 

③経営基盤の充実

(ⅰ)人材の確保、配置、育成

グローバルビジネスに対応するため、幅広い人材の採用や活用、若手社員の海外派遣研修、ナショナルスタッフの日本研修など、将来に向けた人材の確保、配置、育成を積極的に実施してまいります。また、フレックスタイムの導入など働き方の多様化に対応した労働環境作り、有給休暇取得制度の改善、時間外労働時間の削減など、働き方改革にも取り組んでまいります。

(ⅱ)財務体質の強化

事業投資拡大に対応すべく資金調達力の強化、グループ内の資金効率の向上を図るとともに、自己資本の更なる充実を目指してまいります。

(ⅲ)経営システムの充実

コンプライアンス、安全・品質・環境を含めたリスクマネジメントの徹底、コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)経済環境・事業環境リスク

当社グループは、国内を中心に米国及びアジア地域を含めたグローバルビジネスを積極的に展開しております。従って、国内はもとより、米国及びアジア地域の経済環境及び事業環境の変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、今般発生している新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの財政状態および経営成績
に重大な影響を与える可能性があります。

 

(2)特定取引先への集中

当社は㈱神戸製鋼所の関連会社であり、当連結会計年度末現在、同社グループは当社の議決権の35.9%(間接所有分を含む。)を所有しております。当連結会計年度において、売上高に占める同社への売上高は33.8%であり、また、仕入高に占める同社からの仕入高は25.9%であります。このため同社の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)金利リスク

当社グループは、金利スワップを用いるなど借入金に係る金利の変動リスクの軽減に努めておりますが、急激な金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)為替リスク

当社グループが行う取引には外国通貨建の海外取引が含まれており、為替相場の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替予約等を用いるなどの為替リスクを回避する対策を講じておりますが、リスクをすべて排除することは困難であります。また、当社の連結財務諸表には、海外連結子会社等の外国通貨建事業に係る為替換算リスクが存在しております。

 

(5)商品価格リスク

当社グループが取り扱う商品は多岐にわたっており、相場変動による商品価格リスクを伴うものが含まれております。そのため、商品価格の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)信用リスク

当社グループが行う取引には国内及び海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクが存在いたします。「信用限度規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)株価リスク

当社グループは、取引先などの株式を中心に時価のある株式を保有しており、今後の株価動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)事業投資リスク

当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)カントリーリスク

当社グループは、貿易取引又は海外投融資の相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権又は投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応しておりますが、特定の国又は地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)訴訟等のリスク

当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)新型コロナウイルス感染症について

世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。

この対策として、次のような感染予防に取り組んでおります。

・安全衛生の徹底(マスク着用、手指のアルコール消毒等)

・在宅勤務、時差出勤の推進

・Web会議等の活用

・海外出張の原則禁止

・海外勤務従業員の帰国時、隔離期間中の自宅待機を徹底

今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外に有価証券報告書提出日(2020年6月25日)現在では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1)経営成績

当連結会計年度における世界経済は、中国経済の減速等がありましたが、2019年の末頃までは堅調な米国経済に支えられ、成長の伸びは鈍化したものの緩やかな回復が続きました。しかしながら、期末にかけて新型コロナウイルスの世界的流行による経済活動の大幅な抑制によって、景気は急激に減速し、先行き不透明で推移しております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、当社グループの各セグメント業績へ影響を与える事象であり、特に鉄鋼セグメント及び非鉄金属セグメント、溶材セグメントにおいては、国内外の自動車メーカーの一時的な操業停止や生産計画の縮小等に伴うセグメント売上高の減少等により、2020年度以降、業績へ重大な影響を与える可能性があります。

このような環境の下、米国においては線材二次加工拠点である「Grand Blanc Processing, L.L.C.」での設備の増強を行い、生産能力の向上をはかってまいりました。中国では、アルミコイルセンター「蘇州神商金属有限公司」での設備増強を実施し、中国での新規の受注活動に注力してまいりました。

国内では、非鉄金属セグメントにおいて、グループシナジーの深化による一層の営業力強化を図ることを目的に、連結子会社である「コベルコ筒中トレーディング株式会社」と「中山金属株式会社」を合併し、「神鋼商事メタルズ株式会社」として2019年7月1日より営業を開始しました。

しかしながら、当連結会計年度の業績につきましては、米中貿易摩擦による景気減速等の影響により、売上高は936,031百万円前連結会計年度比1.7%減)となりました。また、米国エネルギー業界の低迷による米国子会社の在庫評価損と貸倒引当金の計上等により営業利益は4,829百万円同39.0%減)、経常利益は3,943百万円同50.8%減)の大幅な減少となりました。さらに、当社が保有する投資有価証券のうち、時価が著しく下落した銘柄等を特別損失合計で約918百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,629百万円同67.5%減)となりました。

事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。

 

①鉄鋼

鋼板製品は、国内向け取扱量が減少し、価格は横ばいに推移しました。輸出向けは、取扱量が減少し、価格も下落しました。線材製品は、国内向けは取扱量が減少しましたが、価格が上昇しました。輸出向けは取扱量、価格ともに概ね横ばいで推移しました。

これらにより、鉄鋼セグメントの売上高は320,672百万円前連結会計年度比2.2%減)となりましたが、米国エネルギー業界の低迷により、米国子会社の在庫評価損及び貸倒引当金を計上したこと等により、セグメント利益は263百万円同93.1%減)となりました。

 

   ②鉄鋼原料

輸入鉄鋼原料は、取扱量が増加しました。冷鉄源は取扱量が増加しましたが価格は下落しました。合金鉄並びにコークスブリーズは、取扱量が減少しました。

これらにより、鉄鋼原料セグメントの売上高は297,787百万円前連結会計年度比1.6%増)となりましたが、海外投資先の市況低迷による収益悪化の影響により、セグメント利益は666百万円同45.4%減)となりました。

 

 

    ③非鉄金属

銅製品は、空調用銅管の取扱量が学校用空調の需要好調により増加しましたが、自動車向け端子用銅板条は、在庫調整及び半導体需要の低下により取扱量が減少しました。アルミ製品は、半導体向け及び液晶製造装置向け厚板の取扱量が減少しましたが、自動車向けアルミ板条の取扱量が増えました。非鉄原料は、銅スクラップの取扱量は増加しましたが、アルミ再生塊の取扱量が減少しました。

これらにより、非鉄金属セグメントの売上高は204,853百万円前連結会計年度比8.4%減)、セグメント利益も1,395百万円同17.9%減)となりました。

 

   ④機械・情報

機械製品は、真空成膜装置、蒸気エネルギー関連機器、産業用ブレーキ等の取扱いは減少しましたが、大型圧縮機、重機用部材、電池用材料等の取扱いが増加しました。情報関連商品は、液晶用材料の取扱いが減少しましたが、ハードディスク関連機器やPC部品等が増加しました。

これらにより、機械・情報本部の売上高は67,980百万円前連結会計年度比8.8%増)となり、セグメント利益は1,290百万円同0.4%増)となりました。

 

   ⑤溶材

溶接材料の取扱量は、国内は造船、自動車、建機向けが堅調に推移しましたが、鉄骨向けが減少し、輸出関連も減少しました。溶接関連機器は、鉄骨溶接ロボット、汎用溶接機の取扱いは堅調に推移しましたが、東アジア向けロボットの輸出が減少しました。生産材料は、溶剤原料の取扱量が国内外ともに減少しました。

これらにより、溶材セグメントの売上高は44,509百万円前連結会計年度比1.8%減)となりましたが、セグメント利益は375百万円同17.1%増)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱神戸製鋼所

316,107

33.2

316,432

33.8

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は241,157百万円となり、前連結会計年度末比24,215百万円減少いたしました。これは、受取手形及び売掛金と前払金の減少が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は43,320百万円となり、前連結会計年度末比1,102百万円増加いたしました。これは、建物及び構築物とソフトウェアの取得が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は200,917百万円となり、前連結会計年度末比23,256百万円減少しました。これは、支払手形及び買掛金と電子記録債務の減少が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は28,988百万円となり、前連結会計年度末比494百万円増加いたしました。これは、長期借入金の増加が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は54,571百万円となり、前連結会計年度末比350百万円減少いたしました。これは、保有株式の時価の変動によりその他有価証券評価差額金が減少したことが主な要因であります。

 

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,050百万円増加し、16,602百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、12,747百万円となり、前連結会計年度に比べ26,016百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,064百万円、米国エネルギー業界の低迷および米中貿易摩擦による景気減速等の影響により売上高が減少したことに伴い、売上債権が26,990百万円減少し、仕入債務が22,005百万円減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△3,608百万円となり、前連結会計年度に比べ1,617百万円減少しました。これは主に、当社の東京本社移転と線材加工拠点である米国子会社「Grand Blanc Processing, L.L.C」の設備投資などの有形固定資産の取得による支出2,004百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,977百万円となり、前連結会計年度に比べ127百万円減少しました。これは主に、米国子会社が銀行から運転資金の借入をしたことなどによる短期借入金の純増減額4,217百万円によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。