文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念
私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。
(2)経営環境、経営方針及び対処すべき課題
世界経済は、各国において財政・金融政策による景気下支えが行われる中、新型コロナウイルスの感染拡大に一服の兆しが見えてきたこともあり、総じて回復基調を維持、欧米を中心として底堅く推移しております。わが国においても、ワクチンの普及などにより新型コロナウイルスの影響は徐々に薄らぎ、また海外経済の順調な回復を背景に輸出の増加が続くなど、景気は緩やかに持ち直す動きが見られております。しかしながら、足下においては急速な資源価格の高騰や、ロシアによるウクライナ侵攻の影響など、当社グループを取り巻く事業環境には不透明さが増しております。
このような状況のなか、当社グループは2021‐2023年度中期経営計画に基づき、既存ビジネスの深耕、新規取引の開拓、投資によるビジネス拡大に加え、サステナビリティ経営の積極的な取り組みにより、成長施策を推進してまいります。
(3)目標とする経営指標
中期経営計画では、2023年度に経常利益95億円、ROE 9%、ROA 3%を目指してまいります。
(4)経営戦略
①収益力の強化、投資の促進
(ⅰ)関係会社の機能最適化と戦略的活用
海外3大拠点(米国、タイ、中国)を中心とした海外拠点の機能を強化し、海外拠点主導のビジネス開拓を図ってまいります。
また、国内においては、当社グループの建設土木分野における経営資源を神商鉄鋼販売㈱に集約し、同社の営業拠点の拡充と取扱いメニューを多様化することにより、建設土木分野における事業領域の拡大に努めます。
(ⅱ)事業ポートフォリオの見直し
非トレード事業への投融資、事業会社の設備投資を加速する一方で、既存事業の体制見直しを随時行い、収益力の強化を図るべく、事業ポートフォリオの見直しを行います。
②商社機能の強化
(ⅰ)SDGs関連ビジネスの拡大
当社は、事業活動そのものが企業の社会的責任と自覚し、事業の持続的発展を図るべく社会的貢献を果たしてまいります。その中でも特に、資源循環型ビジネス(バイオマス燃料の安定供給、冷鉄源のグローバル拡販、非鉄スクラップのリサイクル事業等)や、脱炭素関連機器(圧縮機、ヒートポンプ等)の販売に注力してまいります。
(ⅱ)新事業開発の強化
従来の本部の枠組みを超えた新事業開発を行うため、全社横断型のプロジェクトチームを立ち上げました。当社の長期経営ビジョン「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を念頭に、新たなビジネスの創出に挑戦してまいります。
③経営基盤の強靭化
(ⅰ)コーポレートガバナンスの強化
2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに際し、当社はプライム市場への上場を選択いたしました。プライム市場上場企業に求められる高いガバナンス水準を備えるべく、コーポレートガバナンス・コードのすべての原則に対応し、取締役会の構成を独立社外取締役が3分の1以上とするなどの体制整備を進めております。
また、サステナビリティについての取り組みを強化するため、2022年4月から取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し、TCFD提言に沿った情報開示など各種施策を実施いたします。
株主・投資家との対話促進のため、統合報告書の作成に着手しており、2022年秋の完成・公表を目標としております。
(ⅱ)新人事制度の導入
2022年4月から、新人事制度を導入しております。具体的には、専門性を重視したキャリアコースの新設、セグメントを横断した人事ローテーションの実施、多面評価など評価体系の整備、教育・研修制度の拡充を図るものです。
また、ダイバーシティへの取り組みを加速させるため、専任部署の新設を検討しております。
(ⅲ)リスク管理体制の構築
当社グループ全体でリスク管理アクションプランを策定し、取締役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会において、取り組み状況のモニタリング、優先課題の解決策の議論などを行っています。
また、全社的リスク管理を一元的に統括する事業リスク管理室が、系列会社の管理業務支援及び製造会社の安全衛生管理等、グループ会社のリスク管理の強化に努めています。今後、コンサルタントなどの外部目線も積極的に取り入れ、より高度、かつ強固なリスク管理体制確立を進めてまいります。
(ⅳ)DXの推進
新たにDXビジョンを定め、DX推進チームを新設してDX推進体制を構築し、デジタル化の推進による企業価値向上を図ります。
社内各部署にDX推進人材を育成・配置する他、顧客・商品などのデータ基盤を整備し、マーケティングやサプライチェーンの強化に資するサービス開発と提供に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済環境・事業環境リスク
当社グループは、国内を中心に米国及びアジア地域を含めたグローバルビジネスを積極的に展開しております。従って、国内はもとより、米国及びアジア地域の経済環境及び事業環境の変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、今般発生している新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(2)特定取引先への集中
当社は㈱神戸製鋼所の関連会社であり、当連結会計年度末現在、同社グループは当社の議決権の35.9%(間接所有分を含む。)を所有しております。当連結会計年度において、売上高に占める同社への売上高は5.6%であり、また、仕入高に占める同社からの仕入高は37.3%であります。このため同社の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)金利リスク
当社グループは、金利スワップを用いるなど借入金に係る金利の変動リスクの軽減に努めておりますが、急激な金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)為替リスク
当社グループが行う取引には外国通貨建の海外取引が含まれており、為替相場の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替予約等を用いるなどの為替リスクを回避する対策を講じておりますが、リスクをすべて排除することは困難であります。また、当社の連結財務諸表には、海外連結子会社等の外国通貨建事業に係る為替換算リスクが存在しております。
(5)商品価格リスク
当社グループが取り扱う商品は多岐にわたっており、相場変動による商品価格リスクを伴うものが含まれております。そのため、商品価格の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)信用リスク
当社グループが行う取引には国内及び海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクが存在いたします。「信用限度規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)株価リスク
当社グループは、取引先などの株式を中心に時価のある株式を保有しており、今後の株価動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)事業投資リスク
当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)カントリーリスク
当社グループは、貿易取引又は海外投融資の相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権又は投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応しておりますが、特定の国又は地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)訴訟等のリスク
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)新型コロナウイルス感染症について
世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。
この対策として、次のような感染予防に取り組んでおります。
・安全衛生の徹底(マスク着用、手指のアルコール消毒等)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・Web会議等の活用
・海外出張の原則禁止
・海外勤務従業員の帰国時、隔離期間中の自宅待機を徹底
今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、更なる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外に有価証券報告書提出日(2022年6月24日)現在では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しており、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前連結会計年度比(%)を記載せずに説明しております。
(1)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、アメリカや中国を中心に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から総じて回復基調を維持しながら、底堅く推移しました。わが国経済においても、輸出の増加が続くなど景気は緩やかに回復しました。しかしながら、原材料価格の高騰や金融資本市場の変動、ウクライナ情勢の影響などによって先行きは不透明さが増している状況です。
このような環境の下、当社では、バイオマス燃料事業にて、調達された製品が合法かつ持続可能な方法で生産されたことを保証する「GGL(Green Gold Label)認証」を2021年12月に取得し、22年4月からは本格的な供給が始まっております。中国においては、半導体・FPD用イオン注入装置製造会社を買収、神商精密器材(揚州)有限公司として子会社化し、神商精密器材(蘇州)有限公司との事業連携強化を推し進めております。
また、当社は、10月29日開催の当社取締役会において、株式会社東京証券取引所の新市場区分における「プライム市場」を選択することを決議いたしました。加えてサステナビリティについての取り組みを強化するため、取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置することを決定しました。これらにより、神鋼商事グループの持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上を図り、ステークホルダーからの高い支持を得て、企業理念に謳う「豊かな社会づくり」に貢献してまいります。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は494,351百万円(前連結会計年度は784,160百万円)となりました。営業利益は10,054百万円(前連結会計年度比125.7%増)、経常利益は9,726百万円(前連結会計年度比139.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7,136百万円(前連結会計年度比224.7%増)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
①鉄鋼
国内外の自動車業界における半導体不足等による生産へのマイナス影響がありながらも、建築、造船業界も含め、総じて需要は回復傾向が見られ、特殊鋼・鋼板製品ともに取扱数量が増加し、価格も上昇したことにより、増益となりました。
これらにより、鉄鋼セグメントの売上高は201,619百万円(前連結会計年度は264,226百万円)となり、セグメント利益は4,132百万円(前連結会計年度比565.1%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は139,052百万円減少しております。
②鉄鋼原料
国内の粗鋼生産量が堅調に推移したことにより、主に神戸製鋼所向けの取扱数量が増加し、また主原料価格が上昇したことにより、増益となりました。
これらにより、鉄鋼原料セグメントの売上高は45,265百万円(前連結会計年度は233,521百万円)となり、セグメント利益は718百万円(前連結会計年度比127.0%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は427,419百万円減少しております。
③非鉄金属
銅製品は自動車・半導体向けが、アルミ製品は自動車・空調向けが、堅調に推移し、非鉄原料においても銅屑・再生塊アルミの取扱いが増加したことにより、増益となりました。
これらにより、非鉄金属セグメントの売上高は168,546百万円(前連結会計年度は185,556百万円)となり、セグメント利益も3,033百万円(前連結会計年度比63.6%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は126,916百万円減少しております。
④機械・情報
建機部品、電池関連材料に加え、半導体検査装置の取扱いが好調に推移し、また国内子会社の工事取扱いの増加等により、増益となりました。
これらにより、機械・情報本部の売上高は55,430百万円(前連結会計年度は64,836百万円)となり、セグメント利益は1,582百万円(前連結会計年度比29.2%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は19,078百万円減少しております。
⑤溶材
建築鉄骨・建設機械向けの取扱いが堅調に推移し、また造船・自動車向け溶接材料の輸出も堅調に推移したことにより、増益となりました。
これらにより、溶材セグメントの売上高は23,327百万円(前連結会計年度は35,843百万円)となり、セグメント利益は324百万円(前連結会計年度比126.2%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は14,121百万円減少しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は316,604百万円となり、前連結会計年度末比76,480百万円増加いたしました。これは、受取手形及び売掛金と商品及び製品の増加が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は47,425百万円となり、前連結会計年度末比1,316百万円増加いたしました。これは、建物及び構築物と時価変動による投資有価証券の増加が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は279,321百万円となり、前連結会計年度末比77,035百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金と短期借入金の増加が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は20,955百万円となり、前連結会計年度末比5,806百万円減少いたしました。これは、長期借入金の減少が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は63,753百万円となり、前連結会計年度末比6,567百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と為替相場の円安に伴う為替換算調整勘定の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,034百万円減少し、15,397百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、△9,279百万円(前連結会計年度は14,894百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額52,690百万円、棚卸資産の増加額13,292百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△806百万円(前連結会計年度は2,048百万円の支出)となりました。これは主に、米国のGrand Blanc Processing,L.L.C.の生産設備の投資と中国のアルミコイルセンターである蘇州神商金属有限公司の設備投資等の有形固定資産の取得による支出1,058百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4,068百万円(前連結会計年度は6,825百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額5,291百万円によるものです。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。その他重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。