文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念
私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。
(2)経営環境、経営方針及び対処すべき課題
中期経営計画2023(以下、前中期経営計画)の最終年度である当連結会計年度は、コロナ禍の景気回復を捉えて業績は順調に推移いたしました。また、前中期経営計画の期間においても、国内系列会社の事業再編・M&A、海外への事業投資を進めるとともに、鋼材価格の上昇や円安などの外部環境が影響し大幅な利益を計上することができました。
当社は長期経営ビジョンである「明日のものづくりを支え、社会に貢献する商社」の実現に向けて、中期経営計画2026(以下、新中期経営計画)を新たに策定いたしました。新中期経営計画では、①KOBELCOグループの中核商社として更なる事業の拡大・深堀り、②当社独自のサプライチェーン構築によるビジネスモデルの多様化、③社会課題の解決と収益力強化に資する新規事業の推進を3本柱とし、新たな視点で成長を追求してまいります。
また、継続的な成長には人材の育成は必須であると考えており、引き続き人的資本経営を推し進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(3)目標とする経営指標
上記の取り組みを確実に実行し、2026年までに「連結経常利益145億円」、「ROE 10.0%以上」、「ROIC 6.5%」、「自己資本比率21%以上」を目標とし、株主還元方針については、「連結配当性向30%以上又は1株当たり配当300円のいずれか高い方とする」といたします。
(4)経営戦略
①商社機能の強化
当社は長らく5つの本部を置き、各本部において取扱商品に応じた専門性の高い商社機能を提供してきましたが、本部間のシナジー効果をより一層発揮できる体制を目指し、2024年度からの新中期経営計画において営業推進体制を5本部制から、鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を「金属本部」とし、機械・情報、溶材を「機械・溶接本部」とする2本部制といたしました。事業分野が近接する本部を統合し、ビジネスモデルの横展開や適切な人材配置、収益力や商社機能の強化に取り組みます。なお、従来の5本部体制の枠組みは、ユニット制に移行し、顧客ニーズに応えるきめ細やかな商社機能を維持してまいります。
また、前中期経営計画期間中、最重要テーマとして投資の促進に取り組んできたものの、所期の目標達成には至らず、更なる推進が課題と認識しております。
新中期経営計画においては、中長期的な収益力の強化を目的に、営業本部から独立した新事業推進室を設置し、更なる新規事業推進と投資の促進に取り組みます。
②ダイバーシティの推進
当社は、人種・国籍・信条・性別・障がいなどによらず、雇用の安定と機会均等を基本に多様な人材を採用、登用しております。また、2022年度には人事制度を改革し、「自ら学び、行動する人」を育成するため、年功序列的な処遇制度を廃し、個人に合った複数のキャリアコースを設定するなどの取り組みを進めてまいりました。
新中期経営計画では現在推進している人的資本経営を更に推し進め、女性活躍については、2026年度に女性管理職の割合を5%、女性総合職の割合を18%までそれぞれ高める目標を設定いたします。また、入社3年目社員の部門間ローテーションや管理職昇格要件に他部門の経験を重視することを加えるなど、複数分野の経験によるイノベーションを促す環境づくりに取り組みます。
③資本コストを意識した経営
当社は従来より資本コストを意識した経営を実践してきており、資本収益性指標であるROEを重要指標の一つとして掲げ、前中期経営計画で9%以上を目標としており、実績として2021年度は12.0%、2022年度は13.6%、最終年度である2023年度も11.5%と、前中期経営計画期間中においてすべての年度でROE目標を達成いたしました。
また、株主様への還元策として配当性向30%を目標に、2021年度は30.4%、2022年度は30.3%の実績で推移しており、2023年度も30%以上の配当性向を達成いたしました。
当社は継続して資本効率向上に向け議論しており、新中期経営計画で掲げた基本戦略や目標、株主還元策を着実に実行し、達成することにより企業価値向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社はサステナビリティへの取り組みをより一層強化するため、2022年4月、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関として、サステナビリティ委員会を設置いたしました。
「持続可能な開発目標」(SDGs)や気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への関心が世界的に高まる中、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティへの取り組みが重要な経営課題であるという認識の下、サステナビリティ経営の推進とガバナンス強化を目的に、当社が取り組む重要課題を明確にし、サステナビリティ推進体制を構築いたしました。
①サステナビリティ基本方針
私たちは、誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざすことを企業理念に掲げております。
この理念の下、世界や私たちを取り巻く環境問題や社会問題に対して、事業活動を通じて様々な取り組みを推進いたします。
また、公正かつ透明なガバナンスを推進いたします。
私たちは、すべての人々が望む持続可能な未来の社会に貢献いたします。
②サステナビリティ推進体制

③リスク管理
年2回開催しているサステナビリティ委員会において、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(2)重要なサステナビリティ項目
2021年度期初に、当社は長期経営ビジョン「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」と中期経営計画を策定し、その実現に向けた活動の拠り所となる行動指針を改定いたしました。改定においては、サステナビリティへの取り組みを明確にするため、「持続可能な開発目標」(SDGs)の17の目標・169のターゲットなどを参考に、当社の企業理念と、当社グループの事業活動がステークホルダーに与える影響を考慮し、当社が取り組むべき課題を選定いたしました。その後、経営陣・取締役会における議論を経て、課題を絞り込み、行動指針といたしました。
今般、サステナビリティに係る重要課題(マテリアリティ)を特定するにあたり、改めて、当社が取り組むべき課題を検討いたしました。結果、行動指針をマテリアリティとして継続的に取り組むことを確認し、取締役会での議論・承認を経て、2022年4月1日、重要課題(マテリアリティ)といたしました。
行動指針=重要課題(マテリアリティ)
1.明日のものづくりへの貢献
2.コンプライアンスを遵守した企業活動
3.地球環境に配慮した活動
4.多様性を尊重する企業文化
5.個人の成長の実現
各重要課題(マテリアリティ)への取り組み内容に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/ir/library/integrated_report.html)に公表されている
①気候変動への対応
地球環境に配慮した活動への取り組みの一環として、当社は2022年6月7日付で気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関からなるTCFDコンソーシアムに参画いたしました。
当社グループは、気候変動への対応を重要な経営問題として認識し、当社グループ全体のCO2排出削減の取り組みだけでなく、商社機能を活かした取り組みを通じ、気候変動に関する社会貢献を継続的に進めてまいります。
(ⅰ)ガバナンス
サステナビリティ委員会において、当社グループの重要な経営課題の一つである気候変動を含む環境問題への対処について、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(ⅱ)戦略
当社は、気候変動が当社グループの事業活動にもたらす影響について、TCFDに沿った2℃シナリオ、4℃シナリオに基づき、リスクと機会を分析・評価し、その対応策を以下のとおり整理いたしました。
なお、当社は、これらのシナリオ分析を定期的に見直し、当社グループの気候変動に対するレジリエンス向上を目指してまいります。
(リスク分析・対応)
(機会分析・対応)
(ⅲ)リスク管理
気候変動関連リスクは、当社グループ全体の事業継続に与えるリスクとして、各部門が作成するリスクアクションプランに基づくリスクの識別・評価及び取り組み等についてPDCAサイクルを回し、その運営状況について、事業リスク管理室において一元管理しております。
更にリスクマネジメント委員会が、そのPDCAの運用状況のモニタリングを行い、リスク管理を適切に実施するための諸施策や方針を議論しております。その結果は、事業戦略等経営に関する方向性の議論を行う経営審議会に付議し、当社グループ全体のリスク管理体制の高度化に努めております。
なお、経営審議会では更に経営戦略上重要と判断した内容について、取締役会に報告しております。
(ⅳ)指標及び目標
当社グループにおけるCO2の削減に向けた取り組みにより、2018年度のCO2排出量(Scope1、2)を基準として、以下のとおり長期目標を設定するとともに、グリーンエネルギーの導入を進めてまいります。
今後の取り組みとして、サプライチェーン排出量(Scope3)の開示も検討してまいります。
(CO2削減目標)
2018年(基準年) 44,797t・CO2
2030年 基準年度の46%を削減
2050年 カーボンニュートラルを達成
②人的資本
当社は、多様な価値観や考えを持つ人材の活躍により、新たな価値や競争力を創出することが重要と考え、様々な施策に取り組んでおります。2022年10月に発足したダイバーシティ推進プロジェクトチームを中心に、従業員の個性や能力を存分に発揮できる風土醸成を推進しております。
(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
a.ダイバーシティ基本方針
当社は、人種・国籍・信条・性別・障がい等によらず、雇用の安定と機会均等を基本方針に多様な人材を獲得、登用しております。また、女性活躍推進法の施行等の社会的要請に対応するとともに、様々な従業員育成教育・研修の機会を通して、従業員一人ひとりの自主・自立を促すことを目指し、人間性の尊重、快適な職場環境の確保に努める中、多様な働き方に対応できる人事制度の構築及び会社への貢献度に応じた公正な処遇を進めてまいります。
b.女性活躍の推進
当社は、人材の多様性を活かし、人間性の尊重、快適な職場環境の維持・改善に努める中、多様なニーズに応え、新たな価値を生み出すことを目指しております。その中でも女性活躍推進とワークライフバランスへの取り組みは、重要課題と位置づけ、2016年4月1日から施行されました「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく行動計画を策定し、これまでの取り組み・活動に加え、より一層の活動を推進してまいります。
女性の活躍に関して、これまでは入社時の職群によって管理職の登用に制限がありましたが、2022年度に改正した新人事制度により管理職へのキャリアを目指すコースや入社後に地域限定総合職へ職群転換できる仕組みを導入いたしました。これに伴い女性総合職比率や女性管理職比率は上昇いたしました。今後も様々な取り組みを行いながら継続的な女性管理職登用や、やりがいをもって働ける環境整備・施策を推進してまいります。
女性活躍の推進に向けた取り組みや行動計画に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/csr/social/env_improvement.html)の
c.グローバル採用
当社は、海外拠点主導のビジネス開拓のため、外国籍学生の採用を積極的に行っております。また、海外現地法人での現地採用も積極的に行っており、今後は下記に取り組んでいく予定です。
・海外現地法人ナショナルスタッフの本社勤務による幹部候補生の育成
・海外現地法人間のナショナルスタッフ異動による海外発ビジネスの支援
・外国籍人材のキャリア採用
(ⅱ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループでは、上記「(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。これらの指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済環境・事業環境リスク
当社グループは、国内を中心に米国及びアジア地域を含めたグローバルビジネスを積極的に展開しております。従って、国内はもとより、米国及びアジア地域の経済環境及び事業環境の変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)特定取引先への集中
当社は㈱神戸製鋼所の関連会社であり、当連結会計年度末現在、同社グループは当社の議決権の35.9%(間接所有分を含む。)を所有しております。当連結会計年度において、売上高に占める同社への売上高は6.2%であり、また、仕入高に占める同社からの仕入高は39.5%であります。このため同社の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)金利リスク
当社グループは、金利スワップを用いるなど借入金に係る金利の変動リスクの軽減に努めておりますが、急激な金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)為替リスク
当社グループが行う取引には外国通貨建の海外取引が含まれており、為替相場の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替予約等を用いるなどの為替リスクを回避する対策を講じておりますが、リスクをすべて排除することは困難であります。また、当社の連結財務諸表には、海外連結子会社等の外国通貨建事業に係る為替換算リスクが存在しております。
(5)商品価格リスク
当社グループが取り扱う商品は多岐にわたっており、相場変動による商品価格リスクを伴うものが含まれております。そのため、商品価格の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)信用リスク
当社グループが行う取引には国内及び海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクが存在いたします。「信用限度規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)株価リスク
当社グループは、取引先などの株式を中心に時価のある株式を保有しており、今後の株価動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)事業投資リスク
当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)カントリーリスク
当社グループは、貿易取引又は海外投融資の相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権又は投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応しておりますが、特定の国又は地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)訴訟等のリスク
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外に有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向が見られました。一方世界経済においては、混迷を深める中東、ロシア地域の地政学リスクに加え、中国経済の成長停滞や世界的なインフレの継続など依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下において当社グループは、インド南部に韓国の鍛造部品メーカーと合弁で設立した建設機械向け部品製造・販売会社「Track Design India Private Limited」の稼働を開始させるとともに、株式会社稲垣商店より株式譲渡を受け国内流通の強靭化を図り、持続的成長に向けた取り組みを進めました。
更にバイオ関連企業への投資やバイオマス発電の原料の地産地消を目的とした実証事業への投資など将来に向けた取り組みも進めております。
また、国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価ではマネジメントレベルである「B」評価を、健康経営優良法人認定制度では「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」を、それぞれ2年連続で認定されるとともに、2023年10月には人権基本方針を新たに制定するなど経営基盤の強化への取り組みも実施いたしました。
当連結会計年度における業績につきましては、売上高は591,431百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。営業利益は13,296百万円(同1.2%減)、経常利益は12,814百万円(同1.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は9,111百万円(同0.9%減)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
①鉄鋼
主力である特殊鋼・鋼板製品については、建築分野では需要が減少しましたが、国内自動車生産台数の増加により緩やかに回復、また鋼材価格の上昇などにより、増収増益となりました。
これらにより、鉄鋼セグメントの売上高は257,839百万円(前連結会計年度比8.1%増)となり、セグメント利益は6,634百万円(同29.1%増)となりました。
②鉄鋼原料
神戸製鋼所向けの主原料については、同社の粗鋼生産の減産に伴い取扱量は減少し、原料価格も下落しました。一方で、当社の重点分野であるバイオマス燃料は取扱量が堅調に推移しました。
これらにより、鉄鋼原料セグメントの売上高は72,626百万円(前連結会計年度比12.5%増)となり、セグメント利益は1,514百万円(同1.1%増)となりました。
③非鉄金属
銅製品は車載用コネクター向け銅板条、非鉄原料はアルミ屑・銅屑の取扱量が微増となりました。一方で、アルミ製品は海外において自動車関連の取扱量が大幅減となりました。
これらにより、非鉄金属セグメントの売上高は171,847百万円(前連結会計年度比11.6%減)となり、セグメント利益は1,635百万円(同38.9%減)となりました。
④機械・情報
製鉄・タイヤ向け機械、建機部品の取扱量が減少しましたが、KOBELCOグループの脱炭素関連商品の取扱量が増加し、またメンテナンスビジネスなどが好調に推移したことにより増収増益となりました。
これらにより、機械・情報セグメントの売上高は59,898百万円(前連結会計年度比3.0%増)となり、セグメント利益は2,312百万円(同6.6%増)となりました。
⑤溶材
溶接材料は、造船・自動車・建設機械の主要分野で取扱量は減少しましたが、価格上昇により増収増益となりました。一方、生産材料はチタン原料の取扱量が減少し、セグメント全体では増収減益となりました。
これらにより、溶材セグメントの売上高は28,918百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりましたが、セグメント利益は744百万円(同7.5%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は337,583百万円となり、前連結会計年度末比5,882百万円減少いたしました。これは、前払金の減少が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は58,824百万円となり、前連結会計年度末比7,199百万円増加いたしました。これは、時価変動による投資有価証券の増加が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は280,951百万円となり、前連結会計年度末比16,933百万円減少いたしました。これは、支払手形及び買掛金と預り金の減少が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は27,976百万円となり、前連結会計年度末比4,665百万円増加いたしました。これは、長期借入金と繰延税金負債の増加が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は87,480百万円となり、前連結会計年度末比13,583百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上とその他有価証券評価差額金の増加が主な要因であります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ492百万円減少し、12,308百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、9,090百万円(前連結会計年度は7,664百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,582百万円、仕入債務の減少額9,361百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△2,789百万円(前連結会計年度は1,523百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出2,293百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△7,240百万円(前連結会計年度は9,188百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額7,744百万円によるものです。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。その他重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。