文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念
私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。
(2)経営環境、経営方針及び対処すべき課題
2025年度の見通しは、米国の関税政策が世界経済に与える影響を現時点で予測することは困難な状況ですが、当社を取り巻く環境には、カーボンニュートラル社会の実現に向けた脱炭素化への取り組みの拡大、省人化、サプライチェーンの再構築・多様化、地産地消などのビジネスチャンスがあり、市場、顧客のニーズに柔軟かつ迅速に対応して事業拡大に努める所存です。
当社グループは、当連結会計年度に策定しました中期経営計画2026(以下、今中計)に基づき、(ⅰ)KOBELCOグループの中核商社としての更なる事業の拡大・深掘り、(ⅱ)当社独自のサプライチェーン構築によるビジネスモデルの多様化、(ⅲ)社会課題の解決と収益力強化に資する新規事業推進の3本柱を同時に追求し、持続的な企業価値の向上を推進します。
(3)目標とする経営指標
上記の取り組みを確実に実行し、2026年までに「連結経常利益145億円」、「ROE 10.0%以上」、「ROIC 6.5%」、「自己資本比率21%以上」、「D/Eレシオ0.7倍以下を目安」、「3ヵ年累計投融資230億円」を目指してまいります。
(4)経営戦略
①収益力の強化・投資の促進
収益力強化のため、トレードビジネスを基礎にした事業投資によるビジネスを構築すると共に、成長性が高いSX新規事業にも積極的に投資を行うことで事業ポートフォリオの変革に取り組んでまいります。一方、財務戦略として、今中計から重要目標達成指標に掲げておりますROIC経営の推進を念頭に、資金効率化に取り組み、高収益体質を目指します。
事業投資については、自動車分野における特殊鋼線条の事業領域拡大、半導体分野における需要拡大ニーズの捕捉、資源リサイクル分野等を重点分野として定め、今中計3ヵ年合計230億円(うちDX・IT関連投資30億円)を計画しております。
②商社機能の強化(DX推進)
DX推進の目的を「企業価値向上」と定め、既存ビジネスを根本から見直し、顧客視点の価値を創出します。また、生産性向上、ワークスタイル変革、DX人材育成に取り組み、グローバルな商社機能の強化を推進します。
③経営基盤の強靭化
(ⅰ)サステナビリティ経営の推進
事業活動を取り巻く環境が大きく変化する中で、社長を最高責任者とする「サステナビリティ委員会」において、重要課題(マテリアリティ)に取り組むことで、社会課題の解決、新たな価値創造、経営基盤の強化に努めています。2025年4月にはサステナビリティ経営推進室を新設し、持続可能な成長を支える戦略的な取り組みを進めるなど、機会とリスクの両面でサステナビリティ活動を一層強化しています。
(ⅱ)人的資本経営
経営戦略と連動した人材戦略の実践が重要であるとの認識のもと、自ら学び行動する主体性のある人材を育成します。また、個人の多様性を尊重し、望むキャリアを実現できる環境を整え、公正な評価と適正な配置によりエンゲージメントを向上させます。これにより、競争力の強化とイノベーションの促進を図ります。
(ⅲ)資本コストや株価を意識した経営
当社は、資本収益性指標であるROEを重要目標達成指標の1つとして掲げ、資本コストを意識した経営を実践してきました。ただし、資本市場から要求される株価純資産倍率(PBR)1倍越えは達成していない状況であり、今中計で掲げている取り組みを実行することで、持続的な超過リターンの確保を目指します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社はサステナビリティへの取り組みが重要な経営課題であるという認識の下、サステナビリティ経営の推進とガバナンス強化を目的に、重要課題を明確にし、サステナビリティ推進体制を構築しております。 2022年4月には、「サステナビリティ基本方針」と「重要課題(マテリアリティ)」を制定するとともに、取締役会の諮問機関として社長を最高責任者とする「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。
サステナビリティ委員会は、半年に一回以上開催し、サステナビリティ経営に関する方針や課題を議論しております。また、執行役員を責任者とする「社会貢献分科会」「ダイバーシティ分科会」「環境(気候変動)分科会」を設置し、具体的な課題に対して企画・施策立案・運用を行い、組織横断的に活動しております。
また、IR部門を通して定期的にステークホルダーとの対話を行い、当社への期待や要請を把握し、サステナビリティ経営の推進に活かしております。
①サステナビリティ基本方針
私たちは、誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざすことを企業理念に掲げております。
この理念の下、世界や私たちを取り巻く環境問題や社会問題に対して、事業活動を通じて様々な取り組みを推進いたします。
また、公正かつ透明なガバナンスを推進いたします。
私たちは、すべての人々が望む持続可能な未来の社会に貢献いたします。
②サステナビリティ推進体制

③リスク管理
年2回開催しているサステナビリティ委員会において、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(2)重要なサステナビリティ項目
当社は長期経営ビジョン「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」と中期経営計画を2021年度期初に策定し、その実現に向けた行動指針を改定いたしました。改定においては、サステナビリティへの取り組みを明確にするため、「持続可能な開発目標」(SDGs)などを参考に、企業理念と事業活動がステークホルダーに与える影響を考慮し、取り組むべき課題を選定いたしました。その後、経営陣・取締役会で議論し、課題を絞り込み、行動指針といたしました。
当社は2022年4月に、サステナビリティに係る重要課題(マテリアリティ)の特定にあたり、取り組むべき課題を検討し、行動指針をマテリアリティとして取り組むことを確認し、取締役会で議論・承認を経て、マテリアリティといたしました。そして今回、中期経営計画2026策定にあたりマテリアリティの見直しと併せて実行項目を策定いたしました。当社はこれらの取り組みを通じて、ステークホルダーの皆様への価値創出を目指しております。
行動指針=重要課題(マテリアリティ)
1.明日のものづくりへの貢献
2.コンプライアンスを遵守した企業活動
3.地球環境に配慮した活動
4.多様性を尊重する企業文化
5.個人の成長の実現
各重要課題(マテリアリティ)への取り組み内容に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/ir/library/integrated_report.html)に公表されている
①気候変動への対応
地球環境に配慮した活動への取り組みの一環として、当社は2022年6月7日付で気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関からなるTCFDコンソーシアムに参画いたしました。
当社グループは、気候変動への対応を重要な経営問題として認識し、当社グループ全体のCO2排出削減の取り組みだけでなく、商社機能を活かした取り組みを通じ、気候変動に関する社会貢献を継続的に進めてまいります。
(ⅰ)ガバナンス
サステナビリティ委員会において、当社グループの重要な経営課題の一つである気候変動を含む環境問題への対処について、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(ⅱ)戦略
当社は、気候変動が当社グループの事業活動にもたらす影響について、TCFDに沿った2℃シナリオ、4℃シナリオに基づき、リスクと機会を分析・評価し、その対応策を以下のとおり整理いたしました。
なお、当社は、これらのシナリオ分析を定期的に見直し、当社グループの気候変動に対するレジリエンス向上を目指してまいります。
(リスク分析・対応)
(機会分析・対応)
(ⅲ)リスク管理
気候変動リスクは、当社グループ全体の事業継続に与えるリスクと認識し、各部門がリスクの識別、評価、取り組みをリスク管理アクションプランで管理し、事業リスク管理室でPDCAを一元管理しております。
更にリスクマネジメント委員会が、そのPDCAの運用状況のモニタリングを行い、リスク管理を適切に実施するための諸施策や方針を議論しております。その結果は、事業戦略等経営に関する方向性の議論を行う経営審議会に付議し、当社グループ全体のリスク管理体制の高度化に努めております。
なお、経営審議会で経営戦略上重要と判断した内容については、取締役会に報告しております。
(ⅳ)指標及び目標
当社グループにおけるCO2の削減に向けた取り組みにより、2018年度のCO2排出量(Scope1、2)を基準として、以下のとおり長期目標を設定するとともに、グリーンエネルギーの導入を進めてまいります。
また、脱炭素社会への取り組みや、開示内容の拡充(Scope3等)も進めてまいります。
(CO2削減目標)
2018年(基準年) 44,797t・CO2
2030年 基準年度の46%を削減
2050年 カーボンニュートラルを達成
②人的資本
当社は、多様な価値観や考えを持つ人材の活躍により、新たな価値や競争力を創出することが重要と考え、様々な施策に取り組んでおります。2022年10月に発足したダイバーシティ推進プロジェクトチームを中心に、従業員の個性や能力を存分に発揮できる風土醸成を推進しております。
(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
a.ダイバーシティ基本方針
当社は、人種・国籍・信条・性別・障がい等によらず、雇用の安定と機会均等を基本方針に多様な人材を獲得、登用しております。また、女性活躍推進法の施行等の社会的要請に対応するとともに、様々な従業員育成教育・研修の機会を通して、従業員一人ひとりの自主・自立を促すことを目指し、人間性の尊重、快適な職場環境の確保に努める中、多様な働き方に対応できる人事制度の構築及び会社への貢献度に応じた公正な処遇を進めてまいります。
b.女性活躍の推進
当社は、人材の多様性を活かし、人間性の尊重、快適な職場環境の維持・改善に努める中、多様なニーズに応え、新たな価値を生み出すことを目指しております。その中でも女性活躍推進とワークライフバランスへの取り組みは、重要課題と位置づけ、2016年4月1日から施行されました「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく行動計画を策定し、これまでの取り組み・活動に加え、より一層の活動を推進してまいります。
女性の活躍に関して、これまでは入社時の職群によって管理職の登用に制限がありましたが、2022年度に改正した新人事制度により管理職へのキャリアを目指すコースや入社後に地域限定総合職へ職群転換できる仕組みを導入いたしました。これに伴い女性総合職比率や女性管理職比率は上昇いたしました。今後も様々な取り組みを行いながら継続的な女性管理職登用や、やりがいをもって働ける環境整備・施策を推進してまいります。
女性活躍の推進に向けた取り組みや行動計画に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/csr/social/env_improvement.html)の
c.グローバル採用
当社は、海外拠点主導のビジネス開拓のため、外国籍学生の採用を積極的に行っております。また、海外現地法人での現地採用も積極的に行っており、今後は下記に取り組んでいく予定です。
・海外現地法人ナショナルスタッフの本社勤務による幹部候補生の育成
・海外現地法人間のナショナルスタッフ異動による海外発ビジネスの支援
・外国籍人材のキャリア採用
(ⅱ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループでは、上記「(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。これらの指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済環境・事業環境リスク
当社グループは、国内を中心に米国及びアジア地域を含めたグローバルビジネスを積極的に展開しております。従って、国内はもとより、米国及びアジア地域の経済環境及び事業環境の変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)特定取引先への集中
当社は㈱神戸製鋼所の関連会社であり、当連結会計年度末現在、同社グループは当社の議決権の35.9%(間接所有分を含む。)を所有しております。当連結会計年度において、売上高に占める同社への売上高は6.4%であり、また、仕入高に占める同社からの仕入高は38.9%であります。このため同社の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)金利リスク
当社グループは、金利スワップを用いるなど借入金に係る金利の変動リスクの軽減に努めておりますが、急激な金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)為替リスク
当社グループが行う取引には外国通貨建の海外取引が含まれており、為替相場の変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替予約等を用いるなどの為替リスクを回避する対策を講じておりますが、リスクをすべて排除することは困難であります。また、当社の連結財務諸表には、海外連結子会社等の外国通貨建事業に係る為替換算リスクが存在しております。
(5)商品価格リスク
当社グループが取り扱う商品は多岐にわたっており、相場変動による商品価格リスクを伴うものが含まれております。そのため、商品価格の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)信用リスク
当社グループが行う取引には国内及び海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクが存在いたします。「信用限度規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)株価リスク
当社グループは、取引先などの株式を中心に時価のある株式を保有しており、今後の株価動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)事業投資リスク
当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図るため、新会社の設立や既存の会社への投資等を行っております。これらの投資については、社内規程に基づき審査を実施するなど慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)カントリーリスク
当社グループは、貿易取引又は海外投融資の相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権又は投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応しておりますが、特定の国又は地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)訴訟等のリスク
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続きの対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外に有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における世界経済は、緩やかな回復基調を維持しつつも、物価上昇による金融政策の引き締め、信用収縮、地政学リスクの高まり、保護主義の拡大、過剰生産能力といった複合的な要因により、不確実性が増した年となりました。我が国経済は、持ち直しの動きの中、円安によるコスト高や人手不足が建設市場に影響を与えたほか、自動車の減産や半導体市場の回復の遅れなどにより経済成長の勢いが抑えられる不透明な状況が続きました。また米国の関税政策による景気悪化の懸念や中国の内需低迷と不動産市場の停滞が、世界経済の方向性を大きく変える可能性もあり、予断を許さない状況です。
このような環境下において、当連結会計年度では、2024年5月に公表した「中期経営計画2026」の成長戦略を推進し、売上高は617,177百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は13,223百万円(同0.5%減)、経常利益は11,763百万円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,563百万円(同6.0%減)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
①金属セグメント
ⅰ)鉄鋼ユニット
主力である特殊鋼・鋼板製品については、自動車生産台数及び建築向け分野で需要が減少したものの、鋼板製品の取扱量が増加したことにより売上高は横ばいとなりました。利益については、持分法投資損益が増加したものの海外子会社で減益となったことにより、全体では減益となりました。
これらにより、鉄鋼ユニットの売上高は257,791百万円(前連結会計年度比0.0%減)となり、ユニット利益は5,602百万円(同15.5%減)となりました。
ⅱ)アルミ·銅ユニット
銅製品はエアコン等の空調銅管及び自動車向け端子コネクターの取扱量が増加しました。アルミ製品は自動車向け取扱量が減少しましたが、店売り向けの取扱量が増加しました。非鉄原料は銅相場の高止まりの影響を受け、地金及び銅屑の取扱量は減少しましたが、アルミ屑のメーカー直需の取扱量は増加しました。
これらにより、アルミ·銅ユニットの売上高は188,126百万円(前連結会計年度比9.5%増)となり、ユニット利益は3,094百万円(同89.2%増)となりました。
ⅲ)原料ユニット
㈱神戸製鋼所向けの主原料については、粗鋼生産量の低調が続いたことにより取扱量は減少し、価格も下落しました。重点分野である資源循環ビジネスについては、鉄スクラップの需要が旺盛で輸出取扱量が増加しました。バイオマス燃料の取扱量は、取引先の操業低下により減少しました。また海外出資先において貸倒引当金を計上しました。
これらにより、原料ユニットの売上高は80,676百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりましたが、ユニット利益は173百万円(同88.5%減)となりました。
②機械・溶接セグメント
ⅰ)機械ユニット
国内では電池材料等の取扱量が減少となるも、積極的に推進中の非汎用圧縮機のメンテナンスや㈱神戸製鋼所の製鉄所向けの納入等が増加し、売上高は堅調に推移しました。海外では中国での建機部品輸出取扱量が減少し、韓国ではスポット案件が減少しました。
これらにより、機械ユニットの売上高は61,131百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりましたが、ユニット利益は2,285百万円(同1.2%減)となりました。
ⅱ)溶接ユニット
溶接材料は国内外ともに販売単価は上昇しましたが、取扱量は減少となりました。溶接関連機材の取扱量は国内及びタイにて堅調に推移しました。生産材料ではチタン原料の輸入取扱量が増加した一方で、ワイヤーの材料となる鋼材の取扱量は減少しました。
これらにより、溶接ユニットの売上高は29,195百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりましたが、ユニット利益は703百万円(同5.5%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は337,539百万円となり、前連結会計年度末比44百万円減少いたしました。これは、受取手形及び売掛金の減少が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は49,331百万円となり、前連結会計年度末比9,493百万円減少いたしました。これは、保有株式の売却による投資有価証券の減少が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は272,200百万円となり、前連結会計年度末比8,750百万円減少いたしました。これは、支払手形及び買掛金と電子記録債務の減少が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は21,692百万円となり、前連結会計年度末比6,284百万円減少いたしました。これは、長期借入金の減少が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は92,977百万円となり、前連結会計年度末比5,496百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と為替相場の円安に伴い為替換算調整勘定が増加したことが主な要因であります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9,071百万円増加し、21,380百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,989百万円(前連結会計年度は9,090百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,794百万円、仕入債務の減少額12,916百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6,688百万円(前連結会計年度は2,789百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券等の売却による収入8,281百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△5,013百万円(前連結会計年度は7,240百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出3,040百万円、配当金の支払額3,010百万円によるものです。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。その他重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。