第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀の経済・金融政策などの効果を背景に、企業収益の改善などから自動車関連産業を中心に工作機械の設備投資需要は持ち直しの動きがみられましたが、中国やアジア新興国の景気減速による影響や原油価格の大幅な下落など景気の先行き不透明感が強まり、足元では一部新規需要に弱さがみられました。また、建築・住宅分野では住宅取得促進政策の効果により、持家や首都圏を中心とした分譲マンションの新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられました。

 海外経済では、中国やアジア新興国などにおける工作機械をはじめとした生産財需要は景気減速の影響などを受け低調に推移しましたが、米国における生産財需要は堅調に推移しました。

 このような状況の中、当社グループは、3カ年の中期経営計画「YUASA LEGACY 350」の2年目として、創業350周年に当たる最終年度の経営計画目標の達成に向けて、「グローバル強化」「国内成長分野の開拓」「プラットフォーム機能強化」に引き続きグループ一丸となって取り組みました。また、アジア最大級の「産業とくらしの流通プラットフォーム」の構築を目指し、海外事業、環境エネルギー事業、国土強靭化対応事業の強化や経営基盤強化などの諸施策を推進いたしました。

 海外事業では、米国サウスキャロライナ州に新たに営業拠点を開設し、現地法人の販売力強化により北米・中米を中心に工作機械の拡販に注力いたしました。また、建設機械の海外事業強化を目的にマレーシアに新たな現地法人を設立するなど、海外事業の拡大を進めてまいりました。

 環境エネルギー事業では、「モノづくり現場」における省エネ・省力化のための商品提案や太陽光発電における周辺機器の販売強化とともに、運用と保守のトータルサービスとしてО&M(オペレーション&メンテナンス)事業に取り組みました。

 国土強靭化対応事業では、BCP(事業継続計画)策定支援などの企業危機管理コンサルティングと備蓄品をはじめとするレジリエンス商品をワンストップで提案し、ハードとソフトの両面で災害対応を支援する統合ソリューション事業を推進いたしました。これらの活動は、第2回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)にて、昨年の金賞受賞に続き、会長賞を受賞するなど高い評価をいただきました。

 また、プラットフォーム機能強化として、物流サービスの向上と業務運営の効率化を目的に、平成28年5月に関東圏の物流拠点を千葉県柏市の「ユアサ商事関東物流センター」へ統合し、経営基盤と競争力の強化に取り組みました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.1%増の4,420億42百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が103億57百万円(前連結会計年度比5.5%増)、経常利益は110億39百万円(前連結会計年度比6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は71億90百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は13.2%(前連結会計年度は15.6%)、総資産経常利益率(RОA)は5.4%(前連結会計年度は5.0%)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 セグメント別の状況は以下のとおりです。

 

(産業機器部門)

 産業機器部門につきましては、国内の工場稼働率は一部に弱い動きがみられましたものの、自動車関連産業や航空機関連産業などを中心に引き続き持ち直しの動きがみられ、切削工具、測定器具、制御機器などの需要は堅調に推移しました。

 このような状況の中、コンプレッサーや制御関連機器など環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡販や、マテハン関連機器、工作機械の周辺機器の販売強化などに取り組みました結果、売上高は631億69百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。

 

(工業機械部門)

 工業機械部門につきましては、国内においては企業収益の改善や各種補助金制度等の効果により、受注環境は堅調に推移しましたが、期の後半にかけて一部では次年度の補助金を見据えた買い控えの傾向がみられました。一方、海外では中国をはじめ新興国経済の減速により、設備投資の抑制傾向は続きましたが、米国・メキシコを中心とした北米・中米における新規設備投資意欲は、引き続き旺盛に推移しました。

 このような状況の中、堅調な自動車関連産業や航空機関連産業向けの工作機械販売に注力するとともに、工場における「環境・省エネ・省コスト」の提案営業力の強化や、北米を中心に海外市場の営業基盤強化などに取り組みました結果、売上高は1,167億47百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。

(住設・管材・空調部門)

 住設・管材・空調部門につきましては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられる中、マンションや戸建住宅のリフォーム需要は堅調に推移し、水回り商品等の住宅設備機器の販売は底堅さがみられました。一方、新エネルギー関連商品においては、産業用太陽光発電システムの需要が減少するとともに、家庭用太陽光発電システムの販売価格が低下しました。

 このような状況の中、キッチン・ユニットバス等の住宅設備機器や省エネ型空調機器の販売に注力するとともに、太陽光発電システムに加え、蓄電池やパワーコンディショナー等の新エネルギー関連商品の拡販に取り組みました結果、売上高は1,279億1百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。

 

(建築・エクステリア部門)

 建築・エクステリア部門につきましては、公共投資の減少により土木道路関連資材の需要は低調な推移となりました。一方、都市部を中心とした再開発需要や物流施設・商業施設などの民間投資の増加により、景観エクステリア製品や金属建材製品は底堅く推移しましたものの、工期の延長や建築計画の先送りなどの影響もみられました。

 このような状況の中、大型フェンス・門扉などの景観エクステリアや建築パネル・フロアデッキなどの金属建材、防災倉庫や免震材などのレジリエンス関連商品の拡販に努めました結果、売上高は477億20百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。

 

(建設機械部門)

 建設機械部門につきましては、公共投資の減少や新排出ガス規制対応機器の導入需要が一巡したことなどの影響を受け、インフラ整備や災害復旧・復興工事などがあったものの、期の後半にかけレンタル業者の機械稼働率が低下し、設備・機器の更新需要に一服感がみられました。一方、海外向け中古建設機械オークション事業は、為替の影響により落札価格が低下したものの、商品在庫の拡充など販売拡大に取り組みました。

 このような状況の中、国内では国土強靭化に対応した取扱商品の拡充や、ミニショベル・ローラーなどの土木・舗装機械、屋内作業向け高所作業車、小型機器などの拡販に努めるとともに、海外ではアジア新興国及びヨーロッパ向け建設機械の販売に注力いたしました結果、売上高は347億75百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

 

(エネルギー部門)

 エネルギー部門につきましては、原油価格の大幅な下落が続くとともに、販売価格も低下し、厳しい販売状況が続きました。

 このような状況の中、一般石油製品・潤滑油を中心に新規開拓や新商材の販売に努めましたが、売上高は284億87百万円(前連結会計年度比28.2%減)となりました。

 

(その他)

 その他の部門につきましては、消費財事業では生活・調理・季節家電などのプライベート商品開発やラインナップ強化に努めましたが、暖冬や個人消費の伸び悩みなどの影響を受け、コタツなどの季節家電・生活家電の販売は低調に推移しました。

 木材事業では、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられたものの、為替の影響などにより、輸入材の市場環境は厳しい状況で推移しました。このような状況の中、単板や輸出用木質梱包材など非住宅用の木材商品の拡販に注力いたしました。

 この結果、その他の部門の売上高は232億41百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、304億36百万円となり、前連結会計年度末より5億94百万円の減少となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、91億14百万円(前連結会計年度比33億61百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益107億54百万円及び減価償却費17億14百万円を計上した一方、法人税等の支払額を38億64百万円計上したことなどによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、5億89百万円(前連結会計年度比41億39百万円の支出増)となりました。これは主にソフトウエアなど無形固定資産の取得による支出6億11百万円を計上したことなどによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、89億82百万円(前連結会計年度比28億28百万円の支出減)となりました。これは主に借入金の返済による支出69億35百万円及び配当金の支払額18億71百万円を計上したことなどによります。

 

2【販売、仕入及び受注の状況】

(1)販売実績

期間

前連結会計年度

自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日

当連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

セグメントの名称

金額

(百万円)

前年同期比

(%)

構成比率

(%)

金額

(百万円)

前年同期比

(%)

構成比率

(%)

産業機器

61,635

4.0

14.0

63,169

2.5

14.3

工業機械

106,236

11.7

24.1

116,747

9.9

26.4

住設・管材・空調

127,824

△1.5

28.9

127,901

0.1

28.9

建築・エクステリア

48,094

△0.5

10.9

47,720

△0.8

10.8

建設機械

33,538

1.9

7.6

34,775

3.7

7.9

エネルギー

39,669

△17.6

8.9

28,487

△28.2

6.4

その他

24,725

△13.7

5.6

23,241

△6.0

5.3

合計

441,723

△0.1

100.0

442,042

0.1

100.0

(注) 販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

 仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。

 

(3)受注実績

 受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

 今後のわが国経済につきましては、政府・日銀による経済・金融政策などにより企業の設備投資や個人消費・住宅投資等の回復に加え、災害復旧・復興及び国土強靭化に向けたインフラ改修や補強などの公共投資、東京オリンピック・パラリンピック、リニア中央新幹線等のインフラ整備が引き続き増加し、建設関連需要は底堅く推移するものと思われます。一方、原油価格の下落や中国経済の成長鈍化などの影響による国内景気の回復動向は不透明な状況が予想されます。

 海外経済におきましても、堅調な米国経済などに支えられ工作機械などの生産財への設備投資需要は続くと思われるものの、引き続きアジア新興国の景気減速が見込まれる中、世界的な景気の不透明感は一層強まるものと思われます。

 創業350周年に当たる平成28年度は3カ年の中期経営計画「YUASA LEGACY 350」の最終年度に当たり、当社グループは、経営計画目標の達成に向けた取り組みを進めてまいります。

 「YUASA LEGACY 350」では、「グローバル強化」「国内成長分野の開拓」「プラットフォーム機能強化」の3つの軸を推進し、「産業とくらし」分野でアジア最大規模のトレード・ロジスティクス機能の構築とグループ経営基盤の強化を目指してまいります。

(グローバル強化)

 「グローバル強化」では、北米・中米・アジアを中心に工作機械をはじめとした生産財の販売強化を進めてまいります。また、中古建設機械オークション事業やタイでの工場向け省エネコンサルティング事業などを通じて、工場分野のほか、環境、インフラ・建築分野も併せて事業拡大を進めてまいります。

(国内成長分野の開拓)

 「国内成長分野の開拓」につきましては、引き続き、環境エネルギー事業、国土強靭化対応事業に全社一丸となり取り組んでまいります。環境エネルギー事業では、「モノづくり現場」における省エネ・省力化のための商品提案や太陽光発電システムにおける周辺機器の販売強化とともに、運用と保守のトータルサービスとしてО&M(オペレーション&メンテナンス)事業の取り組みを強化するとともに、電力の小売全面自由化に対応したサービスの提供などを進めてまいります。また、国土強靭化対応事業では、企業の危機管理コンサルティング事業などを通じて、レジリエンス商品などのハードとBCP(事業継続計画)策定支援などのソフトをワンストップで提供する災害統合ソリューション事業の強化など当社の強みを活かし、事業拡大に向けて様々な施策に取り組み、事業競争力の強化を図ってまいります。

(プラットフォーム機能強化)

 「プラットフォーム機能強化」に向けましては、平成26年に運用をスタートした新販売管理システム「NEXTAGE」のブラッシュアップを進めるとともに、市場環境の変化に応じた機動的な組織を構築してまいります。また、物流サービスの向上と業務運営の効率化を目的とし、関東圏における物流拠点を千葉県柏市の「ユアサ商事関東物流センター」へ統合し、高度化・多様化した物流ニーズに対応したサービスの提供を進めてまいります。さらに、成長事業を担う人材の育成・増強の一環として国土強靭化対応事業の指南役となる「レジリエンスリーダー」の育成や「海外トレーニー」制度の活用、女性の活躍を推進する体制整備など人材力の強化に努めてまいります。

 加えて、主要な経営指標では、定量目標の達成と連結経常利益額100億円以上の常態化を目指し邁進してまいります。

 当社グループは、中期経営計画「YUASA LEGACY 350」の最終年度である平成28年度に創業350周年を迎えました。中期経営計画の目標達成を通じ、社会や時代の新潮流に資する事業の開発を積極的に進めるとともに、既存コア事業のさらなる機能強化に取り組み、次の50年、100年に向け次代の新潮流創造のためのイノベーションに挑戦し、企業価値の永続的向上を目指してまいります。「老舗は常に新しい」をモットーに、これからもユアサ商事グループは進化を続けてまいります。また、多岐にわたる事業を通じ、国土強靭化を見据えた震災・災害復興事業に取り組み、社会貢献を図ってまいります。さらに、コーポレート・ガバナンスの一層の強化・充実、内部統制システムの運用強化、コンプライアンス及びリスク管理の徹底を図るとともに、長年培ってきた信頼関係をより一層強固なものに築き、さらなる企業価値の最大化に努めてまいります。

 なお、当社は、いわゆる「買収防衛策」を現時点では導入しておりませんが、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容の概要は次のとおりであります。

1.基本方針の内容について

 当社は、当社株式について大量取得を目的に買付けがなされる場合、または当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされる場合、それに応じるか否かの判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるものと考えております。

 また、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、継続的に向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。

 

 当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件より有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものが存すると考えられます。当社は、このような大規模な買付行為等を行う者またはグループは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される範囲において当社グループの企業価値または株主共同の利益の確保・向上のための適切な措置を講じることを、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。

2.企業価値・株主共同の利益の確保・向上に向けた取り組みについて

(1)当社グループは、中期経営計画「YUASA LEGACY 350」のもと、「グローバル強化」「国内成長分野の開拓」「プラットフォーム機能強化」の3つの軸を拡大し、グループ経営基盤の強化に取り組むとともにコーポレート・ガバナンスを強化充実させ、企業価値・株主共同の利益の確保・向上を図ります。

(2)当社は、株主、投資家の皆様から負託された責務として、当社の株式取引や異動の状況を注視し、当社株式を大量取得しようとする者が出現した場合には、社外の専門家等を中心とする委員会を設置し、当該買収提案の評価や買付者との交渉を行うとともに、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整えます。

3.上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 当社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に判断する必要があると認識しておりますが、具体的な対抗措置が必要な場合は、それが①上記基本方針に沿い、②当社の株主の共同の利益を損なうものでなく、③当社の役員の地位の維持を目的とするものでないことを充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクについて、主な事項を記載しております。なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 景気変動リスク

 当社グループは産業設備関連投資や新設住宅着工戸数等の建設投資の動向と密接な関連性を有しております。当社グループは新領域及び海外などの新市場の拡大に注力いたしておりますが、上記経済動向に予想外の変動があった場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 株価変動リスク

 当社グループは取引先を中心とした市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。これらの株式は中長期的な保有を目的としており、適宜保有株式の見直しを行っておりますが、株価変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 金利変動リスク

 当社グループの有利子負債には、変動金利条件となっているものがあり、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、金利変動リスクを回避する目的で、有利子負債の短期から長期への転換や金利スワップ取引を利用する場合があります。

 

(4) 信用リスク

 当社グループは、多様な営業活動を通じて国内外の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社グループでは社内管理規程等に基づく与信管理を行い、リスクの軽減に努めておりますが、取引先の予想外の諸事情による債務不履行等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 為替変動リスク

 当社グループは、外貨による輸出入取引において、為替予約を用いて為替相場の変動リスクの軽減に努めておりますが、為替レートの変動によって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外現地法人を有しており、連結財務諸表作成の際の為替換算レートの変動によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) コンプライアンスリスク

 当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職等腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法や建築基準法や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの法令・規制を遵守するため、当社グループでは倫理方針、行動規範を定めるとともに、代表取締役社長の直轄組織である倫理・コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 情報システム・情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため、情報セキュリティ運用細則を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、さらには、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 製造物責任リスク

 当社グループは、生活家電の製造・販売事業を行っております。これら商品の品質管理には万全を期するとともに製造物責任保険も付保しておりますが、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) カントリーリスク

 当社グループは、海外における取引や海外での事業活動を行っております。これら海外の取引相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権または投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応し、貿易保険を付保するなど、リスクの管理・ヘッジに努めておりますが、特定の国または地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)自然災害等リスク

 地震や大規模な水害などの自然災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行の予期せぬ事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力等の供給停止等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。当社は、事業活動の継続のために、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、災害対策マニュアルの作成、耐震対策、防災訓練等の対策を講じておりますが、自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症による被害を完全に回避できるものではなく、これらの被害が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当該事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)重要な会計方針及び財政状態の分析

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて20億5百万円減少し、2,028億91百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が11億21百万円減少したことなどによります。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて66億28百万円減少し、1,455億83百万円となりました。主な要因は、借入金が69億62百万円減少したことなどによります。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて46億23百万円増加し、573億7百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が53億19百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は、28.0%(前連結会計年度末は25.5%)となりました。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、政府や日銀の経済・金融政策などの効果を背景に、企業収益の改善などから自動車関連産業を中心に工作機械の設備投資需要は持ち直しの動きがみられましたが、景気の先行き不透明感が強まり、足元では一部新規需要に弱さがみられました。建築・住宅分野では住宅取得促進政策の効果により持家や首都圏を中心とした分譲マンションの新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられ、前連結会計年度比0.1%増の4,420億42百万円となりました。

 産業機器部門は、国内の工場稼働率に一部弱い動きがみられたものの、自動車関連産業や航空機関連産業などを中心に切削工具、測定器具、制御機器などの需要が堅調に推移したことから前連結会計年度比15億34百万円(同比2.5%増)の増収、工業機械部門は、国内では、企業収益の改善や各種補助金制度等の効果により、工作機械の受注環境は堅調に推移しましたが、期の後半にかけ次年度の補助金等を見据えた買い控えの傾向がみられました。また、海外では北米・中米を中心に旺盛な設備投資意欲がみられ、同比105億11百万円(同比9.9%増)の増収となりました。

 また、住設・管材・空調部門は、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられる中、リフォーム需要は堅調に推移し、水回り商品等の住宅設備機器の販売も底堅く推移したものの、太陽光発電システムは主に産業用の減少の影響などにより同比76百万円(同比0.1%増)の増収となりました。一方、建築・エクステリア部門は、都市部を中心に再開発需要などの民間投資の増加により、フェンスなどの景観エクステリア製品や金属建材製品は底堅く推移したものの、公共投資の減少から土木道路関連資材等の需要が低調に推移し、同比3億73百万円(同比0.8%減)の減収となりました。

 建設機械部門は、公共投資の減少や新排出ガス規制対応機器の導入需要が一巡した影響を受け、設備・機器の更新需要に一服感がみられましたものの、国土強靭化に対応した取扱商品の拡充や土木・舗装機械、高所作業車の拡販が寄与した結果、同比12億37百万円(同比3.7%増)の増収となりました。

 エネルギー部門は、原油価格の大幅な下落が続くとともに、販売価格も低水準で推移し、厳しい販売状況が続いたことから同比111億82百万円(同比28.2%減)の減収となりました。また、その他部門は、消費財事業は個人消費の伸び悩みに加え、暖冬の影響もあり、主力の季節家電の販売は低調に推移しました。一方、木材事業におきましても、為替の影響から住宅用木質部材などの輸入材は厳しい市場環境が続きましたことから、同比14億83百万円(同比6.0%減)の減収となりました。

 売上総利益は、405億39百万円と同比17億99百万円(同比4.6%増)の増益となり、営業利益は、103億57百万円と同比5億42百万円(同比5.5%増)の増益となりました。

 経常利益は、110億39百万円と同比6億85百万円(同比6.6%増)の増益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に旧本社売却による特別利益を計上していたことなどから71億90百万円と同比3億3百万円(同比4.1%減)の減益となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)戦略的現状と見通し

 戦略的現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、304億36百万円となり、前連結会計年度末より5億94百万円の減少となりました。

 営業活動の結果得られた資金は、91億14百万円(前連結会計年度比33億61百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益107億54百万円及び減価償却費17億14百万円を計上した一方、法人税等の支払額を38億64百万円計上したことなどによります。

 投資活動の結果使用した資金は、5億89百万円(前連結会計年度比41億39百万円の支出増)となりました。これは主にソフトウエアなど無形固定資産の取得による支出6億11百万円を計上したことなどによります。

 財務活動の結果使用した資金は、89億82百万円(前連結会計年度比28億28百万円の支出減)となりました。これは主に借入金の返済による支出69億35百万円及び配当金の支払額18億71百万円を計上したことなどによります。

 財政政策といたしましては、調達手段の選択等において常に適切な財務比率と資金効率をバランス良く維持し、財務体質のより一層の健全化を図ることとしております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。