第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)におけるわが国経済は、緩やかな景気の回復基調が続き、企業収益の改善がみられました。工業分野では、期の後半以降、一部で減速感があるものの、堅調な設備投資意欲により、工作機械などの新規・更新需要に引き続き伸長がみられました。建設・住宅分野では貸家を中心に減少傾向が続いた一方で、都市部を中心とした再開発事業や物流施設などの建設需要は底堅く推移しました。

海外では、米国で着実に景気回復が続いているものの、米中貿易摩擦の影響により第3四半期以降、中国市場は減速基調で推移するとともに、タイやインドネシア、マレーシアなどのアジア新興国においても設備投資意欲に弱い動きがみられました。

当期は、業界トップレベルの収益構造を持つ複合専門商社グループに成長することを目指す「ユアサビジョン360」の第1ステージである3カ年の中期経営計画「Growing Together 2020」の2年目であり、「コア事業の機能強化」「成長事業の再強化」「経営基盤の強化」を基本方針とし、エンジニアリング機能、ロジスティクス機能、情報発信機能などのコア事業の強化に引き続き注力いたしました。「成長事業の再強化」では、グローバル成長を目指す「海外事業」「ロボ(AI)&IoT事業」や電子商取引拡大に対応する「新流通事業」「環境・エネルギーソリューション事業」「レジリエンス&セキュリティ事業」の5分野を成長事業として、育成・強化に取り組みました。また、次なる成長事業の発掘・育成のために農業、介護・医療分野への新市場開拓に向けた諸施策を推進いたしました。

このような状況の中、新流通事業における、電子商取引拡大に向けた新たなECサイト「Growing Navi」を活用し、情報発信機能の強化によるトレードビジネスの拡大と業務の効率化に注力いたしました。

海外事業では、販売体制の一層の整備・強化とともに、生産の自動化などの提案営業力強化による工作機械や建設機械の拡販に加えて、東南アジアエリアにおけるJCM(二国間クレジット制度)等を活用した省エネ支援事業を積極的に推進するなど、環境エネルギー事業の拡大にも取り組みました。

成長事業では、生産ラインの自動化提案などのシステムインテグレーション機能を強化し、産業用ロボットをはじめとしたロボ(AI)&IoT事業の強化に注力するとともに、次なる成長事業の発掘・育成を目的に次世代農業ロボットの開発コンソーシアムへの参画や多関節ロボット搭載型無人搬送台車の共同開発を推進いたしました。環境・エネルギーソリューション事業では、環境・省エネに配慮したエネルギーの最適化を幅広く提案し、新商品・新システムの開発・拡販に努めました。レジリエンス&セキュリティ事業では、台風や地震などの自然災害への対応がより一層重要となる中、ソリューション営業を展開し、事業活動を通じて安全・安心な社会インフラ整備の提案に注力いたしました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同四半期比7.2%増の3,553億78百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が84億63百万円(前年同四半期比11.0%増)、経常利益は91億55百万円(前年同四半期比11.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は60億93百万円(前年同四半期比6.0%増)となりました。

セグメント別の状況は以下のとおりです。

 

(産業機器部門)

産業機器部門につきましては、中国市場を中心とした半導体やスマートフォン関連産業に減速感がみられるものの、国内においては自動化・省人化需要に支えられ自動車関連産業などを中心に工場稼働率は底堅く推移し、自動化・省力化機器、切削工具、測定器具、制御機器などの需要は堅調に推移しました。

このような状況の中、5月に稼働した新たなECサイト「Growing Navi」によるトレードビジネスの拡大強化や在庫拡充など物流サービスの向上に取り組みました。また、コンプレッサや発電機、制御関連機器などの環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡充、マテハン関連機器、ロボット装置、工作機械周辺機器の販売強化に注力いたしました結果、売上高は537億20百万円(前年同四半期比4.3%増)となりました。

 

 

(工業機械部門)

工業機械部門につきましては、国内では堅調な設備投資需要を背景に、自動車関連産業やバッテリーやモーターなどの関連分野向けの受注が好調に推移するとともに、ロボット市場も底堅い自動化需要に支えられ成長を維持しました。一方、これまで好調であった半導体産業は第3四半期以降一服感がみられました。海外では、現地資本企業において米中貿易摩擦の影響から設備投資に慎重な姿勢がみられるものの、インド、ベトナム、インドネシアなどアジアの日系企業では堅調な設備投資需要が続き、安定した受注環境で推移しました。

このような状況の中、好調な自動車関連産業を中心に、省人化・自動化・無人化による生産性向上やコストダウンを図るための設備提案に加え、新素材・難削材の加工設備販売に注力いたしました。また、メキシコやインド、米国、中国、東南アジアを中心に、海外市場の販売体制強化に取り組みました結果、売上高は921億3百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。

 

(住設・管材・空調部門)

住設・管材・空調部門につきましては、持家や分譲住宅を中心に新設住宅着工戸数が弱含みで推移したものの、戸建て住宅のリフォ-ム需要向け商材、非住宅分野の空調機器や管材商品などの販売を強化し、需要の取り込みに努めました。また、新エネルギー関連商品では、太陽光発電パネルの販売に持ち直しの動きがみられ、蓄電池・パワーコンディショナなどの周辺機器や当社で開発した太陽光発電の出力制御ユニット等の新商材拡販を進めるとともに、工場向けなどの自家消費型の太陽光発電の拡販に努めました。

このような状況の中、バルブ、ポンプなどの管材商品や省エネ性能の高い空調機器の販売に注力するとともに、新エネルギー関連商品の拡販に取り組みました結果、売上高は1,081億29百万円(前年同四半期比5.4%増)となりました。

 

(建築・エクステリア部門)

建築・エクステリア部門につきましては、建設技能者不足などによる工期の遅れがみられたものの、首都圏を中心に商業・物流施設向けの景観エクステリア商材の需要及び再開発事業などビル・マンション・ホテル向けの金属建材需要やインフラ関連需要は堅調に推移しました。また、台風や水害をはじめとした自然災害の復興需要の本格化により、フェンス・カーポート等エクステリア商材の販売に伸長がみられました。

このような状況の中、物置などのエクステリア商材に加え、金属パネルなどの建築商材及び耐震・免震材や防災倉庫、ソーラー街路灯などのレジリエンス製品に加え宅配ボックスの拡販に努めました結果、売上高は386億57百万円(前年同四半期比6.7%増)となりました。

 

(建設機械部門)

建設機械部門につきましては、都市部を中心とした再開発事業の増加やインフラ整備、災害復旧・復興工事の公共工事などにより建設機械需要は好調に推移し、当社が主力とする小型建設機械の需要が持ち直す中、第3四半期には発電機やミニショベルなどの納期の遅延にも解消がみられました。

このような状況の中、国内では国土強靭化に対応した取扱商品の拡充や、ミニショベル、ローラーなどの土木・舗装機械、屋内作業向け高所作業車、小型機器や発電機などの拡販に努めるとともに、海外向けオークション事業の商品拡充による販売拡大に注力いたしました。海外では、東南アジア向けに、油圧ショベル、高所作業車などの建設機械の販売に注力いたしました結果、売上高は257億84百万円(前年同四半期比1.2%増)となりました。

 

(エネルギー部門)

エネルギー部門につきましては、石油製品需要の減少が続く中、石油元売事業者の再編の影響や石油製品価格に大きな変動がみられ、市場環境の変化が続きました。

このような状況の中、卸売事業につきましては一般石油製品・潤滑油の新規販売先の開拓や新商材の販売に努めました。小売事業につきましてはガソリン等の販売に加え、タイヤ・車検・コーティングなどのカーケアサービスの強化に努めました結果、売上高は178億39百万円(前年同四半期比2.1%減)となりました。

 

(その他)

その他部門につきましては、消費財事業では、生活家電を中心に新商品を投入するとともに、ECサイト「ユアサプライムス.com」の拡充など販売チャネルの拡大に努めましたものの、冬物季節家電は暖冬の影響などにより低調に推移しました。木材事業では、原産地における自然災害や天候不良の影響による供給量不足の影響などにより、需給バランスの混乱がみられたものの、国内における合板需要は梱包材を中心に堅調に推移しました。

この結果、その他の部門の売上高は191億42百万円(前年同四半期比12.4%増)となりました。

 

(2) 財政状態に関する説明

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて41億99百万円増加し、2,392億21百万円となりました。これは、たな卸資産が72億86百万円、電子記録債権が39億60百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が43億37百万円、投資有価証券の減少などによる投資その他の資産のその他が25億7百万円減少したことなどによります。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて31億84百万円増加し、1,660億29百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が13億14百万円、流動負債のその他が43億11百万円増加した一方で、未払法人税等が12億68百万円減少したことなどによります。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて10億14百万円増加し、731億92百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより利益剰余金が34億52百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が17億16百万円減少したことなどによります。

 この結果、自己資本比率は、30.4%(前連結会計年度末は30.5%)となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当社は、いわゆる「買収防衛策」を現時点では導入しておりませんが、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容の概要は次のとおりであります。

1.基本方針の内容について

 当社は、当社株式について大量取得を目的に買付けがなされる場合、または当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされる場合、それに応じるか否かの判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるものと考えております。

 また、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、継続的に向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。

 当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件より有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものが存すると考えられます。当社は、このような大規模な買付行為等を行う者またはグループは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される範囲において当社グループの企業価値または株主共同の利益の確保・向上のための適切な措置を講じることを、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。

2.企業価値・株主共同の利益の確保・向上に向けた取り組みについて

(1)当社グループは、2026年の創業360周年を見据えた「ユアサビジョン360」の実現のための第1ステージとして、「コア事業の機能強化」「成長事業の再強化」「経営基盤の強化」の3つを基本方針とする中期経営計画「Growing Together 2020」を2017年3月に策定し、業界トップレベルの収益構造を持つ複合専門商社グループへと成長を目指して、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に取り組んでおります。

(2)当社は、株主、投資家の皆様から負託された責務として、当社の株式取引や異動の状況を注視し、当社株式を大量取得しようとする者が出現した場合には、社外の専門家等を中心とする委員会を設置し、当該買収提案の評価や買付者との交渉を行うとともに、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整えます。

3.上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 当社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に判断する必要があると認識しておりますが、具体的な対抗措置が必要な場合は、それが①上記基本方針に沿い、②当社の株主の共同の利益を損なうものでなく、③当社の役員の地位の維持を目的とするものでないことを充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は29百万円であります。主に、次なる成長事業の発掘・育成を目的に次世代農業ロボットの開発コンソーシアムへの参画や多関節ロボット搭載型無人搬送台車の共同開発等を行っております。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。