(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「誠実と信用」「進取と創造」「人間尊重」の三つを経営理念としております。社会的存在としての企業にとり継続性は主要な命題のひとつと考えますが、「誠実と信用」の理念のもと、当社グループは「産業とくらし」分野における技術専門集団として、長年にわたり株主様や取引先様をはじめ多くのステークホルダーから厚い信頼をいただいております。
創業以来350年を超える長い歴史と伝統をもつ当社グループは、「進取と創造」の理念のもと、経営環境の変化に臨機に対応し、常に積極果敢の経営を心掛けております。
また、当社グループは「人間尊重」をあらゆる企業活動の基本と位置づけ、CS(顧客満足度)向上を最優先とする経営戦略を展開し、多くのお客様からご支持をいただいております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症(変異株)の感染拡大が懸念される中、長引く米中の通商問題など、国内・世界経済ともに不透明な経済環境が続くと思われますが、新型コロナウイルスワクチン接種の拡大により経済活動の制限が緩和され、時期や水準、国・地域別、産業別の動向は一様ではないものの、各国における新型コロナ禍の終息後を見据えた財政・金融政策などの景気浮揚策による経済の回復が期待されます。
国内においては、変異株の感染拡大による緊急事態宣言の再発令により、消費活動や事業活動が制約されることで下振れリスクが残るものの、後半期にかけて遅れているワクチン接種が進み、経済活動が徐々に正常化すると予想されます。また、コロナ禍により見合わせていた自動化や省人化、環境・省エネなどの設備投資需要に回復の動きが強まることが想定されます。
また、「循環型社会」や「脱炭素社会」といった環境負荷削減の実現に向けたグローバルな経済活動が急速に広がるなど、企業には持続可能な社会の実現に向けた取り組みの必要性が求められております。
このような状況の中、中期経営計画「Growing Together 2023」の達成に向け、「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードにした「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」の諸施策を実行するとともに、事業活動を通じた「ESG」「SDGs」に向けた取り組みを強化してまいります。
①「ユアサビジョン360」の概要
創業360周年を迎える2026年のありたい姿として、業界トップレベルの収益構造を持つ複合専門商社グループへの成長を目指します。2026年3月期の定量計画としては、連結売上高6,000億円、連結経常利益200億円、経常利益率3.3%を目指します。
②中期経営計画「Growing Together 2023」の概要
「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」を基本方針として、「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードに、成長事業(=社会課題解決ビジネス)の発掘・育成を行うとともに、真の働き方改革による生産性向上を実現します。
(ⅰ)成長戦略の推進に向けて
◆《海外事業》北米地区、南アジア地区、東アジア地区に対し、当社グループの経営資源を集中投下します。
◆《ロボ(AI)&IoT》最先端のAI/IoT・ロボット技術の提案を通じ、取引先ネットワーク全体の成長を目指します。
◆《環境・エネルギーソリューション事業》エネルギーの効率的活用やレジリエントなライフラインの確保に向け再生可能エネルギーを活用した「分散型エネルギー社会の実現」を目指します。
◆《新流通事業》販売先様との電子商取引(Growing Navi)事業を拡大します。
◆《レジリエンス&セキュリティ事業》「防災・減災・BCP」をキーワードに、安心・安全な社会インフラの形成を推進します。
◆《農業》次世代の「儲かる農業」をご提案します。
◆《介護・医療》高齢化社会の現場改善をサポートします。
◆《食品》スマート食品工場のトータル提案を推進します。
◆《シェアリング》市場ニーズに合わせたシェアリングのプラットフォームを創出します。
(ⅱ)コア事業強化に向けて
《機能強化》
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2020年10月 株式会社丸建サービス・丸建商事株式会社を子会社化 |
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(強み・シナジー効果) ・建機の修理・メンテノウハウとレンタル機のラインナップ ・メンテ&レンタル機能装備による建機部門の事業領域拡大 |
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2020年12月 中川金属株式会社・永井産業株式会社を子会社化 |
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(強み・シナジー効果) ・大手メーカー及びそのグループ企業への直接販売を軸とした営業基盤 ・京葉工業地帯及び千葉県・茨城県の製造業者を対象とした機械工具の販売 ・切削工具販売事業の強化をはじめ、取扱商材の拡大による事業領域の拡大を見込む |
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2021年4月 ユアサテクノ株式会社とユアサプロマテック株式会社を統合し、 「ユアサネオテック株式会社」を発足 |
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(強み・シナジー効果) ・当社グループの事業運営の合理化・効率化を図る ・両社の営業基盤を相互に活用し、事業拡大を図る |
《総合力発揮》
商社機能を生かし、商品や機能をつなぎ、課題解決型製品の開発に注力しています。幅広い事業領域を活かした総合力で、当社ならではの新しい価値を創造し、社会課題を解決する「つなぐ」複合専門商社グループの実現に注力してまいります。
(ⅲ)経営基盤の強化に向けて
《DXへの取組み》
DXの推進に向け、2021年3月期に、関連会社であった株式会社シーエーシーナレッジ(現 ユアサシステムソリューションズ株式会社)を子会社化することにより体制の強化を図りました。
当社が持つ歴史や経験を可能な限りデータ化し、現在の仕入先様や販売先様のネットワークからの情報と、一般市場のデータを集約し、AIにより分析することで、新たなサービスや当社独自の課題解決商品開発に結び付け、「モノ売り」から「コト売り」への変革を実現していきます。データやIT技術を活用した他社にはない競争優位性の確立を目指してまいります。
《サステナビリティへの取組み》
当社グループは企業理念として掲げた「地球環境との調和を基軸として、世界のいかなる国、地域においても双利共生の関係を重視し、企業活動を通じて、より人間らしい豊かな社会づくりに貢献する」ことを実行するとともに、持続可能な社会の実現に向け「サステナビリティ宣言」を策定し、サステナビリティの実現に向けて行動してまいります。
《コーポレートガバナンスの強化》
◆政策保有株式の縮減
2021年3月期において当社及び当社グループ会社保有の株式14銘柄を売却いたしました。
◆社外取締役の増員
第142回定時株主総会で社外取締役の増員が決議され、社外取締役が全取締役に占める割合が3分の1以上となっております。
◆取締役会の監督機能強化
ガバナンス諮問委員会の答申を受け、取締役会付議基準を変更し、取締役会の監督機能を強化いたしました。
(Ⅳ)投資・資本政策
《成長に向けた投資枠》
成長事業への投資、コア事業の機能強化のための投資や経営基盤の強化(DX等)のための投資を通じ、収益性の向上を図るとともに1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
《株主還元方針》
株主還元率33%以上を目標として、自己株式の取得を含め、DOE(株主資本配当率)の向上に努めます。
●中期経営計画「Growing Together 2023」の詳細については、以下の当社ホームページに掲載しておりますので、併せてご参照ください。
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当社ホームページ ≫ https://www.yuasa.co.jp/ir/index.html |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社グループでは、リスクに関する統括責任者(以下「リスク管理統括責任者」という)として経営管理部門管掌取締役を定め、想定されるリスクごとに、発生時における迅速かつ適切な情報伝達と緊急事態対応体制を整備しております。リスク管理統括責任者は、必要に応じてリスク管理の状況を取締役会に報告しており、リスクが顕在化した場合の、事業中断及び影響を最小限にとどめ、事業継続マネジメント体制の整備に努めております。
特に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、これらの想定されていたリスクが複合的に関係しており、当社グループは、従前より各種政策の見直しやリスク管理体制の徹底により、経営に与える影響を最小限に抑える方策を進めております。
(1) 景気変動リスク
当社グループは産業設備関連投資や新設住宅着工戸数等の建設投資の動向と密接な関連性を有しております。当社グループは新領域及び海外などの新市場の拡大に注力いたしておりますが、上記経済動向に予想外の変動があった場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 株価変動リスク
当社グループは取引先を中心とした市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。これらの株式は中長期的な保有を目的としており、適宜、当社の「有価証券投資に関するガイドライン」に基づき保有株式の見直しを行っておりますが、株価変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 金利変動リスク
当社グループの有利子負債には、変動金利条件となっているものがあり、総資産に占める借入依存度は低いものの、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、金利変動リスクを回避する目的で、有利子負債の変動金利から固定金利への転換等を行う場合があります。
(4) 信用リスク
当社グループは、多様な営業活動を通じて国内外の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社グループでは社内管理規程等に基づく与信管理を行い、リスクの軽減に努めておりますが、取引先の予想外の諸事情による債務不履行等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 為替変動リスク
当社グループは、外貨による輸出入取引において、為替予約を用いて為替レートの変動リスクの軽減に努めておりますが、為替レートの変動によって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外現地法人を有しており、連結財務諸表作成の際の為替換算レートの変動によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) コンプライアンスリスク
当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職等腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法や建築基準法や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの法令・規制を遵守するため、当社グループでは倫理方針、行動規範を定めるとともに、代表取締役社長の直轄組織である倫理・コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 情報システム・情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため、情報セキュリティ運用細則を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、さらには、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 製造物責任リスク
当社グループは、生活家電の製造・販売事業を行っております。これら商品の品質管理には万全を期するとともに製造物責任保険も付保しておりますが、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) カントリーリスク
当社グループは、海外における取引や海外での事業活動を行っております。これら海外の取引相手国における政策変更、政治・経済等の環境変化により、債権または投融資の回収が困難になるようなリスクを有しております。想定し得るカントリーリスクについては、各種の情報に基づき慎重に対応し、貿易保険を付保するなど、リスクの管理・ヘッジに努めておりますが、特定の国または地域に関連して回収不能が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 自然災害等リスク
地震や大規模な水害などの自然災害や新型ウイルス等の感染症の流行の予期せぬ事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力等の供給停止等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業活動の継続のために、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、災害対策マニュアルの作成、耐震対策、防災訓練等の対策を講じておりますが、自然災害及び新型ウイルス等の感染症による被害を完全に回避できるものではなく、これらの被害が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) 気候変動リスク
地球温暖化をはじめとした世界的な気候変動が顕在化している現在の環境下において、温室効果ガスの排出量削減を目的とした取り組みが世界的に進められておりますが、気候変動にともなう法的な規制強化や製品の供給規制等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。一方、当社グループは、すべての事業活動を通じ、地球環境の健全な維持と経済成長の調和を目指す「持続可能な発展」の実現に向け、地球環境に貢献する機器やシステムを国内外に販売・普及させる環境事業を推進し、社会問題の解決に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大にともない、大きな影響を受けました。感染症拡大の防止策が講じられるなか、一部の製造業を中心に経済活動の緩やかな回復がみられたものの、足元では変異株の感染拡大による緊急事態宣言の再発令など景気の先行きに不透明な状況が続き、厳しい状況で推移しました。
工業分野では、半導体や自動車関連などの分野で持ち直しの動きがみられましたが、設備投資意欲は依然として慎重さがみられました。一方、建設・住宅分野では、新設住宅着工戸数が減少するなど弱い動きが継続しましたが、公共設備投資をはじめ住宅リフォームや管材・空調分野は堅調に推移しました。
海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大の世界的な影響はあるものの、米国・中国などで景気の回復が進み、アジアにおいても設備投資需要は緩やかな持ち直しに向かいました。
このような状況の中、当社グループは2026年の創業360周年を見据えた長期目標「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートさせました。
「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードにした「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」を柱に、「業界トップレベルの収益構造を持つ『つなぐ 複合専門商社グループ』への成長を目指して諸施策を実行するとともに、「ESG」「SDGs」に向けた取り組みを強化いたしました。
「成長事業戦略」では、モノづくり分野でのAI実装において豊富な経験を有するconnectome.design株式会社との資本・業務提携により自動化・省人化需要の取り込みを加速させました。また、自社開発した感染症対策除菌液噴霧ロボットや協働運搬ロボットの実証実験を開始するとともに、スマート農業においても自律多機能型ロボットの開発及びサービスの提供を行う株式会社DONKEYを共同出資にて設立し、市場投入に向けた取り組みを始めました。
「コア事業戦略」では、2020年10月に株式会社丸建サービス及び丸建商事株式会社、2020年12月には中川金属株式会社及び永井産業株式会社の4社を連結子会社化し、建設と工業分野における機能強化を図りました。また、当社主催によるニューノーマルな展示会「YUASA Growing フェア」を2020年11月に関東、2021年3月に関西でそれぞれ開催し、リアルとバーチャルを融合させた新たなプロモーション活動を実施し、今後のニューノーマルを見据えたプロモーション形式を提案いたしました。
新型コロナウイルス感染症対策としては、「感染低減ハウス」の開発や、当社ECサイトを活用した感染症対策商品の提案活動などを積極的に行いました。また、Webを活用したマンション管理会社・工事会社・居住者を「つなぐ」業界初となる全工種対応型予約管理システム「ITENE(イテネ)」の提供を開始いたしました。
「経営基盤の強化」として、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的に、2021年2月に持分法適用関連会社株式会社シーエーシーナレッジ(現ユアサシステムソリューションズ株式会社 2021年4月1日付で商号変更)を連結子会社化し、グループネットワーク基盤の共有化とデータ活用に向けた取り組みを開始いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%減の4,321億85百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が89億83百万円(前連結会計年度比24.3%減)、経常利益は100億11百万円(前連結会計年度比21.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億30百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は8.1%(前連結会計年度は11.4%)となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて4億16百万円増加し、2,374億87百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が43億43百万円、土地が12億14百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が87億47百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて87億97百万円減少し、1,472億45百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が249億43百万円減少した一方で、電子記録債務が153億89百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて92億13百万円増加し、902億42百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が44億79百万円、その他有価証券評価差額金が18億19百万円それぞれ増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は、37.7%(前連結会計年度末は34.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、419億47百万円となり、前連結会計年度末より12億99百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、59億82百万円(前連結会計年度比69億87百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益104億75百万円及び売上債権の減少額96億63百万円を計上した一方、仕入債務の減少額108億50百万円及び法人税等の支払額を47億39百万円計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、35億9百万円(前連結会計年度比6億65百万円の支出増)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出23億24百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12億16百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、37億13百万円(前連結会計年度比2億3百万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額24億50百万円及び長期借入金の返済額13億6百万円を計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
|
期間 |
前連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
||||
|
セグメントの名称 |
金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
構成比率 (%) |
金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
構成比率 (%) |
|
産業機器 |
70,056 |
△4.1 |
14.3 |
61,520 |
△12.2 |
14.2 |
|
工業機械 |
122,426 |
△6.2 |
24.9 |
82,723 |
△32.4 |
19.1 |
|
住設・管材・空調 |
162,419 |
6.8 |
33.0 |
158,970 |
△2.1 |
36.8 |
|
建築・エクステリア |
58,259 |
3.6 |
11.9 |
56,624 |
△2.8 |
13.1 |
|
建設機械 |
37,275 |
8.5 |
7.6 |
36,102 |
△3.1 |
8.4 |
|
エネルギー |
20,584 |
△12.2 |
4.2 |
15,555 |
△24.4 |
3.6 |
|
その他 |
20,328 |
△14.9 |
4.1 |
20,687 |
1.8 |
4.8 |
|
合計 |
491,348 |
△0.5 |
100.0 |
432,185 |
△12.0 |
100.0 |
(注) 販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%減の4,321億85百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が89億83百万円(前連結会計年度比24.3%減)、経常利益は100億11百万円(前連結会計年度比21.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億30百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は8.1%(前連結会計年度は11.4%)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により工場稼働率の低下がみられたものの、5G(第5世代移動通信システム)を中心に半導体関連の需要が拡大するとともに、自動車関連産業も年末にかけ生産が持ち直し、切削工具、測定器具、制御機器などの需要が緩やかに回復しました。また、食品関連産業も底堅さを維持し、物流関連機器などの需要が堅調に推移しました。
このような状況の中、当社ECサイト「Growing Navi」によるキャンペーンや物流拠点の統合・拡張による即納体制の強化などロジスティクス機能の向上に努めました。また、工場向けセキュリティ商品など新商品の拡販、コンプレッサや発電機、制御関連機器などの環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡充、物流関連機器、ロボット装置、工作機械周辺機器の販売強化に注力いたしました結果、売上高は615億20百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、国内では、5Gなどの半導体関連機器向けの機械需要に回復がみられましたが、全般的に設備投資には慎重な動きがみられました。また、堅調に推移していた自動車関連産業でも年明けからの半導体の供給不足による生産遅延が影響し、関連設備の販売が減少しました。海外では、中国、ベトナムの自動車部品の一部で需要回復の兆しはありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から新規設備投資の回復が遅れる中、現地資本企業への営業活動を強化し受注拡大に努めました。
このような状況の中、ロボットシステムをはじめとした省人化・自動化提案、各種補助金を活用した老朽化設備の更新、競争力強化のための高精度加工機、感染症対策設備の販売に注力いたしましたものの、売上高は827億23百万円(前連結会計年度比32.4%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により工事の遅延などがみられたものの、企業の設備投資の再開による空調・管材機器の新規需要や、テレワークによる在宅時間の増加を背景に住宅リフォーム市場などが持ち直し、住宅設備機器の更新需要に回復がみられました。また、再生可能エネルギー分野では自家消費向け及びFIT(固定価格買取制度)期間満了後を見据えた蓄電池関連機器の需要は堅調に推移しました。
このような状況の中、バルブ・ポンプなどの非住宅分野の商品や省エネ性能の高い空調機器の販売を強化するとともに、感染症対策商品の拡販にも注力いたしました。また、再生可能エネルギー関連商品においては、蓄電池・パワーコンディショナなどの周辺機器や余剰電力買取スキームを付与した新商材の拡販に取り組むとともに、太陽光発電システム保守点検認証(JET PV O&M認証)を取得し、エンジニアリング機能強化に努めました結果、売上高は1,589億70百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、首都圏を中心に工事の遅延や、再開発事業の見直しにより景観エクステリア商材を中心に新規需要の減少がみられました。一方、国土強靭化基本計画に沿った、自然災害対策や交通事故防止対策などの公共設備投資は底堅く推移しました。また、ライフスタイルの変化により物置や宅配ボックスのニーズが高まり、販売が増加しました。
このような状況の中、冠水センサー付きボラード(車止め)、止水板や転倒リスクのあるコンクリート塀に代わるアルミフェンスなどを共同開発するなど自然災害対策商品、レジリエンス製品の拡販に注力いたしました結果、売上高は566億24百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、建設技能者不足などによる工事の遅延や民間設備投資の見直しの影響など一部で需要は低迷したものの、インフラ整備、災害復旧、防災・減災工事など公共工事は堅調に推移し、レンタル会社の建設機械需要や土木系商材の需要も底堅い動きとなりました。
このような状況の中、国土強靭化基本計画に沿った、工事現場の安全対策を重視した取扱商品の拡充や、当社主力のレンタル会社向けの小型建設機械、土木仮設資材などの販売を強化いたしました。また、グループネットワークの拡充による総合力強化に努めるとともに、中古建機オークション事業の販売拡大にも注力いたしました結果、売上高は361億2百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりガソリンなどの石油製品需要や販売価格は低迷したものの、期末にかけ、緩やかな回復基調がみられました。
このような状況の中、東海地方を中心に展開しているガソリンスタンド事業では、タイヤ・車検・コーティングなどのカーケアサービスの強化に加え、サービスステーションや大型洗車機のリニューアルによる販売強化に注力いたしましたものの、売上高は155億55百万円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、在宅時間の増加により生活家電を中心に売上が順調に推移しました。特に、感染症対策への意識の高まりをうけ、加湿器などの売上が増加しました。また、新商品の拡販などECサイト事業の拡大に努めました。木材事業では、生産国における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により輸入量が減少するとともに、米国・中国の需要拡大による価格の上昇や、コンテナ不足による輸送費の高騰・入荷遅れなどにより、厳しい販売状況となりました。
この結果、その他の部門の売上高は206億87百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、2020年4月から2023年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートさせました。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
|
指標 |
2021年3月期 |
2023年3月期(目標) |
2026年3月期(目標) |
|
売上高 |
4,321億85百万円 |
5,450億円 |
6,000億円 |
|
経常利益 |
100億11百万円 |
164億円 |
200億円 |
|
経常利益率 |
2.3% |
3.0% |
3.3% |
(注)2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用いたしますが、上記目標値における売上高は「収益認識に関する会計基準」等を適用しない場合の売上高を記載しております。
③当社グループの資本財源及び資金の流動性
当社グループの資本財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より12億99百万円減少し、419億47百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。