文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社グループは創業以来、各取引先からの「信頼」を得て、企業活動を通じ社会に「貢献」することを企業理念として掲げ経営に取り組んでまいりました。今後も、創立80周年に向けて、環境・エネルギーに強い機械総合商社としての地位確立を目指してまいります。
長年にわたり培ってきた機械商社の経験・実績を活かして、エネルギー・グローバルビジネスを伸ばし、新規事業との相乗効果で、環境の変化に柔軟に対応し得る企業として更なる成長を実現してまいります。
(2)経営環境と事業上および財務上の対処すべき課題
当社グループにおいては、一部販売活動が制限されるなどの影響が出ているものの、新型コロナウイルス禍が2020年3月期の業績に与える影響は軽微でありました。
このような環境の中で、当社グループは新たな3ヵ年の中期経営計画「T-Stepup2023」開始に合わせ、2020年4月1日にシナジー効果の発揮を目的とした組織再編を実施しました。これに伴い報告セグメントについて、2020年4月より従来の電力事業、化学・環境事業、電子精機事業、生活関連事業の4セグメントから電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業の3セグメントに事業区分を変更しており、以下新区分により記載しております。
(電力事業)
当社グループの事業の中心である電力業界は、国際的な「脱石炭」の潮流から、火力発電に対する逆風がありますが、政府方針等を踏まえつつ、電力の安定供給と低炭素化に総力を挙げて対応してまいります。一方で政府の電源構成計画や地球環境対策に沿い、バイオマス等の再生可能エネルギー分野への展開を積極的に進め、新たな収益の柱として引き続き注力してまいります。
(環境・化学・機械事業)
太陽光等の再生可能エネルギー分野への積極的展開のほか、化学業界や自動車業界をはじめとした製造業のユーザーに対してはよりきめ細かい営業を展開しつつ、技術力のあるメーカーを発掘・提案するなど、国内需要の取り込みに努めてまいります。加えて、中国、アセアン地域、北中米、欧州といった海外拠点を積極的に活用し、海外における生産拠点設立・設備投資の需要に応えてまいります。
(生活産業事業)
ODA案件を通じた新興国向けインフラ整備事業や、植物由来ポリエチレンを含有した包装資材の取扱および節水型トイレ自動流水器の拡販等、SDGsの達成を意識した活動に取り組んでまいります。
上記事業と並行して、企業買収による商圏や取扱商品の拡大等、今までの事業領域にとらわれない新規事業を開拓してまいります。
(財務上の対処すべき課題)
各事業の持続的な成長と競争力強化には株主資本の有効活用など資本効率の向上が不可欠であり、2020年4月より始まる中期経営計画において資本効率の目標値を設定し、取り組んでまいります。
これらの課題につきましては、中期経営計画を推進するプロセスにおいて対処してまいります。
また、財務面では、急激な資金需要や不測の事態に備えるため、2020年4月1日より金融機関と借入コミットメントライン契約(極度額:50億円)を締結するなど、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。
(3)中期経営計画
当社グループは2020年3月期において2017年に策定した長期計画の第一フェーズである3ヵ年計画を完了し、第二フェーズとして新たに策定した3ヵ年中期経営計画を公表いたしました。
なお、中期経営計画の最終年度にあたる2023年3月期における各経営指標の目標値は、①売上高1,350億円、②営業利益37億円、③親会社株主に帰属する当期純利益27億円、④ROE9.0%以上であります。
今後は、新中期経営計画第二フェーズの達成に向け、以下の5つの成長戦略
① 地球環境とエネルギーミックスへの対応拡大
SDGs達成も意識しつつ、エネルギーミックスを通じた電力の安定供給に資するべく、一気通貫的なエネルギー事業に積極的に取組む
② モノづくり・デジタルイノベーションへの取組強化
IoT ・ロボット活用・ 5G など製造業の技術革新やスマートファクトリーへの対応、次世代モビリティ技術への積極的関与ならびにデジタル技術を使用したビジネスの創出と強化
③ 新規事業創出の継続
機械商社の強みは残しつつ、 M&A によるメーカーの取込みなど川上からコントロールする体制を構築するなどし、新規事業の発掘・開拓に取組む
④ グローバルビジネスの更なる展開
海外顧客基盤の更なる拡充と、良質な海外製品の展開力強化、ならびに ODA (政府開発援助)等海外インフラ案件にも引き続き参画
⑤ 働き方改革への対応と人財の育成
採用の強化・ OJT の充実を通じた人材の早期戦力化・グローバル化・マルチタレント化を推進すると同時に業務の電子化・効率化を図り、働き方の多様化への対応
を着実に実行することにより、業績の拡大を推進するSDGsを意識した持続的な発展と企業価値のさらなる向上を図るべく、今後ともコーポレートガバナンスの強化に努める
(4)中期経営計画における資本政策
(基本方針)
・当社は、中長期的な株主価値の向上のために、「持続的成長に向けた投資の継続」と「株主への安定的な利益還元」をテーマに資本政策を進めてまいります。
・株主資本の有効活用を図る経営指標のひとつとして、株主資本当期純利益率(ROE)の目標値を設定します。
・安定配当は、当社を取り巻く事業環境の見通し、業績見込み、財務状況等を総合的に勘案の上、配当性向30%超の継続に努めます。
・今後も株主への利益還元と会社の成長のバランスを最適化し、中長期的な株主価値の向上を目指してまいります。
(目標数値)
・中期経営計画最終年度となる2022年度にROE9.0%以上。
・2026年度までにROE10.0%。
(投資方針について)
・当社事業ポートフォリオにおいて、電力事業の大きな割合を占める火力発電設備の保守・メンテ需要は、世界的な温室効果ガス削減の潮流から今後減少していくことが見込まれます。それを補完するため、国の定める長期エネルギー需給見通しに沿った、太陽光発電・バイオマス発電等再生可能エネルギー関連への投資を注力してまいります。具体的には、自社での太陽光発電所運営やバイオマス関連事業への出資等がこれにあたります。
・このほか、廃プラスチック問題への対応として、環境配慮型包装資材の拡販や、循環社会に適応した廃プラの資源化へも積極的に関与していきます。これら事業を通じ、SDGsへの取り組みを加速させます。
・また、販売・製造業問わず、時代に合った商品のラインアップ・顧客基盤・ビジネスエリアの拡充を図るため、資本提携やM&Aなども積極的に進めてまいります。
・これら新事業への投資については適切にリスクをコントロールしながら、持続的成長に向け継続的に行ってまいります。既存ビジネスの成長を組み合わせることにより、更なる収益率の向上を図ります。
(政策保有株式について)
・資本効率の向上を図るため、政策保有株式の縮減にも引き続き取り組んでまいります。
・岩盤銘柄の解消を念頭に相互保有株式の縮減を進めます。また、持ち合い解消による当社株式の受け皿として個人投資家および外国人投資家への訴求を高めるため、政策保有株式の売却を原資とした自己株買いなどについても本中期経営計画の期間の中で前向きに検討してまいります。
・これら施策を通じ、東証市場区分見直しにも積極的に対応してまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努める仕組み作りを行っております。そのため、「内部統制システム整備の基本方針」を定め、コンプライアンス委員会を中心にコンプライアンス・環境、品質、情報セキュリティおよび輸出管理等に関するリスクの発生の未然防止に努める他、取締役会および取締役会から移譲された権限の範囲内で業務の執行および施策の実施等について審議、意思決定を行う本部長会が「職務決裁基準表」に基づき適切なリスク管理に努めております。また災害等の緊急事態が発生した場合には、社長指揮下の災害対策本部を設け迅速かつ適切に対応する所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、以下は、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1)国内外の経済環境の変化によるリスク
当社グループの取扱商品は、国内外の経済情勢や景気動向により、需要の減退や需給バランス悪化による価格の騰落等を受ける可能性があります。当社グループでは、これら経済環境の変化による影響を最小限にとどめるため、常に高い技術力を持つメーカーやオンリーワンの商品・サービスの発掘、資本提携やM&Aなど中期経営計画に従い商品のラインアップ、顧客基盤・ビジネスエリアの拡充や補完などに努めておりますが、これら商品の需要減退、価格騰落は当社の業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(2)同一仕入先あるいは少数の販売先への取引の依存によるリスク
当社グループは創業以来三菱グループの一員として、グループ各社、とりわけ三菱重工業㈱、三菱日立パワーシステムズ㈱、三菱電機㈱の製品を国内外の産業界に納入、販売してまいりました。特に、電力事業セグメントでは電力業界向けに代理店的立場で発電プラントの納入、修繕業務に携わってまいりました。また、三菱重工業㈱向けに産業設備、機器の販売を行っております。電力事業セグメントの当連結会計年度売上高は全事業部門の53.2%であり、大きな比率を占めております。したがって、今後の電力業界の設備投資動向、また、メーカーの販売政策によっては当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
今後もこれら事業は当社グループの中核を担うと考えておりますが、特定の取引先への依存を解消するために、中期経営計画に従い商品のラインアップ、顧客基盤・ビジネスエリアの拡充や補完などに努めてまいります。
(3)取引先への信用供与に関するリスク
当社グループは取引先に対し売上債権、前渡金、貸付金、保証その他の信用供与を行っており、取引上の与信については「商品取引規定」を設け、段階的な裁量区分を明確化し、経理部が運用関知をするほか、その他の信用供与についても「職務決裁基準表」に基づき適切なリスク管理を行っております。しかしながら、これら取引先が支払不能に陥るリスクは完全に排除することはできません。これらリスクが顕在化した場合は当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(4)売上計上予定時期の変更及び業績の期末偏重に関するリスク
当社グループの売上高の計上時期は、顧客の検収時期等により変動するため、当初の予定時期から変更される場合があります。特に大口の機械又は設備の納入案件及び工事案件については、中間期末である9月もしくは年度末となる3月に納入時期が集中する傾向にあります。当該期末に納入を予定していた案件の納入時期や顧客の検収時期が、何らかの理由により翌期以降に変更となった場合は、計画未達など当社グループの当該期の業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)製品およびサービスの品質管理に関するリスク
当社グループの提供する製品およびサービスはその欠陥が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。当社グループは仕入先との連携を密に行い品質管理の徹底を図るとともに、必要に応じPL保険の付保や新たに締結する契約書について責任範囲を明確化するなどの対策を行っておりますが、その欠陥が販売先に深刻な損失をもたらす場合など、製品またはサービスの欠陥が原因で生じた損失に対する責任を当社グループに対し追及された場合、さらに製品またはサービスに欠陥が生じたことにより当社グループの社会的評価が低下した場合は、当社グループの販売製品およびサービスに対する顧客の購買意欲が低減する可能性があります。これらの場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(6)自然災害などに関するリスク
当社グループは、大規模な地震やその他の自然災害、感染症のパンデミック、テロ・暴動その他予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業および販売活動の継続が困難となる可能性があります。当社グループでは社員安否確認システムの導入、事業用設備に対する保険加入、バックアップオフィスの設置、防災訓練および必要物資の備蓄など、災害に備える対策を講じておりますが、災害の種類や被害の規模によっては当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(7)新型コロナウイルス感染症蔓延によるリスク
世界的な新型コロナウイルス感染症の流行に対し、各国政府が行った措置により、当社グループの事業にかかわる国内外の物流や、取引先の生産体制へ多大な影響が出ており、当社グループにおいても一部販売活動が制限されるなどの影響が出ております。当社グループでは政府や都道府県の指針に従い、在宅勤務や時差出勤の実施など感染拡大防止策の徹底に努めております。また国内外よりマスク・消毒液等を手配し社員や取引先へ提供を行っております。しかしながら今後、事態の長期化や更なる感染拡大が進行する状況になった場合、世界的な景気の悪化による需要減退、もしくは事業の遂行、取引の継続に支障が生じるなどの要因により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(8)競合に関するリスク
当社グループの取扱商品の市場は、競争的な環境にあります。当社グループは長年にわたり培ってきた事業に留まらず、新規事業との相乗効果で収益力を向上させ、商品販売における競争力を維持する方針ですが、新規事業者の参入や低価格競争の激化などの要因によって当社の競争力が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(9)事業投資などに関するリスク
当社グループは、持続的成長と収益率向上を図るためM&Aや関係会社設立などの事業投資を行っております。
これら事業投資の実行および投資実行後の案件管理にあたっては事業投資方針など社内規定に基づき、適正にリスクを管理しております。しかしながら、これらの事業の進展は当該事業パートナーの業績や財政状態といった当社グループが制御しえない要因による影響を受けるなど、その予測が困難なことがあります。その結果、当社が重大な損失を被る可能性があり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(10)発電事業に関するリスク
当社グループは太陽光発電などの再生可能エネルギー発電事業を行っております。これらの事業はFIT(固定価格買取制度)や国のエネルギー政策の見直し・電力会社による出力抑制など法律・規制の大幅な改定および地震・台風などの自然災害などによる発電用事業設備の故障・損壊により事業の継続が困難になる、もしくは採算が大幅に悪化する可能性があります。風水害に強い事業用地の選定、発電用事業設備に対する保険加入、発電設備の適切な管理などの対策を講じておりますが、当社グループが制御しえない要因により発電事業の継続が困難になる、もしくは採算が大幅に悪化した場合、当社の業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(11)カントリーリスク
当社グループは世界各国との間で商品の輸出入などの事業を展開しており、当社グループでは担当部署を中心に現地の情報収集に努めておりますが、これらの事業はその国の政治的・経済的変動、法律・規制の大幅な改定、テロ・戦争の勃発あるいは感染症の発生などに起因するカントリーリスクの影響で当該国における事業および取引の継続が困難となり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(12)為替リスク
輸出入取引を行うことから生じる外貨建営業債権債務は、為替の変動リスクがあります。これらの為替の変動リスクを軽減するため先物為替予約等の通貨関連デリバティブ取引を行っておりますが全てが回避される保証はありません。
為替の急激な変動は当社の業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(13)訴訟等に関するリスク
当社グループが事業活動を展開するなかで、知的財産権、納入者責任、労務等様々な訴訟の対象となるリスクがあります。当社では企画本部内に法務室を設置するほか、コンプライアンス委員会のもとにコンプライアンス協議会を設置し、これらリスクの発生の未然防止に努めておりますが、重大な訴訟が提起された場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(14)法規制に関するリスク
当社グループの事業には、建設業法・下請法、外国為替および外国貿易法、輸出貿易管理令等または環境関連法令などの各種法規制等が適用されております。当社グループでは当社の企画本部内に法務室の設置、コンプライアンス委員会のもとにコンプライアンス協議会を設置し「役職員行動規範」をもとに法令遵守に取り組むなど、これらリスクの発生の未然防止に努めております。しかしながら、これら法規制等の改正や新たな法規制が設けられた場合、またはこれらの法規制に抵触した場合は、当社グループの事業および取引の継続が困難となり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(15)投資有価証券等の価値変動リスク
当社グループは運用目的または事業の遂行上、取引先等へ投資をすることがあります。これら投資資産の保有にあたっては有価証券運用規定、事業投資にあたっては事業投資方針などの社内規定に基づき、段階的な裁量区分を明確化するほか、その運用・投資状況について定期的に取締役会等に報告を行い、その必要性と保有のリスクを勘案し保有継続、処分の判断を行っております。しかしながら、投資先の財務状態の悪化、株式市況の下落によって当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(16)退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率、退職給付信託に設定された株式の時価に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合や信託された株式の時価が騰落した場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。当社の年金資産の運用については本部長会での決定を基に、国内の運用機関へ委託しております。また年金資産の運用に関する基本方針を作成しており、各運用受託機関はその基本方針を遵守した年金資産の運用、管理を行っております。当社は運用受託機関から運用状況に関する報告を受け財務・人事の専門性を有した当社グループ役職員がその内容を精査することで年金資産の運用を適切に管理しております。しかしながら、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託された株式の株価下落は当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(17)金利に関するリスク
当社グループは各事業の必要資金のうち特に事業投資に関するものの一部を、金融機関からの借入により調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債発行等による資金調達を行う可能性があります。当社グループでは、資金使途や期間に応じて金利動向を踏まえた適切な調達を、取締役会の決定により行っております。今後、市場金利が上昇した場合など資金調達の条件が大幅に変動した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(18)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは日々の企業活動の収集、蓄積、処理等の情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全確保のため、情報管理に関する規定を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、さらには、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼働となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(19)工事進行基準適用売上高の見積りに関するリスク
工事進行基準は、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約に適用されますが、適用にあたっては「工事収益総額」、「工事原価総額」、「決算日における工事進捗度」を合理的に見積もる必要があります。工事原価総額の見積りの基礎となる工事進行基準進捗管理表の作成にあたっては、完工に必要となる全ての作業内容が特定されており、原材料の高騰や仕様の変更等、工事着工後の状況の変化による作業内容の変更に係る見積原価が適時適切に反映されているか、工事の作業実績が発生実績として全て集計され、適切な工事進捗率となっているか、工事収益総額を構成する対価の定めが当事者間で実質的に合意されているか等の一定の不確実性を伴います。これらの経営者による判断が当連結会計年度末における工事収益の計上金額及び工事原価総額の見積りに影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引上げや米中貿易摩擦の影響、相次ぐ自然災害などから、内外需要とも不透明な状況で推移してきました。更に世界的な新型コロナウイルス禍、感染拡大防止のための自粛の動きが継続し、実体経済の悪化、金融市場の混乱等、国内外の景気の落ち込みが深刻化しています。当社においては一部販売活動が制限されるなどの影響が出ているものの、新型コロナウイルス禍が2020年3月期の業績に与える影響は軽微でありました。
こうした情勢のもと、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ42億62百万円減少し、706億11百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ50億11百万円減少し、457億29百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億49百万円増加し、248億82百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における売上高は、986億4百万円となり、前連結会計年度を266億58百万円(△21.3%)下回りました。これに伴う売上総利益は84億24百万円、営業利益26億96百万円、経常利益29億72百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億78百万円となりました。
売上高のセグメント別構成は、電力事業53.2%、化学・環境事業27.4%、電子精機事業13.0%、生活関連事業6.3%、その他0.1%となりました。
従来、「化学・環境事業」に含めておりました、販売先がプラントメーカー等となる発電設備補機関係のうち、エンドユーザーが電力事業者となるものにつきまして、当連結会計年度より、「電力事業」に組み替えを行っております。
これは、今後、電力自由化がさらに進むことが予想される現状を踏まえ、業務管理の効率性、強化を目的とし、社内の管理組織を見直したことに伴う変更であります。
なお、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
前連結会計年度に比べ大口案件の引渡が減少したため、売上高は524億58百万円と前連結会計年度比133億74百万円(△20.3%)減少しましたが、代行手数料収受案件の寄与等により粗利率が向上し、営業利益は9億16百万円と、前連結会計年度比で増益となりました。
前連結会計年度のような大口の受注案件や引渡案件の発生がなく、売上高は269億87百万円と前連結会計年度比160億51百万円(△37.3%)の減少となったものの、営業利益は11億35百万円と高水準での着地となりました。
国内外における自動車産業向け設備の引渡が順調に推移し、売上高は127億82百万円と前連結会計年度比26億99百万円(26.8%)の増加となり、営業利益は4億28百万円と、前連結会計年度比で増収増益となりました。
包装資材関連の着実な引渡により、売上高は62億41百万円と前連結会計年度比68百万円(1.1%)の増加となり、営業利益は1億48百万円となりました。
売上高は1億34百万円と前連結会計年度とほぼ同額となり、営業利益67百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5億52百万円減少し、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額2億62百万円を加味した結果、68億51百万円となりました。
営業活動の結果、増加した資金は17億83百万円となりました。主な資金の増加要因としては、売上債権の減少額171億5百万円、未払金の増加額65億22百万円であり、主な資金の減少要因としては、仕入債務の減少額177億39百万円、未収入金の増加額63億32百万円であります。
投資活動の結果、減少した資金は49億90百万円となりました。支出の主な内訳は、貸付けによる支出25億円、有形固定資産の取得による支出19億48百万円であります。
財務活動の結果、増加した資金は26億63百万円であります。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入75億45百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出39億65百万円、配当金の支払5億93百万円であります。
(注) 1.当社グループの受注実績の大半が提出会社によるものであるため、上記の金額は提出会社単独の金額を記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金及び法人税等であり、継続して評価を行っております。なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のための各国政府が行った措置により、当社グループの事業にかかわる国内外の物流や、取引先の生産体制へ多大な影響が出ています。このような状況下で、新型コロナウイルス禍の影響等の不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は下記の通りです。
工事進行基準
工事進行基準は、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約に適用しておりますが、適用にあたっては「工事収益総額」、「工事原価総額」、「決算日における工事進捗度」を合理的に見積もり、工事収益総額に進捗度を乗じて売上高を計上しています。そのため、工事進行基準による売上高の計上において工事収益総額、工事原価総額の見積りは重要なものとなっております。
工事収益総額については、それを構成する対価の定めが当事者間で実質的に合意された工事契約等で見積り、工事原価総額の見積りの基礎となる工事進行基準進捗管理表の作成にあたっては、完工に必要となる全ての作業内容が特定されて、作業内容の変更に係る見積原価が適時適切に反映され、工事の作業実績が発生実績として全て集計され、適切な工事進捗率が把握できるように、原価管理に取り組んでおります。
しかしながら、これらの見積もりには、原材料の高騰や仕様の変更等、工事着工後の状況の変化による作業内容の変更等の一定の不確実性を伴います。その結果、工事進行基準による売上高の計上額及び売上原価の実際の計上額は、これらの見積もりと異なる場合があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、706億11百万円となり、前連結会計年度末と比較して42億62百万円(△5.7%)の減少となりました。主な要因として、有形固定資産の増加等により、固定資産が3億77百万円(2.0%)増加したものの、売上債権の減少等により流動資産が46億39百万円(△8.2%)減少したことによるものであります。
負債の合計は457億29百万円となり、前連結会計年度末と比較して50億11百万円(△9.9%)の減少となりました。主な要因として、未払金・短期借入金が増加したものの、受託販売未払金の減少等により、流動負債が44億59百万円(△9.7%)減少したこと、繰延税金負債の減少等により、固定負債が5億51百万円(△11.1%)減少したことによるものであります。
純資産の合計は248億82百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億49百万円(3.1%)の増加となりました。この結果、自己資本比率は35.2%となりました。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度における成約高・売上高に関する分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
販売費及び一般管理費につきましては、主として給料の増加等により、前連結会計年度比3億90百万円(7.3%)増加の57億27百万円となりました。
その結果、営業利益は前連結会計年度比4億16百万円(18.3%)増加の26億96百万円となりました。
営業外収益、費用につきましては、大きな増減がなく、経常利益は前連結会計年度比4億8百万円(16.0%)増加の29億72百万円となりました。
税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比6億40百万円(25.0%)増加の32億4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比4億39百万円(25.3%)増加の21億78百万円となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電力事業、化学・環境事業、電子精機事業、生活関連事業、その他の事業に関わる仕入費用及び各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、当社所有の建物の修繕費用や太陽光発電用資産等に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。