第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当第3四半期累計において新たに発生した事業等のリスクは、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

  当第3四半期累計において、中国の経済成長の減速等を要因として、資源・エネルギー関連の市況商品の価格が軟調に推移しました。

 

  この結果、当第3四半期に、マダガスカルニッケル事業において、770億円の減損損失を計上しました。当社は、2005年、マダガスカル共和国でニッケル採掘から精錬までを一貫して手掛ける同事業に参画しました。当社の100%子会社であるSummit Ambatovy Mineral Resources Investment B.V.(本社:オランダ王国アムステルダム)を通じて、マダガスカルにおけるニッケル採掘事業会社であるAmbatovy Minerals S.A.及びニッケル精錬事業会社であるDynatec Madagascar S.A.(本社:マダガスカル共和国アンタナナリボ、以下両社を称して「プロジェクト会社」)に各32.5%の出資を行い、Sherritt International Corporation(本社:カナダオンタリオ州、出資比率40%)、Korea Resources Corporation(本社:韓国江原道、出資比率27.5%)と共同で事業を行っています。

  足元のニッケル価格の下落を踏まえて、中・長期価格の見通しを見直した結果、プロジェクト会社が保有する固定資産の簿価を全額回収することは困難と判断し、回収可能価額まで減損損失を計上しました。

 

  また、当第3四半期には、南アフリカ鉄鉱石事業において、183億円の減損損失を計上したほか、チリ銅・モリブデン事業においても、140億円の減損損失を計上しました。

 

  今後の市況商品の価格動向によっては、中・長期の価格見通しの下方修正、あるいは開発・生産計画の縮小・見直し等の事態が生じ、当社及び連結子会社が保有する資産に減損損失が発生する可能性があります。

  減損損失が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があるため、今後の事業及び市況の動向を注視する必要があります。

 

  なお、前期の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 

2【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

企業環境

        当第3四半期累計の世界経済は、緩やかに成長しました。米国経済は堅調な内需を背景に回復基調となり、金融

      正常化に向かいゼロ金利を解除しました。一方で、ユーロ圏の景気は追加金融緩和や通貨安により持ち直している

      ものの、緩慢な動きに留まりました。また、中国経済の成長速度は鈍化しており、アジア周縁国も少なからずその

      影響を受けていることに加え、中南米では資源価格の低迷や高インフレによる金融引き締めの影響で景気回復に遅

      れがみられました。なお、国際市況商品は供給過剰により総じて軟調に推移しました。

        国内経済は、個人消費が横ばいに推移したことに加え、輸出・生産面に新興国経済減速の影響がみられ、足踏み

      の状態となっている一方、企業業績の改善により設備投資意欲は回復しました。

 

業績

当第3四半期累計の収益は、前年同期に比べ84億円増加し2兆7,122億円となりました。売上総利益は、前年同期に比べ97億円減少し6,754億円となりました。販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ207億円増加し5,662億円となりました。固定資産評価損は、前年同期に比べ2,106億円減少し25億円となりました。営業活動に係る損益は、前年同期に比べ2,182億円増加し1,354億円となりました。持分法による投資損益は、前年同期に比べ1,049億円減少し293億円の損失となりました。これらの結果、四半期利益(親会社の所有者に帰属)は613億円となり、前年同期と比較して716億円の増益となりました。

四半期損益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別の状況は以下のとおりであります。なお、2015年4月1日付で、メディア・生活関連事業部門傘下にあったタイヤ部を輸送機・建機事業部門・本部傘下の組織に移管しました。これに伴い、前年同期の四半期損益(親会社の所有者に帰属)を組替えております。

      ・金属事業部門では、海外スチールサービスセンター事業が堅調に推移した一方で、北米鋼管事業が減益となった

        ことなどにより、前年同期に比べ98億円減益の145億円となりました。

 

      ・輸送機・建機事業部門では、米国建機レンタル事業やリース事業が堅調に推移したこと、また、前年同期に75億

        円の減損損失を計上したことの反動などにより、前年同期に比べ111億円増益の401億円となりました。

 

      ・環境・インフラ事業部門では、海外電力事業が堅調に推移した一方で、国内電力事業において電力卸市場の価格

        変動の影響があったことなどにより、前年同期に比べ27億円減益の136億円となりました。

 

      ・メディア・生活関連事業部門では、国内主要事業会社の業績や不動産事業が堅調に推移したことなどにより、前

        年同期に比べ99億円増益の418億円となりました。

 

      ・資源・化学品事業部門では、鉄鉱石事業が減益となった一方で、ヌサ・テンガラ・マイニングが販売量増加に伴

        い増益となったこと、また、減損損失の計上額が減少したことなどにより、前年同期に比べ67億円増益の950億

        円の損失となりました。当期には、マダガスカルニッケル事業において770億円の減損損失を計上したほか、南

        アフリカ鉄鉱石事業において174億円、チリ銅・モリブデン事業において140億円の減損損失を計上しました。な

        お、前年同期には、米国タイトオイル開発プロジェクトにおいて1,049億円の減損損失を計上したほか、豪州石

        炭事業において計208億円の減損損失及び休山関連費用にかかる引当金を計上しております

 

      ・海外現地法人・海外支店では、北米鋼管事業が減益となった一方で、前年同期に米国タイトオイル開発プロジェ

        クト及び米国タイヤ事業において計562億円の減損損失を計上したことの反動や、資産入替伴うバリュー実現

        があったことなどにより、前年同期に比べ509億円増益の361億円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期累計の営業活動によるキャッシュ・フローは、コアビジネスが順調に資金を創出したことなどから、前年同期の782億円のキャッシュ・インに対し、3,913億円のキャッシュ・インとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、約2,300億円の投融資を行ったことなどから、前年同期の3,062億円のキャッシュ・アウトに対し、1,332億円のキャッシュ・アウトとなりました。

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、前年同期の2,280億円のキャッシュ・アウトに対し、2,581億円のキャッシュ・インとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の517億円のキャッシュ・アウトに対し、3,812億円のキャッシュ・アウトとなりました。これらの結果、当第3四半期末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ1,269億円減少し7,690億円となりました。
 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
 

(4)研究開発活動

特記事項はありません。
 

(5)経営戦略の現状と見通し

中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の概要

当社の中期経営計画に関する以下の説明は、数々の判断、見積り、前提に基づき算出された今後の見通しに関するものです。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当四半期報告書提出日現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予想等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。

①基本方針

当社は、2015年4月より2015年度、2016年度及び2017年度を対象とする中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017 (BBBO2017)」をスタートさせ、目標達成に向けて取り組んでおります。基本方針は以下のとおりです。

テーマ:グループ一丸となって課題を克服し、「目指す姿」実現への道筋をつける。

経営改革の着実な実行

・「目指す姿」を見据えた収益力の強化

・コア・リスクバッファーとリスクアセットのバランス(注)回復及び

配当後フリーキャッシュ・フロー黒字(3年合計)の確保

 

 

「創立100周年(2019年度)に向けて目指す姿」

 ・ 「住友商事グループらしい」やり方で、「住友商事グループならでは」の価値を創造し、
  「さすが住友商事グループ」と社会に認められる企業グループを目指す。

 ・ 健全な財務体質を維持しつつ、強固な収益基盤を構築し、一段高いレベルの利益成長を目指す。

 

  総資産:10兆円程度  連結純利益:4,000億円以上

 

(注) 「コア・リスクバッファー」とは、資本金、剰余金及び在外営業活動体の換算差額の和から自己株式を差し引いて得られる数値です。「リスクアセット」とは、最大損失可能性額のことであり、売掛金、棚卸資産、固定資産及び株式・出資金等を含む資産に、その潜在的な損失リスクに応じ当社が独自に設定したリスクウェイトを乗じ、さらにデリバティブ、契約及び偶発債務に係る潜在的な損失可能性額を加えることにより算出されております。この最大損失可能性額は、各ビジネスに係る資産の市場価値の変動性に基づき統計的に測定されるものであり、全般的な経済環境や業界の傾向等を考慮した数々の主観的な判断、見積り及び前提に基づいて測定されております。当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。

②定量計画

2017年度では、以下の数値を目標にします。

 

 

2017年度

 利益計画

 連結純利益

3,000億円以上

 

 ROA

3%以上

 リスク・リターン(注)

10%以上

 

 ROE

10%程度

 財務方針

 

 

 コア・リスクバッファーとリスクアセットのバランス

2017年度末までにバランス回復

 フリーキャッシュ・フロー

3年合計 2,000億円

(配当後フリーキャッシュ・フロー)

(3年合計 黒字確保)

 投資計画

3年合計 1兆2,000億円

2015年度の業績見通しについて

資源価格低迷の影響により、鋼管事業及び資源ビジネスは厳しい事業環境が継続すると予想されるものの、輸送機・建機、環境・インフラ、メディア・生活関連のビジネスは引き続き堅調に推移すると見込まれることに加え、第4四半期には再生可能エネルギー事業や不動産案件等のバリュー実現益が見込まれます。

一方、当第3四半期決算において複数の資源上流権益案件で減損損失を計上しましたが、第4四半期においても、今後の市況並びに事業の動向によっては、複数の案件で計約600億円の減損損失の発生の可能性が見込まれることから、通期での減損損失計上見込み額は約1,700億円になると見通しております。

これらの要素に、第4四半期に見込まれるインドネシア自動車金融事業再編に伴う株式売却益及び評価益約300億円を織り込み、通期の連結業績予想を期初の見通し2,300億円から1,000億円に修正しました。

 

(注) 「リスク・リターン」とは、事業が抱えるリスクに対する収益性をみる指標です。「当該事業で得られる連結純利益(税引後)で捉えた収益(リターン)」を、「当該事業のリスクが現実のものとなった場合に生じうる最大損失可能性額(リスクアセット)」で除して、算出します。

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、一般的に、営業活動によるキャッシュ・フローや、銀行借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により、資金調達を行っております。当社の財務運営の方針・目的は、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することです。

当社は総額4兆556億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期末比1,502億円減少の2,891億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)2,290億円、コマーシャルペーパー601億円となっております。

 

また、流動性については、従来より金融市場の混乱等、いくつかの有事シナリオを想定の上、必要な流動性額の保持につとめており、当第3四半期末時点においても十分な流動性を保持しております。

 

当社は、当第3四半期末時点で、総額1,200百万米ドル、及び4,450億円を上限とする即時に借入可能な複数のコミットメントラインを締結しておりますが、当第3四半期末時点で、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。

当社は、資本市場での直接調達を目的として、国内外で複数の資金調達プログラムを設定しております。当第3
四半期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでA3/P-2、スタンダード&プアーズでA-/A-2、
格付投資情報センターでA+/a-1となっております。

当第3四半期末の資産合計は、営業債権や棚卸資産が減少したことに加え、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業及びチリ銅・モリブデン事業において減損損失を計上したことなどにより、前期末に比べ4,821億円減少し、8兆5,393億円となりました。

資本のうち親会社の所有者に帰属する持分は、円高に伴う在外営業活動体の換算差額の減少があったことなどにより、前期末に比べ761億円減少の2兆4,054億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率(親会社の所有者に帰属する持分/資産合計)は、前期末に比べ0.7ポイント改善し、28.2%となりました。

有利子負債は、前期末に比べ3,657億円減少し4兆556億円となり、現預金ネット後の有利子負債は、前期末に比べ2,415億円減少の3兆2,760億円となりました。この結果、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分)は、1.4倍となりました。

 

(7)主要な設備の状況

 当第3四半期累計において、米国のオフィスビルの一部を売却しております。