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(注1) 本報告書においては、第148期(2015年4月1日から2016年3月31日まで)を「前期」、第149期(2016年4月1日から2017年3月31日まで)を「当期」と記載しております。 (注2) 当有価証券報告書には、当社の中期経営計画等に関する様々な経営目標及び予測、並びにその他の将来に関する情報が開示されています。これらの経営目標及び将来予測、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点における仮定及び予想、並びに当社が現時点で入手している情報や一定の前提に基づいているため、今後の四囲の状況等により変化を余儀なくされるものであり、これらの目標や予想の達成及び将来の業績を保証するものではありません。したがって、これらの情報に全面的に依拠されることは控えられ、また、当社がこれらの情報を逐次改訂する義務を負うものではないことをご認識いただくようお願い申し上げます。 |
(1) 業績
企業環境
当期の世界経済は、一部では低成長にとどまりましたが、総じて持ち直しの兆しが見られました。先進国のうち米国では投資を中心に経済活動が当初想定よりも弱含みましたが、欧州や日本では堅調に推移しました。新興国では成長鈍化が続きましたが、中国の財政政策により景気は下支えされ、持ち直しの動きが続きました。ただし、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による政策変更で、経済の先行きの不透明感が強まっています。
国内経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人旅行者の増加を受け消費活動は安定しました。投資に関しては、低金利により住宅投資は堅調だった一方で、設備投資は前期までに一巡したため伸び悩みました。
事業の経過
中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の概要と進捗状況については、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 中期経営計画」を参照願います。
●事業部門別の事業活動
①金属事業部門
「金属を売る」という供給側の発想から「金属を使う」という需要側の発想に軸を移し、加工機能の強化など、顧客の多様なニーズに対応した新たな価値の提供に注力しました。例えば、鋼材分野では、米国西海岸地域における鉄道用車軸加工事業への進出やドイツの自動車部品メーカーへの出資を行いました。既存のスチールサービスセンター事業においては、更なる収益拡大・機能強化に取組みました。鋼管分野では、ブルネイの鋼管継手加工会社が商業生産を開始しました。油井管ビジネスにおいては、サプライチェーンマネジメントの高度化及びこれを通じた顧客基盤の強化に取組みました。非鉄金属製品分野では、安定成長が見込まれるアルミ市場を商機と捉え、マレーシアにおけるアルミ製錬事業等を引き続き推進しました。
②輸送機・建機事業部門
船舶・航空宇宙・輸送インフラ分野では、引き続き安定成長が見込まれる航空機リース事業の拡大に取組みました。また、ブラジルでは、日本製鋼所及び現地のGerdau S.A.と共同で大型鋳鍛造品製造事業を開始しました。自動車分野では、インドネシアにおける投資先である自動車・二輪車向け金融事業会社と商業銀行の事業基盤を生かし、総合金融サービス事業を推進しました。国内では、自動車リース事業会社である住友三井オートサービスとの連携を更に強化し、新たなモビリティサービス(注)分野での取組を開始しました。建設機械分野では、順調に事業拡大を続ける米国建機レンタル事業会社Sunstate Equipment Co., LLCの持分を買い増し、完全子会社化しました。
(注)従来型のオートリースにとどまらず、カーシェアリング・パークシェアリング等の新規サービスを組み合わせ、移動(モビリティ)による多様な価値を提供する事業
③環境・インフラ事業部門
海外電力分野では、新興国の増大する電力需要に応える取組を推進しております。クウェートでは天然ガス焚き複合火力発電・造水事業の商業運転を開始し、ガーナでは複合火力発電事業に係る建設工事が進捗しました。また、インドネシアではタンジュン・ジャティB石炭火力発電所の拡張工事に着手しました。環境負荷の少ない再生可能エネルギー分野では、英国における洋上風力発電事業や福島県南相馬市における太陽光発電事業に参画したほか、インドネシアにおいて地熱発電事業に係る建設工事を開始しました。海外工業団地分野では、東南アジア地域を中心に、工業団地の開発・運営を通じて地域の経済発展に貢献しております。当期においては、ミャンマー・ティラワ経済特別区の工業団地の追加開発が決定しました。
④メディア・生活関連事業部門
消費者に近い商品やサービスを提供する部門として、快適で心躍る暮らしの実現と更なる収益拡大を目指して、各事業に取組みました。当期は、ジュピターテレコム(ケーブルテレビ事業)、SCSK(ITサービス事業)、ジュピターショップチャンネル(テレビ通販事業)、サミット(食品スーパー事業)、トモズ(ドラッグストア事業)、不動産事業等の主要事業が着実に成長しました。また、これら主要事業を中心に部門内連携を強化することで、収益基盤を拡大しました。さらに、アイルランドの青果物生産・卸売事業会社Fyffes社買収や、銀座六丁目のオフィス・商業の複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」竣工、海外オフィスビル取得などに取組みました。
⑤資源・化学品事業部門
資源・エネルギー分野では、マダガスカルニッケル事業等、既存事業の安定操業とコスト削減に注力しました。また、マレーシアで参画するマンガン系合金鉄製造販売事業において、生産・販売を開始しました。インドネシアでは、当社グループが権益を有するLNGプロジェクトの設備拡張を決定し、供給力を強化しました。化学品分野では、欧米における豊富な農薬販売の実績を生かして、ベトナムに農薬販売会社を設立し、アジア地域における収益基盤の創出と農薬販売網の拡大に取組みました。また、リチウムイオン電池の需要増加を取込み、中国で参画する同電池用電解質製造事業を引き続き推進しました。
業績
当期の収益は、前期に比べ138億円減少し、3兆9,970億円となりました。売上総利益は、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で増益となった一方で、円高の影響や北米鋼管事業が減益となったことなどから、前期に比べ514億円減少し、8,427億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ690億円減少し、6,938億円となりました。その他の損益は、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で税引当を計上したことに加え、前期に資産入替えに伴うバリュー実現があったことなどから360億円減少し、201億円の損失となりました。有価証券損益は、前期にインドネシア自動車金融事業で再編に伴う株式売却益及び評価益があったことなどから593億円減少し、129億円となりました。持分法による投資損益は、チリ銅・モリブデン事業において減損損失を計上した一方で、前期にマダガスカルニッケル事業やブラジル鉄鉱石事業など複数の案件で減損損失を計上したことの反動により1,373億円増加し、835億円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,709億円となり、963億円の増益となりました。
事業セグメントの業績については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照願います。
(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期のキャッシュ・フローは、営業活動では、メディア・生活関連の主要事業を中心としたコアビジネスが順調に資金を創出したことなどから、3,458億円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、インドネシアにおけるバツ・ヒジャウ銅金鉱山権益の売却や爽快ドラッグの売却など資産入替えによる回収が約1,800億円あった一方で、アイルランド青果物生産・卸売企業Fyffes社の買収や米国オフィスビル取得など、約3,400億円の投融資を行ったことなどから、1,807億円のキャッシュ・アウトとなりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、1,651億円のキャッシュ・インとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、借入金の返済や配当金の支払などにより、2,544億円のキャッシュ・アウトとなりました。
以上の結果、当期末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ923億円減少し、7,765億円となりました。
(1) 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
(2) 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
(3) 販売の状況
「1 業績等の概要」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
中期経営計画
●中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の推進
中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017(BBBO2017)」では、当社のビジネスを取巻く諸環境の変化や、2014年度に発生した大型減損損失等で顕在化した経営課題を踏まえ、グループ一丸となって課題を克服し、「創立100周年(2019年度)に向けて目指す姿」実現への道筋をつけることをテーマに、経営改革・成長戦略の推進などに取組んでおります。2016年5月には、取巻く事業環境の変化を踏まえ、「BBBO2017」における計画を修正し、2017年度の連結純利益(注)を2,200億円以上、3年間合計の配当後フリーキャッシュ・フローを5,000億円確保する計画とし、回収した資金で有利子負債を返済することとしました。
「BBBO2017」期間中における主な進捗状況は以下のとおりです。
①経営改革の推進
コーポレートガバナンスの更なる強化、意思決定プロセスの見直し及びリスク管理の抜本的強化・見直しのため、さまざまな社内体制の整備を行いました。経営会議については、社長の諮問機関から業務執行レベルの最高意思決定機関に変更し、多面的な議論を経て重要事項を決定する体制を整えました。取締役会についても、社外取締役を増員したほか、経営方針・経営計画などの経営全般に係る重要事項についてより集中して議論を行えるよう、取締役会の付議基準を見直すと同時に、報告事項を充実させ、経営の執行に対する監督機能を強化しました。また、取締役の指名・報酬の決定プロセスの透明性及び客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として、社外取締役が委員長を務め、委員の過半数を占める「指名・報酬諮問委員会」を設置しております。リスク管理体制については、事業部門レベルと全社レベルの投融資委員会を開催し、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、さまざまな角度から議論できる体制を整えたほか、投資評価基準の見直しや、投資実行後のモニタリング体制の見直しを行っております。
2017年度も、経営の執行と監督の分離をより一層推進していくため、社長が執行役員の役位であることを明示するなど、業務執行を行う執行役員とその監督を行う取締役会の役割を明確にしました。また、取締役の人数を減らし、社外取締役比率を高めることで、取締役会の議論の更なる活性化を図っていきます。
②成長戦略の推進
全社成長戦略の推進においては、当社が強みを有する自動車関連、社会インフラ基盤、生活・情報産業の3つの分野を中心に注力しております。自動車関連分野では、自動車部品製造事業などに投資を行うとともに、パークシェアリングなどの次世代モビリティサービスにも取組んでおります。社会インフラ基盤分野では、再生可能エネルギー発電事業を含む国内外の電力事業に注力しております。生活・情報産業分野では、国内外の不動産事業や、国内ICT(情報通信技術)事業、海外モバイル関連事業を中心に投資を行っております。また、エネルギー周辺分野、IoT・AI関連分野などの成長ポテンシャルの高い分野においては、組織間連携を通じて、全社プロジェクトとして取組む体制を強化しております。今後も積極的に成長戦略を推進していくことで、全社の事業価値向上と新たな価値創造につなげていきます。
(注) 「連結純利益」は、国際会計基準(IFRS)の「当期利益(親会社の所有者に帰属)」と同じ内容を示しています。
③定量計画
■2016年度業績
2016年度の業績については、チリ銅・モリブデン事業における減損損失を計上したことや、鋼管事業が油価低迷の影響により減益となった一方で、資源ビジネスが価格上昇、コスト削減、販売数量増加などにより増益となったことに加え、メディア・生活関連の国内主要事業会社や不動産事業、リース事業が堅調に推移したことなどにより、連結純利益は1,300億円の計画に対し、1,709億円となりました。
■2017年度業績見通し
2017年度の業績見通しについては、鋼管事業は下半期以降の収益の回復が見込まれることに加え、資源ビジネスは資源価格上昇の影響により増益が予想されます。また、非資源ビジネスはメディア・生活関連の主要事業を中心に引続き堅調に推移することが見込まれます。これらの要素に加え、資産入替えを着実に実行し、体質改善を図るためのコストとして200億円を織込み、2017年度の連結純利益見通しを2,300億円としております。
■財務健全性の確保
「BBBO2017」では、配当後フリーキャッシュ・フローの5,000億円創出を目指しており、有利子負債の削減による財務健全性の強化を着実に進めております。また、これにより、「BBBO2017」の最終年度である2017年度末までにコア・リスクバッファーとリスクアセットのバランス(注)の回復を目指します。
これらの内容を反映した現在の定量計画は以下のとおりです。
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年度/期間 |
当初計画 |
修正計画(2017年5月) |
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利益計画 |
連結純利益 |
2015年度 |
2,300億円 |
745億円(実績) |
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2016年度 |
- |
1,709億円(実績) |
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2017年度 |
3,000億円以上 |
2,300億円 |
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ROA |
2017年度 |
3%以上 |
2.5%以上 |
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リスク・リターン |
2017年度 |
10%以上 |
9.0%以上 |
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ROE |
2017年度 |
10%程度 |
9.0%程度 |
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財務方針
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コア・リスクバッファーと リスクアセットのバランス |
2017年度末までに |
バランス回復 |
バランス回復 |
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フリーキャッシュ・フロー |
3年合計 |
+2,000億円 |
+7,000億円 |
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配当後フリーキャッシュ・ フロー |
3年合計 |
黒字確保 |
+5,000億円 |
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投資計画 |
3年合計 |
1兆2,000億円 |
1兆円 |
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2017年度は、「BBBO2017」で計画している各事業における成長戦略を着実に実行するとともに、財務体質の強化に取組み、成長軌道への回復を図っていきます。
(注) 「コア・リスクバッファー」とは、「資本金」、「剰余金」及び「在外営業活動体の換算差額」の和から「自己株式」を差引いて得られる数値で、当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。
マテリアリティ(重要課題)への取組
社会課題の解決に向けて企業の果たす役割への期待や、環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面が企業の評価や投資行動につながる機運が高まる中、住友の事業精神、住友商事グループの経営理念(注1)を踏まえ、事業活動を通じて、自らの強みを生かして優先的に取組むべき課題を、「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」として特定しました。
「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」を、事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付け、事業活動を通じて課題を解決することで持続的な成長を図っていきます。
(注1) 住友商事グループの経営理念については、75ページをご参照ください。
(注2) Sustainable Development Goalsの略称。2030年までの世界規模の課題が盛り込まれた17の目標。2015年に国連総会で
全ての加盟国(193か国)により採択されました。
当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2017年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。
(1) 期間損益変動のリスク
当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。
① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化
② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化
③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化
④ 戦略的事業投資の成功及び不成功
⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価
⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向
⑦ 当社の顧客の信用力の変化
従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。
(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク
当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。
中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。
(3) 事業環境が変化するリスク
当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。
当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。
さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。
従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(4) 競争関係に伴うリスク
当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。
このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。
① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること
② 販売先及び仕入先との関係を維持すること
③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること
④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること
⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること
(5) 取引先の信用リスク
当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。
しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。
(6) 投資等に係るリスク
当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。
当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。
これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。
(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク
当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること
② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が
変動すること
③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること
④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事
由に起因して計画が実現しないこと
(8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。そのような例として、当社が複数の子会社等を通じて日本その他の地域で展開する、自動車金融事業やリース事業が挙げられます。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。
当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。
(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク
当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。
不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 株式市場の変動に係るリスク
当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(11) 退職給付債務に関するリスク
国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク
当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。
(13) 資金の流動性に係るリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(14) 法的規制に係るリスク
当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。
当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。
当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 訴訟等に関するリスク
当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受ける可能性があります。
訴訟固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟による悪影響を受けないという保証はありません。
(16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報通信システムの管理に係るリスク
当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。
当社は、事業活動の多くを情報通信システムの機能に依存しています。このため、情報通信システムの機能不全、外部からのサイバー攻撃等は、グローバルな規模で事業活動を妨げる可能性があります。
(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて
当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。
当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報通信システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。
このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。
(18) 自然災害等のリスク
当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
(1) 概観
当社は、総合商社として、長年培ってきた「信用」、10万社に及ぶ取引先との関係である「グローバルリレーション」と全世界の店舗網と事業会社群から構成される「グローバルネットワーク」、また「知的資産」といった「ビジネス基盤」を活用し、「ビジネス創出力」、「ロジスティクス構築力」、「金融サービス提供力」、「IT活用力」、「リスク管理力」、「情報収集・分析力」といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。これらのビジネス基盤と機能を活用し、当社は多岐にわたる商品・製品の商取引全般に従事しております。当社は、これらの取引において、契約当事者もしくは代理人として活動しております。また、当社は、販売先及び仕入先に対するファイナンスの提供、都市及び産業インフラ整備プロジェクトの企画立案・調整及び管理運営、システムインテグレーションや技術開発におけるコンサルティング、輸送・物流など様々なサービスを提供しております。加えて、当社は、太陽光発電から情報通信産業まで幅広い産業分野への投資、資源開発、鉄鋼製品や繊維製品等の製造・加工、不動産の開発・管理、小売店舗運営など、多角的な事業活動を行っております。
当社は、5つの業種に基づくセグメント(事業部門)と、各地域に適した商品・サービスの開発等に各事業部門と共同で取り組んでいる海外の地域セグメントにより事業活動を行っております。業種に基づくセグメントは次のとおりであります。
金属事業部門 メディア・生活関連事業部門
輸送機・建機事業部門 資源・化学品事業部門
環境・インフラ事業部門
それぞれの事業部門は、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮し、事業活動を行っております。また、各事業部門にはそれぞれ戦略策定・支援機能を担う業務部を置き、事業部門のマネジメントをサポートしております。ビジネス環境がますますグローバル化する今日、当社は、世界各地に存在する拠点、関係会社、顧客、サプライヤー、パートナー等のネットワークにより、世界各国で事業活動を営み、事業基盤を拡大しております。
5つのセグメント及び海外セグメントは、当社の掲げる目標に向かい、密接に連携を図り、総合力を発揮することで、より効率的に事業活動を推進しております。また、当社は、全ての事業部門と海外拠点に関する情報を収集・連結するためのインフラを構築し、これによりリスクを一元的に管理しております。
(2) 中期経営計画
当社の中期経営計画に関する以下の説明は、数々の判断、見積り、前提に基づき算出された今後の見通しに関するものです。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2017年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予想等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。
中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の詳細は、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 中期経営計画」を参照願います。
(3) 企業環境
当期の世界経済は、一部では低成長にとどまりましたが、総じて持ち直しの兆しが見られました。先進国のうち米国では投資を中心に経済活動が当初想定よりも弱含みましたが、欧州や日本では堅調に推移しました。新興国では成長鈍化が続きましたが、中国の財政政策により景気は下支えされ、持ち直しの動きが続きました。ただし、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による政策変更で、経済の先行きの不透明感が強まっています。
国内経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人旅行者の増加を受け消費活動は安定しました。投資に関しては、低金利により住宅投資は堅調だった一方で、設備投資は前期までに一巡したため伸び悩みました。
(4) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の販売
・長期請負工事契約等に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、自動車・船舶・航空機などのファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
・その他、商取引の中で、サプライヤーと顧客に対し金融・物流等、様々なサービスを提供する取引
なお、製品、設備、ソフトウェア、取り付けサービス、融資等の組み合わせによる収益に関する複数要素取引を行っております。複数要素取引については、一定の基準が満たされる場合、会計単位を分割しております。
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
収益が総額で計上される場合、販売に直接寄与する第三者への費用または手数料は、商品販売に係る原価として計上され、売上総利益は、収益の総額から販売に係る原価を差引いた金額となります。当社はサービス及びその他の販売に係る収益の一部として手数料を計上しますが、この手数料は純額表示されるため、結果としてサービス及びその他の販売が売上総利益に占める比率は、収益合計に占める比率よりも大きくなっております。当期、サービス及びその他の販売が収益合計に占める比率は12.3%ですが、売上総利益に占める比率は34.4%となっております。
固定資産評価損
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産の含み益を実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上され
ております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
(5) 重要な会計方針
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」を参照願います。
収益の認識基準
当社の収益の大部分は、(1)所有権の移転、引渡し、出荷、または顧客の検収に基づき収益を認識する、卸売、小売、製造・加工業に関連する商品販売に係る収益と、(2)役務の提供が完了した時点で収益を認識する、サービス及びその他の販売に係る収益とで構成されております。これらの個別の取引における収益の認識にあたっては、特に複雑な判断は必要ではなく、客観的に収益の認識時点を判断することができます。
特定の長期請負工事契約等に関連し、工事進行基準により収益を認識している場合には、必要な見積総原価に対する実際発生原価の割合を基礎としてその収益を認識しております。この場合、総原価を適正に見積る能力が当社に要求されます。工事代金の総額が決まっている契約において、見積総原価の見直しに伴い見積利益が見直された場合には、その影響額は、見直しが実施された事業年度の損益として認識します。また、そのような契約で損失が見込まれる場合には、予想損失の見積りが可能となった事業年度でその損失を認識することとしております。時期または金額が不確実な場合には、現在の債務を有していることが明らかになり、信頼性のある見積りが可能となった時点で引当金を計上することとしております。
収益の表示―総額(グロス)表示と純額(ネット)表示
第三者との取引において中間的な立場に立って活動することは、総合商社の特徴的な役割の一つであります。収益の認識にあたっては、当社が「主たる契約当事者」に該当し、結果、収益を総額(グロス)で表示するのか、あるいは、当社が「代理人等」に該当し、結果、手数料等の収益のみを純額(ネット)で表示するのかを判断しなければなりません。この収益の表示方法の判断に影響を与える事実関係の評価には重要な主観による判断が入ります。ある取引における当社の収益の表示方法に関する判断に関して、状況によっては、判断が異なる可能性もあります。同様に、もしある取引において、当社のリスクや契約上の義務に変更があった場合には、当該取引及び同種の取引についても、収益をグロスで表示するか、ネットで表示するかの判断が変わる可能性があります。グロスまたはネット、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)に影響はありません。
ある取引において当社が主たる契約当事者に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロス表示する要件として、次の指標を考慮しております。
・物品及び役務を顧客へ提供する、または注文を履行する第一義的な責任を有している。
・顧客の注文の前後や物品の配送中、または返品された場合に在庫リスクを負っている。
・直接または間接的に価格決定に関する裁量権を有している。
・顧客に対する債権に係る顧客の信用リスクを負っている。
ある取引において当社が代理人等に該当し、その結果、当該取引に係る収益をネットで表示するための要件として、次の指標を考慮しております。
・提供した役務の対価(コミッションまたは手数料)が固定金額である。
・当社の対価が提供された物品及び役務の対価に対して一定の割合を乗じることで算定されている。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社は、多様な事業活動をしており、営業債権及びその他の債権等の償却原価で測定される金融資産を保有しております。債務者による支払不履行または滞納等の減損していることを示す客観的な証拠が存在するかについて定期的に評価することで、当該資産に係る減損の有無についての検討を実施しております。
減損を実施する場合、当該資産の公正価値は、実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローに基づき測定しております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社では様々な非流動資産を保有しております。当社では、不動産や償却対象の無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社では、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
(6) 営業活動の成果
収益
収益は、当期3兆9,970億円となり、前期の4兆108億円から138億円(0.3%)減少しました。
売上総利益
売上総利益は、当期8,427億円となり、前期の8,941億円から514億円(5.7%)減少しました。これは、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で増益となった一方で、円高の影響や北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、当期6,938億円となり、前期の7,627億円から690億円(9.0%)減少しました。これは、円高の影響などによるものです。
その他の損益
その他の損益は、当期201億円の損失となり、前期の158億円から360億円減少しました。これは、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で税引当を計上したことに加え、前期に資産入替えに伴うバリュー実現があったことなどによるものです。
有価証券損益
有価証券損益は、当期129億円となり、前期の722億円から593億円(82.2%)減少しました。これは、前期にインドネシア自動車金融事業で再編に伴う株式売却益及び評価益があったことなどによるものです。
持分法による投資損益
持分法による投資損益は、当期835億円となり、前期の538億円の損失から1,373億円増加しました。これは、チリ銅・モリブデン事業において減損損失を計上した一方で、前期にマダガスカルニッケル事業やブラジル鉄鉱石事業など複数の案件で減損損失を計上したことの反動によるものです。
親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、当期1,709億円となり、前期の745億円から963億円(129.2%)増加しました。
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額は、当期1,697億円となり、前期の1,644億円の損失から3,341億円増加しました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益が増益となったことに加え、FVTOCIの金融資産及び在外営業活動体の換算差額が増加したことなどによるものです。
(7) 事業セグメント
当社は、5つの業種に基づく事業部門及び海外の地域拠点を通してビジネスを行っております。
5つの事業部門は金属事業部門、輸送機・建機事業部門、環境・インフラ事業部門、メディア・生活関連事業部門、資源・化学品事業部門から構成されております。
これらに加え、当社は、海外の地域セグメントを通してビジネスを行っており、「海外現地法人・海外支店」セグメントとして、当社の連結業績に含まれております。海外現地法人・海外支店は、業種に基づく事業部門とは異なり、米州住友商事といった海外現地法人や海外支店によりビジネスを行っております。このセグメントは、地域の特性に応じて、様々な取引を行い、また、特定の地域に注力した商品及びサービスを展開させるため、事業部門と協力してビジネスを行っております。こうした場合、収益と費用は、各々の役割に応じて配分されております。
(注)2016年4月1日付で、環境・インフラ事業部門傘下にあった電池事業の一部のビジネスを輸送機・建機事業部門・本部傘下の組織に移管しました。
前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
|
|
前期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) |
当期 (自2016年4月 1日 至2017年3月31日) (億円) |
増減額 (億円) |
増減率 (%) |
|
金属 |
773 |
674 |
△100 |
△12.9 |
|
輸送機・建機 |
1,756 |
1,312 |
△444 |
△25.3 |
|
環境・インフラ |
567 |
550 |
△17 |
△3.0 |
|
メディア・生活関連 |
2,546 |
2,570 |
25 |
1.0 |
|
資源・化学品 |
803 |
1,179 |
375 |
46.7 |
|
海外現地法人・海外支店 |
2,532 |
2,172 |
△361 |
△14.2 |
|
計 |
8,978 |
8,456 |
△522 |
△5.8 |
|
消去又は全社 |
△37 |
△29 |
8 |
21.5 |
|
連結 |
8,941 |
8,427 |
△514 |
△5.7 |
事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳
|
|
前期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) |
当期 (自2016年4月 1日 至2017年3月31日) (億円) |
増減額 (億円) |
増減率 (%) |
|
金属 |
120 |
100 |
△21 |
△17.2 |
|
輸送機・建機 |
740 |
469 |
△270 |
△36.6 |
|
環境・インフラ |
250 |
230 |
△21 |
△8.4 |
|
メディア・生活関連 |
648 |
776 |
128 |
19.7 |
|
資源・化学品 |
△1,516 |
△172 |
1,344 |
88.7 |
|
海外現地法人・海外支店 |
211 |
200 |
△11 |
△5.3 |
|
計 |
453 |
1,602 |
1,149 |
253.6 |
|
消去又は全社 |
293 |
107 |
△185 |
△63.3 |
|
連結 |
745 |
1,709 |
963 |
129.2 |
金属事業部門
当期の売上総利益は674億円となり、前期の773億円から100億円(12.9%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、100億円となり、前期の120億円から21億円(17.2%)減少しました。これは、海外スチールサービスセンター事業が堅調に推移した一方で、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。
輸送機・建機事業部門
当期の売上総利益は1,312億円となり、前期の1,756億円から444億円(25.3%)減少しました。これは、前期のインドネシア自動車金融事業の持分法化などによるものです。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、469億円となり、前期の740億円から270億円(36.6%)減少しました。これは、リース事業や建機レンタル事業が堅調に推移した一方、海運市況の低迷に伴い、船舶事業が減益となったことに加え、前期にインドネシア自動車金融事業で再編に伴う株式売却益及び評価益があったことなどによるものです。
環境・インフラ事業部門
当期の売上総利益は550億円となり、前期の567億円から17億円(3.0%)減少しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、230億円となり、前期の250億円から21億円(8.4%)減少しました。これは、海外発電事業が堅調に推移した一方で、前期に国内外再生可能エネルギー分野におけるバリュー実現があったことなどによるものです。
メディア・生活関連事業部門
当期の売上総利益は2,570億円となり、前期の2,546億円から25億円(1.0%)増加しました。これは、国内主要事業会社が堅調に推移したことなどによるものです。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、776億円となり、前期の648億円から128億円(19.7%)増加しました。これは、国内主要事業会社や不動産事業が堅調に推移したことに加え、前期に豪州穀物事業において98億円の減損損失を計上したことなどによるものです。
資源・化学品事業部門
当期の売上総利益は1,179億円となり、前期の803億円から375億円(46.7%)増加しました。これは、資源価格上昇の影響があったことなどによるものです。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、172億円の損失となり、前期の1,516億円の損失から1,344億円(88.7%)損失が減少しました。これは、資源価格上昇の影響に加え、減損損失の計上額が減少したことなどによるものです。当期には、チリ銅・モリブデン事業で336億円の減損損失を計上しました。なお、前期には、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業、ブラジル鉄鉱石事業などの複数の案件において、計1,568億円の減損損失を計上しております。
海外現地法人・海外支店
当期の売上総利益は2,172億円となり、前期の2,532億円から361億円(14.2%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、200億円となり、前期の211億円から11億円(5.3%)減少しました。これは、前期にEdgen Group、豪州穀物事業などの複数の案件において、計236億円の減損損失を計上したことや資産入替えに伴うバリュー実現があった一方で、当期は北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。
(8) 流動性と資金調達
当社は、一般的に、営業活動によるキャッシュ・フローや、銀行借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により、資金調達を行っております。当社の財務運営の方針・目的は、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することです。
当社は総額3兆4,183億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比40億円減少の1,893億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)1,437億円、コマーシャルペーパー456億円となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金4,700億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比2,286億円減少の3兆2,291億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比2,049億円減少の2兆8,380億円、社債残高は前期比236億円減少の3,911億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、財務比率や純資産の最低比率の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が増資や社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「4 事業等のリスク(13) 資金の流動性に係るリスク」を参照願います。
また、当社は、金融市場の混乱等、いくつかの有事シナリオを想定し、必要な流動性の保持に努めており、当期末時点で以下の総額1,260百万米ドル、及び4,450億円を上限とする即時に借入可能な複数のコミットメントラインを締結しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手欧銀との間に締結した、英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)への100百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による3,300億円の長期コミットメントライン(内、1,000億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,150億円の長期コミットメントライン
当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しております。当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通しネガティブ)、スタンダード&プアーズでA-/A-2(見通しネガティブ)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。
・2,000億円の国内公募普通社債発行登録枠
・国内における1兆円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・SCCE、米州住友商事及びシンガポールのSumitomo Corporation Capital Asiaが共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
当期末の資産合計は、前期末に比べ560億円減少し、7兆7,618億円となりました。これは、投融資実行に伴う増加があった一方で、資産入替えに伴う減少があったことなどによるものです。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げにより、前期末に比べ1,150億円増加し、2兆3,665億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分合計比率(親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計)は30.5%となりました。現預金ネット後の有利子負債は、前期末に比べ1,424億円減少し2兆6,279億円となり、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、1.1倍となりました。
資金調達の内訳
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前期 (2016年3月31日) (億円) |
当期 (2017年3月31日) (億円) |
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短期 |
1,933 |
1,893 |
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借入金(主に銀行より調達) |
1,524 |
1,437 |
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コマーシャルペーパー |
409 |
456 |
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長期(一年以内期限到来分を含む) |
34,576 |
32,291 |
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担保付 |
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借入金 |
2,917 |
2,778 |
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無担保 |
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借入金 |
27,512 |
25,601 |
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社債 |
4,147 |
3,911 |
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有利子負債合計(グロス) |
36,509 |
34,183 |
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現金及び現金同等物並びに定期預金 |
8,807 |
7,905 |
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有利子負債合計(ネット) |
27,703 |
26,279 |
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資産合計 |
78,178 |
77,618 |
||
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親会社の所有者に帰属する持分合計 |
22,515 |
23,665 |
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親会社所有者帰属持分合計比率(%) |
28.8 |
30.5 |
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デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍) |
1.6 |
1.4 |
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デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍) |
1.2 |
1.1 |
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以下は、前期及び当期のキャッシュ・フロー情報となっております。
要約連結キャッシュ・フロー計算書
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前期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) |
当期 (自2016年4月 1日 至2017年3月31日) (億円) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
5,997 |
3,458 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△854 |
△1,807 |
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<フリーキャッシュ・フロー> |
<5,143> |
<1,651> |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△5,072 |
△2,544 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
71 |
△893 |
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現金及び現金同等物の期首残高 |
8,959 |
8,688 |
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現金及び現金同等物の為替変動による影響 |
△342 |
△30 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
8,688 |
7,765 |
当期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローでは、メディア・生活関連の主要事業を中心としたコアビジネスが順調に資金を創出したことなどから、3,458億円のキャッシュ・インとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、インドネシアにおけるバツ・ヒジャウ銅金鉱山権益の売却や爽快ドラッグの売却など資産入替えによる回収が約1,800億円あった一方で、アイルランド青果物生産・卸売企業Fyffes社の買収や米国オフィスビル取得など、約3,400億円の投融資を行ったことなどから、1,807億円のキャッシュ・アウトとなりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、1,651億円のキャッシュ・インとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済や配当金の支払などにより、2,544億円のキャッシュ・アウトとなりました。以上の結果、当期末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ923億円減少し、7,765億円となりました。
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりです。
期限別内訳
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社債及び借入金
(億円) |
解約不能 オペレーティング・ リース (億円) |
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2017年度 |
6,593 |
462 |
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2018年度 |
4,071 |
434 |
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2019年度 |
4,611 |
402 |
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2020年度 |
3,660 |
357 |
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2021年度 |
2,649 |
313 |
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2022年度以降 |
12,600 |
1,966 |
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合計 |
34,183 |
3,933 |
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、1兆2,170億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(9) 偶発債務」及び「(10) 訴訟等」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に1,310億円、子会社の取得に835億円、その他の投資の取得に945億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(9) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2042年)は1,669億円で、このうち関連会社の債務に対する保証が1,173億円、第三者の債務に対する保証が497億円です。これらの保証は主に関連会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(10) 訴訟等
ボリビア多民族国における当社の子会社であるMinera San Cristobal S.A.は、2011年12月30日付で同国国税局より源泉税に係る更正通知を受領しました。
同社は更正税額の支払を内容とする行政不服審判所第二審審決を不服として最高裁判所に上告、また同国関連法令に定められた手続に従って所要の物的資産を担保として差し入れました。2016年3月期の更正見込税額は約185百万米ドルでありました。
2016年7月4日付で同国にて延滞金利・罰金の減免措置等を内容とする改正税法が公布されました。現地専門家も含め検討した結果、同改正税法を適用すべく本件訴訟を取り下げました。
これにより、当期において、更正税額約106百万米ドル(10,886百万円)の損失を連結包括利益計算書の「その他の損益」に計上し、同額を納付しました。
上記のほか、当社は事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
(11) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2017年 3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
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基準書 |
基準名 |
強制適用時期 (以降開始年度) |
当社適用年度 |
新設・改訂の概要 |
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IFRS第2号 |
株式に基づく報酬 |
2018年1月1日 |
2019年3月期 |
株式に基づく報酬取引の分類及び測定に関する会計処理の明確化 |
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IFRS第9号 |
金融商品 |
2018年1月1日 |
2019年3月期 |
一般ヘッジに係るヘッジ会計の改訂、 金融資産の分類及び測定、減損の会計処理 |
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IFRS第10号 |
連結財務諸表 |
未定 |
未定 |
投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
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IFRS第15号 |
顧客との契約から 生じる収益 |
2018年1月1日 |
2019年3月期 |
顧客との契約に適用する収益認識のための会計処理の設定 |
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IFRS第16号 |
リース |
2019年1月1日 |
2020年3月期 |
リース会計処理の改訂 |
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IFRS第17号 |
保険契約 |
2021年1月1日 |
2022年3月期 |
保険契約の会計処理の改訂 |
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IAS第7号 |
キャッシュ・フロー 計算書 |
2017年1月1日 |
2018年3月期 |
財務活動に係る負債の変動の開示要求 |
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IAS第12号 |
法人所得税 |
2017年1月1日 |
2018年3月期 |
公正価値で測定される負債性金融商品に係る繰延税金資産の会計処理方法の明確化 |
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IAS第28号 |
関連会社及び共同支配企業に対する投資 |
未定 |
未定 |
投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
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IAS第40号 |
投資不動産 |
2018年1月1日 |
2019年3月期 |
投資不動産への振替及び投資不動産からの振替に関する要求事項の明確化 |
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IFRIC第22号 |
外貨建取引と前渡・ 前受対価 |
2018年1月1日 |
2019年3月期 |
外貨建の前渡または前受対価を含む取引の会計処理の明確化 |
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IFRIC第23号 |
法人所得税務処理に 関する不確実性 |
2019年1月1日 |
2020年3月期 |
税務処理に関する不確実性がある状況における法人所得税の会計処理の明確化 |
(12) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレート部門の財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入の大部分が変動金利であり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。例えば、当社は、収益が金利変動の影響を受ける自動車金融事業などにも取り組んでおります。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、3,392億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業部は、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告(取締役会への報告を含む。)
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
VaR (Value at Risk)
VaRは、特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額を統計的に計測したものです。当社は、市場に影響されやすい市況商品取引や金融取引へのリスクを計測するために原則VaR計測を用いております。
詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 26 金融商品及び関連する開示 (2) 財務上のリスク管理方針 ④ 商品価格リスク管理」を参照願います。