第2 【事業の状況】

(注1) 本報告書においては、第149期(2016年4月1日から2017年3月31日まで)を「前期」、第150期(2017年4月1日から2018年3月31日まで)を「当期」と記載しております。

(注2) 当有価証券報告書には、当社の中期経営計画等に関する様々な経営目標及び予測、並びにその他の将来に関する情報が開示されています。これらの経営目標及び将来予測、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点における仮定及び予想、並びに当社が現時点で入手している情報や一定の前提に基づいているため、今後の四囲の状況等により変化を余儀なくされるものであり、これらの目標や予想の達成及び将来の業績を保証するものではありません。したがって、これらの情報に全面的に依拠されることは控えられ、また、当社がこれらの情報を逐次改訂する義務を負うものではないことをご認識いただくようお願い申し上げます。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

中期経営計画

●中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の総括

当社は、2015年度から3か年の経営計画である中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017(BBBO2017)」において、当社のビジネスを取巻く諸環境の変化や経営課題を踏まえ、当社グループが一丸となって課題を克服し、成長軌道への回復に道筋をつけることをテーマに、経営改革・成長戦略の推進に取り組んできました。

 

定量計画

「BBBO2017」掲げた定量計画の実績は以下のとおりです。

 

 

 

年度/期間

当初計画

修正計画(注1)

(2016年5月)

実績

 利益計画

 連結純利益(注2)

2015年度

2,300億円

745億円

 

 

2016年度

1,709億円

 

 

2017年度

3,000億円以上

2,200億円以上

(注3)

3,085億円

 

 ROA

2017年度

3%以上

2.5%以上

4.0%

 

 リスク・リターン

2017年度

10%以上

9.0%以上

13.4%

 

 ROE

2017年度

10%程度

9.0%程度

12.5%

 財務方針

 

 

 コア・リスクバッファーと

 リスクアセットのバランス

2017年度末までに

バランス回復

バランス回復

バランス回復

 フリーキャッシュ・フロー

3年合計

+2,000億円

+7,000億円

+8,189億円

 配当後フリーキャッシュ・

 フロー

3年合計

黒字確保

+5,000億円

+6,279億円

 投資計画

3年合計

1兆2,000億円

1兆円

約8,900億円

 

2017年度の連結純利益は、3,085億円となり、過去最高益を達成しました。また、同年度のROA、リスク・リターン及びROEはそれぞれ4.0%、13.4%及び12.5%となり、当初の目標を達成しました。財務方針に関しては、2017年度末時点でコア・リスクバッファー(注4)とリスクアセットのバランスの回復を達成し、「BBBO2017」の対象期間3年間合計の配当後フリーキャッシュ・フローの実績は、6,279億円となりました。

 

(注1) 取巻く事業環境の変化を踏まえ、2016年5月に定量計画を修正しました。

(注2) 「連結純利益」は、国際会計基準(IFRS)の「当期利益(親会社の所有者に帰属)」と同じ内容を示しています。

(注3) 2017年5月に2,300億円に修正しました。

(注4) 「コア・リスクバッファー」とは、「資本金」、「剰余金」及び「在外営業活動体の換算差額」の和から「自己株式」を差引いて得られる数値で、当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。

 

② 経営改革の推進

「BBBO2017」では、コーポレートガバナンスの更なる強化、意思決定プロセスの見直し及びリスク管理の抜本的強化・見直しを行いました。経営会議を、社長の諮問機関から業務執行レベルの最高意思決定機関に変更し、多面的な議論を経て重要事項を決定する体制を整えました。

取締役会については、社外取締役を増員する一方で、社内取締役の数を減らして社外取締役の比率を高めたほか、取締役会の付議基準を見直し、経営計画の進捗状況や重要な委員会の活動状況などの報告事項を充実させて、経営の執行に対する監督機能を強化しました。また、取締役の指名・報酬の決定プロセスの透明性及び客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として、社外取締役が委員長を務めかつ委員の過半数を占める「指名・報酬諮問委員会」を設置しました。リスク管理体制については、事業部門レベルと全社レベルの投融資委員会を開催し、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、さまざまな角度から議論できる体制を整えたほか、投資評価基準の見直しや、投資実行後のモニタリング体制の見直しを行いました。

 

③ 成長戦略の推進

「BBBO2017」対象期間3年合計の投資実績は以下のとおりです。

(単位:億円)

投資額(2015年4月~2018年3月)

主な投資実績

3年合計計画

実績

自動車・輸送関連

3,800

2,500

米国建機レンタル事業、

航空機エンジンリース事業、

欧州自動車用鍛造部品事業

生活・情報産業

1,900

2,100

国内外不動産事業、

国内ICT事業設備投資、

ミャンマー通信事業追加投資

社会インフラ基盤

1,400

1,500

欧州洋上風力発電事業、

ブラジル水事業、

国内バイオマス発電事業

食料・農業

1,000

1,100

アイルランド青果物生産・卸売事業、

ブラジル農業資材直販事業

資源・エネルギー

(上流権益を除く)

500

300

マレーシアマンガン製造販売事業

資源上流権益

1,400

1,400

マダガスカルニッケル事業

合計

10,000

8,900

 

 

当社が強みを有する自動車・輸送関連、生活・情報産業及び社会インフラ基盤の3つの分野を中心に投資を実行しました。また、エネルギー周辺分野、IoT・AI関連分野などの成長ポテンシャルの高い分野においては、組織間連携を通じ、全社プロジェクトとして取組む体制を強化しました。

 

当社グループが対処すべき課題

●経済見通し

世界経済は、先進国、新興国の双方において引続き景気回復の動きが続くものと見込まれます。ただし、米国の政策変更により一部の先進国や新興国の経済成長が抑制されることが懸念されます。

国内経済は、引続き訪日外国人旅行者による消費活動、企業の設備投資及び東京オリンピックの開催に向けた公共投資の増加が見込まれ、雇用・所得環境の改善により景気回復の動きが継続するものと期待されます。ただし、主要な輸出・投資先である米国・アジアの経済が悪化したり、エネルギー価格が更に上昇したりした場合には、景気の下押しリスクになると考えられます。

●『中期経営計画2020』~新たな価値創造への飽くなき挑戦~

①「中期経営計画2020」

当社は、今般、2018年度から2020年度までの3か年を対象とする「中期経営計画2020」を策定しました。「中期経営計画2020」では、IoT・AIなどテクノロジーの急速な発展により全産業のボーダレス化・複合化が加速し、産業構造が大きく変化するビジネス環境下において、引続き経営基盤の強化を図りながら、成長戦略の推進を中心に据えて、新しい価値創造への飽くなき挑戦に取組んでいきます。

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② 成長戦略の推進

「中期経営計画2020」では、既存事業を徹底的に強化する「既存事業のバリューアップ」、中長期視点での「次世代新規ビジネス創出」及び有力な事業基盤・機能を掛合わせる「プラットフォーム事業の活用」の3つの施策を中心に取組むことで、成長戦略を推進していきます。

(1)既存事業のバリューアップ

鋼管事業、リース・ファイナンス事業、メディア事業などの既存の収益の柱を更に強化することに加え、資源上流の大型案件の完遂及び早期収益化や食料事業の収益拡大など、事業の成長ポテンシャルの追及・実現を図っていきます。また、次世代のモビリティ社会を見据えた事業の推進など、ビジネス環境の大きな変化にも、迅速に対応していきます。

 

(2)次世代新規ビジネス創出

加速度的にビジネス環境が変化する中で、大きな成長が見込まれる分野に経営資源を集中的に投下していきます。具体的には、「テクノロジー  ×  イノベーション」「ヘルスケア」「社会インフラ」の3分野に3年合計で約3,000億円の資金を投下していきます。

「テクノロジー  ×  イノベーション」分野については、デジタルトランスフォーメーション(注)の加速によるビジネスの高度化やビジネスモデルの変革、次世代ビジネスに繋がる新規事業開発に取組んでいきます。「ヘルスケア」分野については、高齢化や医療費の膨張がグローバルな社会課題となる一方、市場の急速な拡大が見込まれています。当社グループの有力な事業基盤や機能を活用し、IoT・AIなどの技術革新を活用したデジタルヘルス、医療費効率化に繋がる新たなビジネスモデル、新興国でのヘルスケア関連のインフラ拡充などへの取組を強化していきます。「社会インフラ」分野については、人口増大、都市化の進展や気候変動問題なども踏まえて、スマートシティ・都市開発、インフラ整備事業や、新技術を活用した環境配慮型ビジネスに取組んでいきます。

(3)プラットフォーム事業の活用

当社グループが有するさまざまな事業基盤や機能は、あらゆる「産業」「社会」「地域」に繋がる多くの「接点」を有しており、これが新たな価値を生み出す原動力になります。「顧客基盤」「通信・放送・ネットワーク」「リース・レンタル・シェアリング」「デジタルプラットフォーム」などの事業基盤や機能を活用しながら、事業と事業の掛合せや組織間の連携によって、新たな価値の創造に取組んでいきます。

 

これらの成長戦略を推進するための仕組みとして、「新規事業開発支援」「フルポテンシャルプラン」「アセットサイクルマネジメント」「デジタルトランスフォーメーション」の4つの「事業支援機能」の拡充に取組みます。

「新規事業開発支援」では、全社視点で次世代ビジネスを育成していく仕組み作りに取組んでいきます。「フルポテンシャルプラン」では、未だ所期の成果を上げるに至っていない改善余地のある事業会社や、更なる成長が見込まれる事業会社を対象に、事業価値最大化のための具体策を策定し、実行状況を重点的にモニタリングすることを通じて、全社ポートフォリオの更なる質の改善を図ります。「アセットサイクルマネジメント」では、他人資本の活用により、各事業の資産効率を上げるための支援を行います。「デジタルトランスフォーメーション」では、各分野の知見やプラットフォーム事業基盤にテクノロジーを掛合せることで、当社ビジネスモデルの変革を加速していきます。

(注) IoT、ビッグデータ、AIといった革新的なデジタル技術の進化を背景に、さまざまなビジネス領域で最先端のICT技術を活用した既存事業の高度化・新規事業開発。

 

③ 経営基盤の強化

(1)ガバナンスの高度化

「BBBO2017」では経営改革の推進を柱の一つとして掲げてきましたが、引続き、経営改革の実践に取組み、ガバナンスの高度化を図っていきます。具体的には、事業ポートフォリオ戦略に関する報告を充実させるなどして、取締役会におけるモニタリング機能を強化していくとともに、当社グループのガバナンスを強化すべく、内部統制推進を通じた事業会社の業務品質の向上に努めていきます。

(2)人材戦略高度化

「Diversity & Inclusion ~多様な力を競争力の源泉に~」を基本コンセプトに、人材戦略の高度化を図ります。すなわち、当社グループの多様な人材の個性を認め尊重するとともに、一人ひとりのチャレンジを促し、強みを伸ばし、活かすことを主眼に、各種施策に取組んでいきます。例えば、さまざまな働き方を支援すべく働き方改革を推進します。また、グローバル連結ベースで、最適な人材を適時・適所に配置できる体制を整えていきます。

(3)財務健全の向上

キャッシュ・フロー収益力を拡大していくとともに、事業の新陳代謝を継続的に進めていくことで積極的な資金回収を図る一方で、その回収したキャッシュを原資として、将来の成長に必要となる投融資を着実に実行すると同時に、引続き有利子負債の削減にも取組みます。また、コア・リスクバッファーとリスクアセットのバランスについては、引続きその維持に努めていきます。

3年間合計のキャッシュ配分は以下のとおりとしております。キャッシュ創出力が高まっていることに加え、資産入替えを積極的に進めていくことで1兆8,000億円のキャッシュ・インを見込みます。このキャッシュ・インを原資として、1兆3,000億円を投融資に、3,000億円を配当還元に充当する予定です。また、3年間合計の配当後フリーキャッシュ・フローを2,000億円以上確保し、これを有利子負債の返済に充てることで、更なる財務健全性の向上に努めます。

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(注) 基礎収益CF=基礎収益-持分法による投資損益+持分法投資先からの配当

       基礎収益=(売上総利益+販売費及び一般管理費(除く貸倒引当金繰入額)+利息収支+受取配当金)×(1-税率)+持分法による投資損益

 

④ 定量計画

2018年度は、当期利益を3,200億円、基礎収益を3,400億円と計画しております。資源ビジネスは資源価格の大幅な変動は見込んでいないものの、前期に一過性利益があったことの反動などにより減益が予想される一方、鋼管事業は市況回復に伴う需要増加などにより収益の改善が見込まれます。その他非資源ビジネスは電力EPC案件や不動産事業などを中心に、各部門の主要ビジネス・事業会社が堅調に推移することを見込んでおります。また、「中期経営計画2020」におけるROA、ROEについては、それぞれ4%以上、10%以上としております。

 

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⑤ 配当方針

当社は、株主に対して長期にわたり安定した配当を行うことを基本方針としつつ、中長期的な利益成長による配当額の増加を目指して取組んでおります。「中期経営計画2020」においては、連結配当性向30%程度を目安に、基礎収益やキャッシュ・フローの状況等を勘案の上、配当額を決定します。2018年度の年間配当金は、連結業績の見通し3,200億円を踏まえ、1株当たり、75円とする予定です。

 

マテリアリティ(重要課題)への取組

社会課題の解決に向けて企業の果たす役割への期待や、環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面が企業の評価や投資行動につながる機運が高まる中、住友の事業精神、住友商事グループの経営理念(注1)を踏まえ、事業活動を通じて、自らの強みを生かして優先的に取組むべき課題を、「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」として特定しました。

 

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「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」を、事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付け、事業活動を通じて課題を解決することで持続的な成長を図っていきます。

 

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(注1) 住友商事グループの経営理念については、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの状況

     ③住友商事コーポレートガバナンス原則」をご参照ください。

(注2) Sustainable Development Goalsの略称。2030年までの世界規模の課題が盛り込まれた17の目標。2015年に国連総会で

     全ての加盟国(193か国)により採択されました。

 

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2 【事業等のリスク】

当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2018年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。

(1) 期間損益変動のリスク

当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。

① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化

② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化

③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化

④ 戦略的事業投資の成功及び不成功

⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価

⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向

⑦ 当社の顧客の信用力の変化

従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。

(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク

当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。

中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。

(3) 事業環境が変化するリスク

当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。

当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。

さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。

従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4) 競争関係に伴うリスク

当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。

このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。

① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること

② 販売先及び仕入先との関係を維持すること

③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること

④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること

⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること

 

(5) 取引先の信用リスク

当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。

しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。

(6) 投資等に係るリスク

当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。

当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。

これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。

(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク

当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること

② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が

   変動すること

③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること

④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事

   由に起因して計画が実現しないこと

 

(8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について

当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。そのような例として、当社が複数の子会社等を通じて日本その他の地域で展開する、自動車金融事業やリース事業が挙げられます。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。

当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。

(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク

当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。

不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 株式市場の変動に係るリスク

当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

(11) 退職給付債務に関するリスク

国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク

当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。

(13) 資金の流動性に係るリスク

当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(14) 法的規制に係るリスク

当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。

当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。

当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

(15) 訴訟等に関するリスク

当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。

訴訟等に固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。

 

(16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報通信システムの管理に係るリスク

当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。

当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。

(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて

当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。

当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報通信システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。

このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。

(18) 自然災害等のリスク

当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

① 企業環境

当期の世界経済は順調で、底堅さが増しました。米国では新政権の下、安定した成長が続きました。欧州ではドイツを中心に域内全般において景気回復の動きが強まりました。また、中国では財政支援の下、当初の想定を上回る成長となり、アジア各国でもその影響を受け、持ち直しの動きが続きました。

国内経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の増加や2016年度の補正予算執行が下支えとなり、堅調に推移しました。また、世界経済の回復基調や安定した為替相場に支えられ、輸出も概ね安定しました。

② 事業の経過

中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の概要と成果については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 中期経営計画」を参照願います。

 

③ 事業部門別の事業活動

金属事業部門

鋼材分野では、スチールサービスセンター事業のバリューアップと競争力強化に注力し、サミットスチールの中国地方におけるスチールサービスセンター事業を、伊藤忠丸紅鉄鋼傘下の広島スチールセンターへ統合し、戦略的に提携することに合意しました。鋼管分野では、北米鋼管事業におけるバリューチェーンの更なる拡充とサービス・機能の強化を目指し、全米規模の拠点・販売・物流ネットワークや幅広い顧客基盤を有する米国大手油井管問屋を買収しました。また、ラインパイプ事業では、革新的な技術の導入による価値提供の高度化及び顧客基盤の拡充を目指し、ガラス繊維や炭素繊維と樹脂の複合素材パイプを製造するオランダの新興企業へ出資しました。

 

輸送機・建機事業部門

船舶・航空宇宙・輸送インフラ分野では、三井住友フィナンシャルグループとの共同事業である三井住友ファイナンス&リースの出資比率を両社50%ずつとするリース事業再編に合意しました。総合リース事業、航空機リース事業及びオートリース事業の更なる競争力の向上と持続的な成長を図っていきます。自動車分野では、既存の幅広いバリューチェーンを強化するとともに、EV(電気自動車)や自動運転、カーシェアリング等の新たなモビリティ分野への投資や事業開発を推進しました。建設機械分野では、グローバルに展開する建設機械販売事業及びレンタル事業において顧客の幅広いニーズに応えました。また、ウガンダ共和国の土木事業・運輸省向け道路建設用機械を受注するなど、新興国の経済発展に寄与する取組みも行いました。

 

環境・インフラ事業部門

各国の社会・産業のニーズに応じたインフラ整備・拡充を通じ、地球環境との共生及び地域と産業の発展に貢献する取組みを推進しております。先進国では、環境配慮型インフラ整備を重点分野と位置付け、再生可能エネルギー発電事業を推進しました。英国では2件の洋上風力発電所の建設工事が進捗し、国内では愛知県半田市のバイオマス発電所、福島県南相馬市の太陽光発電所が運転を開始しました。新興国では、増大するインフラ需要に応えるためのさまざまな取組みを着実に実行しました。ブラジルにおいて、同国最大の民間上下水道会社へ資本参画したほか、チュニジアガス焚き複合火力発電所及びバングラデシュ超々臨界圧石炭火力発電所(注)の建設に着手しました。また、インドではチェンナイ市にて工業団地の販売を開始しました。

(注)この発電所は、蒸気を超高温・超高圧化することで発電効率を高め、燃料の使用量及びCO2の排出量を抑制し、環境負荷を低減することができます。

 

メディア・生活関連事業部門

消費者に近い商品・サービスを提供する部門として、「快適で心躍る暮らしの実現」と更なる収益拡大を目指し、ジュピターテレコム(ケーブルテレビ事業)、SCSK(ITサービス事業)、ジュピターショップチャンネル(テレビ通販事業)、サミット(食品スーパー事業)、トモズ(ドラッグストア事業)、不動産事業等の強化に注力しました。例えば、不動産事業では、銀座六丁目のオフィス・商業の複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が開業したほか、米国不動産を対象としたファンドの組成やアジアでの住宅事業など、海外事業にも注力しました。また、今後成長が見込まれるデジタルメディア関連事業やヘルスケア事業に取組んだほか、カナダにおける木質ペレット製造事業に資本参画しました。

 

資源・化学品事業部門

資源・エネルギー、化学品・エレクトロニクス製品の安定供給を通じ、地域と産業の豊かで持続的な発展に貢献する取組みを、地球環境の保全に配慮しながら推進しました。資源・エネルギー分野では、既存の資源上流事業において、引き続き安定操業とコスト削減に力を入れました。また、日系3社と共同で、ガーナ沖油・ガス田向けのFPSO(注)の保有・傭船事業への参画に合意しました。石油・ガスビジネスの拡大を図るとともに、同国におけるエネルギー資源不足の解決に貢献していきます。ライフサイエンス分野では、世界最大の医薬市場である米国においてジェネリック製薬事業に参画しました。この事業を通じて高品質のジェネリック医薬品を幅広く提供し、人々の心身の健康増進に寄与していきます。

(注)Floating Production, Storage and Offloadingの略。洋上で原油・ガスを生産し、生産した原油をタンクに貯蔵し、直接タンカーへの積出しを行う設備。

 

④ 業績

当期の収益は、資源価格上昇の影響や北米鋼管事業の収益が改善していることなどから、前期に比べ8,303億円増加し、4兆8,273億円となりました。売上総利益は、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で増益となったことや北米鋼管事業の収益が改善していることなどから、前期に比べ1,138億円増加し、9,565億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ379億円増加し、7,316億円となりました。その他の損益は、前期にボリビア銀・亜鉛・鉛事業で税引当を計上したことの反動などから、前期に比べ296億円増加し、94億円の利益となりました。有価証券損益は、資産入替えに伴う一過性利益を計上したことなどから、前期に比べ149億円増加し、278億円の利益となりました。持分法による投資損益は、インドネシア商業銀行への投資において減損損失を計上した一方で、資源価格上昇の影響及びリース事業やマレーシアアルミニウム製錬事業が堅調に推移したことに加え、前期にチリ銅・モリブデン事業において減損損失を計上したことの反動などから、前期に比べ663億円増加し、1,497億円の利益となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,085億円となり、前期に比べ1,376億円の増益となりました。

事業セグメント別の業績については、「(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照願います。

 

⑤ 仕入、成約及び販売の実績

 当期において、資源価格上昇の影響及び北米鋼管事業の回復等により収益が大幅に増加しております。

詳細については上記「④業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。

 

(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 概観

当社は、総合商社として、長年培ってきた「信用」、10万社に及ぶ取引先との関係である「グローバルリレーション」と全世界の店舗網と事業会社群から構成される「グローバルネットワーク」、また「知的資産」といった「ビジネス基盤」を活用し、「ビジネス創出力」、「ロジスティクス構築力」、「金融サービス提供力」、「IT活用力」、「リスク管理力」、「情報収集・分析力」といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。これらのビジネス基盤と機能を活用し、当社は多岐にわたる商品・製品の商取引全般に従事しております。当社は、これらの取引において、契約当事者もしくは代理人として活動しております。また、当社は、販売先及び仕入先に対するファイナンスの提供、都市及び産業インフラ整備プロジェクトの企画立案・調整及び管理運営、システムインテグレーションや技術開発におけるコンサルティング、輸送・物流など様々なサービスを提供しております。加えて、当社は、太陽光発電から情報通信産業まで幅広い産業分野への投資、資源開発、鉄鋼製品や繊維製品等の製造・加工、不動産の開発・管理、小売店舗運営など、多角的な事業活動を行っております。

当社は、5つの業種に基づくセグメント(事業部門)と、各地域に適した商品・サービスの開発等に各事業部門と共同で取り組んでいる海外の地域セグメントにより事業活動を行っております。業種に基づくセグメントは次のとおりであります。

  金属事業部門                               メディア・生活関連事業部門

  輸送機・建機事業部門                       資源・化学品事業部門

  環境・インフラ事業部門

それぞれの事業部門は、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮し、事業活動を行っております。また、各事業部門にはそれぞれ戦略策定・支援機能を担う業務部を置き、事業部門のマネジメントをサポートしております。ビジネス環境がますますグローバル化する今日、当社は、世界各地に存在する拠点、関係会社、顧客、サプライヤー、パートナー等のネットワークにより、世界各国で事業活動を営み、事業基盤を拡大しております。

5つのセグメント及び海外セグメントは、当社の掲げる目標に向かい、密接に連携を図り、総合力を発揮することで、より効率的に事業活動を推進しております。また、当社は、全ての事業部門と海外拠点に関する情報を収集・連結するためのインフラを構築し、これによりリスクを一元的に管理しております。

なお、本年4月には、メガトレンドや事業環境の変化を踏まえ、「中期経営計画2020」における成長戦略を強力に実行する体制を整備するため、営業部門を事業分野や機能の面から戦略的に見直し、5事業部門から6事業部門に再編しました。各事業部門にて機動性高くビジネス環境の変化に対応しながら、組織間の連携を加速し、収益の柱を更に太くしていきます。再編後の業種に基づくセグメントは次のとおりであります。

  金属事業部門                               メディア・ICT事業部門

  輸送機・建機事業部門                       生活・不動産事業部門

  インフラ事業部門                           資源・化学品事業部門

 

② 中期経営計画

中期経営計画「中期経営計画2020」の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 中期経営計画」を参照願います。

 

③ 連結包括利益計算書における主要な項目

  以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。

 

収益

  当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。

  商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。

・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売

・不動産の販売

・長期請負工事契約等に係る収益

 

サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。

・ソフトウェアの開発に関連するサービス

・賃貸用不動産、自動車・船舶・航空機などのファイナンス・リース及びオペレーティング・リース

・その他、商取引の中で、サプライヤーと顧客に対し金融・物流等、様々なサービスを提供する取引

 

  なお、製品、設備、ソフトウェア、取り付けサービス、融資等の組み合わせによる収益に関する複数要素取引を行っております。複数要素取引については、一定の基準が満たされる場合、会計単位を分割しております。

 

売上総利益

売上総利益は、以下により構成されております。

・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益

・当社が代理人等として関与する取引における手数料

収益が総額で計上される場合、販売に直接寄与する第三者への費用または手数料は、商品販売に係る原価として計上され、売上総利益は、収益の総額から販売に係る原価を差引いた金額となります。当社はサービス及びその他の販売に係る収益の一部として手数料を計上しますが、この手数料は純額表示されるため、結果としてサービス及びその他の販売が売上総利益に占める比率は、収益合計に占める比率よりも大きくなっております。当期、サービス及びその他の販売が収益合計に占める比率は10.2%ですが、売上総利益に占める比率は21.5%となっております。

 

固定資産評価損

  棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。

 

固定資産売却損益

  当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産の含み益を実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産を売却する場合、売却損益を計上することになります。

 

受取配当金

  受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。

 

有価証券損益

  当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。

 

持分法による投資損益

  投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。

 

FVTOCIの金融資産

  公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。

 

確定給付制度の再測定

  当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。

 

在外営業活動体の換算差額

  在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ

  デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。

 

④ 重要な会計方針

  IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」を参照願います。

 

収益の認識基準

  当社の収益の大部分は、(1)所有権の移転、引渡し、出荷、または顧客の検収に基づき収益を認識する、卸売、小売、製造・加工業に関連する商品販売に係る収益と、(2)役務の提供が完了した時点で収益を認識する、サービス及びその他の販売に係る収益とで構成されております。これらの個別の取引における収益の認識にあたっては、特に複雑な判断は必要ではなく、客観的に収益の認識時点を判断することができます。

  特定の長期請負工事契約等に関連し、工事進行基準により収益を認識している場合には、必要な見積総原価に対する実際発生原価の割合を基礎としてその収益を認識しております。この場合、総原価を適正に見積る能力が当社に要求されます。工事代金の総額が決まっている契約において、見積総原価の見直しに伴い見積利益が見直された場合には、その影響額は、見直しが実施された事業年度の損益として認識します。また、そのような契約で損失が見込まれる場合には、予想損失の見積りが可能となった事業年度でその損失を認識することとしております。時期または金額が不確実な場合には、現在の債務を有していることが明らかになり、信頼性のある見積りが可能となった時点で引当金を計上することとしております。

 

 

収益の表示―総額(グロス)表示と純額(ネット)表示

  第三者との取引において中間的な立場に立って活動することは、総合商社の特徴的な役割の一つであります。収益の認識にあたっては、当社が「主たる契約当事者」に該当し、結果、収益を総額(グロス)で表示するのか、あるいは、当社が「代理人等」に該当し、結果、手数料等の収益のみを純額(ネット)で表示するのかを判断しなければなりません。この収益の表示方法の判断に影響を与える事実関係の評価には重要な主観による判断が入ります。ある取引における当社の収益の表示方法に関する判断に関して、状況によっては、判断が異なる可能性もあります。同様に、もしある取引において、当社のリスクや契約上の義務に変更があった場合には、当該取引及び同種の取引についても、収益をグロスで表示するか、ネットで表示するかの判断が変わる可能性があります。グロスまたはネット、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)に影響はありません。

 

  ある取引において当社が主たる契約当事者に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロス表示する要件として、次の指標を考慮しております。

・物品及び役務を顧客へ提供する、または注文を履行する第一義的な責任を有している。

・顧客の注文の前後や物品の配送中、または返品された場合に在庫リスクを負っている。

・直接または間接的に価格決定に関する裁量権を有している。

・顧客に対する債権に係る顧客の信用リスクを負っている。

 

  ある取引において当社が代理人等に該当し、その結果、当該取引に係る収益をネットで表示するための要件として、次の指標を考慮しております。

・提供した役務の対価(コミッションまたは手数料)が固定金額である。

・当社の対価が提供された物品及び役務の対価に対して一定の割合を乗じることで算定されている。

 

償却原価で測定される金融資産の減損

当社は、多様な事業活動をしており、営業債権及びその他の債権等の償却原価で測定される金融資産を保有しております。債務者による支払不履行または滞納等の減損していることを示す客観的な証拠が存在するかについて定期的に評価することで、当該資産に係る減損の有無についての検討を実施しております。

減損を実施する場合、当該資産の公正価値は、実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローに基づき測定しております。

 

公正価値で測定する金融資産

  当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。

 

非流動資産の回収可能性

  当社では様々な非流動資産を保有しております。当社では、不動産や償却対象の無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。

 

繰延税金資産の回収可能性

  当社では、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。

 

⑤ 営業活動の成果

  当期の親会社の所有者に帰属する当期利益は3,085億円となり、前期に比べ1,376億円の増益となりました。また、当期の減損損失を除く基礎収益は3,237億円となり、前期に比べ971億円の増益となりました。資源ビジネスが価格上昇の影響等により増益となったことに加え、北米鋼管事業の収益が改善したことや、リース事業や建機販売及び建機レンタル事業が堅調に推移したこと、電力EPC案件に係る建設工事が進捗したことなどにより、増益となったものです。一過性損益については、インドネシア商業銀行への投資に係る減損損失を計上したものの、米国における税制改正や資産入替えに伴う一過性利益があったことなどから約230億円の利益となり、チリ銅・モリブデン事業における減損損失などを計上した前期に比べ、約690億円の改善となりました。

  当期末の資産合計は、営業債権や棚卸資産が増加した一方で、円高に伴う減少があったことなどから、前期末に比べ88億円増加し7兆7,706億円となりました。資本のうち親会社の所有者に帰属する持分は、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げにより、前期末に比べ1,917億円増加し2兆5,582億円となりました。現預金ネット後の有利子負債は、前期末に比べ1,064億円減少し2兆5,215億円となりました。この結果、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、1.0倍となりました。

  営業活動によるキャッシュ・フローは、メディア・生活関連の主要事業を中心としたコアビジネスが順調に資金を創出したことなどから、2,953億円のキャッシュ・インとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、欧州自動車金融事業の売却や米国オフィスビルの一部売却など資産入替えによる回収が約1,800億円あった一方で、米国ジェネリック製薬事業やブラジル水事業への参画など、約2,800億円の投融資を行ったことなどから、1,558億円のキャッシュ・アウトとなりました。これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、1,395億円のキャッシュ・インとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払などにより、2,296億円のキャッシュ・アウトとなりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末より1,093億円減少し6,672億円となりました。

 

⑥ 事業セグメント

  当社は、5つの業種に基づく事業部門及び海外の地域拠点を通してビジネスを行っております。

  5つの事業部門は金属事業部門、輸送機・建機事業部門、環境・インフラ事業部門、メディア・生活関連事業部門、資源・化学品事業部門から構成されております。

  これらに加え、当社は、海外の地域セグメントを通してビジネスを行っており、「海外現地法人・海外支店」セグメントとして、当社の連結業績に含まれております。海外現地法人・海外支店は、業種に基づく事業部門とは異なり、米州住友商事といった海外現地法人や海外支店によりビジネスを行っております。このセグメントは、地域の特性に応じて、様々な取引を行い、また、特定の地域に注力した商品及びサービスを展開させるため、事業部門と協力してビジネスを行っております。こうした場合、収益と費用は、各々の役割に応じて配分されております。

(注)当期に、米州を中心とした海外関係会社持分の一部について帰属セグメントを見直しております。

 

  前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。

事業セグメント別売上総利益の内訳

 

前期

(自2016年4月 1日

至2017年3月31日)

(億円)

当期

(自2017年4月 1日

至2018年3月31日)

(億円)

増減額

(億円)

増減率

(%)

金属

674

668

△6

△0.9

輸送機・建機

1,312

800

△512

△39.1

環境・インフラ

550

711

161

29.2

メディア・生活関連

2,570

2,765

195

7.6

資源・化学品

1,179

1,467

289

24.5

海外現地法人・海外支店

2,172

3,214

1,042

48.0

8,456

9,625

1,169

13.8

消去又は全社

△29

△60

△31

△105.4

連結

8,427

9,565

1,138

13.5

 

事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳

 

前期

(自2016年4月 1日

至2017年3月31日)

(億円)

当期

(自2017年4月 1日

至2018年3月31日)

(億円)

増減額

(億円)

増減率

(%)

金属

100

202

102

102.8

輸送機・建機

469

482

13

2.7

環境・インフラ

230

284

54

23.6

メディア・生活関連

776

866

91

11.7

資源・化学品

△172

620

792

海外現地法人・海外支店

200

716

516

258.1

1,602

3,169

1,568

97.9

消去又は全社

107

△84

△191

連結

1,709

3,085

1,376

80.5

 

金属事業部門

  当期の売上総利益は668億円となり、前期の674億円から6億円(0.9%)減少しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、202億円となり、前期の100億円から102億円(102.8%)増加しました。これは、海外スチールサービスセンター事業が堅調に推移したことや資産入替えに伴う一過性利益を計上したことに加え、前期低調であった北米鋼管事業の持分を第1四半期に「海外現地法人・海外支店」セグメントに移管したことなどによるものです。

輸送機・建機事業部門

  当期の売上総利益は800億円となり、前期の1,312億円から512億円(39.1%)減少しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、482億円となり、前期の469億円から13億円(2.7%)増加しました。これは、在米州の子会社持分の一部を第1四半期に「海外現地法人・海外支店」セグメントに移管したことに伴う減益要因があった一方、リース事業や建機販売事業が堅調に推移したことに加え、海運市況が回復基調となったことなどによるものです。

環境・インフラ事業部門

  当期の売上総利益は711億円となり、前期の550億円から161億円(29.2%)増加しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、284億円となり、前期の230億円から54億円(23.6%)増加しました。これは、海外発電事業が堅調に推移したことに加え、大型EPC案件の建設進捗などによるものです。

メディア・生活関連事業部門

  当期の売上総利益は2,765億円となり、前期の2,570億円から195億円(7.6%)増加しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、866億円となり、前期の776億円から91億円(11.7%)増加しました。これは、国内主要事業会社や不動産事業が堅調に推移したことに加え、資産入替えに伴う一過性利益を計上したことなどによるものです。

資源・化学品事業部門

  当期の売上総利益は1,467億円となり、前期の1,179億円から289億円(24.5%)増加しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、620億円となり、前期の172億円の損失から792億円増加しました。これは、資源価格の上昇によりボリビア銀・亜鉛・鉛事業や南アフリカ鉄鉱石事業が堅調に推移したことに加え、前期にチリ銅・モリブデン事業において336億円の減損損失を計上したことの反動などによるものです。

海外現地法人・海外支店

  当期の売上総利益は3,214億円となり、前期の2,172億円から1,042億円(48.0%)増加しました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、716億円となり、前期の200億円から516億円(258.1%)増加しました。これは、米国税制改正に伴う一過性利益を計上したことや北米鋼管事業の収益が改善したことに加え、在米州の子会社持分の一部について第1四半期に各事業部門セグメントより当セグメントに移管したことなどによるものです。

 

⑦ 資金調達と流動性

当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。

当社は総額3兆2,039億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比82億円増加の1,975億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)1,682億円、コマーシャルペーパー293億円となっております。

一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金4,058億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比2,227億円減少の3兆64億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比2,353億円減少の2兆6,027億円、社債残高は前期比126億円増加の4,037億円となっております。

  当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、財務比率や純資産の最低比率の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が増資や社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。

  詳細は、「2 事業等のリスク(13) 資金の流動性に係るリスク」を参照願います。

  資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。また、外貨建ての資金調達については、従来の銀行借入や通貨スワップ、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等に加え、2017年9月に米ドル建て無担保普通社債を発行し、資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。

なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通し安定的)、スタンダード&プアーズでA-/A-2(見通し安定的)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。

 

・2,000億円の国内公募普通社債発行登録枠

・国内における1兆円のコマーシャルペーパー発行枠

・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム

・英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)、米州住友商事及びシンガポールのSumitomo Corporation Capital Asiaが共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム

・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム

 

  保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,260百万米ドル、及び4,250億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や1年内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。

・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン

・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン

・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの100百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン

・大手邦銀のシンジケート団による3,100億円の長期コミットメントライン(内、1,000億円はマルチ・カレンシー型)

・有力地方銀行のシンジケート団による1,150億円の長期コミットメントライン

 

資金調達の内訳

 

前期

(2017年3月31日)

(億円)

当期

(2018年3月31日)

(億円)

短期

1,893

1,975

 

借入金(主に銀行より調達)

1,437

1,682

 

コマーシャルペーパー

456

293

長期(一年以内期限到来分を含む)

32,291

30,064

 

担保付

 

 

 

 

借入金

2,778

2,331

 

無担保

 

 

 

 

借入金

25,601

23,696

 

 

社債

3,911

4,037

有利子負債合計(グロス)

34,183

32,039

現金及び現金同等物並びに定期預金

7,905

6,823

有利子負債合計(ネット)

26,279

25,215

資産合計

77,618

77,706

親会社の所有者に帰属する持分合計

23,665

25,582

親会社所有者帰属持分合計比率(%)

30.5

32.9

 

 

 

 

 

デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍)

1.4

1.3

デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍)

1.1

1.0

 

  当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりです。

期限別内訳

 

社債及び借入金

 

(億円)

解約不能

オペレーティング・

リース

(億円)

2018年度

6,032

268

2019年度

4,510

247

2020年度

3,897

214

2021年度

2,882

180

2022年度

2,783

165

2023年度以降

11,934

1,180

合計

32,039

2,255

 

  当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、1兆1,621億円です。

  当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。

  上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「⑧ 偶発債務」及び「⑨ 訴訟等」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。

当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産の取得に978億円、また、その他の投資の取得に1,428億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。

  しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。

⑧ 偶発債務

  当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。

  当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2043年)は1,303億円で、このうち関連会社の債務に対する保証が829億円、第三者の債務に対する保証が474億円です。これらの保証は主に関連会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。

⑨ 訴訟等

  当社は、事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。

 

⑩ 未適用の新たな基準書及び解釈指針

  連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2018年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。

基準書

基準名

強制適用時期

(以降開始年度)

当社適用年度

新設・改訂の概要

IFRS第2号

株式に基づく報酬

2018年1月1日

2019年3月期

株式に基づく報酬取引の分類及び測定に関する会計処理の明確化

IFRS第9号

金融商品

2018年1月1日

2019年3月期

一般ヘッジに係るヘッジ会計の改訂、

金融資産の分類及び測定、減損の会計処理

IFRS第9号

金融商品

2019年1月1日

2020年3月期

負の補償の要素を伴う特定の金融資産の会計処理の改訂

IFRS第10号

連結財務諸表

未定

未定

投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理

IFRS第15号

顧客との契約から

生じる収益

2018年1月1日

2019年3月期

顧客との契約に適用する収益認識のための会計処理の設定

IFRS第16号

リース

2019年1月1日

2020年3月期

リース会計処理の改訂

IFRS第17号

保険契約

2021年1月1日

2022年3月期

保険契約の会計処理の改訂

IAS第19号

従業員給付

2019年1月1日

2020年3月期

制度改訂、縮小又は清算が生じた場合の会計処理の明確化

IAS第28号

関連会社及び共同支配企業に対する投資

未定

未定

投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理

IAS第28号

関連会社及び共同支配企業に対する投資

2019年1月1日

2020年3月期

関連会社または共同支配企業に対する長期持分の会計処理の明確化

IAS第40

投資不動産

2018年1月1日

2019年3月期

投資不動産への振替及び投資不動産からの振替に関する要求事項の明確化

IFRIC第22

外貨建取引と前渡・

前受対価

2018年1月1日

2019年3月期

外貨建の前渡または前受対価を含む取引の会計処理の明確化

IFRIC第23

 

法人所得税務処理に

関する不確実性

2019年1月1日

2020年3月期

税務処理に関する不確実性がある状況における法人所得税の会計処理の明確化

  当社は2018年4月1日からIFRS第9号「金融商品」(2014年7月公表)及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用することを求められます。

 

  IFRS第9号「金融商品」の適用による主な影響は、マダガスカルニッケル事業において、2016年8月にプロジェクトファイナンスレンダーとの間で元本返済の繰り延べ合意したことによるものです。持分法適用会社であるAmbatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.における借入金が増加し、利益剰余金が同額減少することに伴い、2019年3月期の期首時点で、持分法で会計処理されている投資及び利益剰余金の残高がおよそ18億円減少する予定です。

  また、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用による主な変更点は、持分法適用会社であるジュピターテレコムでの顧客との契約のための増分コストの資産計上です。その結果、2019年3月期の期首時点で、持分法で会計処理されている投資及び利益剰余金の残高がおよそ66億円増加する予定です。

  なお、その他の未適用の新たな基準書及び解釈指針の適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。

 

⑪ 市場リスクに関する定量的・定性的情報

  当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。

金利変動リスク

  当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレート部門の財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入の大部分が変動金利であり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。

  しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。

為替変動リスク

  当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。

商品市況変動リスク

  当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。

株価変動リスク

  当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、3,542億円であります。

リスク管理体制

  デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業部は、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。

  財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。

・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務

・ポジション残高の照合

・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告

  当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2018年1月30日開催の取締役会において、当社が営む金属事業の一部を、当社の完全子会社である住友商事グローバルメタルズ株式会社(以下「住友商事グローバルメタルズ」)及び住商メタレックス株式会社(以下「住商メタレックス」)にそれぞれ承継させる会社分割(以下総称して「本会社分割」)につきまして、住友商事グローバルメタルズ及び住商メタレックスとそれぞれ吸収分割契約を締結することを決議し、2018年1月30日に当該契約を締結しました。当該契約に基づく吸収分割は、2018年4月1日に効力を生じました。

 

(1) 本会社分割の目的

 当社は、本会社分割により、住友商事グローバルメタルズ及び住商メタレックスに適切な権限移譲を行い、今まで以上のスピード感を持ち、多様な人材を生かし事業を遂行できる体制へと強化します。金属事業を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しうる機動的な組織の実現により、お取引先様へ更なる付加価値を提供するとともに、当社グループとして、住友商事グローバルメタルズ及び住商メタレックスの成長実現を図ります。

 

(2) 本会社分割の方法

当社を吸収分割会社とし、住友商事グローバルメタルズ及び住商メタレックスを吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易分割)です。

 

(3) 承継させる資産、負債の状況(2018年3月末時点)

 住友商事グローバルメタルズを承継会社とする会社分割

資産

負債

 流動資産

107百万円

 流動負債

204百万円

 

 固定資産

10,764百万円

 固定負債

 

 合計

10,871百万円

 合計

204百万円

 

 

住商メタレックスを承継会社とする会社分割

資産

負債

 流動資産

608百万円

 流動負債

3百万円

 

 固定資産

162百万円

 固定負債

 

 合計

770百万円

 合計

3百万円

 

 

 

(4) 分割会社に割り当てられる吸収分割承継会社の株式の数及びその算定根拠

住友商事グローバルメタルズは、本会社分割に際して普通株式1株を発行し、当社に対して割当てます。

住商メタレックスは、本会社分割に際して普通株式32,000株を発行し、当社に対して割当てます。

各承継会社はいずれも分割会社の100%出資の子会社であり、本会社分割に際して承継会社が発行する全ての株式を当社に割当てる吸収分割であることから、当社と各承継会社間で協議し、割当てる株式数を決定しました。

 

(5) 吸収分割の後の吸収分割承継会社となる会社の資本金の額及び事業の内容(2018年4月1日時点)

 

住友商事グローバルメタルズ株式会社

住商メタレックス株式会社

 資本金の額

10,000百万円

1,170百万円

 事業の内容

金属総合商社

金属商社

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。