当第3四半期累計において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前期の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
企業環境
当第3四半期累計の世界経済の動きは一段と緩やかになりました。米国では個人消費は堅調ですが設備投資は弱含みの動きとなっています。ユーロ圏では景気回復の動きは続いていますが依然として緩慢な成長に留まっています。中国は財政支出の拡大が景気を下支えしていますが米国との通商問題は経済活動の重しとなっています。多くのアジア諸国では景気回復基調が続いていますがインドなど一部の国では減速感が強まっています。なお、国際商品市況では、原油価格は産油国の減産や地政学的リスクの増大を背景に価格は一時急騰しましたが供給過剰の影響により長期化しませんでした。その他の多くの商品は世界経済の成長鈍化により低迷が続いています。
国内経済は、消費増税や天候不順の影響もあり個人消費は不安定な動きとなっていますが公共投資、民間設備投資では回復の動きが続いています。輸出は世界的に需要が弱まっていることから減少し、貿易収支は赤字となっています。
業績
当第3四半期累計の収益は、前年同期に比べ1,017億円増加し、3兆9,347億円となりました。売上総利益は、資源価格の下落などによりボリビア銀・亜鉛・鉛事業で減益となったことなどから、前年同期に比べ275億円減少し、6,579億円となりました。販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ151億円増加し、4,923億円となりました。持分法による投資損益は、マダガスカルニッケル事業で前年同期に減損損失を計上したことの反動があった一方、自動車関連事業が低調に推移したことに加え、ミャンマー通信事業が前年同期に決算期変更があったことの反動により減益となったことなどから前年同期に比べ26億円減少し、909億円の利益となりました。その他の損益は、ジクシス株主再編に係る一過性利益を計上したことなどから、前年同期に比べ68億円増加し、71億円の利益となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,113億円となり、前年同期に比べ304億円の減益となりました。また、基礎収益(除く、減損損失)(注)は2,055億円となり、前年同期に比べ452億円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益のセグメント別の状況は次のとおりです。
・金属事業部門では、北米鋼管事業が減益となったことに加え、海外スチールサービスセンター事業が低調に推移したことなどから、前年同期に比べ168億円減益の152億円となりました。
・輸送機・建機事業部門では、リース事業が堅調に推移した一方、自動車製造事業が減益となったことなどから、前年同期に比べ153億円減益の347億円となりました。
・インフラ事業部門では、大型EPC案件の建設進捗や、発電事業が堅調に推移したことなどから、前年同期に比べ30億円増益の449億円となりました。
・メディア・デジタル事業部門では、国内主要事業会社が堅調に推移した一方、前年同期に資産入替に伴う一過性利益の計上や、ミャンマー通信事業で決算期変更があったことの反動により減益となったことなどから、前年同期に比べ61億円減益の285億円となりました。
・生活・不動産事業部門では、国内主要事業会社及び不動産事業が堅調に推移したことなどから、前年同期に比べ29億円増益の358億円となりました。
・資源・化学品事業部門では、資源価格の下落などによりボリビア銀・亜鉛・鉛事業や豪州石炭事業が減益となった一方、マダガスカルニッケル事業で前年同期に減損損失を計上したことの反動があったことなどから、前年同期に比べ9億円増益の469億円となりました。
(注) 基礎収益=(売上総利益+販売費及び一般管理費(除く貸倒引当金繰入額)+利息収支+受取配当金)×(1-税率)+持分法による投資損益
除く、減損損失(前年同期: マダガスカルニッケル事業 △104億円)
当第3四半期末の資産合計は、IFRS第16号「リース」適用による増加があったことなどから、前期末に比べ4,622億円増加し、8兆3,787億円となりました。資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上げがあったことなどから、前期末に比べ179億円増加し、2兆7,894億円となりました。現預金ネット後の有利子負債(注1)は、前期末に比べ1,374億円増加し、2兆5,645億円となりました。この結果、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、0.9倍となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期累計の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金が増加した一方で、コアビジネスが着実に資金を創出し、基礎収益キャッシュ・フロー(注2)が2,056億円のキャッシュ・インとなったことなどから、合計で1,873億円のキャッシュ・インとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、英国洋上風力発電事業の売却や航空機エンジンリース事業の共同事業化など資産入替による回収が約800億円あった一方で、北欧駐車場事業の買収や米国オフィスビルの取得など、約2,900億円の投融資を行ったことなどから、1,774億円のキャッシュ・アウトとなりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、99億円のキャッシュ・インとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、154億円のキャッシュ・アウトとなりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は、前期末に比べ99億円減少し、6,505億円となりました。
(注1)有利子負債=社債及び借入金(流動・非流動)の合計 (リース負債は含まれておりません)
(注2)基礎収益キャッシュ・フロー=基礎収益-持分法による投資損益+持分法投資先からの配当
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
特記事項はありません。
(5)経営戦略の現状と見通し
「中期経営計画2020」の概要
当社の中期経営計画に関する以下の説明は、数々の判断、見積り、前提に基づき算出された今後の見通しに関するものです。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当四半期報告書提出日現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予想等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。
①基本方針
当社は、2018年4月より2018年度から2020年度までの3か年を対象とする「中期経営計画2020」をスタートさせ、目標達成に向けて取組んでおります。「中期経営計画2020」では、第四次産業革命などの産業構造の変化や全産業のボーダーレス化・複合化が加速する環境下において、経営基盤の強化を図りながら、成長戦略の推進を中心に据え、新たな価値創造への飽くなき挑戦に取り組んでいます。
具体的には、既存事業を徹底的に強化する「既存事業のバリューアップ」、中長期視点での「次世代新規ビジネス創出」及び有力な事業基盤・機能を掛合わせる「プラットフォーム事業の連携深化」の3つの施策を中心に取組むことで、成長戦略を推進しております。また、「ガバナンスの高度化」、「人材戦略の高度化」、「財務健全性の向上」を通じて、経営基盤の更なる強化を図っております。
②定量計画
ROA及びROEについては、「中期経営計画2020」期間を通じて、それぞれ4%以上及び10%以上の確保を目標としております。また、財務方針としては、引き続きコア・リスクバッファーとリスクアセットのバランス(注)を維持することに加え、3年合計の配当後フリーキャッシュ・フローを2,000億円以上の黒字とし、有利子負債の返済に充てる計画としております。
2019年度の業績見通しについては、当期利益の通期見通し(2019年11月公表)3,000億円に対して、全体として概ね堅調に推移しているため、修正しておりません。
当該業績見通しを踏まえると、ROEは10%以上確保できると見込まれる一方、ROAは4%を下回ると見込んでおります。
(注) 「コア・リスクバッファー」とは、「資本金」、「剰余金」及び「在外営業活動体の換算差額」の和から「自己株式」を差引いて得られる数値で、当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。
③ 配当方針
当社は、株主の皆様に対して長期にわたり安定した配当を行うことを基本方針としつつ、中長期的な利益成長による配当額の増加を目指して取り組んでいます。
2018年度からの3か年を対象とする「中期経営計画2020」においては、連結配当性向30%程度を目安に、基礎収益やキャッシュ・フローの状況等を勘案のうえ、配当額を決定することとしています。
2019年度の年間配当金予想額は、当期利益の通期見通し3,000億円を踏まえた1株当たり70円の普通配当に、中間配当に併せて実施済みの創立100周年記念配当である1株当たり10円を加算した、合計80円としています。
マテリアリティ(重要課題)への取組
① 社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)
社会課題の解決に向けて企業の果たす役割への期待や、環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面が企業の評価や投資行動につながる機運が高まる中、住友の事業精神、住友商事グループの経営理念(注1)を踏まえ、事業活動を通じて、自らの強みを生かして優先的に取り組むべき課題を、「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」として、以下のとおり特定しました。これを、事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付けています。
● グローバルに広がる顧客・パートナーとの信頼関係とビジネスノウハウを活用し、健全な事業活動を通じて豊か
さと夢を実現するという企業使命を果たすことで、持続的な成長と以下の社会課題の解決を両立していきます。
● また、上記の課題を解決するための基盤として、人間尊重や信用・確実といった経営姿勢と、活力に溢れ革新を
生み出す企業風土のたゆまぬ維持向上に努めています。
② マテリアリティ(重要課題)の位置付けと特定プロセス等
<マテリアリティ(重要課題)の位置付け>
(注1) 住友の事業精神、住友商事グループの経営理念については、当社ウェブサイト
(https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/about/policy/principles)をご参照ください。
(注2) Sustainable Development Goalsの略称。2030年までの世界規模の課題が盛り込まれた17の目標。2015年に国連総会で
全ての加盟国(193か国)により採択されました。
<特定プロセス>
特定に当たっては、まず国際的なガイドラインやSDGsを参照し、当社の事業と社会課題との関わりを整理・分析しました。そのうえで、住友の事業精神や当社グループの経営理念を踏まえて重要課題を抽出し、社内アンケートを実施したほか、社外ステークホルダーや有識者との意見交換を重ね、その結果を文章化しました。そして、CSR委員会(現サステナビリティ推進委員会)、経営会議及び取締役会での審議・決議を経て、特定しました。上記プロセスを経て特定したマテリアリティを事業において実践することが、当社グループがSDGsの達成に貢献していくことにつながると考えています。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、一般的に、営業活動によるキャッシュ・フローや、銀行借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により、資金調達を行っております。当社の財務運営の方針・目的は、中長期にわたり、安定的かつ低利な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することです。
当社は当第3四半期において総額3兆2,251億円の有利子負債を有しております。このうち流動負債に区分される社債及び借入金は、前期末比1,140億円増加の7,963億円となっており、主な内訳は短期借入金(主として銀行借入金)2,423億円、コマーシャルペーパー1,952億円、1年以内に返済予定の長期借入金3,233億円となっております。
また、流動性については、従来、金融市場の混乱等、いくつかの有事シナリオを想定の上、必要な流動性額の保持につとめており、当第3四半期末時点においても十分な流動性を保持しております。
当社は、当第3四半期末時点で、総額1,260百万米ドル及び4,250億円を上限とする即時に借入可能な複数のコミットメントラインを締結しておりますが、当第3四半期末時点で、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
当社は、資本市場での直接調達を目的として、国内外で複数の資金調達プログラムを設定しております。当第3四半期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通し安定的)、スタンダード&プアーズでA-/A-2(見通し安定的)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。
(7)主要な設備の状況
当第3四半期累計において、賃貸事業を主な目的として、国内の商業施設を取得しております。また、米国のオフィスビルを新たに取得しております。
特記事項はありません。