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(注1) 本報告書においては、第153期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)を「前期」、第154期(2021年4月1日から2022年3月31日まで)を「当期」と記載しております。 (注2) 当有価証券報告書には、当社の中期経営計画等に関する様々な経営目標及び予測、並びにその他の将来に関する情報が開示されています。これらの経営目標及び将来予測、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点における仮定及び予想、並びに当社が現時点で入手している情報や一定の前提に基づいているため、今後の四囲の状況等により変化を余儀なくされるものであり、これらの目標や予想の達成及び将来の業績を保証するものではありません。したがって、これらの情報に全面的に依拠されることは控えられ、また、当社がこれらの情報を逐次改訂する義務を負うものではないことをご認識いただくようお願い申し上げます。 |
中期経営計画
●「SHIFT 2023」の進捗
当社は、前中期経営計画の最終年度である2020年度において、新型コロナウイルス感染症拡大のほか、経済環境の激変を受け、大幅に業績が悪化しました。そのため「事業ポートフォリオの収益力向上と下方耐性の強化」を当社の喫緊の課題として捉え、低採算事業の整理の徹底や事業ポートフォリオの再構築のための既存事業のバリューアップを加速させるなどの構造改革に徹底して取り組みました。そして、2021年5月に2023年度までの3か年を対象として策定した中期経営計画「SHIFT 2023」において、「事業ポートフォリオのシフト」、「仕組みのシフト」、「経営基盤のシフト」の3つのシフトに取り組んでいます。2021年度における取組状況は、以下のとおりです。
(1)事業ポートフォリオのシフト
「SHIFT 2023」の資産入替の徹底の取組として、低採算事業からの撤退を進め、また、バリューアップ施策による収益性、効率性等の改善(以下「ターンアラウンド」という。)を加速させました。具体的には、「SHIFT 2023」の策定に先立って分析を行った約400社の事業会社群のうち、撤退・バリュー実現先として特定していた101社について、32社の撤退が完了した2020年度に続き、2021年度は更に32社の撤退を完了させました。また、ターンアラウンド先として特定していた76社についても、各現場での打ち手が着実に成果に繋がってきており、特にマダガスカルニッケル事業や米国タイヤ販売事業、欧米州青果事業は、各事業において、事業戦略や経営体制、オペレーションの見直し等を通じて業績を改善させました。
また、当社は2020年度にすべての事業を市場の魅力度と当社グループの強みの発揮度を軸に、戦略を同一とする事業群であるStrategic Business Unit (SBU)ごとにくくり直し、「バリュー実現」、「バリューアップ」、「注力事業」及び「シーディング」の4つの戦略カテゴリーに分類し、そのうえで、高い収益性と下方耐性の強い事業ポートフォリオの構築を目指し、当社の強みが発揮できる事業分野へ経営資源(資金・人材)のシフトを進める仕組みを作りました。
その結果、「バリュー実現」のカテゴリーのSBUにおいて、経営資源の回収が着実に進捗したほか、効率性向上と新たな付加価値の提供により既存の収益の柱を更に太くする「バリューアップ」や事業規模の拡大を通じた収益の柱の育成を目指す「注力事業」、次世代のビジネスを育成し新たな収益の柱を目指す「シーディング」のそれぞれのカテゴリーのSBUにおいても着実に戦略を推進しました。
事業ポートフォリオのシフトの定量的な進捗状況及び具体的な取組は、以下のとおりです。
<定量的な進捗状況>
(注)1.「SHIFT 2023当初計画」における「資産入替による資金回収」は、「その他の資金移動」額を控除した額へ修正しています。
2.上記表の「-」は、金額が100億円未満であることを示しています。
<具体的な取組の例>
また、これら事業ポートフォリオのシフトを進めるうえで、特にデジタル化への対応とサステナビリティの視点を取り込み、社会とともに発展、成長する事業ポートフォリオの構築を目指しています。
デジタル化への対応は、全社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するために設立したDXセンターがSBUと協働し、戦略を具体化しています。SCSK株式会社との連携に加え、当社が100%出資するDX技術専業会社である株式会社Insight Edgeの機能を拡充し、リテイル分野などの注力事業の更なる強化や製造業の生産性向上などのバリューアップとデジタルを核とした新事業開発を進めています。
サステナビリティの観点では、当社グループは2020年6月に持続可能な社会の実現のために当社グループが取り組むべき6つの「重要社会課題」と「長期目標」を設定し、2021年5月にはその具体的なアクションプランを示す「中期目標」を定めました(注1)。「重要社会課題」の中でも特に「気候変動緩和」については気候変動をめぐる世界的な情勢を踏まえ、継続的に「気候変動問題に対する方針」の見直しを実施しています。当社の石炭火力発電事業及び一般炭鉱山開発事業の方針やカーボンニュートラル化に向けた道筋を具体的に示しており、より環境への負荷が少ない事業ポートフォリオとすることを明確に謳っています。
2021年度には、化石エネルギー事業の権益の一部を売却し、再生可能エネルギー事業の推進などを通じてポートフォリオシフトを進めると同時に、既存の石炭火力発電事業の脱炭素化・低炭素化等に向けて検討を進めました。2021年4月に新設した営業組織であるエネルギーイノベーション・イニシアチブ(Energy Innovation Initiative (EII) )において、次世代エネルギー関連のビジネスの拡大及び創出に着実に取り組みました。また、「循環経済」関連では、既存のリサイクルやシェアリング事業の拡大等を通じて、リサイクル・省資源型ビジネスを推進したことに加えて、主要天然資源の持続可能な調達体制の強化の一環として、当社グループの「森林経営方針」と「林産物調達方針」を2022年3月に策定・開示しました。加えて、「人権尊重」関連では、2025年までに当社グループの全事業の人権リスクを的確に評価することを目標とし、事業部門ごとの人権デューデリジェンスを開始しており、リスクの低減・防止策の強化に着手しています。
その他の「重要社会課題」に関しても、長期目標・中期目標達成に向けて鋭意取り組んでおり、各課題の長期目標・中期目標の達成状況や具体的な取組については、毎年改訂する「ESGコミュニケーションブック」(注2)や統合報告書などにおいて開示しています。
(注)1.重要社会課題に対する、長期・中期目標については、23ページをご参照ください。
2.ESGコミュニケーションブックについては、当社ウェブサイト
(https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/sustainability/report)に掲載しています。
(2)仕組みのシフト
事業ポートフォリオのシフトを実効性のあるものとするために、仕組みのシフトも推進しました。具体的には、各SBUにおいて戦略目標の達成状況を客観的に測る指標(KAI・KPI)を設定のうえ、年2回の戦略会議の場においてその進捗状況をモニタリングし、戦略見直しの要否を議論するとともに、常に改善につなげるPDCAサイクルを強化しています。また、個別事業の取り進めにおいては、投資案件の選定や継続の要否を判断するための投資案件選定指針の制定による投資規律の厳格化や、投資パフォーマンス連動報酬制度の導入等により、事業投資の成功確度向上と価値最大化に向けた仕組みづくりを行いました。
事業部門の戦略・取組を全社最適の観点から補完するための取組も強化しました。具体的には、既存組織を横断するような社会課題、事業領域に対する全社的な取組を強化すべく、上述のエネルギーイノベーション・イニシアチブ(EII)を立上げたほか、社会インフラ、ヘルスケア、農業等の成長戦略テーマの推進や、各地域組織における事業開発等、全社横断的な取組を強化しました。また、全社最適の観点から経営資源の配分、各事業部門の戦略構築や事業推進について、グローバルイノベーション推進委員会(注)が業務執行の最高意思決定機関である経営会議の諮問機関として、議論・提言する体制を整えました。
(注)SBU戦略を全社最適の観点から審議し、全社投融資枠(資金)・人的リソース配分を経営会議に提言する機能を持つ、経営会議の諮問機関。
(3)経営基盤のシフト
当社が中長期的に成長、発展していくための経営基盤についても、着実に強化、拡充を進めました。
①ガバナンスの強化
取締役会においては、重点的に審議すべき重要経営課題の設定(アジェンダ・セッティング)を取締役会メンバー全員で行っています。2021年度は、このアジェンダの一つとして、事業ポートフォリオのシフトなどの「SHIFT 2023」の各施策や6つの「重要社会課題」の中期目標などの進捗モニタリングに注力しました。また、各事業部門からは戦略の進捗状況及び課題並びにその対応方針に関する報告を受け、当該課題に焦点を当てて審議を行ったほか、主要な委員会(内部統制委員会、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会(2021年7月に「IT 戦略委員会」に改組)など)から定期的な報告を受けました。これらにより、当社全体の業務執行の状況について継続的にモニタリングし、監督機能の強化を図りました。また、住友商事及びグループ各社が尊重すべき3つの原則(自律、対話、連携)を中心とするグループマネジメントポリシーを2021年6月に策定し、当社グループの企業価値の向上のためグループ経営の高度化を推進しています。
②人材マネジメントの強化
2020年度に策定したグローバル人材マネジメントポリシーを具現化すべく、年次管理を撤廃し職務や成果を従来以上に報酬と連動させた職務等級制度の導入、評価制度の刷新、従来型の職掌別管理を廃した職掌の一本化等、当社の人事制度を大きく改訂し、人材マネジメント改革の基盤を整備するとともに、Diversity & Inclusionの推進を加速しました。また、事業ポートフォリオ再構築に伴う人材シフト、事業ニーズや環境変化に即したリソースマネジメントにも取り組みました。
③財務健全性の維持・向上
事業環境の回復にも支えられ、着実な利益の積み上げが実現できた結果、デット・エクイティ・レシオは、昨年度末の0.9倍から0.7倍に低下、リスクアセットもコア・リスクバッファーの範囲内に収めています(注)。引き続き「SHIFT 2023」の3年間合計の配当後フリーキャッシュ・フローの黒字の方針は堅持し、財務健全性の向上に努めます。
(注)「コア・リスクバッファー」とは、「資本金」、「剰余金」及び「在外営業活動体の換算差額」の和から「自己株式」を差し引いて得られる数値で、当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。
対処すべき課題
(1)事業ポートフォリオのシフトによる収益力の強化
「SHIFT 2023」初年度の業績は堅調に推移しましたが、資源価格の上昇などの外部環境の影響があったことも事実です。「SHIFT 2023」で掲げた高い収益性と下方耐性の強い事業ポートフォリオの構築に向けて既存事業の撤退やターンアラウンドは堅調に推移していますが、これらを計画どおりに実行することに加え、当社の収益を支える事業群である「注力事業」や「バリューアップ」に分類されているSBUが、当社の強みを十分に活かしながら、各事業の資本コストをカバーし、更にそれを大きく超過する収益力の獲得とともに、投下資本を増やして収益基盤の拡大も図っていきます。また、将来の収益の柱となる新たなコア事業の創出についても、成長戦略テーマを中心に想定する成果が得られるよう、引き続き注力していきます。社会の価値観や生活様式が大きく変化するなかで、総合商社である当社がその強みを活かし新たに事業を創出できる機会は数多くあり、住友の事業精神にある「進取の精神」や「企画の遠大性」を念頭に、新たなコア事業の創出に向けた取組を加速していきます。
(2)サステナビリティ経営の高度化
当社グループにおいては、前述のとおり6つの「重要社会課題」の解決に向け取り組んでいますが、その中でも「気候変動緩和」、「循環経済」、「人権尊重」の取組に対する社会の要請は一層の高まりを見せており、社会の潮流や変化を見極めながら適時に対応していきます。「気候変動緩和」については、当社及び連結子会社でのCO2排出量に加え、排出総量に影響が大きい持分法投資先の火力発電事業における直接排出量や化石エネルギー権益事業における間接排出量も含め、カーボンニュートラル化をコミットしています。当社は、2050年の当社事業のカーボンニュートラル化に向けたマイルストーンを明確にし、当社事業のカーボンニュートラル化の実現と同時に、地域社会の発展・進化を目指して次世代エネルギー事業を創出し、社会のカーボンニュートラルへ貢献していきます。
また、「循環経済」についてはリサイクル・省資源型ビジネスの推進や天然資源の持続可能な調達体制の強化に更に注力し、「人権尊重」については当社グループの全事業における人権リスクの低減・防止を一層強化していくことで新たな価値創造を実現していきます。
(3)人材マネジメント改革の実行
当社グループの持続的な発展にとって人材は最重要の経営リソースであり、2021年度に導入した新人事制度の運用の実効性を高め、人材マネジメント改革の成果をスピード感を持って目に見える形にしていく必要があります。Diversity & Inclusionの更なる推進、年齢や性別その他属性にとらわれないPay for Job, Pay for Performanceの考え方に基づく適所適材の人員配置により、すべての役職員の最大限のパフォーマンス発揮を目指します。人的資本の拡充に向けては、グローバル人材マネジメントポリシーに掲げる新たな価値創造に挑戦する人材集団を目指して、採用手法の多様化や個にフォーカスしたピープルマネジメント力の強化、経営人材育成やプロフェッショナリティ強化などの人材開発施策を実行していきます。また、ウィズ・コロナの長期化で生じた組織活力やチーム運営上の課題を解決し、組織の活性化とアウトプット向上を目的に、人材育成とコミュニケーションの強化、役職員一人ひとりのエンゲージメントの向上にも取り組んでいきます。
(4)定量計画
①経営環境
全般
世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢の不透明感がみられる中、新型コロナウイルス感染が収束に向かう中で経済活動が再開し、景気回復の傾向は続く見通しです。ただし、その回復には国・地域や産業ごとにばらつきが見られます。先進国では、物価上昇及びそれに伴う金融政策の変更により経済成長は緩やかになるとみられます。新興国でも概ね景気回復の動きは続きますが、中国では鈍化傾向がみられ、財政・金融支援の余力が乏しい国では当面、緩慢な景気回復にとどまる見込みです。リスクとして、ロシア・ウクライナ情勢の悪化と対ロシア経済制裁の強化、一段の物価上昇、金融資本市場の大幅な変動、新型コロナウイルス感染再拡大とそれに伴う経済活動の制限、債務拡大、北東アジアや中東・北アフリカなどでの地政学的リスクの高まりなどが挙げられます。
金属事業部門
当部門は、鋼材・鋼管などの鉄鋼製品を幅広く取り扱っています。
当部門を取り巻く環境としては、鋼材分野では、足もとでは自動車や家電など各分野において回復の傾向が見られる一方で、鋼材需給の逼迫や原材料価格の高止まりなどによる鋼材価格高騰、新型コロナウイルス、半導体・樹脂供給不足などの影響が顕在化しており、今後の動向を注視していきます。
鋼管分野においても、足もとでは原油価格上昇に伴う堅調な需要に支えられ、油井管価格も上昇基調を維持するなど、市況は回復した一方、主要顧客である石油・ガス企業が、石油・ガス需要対応に加え、気候変動問題を念頭に、統合エネルギー事業会社への変容を目指していることに呼応したビジネスへの適合が求められています。
両分野とも、ロシア・ウクライナ情勢の今後の影響を注視していきます。
このような環境を踏まえ、当部門としては中長期的視点で確実に持続的成長を果たせるビジネスモデルへの再構築を完遂します。また、DXを通じた新たな価値提供、再生可能エネルギー・CCUSなど社会のカーボンニュートラル化に資する鉄鋼製品・サービスの供給による気候変動問題への対応をはじめ、サステナビリティ経営の高度化にも引き続き注力し、取組んでいきます。
輸送機・建機事業部門
当部門は、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーン展開する自動車・建設機械・船舶事業、高い専門性を持つ航空宇宙関連事業を中心に、各種取引及び事業投資を行っています。
当部門を取り巻く事業環境としては、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年度と比較し、消費活動や経済の回復を享受した事業も多かった一方、足元は先行き不透明感の強い環境にあります。
航空機リース、建設機械販売、及び自動車販売事業においては、一部ロシア・ウクライナ情勢の影響を受けているほか、他地域においても物価・金利の上昇などによる景気回復のばらつきが想定されます。
このような環境下、当部門では更なる収益基盤の強化と事業ポートフォリオのシフトに向け、リース・ファイナンス事業では引き続き成長分野の優良資産を積増しするほか、建設機械事業では北米を中心とした既存事業の基盤拡大とアジア市場の成長を取込み、自動車事業では戦略の再構築と新たなニーズに即したモビリティサービスの開発を進めていきます。
インフラ事業部門
当部門は、水・鉄道などの社会インフラ事業、EPCビジネスや発電事業などの電力インフラ事業、海外工業団地、保険事業を含む物流インフラ事業を行っています。
当部門を取り巻く足元の環境としては、電力EPCビジネスでは、新型コロナウイルスなどの影響はあるものの、複数案件で工事終盤を迎えており2022年度中の完工を予定しています。発電事業は堅調ながら、一部の欧州洋上風力発電事業で風況悪化の影響が生じています。また、国内の電力小売事業では電力卸売市場価格高騰の影響が生じています。このような環境下、当部門は引き続き持続可能な成長を目指し、世界的な環境意識の高まりによる低炭素社会の到来、新興国を中心とした旺盛なインフラ需要を商機と捉え、新たな取組みを加速させます。
具体的には、地域社会全体のニーズを捉えた質の高いインフラアセットを提供すべく、衛生的な上・下水事業、スマートシティ開発、鉄道・空港・港湾事業など、社会インフラ事業に積極的に取組みます。更に2050年のカーボンニュートラルを達成すべく、再生可能エネルギー発電事業に注力し、当社発電ポートフォリオの低炭素化を促進します。加えて、エネルギーイノベーション・イニシアチブとの共創により、再生可能エネルギー発電や環境価値を活かした国内電力小売事業を中心に、新たな電力・エネルギーサービスの事業化を推進します。
メディア・デジタル事業部門
当部門は、ケーブルテレビ、テレビ通販、デジタルメディア、及び5G関連などのメディア事業、ICTプラットフォーム、デジタルソリューションなどのデジタル事業、携帯電話販売、海外通信事業などのスマートプラットフォーム事業を行っています。
当部門を取り巻く環境としては、メディア事業では、生活様式、消費行動の変化に伴い、視聴形態の多様化や非対面・非接触での新たなサービス提供のニーズが見込まれることに加え、5G関連では高速・大容量通信の需要拡大により、携帯キャリアの基地局整備が進んでいます。デジタル事業では、デジタル技術による社会課題の解決やビジネス変革の機会が拡大し、DXソリューションのニーズが高まっています。携帯電話販売事業では端末の高価格化、オンライン契約形態の導入などの市場変化が加速しています。海外通信事業ではミャンマー及び新たに参入したエチオピアにおける地政学的リスクはあるものの、地域の発展に伴うニーズが見込まれます。
このような環境を踏まえ、メディア事業では新たな視聴サービスやオンライン診療などの生活周辺サービスの拡充、5G関連では基地局シェアリングの早期拡大に取組みます。デジタル事業ではSCSKとともにDX事業化やスタートアップ企業との共創による新たな価値創出への取組みを加速します。携帯電話販売事業では端末流通市場の変化に対応した新ビジネスの構築に取組みます。また、海外通信事業ではミャンマー・エチオピアの動向を注視しながら慎重に取組みます。
生活・不動産事業部門
当部門は、リテイル、ヘルスケア、食料、建設資材、不動産などの分野において事業を展開しています。
リテイル分野のスーパーマーケット事業では、新型コロナウイルスの影響による内食需要の増加は落ち着くも、ドラッグストア事業とともに、社会インフラとしての重要性は引き続き高いものとなっています。また、ヘルスケア事業では、国内における高齢化の進展に伴う調剤医療費の抑制、在宅介護、オンライン診療などで事業機会の拡大が見込まれます。
食料分野では、ロシア・ウクライナ情勢の影響に伴う相場価格・輸送費の上昇などの影響が懸念されます。
建設資材及び不動産分野は、物流需要の高まりを受けて物流不動産の市況が好調に推移しているほか、住宅の市況も好調に推移しています。一方で、今後のオフィス需要や、足元の建材・資材価格の上昇に伴う影響に注視が必要です。
このような環境を踏まえ、当部門は、マーケットを慎重に見極めながら、事業の継続及び将来の成長のために必要な施策を引き続き実行していきます。リテイル分野・ヘルスケア分野では、小売現場ならではのデータ活用や、ドラッグストアにおける全自動調剤導入など、現場の課題解決、機能の高度化を目指したDXの取組みを推進していきます。食料分野では、量販店向けの底堅い需要や産地の多角化などを捉えた収益確保に努めます。不動産分野では、引き続き多様なアセットタイプを取り扱うポートフォリオ経営の推進などによる安定した収益基盤の強化に取組んでいきます。
資源・化学品事業部門
当部門は、資源・エネルギー分野では、金属資源・エネルギー権益の開発・生産及び販売事業を、化学品・エレクトロニクス分野では、基礎化学品、農業資材、医薬、化粧品、動物薬、エレクトロニクス材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しています。
資源・エネルギー分野では、2020年度において新型コロナウイルスの影響などにより一時操業を停止した鉱山でも操業を再開し、2021年度は概ね計画通りに進捗しました。また、資源全般の市況高騰が追い風となり業績は好調に推移しておりますが、市況の先行きは不透明な状況です。
化学品・エレクトロニクス分野では、半導体不足や物流混乱の影響はありましたが、景気回復に伴う需要回復や市況上昇を捉え、堅調に推移しています。
このような環境を踏まえ、ロシア・ウクライナ情勢、新型コロナウイルス感染状況を注視しながら、資源・エネルギー分野では、資源上流権益の安定操業を継続するとともに、2050年の住友商事グループのカーボンニュートラル化に向け、資源・エネルギー権益のポートフォリオ再構築、次世代エネルギー関連事業の開発に取組んでいきます。また、化学品・エレクトロニクス分野では、EMS事業の製造力強化とグローバルネットワーク拡充のほか、農業資材直販事業の強化と次世代農業関連ビジネスの開発に注力していきます。
②定量計画
今般、足元の状況を踏まえ「SHIFT 2023」の当初計画において定めた業績見通し(親会社の所有者に帰属する当期利益)とキャッシュ・フロー計画について、以下のとおり見直しました。
・業績見通し
2022年度の通期連結業績については、ロシア・ウクライナ情勢の影響や、前期の市況高騰の影響が剥落することが見込まれる一方、不動産事業やメディア・デジタル事業部門の国内主要事業会社が引き続き堅調に推移すると見込まれることから、2022年度の通期連結業績の見通しを3,700億円としています。
なお、当社は最適な経営資源配分を通じた事業ポートフォリオのシフトの実行に向けて、「SHIFT 2023」の対象期間だけに限らず、常に3年先までの定量イメージを具体的に持ちながら戦略的議論を実施しているため、2024年度までの利益イメージを示しています。「SHIFT 2023」で掲げる諸施策の取組を通じ、各事業における収益性と下方耐性は確実に向上しており、各年度ともに当初計画を上回る利益計画としています。
・キャッシュ・フロー計画
「SHIFT 2023」において、配当後フリーキャッシュ・フローの黒字を確保する方針に変更はなく、今回の見直しにより増加した基礎収益キャッシュ・フローを原資とした追加の投融資や、株主還元にそれぞれ配分する計画としています。
修正計画では、1兆2,300億円の投融資を計画しており、引き続き、市場の魅力度が高く、当社の強みが十分に発揮できる分野を中心に投融資を実行し、ポートフォリオの収益性と下方耐性を高めていきます。
また、戦略カテゴリーごとの定量計画を、以下のとおり見直しています。
(5)配当方針
配当方針については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
住友商事グループのサステナビリティ経営の高度化
持続可能な社会の実現に向けた当社の役割を示すことに加え、長期的な事業環境の変化を見通して、当社の事業ポートフォリオが社会で真に必要とされる価値を常に創造し提供し続けることが出来るように、戦略的に経営資源の配分を進めていくことが、当社の持続的成長を可能にすると考えています。
社会のあるべき姿を捉え、それを追求することが、より多くのビジネス機会をもたらします。持続可能な社会と、当社グループの価値創造や持続的な成長がしっかりと重なった姿が、住友商事グループのサステナビリティ経営です。
当社は、住友の事業精神、住友商事グループの経営理念(注1)・行動指針を踏まえて、2017年にマテリアリティ(注2)を特定して、当社グループの事業と社会との関わりを明確にし、一つ一つの事業が社会の抱える様々な課題の解決に貢献することを意識した経営を行ってきました。また、当社は、社会とともに持続的に成長するためのサステナビリティ経営の高度化の一環として、自らの強みである人的リソースやビジネスノウハウ、グローバルなネットワークやビジネスリレーションを活かして、持続可能な社会の実現にどのような役割を果たすのかを、より明確にコミットするため、当社に関わりが深い6つの重要社会課題を選び、それに紐づく長期・中期の目標を定めています。
(注)1.住友商事グループの経営理念については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要③住友商事コーポレートガバナンス原則」をご参照ください。
2.『マテリアリティ』とは住友商事グループが社会とともに持続的に成長するために優先的に取り組むべき課題として
特定したもの。
■住友商事グループの重要社会課題と長期目標

当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2022年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。
(1)当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制
当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」および「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。
①「業績安定」
②「体質強化」
③「信用維持」
当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクターおよび双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。
(2) 事業投資に係るリスク
① 全般
当連結会計年度末現在、当社は637社の連結子会社及び256社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、パートナーの業績不振等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。
(a) 新規投資実行時
取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、投資案件を選定するための厳格な投資規律の設定や、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会乃至全社投融資委員会を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ等投資の成否を左右する諸条件について、早い段階から議論を深掘りし課題の特定を行うと共に、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。
(b) 投資実行後
投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件においては、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」がある他、全社投融資委員会のもとで業績改善の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的とした新たなモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。主に定量的な指標をもとに投資先を評価し、「健全先」「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」の三つに分類しています。「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」及び「重点フォローアップ対象先」については、四半期毎に業績やロードマップの進捗状況乃至撤退の取り組み状況をモニタリングする一方、ロードマップの実現確度が十分ではないと判断される場合は、ロードマップの見直し、それでも健全化が困難と判断される場合は、撤退方針先に変更する等、明確な時間軸に基づく投資ポートフォリオのバリューアップ施策を通じ、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「事業ポートフォリオのシフト」に取り組んでいます。また、同中期経営計画にて掲げる「ガバナンスの高度化」を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメントの報酬設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。
さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。
(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。
② 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク
当社は、鉱物資源、石油、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること
(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること
(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること
(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと
当社では、資源開発の知見に長けた人材からなる「資源・エネルギープロジェクト管理部」を立ち上げ、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。また、単一プロジェクトへの投資上限金額の設定や資源・エネルギーポートフォリオ中の生産未開始案件の割合を一定以下に保つ等のポートフォリオマネジメントを通じて、上記リスクの抑制に努めています。
(3) タイプ別リスク
① 信用リスク
当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。
当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
② 商品市況の変動に係るリスク
当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。
当社は、商品毎の枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。
また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。
③ カントリーリスク
当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社は、案件毎に保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国毎のエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。
ロシアおよびウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、全てのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。
④ 金利・為替の変動に係るリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。
また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。
当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。
⑤ 株式市場の変動に係るリスク
当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。
⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク
当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。
不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティに係るリスク
当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務者増加に対応すべくテレワーク環境の強化を行うとともに、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化を図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保にも努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。
これらのリスクに適切に対応するため、中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。
⑧ リーガル・コンプライアンスリスク
当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。
これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナーなどの継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」および、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。
然しながら、このような取組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 訴訟等に関するリスク
当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。
訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。
⑩ 社会・環境リスク
当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員などのステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。
当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。
世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業において経営資源を再生可能エネルギーなど、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする等の取り組みを進めています。
また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げ、当社の全事業・サプライチェーンを対象にした人権デューデリジェンスの取り組みを開始しています。この取り組みを通じて人権リスクを特定した上で、その低減・防止に努めます。
⑪ 自然災害等に関するリスク
当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
⑫ オペレーショナルリスク
当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、夫々の組織において内部統制を適切に構築する必要があります。然しながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスクを、完全に防止することが出来る保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。
これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社では中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、適切な内部統制の構築・グループガバナンスの高度化に取り組んでいます。
⑬ 資金の流動性に関するリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「財務健全性の維持・向上」を図ります。
⑭ 繰延税金資産に関するリスク
当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。
また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 人材確保に関するリスク
当社グループが事業を展開する地域・分野およびビジネスモデルは劇的に多様化しており、ビジネス環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。変革期の世界で勝ち抜くためには、人材戦略として、多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かし、新たな「価値創造」につなげていくことが不可欠と考えており、当社グループでは、人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しています。
また、2020年度にグローバルベースでの人材マネジメントに関するビジョンとして「グローバル人材マネジメントポリシー」を制定し、中期経営計画「SHIFT 2023」を実現するための「Diversity & Inclusion」施策、戦略的な人材登用・育成や組織作り、それを支える文化・意識の醸成などに取り組むとともに、健康経営と働き方改革を推進し、より魅力的な職場環境の整備に努めています。然しながら、予期せぬ要因等により、多様な人材の登用・育成が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。
(4) 集中リスク
当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下の通りです。
・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。
・資源・エネルギー上流案件については、エクスポージャー上限枠の設定並びに定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。
・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
(5) 新型コロナウイルスに係るリスク
新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループへの影響度は、国・地域や産業毎に異なっており、現環境下においても計画通りの収益を上げているビジネスラインもあれば、直接・間接的に影響を受け、損失を被っているビジネスラインも存在しています。世界的な感染の拡散はあるものの、経済環境の回復傾向は続く見通しです。各ビジネスラインにおいては、環境の変化を踏まえて、個別案件を取り巻くリスクを特定の上、管理しながら、各ビジネスを推進しております。各ビジネスラインにおける影響・対応方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。
しかしながら、仮に感染が収束に向かわず再拡大・長期化した場合、当社の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1) 企業環境
当期の世界経済は、新型コロナウイルスの大流行への対策としての先進国を中心とした金融・財政支援を背景に、景気回復の動きが強まりました。需要が大きく回復する一方、供給網においてはさまざまな制約が生じ、さらに、欧州での異例の風況による風力発電量の急減に端を発するエネルギー価格の世界的な高騰などから、物価上昇の傾向が顕著になりました。これを受け、多くの国・地域で金融政策を緩和から引締めに転換する動きが見られました。加えて、ロシア・ウクライナ情勢に起因する経済制裁で世界が分断され、エネルギーや穀物などの価格が一層不安定になりました。中国では、各種規制の強化などの影響を受け、不動産危機をはじめとした成長の鈍化傾向が見られました。
国際商品市況は、近年では経験したことのない大幅な上昇となりました。世界的な脱炭素化の潮流を受け、化石燃料の上流権益への投資が減少するなか、世界的な景気回復の強まりや欧州のエネルギー危機を契機とした需要回復の動きにより、原油や天然ガスなどの価格が騰勢を強めました。また、急激な需要回復による物流の混乱やロシア・ウクライナ情勢の緊迫化による供給網の寸断リスクの高まりは、原油や天然ガスなどの価格のみならず、ニッケルや亜鉛などの非鉄金属、鉄鋼、穀物、さらにはガスを原料とする肥料などの原材料価格を一段と押し上げました。国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染状況に左右されて一進一退の動きとなったことや、半導体などのサプライチェーンの不安定な状況が続いたことなどにより、期待されたほど回復しませんでした。また、エネルギー価格の上昇と円安により輸入金額が大きく増加し、貿易収支は赤字に転じました。
(2) 業績
当期の収益は、5兆4,950億円となり、前期の4兆6,451億円に比べ、8,500億円の増益となりました。売上総利益は、1兆96億円となり、前期の7,295億円に比べ、2,801億円の増益となりました。これは電力EPC案件で前期に工事遅延に伴う追加コストを計上したことの反動に加え、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業で増益となったことなどによるものです。販売費及び一般管理費は、7,139億円となり、前期の6,789億円に比べ、350億円の増加となりました。固定資産損益は、126億円の損失となり、前期の856億円の損失に比べ、730億円の改善となりました。これは欧米州青果事業や鋼管事業などにおいて前期に減損損失を計上したことの反動などによるものです。有価証券損益は、482億円の利益となり、前期の29億円の利益に比べ、453億円の増益となりました。これは当期に複数の案件でバリュー実現を行なったことなどによるものです。持分法による投資損益は、1,768億円の利益となり、前期の414億円の損失に比べ、2,182億円の増益となりました。これは航空機リース事業で当期にロシア・ウクライナ関連の損失を計上した一方、マダガスカルニッケル事業で前期に減損損失を計上したことの反動に加え、2021年3月から操業を再開したことによる販売数量の増加に伴う増益や債務リストラに伴う一過性利益の計上があったことなどによるものです。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は、4,637億円の利益となり、前期の1,531億円の損失に比べ、6,168億円の増益となりました。
(3) 事業セグメント
当社は、6つの業種に基づくセグメント(事業部門)により事業活動を行っております。
6つのセグメントは金属事業部門、輸送機・建機事業部門、インフラ事業部門、メディア・デジタル事業部門、生活・不動産事業部門、資源・化学品事業部門から構成されております。2021年4月1日付で、エネルギーイノベーション・イニシアチブを新設しました。インフラ事業部門、生活・不動産事業部門、資源・化学品事業部門傘下の組織から次世代エネルギー関連事業を同イニシアチブに移管し、消去又は全社に含めることとしております。また、同日付で、金属事業部門傘下にあったアルミニウム地金及び板の生産・販売事業を資源・化学品事業部門傘下の組織に移管しました。これに伴い、前期のセグメント情報は組替えております。
前期及び当期の売上総利益、当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
|
|
前期 (自2020年4月 1日 至2021年3月31日) (億円) |
当期 (自2021年4月 1日 至2022年3月31日) (億円) |
増減額 (億円) |
増減率 (%) |
|
金属 |
662 |
1,403 |
741 |
111.9 |
|
輸送機・建機 |
1,404 |
1,894 |
490 |
34.9 |
|
インフラ |
155 |
715 |
560 |
360.8 |
|
メディア・デジタル |
1,053 |
1,110 |
57 |
5.4 |
|
生活・不動産 |
2,354 |
2,227 |
△128 |
△5.4 |
|
資源・化学品 |
1,601 |
2,712 |
1,110 |
69.3 |
|
計 |
7,230 |
10,060 |
2,830 |
39.1 |
|
消去又は全社 |
65 |
36 |
△29 |
△44.3 |
|
連結 |
7,295 |
10,096 |
2,801 |
38.4 |
事業セグメント別当期利益又は損失(△)(親会社の所有者に帰属)の内訳
|
|
前期 (自2020年4月 1日 至2021年3月31日) (億円) |
当期 (自2021年4月 1日 至2022年3月31日) (億円) |
増減額 (億円) |
増減率 (%) |
|
金属 |
△398 |
552 |
950 |
- |
|
輸送機・建機 |
△175 |
349 |
524 |
- |
|
インフラ |
△552 |
333 |
885 |
- |
|
メディア・デジタル |
443 |
394 |
△49 |
△11.0 |
|
生活・不動産 |
△48 |
440 |
488 |
- |
|
資源・化学品 |
△595 |
2,473 |
3,068 |
- |
|
計 |
△1,324 |
4,542 |
5,866 |
- |
|
消去又は全社 |
△206 |
95 |
302 |
- |
|
連結 |
△1,531 |
4,637 |
6,168 |
- |
金属事業部門
当期の売上総利益は1,403億円となり、前期の662億円に比べ、741億円(111.9%)の増益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、552億円の利益となり、前期の398億円の損失に比べ、950億円の増益となりました。これは、前期に鋼管事業で減損損失を計上したことの反動に加え、海外スチールサービスセンター事業や北米鋼管事業が増益となったことなどによるものです。
輸送機・建機事業部門
当期の売上総利益は1,894億円となり、前期の1,404億円に比べ、490億円(34.9%)の増益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、349億円の利益となり、前期の175億円の損失に比べ、524億円の増益となりました。これは、航空機リース事業で当期にロシア・ウクライナ関連の損失を計上した一方、インドネシア自動車金融事業で前期に一過性損失を計上したことの反動に加え、リース事業や自動車関連事業が増益となったことなどによるものです。
インフラ事業部門
当期の売上総利益は715億円となり、前期の155億円に比べ、560億円(360.8%)の増益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、333億円の利益となり、前期の552億円の損失に比べ、885億円の増益となりました。これは、電力EPC案件がピークアウトした一方、前期に電力EPC案件で工事遅延に伴う一過性の追加コストや豪州発電事業などで減損損失などの一過性損失を計上したことの反動などにより増益となったものです。
メディア・デジタル事業部門
当期の売上総利益は1,110億円となり、前期の1,053億円に比べ、57億円(5.4%)の増益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、394億円となり、前期の443億円に比べ、49億円の減益となりました。これは、国内主要事業会社が堅調に推移した一方、海外通信事業が減益となったことなどによるものです。
生活・不動産事業部門
当期の売上総利益は2,227億円となり、前期の2,354億円に比べ、128億円(5.4%)の減益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、440億円の利益となり、前期の48億円の損失に比べ、488億円の増益となりました。これは、欧米州青果事業で前期に減損損失を計上したことの反動に加え、米国市況回復により増益となったこと、また、不動産事業で大口の収益計上があったことなどによるものです。
資源・化学品事業部門
当期の売上総利益は2,712億円となり、前期の1,601億円に比べ、1,110億円(69.3%)の増益となりました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、2,473億円の利益となり、前期の595億円の損失に比べ、3,068億円の増益となりました。これは、マダガスカルニッケル事業で前期に減損損失を計上したことの反動に加え、2021年3月から操業を再開したことによる販売数量の増加に伴う増益や債務リストラに伴う一過性利益の計上があったことや、チリ銅・モリブデン鉱山事業の売却益を計上したこと、また、資源価格が高値で推移したことや化学品トレード・農業資材ビジネスが堅調に推移したことによる増益などによるものです。
(4) 仕入、成約及び販売の実績
当期において、資源価格の上昇並びに北米鋼管事業における販売数量増加等により、前期と比較して収益が大幅に増加しております。
なお、販売の状況については上記「(2)業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(5) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の開発販売
・長期請負工事契約に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
収益が総額で計上される場合、販売に直接寄与する第三者への費用または手数料は、商品販売に係る原価として計上され、売上総利益は、収益の総額から販売に係る原価を差引いた金額となります。当社はサービス及びその他の販売に係る収益の一部として手数料を計上しますが、この手数料は純額表示されるため、結果としてサービス及びその他の販売が売上総利益に占める比率は、収益合計に占める比率よりも大きくなっております。当期、サービス及びその他の販売が収益合計に占める比率は9.1%ですが、売上総利益に占める比率は22.9%となっております。
固定資産評価損益
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産の含み益を実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
(6) 重要な会計方針及び見積り
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」を参照願います。
金融資産の減損
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けである Sumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社は、様々な非流動資産を保有しており、持分法で会計処理されている投資や無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。なお、非流動資産の回収可能性に関連する会計上の見積りのうち、重要なものは以下になります。詳細については、「第5経理の状況 連結財務諸表注記 11 持分法適用会社に対する投資、注記 13 無形資産」を参照願います。
① マダガスカルニッケル事業
AMBATOVY MINERALS S.A. 及びDYNATEC MADAGASCAR S.A. (以下、プロジェクト会社)の固定資産に減損の兆候が認められ、かつ、減損テストの結果、回収可能価額が固定資産の帳簿価額を下回った場合には、当社において持分相当額を持分法投資損失として認識いたします。プロジェクト会社における固定資産の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方が採用され、その見積りには、プロジェクト会社の生産状況、将来の資源価格(主にニッケル及びコバルト等の中・長期予想価格)、可採埋蔵量、割引率といった重要な仮定が使用されております。
② 欧米州青果事業
欧米州青果事業において、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、複数の資金生成単位グループに分けて実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、取得価額の前提とした事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、バナナ&パイン事業における販売数量・マージン・割引率等であります。
繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
引当金の測定
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。
確定給付債務の測定
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
(7) 資産及び負債・資本
当期末の資産合計は、9兆5,822億円となり、前期末の8兆800億円に比べ、1兆5,022億円の増加となりました。これは円安の影響による増加に加え、営業資産や持分法投資が増加したことなどによるものです。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、3兆1,978億円となり、前期末の2兆5,280億円に比べ、6,699億円の増加となりました。これは配当金の支払いがあった一方、円安の影響や親会社の所有者に帰属する当期利益を認識したことなどによるものです。
現預金ネット後の有利子負債(注1)は、2兆2,737億円となり、前期末の2兆3,004億円に比べ、267億円の減少となりました。
この結果、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、0.7倍となりました。
(8) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金が増加した一方で、コアビジネスが着実に資金を創出し、基礎収益キャッシュ・フロー(注2)が3,595億円のキャッシュ・インとなったことなどから、合計で1,941億円のキャッシュ・インとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、エチオピア通信事業や中国下水処理事業への参画などの投融資を行った一方で、チリ銅・モリブデン鉱山事業の売却や国内外不動産案件などの資産入替による回収があったことなどから、490億円のキャッシュ・インとなりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、2,431億円のキャッシュ・インとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、リース負債の支出や配当金の支払いなどにより、1,399億円のキャッシュ・アウトとなりました。
以上に加え、為替変動による影響などを加味した結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、7,338億円となり、前期末の5,990億円に比べ、1,348億円の増加となりました。
(注1)有利子負債=社債及び借入金(流動・非流動)の合計 (リース負債は含まれておりません)
(注2)基礎収益キャッシュ・フロー=(売上総利益+販売費及び一般管理費(除く貸倒引当金繰入額)+利息収支+受取配当金)
×(1-税率)+持分法投資先からの配当
税率は当期は25%、前期は31%を使用しております。
(9) 資金調達と流動性
当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。
当社は総額3兆214億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比753億円増加の2,637億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)1,997億円、コマーシャルペーパー640億円となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金3,443億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比339億円増加の2兆7,577億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比36億円減少の2兆2,686億円、社債残高は前期比373億円増加の4,890億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、財務比率や純資産の最低比率の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が増資や社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「2 事業等のリスク(3) タイプ別リスク ⑬資金の流動性に関するリスク」を参照願います。
資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。また、外貨建ての資金調達については、銀行借入や外貨建て社債発行、通貨スワップの他、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等の活用によって資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。
なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通し安定的)、スタンダード&プアーズで BBB+/A-2(見通し安定的)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。
・3,000億円の国内及び海外公募普通社債発行登録枠
・国内における5,000億円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・当社、英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)、米州住友商事及び
シンガポールのSumitomo Corporation Capital Asiaが共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,210百万米ドル、及び2,850億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や1年内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの50百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による1,500億円の長期コミットメントライン(内、790億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,350億円の長期コミットメントライン
資金調達の内訳
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前期 (2021年3月31日) (億円) |
当期 (2022年3月31日) (億円) |
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短期 |
1,884 |
2,637 |
||
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借入金(主に銀行より調達) |
1,381 |
1,997 |
|
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コマーシャルペーパー |
503 |
640 |
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長期(一年以内期限到来分を含む) |
27,238 |
27,577 |
||
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担保付 |
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借入金 |
2,049 |
2,353 |
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無担保 |
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借入金 |
20,672 |
20,334 |
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社債 |
4,517 |
4,890 |
|
有利子負債合計(グロス) |
29,122 |
30,214 |
||
|
現金及び現金同等物並びに定期預金 |
6,118 |
7,477 |
||
|
有利子負債合計(ネット) |
23,004 |
22,737 |
||
|
資産合計 |
80,800 |
95,822 |
||
|
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
25,280 |
31,978 |
||
|
親会社所有者帰属持分合計比率(%) |
31.3 |
33.4 |
||
|
|
|
|
|
|
|
デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍) |
1.2 |
0.9 |
||
|
デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍) |
0.9 |
0.7 |
||
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりであります。
期限別内訳
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|
社債及び借入金 (億円) |
リース負債 (億円) |
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2022年度 |
6,080 |
738 |
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2023年度 |
2,884 |
618 |
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2024年度 |
3,493 |
518 |
|
2025年度 |
2,098 |
422 |
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2026年度 |
3,323 |
346 |
|
2027年度以降 |
12,336 |
2,197 |
|
合計 |
30,214 |
4,839 |
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、8,640億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(10)偶発債務」及び「(11)訴訟等」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に773億円、また、その他の投資の取得に939億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(10) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2047年)は1,216億円で、このうち持分法適用会社の債務に対する保証が522億円、第三者の債務に対する保証が694億円です。これらの保証は主に持分法適用会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(11) 訴訟等
当社は、事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
(12) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2022年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
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基準書 |
基準名 |
強制適用時期 (以降開始年度) |
当社適用年度 |
新設・改訂の概要 |
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IFRS第10号 |
連結財務諸表 |
未定 |
未定 |
投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
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IFRS第17号 |
保険契約 |
2023年1月1日 |
2024年3月期 |
保険契約の会計処理の改訂 |
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IAS第1号 |
財務諸表の表示 |
2023年1月1日 |
2024年3月期 |
負債の流動負債又は非流動負債への分類の改訂及び会計方針の開示 |
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IAS第8号 |
会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬 |
2023年1月1日 |
2024年3月期 |
会計上の見積りの定義の明確化 |
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IAS第12号 |
法人所得税 |
2023年1月1日 |
2024年3月期 |
単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金 |
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IAS第16号 |
有形固定資産 |
2022年1月1日 |
2023年3月期 |
意図した使用の前の収入 |
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IAS第28号 |
関連会社及び共同支配企業に対する投資 |
未定 |
未定 |
投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
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IAS第37号 |
引当金、偶発負債及び偶発資産 |
2022年1月1日 |
2023年3月期 |
不利な契約-契約履行のコスト |
(13) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレート部門の財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入金には変動金利で借り入れているものがあり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,535億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業部は、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
特記事項はありません。
特記事項はありません。