当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4. 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
⑥ 重要な投資案件に関するリスク
(全文を置き換え)
b. チリ国銅資産権益への投資及びその他の資源権益への投資
当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下「アングロ社」)、チリ国営の銅生産会社であるCorporacion Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ)と三井物産株式会社の合弁会社(以下、「合弁会社」)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下「アングロスール社」)の株式を保有しています。アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
アングロスール社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅精錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(アングロスール社合計の平成27年銅生産量実績は約44万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しており、当第3四半期連結会計期間末の帳簿価額は4,912億円となっています。アングロスール社宛の投資に関しては、「持分法で会計処理される投資」として減損テストを行っており、アングロスール社の生産・開発計画は長期間に及ぶため、銅価格の見通しを含め、中長期的な観点から評価し判断しています。銅価格に関しては、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、当社としての見通しを策定しています。アングロスール社の生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、アングロスール社への投資の評価により重要な影響を与えます。
なお、この他の銅資産権益への投資や原油・ガス、LNG、原料炭関連の投資についても、中長期的な観点から評価を行っております。
特に記載すべき事項はありません。
(以下「四半期純利益」は「当社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しています。)
当第3四半期連結累計期間の経済環境としては、米国では個人消費が牽引し、堅調な景気回復が続き、欧州でも全体的に景気が持ち直す動きが続きました。一方、新興国では一部の国で景気減速が見られました。また、中国経済の不透明感の強まりや米国の利上げ観測等を背景に、国際金融市場が混乱し、国際商品市況も悪化が続きました。わが国の経済は、内需は回復しつつあるものの、外需に弱さが見られ、景気回復は緩慢なものに留まりました。
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の収益は、油価下落などにより前第3四半期連結累計期間を4,280億円(7%)下回る5兆4,161億円となりました。
売上総利益は、金属資源の市況悪化に伴う取引利益の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を353億円(4%)下回る8,468億円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業拡大(新規連結)の影響などにより、前第3四半期連結累計期間から196億円(3%)負担増の7,525億円となりました。
その他の損益項目では、北米や欧州のガス・石油開発事業における減損損失の反動などにより固定資産減損損失が改善した一方で、資源関連投資先からの受取配当金の減少などにより、金融収益が減益となりました。
持分法による投資損益は、前第3四半期連結累計期間を478億円(27%)下回る1,300億円となりました。
この結果、税引前利益は、前第3四半期連結累計期間を1,189億円(28%)下回る3,043億円となりました。
以上の結果、四半期純利益は前第3四半期連結累計期間を753億円(24%)下回る2,400億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
a.地球環境・インフラ事業グループ
地球環境・インフラ事業グループは、電力、水、交通や、その他産業基盤となるインフラ分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は368億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して137億円の増加となりました。これは、北海油田案件における債務保証損失引当金の振戻益127百万米ドル(約153億円)などにより増益となったものです。
b.新産業金融事業グループ
新産業金融事業グループは、アセットマネジメント、インフラ向け投資、企業のバイアウト投資から、リース、不動産開発、物流などの分野において、商社型産業金融ビジネスを展開しています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は295億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して70億円の減少となりました。これは、ファンド関連事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
c.エネルギー事業グループ
エネルギー事業グループは、石油・ガスの探鉱・開発・生産事業や、天然ガス液化プロジェクトへの投資、原油・石油製品・炭素製品・LNG・LPGなどの販売取引、新規エネルギー事業の企画開発などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は497億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して306億円の減少となりました。これは、北海油田事業における過年度の減損などに対する税効果129億円を計上した一方で、市況悪化に伴う資源関連投資先からの受取配当金や持分利益の減少、資産の減損等109億円の影響などにより減益となったものです。
d.金属グループ
金属グループは、薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は233億円(損失)となり、前第3四半期連結累計期間と比較して490億円の減少となりました。これは、市況悪化に伴う資源関連投資先からの受取配当金や持分利益の減少などにより減益となったものです。
e.機械グループ
機械グループは、工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの幅広い分野において、販売、金融、物流、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は585億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して100億円の減少となりました。これは、アジア自動車関連事業の減速、船舶市況の悪化などにより減益となったものです。
f.化学品グループ
化学品グループは、原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料や医農薬などの川下・川中製品まで、幅広い化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は306億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して92億円の増加となりました。これは、石化関連事業における持分利益の増加、有価証券評価益などにより増益となったものです。
g.生活産業グループ
生活産業グループは、食料、繊維、生活物資、ヘルスケア、流通・小売など、人々の生活に身近な分野で、原料・素材の調達から、消費市場に至るまでの幅広い領域において、商品・サービスの提供、事業開発、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は540億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して20億円の減少となりました。これは、外食及び紙パルプ関連子会社の有価証券売却益があった一方、鮭鱒養殖事業における市況低迷などにより減益となったものです。
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,748億円減少し、1兆4,504億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動により資金は4,317億円増加しました。これは、法人所得税の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入などにより、資金が増加したものです。
なお、前第3四半期連結累計期間と比較して740億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動により資金は5,369億円減少しました。これは、子会社での航空機の売却などによる収入があったものの、主にエネルギー資源事業への投資や農産物事業会社Olam International Limitedの株式取得などにより、資金が減少したものです。
なお、前第3四半期連結累計期間と比較して2,621億円の減少となりました。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは1,052億円の資金減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動により資金は1,482億円減少しました。これは、ハイブリッド社債の発行やハイブリッドローンによる資金調達があったものの、借入金の返済、社債の償還、自己株式の取得や親会社における配当金の支払いにより、資金が減少したものです。
なお、前第3四半期連結累計期間と比較して166億円の減少となりました。
当社は平成25年5月に、平成25年度からの新しい指針として、「経営戦略2015~2020年を見据えて~」を策定いたしました。当社の事業モデルや、外部環境が大きく変化を遂げる中、従来型の3ヵ年の利益計画のコミットメントとしての「中期経営計画」を廃止し、長期目標として2020年頃を睨んだ成長イメージを置き、この成長イメージを実現するための前提となる経営方針や、打ち手としての事業戦略・市場戦略を、今回の「経営戦略2015」として纏めました。
「経営戦略2015」では、当社の価値を“多岐にわたる事業モデル、産業、地域、分野に適度に分散したポートフォリオに立脚した安定収益基盤を維持しつつ、アップサイドポテンシャルを有する収益構造”と再認識した上で、継続的にポートフォリオの最適化を図りながら、成長イメージの具現化を目指すことにより、当社の価値向上を実現していきます。
■2020年頃の成長イメージ:「事業規模の倍増」
「安定収益基盤を維持しつつ、アップサイドポテンシャルを有する収益構造」が当社の価値であることを再認識し、2020年頃の成長イメージを以下のとおり設定しました。
資源事業(LNG、原料炭、銅) :持分生産量倍増(2012年度比)
非資源事業 :収益水準倍増(2012年度比)
■2020年頃のポートフォリオのイメージ:「適度な分散」と「複数の強い事業」
「適度な分散」を確保しつつも、「より強い事業」「強くなる事業」へ経営資源を集中的に投下すべく、現在47ある事業領域を35~40に絞り込むことをイメージします。
また、「複数の強い事業」については、200億円以上の利益をあげる事業を10事業以上、100億円以上200億円未満の利益をあげる事業を10~15事業程度、それぞれ育成することをイメージします。
■経営方針
基本方針としては、継続的企業価値の創出を引き続き目指します。また、グローバルな競争に打ち勝つために、ポートフォリオの最適化を通じ、「強い事業」「強くなる事業」を選別し、伸ばします。
投資方針としては、安定収益基盤の底上げに向けて、平均的な年間の投資規模は中期経営計画2012と同程度の水準を維持する一方、ピークアウトやノンコア事業を含め、資産の入れ替えを加速します。
財務方針としては、よりキャッシュ・フローを重視する経営とし、投資は利益の範囲で積み上げます。また、ROEについては、中長期的に12~15%水準への回復を図ります。
株主還元方針としては、環境変化に拘らず、株主への還元を安定的に行うために「安定配当」と「収益連動配当」の二段階の株主還元方式を導入します。
■市場戦略・事業戦略
市場戦略については、資源国・工業国にとどまらず消費市場としても存在感を増すアジアを機軸とするグローバル展開を加速し、アジアの成長を取り込むことで、持続的な成長を図ります。そのために、増大するアジアの需要に対応したグローバルベースでの供給ソース確保や、M&Aや戦略提携も含めたアジア圏でのインサイダー化を進めます。
事業戦略については、資源分野ではLNG、原料炭、銅など既存コア事業の更新・拡張投資を中心に、今後収益化を図るステージに移行しますが、同時に操業コスト・開発コストの改善に一層注力しながら事業を推進し、経営資源の効率的な活用を実現します。
非資源分野では、複数の規模感ある強い事業を育成するという2020年頃の成長イメージに向けて、「より強い事業」「強くなる事業」への経営資源のシフトを加速させます。自動車、食糧、食品流通、電力、ライフサイエンス等の事業を更に伸ばすとともに、北米シェールガスの川下展開、金融事業のアセットマネジメントへのシフト等、事業モデルの変革も推進します。
今後の事業環境については、先進国の景気は今なお回復への途上にあり、また、中国・インド・ブラジルなどの新興国でも経済成長の鈍化が見られ、世界経済の不透明感は継続すると予想されます。
このような環境認識の下、当社では「経営戦略2015」を着実に実行し、収益基盤と財務体質を更に強固なものとするとともに、多様な事業を通じて日本や世界の課題解決に貢献し、「継続的企業価値」の創出を目指していきます。また、社是として掲げている三綱領の精神の下、社業を通じて経済活動を支え、貢献を図っていく所存です。
当第3四半期連結累計期間において、重要な状況の変化はありません。
特に記載すべき事項はありません。
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、CPや社債などの直接金融と銀行借入などの間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メインバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争的なものとなっています。また、当連結会計年度より資本性を有する調達手段としてハイブリッドファイナンスへの取り組みを開始しています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続すると共に、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第3四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高は、前連結会計年度末比123億円増加の6兆3,613億円となり、このうち84.8%が長期資金となっています。有利子負債の内、3,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である1,500億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末比2,745億円減少の1兆6,068億円となっています。当第3四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで143.1%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結会計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。