第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の経済環境としては、米国では個人消費が牽引し、堅調な成長が続いたほか、資源価格の回復もあり、一部の新興国では景気が緩やかに回復しました。また、米国新政権の政策全般は未だ不透明ながら、拡張的な経済政策に対する期待感から、国際金融市場が活況を呈しました。わが国の経済は、外需主導で緩やかな成長を続けました。

 

このような環境下、当連結会計年度の収益は、市況悪化に伴う販売数量の減少や為替の影響などにより、前連結会計年度を4,998億円(7%)下回る6兆4,258億円となりました。

売上総利益は、一部連結子会社の連結区分の変更の影響があったものの、主に豪州石炭事業における生産コスト改善に加え市況上昇が大きく寄与したことなどにより、前連結会計年度を2,297億円(21%)上回る1兆3,286億円となりました。

販売費及び一般管理費は、一部連結子会社の連結区分の変更及び為替の影響などにより、前連結会計年度から834億円(8%)負担減の9,326億円となりました。

有価証券損益は、関係会社の経営統合に伴う一過性利益や前連結会計年度に計上した減損の反動などにより、前連結会計年度を370億円(80%)上回る833億円となりました。

持分法による投資損益は、前連結会計年度に計上した資源関連資産の減損損失の反動などにより、前連結会計年度を2,929億円上回る1,175億円となりました。

以上の結果、当社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度を5,897億円上回る4,403億円となりました。

なお、当連結会計年度の事業セグメント別、地域別の業績につきましては、「7. 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照願います。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

「7. 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照願います。

 

 

2 【販売、仕入及び受注の状況】

(1) 販売の状況

「1. 業績等の概要」及び「第5 経理の状況」におけるセグメント情報を参照願います。

 

(2) 仕入の状況

仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。

 

(3) 受注の状況

受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

1. 中期経営戦略2018 ~新たな事業経営モデルへの挑戦~

三菱商事は、2016年5月に「中期経営戦略2018」を策定しました。
「中期経営戦略2018」では、目指す企業像を「創意工夫により新たなビジネスモデルを構築し、自らの意思で社会に役立つ事業価値を追求していくことで、経営能力の高い人材が育つ会社」としました。

また、2016年度から始まる向こう3ヵ年の経営の考え方として、「利益の「質」の重視」、「効率性・財務健全性の重視」を基本とし、経営基盤の再整備、成長に向けた打ち手を同時に実行することで、二桁のROEの実現を目指します。

 

■「中期経営戦略2018」で掲げた向こう3ヵ年の経営の考え方

【経営基盤の再整備】

「資源」と「非資源」のバランスの見直し

資源分野については、原料炭・銅・天然ガスへ経営資源を集中し、投融資残高を一定に保ちつつ、積極的な資産入替による質の向上を図ります。非資源分野では、資産の入替を進めつつ、三菱商事が強みを発揮できる分野に投資を集中し、投融資残高を増加させることにより、ポートフォリオのバランスを見直します。

なお、後述の通り、2016年度より、「資源/非資源」は「市況系/事業系」に括り直しています。

 

キャッシュ・フロー重視の経営

向こう3ヵ年は、キャッシュ創出額の範囲内で、成長投資と株主還元を実行していきます。

 

【成長に向けた打ち手】

「事業投資」から「事業経営」へのシフト

事業に「投資」するだけではなく、事業の中に入り三菱商事の強みや機能を提供することで投資先の成長に貢献する「事業経営」を強化し、次世代の事業基盤を構築していきます。

 

「事業のライフサイクル」を踏まえた入替の加速

環境の変化等によって、事業には常にライフサイクルが存在していることを念頭に、主体的機能の発揮という観点からも事業の位置付けを見直し、入替を促進します。

 

■「中期経営戦略2018」の経営方針に基づく取組み

2016年度は、経営方針に基づく仕組みの導入が完了しました。

(1) 最適バランス実現と「事業経営」へのシフトを可視化

従来の「資源/非資源」に代えて、市況リスク感応度に基づき「市況系/事業系」に括り直し、「市況系」の投融資残高を一定に保つことで、2018年度末には「市況系」と「事業系」の最適バランスの実現を見通します。また、「事業系」の中を3つの事業類型に分類することで、「事業経営」へのシフトを可視化する仕組みを導入し、「成長」の原動力として、経営力を活かし価値創造していく方向性を明確化しました。

 

(2) 成長に向けた全社による配分原資の活用

グループ連結純利益の一定比率を全社が留保することで、資本配分方針の選択肢が広がるとともに、全社がグループの枠を超えて成長を後押しします。グループレベルでもキャッシュ・フロー重視の経営を進め、グループの自律的経営が着実に進展しました。

 

■三菱商事グループの目指す将来像

新たに導入した仕組みにより、「事業経営」への更なるシフトを進めつつ、規模感のある成長を会社が後押しすることで、複数本の「収益の柱」を構築していきます。現時点で「柱」として期待できる事業に加え、次の「柱」候補となる事業も三菱商事の事業群の中には多く存在しており、「ヒト」と「資金」をダイナミックに組み替え、規模感のある「収益の柱」に育てていきます。

 

■株主還元

2016年度から始まる向こう3ヵ年については、持続的な利益成長に合わせて増配していく累進配当を基本方針とします。増配額は柔軟に決定していきます。

 

2. 個別重要案件

当連結会計年度における重要な個別案件については、「4. 事業等のリスク ⑥重要な投資案件に関するリスク」内の「a. 三菱自動車工業への取組」、「b. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資」及び「c. チリ国銅資産権益への投資及びその他の資源権益への投資」を参照願います。

 

 

4 【事業等のリスク】

① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク

当社はグローバルにビジネスを展開しており、当社の業績も、国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向の影響を受けます。
例えば、エネルギー資源や金属資源の価格が下落する場合には、当社の資源関連の輸入取引や事業投資の収益が大きな影響を受けることとなります。更に、世界景気の冷え込みは、プラント、建設機械用部品、自動車、鉄鋼製品、鉄鋼原料、化学品などの当社の輸出関連ビジネス全般にも影響を与えることとなります。

また、当社は、タイ、インドネシアで、日本の自動車メーカーと協同で自動車の組立工場、販売会社、販売金融会社を設立し、広範な自動車事業を展開していますが、自動車の販売台数はこれらの国の内需に連関するため、タイ、インドネシア両国の経済動向は当社の自動車事業から得られる収益に大きく影響を与えることになります。

当連結会計年度の世界経済は、中国経済の先行き懸念や、英国の欧州連合離脱決議及び交渉の先行き不透明感、中東などの地政学的リスクの高まりなどから、金融市場のボラティリティが上昇しました。新興国では、投資や輸出の伸び悩みに国内の構造問題も加わり、中国、ブラジルなどの主要国でも成長速度の減速が見られました。

 

② 市場リスク

以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。当期純利益への影響額の試算は、他に記載のない限り当社の当連結会計年度の連結業績に基づいています。

 

a. 商品市況リスク

当社では、商取引や資源エネルギーの権益を保有して生産物を販売すること、事業投資先の工業製品を製造・販売することなどの活動においてさまざまな商品価格変動リスクを負っています。当社の業績に大きな影響を与える商品分野として次のようなものがあげられます。

 

(エネルギー資源)

当社は豪州、マレーシア、ブルネイ、サハリン、インドネシア、米国・メキシコ湾、ガボン、アンゴラなどにおいて、原油やLNGの上流権益を保有しており、それらの価格変動は当社の業績に大きな影響を与えます。
4月に30米ドル台後半であった原油市況(Brent)は、米国シェールオイルに減産の傾向が表れた事もあり、6月上旬には50米ドル台まで上昇しました。
その後市場はOPECに対する減産期待と石油在庫動向により概ね40米ドルから50米ドル前半で推移したものの、減産に向けた具体的な動きが見られなかった事から10月末から11月にかけて40米ドル台で推移しました。
そのような状況下、11月30日のOPEC総会で減産が合意され、需給リバランスへの期待により原油市況は50米ドル台に回復し、更に、12月10日にロシアを中心とした一部非OPEC産油国による協調減産表明もあり、2月末まで概ね50米ドル中盤で推移しました。
その後、3月上旬から米国石油在庫の増加が続いた事から需給リバランス期待が剥落し、原油市況は50米ドル前半まで下落した後、3月末まで同じ水準で推移しました。
市場では引き続き主要産油国の減産状況と米国シェールオイルの生産状況等、需給リバランスの動向を注視しているものの、原油市況の先行きは依然不透明です。
LNGの価格は基本的に原油価格にリンクしており、1バーレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の連結純利益で主に持分法による投資損益を通じてLNG・原油合わせて年間20億円の変動をもたらすと試算されます。ただし、LNGや原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。

 

(金属資源)

当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下「MDP社」)を通じて、製鉄用の原料炭及び発電用等の一般炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。

銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると連結純利益で年間13億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると連結純利益で年間29億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に決定されない場合があります。

 

(石油化学製品)

当社は、サウジアラビア、マレーシア、ベネズエラなどにおいて、ナフサや天然ガスを原料としたポリエチレン、エチレングリコール、パラキシレン、メタノールといった石油化学製品の製造・販売事業を展開し、アジアを中心にグローバルに貿易取引も行っています。石油化学製品は原料市況並びに需給バランス等の要因から製品ごとに固有の市況を形成しており、その変動は当該事業や取引から得られる当社の収益に影響を及ぼします。

 

b. 為替リスク

当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、海外における事業からの受取配当金や海外連結子会社・持分法適用関連会社の持分損益の連結純利益に占める割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では米ドル・円のレートが1円変動すると、連結純利益に年間25億円の変動をもたらします。
更に、当社の海外事業への投資については、円高が進行すると在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、大口の投資については必要に応じて為替リスクのヘッジをするなどの施策を実行していますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。

 

c. 株価リスク

当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に約1兆2,900億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は約4,100億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。

 

d. 金利リスク

当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額は5兆3,839億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するというリスクがあります。
しかし、この有利子負債の相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金等と見合っており、金利が上昇した場合に、これらの資産から得られる収益も増加するため、金利の変動リスクは、タイムラグはあるものの、相殺されることになります。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産となっている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加しても、見合いの資産から得られる収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。ただし、金利の上昇が急である場合には、利息負担が先行して増加し、その影響を見合いの資産からの収益増加で相殺しきれず、当社の業績は一時的にマイナスの影響を受ける可能性があります。
このような金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、当社ではALM(Asset Liability Management)委員会を設置し、資金調達政策の立案や金利変動リスクの管理を行っています。

 

 

③ 信用リスク

当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証及び出資などの形で取引先に対して信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。また、当社は主としてヘッジ目的のためにスワップ、オプション、先物などのデリバティブ取引を行っており、デリバティブ取引の契約先に対する信用リスクを負っています。
当社では当該リスクを管理するために、取引先ごとに成約限度額・信用限度額を定めると同時に、社内格付制度を導入し、社内格付と与信額により定めた社内規程に基づき、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取り付けを行っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

④ カントリーリスク

当社は、海外の会社との取引や出資に関連して、当該会社が所在している国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。
カントリーリスクについては、保険を付保するなど第三者へのヘッジを原則とし、案件の内容に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。また、リスクを管理するために、カントリーリスク委員会を設置し、本委員会の下にカントリーリスク対策制度を設けています。カントリーリスク対策制度では、国ごとの信用度に基づきビジネス対象国を8つの区分に分類し、区分ごとに枠を設定するなどの手法によってリスクの積み上がりをコントロールしています。
しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 事業投資リスク

当社は、株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、商権の拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。事業投資リスクの管理については、新規の事業投資を行う場合には、投資の意義・目的を明確にした上で、投資のリスクを定量的に把握し、事業特性を踏まえて決定した投下資金に対する利回りが、最低期待収益率を上回っているか否かを評価し、選別を行っています。投資実行後は、事業投資先ごとに、毎年定期的に「経営計画書」を策定しており、投資目的の確実な達成のための管理を行う一方、計画した収益を上げていない先については、持分売却・清算による撤退を含め、保有方針を明確にすることで、効率的な資産の入替を行っています。
しかしながら、このような投資評価の段階での案件の選別、投資実行後の管理を厳格に行っていますが、期待する利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

 

⑥ 重要な投資案件に関するリスク

 

a. 三菱自動車工業への取組

当社は、三菱自動車工業の要請に応じて、平成16年6月から平成18年1月までに合計1,400億円の普通株式・優先株式を引き受けました。当社が保有する同社優先株式は、平成25年11月6日に同社が発表した資本再構築プランに基づき、平成26年3月5日に優先株式の一部を匿名組合に現物出資し、残りの優先株式を全て普通株式に転換しました。当社は、日産自動車株式会社による同社からの第三者割当増資引き受け(平成28年10月20日に実行済み)に向けて、平成28年7月6日付にて匿名組合契約を解除合意し、現物出資していた同社株式の返還を受けています。なお、返還を受けた株式は当社が公表しているリスクエクスポージャーの内数であり、株式の返還がリスクエクスポージャーに与える影響はありません。
また当社は、同社とともに、主に海外での販売会社及び関連するバリューチェーン分野での事業展開をしています。当社の同社本体に対するリスクエクスポージャーは当連結会計年度末で約1,000億円となっており、同社関連事業への出資、融資や営業債権などのリスクエクスポージャーは当連結会計年度末で約2,500億円(内、販売金融事業に関するリスクエクスポージャーは約1,200億円)となっています。これら同社本体へのリスクエクスポージャーと関連事業へのリスクエクスポージャーの合計は当連結会計年度末で約3,500億円となっています。

 

b. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資

当社は、昭和43年11月に100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下「MDP社」)を設立し、石炭開発に取り組んできました。平成13年には、MDP社を通じ、約1,000億円で豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業(以下「BMA」)の50%権益を取得し、パートナーのBHPビリトン社(BHP Billiton Limited、本社:豪州メルボルン)と共に事業を運営しています。現在では、BMAは年間6,900万トンの生産量を誇る世界最大規模の原料炭事業に成長しています。また、MDP社は、原料炭以外の金属資源(一般炭・鉄鉱石・ウラン)に関する探査・開発・生産・販売も行っており、当連結会計年度末のMDP社の固定資産帳簿価額は約9,700億円となっています。
なお、MDP社については、商品市況リスクにより業績に影響を与える可能性がありますが、詳細については「4 ②a. 商品市況リスク(金属資源)」をご参照ください。

 

c. チリ国銅資産権益への投資及びその他の資源権益への投資

当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下「アングロ社」)、チリ国営の銅生産会社であるCorporacion Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ)と三井物産株式会社の合弁会社(以下「合弁会社」)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下「アングロスール社」)の株式を保有しています。アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
アングロスール社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅精錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(アングロスール社合計の平成28年銅生産量実績は約35万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しています。アングロスール社宛の投資に関しては、「持分法で会計処理される投資」として減損テストを行っており、アングロスール社の生産・開発計画は長期間に及ぶため、銅価格の見通しを含め、中長期的な観点から評価し判断しています。銅価格に関しては、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、当社としての見通しを策定しています。アングロスール社の生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、アングロスール社への投資の評価により重要な影響を与えます。銅市況の低迷に加え、新規鉱山プロジェクトの開発期間の長期化等も踏まえて総合的に見直した結果、前連結会計年度末に2,712億円の減損を実施し、当連結会計年度末の帳簿価額は約1,800億円となっています。

 

上記以外の銅資産権益への投資や原油・ガス、LNG関連の投資についても、重要なリスクとして認識しています。なお、生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えます。

 

 

⑦ コンプライアンスに関するリスク

当社は、国内外で多くの拠点を持ち、あらゆる産業を事業領域としてビジネスを展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、貿易関連諸法、環境に関する法令や各種業法を遵守する必要があり、また海外で事業を展開する上では、それぞれの国・地域での法令・規制に従う必要があります。

当社はコンプライアンス委員会を設け、その委員会を統括するチーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースでの法令・規制遵守を指揮・監督し、コンプライアンス意識を高めることに努めています。

しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、関連する法令・規制上の義務を実行できない場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑧ 自然災害等によるリスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。
当社では、社員の安否確認システムの導入、災害対策マニュアル及びBCP(事業継続計画)の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じ、各種災害・事故に備えています。ただし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、かかる事象の発生時には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(注意事項)

本資料に記載されている業績予想等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える様な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社及び連結子会社の判断の基礎となっています。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。

当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

 

① 金融商品の公正価値測定

当社及び連結子会社における有価証券やデリバティブ等の公正価値で測定される金融商品の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。

公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチなどの算出手順に基づき決定しています。具体的には、市場性のある有価証券については、活発な市場における市場価格及び活発ではない市場における同一の資産の市場価値により評価しています。市場性のない有価証券については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値、類似取引事例との比較、1株当たり修正純資産価値、及び第三者による鑑定評価等により評価しています。また、デリバティブについては、取引市場価格及び金利、外国為替レート等の観察可能なインプットを使用し、評価モデルにより評価しています。

経営者は、金融商品の公正価値の評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより金融商品の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社及び連結子会社における公正価値評価額が変動する可能性もあります。

 

② 償却原価で測定される債権の減損

当社及び連結子会社における売上債権、受取手形及び貸付金等の償却原価で測定される債権の残高は多額であるため、当該債権の評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。

当社及び連結子会社は、顧客の評価を継続して行っており、回収実績及び信用情報の査定に基づく現在の顧客の与信能力に基づき、顧客毎に成約限度額・信用限度額を定めると同時に、必要な担保・保証などの取り付けを行っています。当社及び連結子会社は、顧客からの回収状況を常にモニタリングしており、過去の貸倒実績率及び将来倒産確率などに基づき一部の債権を集合的に評価し、適切な金額の貸倒引当金を設定しています。また当社及び連結子会社は、特定の顧客に対してその財政状態や与信の状況、債権の回収状況を個々にモニタリングしており、債権全額(元利合計)を当初の契約条件に従って回収することが出来ない可能性が高いと判断される場合には、債権の内容、回収遅延期間、格付機関による評価、割引キャッシュ・フロー法に基づく評価、担保物件の公正価値、並びにその他の情報に基づき、それぞれの顧客に対して適切な金額の貸倒引当金を設定しています。

経営者は、償却原価で測定される債権の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分に計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより債権の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社及び連結子会社が貸倒引当金を増額又は減額する可能性もあります。

 

③ 非金融資産の減損

当社及び連結子会社は、たな卸資産及び繰延税金資産等を除く非金融資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、当該資産の回収可能価額を見積っており、帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に、減損損失を認識しています。回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、見積り将来キャッシュ・フローを資産固有のリスクを反映した税効果考慮前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しており、将来の市場の成長度合、収益と費用の予想、資産の予想使用期間等の前提条件を使用しています。

経営者は、減損の兆項及び減損損失の認識に関する判断、及び使用価値や公正価値の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより非金融資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社及び連結子会社が追加で減損損失を認識する可能性もあります。

 

④ 退職給付債務及び費用

従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であり、測定日時点における、従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しています。

経営者は、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しています。ただし、これらの前提条件には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社及び連結子会社の退職給付債務及び費用に影響を与える可能性もあります。

 

⑤ 繰延税金資産の回収可能性

当社及び連結子会社における繰延税金資産の残高は多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。

当社及び連結子会社は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しています。繰延税金資産の回収可能性は毎連結会計年度末日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しています。

経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社及び連結子会社が繰延税金資産を減額する可能性もあります。

 

(2) 当連結会計年度の業績の概況

① 収益

当連結会計年度の収益は、前連結会計年度から4,998億円(7%)減少し、6兆4,258億円となりました。このうち、商品販売に係る収益は、前連結会計年度から3,917億円(7%)減少し、5兆5,584億円となり、また、サービス及びその他に係る収益は1,081億円(11%)減少し、8,674億円となりました。主な増減要因(セグメント別)は以下のとおりです。

 

・生活産業グループの収益は、食肉事業の関係会社の経営統合及び為替の影響などにより、前連結会計年度から3,586億円(14%)減少し、2兆2,042億円となりました。

 

・金属グループの収益は、豪州石炭事業における市況上昇の影響などにより、前連結会計年度から2,357億円(34%)増加し、9,366億円となりました。

 

・エネルギー事業グループの収益は、市況悪化に伴う販売数量の減少や為替の影響などにより、前連結会計年度から1,792億円(13%)減少し、1兆1,893億円となりました。

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、一部連結子会社の連結区分変更の影響があったものの、主に豪州石炭事業における生産コスト改善に加え市況上昇が大きく寄与したことなどにより、前連結会計年度を2,297億円(21%)上回る1兆3,286億円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、一部連結子会社の連結区分の変更及び為替の影響などにより、前連結会計年度から834億円(8%)負担減の9,326億円となりました。

 

 

④ 有価証券損益

当連結会計年度の有価証券損益は、関係会社の経営統合に伴う一過性利益や前連結会計年度に計上した減損の反動などにより、前連結会計年度を370億円(80%)上回る833億円(利益)となりました。

 

⑤ 固定資産除・売却損益

当連結会計年度の固定資産除・売却損益は、前連結会計年度を70億円(33%)下回る144億円(利益)となりました。

 

⑥ 固定資産減損損失

当連結会計年度の固定資産減損損失は、前連結会計年度から略横ばいの1,032億円となりました。

 

⑦ その他の損益-純額

当連結会計年度のその他の損益は、為替の影響などにより、前連結会計年度から484億円改善し、106億円(利益)となりました。

 

⑧ 金融収益

当連結会計年度の金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の増加により、前連結会計年度を93億円(8%)上回る1,324億円となりました。

 

⑨ 金融費用

当連結会計年度の金融費用は、前連結会計年度から略横ばいの495億円となりました。

 

⑩ 持分法による投資損益

当連結会計年度の持分法による投資損益は、前連結会計年度に計上した資源関連資産の減損損失の反動などにより、前連結会計年度から2,929億円増加し、1,175億円(利益)となりました。

 

⑪ 税引前利益

当連結会計年度の税引前利益は、上記の理由から、前連結会計年度から6,942億円増加し、6,014億円となりました。

 

⑫ 法人所得税

当連結会計年度の法人所得税は、税引前利益の増加に伴い、前連結会計年度から816億円(205%)の負担増の、1,214億円となりました。

 

⑬ 非支配持分に帰属する当期純利益

当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から231億円(138%)増加し、398億円となりました。

 

⑭ 当社の所有者に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の当社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から5,897億円増加し、4,403億円となりました。

 

(3) 当連結会計年度のセグメント別業績概況

(以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。)

① 地球環境・インフラ事業グループ

地球環境・インフラ事業グループは、電力、水、交通や、その他産業基盤となる環境・インフラ分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から103億円(18%)増加し、691億円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度から2億円(1%)増加し、380億円となりました。
持分法による投資損益は、海外発電事業における持分利益が増加した一方、千代田化工建設の持分損益が減少したことなどにより、前連結会計年度から56億円(19%)減少し、232億円となりました。
上記のほか、前連結会計年度にその他の損益-純額に計上した北海油田の生産事業向け融資・保証案件における債務保証損失引当金の振り戻し益127百万米ドル(約153億円)の反動などにより、当期純利益は234億円となり、前連結会計年度と比較して58億円(20%)の減少となりました。

 

② 新産業金融事業グループ

新産業金融事業グループは、企業投資、リース、不動産、物流などの分野において、投資及び運用事業を行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から214億円(14%)減少し、1,328億円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度から16億円(3%)減少し、602億円となりました。
持分法による投資損益は、中国不動産事業及びリース事業における持分利益の減少などにより、38億円(22%)減少し、137億円となりました。
上記のほか、航空機関連事業の持分利益の減少などにより、当期純利益は355億円となり、前連結会計年度と比較して48億円(12%)の減少となりました。

 

③ エネルギー事業グループ

エネルギー事業グループは、天然ガス・石油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業、原油・石油製品・炭素製品・LPG等の販売取引、新規エネルギー事業の企画開発などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から1,792億円(13%)減少し、1兆1,893億円となりました。
売上総利益は、北米ガス事業における取引数量の増加などにより、前連結会計年度から23億円(6%)増加し、377億円となりました。
持分法による投資損益は、市況悪化に伴う持分利益の減少の一方、前連結会計年度における減損損失の反動などにより、293億円増加し、253億円となりました。
上記のほか、前連結会計年度の減損損失の反動、シェールガス事業再編に伴う一過性利益164億円を「その他の損益―純額」等に計上したこと及びアジアE&P事業における株式売却益などにより、当期純利益は555億円となり、前連結会計年度と比較して653億円の増加となりました。

 

④ 金属グループ

金属グループは、薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から2,357億円(34%)増加し、9,366億円となりました。
売上総利益は、豪州石炭事業における生産コスト改善及び市況上昇などにより、前連結会計年度から2,757億円(198%)増加し、4,148億円となりました。
持分法による投資損益は、前連結会計年度における減損損失の反動及びコスト改善や価格の上昇などによる持分利益の改善などにより、2,816億円増加し、27億円となりました。
上記の結果、当期純利益は1,479億円となり、前連結会計年度と比較して5,086億円の増加となりました。

 

⑤ 機械グループ

機械グループは、工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの幅広い分野において、販売、金融、物流、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から306億円(4%)減少し、7,470億円となりました。
売上総利益は、自動車事業における取引利益の減少及び船舶事業関連損益の悪化などにより前連結会計年度から159億円(8%)減少し、1,821億円となりました。
持分法による投資損益は、船舶事業関連投資先における減損損失、自動車事業における販売減及び円高の影響による持分利益の減少などにより、198億円(79%)減少し、53億円となりました。
上記の結果、当期純利益は294億円となり、前連結会計年度と比較して328億円(53%)の減少となりました。

 

⑥ 化学品グループ

化学品グループは、原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料や医農薬などの川下・川中製品まで、幅広い化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から1,680億円(13%)減少し、1兆1,341億円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度から4億円増加し、1,130億円となりました。
持分法による投資損益は、市況悪化及び円高に伴う石化関連事業などにおける持分利益の減少などにより、33億円(21%)減少し、121億円となりました。
上記の結果、当期純利益は267億円となり、前連結会計年度と比較して38億円(12%)の減少となりました。

 

⑦ 生活産業グループ

生活産業グループは、食料、衣料、日用品、ヘルスケアなど、消費者の生活に身近な分野で、原料の調達から、流通・小売に至るまでの幅広い領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から3,586億円(14%)減少し、2兆2,042億円となりました。
売上総利益は、外食事業子会社、食肉事業子会社の関連会社化及び紙パルプ事業子会社の売却による減少などにより、前連結会計年度から318億円(6%)減少し、4,732億円となりました。
持分法による投資損益は、食肉関連事業における持分利益の増加及び食品原料事業における通年連結開始などにより、前連結会計年度から147億円(73%)増加し、349億円となりました。
上記のほか、鮭鱒養殖事業における市況回復などによる利益の増加、ローソン子会社化及び食肉事業の関係会社の経営統合に伴う一過性利益などにより、当期純利益は1,213億円となり、前連結会計年度と比較して478億円(65%)の増加となりました。

 

地域別情報は以下のとおりです。

 

① 日本

当連結会計年度の収益は、エネルギー事業グループにおける市況悪化に伴う販売数量の減少や、生活産業グループにおける食肉事業の関係会社の経営統合の影響などにより、前連結会計年度から7,547億円(17%)減少し、3兆7,937億円となりました。

 

② アメリカ

当連結会計年度の収益は、エネルギー事業グループの北米ガス事業における取引数量増加の影響などにより、前連結会計年度から1,589億円(25%)増加し、7,977億円となりました。

 

  ③  オーストラリア

    当連結会計年度の収益は、金属グループの石炭事業における市況上昇の影響などにより、前連結会計年度から

  2,190億円(40%)増加し、7,650億円となりました。

 

④ その他地域

当連結会計年度の収益は、前連結会計年度から1,231億円(10%)減少し、1兆693億円となりました。

 

(4) 当連結会計年度のセグメント別の事業環境と翌連結会計年度以降の見通し

① 地球環境・インフラ事業グループ

当連結会計年度は、米国及び欧州では全体的に景気が緩やかに拡大し、国内でも緩やかな景気回復基調が続く一方、新興国では景気は減速する状況となりました。その中で、当グループは、海外での発電事業における持分利益の増加があったものの、前連結会計年度に計上した一過性利益の反動減や千代田化工建設の持分損益の減少などにより、利益は減少しました。

翌連結会計年度においても、新興国を中心に電力、水、交通、プラントなどの社会・産業インフラに対する需要は堅調に推移すると見ており、当グループが擁する事業領域においては中長期的にも豊富なビジネスチャンスがあり、引き続き安定的な成長が見込める事業環境にあると考えています。
当グループの主な事業領域別の環境認識は以下のとおりです。

電力事業においては、先進国、新興国共に、環境規制強化が進む中で高効率ガス焚、再生可能エネルギーを中心に引き続き事業機会の拡大が見込まれています。また、先進国においては電力市場向け売電事業や、分散型発電事業、電力小売り事業等、新たなビジネスモデルへの取組機会拡大が進んでいます。

水事業では、日本、ドゥバイ、英国の出資先などを通じて上下水関連設備の建設や運営を進めており、また、南米では海水の淡水化事業を行っています。国内においては政府が成長戦略の一環として上下水道事業のコンセッション方式の検討を進めており、また、アジア・中東・アフリカを中心に上下水処理プラント及び海水淡水化プラントに対する需要が高く、引き続き事業機会が継続すると思われます。

交通事業では、過年度に参入しているミャンマーでの空港運営事業や、当連結会計年度に事業権を獲得した豪州での都市交通システム開発・運営事業を推進していきます。また、機器供給や建設工事の分野でも、過年度に受注したモンゴルの新空港建設プロジェクトなどを着実に実行しております。引き続き交通インフラの需要は旺盛であり、安定収益の確立に努めることができる事業環境にあると考えています。

プラントエンジニアリング事業では、油価低迷に伴う一部案件の一時的な停滞はあるものの、中長期的にはマクロなエネルギー需要は引き続き拡大する見込みであることから、競争力のあるプロジェクトは着実に実現していくと考えられ、一定の新規プラント需要が見込める事業環境にあると認識しています。

環境関連事業では、電気自動車やプラグインハイブリッド車に搭載するリチウムイオン電池の開発・製造事業、再生可能エネルギーの普及や配電系統の安全化等に資する蓄電事業、低炭素社会実現のための水素など次世代エネルギー開発などのビジネスを展開しています。
電池に関しては、今後の車載用途・産業用途電池の大幅な市場規模拡大が見込まれる中、この開発に取り組み、将来需要の取り込みを図ります。

 

② 新産業金融事業グループ

当連結会計年度は、国内及び米国不動産事業は引続き順調に推移したものの、中国不動産事業や航空機関連事業及びリース事業の持分利益が減少し、前連結会計年度と比較して減益となりました。
翌連結会計年度は、米国を中心に財政面からの景気刺激策による下支え効果や資源国経済の回復が期待される一方、主要国における潜在成長率の低下及び中東や東アジア情勢の地政学的リスクなど一部懸念要素はあるものの、全体としては当グループの対面市場の景況は安定的に推移するものと見ています。

当グループの主な事業分野の環境認識については以下のとおりです。
国内プライベートエクイティ(PE)事業は、当連結会計年度の国内PE市場の案件数はリーマンショック前の水準まで回復しました。事業承継案件の伸びが顕著であり、加えて日本版スチュワードシップ・コードの導入や企業による事業の選択と集中も加速しており、今後更なる市場の拡大が予測されます。

リース事業は、国内リース需要について内外経済の先行きに対する警戒感から、慎重な見方もあるものの、企業収益や内外景気の改善を受けて緩やかな回復基調が続いており、今後も既存設備の老朽化を背景とする更新投資や、宿泊施設など非製造業の建設投資などが下支えになると見込まれています。尚、2016年4月~2017年2月のリース取扱累計額は約4兆3,000億円で、前年同期間対比97.9%となりました。

国内不動産関連事業は、引続き金融緩和による低金利環境を背景とした投資家の購入意欲は旺盛ですが、市場における物件供給量が限定的である影響を受け、事業用不動産の取引総額は前連結会計年度比約2割減となる約3兆円となり、2年連続の減少となりました。また、上場不動産投資信託(J-REIT)市場でも、新規公募増資によるエクイティ調達額は3,842億円(2017年1月末時点)と、昨年度の6,468億円の約6割に留まりました。しかし、銘柄数は5銘柄増加、合併で2銘柄減少し57銘柄となり、資産規模は15.5兆円(2016年末時点)まで拡大しました。翌連結会計年度は国際的な政治イベントや米金利の先高予想の影響により、国内不動産市場の不透明感が増す可能性もあるものの、金融危機の様な大きく相場を崩す要素は見当たらず、全般的には堅調に推移すると予想されます。

海外不動産関連事業は、米国ではトランプ新政権による財政出動(インフラ投資等)や大型減税などが着実に実行されれば、景気拡大・経済成長が安定的に持続し、不動産市場も好況が続くと思われます。中国では、経済成長率の鈍化に伴い、都市ごとの市況格差は拡大傾向にあり、財政政策や経済改革の動向次第で不動産市場が不安定化する可能性もあり注視が必要です。アセアンでは、引続き各国とも高水準の経済成長に基づき、開発案件を中心に不動産市場は安定的に成長する見込みです。
物流事業は、eコマース需要増加などを背景に、物流企業間の資本提携や自社物流の高度化などが進んでいます。今後は労働者不足を背景に、AI/ロボット及び共同物流・鉄道輸送への切り替えが活発化する見込みです。また、世界的には供給が需要を上回る状況下、物流業界や海運業界で更なる合従連衡が進む見通しです。

 

③ エネルギー事業グループ

当連結会計年度も世界の石油需要はアジアを中心に堅調な伸びをみせたものの、需給環境は供給過剰傾向が続いています。平成28年4月初めに39ドル台であった原油価格(Brent)は、米国シェールオイルに減産傾向が表れた事が好感され、6月に50ドル台まで上昇しました。その後は、OPECに対する減産期待と石油在庫動向に影響され、概ね40ドル台から50ドル台で一進一退を繰り返しましたが、減産にむけた具体的な動きが見られなかった事が影響し、10月末から11月にかけて40ドル台にまで下落しました。そのような状況下、11月30日のOPEC総会で減産が合意され、需給改善期待により原油市況は50ドル台に回復します。更に12月10日には15年ぶりとなるロシアを中心とした非OPEC主要産油国による協調減産の報により原油価格は急伸し、平成29年2月末まで50ドル台半ばで推移しました。その後3月上旬から米石油在庫の増加が続いた事から需給リバランス期待が剥落し、3月下旬には一時50ドルを割り込む局面もありました。
翌連結会計年度にもアジアを中心とした需要増と、産油国による減産継続が見込まれ、需給は徐々に回復していく見通しですが、高水準の在庫解消には半年以上の時間がかかるとみられています。原油相場は依然として方向性が定まらない状態にあり、今後も価格動向を注視する必要があります。

なお、翌連結会計年度の業績見通しの算出に際しては、原油価格を、ドバイ原油1バーレル当たり50ドルを前提としています。

 

④ 金属グループ

平成28年度の鋼材・金属市況は全般的に回復基調に転じました。鋼材については、中国政府が発表した過剰生産能力の削減方針や、米国を中心とした保護主義の加速、また後述の原料炭価格の上昇も背景に、価格が回復しました。

尚、平成28年暦年の世界の粗鋼生産は約16億トンで、前年比約1%増とほぼ横ばいとなりました。原料炭は、豪州や中国で発生した生産障害や中国国内炭鉱の操業日数制限等により供給が制限され、価格が上昇しました。又、銅地金は、中国における経済指標改善、米国でのインフラ投資等を通じた景気拡大政策への期待感に加え、主要生産国であるチリ銅鉱山でのストライキ、およびインドネシア銅鉱山の輸出許可更新遅延等の供給不安を主要因に年度後半から上昇に転じ、当連結会計年度の平均価格は1トン当たり5,155ドルとなりました。

当グループの当期純利益は、前連結会計年度に計上した減損損失の反動に加え、当社100%出資子会社で豪州金属資源事業を行う三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン)における生産性向上の施策継続によるコスト改善、前年度からの市況上昇も寄与し、前連結会計年度と比較して増益となりました。

中長期的には新興国の経済成長が世界経済を牽引し、金属資源・製品の需要や市況は今後も底堅く推移していく見通しです。

 

⑤ 機械グループ

当連結会計年度は、低調に推移する新興国の経済成長や船舶市況の低迷など、当グループを取り巻く事業環境は厳しい状況となりました。このような環境の下、当グループは、主に船舶事業における傭船料前提の下方見直しや船隊規模の適正化に伴う減損、円高の影響などにより、前連結会計年度と比較して減益となりました。新興国市場の動向には引き続き注視が必要な一方、中長期的な事業環境の好転に備え、今後の成長に向けた事業基盤の拡充及び機能の強化を進めていきます。
当グループの主な事業分野の環境に対する認識については以下のとおりです。

産業機械事業における国内レンタル事業は、震災復興工事向けのレンタル需要は落ち着きつつあるものの、老朽化したインフラの復旧工事や東京オリンピック関連の多数の建設投資は旺盛で好調を維持しています。翌連結会計年度も当連結会計年度と同じレベルの建設投資が行われると見込んでいます。エレベーター事業は、アセアン諸国における堅調な建設投資を背景に引き続き着実な成長が見込まれます。工作機械事業は、国内については受注高が年度後半から徐々に回復傾向に転じており、翌連結会計年度は当連結会計年度以上の推移と見込んでいます。また、米国市場は翌連結会計年度の後半から市場が活性化すると予測しています。

農業機械事業は、国内については引続き農業の高度化と大規模化が進むことから、当事業の対象市場規模は徐々に拡大する見込みです。タイにおいては、農業の効率化と高度化に伴う機械化の流れにより、農機市場の回復が見込まれます。

船舶関連事業は、撒積船市況が歴史的低水準からの回復途上とはいえ、依然安値圏で推移した結果、当連結会計年度の事業環境は大変厳しいものとなりました。今後、世界経済が順調に伸び、新造船の投機的発注が抑制されれば、事業環境も好転していくと予想されますが、荷動きと船腹量の需給バランスを慎重に見守っていきます。ガス船及び海洋資源開発関連特殊船の事業については、原油価格低迷の長期化がLNGプロジェクトの新規開発の一部先延ばし等に影響していますが、世界的なLNG需要の高まりにより中長期的には事業環境は改善に向かうと予想されます。

三菱自動車関連事業は、新興国経済の成長鈍化の影響などにより、事業全体としては減速傾向となりましたが、引き続きインドネシアなど重要市場において、事業基盤の拡充による将来の市場の成長の取り込みを目指すとともに、その他市場での販売の強化を行っていきます。

いすゞ自動車関連事業では、主力のタイ市場で経済低迷の影響を受け、自動車需要は前年比約4%減となりましたが、2012年以降減少傾向が続いたタイ自動車全需は当連結会計年度で底を打ち、翌連結会計年度以降は緩やかに回復する見込みです。今後も中長期的な成長を目指し、タイに加えて、他新興国を中心とした市場での取り組みを強化していきます。

 

⑥ 化学品グループ

当連結会計年度の化学品市況は、原油等資源価格の回復に伴い総じて上昇基調となりました。また、米国の経済成長が軌道に乗り、中国を始めとする新興国の経済が低迷期を脱し、需要を持ち直していることも製品市況高に影響を及ぼしました。

今後については、アジア市場を中心とした需要の伸張は引き続き期待されるものの、世界の経済成長や原油価格動向等により、先行き不透明な状況が当面続くものと予想されます。

中期的には、シェールガス台頭により北米の石油化学産業は競争力・供給力を増し、世界的に石油化学業界の構造変化(業界再編、設備の統廃合)や、物流・製品供給フローの変化が生じると見込まれ、当社機能を発揮する事業機会が拡大すると予想されます。また、新興国での中間層の拡大と生活水準の向上や先進国での高齢化の流れに伴い、健康・安全・安心・おいしさに対する関心が高まっており、食品化学等の「ライフサイエンス」分野での需要は堅調な拡大が見込まれます。

当グループは、こうした事業環境やニーズの変化に対応すべく、食と健康を中心としたライフサイエンス事業を推進し、国内外市場の成長を積極的に取り組んでいきます。また、サウジアラビアの石油化学事業やベネズエラのメタノール事業といった中核ビジネスの更なる強化を図ると共に、化学品のバリューチェーン全体で総合力を活かした事業を継続的に推進します。

 

⑦ 生活産業グループ

当連結会計年度の国内消費市場は、政府の景気対策効果等により、景況感は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、世界経済の先行きへの不透明感は強く、本格回復には道半ばの状況が続いています。国内消費市場規模は人口減少により縮小傾向にあるとみられますが、高齢社会の進行に伴う生活スタイルの変化などによって新たな需要創出が期待できると捉えています。

海外市場では、アジアを中心とする新興国は成長スピードの鈍化がみられるものの、所得水準の向上による質・量双方の消費拡大が続いています。

このような事業環境を踏まえ、国内ではバリューチェーンの強化、海外では市場成長の取込みによる事業拡大を進めていきます。

当連結会計年度の当グループの当期純利益は、鮭鱒養殖事業の収益回復及びローソン子会社化に伴う一過性利益などにより前連結会計年度と比較して増益となりました。翌連結会計年度については、当連結会計年度に計上した一過性利益の反動減などにより減益を見込んでいます。

 

(5) 流動性と資金の源泉

① 資金調達方針と流動性マネジメント

当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争的なものとなっています。

当連結会計年度の資金調達活動としては、前連結会計年度に引き続き、調達期間の長期化や、資本性を有する資金の調達手段であるハイブリッドファイナンスに取り組む等、財務健全性の向上に努めました。

これらの資金調達活動の結果、当連結会計年度末のグロス有利子負債残高は、前連結会計年度末から6,587億円減少し5兆3,839億円となり、このうち88%が長期資金となっております。有利子負債のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。なお、当社のグロス有利子負債残高は3兆7,974億円であり、このうち長期資金は95%を占め、平均残存期間は約6年となっています。
翌連結会計年度は、引き続き長期資金を中心とした資金調達を継続していく方針です。更に、資金調達ソースの多様化と、連結ベースでの資金効率の向上に向けた取り組みも継続します。また、金融市場の環境は、引き続き予断を許さないため、細心の注意を払って対処すべく、現預金等および銀行融資枠(コミットメントライン)を十分に確保し、流動性を維持していきます。

連結ベースでの資金管理体制については、当社を中心に国内外の金融子会社、海外現地法人等において集中して資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンス方針を原則としています。結果として、当連結会計年度末では、連結有利子負債のうち83%が当社、国内外の金融子会社、海外現地法人等による調達となっています。今後も、連結経営の深化を見据え、連結ベースでの資金管理体制の更なる充実を図ります。

当連結会計年度末の流動比率は連結ベースでは138%となっており、流動性の点で当社の財務健全性は高いといえます。また、当連結会計年度末時点の当社、米国三菱商事、Mitsubishi Corporation Finance、MC Finance & Consulting Asia、MC Finance AustraliaでCP及び1年以内に償還を予定している社債を合わせた短期の市場性資金が4,204億円あるのに対して、現預金、一年以内に満期の到来する公社債、売買目的の有価証券、フィーを支払って確保しているコミットメントラインが合計で1兆6,996億円あり、カバー超過額は1兆2,792億円と十分な水準にあると考えています。なお、当社のコミットメントラインについては、円貨で5,100億円を国内主要銀行より、外貨で主要通貨20億ドル、ソフトカレンシー3億ドル相当を欧米を中心とした国内外の主要銀行より取得しています。

当社ではグローバルな資金調達とビジネスを円滑に行うため、格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の3社から格付けを取得しています。3社の平成29年5月17日時点の当社に対する格付け(長期/短期)は、R&IがAA-/a-1+(見通し安定的)、ムーディーズがA2/P-1(見通しネガティブ)、S&PがA/A-1(見通し安定的)となっています。

 

② 資産及び負債・資本

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より8,373億円(6%)増加し、15兆7,536億円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より899億円(1%)減少し、6兆4,673億円となりました。これは、借入金の返済に伴い現金及び現金同等物が減少したことなどによるものです。

非流動資産は、前連結会計年度末より9,272億円(11%)増加し、9兆2,863億円となりました。これは、ローソンの子会社化に伴い、無形資産及びのれんが増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より658億円(1%)増加し、9兆9,645億円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より2,446億円(6%)増加し、4兆6,778億円となりました。これは、ローソンの子会社化や取引数量の増加に伴い、営業債務及びその他の債務が増加したことなどによるものです。

非流動負債は、前連結会計年度末より1,788億円(3%)減少し、5兆2,867億円となりました。これは、短期への振替により社債及び借入金が減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末から7,715億円(15%)増加し、5兆7,890億円となりました。
当連結会計年度末の当社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末より3,247億円(7%)増加し、4兆9,172億円となりました。これは、連結純利益の積み上がりがあったことなどによるものです。

また、非支配持分は、前連結会計年度末より4,468億円(105%)増加し、8,718億円となりました。これは、ローソンの子会社化に伴う増加などによるものです。
有利子負債総額から現預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末より3,240億円(8%)減少し、3兆9,915億円となりました。この結果、ネット有利子負債を当社の所有者に帰属する持分で除したネット有利子負債倍率は0.8倍となり、前連結会計年度末より0.1ポイント減少しました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,555億円減少し、1兆1,455億円となりました。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により資金は5,830億円増加しました。これは、運転資金の負担増などがあったものの、営業収入や配当収入などにより、資金が増加したものです。
また、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入が増加した一方で、運転資金の負担増などにより、前連結会計年度と比較して1,171億円の減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により資金は1,796億円減少しました。これは、貸付金の回収などによる収入があったものの、設備投資や不動産事業への支出、ローソン株式取得などにより、資金が減少したものです。
また、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度のエネルギー資源事業への投資や農産物事業会社Olam International Limited社の株式取得の反動などにより、前連結会計年度と比較して、3,243億円の増加となりました。

 

以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは4,034億円の資金増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により資金は7,522億円減少しました。これは、劣後特約付社債(ハイブリッド社債)などによる資金調達があったものの、借入金の返済や社債の償還、親会社における配当金の支払いなどにより、資金が減少したものです。
また、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済などにより、前連結会計年度と比較して、3,877億円の減少となりました。

 

 

(6) 戦略関連事項

① 経営課題と今後の方針

経営課題と今後の方針につきましては、「3. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご覧ください。

 

② 利益配分に対する基本方針

配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況」の「3. 配当政策」をご覧ください。

 

③ 主たる投資活動

当連結会計年度に公表した「中期経営戦略2018」において、成長への打ち手として「事業投資」から「事業経営」へのシフトと「事業のライフサイクル」を踏まえた入替の加速を掲げ、地球環境・インフラ事業、新産業金融事業、金属、エネルギー事業、機械、化学品、生活産業の各事業分野で、継続的に投資を行っていく方針としています。
当連結会計年度においては、総額5,700億円の投資を行いました。主な内容は、ローソン株式の追加取得による子会社化のほか、シェール事業での追加投資、海外不動産事業関連の投資となります。

 
 

(注意事項)

本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。