当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前連結会計年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2. 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、文中の下線部分が変更箇所です。
当社はグローバルにビジネスを展開しており、当社の業績も、国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向の影響を受けます。
例えば、エネルギー資源や金属資源の価格が下落する場合には、当社の資源関連の輸入取引や事業投資の収益が影響を受けることとなります。更に、世界景気の冷え込みは、プラント、建設機械用部品、自動車、鉄鋼製品、鉄鋼原料、化学品などの当社の輸出関連ビジネス全般にも影響を与えることとなります。
また、当社は、タイ、インドネシアで、日本の自動車メーカーと協同で自動車の組立工場、販売会社、販売金融会社を設立し、広範な自動車事業を展開していますが、自動車の販売台数はこれらの国の内需に連関するため、タイ、インドネシア両国の経済動向は当社の自動車事業から得られる収益に大きく影響を与えることになります。
当第1四半期連結累計期間の経済環境は、先進国を中心とした内需に支えられ成長こそ見られましたが、グローバルに減速感を示すシグナルが徐々に灯り始め、世界経済は緩やかに反転の兆しを示しつつあります。当面この傾向が続くと考えられ、特に下方リスクとなり得る通商問題や地政学の動向、中国経済の先行きなどを注視しています。
(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州などにおいて、天然ガス・石油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、原油・ガス価格は当社の業績に少なからぬ影響を与えます。
原油(Dubai)価格は、OPECプラスによる協調減産の効果もあり、年初以来上昇し4月に70米ドルを超えましたが、米中貿易摩擦の帰趨が見通せない不安感から買いが控えられたことが原因で当第1四半期連結会計期間に反落しました。
OPECプラスは協調減産期間の延長を決定し、ベネズエラやイランの減産傾向が顕著である一方で、米国シェールが増産を続けていることから、需給は概ね均衡しています。米中貿易摩擦の行方、足もとでは米国とイランの対立激化などにより原油価格が上下する環境が続くとみられます。
LNG価格は多くが原油価格にリンクしており、1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じてLNG・原油合わせて年間25億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
当社は、2008年に千代田化工建設株式会社(以下「千代田化工建設」)が実施した第三者割当増資を引き受け、持分法適用会社としました。千代田化工建設は、過去に受注したプラント建設での工事コストの大幅増加を主要因として、2018年10月31日及び2019年5月7日付で2019年3月期の通期連結業績予想の下方修正を公表し、2019年3月期決算において、最終的に2,149億円の純損失を計上しました。これらの事態を受け、当社に対して財務体質強化につき支援要請があり、当社は2019年5月9日付で千代田化工建設の要請に応じて、2019年7月1日を払込期日とするA種優先株式175,000,000株を700億円で引き受けることに加え、当社の完全子会社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社を貸付人として、900億円の融資契約を締結しました。
当第1四半期連結会計期間末において、上記以外の千代田化工建設に対する投資、債権及びコミットメントの残高に重要性はありません。なお、上記の優先株の引受けは予定どおり2019年7月1日付で実行されており、融資契約のうち300億円は2019年5月16日付で実行されています。
(全文を追加)
(以下「四半期純利益」は「当社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しています。)
当第1四半期連結累計期間の経済環境は世界的に徐々に減速感が示され始めたものの、成長は維持されました。日米欧は内需に支えられ成長を維持した一方、中国経済は減速傾向が続きました。
このような環境の下、当第1四半期連結累計期間の収益は、海外石油事業における取引数量が増加したことなどにより、前第1四半期連結累計期間を658億円(2%)上回る3兆9,413億円となりました。
売上総利益は、豪州原料炭事業における生産コストの上昇や、豪州一般炭権益売却による取引利益の減少などにより、前第1四半期連結累計期間を190億円(4%)下回る4,839億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間からほぼ横ばいの3,547億円となりました。
有価証券損益は、前第1四半期連結累計期間に計上した一過性利益の反動があったものの、資産入替や事業再編に伴う売却益などにより、前第1四半期連結累計期間からほぼ横ばいの147億円(利益)となりました。
固定資産減損損失は、前第1四半期連結累計期間からほぼ横ばいの6億円となりました。
その他の損益は、売却予定鉱区に関連する価格調整などにより、前第1四半期連結累計期間を49億円下回る146億円(損失)となりました。
金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の減少などにより、前第1四半期連結累計期間を62億円(11%)下回る509億円となりました。
持分法による投資損益は、自動車関連事業や石油化学事業における持分利益減少などにより、前第1四半期連結累計期間を30億円(5%)下回る612億円(利益)となりました。
この結果、税引前利益は、前第1四半期連結累計期間を480億円(18%)下回る2,226億円となりました。
以上により、四半期純利益は、前第1四半期連結累計期間を432億円(21%)下回る1,612億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
a.天然ガス
天然ガスグループは、北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス・原油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は285億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して36億円の増加となりました。これは、LNG関連事業やシェールガス事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
b.総合素材
総合素材グループは、自動車・モビリティや建設・インフラなどといった対面業界において、炭素、鉄鋼製品、機能素材など多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は114億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して18億円の増加となりました。これは、メタルワンにおける事業再編益の計上などにより増益となったものです。
c.石油・化学
石油・化学グループは、原油、石油製品、LPG、エチレン、メタノール、塩、アンモニア、プラスチック、肥料など幅広い石油・化学関連分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は46億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して64億円の減少となりました。これは、海外石油事業における取引利益の減少や石油化学事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
d.金属資源
金属資源グループは、原料炭、銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資・開発などを通じて事業経営に携わると共に、グローバルネットワークを通じた鉄鋼原料、非鉄原料・製品における質の高いサービスや機能を活かし、供給体制を強化しています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は590億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して135億円の減少となりました。これは、豪州原料炭事業における生産コストの上昇や豪州一般炭権益売却による取引利益の減少及び銅事業における受取配当金の減少などにより減益となったものです。
e.産業インフラ
産業インフラグループは、エネルギーインフラ、産業プラント、工作機械、農業機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器など幅広い分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は53億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して91億円の減少となりました。これは、前年同期に計上した船舶事業における税効果計上の反動などにより減益となったものです。
f.自動車・モビリティ
自動車・モビリティグループは、乗用車・商用車の販売や販売金融を中心に、生産、アフターサービスも含め一連のバリューチェーン事業に深く関与しています。また、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ関連事業に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は174億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して82億円の減少となりました。これは、三菱自動車工業やアジア自動車事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
g.食品産業
食品産業グループは、食糧、生鮮品、生活消費財、食品素材などの「食」に関わる分野で、原料の生産・調達から製品製造に至るまでの幅広い領域において、販売取引、事業開発などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は63億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して53億円の減少となりました。これは、鮭鱒養殖事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
h.コンシューマー産業
コンシューマー産業グループは、リテイル、アパレル・S.P.A.、ヘルスケア・食品流通、物流の各領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は68億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して4億円の減少となりました。
i.電力ソリューション
電力ソリューショングループは、発電・送電事業、電力トレーディング事業、電力小売事業や発送電関連機器・設備の販売に取り組むと共に、リチウムイオン電池の開発・製造・販売事業、電池サービス事業、次世代エネルギー(水素等)の開発などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は73億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して24億円の減少となりました。これは、海外電力事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
j.複合都市開発
複合都市開発グループは、都市開発・不動産、企業投資、リース、インフラなどの分野において、開発事業、運用・運営を行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は93億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して15億円の増加となりました。これは、前年同期に計上した欧州金融事業の減損の反動などにより増益となったものです。
(注)当社は、当連結会計年度において、10グループ体制へと改編しており、前連結累計期間のセグメント情報も組替再表示を行っています。詳細は「要約四半期連結財務諸表注記 5. セグメント情報」をご覧ください。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ476億円増加し、1兆2,082億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、営業活動により資金は1,586億円増加しました。これは、法人所得税の支払いや運転資金の負担増などがあったものの、営業収入や配当収入などにより資金が増加したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して965億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、投資活動により資金は448億円減少しました。これは、関連会社への投資や上場有価証券の売却などによる収入があったものの、設備投資や関連会社への融資などによる支出により、資金が減少したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して797億円の減少となりました。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは1,138億円の資金増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、財務活動により資金は549億円減少しました。これは、短期資金調達があったものの、配当金の支払いや自己株式の取得などにより資金が減少したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して602億円の増加となりました。
なお、IFRS第16号「リース」の適用に伴い認識されたリース負債の支払額は、全額財務活動によるキャッシュ・フローに含まれています。
a. 中期経営戦略2021 ~事業経営モデルによる成長の実現~
三菱商事は、2018年11月に2019年度から始まる3ヵ年の新しい経営の指針として、「中期経営戦略2021」を策定しました。
米国と中国の二大国を中心とする地政学的力学の変化等に加え、デジタル技術の進化やプラットフォーマーの台頭による“第4次産業革命”ともいえるビジネスモデル変革の潮流を踏まえて、持続的な事業成長を目指すための、向こう3ヵ年の経営方針をまとめました。
■事業ポートフォリオ
全産業を俯瞰し、外部環境の変化も踏まえ、次に攻めるべき分野や入替えを進める分野を全社で検討するため、事業ポートフォリオの枠組みを導入します。
事業ポートフォリオの最適化に向けては、三菱商事独自の多次元の軸で考察します。定量面からはもちろんのこと、地域の観点、業界におけるプレゼンスの観点、事業経営レベルの観点から、常にあるべき形を検討していく仕組みを整えます。
■成長メカニズム
「成長の芽」を発掘し、これを「成長の柱」へ育て、事業価値を向上し「収益の柱」へと成長させていく。そして三菱商事による事業価値向上にどうしても限界が生じる場合は、入替えも含め抜本的に見直す。
三菱商事に内在するこの一連のサイクルを、事業ポートフォリオの観点も加えながら、従来以上に徹底して運用していきます。
そのためにも、経営企画部に「事業構想室」を、各営業グループに「グループ事業構想担当」を設置し「成長の芽の発掘」「成長の柱の構築」を積極的に進める体制を執ります。また、今回、新たにチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)を任命し、その管下に「デジタル戦略部」を組成、各営業グループにも「グループデジタル戦略担当」を設置することで、急激に進む産業のデジタル化の動きに対応していくこととします。
■人事制度改革
「多様な経験を通じた早期育成」「実力主義と適材適所の徹底」「経営人材の全社的活用」を軸とした人事制度改革を実施します。具体的には、柔軟な人材の配置・活用、成果主義の徹底、株式報酬の導入、複眼的な評価の仕組みの強化を通して、分野を超えて活躍できる経営力の高い人材を継続的に輩出し、社員の成長と会社の発展が一体となることを目指します。
■定量目標・資本政策
事業系の持続的な成長と市況系の競争力強化により、2021年度に連結純利益9,000億円を目指すと共に、二桁ROEの更なる向上を目指します。
配当は、持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を継続し、配当性向を現在の30%から将来的に35%程度に引き上げていくことを目指します。
b. 個別重要案件
当第1四半期連結累計期間における重要な個別案件については、1[事業等のリスク]の「⑥重要な投資案件に関するリスク」を参照願います。
特に記載すべき事項はありません。
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利な手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続すると共に、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第1四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高(リース負債除く)は、前連結会計年度末から1,699億円増加し5兆2,620億円となり、このうち75%が長期資金となっています。有利子負債(リース負債除く)のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末から499億円増加し1兆4,184億円となっています。当第1四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで129%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結累計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。
特に記載すべき事項はありません。