当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前連結会計年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、文中の下線部分が変更箇所です。
① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
当社はグローバルにビジネスを展開しており、当社の業績も、国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向の影響を受けます。
例えば、エネルギー資源や金属資源の価格が下落する場合には、当社の資源関連の輸入取引や事業投資の収益が影響を受けることとなります。更に、世界景気の冷え込みは、プラント、建設機械用部品、自動車、鉄鋼製品、鉄鋼原料、化学品などの当社の輸出関連ビジネス全般にも影響を与えることとなります。
また、当社は、タイ、インドネシアで、日本の自動車メーカーと協同で自動車の組立工場、販売会社、販売金融会社を設立し、広範な自動車事業を展開していますが、自動車の販売台数はこれらの国の内需に連関するため、タイ、インドネシア両国の経済動向は当社の自動車事業から得られる収益に大きく影響を与えることになります。
当第1四半期連結累計期間の経済環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により打撃を受けた主要国経済は総じて回復基調を強めた一方、感染の収束や再拡大、ワクチン接種進展の状況によって、経済の落ち込みからの持ち直しが遅れる国も見られ、今後の世界経済の回復ペースには依然上振れ、下振れ双方のリスクがあることから、動向を注視しています。
② 市場リスク
以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。
a. 商品市況リスク
(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス・石油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、原油・ガス価格は当社の業績に重要な影響を与えます。
原油市場においては、新型コロナウイルスのワクチン接種が進む欧米での景気回復期待や、イランで保守派の大統領が当選し、イラン産油国の禁輸解消には時間を要するとの見方が広がったことなどから、原油相場が上昇する方向に展開しました。この結果、4月初旬に60米ドル/バレル台前半で推移していた原油(Dubai)価格は、6月末には70米ドル/バレル台前半まで上昇しています。
短期的には更なる価格上昇の可能性もあるものの、世界的な原油需要の本格的な回復はもう少しかかる見込みです。今後も産油国の生産調整方針や世界経済の回復ペースなどを主材料としつつ、中長期的には現状に比して緩やかに上下しながら、レンジで推移するものと思われます。
また、当社のLNG販売は長期契約が大部分を占めるものの、一部はスポット契約にて販売しています。当第1四半期連結累計期間におけるアジアのスポット価格は、4月初旬に百万Btu(英国熱量単位)当たり7米ドル台でスタートしました。その後、アジア各国の経済活動再開などを背景に、中国を始めとする北東アジア地域のLNG需要が旺盛であることに加えて、欧州市場でガス価格が堅調に推移している影響もあり、5月上旬には10米ドルを超え、6月末には13米ドル台まで上昇しています。
LNG価格は多くが原油価格にリンクしており、1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じてLNG・原油合わせて年間25億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
なお、生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えます。商品市況の長期的な低迷が想定される場合には、保有する「有形固定資産」や「持分法で会計処理される投資」などの減損を通じて、業績に影響を与える可能性があります。
(以下「四半期純利益」は「当社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しています。)
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記4をご参照ください。
(2) 業績
当第1四半期連結累計期間の経済環境は、中国に続いて米国が新型コロナウイルスによる打撃を受ける前のGDP水準を取り戻し、欧州でも感染防止措置緩和などを背景に景気の持ち直しが見られました。日本は感染の収束や経済活動の正常化にはまだ至らず景気の下押し圧力が続きました。新興国経済も総じて持ち直しに転じましたが、一部の国では感染再拡大に伴う経済減退も見られました。
このような環境の下、当第1四半期連結累計期間の収益は、需要回復に伴う取引数量の増加及び価格の上昇などにより、前第1四半期連結累計期間を1兆1,263億円(42%)上回る3兆7,937億円となりました。
売上総利益は、自動車関連事業及び鉄鋼製品事業における需要の回復などにより、前第1四半期連結累計期間を418億円(11%)上回る4,215億円となりました。
販売費及び一般管理費は、連結範囲変更の影響や連結子会社における経費の減少などにより、前第1四半期連結累計期間から57億円(2%)減少し、3,392億円となりました。
有価証券損益は、ファンド評価損益の改善などにより、前第1四半期連結累計期間を268億円(308%)上回る355億円(利益)となりました。
固定資産減損損失は、前第1四半期連結累計期間からほぼ横ばいの25億円となりました。
その他の損益は、為替関連損益の変動などにより、前第1四半期連結累計期間から194億円改善し、124億円(利益)となりました。
金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の増加などにより、前第1四半期連結累計期間を282億円(152%)上回る468億円となりました。
金融費用は、米ドル金利の低下などにより、前第1四半期連結累計期間から34億円(24%)減少し、107億円となりました。
持分法による投資損益は、三菱自動車工業における前年同期に計上した減損損失の反動及び販売台数の回復などにより、前第1四半期連結累計期間を683億円(461%)上回る831億円(利益)となりました。
これらの結果、税引前利益は、前第1四半期連結累計期間を1,918億円(343%)上回る2,478億円となりました。
以上により、四半期純利益は、前第1四半期連結累計期間を1,509億円(411%)上回る1,876億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
a.天然ガス
天然ガスグループは、北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス・原油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は185億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して113億円の増加となりました。これは、LNG関連事業における受取配当金や北米シェールガス事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
b.総合素材
総合素材グループは、自動車・モビリティや建設・インフラなどといった対面業界において、炭素、鉄鋼製品、機能素材など多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は91億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して97億円の改善となりました。これは、鉄鋼製品事業における持分利益の改善などによるものです。
c.石油・化学ソリューション
石油・化学ソリューショングループは、原油、石油製品、LPG、エチレン、メタノール、塩、アンモニア、プラスチック、肥料など幅広い石油・化学関連分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は99億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して16億円の増加となりました。これは、LPG事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
d.金属資源
金属資源グループは、原料炭、銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資・開発などを通じて事業経営に携わると共に、グローバルネットワークを通じた鉄鋼原料、非鉄原料・製品における質の高いサービスや機能を活かし、供給体制を強化しています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は659億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して459億円の増加となりました。これは、銅事業における受取配当金の増加や鉄鉱石事業における持分利益の増加、及びアルミ製錬事業における一過性利益などにより増益となったものです。
e.産業インフラ
産業インフラグループは、エネルギーインフラ、産業プラント、建設機械、工作機械、農業機械、エレベーター、エスカレーター、ファシリティマネジメント、船舶、宇宙航空関連機器など幅広い分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は31億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して37億円の減少となりました。これは、千代田化工建設における一過性損失などにより減益となったものです。
f.自動車・モビリティ
自動車・モビリティグループは、乗用車・商用車の販売や販売金融を中心に、生産、アフターサービスも含め一連のバリューチェーン事業に深く関与しています。また、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ関連事業に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は273億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して500億円の改善となりました。これは、前年同期に計上した三菱自動車工業における一過性損失の反動に加え、三菱自動車工業やアジア自動車事業における持分利益の増加などによるものです。
g.食品産業
食品産業グループは、食糧、生鮮品、生活消費財、食品素材などの「食」に関わる分野で、原料の生産・調達から製品製造に至るまでの幅広い領域において、販売取引、事業開発などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は197億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して132億円の増加となりました。これは、鮭鱒養殖事業における持分利益の改善などにより増益となったものです。
h.コンシューマー産業
コンシューマー産業グループは、小売・流通、物流、ヘルスケア、衣料、タイヤ他の各領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は90億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して109億円の改善となりました。これは、CVS事業における持分利益の改善などによるものです。
i.電力ソリューション
電力ソリューショングループは、国内外の産業の基盤である電力・水関連事業における幅広い分野に取り組んでいます。具体的には、発・送電事業、電力トレーディング、電力小売事業等に加え、リチウムイオン電池の製造や、分散電源事業等の電池サービス事業、水素エネルギー開発等を行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は33億円(損失)となり、前第1四半期連結累計期間と比較して100億円の悪化となりました。これは、発電資産等の売却益の減少や海外電力事業における持分利益の減少などによるものです。
j.複合都市開発
複合都市開発グループは、都市開発・不動産、企業投資、リース、インフラなどの分野において、開発事業、運用・運営を行っています。
当第1四半期連結累計期間の四半期純利益は217億円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して211億円の増加となりました。これは、ファンド評価益の増加やリース事業における統合関連利益などにより増益となったものです。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ354億円増加し、1兆3,532億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、営業活動により資金は1,247億円増加しました。これは、運転資金負担の増加や法人所得税の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入などにより資金が増加したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して1,717億円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、投資活動により資金は793億円減少しました。これは、関連会社への投資やその他の投資の売却などによる収入があったものの、設備投資、関連会社への投資や融資などによる支出により、資金が減少したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して446億円の増加となりました。
投資キャッシュ・フローの主な内容及びセグメントは以下のとおりです。
新規・更新投資
・豪州原料炭事業(金属資源)
・銅事業(金属資源)
・リース事業(複合都市開発)
・LNG関連事業(天然ガス)
・CVS事業(コンシューマー産業)
売却及び回収
・北米不動産事業(複合都市開発)
・北米シェールガス事業(天然ガス)
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは454億円の資金増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において、財務活動により資金は176億円減少しました。これは、運転資金需要増などに伴う資金調達があったものの、配当金の支払いやリース負債の返済、長期借入債務の返済などにより資金が減少したものです。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して13億円の減少となりました。
配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。
また、上記の財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表す
べく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支
払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フ
ローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。
営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)は、当第1四半期連結累計期間において2,386億円の資金増となりました。
また、前第1四半期連結累計期間と比較して1,237億円の増加となりました。
この結果、調整後フリーキャッシュ・フローは、1,593億円の資金増となりました。
当第1四半期連結会計期間末における事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題について、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利な手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く良好な関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続するとともに、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第1四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高(リース負債除く)は、前連結会計年度末から1,767億円増加し5兆8,210億円となり、このうち82%が長期資金となっています。有利子負債(リース負債除く)のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末から460億円増加し1兆5,119億円となっています。当第1四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで130%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結累計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。
特に記載すべき事項はありません。