第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

1. 「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」

三菱商事は、2022年5月に、2022年度から始まる3ヵ年の新しい経営の指針として、「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」を策定・公表しました。

当社を取り巻く経営環境は、地政学リスクの高まりにより不確実性が高まっています。また、グローバルサプライチェーンの再構築、デジタル化、脱炭素という多様化・複雑化する社会・産業のニーズに対し、先見性をもった対応が求められています。

このような経営環境において、あらゆる産業知見とグローバルネットワークを駆使したインテリジェンスを有機的に「つなげ」・「つながる」ことで、当社ならではの総合力を強化していく経営方針を、今回の「中期経営戦略2024」として纏めました。

 

(1)中期経営戦略2024で目指すこと

三菱商事グループの総合力強化による社会課題の解決を通じて、スケールのあるMC Shared Value(共創価値)を継続的に創出することを目指します。

 


 

(2)定量目標と株主還元

■定量目標

収益基盤の維持・拡大とともに、Energy Transformation(EX)関連やDigital Transformation(DX)関連・成長分野への投資などを通じて、価格要因を除いた利益の着実な成長とROE二桁水準の維持・向上を目指します。

 

■株主還元

持続的な利益成長に応じて増配を行う累進配当を基本方針とします。
財務健全性、配当の安定成長、株主還元に対する市場期待の3つのバランスがとれた還元政策を実施します。

 

キャッシュフロー・資本配分

企業価値向上に向けて、財務規律を維持しつつ、キャッシュフローを投資と株主還元に適切に配分します。
併せて、開示の拡充や対話を通じて、ステークホルダーからの当社事業に対する信頼性を一層高めることで、資本コストの低減を図ります。

 

投資計画・事業ポートフォリオ

「中期経営戦略2024」期間で、3兆円規模の投資を計画し、EX関連分野への投資を加速します。
同時に、収益基盤の維持・拡大とDX・成長分野への投資も着実に促進します。

 


 

 

(3)「つなげ」・「つながる」ことによる三菱商事グループの総合力を最大化

■成長戦略 [トランスフォーメーションを主導し、成長につなげる]

・EX戦略:EXバリューチェーン全体を俯瞰し、パートナーと共に、カーボンニュートラル社会への移行・産業競争力向上に貢献していきます。

・DX戦略:DX機能を全社横断的に展開し、産業・企業・コミュニティをつなぐことで、社会全体の生産性向上と持続可能な価値創造に貢献していきます。これを推進するために、今回、新たにDX戦略推進組織として「産業DX部門」を新設します。

・未来創造:再エネなどの地域エネルギー資源の積極的な開発を通じて自給率を少しでも高めていくとともに、カーボンニュートラル新産業の創出、地域課題の解決を通じた魅力ある街づくりをテーマとして、パートナーや自治体の皆様と共に、未来創造の実現に貢献していきます。

 

■経営管理 [規律ある成長で未来へつなぐ]

自律的なグループ経営の強化を促す経営管理メカニズムを構築し、事業環境の変化に対応した循環型成長モデルへの取組みを加速することで、資本効率の維持・向上を図り、財務健全性を維持します。

 

■推進メカニズム [多様なインテリジェンスをつなぐ]

「産業DX部門」の新設に加え、外部環境への対応力を更に強化すべく「グローバルインテリジェンス委員会(GI委員会)」を新設します。産業横断的な全社戦略を討議・立案するMC Shared Value会議(MCSV会議)に、GI委員会の分析を反映することで、営業グループの推進力と業界を超えた連携を強化していきます。

 

■人事施策 [多彩・多才なヒトをつなぎ、活気に満ちた組織へ]

多様性を活かす企業風土づくりやダイナミックな人材シフト・登用などを通じて、「イキイキ・ワクワク、活気あふれる人材と組織」を実現し、人的資本の価値最大化を目指します。

 

■サステナビリティ施策 [多様なステークホルダーとつながり、社会から信頼され続ける存在へ]

当社が事業活動を通じて取り組む重要な社会課題を「マテリアリティ」として再定義し、取組みの指針とします。温室効果ガス(GHG)削減目標の達成に向け、各事業を気候変動の移行リスク・機会に応じて分類の上モニタリングするなど、様々な施策を通じて事業の低・脱炭素化を推進します。

 

2.  カーボンニュートラル社会の実現に向けて

当社は2021年10月に温室効果ガス(GHG)排出量の新たな削減目標と、EX関連投資に関する指針を策定しました。
資源・エネルギーを始めとする様々な事業に携わってきた当事者として、天然ガスなどのエネルギーの安定供給責任を果たしつつ、地球規模の共通課題であるカーボンニュートラル社会実現との両立に取り組んでまいります。

(カーボンニュートラル社会へのロードマップ)

・GHG排出量の削減目標:2030年度半減(2020年度比)/2050年ネットゼロ

・EX関連投資:2030年度までに2兆円規模

・EX・DX一体推進による「新たな未来創造」

 

これらは、「中期経営戦略2024」においても、全社共通の事業推進テーマとなっています。

 

3.  当連結会計年度のセグメント別の事業環境と翌連結会計年度以降の見通し

① 天然ガスグループ

当連結会計年度は、LNG関連事業における受取配当金及び持分利益の増加、北米シェールガス事業の持分利益増加などにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。

2021年の世界のLNG需要は主に中国・韓国において増加し、前年比1千万トン増の約3.8億トンとなりました。アジアのスポット価格は、欧州における風力・原子力発電量の低下やロシアからのパイプラインガス供給停滞・途絶懸念などにより、当連結会計年度末時点では百万Btu(英国熱量単位)当たり30米ドル台で推移しています。

原油価格(Dubai)は世界経済の新型コロナウイルス禍からの回復、及びロシア・ウクライナ情勢によるロシア原油輸出量減少・途絶の懸念などにより、当連結会計年度末時点では100米ドル/バレル台にて推移しています。

LNGは、世界のエネルギー需要増や他の化石燃料と比較して相対的に環境負荷が低い点などを背景に中長期的にも需要増が見込まれており、成長が見込まれる事業領域と考えています。なお、当グループの業績には原油価格が少なからぬ影響を与えますが、原油価格の変動が当グループの業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。

 

② 総合素材グループ

当連結会計年度は、海外事業投資先に関する投資の減損などに伴う一過性損失を計上したものの、主に鉄鋼製品事業、北米樹脂建材事業における持分利益の増加により、前連結会計年度と比較して増益となりました。当グループの主要対面業界である自動車・モビリティ、建設・インフラ分野において、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けた前連結会計年度からの素材需要の反動、及び需給タイト化に伴う素材市況の上昇などによるものです。

当グループを取り巻く事業環境に関し、米国における金利上昇が世界経済に与える影響などが想定されるものの、対面産業における素材需要・市況は底堅く推移していく見通しです。また、素材産業においては、カーボンニュートラル、ニーズの多様化、原料の安定調達などへの対応が喫緊の課題となっています。デジタル活用によるサプライチェーンの効率化・強靭化、脱炭素に向けた機能素材の取組み、素材再循環への対応などを促進し、対面産業の課題解決に貢献していきます。

 

③ 石油・化学ソリューショングループ

当連結会計年度は、石油化学事業における取引利益の増加やLPG事業における持分利益の増加などにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。

原油価格(Dubai)は新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復により需要が増加した一方、OPECプラスが協調減産の枠組みを維持したことにより、当連結会計年度前半は緩やかに上昇しました。後半はOPECプラスの増産見送りや、中国・欧州などにおける石炭・天然ガス不足、ロシア・ウクライナ情勢の影響などにより7年ぶりの高値水準となりました。化学品市況は米国や中国などにおけるプラント新増設がありましたが、新型コロナウイルス禍からの需要回復、原油・天然ガス・石炭価格の上昇や、米国寒波、中国の環境規制、ロシア・ウクライナ情勢の影響などを受け上昇しました。

今後もロシア・ウクライナ情勢の長期化懸念や産油国を取り巻く環境変化など不確実性の高い状況が当面続くものと予想されますが、事業環境の変化を見極めながら、中核事業の強化に取り組んでまいります。また、低・脱炭素社会への移行が急速に進み、循環型社会の実現がますます重要となる中、業界の課題解決に資する石油・化学の総合力を活かしたバイオ・カーボンリサイクルなどの新規事業の創出にも取り組んでまいります。

 

④ 金属資源グループ

当連結会計年度は、豪州原料炭事業における市況上昇による影響や銅事業における受取配当金の増加、及び鉄鉱石事業における持分利益の増加により、前連結会計年度と比較して増益となりました。

当グループの中核事業の1つである原料炭については、需要が堅調な一方、供給側は中国国内で続発した炭鉱事故による一時操業停止、豪州・北米における天候に起因した供給障害や生産不調などによる需給の逼迫に加え、ロシア・ウクライナ情勢による供給不安の高まりにより、前連結会計年度に比べ市況は大幅に上昇しました。また、もう1つの主力事業である銅は、脱炭素に寄与する電化の流れから需要増への期待が醸成される中、各国における新型コロナウイルス禍からの経済回復や金融緩和政策により供給された資金が市場流動性の高い銅先物市場に流入したことなどにより、総じて価格は前連結会計年度に比べ高水準で推移しました。

翌連結会計年度以降は、原料炭においては、生産国の供給回復により需給の逼迫は緩和していくことが見込まれる一方、ロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁によるエネルギー・鋼材価格の高騰、欧州や日本などにおけるロシア産石炭の輸入制限・禁止などにより、海上貿易市場は先行きが不透明な状況です。銅市況は投機的な資金の流入により過熱感が生じていることから下落余地があるものの、ロシア・ウクライナ情勢や中国の新型コロナウイルス感染症政策や経済動向、及び金融引締めなどにより当面振れ幅が大きく推移する見込みです。

中長期的には、新興国を中心とする世界経済の成長や、脱炭素・電化を背景とした再エネ・EVの進展により、金属資源・非鉄製品の需要は底堅く推移する見通しです。

 

⑤ 産業インフラグループ

当連結会計年度は、千代田化工建設株式会社の顧客との係争に伴う一過性損失や同社宛て投資に関する無形資産の減損などにより、前連結会計年度と比較して減益となりました。

一方、船舶事業では市況好調に伴う売船益の計上や前連結会計年度の一過性損失の反動、産業機械事業では新型コロナウイルス禍からの回復に伴う製造業の設備投資全需並びに投資意欲の回復などにより増益となりました。

翌連結会計年度以降は、プラントエンジニアリング事業では脱炭素社会への移行に伴う新たな産業インフラ分野での需要増加が期待され、産業機械事業における建機レンタル、工作機械、エレベーター、国内農機など各事業分野では引き続き底堅い需要が見込めます。船舶事業においては、一般商船分野では引き続き傭船市況に左右され難い保有船隊ポートフォリオの構築を進め、ガス船分野ではLNG船需要は一定程度底堅い見通しであることに加えて、脱炭素社会への移行に伴う新たなエネルギー輸送需要の増加が見込まれます。各事業分野においてデジタル技術の活用が加速しており、既存事業の強化とともに、ソリューション提供型新規事業の展開を進めます。

 

⑥ 自動車・モビリティグループ

当連結会計年度は、三菱自動車工業株式会社の前連結会計年度で計上した固定資産減損や構造改革費用などの反動に加えて、当社取扱いの主力であるタイ・インドネシアをはじめとした各市場における持分利益の増加を受け、前連結会計年度と比較して増益となりました。

自動車市場は、新型コロナウイルス禍が続く中で半導体をはじめとする部品供給問題も発生し、厳しい事業環境にありましたが、当社は強固な顧客基盤を持つアセアン地域を中心に、近年強化しているデジタルマーケティングなどのオンライン施策を、従来のオフライン販売施策と上手く組み合わせることで販売台数やシェアの確保に努めました。

翌連結会計年度も新型コロナウイルス感染症や半導体をはじめとする部品供給不足問題に加え、地政学リスクの影響も懸念され、自動車市場は引き続き不透明ではありますが、既存のタイ・インドネシア事業を含むアセアン・新興市場を軸に自動車バリューチェーン事業の更なる機能強化と拡張を目指します。また、業界構造が大きく変化する中、長年培ってきた当社の強固なビジネス・顧客基盤や地域密着型の強みを活かしてモビリティサービス事業を推進します。

 

⑦ 食品産業グループ

当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大対策による移動制限などが緩和され、抑制傾向にあった食に関連する消費行動も、新型コロナウイルス禍前の水準に向けて回復基調にありました。前連結会計年度に欧米を中心とした外食需要の蒸発の影響から苦戦したCermaq社は、人流の回復に伴う消費行動の活性化に加え、従前より取り組んできた生産効率改善など自助努力も奏功し、増益となりました。グループ各社も生産効率化や収益力向上などを推進し、穀物飼料事業や食品化学事業などを中心に好調な結果となりました。

翌連結会計年度は、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な食糧価格や包装資材などの原材料費及び燃料費の高騰、そして急激な円安進行によるコスト上昇が、国内の食品加工・製造事業の収益を圧迫する見通しです。厳しい状況が続く中、グループ全体の生産性向上や収益力向上に継続して取り組むとともに、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の積極的活用によるサプライチェーン全体の効率化や高度化を加速させます。

 

⑧ コンシューマー産業グループ

当連結会計年度は、国内で新型コロナウイルス感染症の流行が継続し、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が各地域で断続的に発令されましたが、徐々に人流が回復し、コンビニエンスストア事業などで業績が改善しました。海外でも、北米・東南アジアにおける需要回復の影響を受け、タイヤ事業、アパレル事業などで業績が伸長しました。当グループの当期純利益は、持分利益の増加及び前連結会計年度に計上した一過性損失の反動などにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。

人口減少に伴う市場飽和や、人手不足に起因する人件費・物流費の上昇など、国内の事業環境は厳しさが増す状況下、当社子会社の三菱食品株式会社と共同で、DXによる流通効率化を目指し、AI活用によりサプライチェーンの無駄を削減する取組みを開始しました。一方、海外消費市場の成長取込みに向けて、株式会社ローソンは中国で出店を加速しており、2021年9月には現地店舗数が4千店を突破しました。また、当連結会計年度に新規進出した深圳・成都地区を含め、更なる店舗拡大を進めてまいります。

 

⑨ 電力ソリューショングループ

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の国内外での流行が継続しましたが、発電・送電の上流事業は長期契約に基づく安定収益モデルのため影響は軽微となりました。ガス・電力価格は継続的に上昇、特に当連結会計年度末にかけてロシア・ウクライナ情勢に伴う地政学リスクの顕在化により市況は更に高騰し、欧州や国内の電力小売事業などにおいては同高騰の影響がありましたが、発電資産などの売却益の増加により、前連結会計年度と比較して増益となりました。

脱炭素社会への移行が急速に進む市場環境下、再生可能エネルギーの事業機会は拡大方向にあります。洋上風力の成長が見込まれる日本や、N.V. Enecoをプラットフォームに持つ欧州を中心に、米州などでも再生可能エネルギー事業の更なる拡大を図ります。 川上(供給側)から川下(需要側)までの再生可能エネルギーを起点とした電力バリューチェーンを構築し、多様化するユーティリティニーズに応えるべく、様々な取組みを推進していきます。

 

⑩ 複合都市開発グループ

当連結会計年度は、航空機リース事業会社売却に伴う減損など一過性の損失を計上した一方、好調な北米不動産市場での物件売却益増加、グローバルな経済活動の回復を背景にした企業投資分野での投資先ファンドの評価益増加などにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。

不動産関連では、先進国中心に事業環境は回復基調にあり、とりわけ米国については、当連結会計年度第4四半期には新型コロナウイルス禍前の取引量を超える水準となるなど堅調に推移しました。

企業投資関連では、好調な資本市場・株式市場の影響も相まって、北米のデジタル関連企業投資を中心に好調に推移しました。

空港運営関連では、新型コロナウイルス禍による厳しい事業環境が続き、航空系収入・非航空系収入ともに大きな影響を受けましたが、国内線を中心に旅客数は着実に回復に向かっています。

翌連結会計年度以降も、新型コロナウイルス感染症や金融引締めによる影響などを注視する必要はあるものの、電子商取引の拡大やクラウドの普及を背景とした物流施設やデータセンターなど当グループ事業に対する需要は増加しており、持続的な市場拡大が見込まれています。当グループでは、今後も既存の都市開発、インフラ、アセットファイナンスなどの事業を強化・拡張していくとともに、都市化や低環境負荷といった社会・環境ニーズに応え、グループ内の事業を複合的に組み合わせた付加価値が高く、規模感のある事業を推進していきます。

 

4. 個別重要案件

当連結会計年度における重要な個別案件については、「2. 事業等のリスク ⑤事業投資リスク」内の(重要な投資案件)「a. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資」、「b. チリ銅資産権益への投資」 、「c. ペルー銅資産権益への投資」、「d. モントニー・シェールガス開発プロジェクト/LNGカナダプロジェクト」、「e. ローソンへの出資」及び「f. Enecoへの投資」をご参照ください。

 

2 【事業等のリスク】

① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク

世界的な、又は地域的なマクロ経済環境の変化は、個人消費や設備投資と深く関係し、商品市況にも影響を及ぼします。その結果、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開している事業の商品・製品価格、取扱量やコストなどに変動をもたらし、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度の経済環境は、総じて新型コロナウイルス感染症による経済危機から持ち直しましたが、弱毒化を伴いながらも所々で見られた新型コロナウイルス感染再拡大、ロシア・ウクライナ情勢などの影響により、回復ペースが弱まる局面も見られました。今後も世界経済は回復を続ける見通しですが、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立をはじめとする地政学リスク、米国の金融緩和の縮小、資源・エネルギー価格の高止まりなど、景気を下押しするリスク要因も多く、動向を注視すべきと認識しています。

 

② 市場リスク

以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。当期純利益への影響額は、他に記載のない限り当社の当連結会計年度の連結業績を踏まえて試算した、翌連結会計年度に対する影響額を記載しています。

 

a. 商品市況リスク

当社では、商取引や資源エネルギーの権益を保有して生産物を販売すること、事業投資先の工業製品を製造・販売することなどの活動においてさまざまな商品価格変動リスクを負っています。当社の業績に大きな影響を与える商品分野として次のようなものがあげられます。

 

(エネルギー資源)

当社は北米、東南アジア、豪州などにおいて、天然ガス・石油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、原油・ガス価格は当社の業績に重要な影響を与えます。

原油(Dubai)価格は、12月末には80米ドルに近い水準でしたが、1月以降価格は上昇し、2月のロシア・ウクライナ情勢を踏まえたロシア原油輸出量減少・途絶の懸念や、OPECプラスが3月2日会合でも追加増産に応じなかったことなどから原油価格は100米ドルを超過、更に3月8日の米国によるロシア原油輸入禁止の発表などもあり、同9日には130米ドルに近い水準まで上昇しました。その後、原油市場はIEA加盟国による石油備蓄の協調放出の動向等も踏まえ、3月末の時点で100米ドルに落ち着きました。短期的にはボラティリティの高い展開が続くと認識しています。

また、当社のLNG販売は長期契約が大部分を占めるものの、一部はスポット契約にて販売しています。1月初旬のアジアのLNGスポット価格は、百万Btu(英国熱量単位)当たり20米ドル台と例年比高値でスタートしました。ロシア・ウクライナ情勢を踏まえたロシアガス供給量減少を危惧し、欧州の天然ガス価格が一時高騰し、これに反応して3月上旬には過去最高値となる84米ドルまで急騰する場面もありましたが、その後はおよそ30米ドル台にて推移しました。

LNG価格は多くが原油価格にリンクしており、1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じてLNG・原油合わせて年間25億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。

 

(金属資源)

当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下「MDP社」)を通じて、製鉄用の原料炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。

銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると連結純利益で年間16億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間36億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に決定されない場合があります。

 

なお、生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えます。商品市況の長期的な低迷又は上昇が想定される場合には、保有する「有形固定資産」や「持分法で会計処理される投資」などの減損及び減損戻入を通じて、業績に影響を与える可能性があります。

 

b. 為替リスク

当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、海外における事業からの受取配当金や海外連結子会社・持分法適用関連会社の持分損益の連結純利益に占める割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では米ドル・円のレートが1円変動すると、連結純利益に年間約40億円の変動をもたらします。
更に、当社の海外事業への投資については、円高が進行すると在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、大口の投資については必要に応じて為替リスクのヘッジをするなどの施策を実行していますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。

 

c. 株価リスク

当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に約1兆100億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は約1,600億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。

 

d. 金利リスク

当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額(リース負債除く)は5兆6,432億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するというリスクがあります。
しかし、この有利子負債の相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金等と見合っており、金利が上昇した場合に、これらの資産から得られる収益も増加するため、金利の変動リスクは、タイムラグはあるものの、相殺されることになります。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産となっている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加しても、見合いの資産から得られる収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。ただし、金利の上昇が急である場合には、利息負担が先行して増加し、その影響を見合いの資産からの収益増加で相殺しきれず、当社の業績は一時的にマイナスの影響を受ける可能性があります。
このような金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、当社ではALM(Asset Liability Management)委員会を設置し、資金調達政策の立案や金利変動リスクの管理を行っています。

 

③ 信用リスク

当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証及び出資などの形で取引先に対して信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。また、当社は主としてヘッジ目的のためにスワップ、オプション、先物などのデリバティブ取引を行っており、デリバティブ取引の契約先に対する信用リスクを負っています。
当社では当該リスクを管理するために、取引先ごとに成約限度額・信用限度額を定めると同時に、社内格付制度を導入し、社内格付と与信額により定めた社内規程に基づき、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取付けを行っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

特に、新型コロナウイルスの変異・強毒化を伴った再びの世界的蔓延や地政学リスクの顕在化等により、企業の信用状態や資金繰りがより一層悪化する等して取引先の経営破綻が増加した場合には当社業績に影響を及ぼすリスクがあります。

 

④ カントリーリスク

当社は、海外の会社との取引や出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。

カントリーリスクについては、保険を付保するなど、案件の内容に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。また、カントリーリスク対策制度及び、地域戦略委員会を通じてカントリーリスクを管理しています。

カントリーリスク対策制度では、各国を各種リスク要因を踏まえて区分の上、区分ごとに枠を設定するなどの手法でカントリーリスクを一定範囲内にコントロールしています。

また、国ごとのリスク状況の把握、カントリーリスク対策制度の立案・管理、個別案件の評価等をコーポレート担当役員(地域戦略)を委員長とする地域戦略委員会で行っています。

ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同制度を通じた管理を通じ、コントロールしています。

しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

 

⑤ 事業投資リスク

当社は、株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、商権の拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。事業投資リスクの管理については、新規の事業投資を行う場合には、投資の意義・目的を明確にした上で、投資のリスクを定量的に把握し、事業特性を踏まえて決定した投下資金に対する利回りが、期待収益率を上回っているか否かを評価し、選別を行っています。投資実行後は、事業投資先ごとに、毎年定期的に「経営計画書」を策定しており、投資目的の確実な達成のための管理を行う一方、計画した収益を上げていない先については、持分売却・清算による撤退を含め、保有方針を明確にすることで、効率的な資産の入替を行っています。
しかしながら、このような投資評価の段階での案件の選別、投資実行後の管理を厳格に行っていますが、期待する利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(重要な投資案件)

 

a. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資

当社は、1968年11月にMDP社を設立し、炭鉱開発(製鉄用の原料炭)に取り組んできました。2001年には、MDP社を通じ、約1,000億円で豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業(以下「BMA」)の50%権益を取得し、パートナーのBHP社(BHP Group Limited、本社:豪州メルボルン)と共に事業を運営しています。現在では、BMAは年間6,500万トンの生産量を誇る世界最大規模の原料炭事業に成長しています。また、当連結会計年度末のMDP社の固定資産帳簿価額は1兆29億円となっています。
なお、MDP社については、商品市況リスクにより業績に影響を与える可能性がありますが、詳細については「2 ② a. 商品市況リスク(金属資源)」をご参照ください。

 

b. チリ銅資産権益への投資

当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下「アングロ社」)、チリ国営の銅生産会社であるCorporación Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ)と三井物産株式会社の合弁会社(以下「合弁会社」)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下「アングロスール社」)の株式を保有しています。

前連結会計年度において、アングロスール社の事業価値向上に資する取組みを同社が所在するチリ国で他パートナーと機動的に行うなど事業経営の深化を図ることを目的として、中南米における金属資源開発事業の中核会社であるチリ国M.C. Inverversiones Limitadaにアングロスール社の株式の移管を実施しました。

アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
同社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(同社合計の2021年銅生産量実績は約37万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しています。同社宛ての投資に関しては、「持分法で会計処理される投資」として減損の兆候判定を行っています。同社の生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。銅価格に関しては、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、当社としての見通しを策定しています。

当連結会計年度末の帳簿価額は約1,700億円となっています。

アングロスール社への投資に関連する許認可プロセスの状況については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記41をご参照ください。

 

c. ペルー銅資産権益への投資

当社は、アングロ社と共同で、ペルー共和国ケジャベコ銅鉱山プロジェクト(以下「ケジャベコ」)の権益保有会社であるアングロ・アメリカン・ケジャベコ社(Anglo American Quellaveco S.A.、本社:ペルー共和国リマ、以下AAQ社)の権益40%を保有しています。

ケジャベコは約8.8百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む世界最大規模の未開発鉱山で、高いコスト競争力を有しています。2018年8月より開発に向けた建設を開始し、2022年央の生産開始に向けた建設工事を進めています。本格的な生産立上げ後、当社持分生産量は約12万トン/年増加する見込みです。

当社はAAQ社への投資に対して持分法を適用しています。AAQ社宛ての投資に関しては、「持分法で会計処理される投資」として減損の兆候判定を行っています。ケジャベコは開発中であることに加え、生産計画は長期間に及ぶため、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。銅価格に関しては、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、当社としての見通しを策定しています。

当連結会計年度末時点のAAQ社に関する投資簿価と融資額の合計は約3,700億円となっています。

 

d. モントニー・シェールガス開発プロジェクト/LNGカナダプロジェクト

当社は、カナダにおいて上流資源開発からLNGの生産・輸出販売に至る天然ガスバリューチェーンを構築しています。上流事業として、パートナーのOvintiv社と共に、当社100%出資子会社のCUTBANK DAWSON GAS RESOURCES LTD.社を通じてシェールガスの開発事業を行っています。当社グループの権益保有比率は40%で、当連結会計年度末の帳簿価額は2,074億円となっています。
また、生産された天然ガスの一部をLNGとして輸出販売するため、事業パートナーと共に2018年にLNGカナダプロジェクトの最終投資決定をしました。同プロジェクトは、年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を建設し、日本など東アジアの需要国向けにLNGを輸出販売する事業で、2020年代中ごろの生産開始を予定しています。当社は子会社のDiamond LNG Canada Partnership(出資比率は当社96.7%、東邦ガス社3.3%)を通じて参画しており、パートナーであるShell社、Petronas社、PetroChina社、韓国ガス公社と共に同プロジェクトを推進しています。
なお、これらのプロジェクトについては、商品市況リスクにより、業績に影響を与える可能性がありますが、詳細については「2 ② a. 商品市況リスク(エネルギー資源)」をご参照ください。

 

上記以外の銅資産権益への投資や原油・ガス、LNG関連の投資についても、重要なリスクとして認識しています。なお、生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えます。

 

e. ローソンへの出資

当社は、2017年に株式会社ローソン(以下「ローソン社」)の発行済株式数の16.6%を株式公開買付により取得し、それまで保有していた33.4%と併せて、発行済株式の過半数を保有することとなり、同社を連結子会社としました。ローソン社は、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行うとともに、海外コンビニエンス事業及びそれ以外の周辺事業を運営しています。ローソン社の店舗網は、2022年2月末時点で、日本全国に約14,700店、海外に約4,800店の合計約19,500店の規模になっています。

前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の影響による足元の業績悪化や先行き不透明な状況等を踏まえ、当社として同社の事業計画を見直したことを背景に、取得時に認識した「のれん」及び「無形資産」の一部について、税後836億円(当社持分)の減損損失を計上しました。

今後も事業環境が悪化した場合には、ローソン社の業績や、「のれん」の減損などを通じて当社の業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は約1,600億円(持分比率勘案前)となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記14をご参照ください。

 

f. Enecoへの投資

当社は、2020年3月に、中部電力株式会社と共同で設立したDiamond Chubu Europe B.V.を通じて、欧州で総合エネルギー事業を展開するN.V. Eneco(以下「Eneco」)の100%の株式を約5,000億円で取得しました。

Enecoは、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)開発・供給事業、トレーディング事業、小売・新サービス事業それぞれの事業分野で高い競争力・適応力を有する総合エネルギー事業会社です。

当社は、Enecoの再エネに関する技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外で再エネ開発を加速させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現に資する取組みを強化する方針です。

電力需要や欧州マクロ経済が低迷する場合には、Enecoの業績や、取得時に認識した「のれん」の減損などを通じて当社の業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は約1,200億円(持分比率勘案前)となっています。

 

⑥ コンプライアンスに関するリスク

当社は、国内外で多くの拠点を持ち、あらゆる産業を事業領域としてビジネスを展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法、環境関連諸法や各種業法を遵守する必要があり、また海外で事業を展開する上では、それぞれの国・地域での法令・規制に従う必要があります。特に、足元ではロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁が導入・強化されていますが、当社はその動向を適時にフォローし、適切な対応を行っています。
当社はコンプライアンス委員会を設け、その委員会を統括するチーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースでの法令・規制遵守を指揮・監督しています。その指揮・監督の下、各営業グループ及びコーポレートスタッフ部門においても、各グループ・部門のコンプライアンス・オフィサーが、固有のコンプライアンス施策の立案・実施をするなど、コンプライアンス意識を高めることに努めています。また、当社は、子会社及び関連会社(上場会社は除く)に対して、当社と同等の水準で各社に適したコンプライアンス管理体制を構築させ、又はさせるように努めています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、関連する法令・規制上の義務を実行できない場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑦ 自然災害等の危機的な事象発生によるリスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ危機的な事象が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。

当社では、緊急危機対策本部を設置し、危機発生時における当社関係者の安全確保・安否確認等の初動対応、重要業務の事業継続計画(BCP)の整備、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、定期訓練、必要物資の備蓄等の各種対策を講じています。また、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく初動対応・事業継続計画(BCP)の策定、継続的なPDCAサイクルの実施等の包括的なマネジメント活動である事業継続マネジメント(BCM)を推進し、各種危機に備えています。

新型コロナウイルスの世界的な蔓延に関しては、産業医を加えた緊急危機対策本部を中心に、「社員の感染予防・感染拡大防止」と「適切な事業継続」の観点から、必要な措置を迅速に実行しています。国内・海外ともに、社員の安全を最優先としつつ、感染状況や日本政府・各自治体の要請、及び各国の情勢や規制に応じ、感染対策の徹底を図るとともに、都度必要な措置を実行し、安全状況を十分に確認した上で、適切な事業継続を図っていきます。

しかし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、かかる事象の発生時には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑧ 気候変動に関するリスク

異常気象の頻発による水資源への影響や、人口動態・自然界の生物多様性に与える影響、これに伴う食糧資源や自然資源への影響等、気候変動がもたらす影響は、地球環境や人類、企業活動にとり重大であるとともに、当社事業の継続性、並びに当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

気候変動に関連して生じるリスクは、カーボンプライシング(炭素税等)や各種規制拡大による操業・設備コストの増加、既存技術に依拠する製品・サービスの陳腐化等の移行リスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)と、渇水・洪水等による事業の操業への影響等の物理的リスクに大別されます。「経済価値」「社会価値」「環境価値」の三価値同時実現を目指している当社は、「脱炭素社会への貢献」を「マテリアリティ」の一つとして掲げ、気候変動を対処・挑戦すべき経営上の重要課題と位置づけ、気候変動関連リスクにも対応しています。

具体的には、重要な気候変動関連リスクをサステナビリティ・CSR委員会において特定の上、事業への影響を評価するとともに、特に影響の大きな事業に関しては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言も踏まえて1.5℃シナリオ分析などを実施し、当社の方針、各国の政策、外部機関等の分析結果、及び各事業における固有の状況を総合的に勘案し、当該事業の戦略に反映しています。加えて、「中期経営戦略2024」で発表のとおり、当社の各事業を気候変動の移行機会・リスクに応じて分類し、同事業分類に応じて低・脱炭素化に向けた取組みを推進します。これら一連の内容は、取締役会にも報告を行っています。

なお、気候変動の問題は、再生可能エネルギー、電気自動車、エシカル消費等、新技術・代替製品の開発・普及を促すことから、当社にとっては新規ビジネス機会の増加に繋がる側面があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要性のある会計方針及び見積り

財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える様な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社及び連結子会社の判断の基礎となっています。経営者は見積りが必要となる項目に関する評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。

当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

 

(2) 当連結会計年度の業績の概況

当連結会計年度の経済環境は、米国、欧州、中国を含む幅広い地域・国で新型コロナウイルス禍からの経済正常化が進展し、景気回復基調が続きましたが、ロシア・ウクライナ情勢の影響に伴い先行きには不透明感も高まっています。日本は新型コロナウイルス感染症の動きや円安・資源高の影響を受けつつも年度後半より景気は持ち直しに転じました。新興国経済も総じて回復基調を維持しましたが、一部の国ではオミクロン株を含む新型コロナウイルス感染再拡大や資源高・インフレを受けた景気回復の遅れも見られました。

 

このような環境下、当連結会計年度の業績の概況は、以下のとおりとなりました。当連結会計年度以降における主な取組みや、経営環境に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「1.中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」、「2.カーボンニュートラル社会の実現に向けて」及び「3.当連結会計年度のセグメント別の事業環境と翌連結会計年度以降の見通し」もご参照ください。

 

① 収益

当連結会計年度の収益は、市況好転による価格上昇及び取引数量の増加などにより、前連結会計年度を4兆3,803億円34%)上回る17兆2,648億円となりました。

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、豪州原料炭事業や鮭鱒養殖事業における市況好転、及び自動車関連事業における生産・販売台数増加、鉄鋼製品事業における販売価格の上昇などにより、前連結会計年度を5,457億円34%)上回る2兆1,508億円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、売却や持分減少に伴う子会社からの除外の影響による減少の一方で、経済活動の正常化に伴う増加などにより、前連結会計年度から343億円2%)増加し、1兆4,320億円となりました。

 

④ 有価証券損益

当連結会計年度の有価証券損益は、航空機リース事業会社売却に伴う減損損失の一方、海外電力事業の売却やファンド評価益の改善などにより、前連結会計年度を132億円21%)上回る753億円(利益)となりました。

 

⑤ 固定資産除・売却損益

当連結会計年度の固定資産除・売却損益は、海外現地法人におけるオフィス売却などにより、前連結会計年度を52億円347%)上回る67億円(利益)となりました。

 

⑥ 固定資産減損損失

当連結会計年度の固定資産減損損失は、前連結会計年度に計上したローソン宛てのれん及び無形資産の減損損失の反動などにより、前連結会計年度から1,395億円68%)改善し645億円となりました。

 

⑦ その他の損益-純額

当連結会計年度のその他の損益は、デリバティブ評価損益の変動などにより、前連結会計年度を53億円29%)上回る233億円(利益)となりました。

 

⑧ 金融収益

当連結会計年度の金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の増加などにより、前連結会計年度を687億円58%)上回る1,865億円となりました。

 

⑨ 金融費用

当連結会計年度の金融費用は、前連結会計年度からほぼ横ばいの467億円となりました。

 

⑩ 持分法による投資損益

当連結会計年度の持分法による投資損益は、三菱自動車工業における採算改善や前連結会計年度の減損損失の反動、及び幅広い事業における市況好転による持分損益の改善などにより、前連結会計年度を2,967億円306%)上回る3,938億円(利益)となりました。

 

⑪ 税引前利益

当連結会計年度の税引前利益は、上記の理由から、前連結会計年度を1兆396億円410%)上回る1兆2,931億円となりました。

 

⑫ 法人所得税

当連結会計年度の法人所得税は、豪州原料炭事業における利益増加などにより、前連結会計年度から1,674億円138%)負担増の2,887億円となりました。

 

⑬ 非支配持分に帰属する当期純利益

当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から1,072億円改善し、669億円(利益)となりました。

 

⑭ 当社の所有者に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の当社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度を7,649億円443%)上回る9,375億円となりました。これにより、ROEは15.0%となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度のセグメント別業績概況

(以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。セグメント別の事業内容及び業績の詳細は、第5 経理の状況 連結財務諸表注記6をご参照ください)

① 天然ガスグループ

当期純利益は1,051億円となり、前連結会計年度と比較して839億円396%)の増加となりました。これは、LNG関連事業や北米シェールガス事業における持分利益の増加、及びLNG関連事業における受取配当金の増加などにより増益となったものです。

 

② 総合素材グループ

当期純利益は368億円となり、前連結会計年度と比較して321億円683%)の増加となりました。これは、北米樹脂建材事業や鉄鋼製品事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。

 

③ 石油・化学ソリューショングループ

当期純利益は403億円となり、前連結会計年度と比較して141億円54%)の増加となりました。これは、石油化学事業における取引利益の増加や、LPG事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。

 

④ 金属資源グループ

当期純利益は4,207億円となり、前連結会計年度と比較して3,426億円439%)の増加となりました。これは、豪州原料炭事業における市況上昇による影響や銅事業における受取配当金の増加、及び鉄鉱石事業における持分利益の増加などにより増益となったものです

 

⑤ 産業インフラグループ

当期純利益は173億円となり、前連結会計年度と比較して39億円18%)の減少となりました。これは、千代田化工建設宛て投資に関する無形資産の減損損失などにより減益となったものです。

 

⑥ 自動車・モビリティグループ

当期純利益は1,068億円となり、前連結会計年度と比較して1,349億円の改善となりました。これは、前連結会計年度に計上した三菱自動車工業における一過性損失の反動に加え、三菱自動車工業やアジア自動車事業における持分利益の増加などによるものです

 

⑦ 食品産業グループ

当期純利益は793億円となり、前連結会計年度と比較して399億円101%)の増加となりました。これは、鮭鱒養殖事業における持分利益の改善などにより増益となったものです

 

⑧ コンシューマー産業グループ

当期純利益は210億円となり、前連結会計年度と比較して942億円の改善となりました。これは、前連結会計年度に計上したローソン宛てのれん及び無形資産の減損損失の反動などによるものです

 

⑨ 電力ソリューショングループ

当期純利益は505億円となり、前連結会計年度と比較して82億円19%)の増加となりました。これは、海外発電資産等の売却益の増加などにより増益となったものです

 

⑩ 複合都市開発グループ

当期純利益は400億円となり、前連結会計年度と比較して146億円57%)の増加となりました。これは、航空機リース事業会社売却に伴う減損損失等の一方、北米不動産開発事業における物件売却益やファンド評価益の増加などにより増益となったものです

 

 

(4) 販売、仕入及び受注の状況

① 販売の状況

「(2) 当連結会計年度の業績の概況」及び第5 経理の状況 連結財務諸表注記24をご参照ください。

 

② 仕入の状況

仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。

 

③ 受注の状況

販売までの期間が1年以内の受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。販売までの期間が1年超の受注については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記24をご参照ください。

 

(5) 流動性と資金の源泉

① 資金調達方針と流動性マネジメント

当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続するとともに、十分な流動性の確保を行っていく方針です。当連結会計年度の資金調達活動としては、前連結会計年度に引き続き、財務健全性の向上に努めつつ、外貨建社債等による調達を行いました

これらの資金調達活動の結果、当連結会計年度末のグロス有利子負債(リース負債除く)残高は、前連結会計年度末から11億円減少し5兆6,432億円となり、このうち81%が長期資金となっています。有利子負債のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。なお、当社単体のグロス有利子負債残高は4兆2,792億円であり、このうち長期資金は78%を占め、平均残存期間は約6年となっています
翌連結会計年度は、引き続き資金調達ソースの多様化等を通じて、中長期的に安定した調達基盤を維持する方針です。また、連結ベースでの資金効率の向上に向けた取組みも継続します。
金融市場の環境は、地政学的リスクや主要国の金融政策の変化など、引き続き予断を許さない状況のため、細心の注意を払って対処すべく、現預金等及び銀行融資枠(コミットメントライン)を十分に確保し、流動性を維持してまいります。

連結ベースでの資金管理体制については、当社を中心に国内外の金融子会社、海外現地法人等において集中して資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンス方針を原則としています。結果として、当連結会計年度末では、連結有利子負債のうち82%が当社、国内外の金融子会社、海外現地法人等による調達となっています。今後も連結経営の深化を見据え、連結ベースでの資金管理体制の更なる充実を図ります

当連結会計年度末の流動比率は連結ベースでは130%となっており、流動性の点で当社の財務健全性は高いといえます。また、当連結会計年度末時点の当社、北米三菱商事、Mitsubishi Corporation Finance、MC Finance & Consulting Asia、MC Finance AustraliaでCP及び1年以内に償還を予定している社債を合わせた短期の市場性資金が4,164億円あるのに対して、現預金、フィーを支払って確保しているコミットメントライン、一年以内に満期の到来する公社債が合計で1兆5,594億円あり、カバー超過額は1兆1,430億円と十分な水準にあると考えています。なお、当社のコミットメントラインについては、協調融資枠として円貨で5,100億円を国内主要銀行より、外貨で主要通貨10億米ドル、ソフトカレンシー1.5億米ドル相当を欧米を中心とした国内外の主要銀行より取得しています

当社ではグローバルな資金調達とビジネスを円滑に行うため、格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の3社から格付けを取得しています。3社の当連結会計年度末の当社に対する格付け(長期/短期)は、R&IがAA-/a-1+(見通し安定的)、ムーディーズがA2/P-1(見通し安定的)、S&PがA/A-1(見通し安定的)となっています

 

② 資産及び負債・資本

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より3兆2,770億円18%)増加し、21兆9,120億円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より2兆4,281億円34%)増加し、9兆5,310億円となりました。これは、需要回復に伴う価格上昇及び取引数量増加により営業債権及びその他の債権が増加したことなどによるものです。

非流動資産は、前連結会計年度末より8,489億円(7%)増加し、12兆3,810億円となりました。これは、円安に伴う為替換算の影響により有形固定資産や持分法で会計処理される投資が増加したことなどによるものです。
 
負債は、前連結会計年度末より1兆9,582億円16%)増加し、14兆548億円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より1兆9,476億円36%)増加し、7兆3,178億円となりました。これは、需要回復に伴う価格上昇及び取引数量増加により営業債務及びその他の債務が増加したことなどによるものです。

非流動負債は、前連結会計年度末より106億円0%)増加し、6兆7,370億円となりました。
 
資本合計は、前連結会計年度末より1兆3,188億円20%)増加し、7兆8,572億円となりました。
当社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末より1兆2,666億円23%)増加し、6兆8,802億円となりました。これは、主に連結純利益の積み上がりにより利益剰余金が増加したことや、円安の影響による在外営業活動体の換算差額の増加などによるものです。

また、非支配持分は、前連結会計年度末より522億円6%)増加し、9,769億円となりました。
有利子負債総額から現金及び現金同等物や定期預金を控除したネット有利子負債(リース負債除く)は、前連結会計年度末より2,387億円(6%)減少し、3兆9,397億円となりました。

 

 

また、セグメントごとの前連結会計年度及び当連結会計年度における情報は以下のとおりです。

 

     (前連結会計年度) 

                                                                     (単位:億円)

 

天然ガス

総合素材

石油・化学

金属資源

産業インフラ

自動車・

モビリティ

持分法で会計処理される
投資

5,805

1,365

1,393

4,752

2,062

2,634

その他の投資

3,761

770

944

3,370

461

1,046

有形固定資産及び
投資不動産 

1,712

1,077

574

8,467

1,276

342

無形資産及びのれん

24

115

33

22

1,298

122

資産合計

15,799

11,285

9,475

34,250

10,902

14,614

 

 

(単位:億円)

 

食品産業

コンシューマー産業

電力

ソリューション

複合都市開発

その他、

調整・消去

連結金額

持分法で会計処理される
投資

3,188

1,740

3,693

5,629

644

32,905

その他の投資

1,357

3,171

166

1,210

1,904

18,160

有形固定資産及び
投資不動産 

2,981

3,272

4,931

555

869

26,056

無形資産及びのれん

1,819

5,394

3,309

17

332

12,485

資産合計

17,308

38,763

18,150

9,962

5,842

186,350

 

 

   (当連結会計年度)  

                                                                     (単位:億円)

 

天然ガス

総合素材

石油・化学

ソリューション

金属資源

産業インフラ

自動車・

モビリティ

持分法で会計処理される
投資

5,995

1,621

1,440

5,238

1,994

3,014

その他の投資

3,640

523

957

 4,139

526

1,191

有形固定資産及び
投資不動産 

2,489

1,073

525

10,042

1,234

388

無形資産及びのれん

22

109

38

34

987

104

資産合計

20,160

13,550

12,430

45,547

11,299

16,993

 

 

(単位:億円)

 

食品産業

コンシューマー産業

電力

ソリューション

複合都市開発

その他、

調整・消去

連結金額

持分法で会計処理される
投資

3,509

1,848

4,351

6,021

▲2

35,029

その他の投資

1,569

2,958

100

1,217

2,759

19,579

有形固定資産及び
投資不動産 

3,054

3,455

5,136

530

858

28,784

無形資産及びのれん

1,975

5,330

3,314

4

299

12,216

資産合計

19,686

39,303

26,501

11,362

2,289

219,120

 

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,378億円増加し、1兆5,556億円となりました。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により資金は1兆558億円増加しました。これは、運転資金負担の増加や法人所得税の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入などにより資金が増加したものです。
また、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響等による取引減少に伴う運転資金の負担減の反動があったものの、営業収入や配当収入の増加などにより、前連結会計年度と比較して、382億円の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により資金は1,676億円減少しました。これは、関連会社への投資やその他の投資の売却などによる収入があったものの、設備投資、関連会社への投資や融資などの支出により、資金が減少したものです。

また、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のHERE Technologies社宛て投資の支出の反動や、海外電力事業・航空機リース事業の持分売却収入などにより、前連結会計年度と比較して、1,897億円の増加となりました。

 

投資キャッシュ・フローの主な内容及びセグメントは以下のとおりです。

 新規・更新投資

 ・銅事業(金属資源)

 ・豪州原料炭事業(金属資源)

 ・LNG関連事業(天然ガス)

 ・欧州総合エネルギー事業(電力ソリューション)

 ・北米不動産事業(複合都市開発)

 ・CVS事業(コンシューマー産業)

 ・海外電力事業(電力ソリューション)

 ・アジア不動産事業(複合都市開発)

 売却及び回収

 ・北米シェールガス事業(天然ガス)

 ・海外電力事業(電力ソリューション)

 ・北米不動産事業(複合都市開発)

 ・航空機リース事業(複合都市開発)

 

以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは8,882億円の資金増となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により資金は6,934億円減少しました。これは、リース負債の返済や配当金の支払い、短期借入債務の返済などにより資金が減少したものです。

また、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、運転資金需要が増加したものの、営業収入等の増加による資金が資金需要を上回り、前連結会計年度と同水準となりました。

 

配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。

 

また、上記の財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表すべく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。

 

営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)は、当連結会計年度において1兆2,365億円の資金増となりました。また、前連結会計年度と比較して6,113億円の増加となりました。

 

この結果、調整後フリーキャッシュ・フローは、1兆689億円の資金増となりました。

 

(6) 経営戦略の進捗状況

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。

 

(注意事項)

本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末時点で入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。