当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前連結会計年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、文中の下線部分が変更箇所です。
① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
世界的な、又は地域的なマクロ経済環境の変化は、個人消費や設備投資と深く関係し、商品市況にも影響を及ぼします。その結果、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開している事業の商品・製品価格、取扱量やコストなどに変動をもたらし、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当第2四半期連結累計期間においては、ロシア・ウクライナ情勢の影響、資源価格の高止まり、物価上昇の深刻化といった下押し圧力の中でも、欧米・中国を含む幅広い地域・国において新型コロナウイルス禍からの経済正常化による景気の回復基調は維持されました。今後は、これらの下押し圧力の長期化が懸念されることに加え、欧米を中心とした金融政策の引き締め方向への急転換の効果が実体経済に伝播しつつあり、世界経済は徐々に減速傾向を強めていくとみられるため、動向を注視しています。
② 市場リスク
以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。
a. 商品市況リスク
(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州などにおいて、天然ガス・石油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、原油・ガス価格は当社の業績に重要な影響を与えます。
原油(Dubai)価格は、当第2四半期連結会計期間において、7月は1バレル当たり100米ドル~110米ドル後半で推移したものの、低調な中国の経済指標を受けた世界的景気減速懸念や、イラン核合意の復活に向けた交渉が前進する見通し等から、9月末時点で80米ドル後半となりました。今後も経済情勢やロシア・ウクライナ情勢などによって価格が上下するボラティリティの高い展開が続くと認識しています。
また、当社のLNG販売は長期契約が大部分を占めるものの、一部はスポット契約にて販売しています。7月初旬のアジアのLNGスポット価格は、百万Btu(英国熱量単位)当たり約40米ドルと例年比高値でスタートしました。7月以降もLNG需給の逼迫により、30米ドル半ば~約70米ドルと例年比高値で推移し、9月末時点でも30米ドル後半と高値を維持しました。これは、前連結会計年度より懸念されていたロシアによる欧州向けパイプラインガスの供給量減少が顕在化したことで、欧州においてガス価格が高騰するとともにLNGの需要が増加したこと等が要因です。
LNG価格は多くが原油価格にリンクしており、1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じてLNG・原油合わせて年間25億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
(金属資源)
当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下「MDP社」)を通じて、製鉄用の原料炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。
銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると連結純利益で年間21億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間46億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に決定されない場合があります。
なお、生産・開発計画は長期間に及ぶため、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えます。商品市況の長期的な低迷又は上昇が想定される場合には、保有する「有形固定資産」や「持分法で会計処理される投資」などの減損及び減損戻入を通じて、業績に影響を与える可能性があります。
当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、海外における事業からの受取配当金や海外連結子会社・持分法適用関連会社の持分損益の連結純利益に占める割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では米ドル・円のレートが1円変動すると、連結純利益に年間約50億円の変動をもたらします。
更に、当社の海外事業への投資については、円高が進行すると在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、大口の投資については必要に応じて為替リスクのヘッジをするなどの施策を実行していますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。
④ カントリーリスク
当社は、海外の会社との取引や出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。
カントリーリスクについては、保険を付保するなど、案件の内容に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。また、カントリーリスク対策制度及び、地域戦略委員会を通じてカントリーリスクを管理しています。
カントリーリスク対策制度では、各国を各種リスク要因を踏まえて区分の上、区分ごとに枠を設定するなどの手法でカントリーリスクを一定範囲内にコントロールしています。
また、国ごとのリスク状況の把握、カントリーリスク対策制度の立案・管理、個別案件の評価等をコーポレート担当役員(地域戦略)を委員長とする地域戦略委員会で行っています。
ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同制度を通じた管理を通じ、コントロールしています。
しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記4をご参照ください。
⑤ 事業投資リスク
(重要な投資案件)
c. ペルー銅資産権益への投資
当社は、アングロ社と共同で、ペルー共和国ケジャベコ銅鉱山プロジェクト(以下「ケジャベコ」)の権益保有会社であるアングロ・アメリカン・ケジャベコ社(Anglo American Quellaveco S.A.、本社:ペルー共和国リマ、以下AAQ社)の権益40%を保有しています。
ケジャベコは約8.9百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む大規模鉱山で、高いコスト競争力を有しています。2018年より開発に向けた建設を開始し、2022年に銅精鉱の生産を開始しました。当社の持分銅生産量は現在20万トン/年超と本邦最大規模ですが、本鉱山の本格的な立上げ後、32~37万トン程度/年となる見込みです。
当社はAAQ社への投資に対して持分法を適用しています。AAQ社宛ての投資に関しては、「持分法で会計処理される投資」として減損の兆候判定を行っています。ケジャベコの生産計画は長期間に及ぶため、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。銅価格に関しては、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、当社としての見通しを策定しています。
当第2四半期連結会計期間末時点のAAQ社に関する投資簿価と融資額の合計は約4,800億円となっています。
(以下「四半期純利益」は、当第2四半期連結累計期間における「当社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しています)
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記4をご参照ください。
(2) 業績
当第2四半期連結累計期間においては、ロシア・ウクライナ情勢の影響、資源価格の高止まり、物価上昇の深刻化といった下押し圧力の中でも、欧米・中国を含む幅広い地域・国において新型コロナウイルス禍からの経済正常化による景気の回復基調は維持されました。日本経済は、資源価格の高止まり、円安の進行に伴う物価上昇が国民生活にもたらす影響が強まりましたが、新型コロナウイルス禍からの行動規制が緩和されたことを背景に、景気は総じて回復基調を維持しました。
このような環境の下、当第2四半期連結累計期間の収益は、市況上昇及び取引数量増加などにより、前第2四半期連結累計期間を2兆9,952億円(39%)上回る10兆7,219億円となりました。
売上総利益は、豪州原料炭事業における市況上昇などにより、前第2四半期連結累計期間を4,209億円(48%)上回る1兆2,987億円となりました。
販売費及び一般管理費は、円安に伴う為替換算の影響などにより、前第2四半期連結累計期間から760億円(11%)増加し、7,629億円となりました。
有価証券損益は、不動産運用会社宛て投資の売却益などにより、前第2四半期連結累計期間を1,167億円(409%)上回る1,452億円(利益)となりました。
その他の損益は、生物資産評価損益の変動などにより、前第2四半期連結累計期間を153億円(76%)下回る49億円(利益)となりました。
金融収益は、前第2四半期連結累計期間からほぼ横ばいの897億円となりました。
金融費用は、米ドル金利上昇などにより、前第2四半期連結累計期間から215億円(100%)増加し、430億円となりました。
持分法による投資損益は、天然ガス・原油価格上昇による持分損益の増加などにより、前第2四半期連結累計期間を846億円(45%)上回る2,747億円(利益)となりました。
これらの結果、税引前利益は、前第2四半期連結累計期間を5,070億円(102%)上回る1兆64億円となりました。
以上により、四半期純利益は、前第2四半期連結累計期間を3,594億円(100%)上回る7,200億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
(セグメント別の事業内容及び業績の詳細は、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記5をご参照ください)
a.天然ガス
四半期純利益は464億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して61億円の増加となりました。これは、LNG販売事業における取引損失の影響の一方、LNG関連事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
b.総合素材
四半期純利益は373億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して165億円の増加となりました。これは、北米樹脂建材事業における持分利益の増加や、機能材事業における取引利益の増加などにより増益となったものです。
c.石油・化学ソリューション
四半期純利益は357億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して151億円の増加となりました。これは、化学品製造事業における繰延税金負債の取崩しや、LPG事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
d.金属資源
四半期純利益は3,215億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して1,788億円の増加となりました。これは、豪州原料炭事業における市況上昇による影響などにより増益となったものです。
e.産業インフラ
四半期純利益は174億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して51億円の増加となりました。これは、前年同期に計上した千代田化工建設におけるイクシスLNGプロジェクト係争関連損失の反動などにより増益となったものです。
f.自動車・モビリティ
四半期純利益は855億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して335億円の増加となりました。これは、アセアン自動車事業や三菱自動車工業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
g.食品産業
四半期純利益は421億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して13億円の減少となりました。
h.コンシューマー産業
四半期純利益は185億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して12億円の増加となりました。
i.電力ソリューション
四半期純利益は91億円(損失)となり、前第2四半期連結累計期間と比較して38億円の悪化となりました。これは、米州電力事業における持分利益の増加の一方、国内発電事業における設備不具合による損失発生や持分利益の減少などによるものです。
j.複合都市開発
四半期純利益は1,146億円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して990億円の増加となりました。これは、不動産運用会社の売却益などにより増益となったものです。
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,247億円減少し、1兆4,309億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動により資金は1兆573億円増加しました。これは、法人所得税の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入のほか、運転資金負担の減少などにより、資金が増加したものです。
また、前第2四半期連結累計期間と比較して7,025億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動により資金は205億円減少しました。これは、不動産運用会社宛て投資の売却や関連会社への投資の売却などによる収入があったものの、設備投資、関連会社への投資や融資などによる支出により、資金が減少したものです。
また、前第2四半期連結累計期間と比較して1,192億円の増加となりました。
投資キャッシュ・フローの主な内容及びセグメントは以下のとおりです。
新規・更新投資
・銅事業(金属資源)
・欧州総合エネルギー事業(電力ソリューション)
・豪州原料炭事業(金属資源)
・海外電力事業(電力ソリューション)
・北米不動産事業(複合都市開発)
・LNG関連事業(天然ガス)
・CVS事業(コンシューマー産業)
売却及び回収
・不動産運用会社宛て投資(複合都市開発)
・北米シェールガス事業(天然ガス)
・アルミ製錬事業(金属資源)
・総合エンジニアリング事業(産業インフラ)
・海外水事業(電力ソリューション)
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは1兆368億円の資金増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動により資金は1兆2,155億円減少しました。これは、借入債務の返済やリース負債の返済、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより資金が減少したものです。
また、前第2四半期連結累計期間と比較して1兆411億円の減少となりました。
配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。自己株式の取得は、総還元性向の水準及び資本構成の適正化のために実施したものです。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。
また、上記の財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表すべく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。
営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)は、当第2四半期連結累計期間において7,070億円の資金増となりました。また、前第2四半期連結累計期間と比較して2,138億円の増加となりました。
この結果、調整後フリーキャッシュ・フローは、6,865億円の資金増となりました。
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
a.2022年度の業績見通し及び株主還元の修正
2022年度の業績見通しについては、5月10日に8,500億円と公表していましたが、資源価格の上昇を受けた金属資源、天然ガスセグメントに加え、自動車・モビリティ、電力ソリューション、総合素材などの各セグメントで増益を見込み、11月8日に1兆300億円に上方修正しました。また、上方修正に合わせて、1株当たり配当見通しについては5月10日公表の期初見通し150円から5円増配の155円に修正し、さらに700億円の自己株式取得を決定しました。
(5) 研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達に当たっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利な手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く良好な関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続するとともに、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第2四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高(リース負債除く)は、前連結会計年度末から4,237億円減少し5兆2,195億円となり、このうち80%が長期資金となっています。有利子負債(リース負債除く)のうち、5,400億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である2,700億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末から1,575億円減少し1兆5,459億円となっています。当第2四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで128%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結会計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。
特に記載すべき事項はありません。