当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「水産物をコアとし、お客様に価値ある商品とサービスを提供することにより、食文化の発展に貢献します。」を経営理念としております。
また、生産者から消費者までの水産物流通のトータルシステムである「新しい水産物流通サービス業を創造し、お客様に安全・安心と満足を提供することにより、社会に貢献することを通じて企業価値の最大化を図る。」ことをグループ経営の基本方針としております。
(2)経営環境
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の扱いが感染症法の「5類」に移行し、経済活動は正常化してきており、所得情勢には回復への足踏みがみられるものの、個人消費、設備投資、生産活動、雇用情勢には持ち直しの動きがみられます。
消費者心理は、消費者物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、厳しい状況にあります。また、消費者購買行動では、生活防衛意識を反映し、節約志向が継続しています。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の正常化が進み、外食・宿泊・インバウンド関連需要は回復しつつあるものの、内食関連需要は消費者物価の高止まり等から総じて縮小しつつあります。
また、価格動向については、円安やコスト上昇などを反映して、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は一部に下落はあるものの全般的に上昇し、これに呼応して販売価格も上昇しています。
業界環境としては、価格上昇により需要が全般的に伸び悩む中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にありました。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、外食・宿泊・インバウンド関連需要は堅調に推移するものの、内食関連需要は生活防衛意識を反映して総じて伸びにくい状況下にあると予測されます。
(3)経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2024年度から新たに3カ年(2026年度まで)を対象とした『OUGグループ中期経営計画2024』(以下「本中計」という。)(2024年5月10日公表)を策定しております。
本中計は、グループの経営環境を再確認するとともに、基本的には2021年度から2023年度を対象とした『OUGグループ中期経営計画2021』(以下「前中計」という。)の考え方を踏襲し、前中計の遂行によって得られた知見等を踏まえ、その発展形として策定しました。
事業推進に当たっては、継続してバリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、1.「鮮魚事業の強化」、2.「商品力の強化」、3.「関東マーケットの深耕・拡大」、4.「海外事業の拡大」、5.「サステナブルな事業活動」に取り組んでまいります。
また、経営基盤の整備・強化に当たっては、1.「事業ポートフォリオの見直し等の財務関連」、2.「人的資本充実等の人事関連」、3.「基幹業務システム導入等のシステム関連」、4.「IRの体制整備・充実」、5.「品質保証活動の充実・高度化」、6.「サステナビリティの推進」、7.「共通機能の高度化」のテーマに取り組んでまいります。
このような企業活動を通じ、「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けて取り組むとともに、お客様に価値ある商品とサービスを提供することにより食文化の発展に貢献し、企業価値を最大化してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
本中計における当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、事業規模の拡大及び利益率の向上を目的として、売上高、営業利益、経常利益を重要な経営指標と位置づけ、また、資本効率の向上と財務体質の強化を目的として、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標と位置づけております。
本中計の最終年度である2026年度の目標値は、売上高341,000百万円、営業利益4,300百万円、経常利益4,300百万円、ROE(自己資本利益率)8.0%を維持、ROIC(投下資本利益率)5.0%であります。
(5)その他、会社の経営上重要な事項
特記すべき事項はありません。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本方針
当社グループは、グループの経営理念「水産物をコアとし、お客様に価値ある商品とサービスを提供することにより、食文化の発展に貢献します。」を実現するために、適正な企業統治の下、水産物の源泉となる海の環境と資源を守り、社会性も踏まえ持続可能な水産物の流通に寄与していくことが社会的使命・責任であると認識しております。
当社グループは、この使命・責任を経営活動(本業)及び社会貢献活動を通じ果たしていくことにより、持続可能な社会の実現及びグループの持続的な成長並びに企業価値の向上を図ってまいります。
(2)「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」に関する考え方及び取組
①ガバナンス
当社は気候変動をはじめとするサステナビリティの対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行ってまいります。
≪取締役会による監督体制≫
取締役会は、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)について、サステナビリティ委員会より取組状況等の報告を受け、モニタリングを行ってまいります。
≪経営者の役割≫
代表取締役社長はサステナビリティ委員会の委員長として、サステナビリティに関するリスクと機会が事業に与える影響について評価し、対応策の立案等を行い、その達成状況の管理を統括いたします。
≪サステナビリティ委員会≫
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、委員は取締役(社外取締役を含む)及び執行役員で構成されます。サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の特定やその対応策について審議し、取締役会に答申いたします。
②戦略
当社グループの戦略については、今後当社グループにおけるサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定することにより、当社グループに及ぼすリスクと機会を検討し、策定してまいります。
また、当社グループは経営理念のもと、役職員が責任ある社会の一員としての行動を促すためにグループ行動規範を定め、多様性のある人材が育成される仕組みと社内環境の整備に取り組むため、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次のとおり定めております。
≪人材育成方針≫
当社グループは、環境変化が激しい複雑系の社会にあって異なる視点、価値観、経験、資質等を備えた多様な人材を確保し、当該人材が活躍することは、事業を成功裏に推進していくうえで重要な要素であると認識しております。したがって、多様性を有する人材がその能力を十分に発揮できるよう育成していくことを方針としております。
具体的な取組みとして、事業遂行に必要とされる専門知識・ノウハウについて、個々のパフォーマンスを向上させるため、OJT及び階層別研修等のOff-JTを実施しております。
また、自己啓発や資格取得などの学習機会の提供も行っており、キャリア形成と能力開発を支援しております。さらに、法令や社内規程の遵守及び当社グループが定める行動規範の浸透を図るためのコンプライアンス研修を実施しております。
≪社内環境整備方針≫
当社グループは、仕事と子育て・介護との両立の支援、ハラスメント行為の防止を図るための研修の実施及び内部通報窓口の設置、異動に関する申告制度を設けるなど、安心して働くことができる職場の環境整備を図っております。
また、生活習慣病予防健診や人間ドック、保健指導等により社員の健康づくりを推進しております。
③リスク管理
サステナビリティに関するリスクは、サステナビリティ委員会において識別・評価し、取締役会に報告してまいります。
≪サステナビリティに関するリスクを識別・評価・管理するプロセス≫
サステナビリティ委員会は、当社グループにおけるリスクならびに機会の特定を行い、リスクを識別し、識別されたリスクについては、潜在的な影響の大きさを評価し、最小化に向けた方針やその対応策を当社の関係部署及びグループ会社に指示してまいります。
また、識別・評価したリスクの対応策の進捗については、取締役会に報告してまいります。
取締役会は、サステナビリティ委員会から報告を受け、監督を行ってまいります。
④指標及び目標
当社グループでは、前記「②戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
人材育成方針及び社内環境整備方針に関する指標、目標及び実績
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指標 |
目標(当連結会計年度) |
実績(当連結会計年度) |
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(注)1.当連結会計年度におけるコンプライアンス研修の受講率については、水産物荷受事業、市場外水産物卸売事業、養殖事業、物流事業、食品加工事業及びその他事業のセグメントに属する連結子会社において実施したものであります。
2.当連結会計年度におけるグループ取締役・執行役員研修の受講率については、当社グループの連結子会社の取締役及び執行役員を対象に実施したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
ただし、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載いたしましたリスク以外のリスクも存在し、その要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)需給動向及び市況に関するリスク
当社グループは、水産物等の卸売事業を主たる事業とし、当該事業に関連する事業としてハマチ・ブリ、マグロ等の養殖事業、水産物の加工事業等を行っております。
水産物は、その性質上、天然資源であり、漁獲量や養殖生産量等の供給量と需要量のバランスにより市況が形成される傾向にあることから、需給バランスの変動による取引価格等の変動を可能な限り見極めるため、漁獲量、養殖生産量の動向等の生産者情報や選好指向、購買行動等の消費者情報、及び市況情報等を精緻に収集・分析し営業活動を行っております。
しかしながら、将来において、海洋環境の変化等による漁獲量、養殖生産量等の急激な変化により需給バランスが崩れ、市況が大幅に変化する場合は、消費動向の急激な変化により販売計画に齟齬が生じる可能性があり、特に多大な売上高の減少、利益率の低下等があった時は、経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(2)食品の安全性に関するリスク
当社グループでは、「お客様に安全・安心、満足をお届けする」旨を経営ビジョンの一つとして位置付けております。この考えのもと、取扱商品・製品の安全性や品質等を確保するため、品質管理部門を設置するなどして品質管理体制を構築するとともに加工部門、委託加工先においては一層の衛生管理水準の向上や異物混入の排除等に努めております。
しかしながら、将来において、当社グループの経験値に基づく想定を超える事象が発生した場合は、販売・製造活動の停止、商品・製品の回収・廃棄、信用力の低下等により、グループ全体の業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、商品・製品の回収・廃棄費用、損害賠償費用等の計上により、経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(3)自然災害に関するリスク
当社グループは、全国に営業拠点を配置し営業活動を行っております。
このため、台風、地震、大雨等の自然災害の発生に備え、事業を継続的に行えるよう、営業拠点候補地の選定にあたっては災害等の顕在化する可能性等を勘案して行うとともに、建物の建設にあたっても災害等に対する構造・強度、耐震性、耐火性等も勘案して行うよう努めております。また、災害発生時には速やかな復旧に努めることはもとより、その後の災害も見通した対策を講じてきております。
しかしながら、将来において、当社グループの経験値に基づく想定を超える大規模な自然災害が発生した場合あるいは複合的な事象が重なった場合は、人的・物理的な被害や停電等により業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、施設等改修費用、商品・製品在庫の廃棄損等の計上により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(4)感染症の流行に関するリスク
当社グループは、水産物を国内外から調達して、必要に応じて国内で加工等を施し、国内外の顧客に販売することなどを主たる営業活動の形態としております。
主たる販売先は、卸売市場仲卸業者、加工業者、量販店、外食業者、宿泊業者等であります。
感染症の流行に備え、役職員への感染防止の徹底、調達・販売ルートの分散化等に注力しております。
しかしながら、将来において、重篤な症状に至る感染症のパンデミックが起きた場合は、感染による役職員の就業禁止、外出自粛や入国規制に伴う販売先の休業、輸送停止に伴う海外取引の停止等により業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少等により、経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(5)養殖事業に関するリスク
当社グループは、九州・四国において、ハマチ・ブリ、マグロ等の養殖事業を行っております。
このため、台風、津波、赤潮、魚病等の発生による養殖魚の海洋流出、斃死等に備え、養殖漁場を6カ所に分散するとともに、自然災害の影響縮小化に対応した養殖施設の設置、海洋環境の保全に対応した投餌方法の採用、養殖密度の低減、養殖魚生育管理の充実等に注力した事業運営を行っております。加えて、養殖魚に係る一定補償限度額の損害賠償保険にも加入しております。
しかしながら、将来において、大規模な自然災害、予防困難な魚病等が発生した場合は、大量の養殖魚の海洋流出、斃死等により業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、在庫の評価損・廃棄損等の計上により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(6)情報システムに関するリスク
当社グループは、主要連結子会社においては全国に営業拠点を配置し、コンピュータセンターで集中処理を行う全国的なネットワークシステムを構築しております。
このため、自然災害によるデータの紛失・損壊、コンピュータウイルスの侵入によるシステム障害、不正アクセスによる情報流出等に備え、インフラの冗長化、データのバックアップ、データセンターの利用、セキュリティーの強化等の対策を講じております。
しかしながら、将来において、大規模な自然災害、未知のコンピュータウイルスの侵入・不正アクセス等が発生した場合は、情報システムの停止、信用力の低下等により、グループの業務遂行の継続に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、復旧費用の計上等により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(7)金利情勢に関するリスク
当社グループは、仕入・販売活動及び設備投資等に要する資金の一部を金融機関から借入により調達しております。2024年3月末日における借入金残高は連結ベース26,053百万円であります。
このため、金利の上昇に備え、借入金の絶対量の縮減に努めるとともに、資金使途に対応した適切な資金調達方法を都度、選択しております。
しかしながら、将来において、経済情勢の急激な変化等により金利が大幅に上昇した場合は、仕入・販売活動及び設備投資等の縮小・延期等により業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、支払利息の計上等により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(8)為替レートの変動に関するリスク
当社グループが行う事業の取引形態においては、海外から直接調達する輸入水産物や海外へ直接販売する輸出水産物の取扱いが一定量含まれております。
このため、為替レートの変動による一定の為替差損の要素をヘッジするため、基本的に、取引ごとに為替予約を行っております。
しかしながら、将来において、急激な為替レートの変動が発生した場合は、調達価額や販売価額が大幅に高騰すること等により業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少等により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(9)退職給付制度に関するリスク
当社グループの一部の連結子会社においては、退職給付制度として確定給付企業年金制度を採用しております。
このため、確定給付企業年金制度における国内外の株式・債券市場等の低迷による年金資産の時価下方変動に備え、当該制度と年金資産の時価下方変動を考慮する必要のない退職一時金制度とを併用して運用しております。また、確定給付企業年金制度の運用にあたっては、専門性と運用得意分野が異なる複数の運用機関に委託し、運用効率の向上及び運用リスクの分散に努めております。
しかしながら、将来において、大幅な年金資産の時価下方変動や退職給付債務の算定に用いる割引率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件と実際の運用結果に大幅な乖離が生じる可能性があり、実際の退職給付費用が見積額に比して大幅に増加することにより、経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(10)不正に関するリスク
当社グループは、全国に営業拠点を配置し営業活動を行っており、業務遂行に係る直接的な管理業務は拠点ごとに分散化せざるを得ない状況にあります。
このような状況下において、当社は、内部統制を整備するとともに、役職員の不正・不法行為を未然に防止するため、「グループ行動規範」を制定し、コンプライアンス研修・意識調査を実施するとともに、連結子会社からはコンプライアンスに関する計画及び実施状況について報告を求め、内部通報窓口を設置するなどコンプライアンスの遵守の徹底に努めております。
しかしながら、将来において、役職員が重大な不正・不法行為を行い、当社グループの複数の内部統制がことごとく看過した場合は、信用力の低下に加えて当該事案に係る調査による事業の制約等によりグループ全体の業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、不正・不法行為に係る損失等の計上により、経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(11)法規制等に関するリスク
当社グループは、国内外で事業を遂行していくうえで、卸売市場法、漁業法、食品衛生法等の様々の法規制の適用を受けております。
このため、当社グループは、品質管理部門を設置し、食品関係法令に対応するとともに、企画、総務、人事、経理部門等が各々関係する法令の改正動向に対応しております。
また、「グループ行動規範」を制定し、コンプライアンス研修・意識調査を実施するとともに、連結子会社からはコンプライアンスに関する計画及び実施状況について報告を求め、内部通報窓口を設置するなど、コンプライアンスの遵守の徹底に努めております。
しかしながら、将来において、これらの法令への対応、職場での徹底が不充分なこと等により法令に違反する事案が発生した場合、事業活動の停止等の制約によりグループ全体の業務遂行に支障が生じる可能性があり、多大な売上高の減少、不法行為等に係る損失等の計上等により経営成績等が悪影響を受けるリスクがあります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の扱いが感染症法の「5類」に移行し、経済活動は正常化してきており、所得情勢には回復への足踏みがみられるものの、個人消費、設備投資、生産活動、雇用情勢には持ち直しの動きがみられます。
消費者心理は、消費者物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、厳しい状況にあります。また、消費者購買行動では、生活防衛意識を反映し、節約志向が継続しています。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の正常化が進み、外食・宿泊・インバウンド関連需要は回復しつつあるものの、内食関連需要は消費者物価の高止まり等から総じて縮小しつつあります。
また、価格動向については、円安やコスト上昇などを反映して、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は一部に下落はあるものの全般的に上昇し、これに呼応して販売価格も上昇しています。
業界環境としては、価格上昇により需要が全般的に伸び悩む中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にあります。
このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。
また、前中計の最終年度に当たり、当社グループは、引き続きグループ横断的な4つの重点テーマである「鮮魚事業(取引)の拡大」、「加工事業(取引)の拡大」、「エリア戦略の推進」、「海外事業の推進」について、バリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、業績を向上させるべく取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,162百万円増加し、91,150百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,096百万円増加し、60,156百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,066百万円増加し、30,994百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は333,197百万円(前年同期比102.5%)となりました。損益面では、売上総利益は28,214百万円(前年同期比99.1%)となり、営業利益3,122百万円(前年同期比78.2%)、経常利益3,912百万円(前年同期比91.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,618百万円(前年同期比117.5%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<水産物荷受事業>
中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、外食・中食関連の販売は回復傾向にある一方で、総じて商品調達コストが上昇する中で内食関連需要は縮小しつつあり、また、主要商材の一部に相場下落があり、当該在庫の早期販売を積極的に進めたことにより、売上高201,724百万円(前年同期比101.1%)、セグメント利益2,010百万円(前年同期比81.7%)となりました。
<市場外水産物卸売事業>
全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、外食・宿泊・インバウンド関連需要が回復しつつあることに加え、商品調達コスト等が上昇する中、販売価格への価格転嫁を進めたことにより、売上高131,381百万円(前年同期比103.9%)、セグメント利益1,437百万円(前年同期比346.7%)となりました。
<養殖事業>
九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、養殖ブリの在池量が多く販売価格が低下したことに加え、餌料の高騰等による生産原価の上昇もあり、売上高9,175百万円(前年同期比98.4%)、セグメント損失453百万円(前年同期はセグメント利益1,096百万円)となりました。
<食品加工事業>
消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、量販店向けの米飯加工やホテル・ブライダル向けの販売は回復傾向にあるものの、輸入原料の調達コストが高止まりしていることに加え、カット野菜の販売が減少したことにより、売上高4,368百万円(前年同期比99.2%)、セグメント損失91百万円(前年同期はセグメント損失77百万円)となりました。
<物流事業>
物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、運送原価の上昇はありましたが、センター業務売上及びギフト作業売上が増加したことにより、売上高1,745百万円(前年同期比104.8%)、セグメント利益8百万円(前年同期比107.3%)となりました。
<その他>
グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高4,911百万円(前年同期比115.7%)、セグメント利益81百万円(前年同期はセグメント損失53百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて310百万円減少し、2,425百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,007百万円の収入(前年同期は682百万円の収入)となりました。売上債権の増加4,615百万円(前年同期は1,708百万円の増加)、棚卸資産の増加1,392百万円(前年同期は1,360百万円の増加)による支出がありましたが、税金等調整前当期純利益3,748百万円(前年同期は4,488百万円)の計上、仕入債務の増加4,536百万円(前年同期は136百万円の減少)が主な資金の増加要因となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,204百万円の支出(前年同期は936百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出613百万円(前年同期は1,048百万円の支出)が主な資金の減少要因となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,113百万円の支出(前年同期は399百万円の収入)となりました。借入金の減少による純支出735百万円(前年同期は1,132百万円の純収入)が主な資金の減少要因となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産、受注及び販売の実績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しているため省略いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、69,908百万円(前連結会計年度末63,490百万円)となり、前連結会計年度末に比べ6,418百万円の増加となりました。増加の主な要因は、売掛金の増加(前連結会計年度末30,407百万円から当連結会計年度末35,258百万円と4,850百万円の増加)、棚卸資産の増加(前連結会計年度末29,421百万円から当連結会計年度末30,813百万円と1,392百万円の増加)によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、21,241百万円(前連結会計年度末18,497百万円)となり、前連結会計年度末に比べ2,744百万円の増加となりました。増加の主な要因は、投資有価証券の増加(前連結会計年度末5,008百万円から当連結会計年度末6,842百万円と1,834百万円の増加)、新基幹システム構築などに伴う無形固定資産に含まれるソフトウエアの増加(前連結会計年度末170百万円から当連結会計年度末373百万円と203百万円の増加)及びソフトウエア仮勘定の増加(前連結会計年度末690百万円から当連結会計年度末956百万円と266百万円の増加)、退職給付に係る資産の増加(前連結会計年度末781百万円から当連結会計年度末1,464百万円と683百万円の増加)によるものであります。減少の主な要因は、有形固定資産の減少(前連結会計年度末10,663百万円から当連結会計年度末10,294百万円と369百万円の減少)によるものであります。投資有価証券の増加は主に、株価の上昇に伴う増加(前連結会計年度末1,809百万円から当連結会計年度末3,648百万円と1,838百万円の増加)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、50,888百万円(前連結会計年度末46,516百万円)となり、前連結会計年度末に比べ4,371百万円の増加となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の増加(前連結会計年度末20,778百万円から当連結会計年度末25,428百万円と4,649百万円の増加)、1年内返済予定の長期借入金の増加(前連結会計年度末2,535百万円から当連結会計年度末3,059百万円と523百万円の増加)によるものであります。減少の主な要因は、短期借入金の減少(前連結会計年度末17,753百万円から当連結会計年度末16,658百万円と1,094百万円の減少)によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、9,267百万円(前連結会計年度末9,543百万円)となり、前連結会計年度末に比べ275百万円の減少となりました。減少の主な要因は、長期借入金の減少(前連結会計年度末6,500百万円から当連結会計年度末6,335百万円と164百万円の減少)、退職給付に係る負債の減少(前連結会計年度末2,335百万円から当連結会計年度末2,281百万円と54百万円の減少)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、30,994百万円(前連結会計年度末25,927百万円)となり、前連結会計年度末に比べ5,066百万円の増加となりました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度末13,002百万円から当連結会計年度末16,252百万円と3,250百万円の増加)、その他有価証券評価差額金の増加(前連結会計年度末1,217百万円から当連結会計年度末2,506百万円と1,289百万円の増加)によるものであります。
2)経営成績
(売上高及び売上総利益)
水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の正常化が進み、外食・宿泊・インバウンド関連需要は回復しつつあるものの、内食関連需要は消費者物価の高止まり等から総じて縮小しつつあります。
また、価格動向については、円安やコスト上昇などを反映して、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は一部に下落はあるものの全般的に上昇し、これに呼応して販売価格も上昇しています。
業界環境としては、価格上昇により需要が全般的に伸び悩む中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にあります。
このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2.5%増収の333,197百万円となったものの、商品調達コスト等の上昇により、売上総利益は、前連結会計年度に比べ0.9%減益の28,214百万円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、間接経費全般について節減等効率化を進めましたが、保管料等直接経費、光熱費の上昇により、前連結会計年度に比べ616百万円増加の25,091百万円となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ21.8%減益の3,122百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、790百万円の収益(純額)と前連結会計年度の285百万円の収益(純額)から504百万円の収益の増加(純額)となりました。主な要因は、養殖事業における養殖用配合飼料の価格の高騰などによる補助金収入の増加(前連結会計年度125百万円から当連結会計年度577百万円と451百万円の増加)によるものであります。経常利益は、売上総利益の減益により、前連結会計年度に比べ8.5%減益の3,912百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、特別利益として受取保険金281百万円などの計上がありましたが、特別損失として災害による損失317百万円、事業整理損84百万円などの計上により、前連結会計年度に比べ16.5%減益の3,748百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等控除後の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の減少(前連結会計年度1,410百万円から当連結会計年度130百万円と1,279百万円の減少)により、前連結会計年度に比べ17.5%増益の3,618百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
|
回次 |
第74期 |
第75期 |
第76期 |
第77期 |
第78期 |
|
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
|
自己資本比率(%) |
29.8 |
31.8 |
30.3 |
31.6 |
34.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
21.1 |
22.7 |
19.3 |
16.4 |
15.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
5.8 |
8.9 |
- |
39.2 |
13.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
21.3 |
14.8 |
- |
3.4 |
10.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※第76期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、新型コロナウイルス禍から国内の経済活動は正常化していくものと予想されますが、円安の進行、消費者物価の高騰、実質賃金の減少など厳しい経済情勢が続くものと見込まれます。
水産物流通業界におきましては、需要動向については、外食・宿泊・インバウンド関連需要は堅調に推移するものの、内食関連需要は生活防衛意識を反映して総じて伸びにくい状況下にあると予測されます。
当社におきましては、前中計の遂行期間が終了し、一部指標等に未達はあるものの、業績値は累計期間で計画を達成することができました。
2024年度からは、新たに3カ年(2026年度まで)を対象とした本中計(2024年5月10日公表)を策定し、遂行してまいります。
本中計は、グループの経営環境を再確認するとともに、基本的には前中計の考え方を踏襲し、前中計の遂行によって得られた知見等を踏まえ、その発展形として策定しました。
事業推進に当たっては、継続してバリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、1.「鮮魚事業の強化」、2.「商品力の強化」、3.「関東マーケットの深耕・拡大」、4.「海外事業の拡大」、5.「サステナブルな事業活動」に取り組んでまいります。
また、経営基盤の整備・強化に当たっては、1.「事業ポートフォリオの見直し等の財務関連」、2.「人的資本充実等の人事関連」、3.「基幹業務システム導入等のシステム関連」、4.「IRの体制整備・充実」、5.「品質保証活動の充実・高度化」、6.「サステナビリティの推進」、7.「共通機能の高度化」のテーマに取り組んでまいります。
このような企業活動を通じ、「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けて取り組むとともに、お客様に価値ある商品とサービスを提供することにより食文化の発展に貢献し、企業価値を最大化してまいります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
16,658 |
16,658 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
9,394 |
3,059 |
5,975 |
220 |
138 |
|
リース債務 |
4 |
1 |
2 |
0 |
- |
3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品・原材料仕入費用及び食品加工場運営費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報システムの高度化等であります。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しまして、運転資金については短期借入金で、加工設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2024年3月31日現在、長期借入金の残高は9,394百万円であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、前中計の遂行期間が終了し、一部指標等に未達はあるものの、業績値は累計期間で計画を達成することができました。
前中計の最終年度である2023年度の目標値は、売上高330,000百万円、営業利益2,700百万円、経常利益3,500百万円、ROE(自己資本当期純利益率)8.0%、ROIC(投下資本利益率)5.0%、自己資本比率35%であり、当連結会計年度の実績は、売上高333,197百万円、営業利益3,122百万円、経常利益3,912百万円、ROE(自己資本利益率)12.7%、ROIC(投下資本利益率)4.0%、自己資本比率34.0%となりました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<水産物荷受事業>
中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、外食・中食関連の販売は回復傾向にある一方で、総じて商品調達コストが上昇する中で内食関連需要は縮小しつつあり、また、主要商材の一部に相場下落があり、当該在庫の早期販売を積極的に進めたことにより、売上高201,724百万円(前年同期比101.1%)、セグメント利益2,010百万円(前年同期比81.7%)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加、棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ3,909百万円増加の40,143百万円となりました。
<市場外水産物卸売事業>
全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、外食・宿泊・インバウンド関連需要が回復しつつあることに加え、商品調達コスト等が上昇する中、販売価格への価格転嫁を進めたことにより、売上高131,381百万円(前年同期比103.9%)、セグメント利益1,437百万円(前年同期比346.7%)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加、ソフトウエア仮勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ2,101百万円増加の34,647百万円となりました。
<養殖事業>
九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、養殖ブリの在池量が多く販売価格が低下したことに加え、餌料の高騰等による生産原価の上昇もあり、売上高9,175百万円(前年同期比98.4%)、セグメント損失453百万円(前年同期はセグメント利益1,096百万円)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加、棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ2,111百万円増加の8,376百万円となりました。
<食品加工事業>
消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、量販店向けの米飯加工やホテル・ブライダル向けの販売は回復傾向にあるものの、輸入原料の調達コストが高止まりしていることに加え、カット野菜の販売が減少したことにより、売上高4,368百万円(前年同期比99.2%)、セグメント損失91百万円(前年同期はセグメント損失77百万円)となりました。
セグメント資産は、棚卸資産の増加、機械装置の増加により、前連結会計年度末に比べ51百万円増加の2,389百万円となりました。
<物流事業>
物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、運送原価の上昇はありましたが、センター業務売上及びギフト作業売上が増加したことにより、売上高1,745百万円(前年同期比104.8%)、セグメント利益8百万円(前年同期比107.3%)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加、機械装置の増加により、前連結会計年度末に比べ28百万円増加の279百万円となりました。
<その他>
グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高4,911百万円(前年同期比115.7%)、セグメント利益81百万円(前年同期はセグメント損失53百万円)となりました。
セグメント資産は、棚卸資産の増加、リース投資資産の増加により、前連結会計年度末に比べ35百万円増加の1,912百万円となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。