第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は政府、日銀の懸命な景気浮揚策にも拘わらず、その効果にも陰りが見られ、懸案であるデフレ脱却にも黄信号が灯るなど本格的な景気回復には至りませんでした。
 当社グループを取り巻く繊維・アパレル業界におきましても、長期にわたる消費低迷の状況は変わらず、毎年のことながら長雨、暖冬など天候の不安要因の影響もあり厳しい状況が続いております。
 このような状況の下、当社グループの事業環境も厳しさを増しており、引き続き手を緩めることなく、グループ企業すべての事業内容の洗い直しを進め、一層の経営効率の向上を目指しております。
 今期におきましては、これまで順調に推移しておりました海外市場、特に香港、中国での販売の落ち込みの影響が大きく、また国内市場でも消費低迷の影響を受け売上、利益とも低調に推移致しましたので営業成績は厳しい結果に終わりました。また債権の一部に回収不安が見込まれるため、引当金を計上したこともあり利益面では大幅な減益となりました。
 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比13.0%減の33,244百万円、営業利益は前期比47.3%減の1,718百万円、経常利益は前期比44.6%減の2,102百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比51.1%減の1,569百万円となりました。
 また、個別業績につきましては、売上高は8,095百万円、営業利益は1,053百万円、経常利益は2,011百万円、当期純利益は2,031百万円となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

①  ファッション関連事業

ファッションブランド商品の販売におきまして、国内市場では依然として低迷状態が続いており、全国の主要百貨店においても特に婦人アパレル分野では消費の回復の傾向はみられません。このため不採算店舗からの撤退や人件費、広告宣伝費を中心とした諸経費の削減に努め、経営の効率化、収益力の向上に努めております。
 また海外市場では、景気の低迷が言われる中これまで好調に推移しておりました中国での販売が急速に悪化、売上、利益とも大きく数字を落としました。このため店舗戦略の見直しをはかり、今後に向け新しい代理商との契約を結ぶなど、販売ルートの多様化、販売戦略の立て直しを進めております。

以上の結果、当事業全体の売上高は前期比11.1%減の17,603百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比23.7%減の2,073百万円となりました。

 

②  繊維生活関連事業

OEM事業分野では、長期にわたる消費低迷が続くなかで、取引先企業の事業絞込みや取扱アイテムの廃止など事業効率化の動きが急速に進んでおり、市況は厳しい状況が続いております。この動きに対応する為、企画提案力の強化や迅速な供給体制を図るなど取引先企業と一体となった取組に努めてまいりましたが、債権の一部に回収不安が見込まれる為、引当金を計上したこともあり、営業損失となりました。
 また枕事業におきましては、厳しい価格競争の中で大幅な減収となり、営業損失となりました。なお、今後主力分野に事業の選択と集中を徹底するため、平成28年3月31日付で当該関係会社株式の全株式を譲渡いたしました。
 以上の結果、当事業全体の売上高は前期比14.3%減の14,462百万円、セグメント損失(営業損失)は446百万円(前期は332百万円のセグメント利益)となりました。

 

③  不動産賃貸事業

大阪の賃貸ビルをメインとして、東京・横浜・神戸等の不動産に係る賃貸事業につきまして、売上高は前期比1.8%減の1,738百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比4.6%減の472百万円となりました。

 

 

④  その他

ビルメンテナンス事業、内装工事業等その他の事業につきまして、売上高は前期比27.6%減の983百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比16.8%減の49百万円となりました。

 

(注)上記のセグメント売上高には合計1,543百万円のセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,505百万円増加(前連結会計年度は580百万円の増加)し、当連結会計年度末には8,749百万円(前連結会計年度末における現金及び現金同等物は、7,243百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上額が2,484百万円、売上債権の減少額が1,546百万円ありました。その一方で法人税等の支払額が709百万円あったことなどにより、3,318百万円の収入(前連結会計年度は3,300百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が772百万円あったことなどにより、737百万円の収入(前連結会計年度は196百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額が1,169百万円、配当金の支払額が679百万円、長期借入金の返済による支出(1年内返済予定の長期借入金を含む)が520百万円あったことなどにより、2,463百万円の支出(前連結会計年度は2,641百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産金額は僅少であるため記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ファッション関連事業

17,603

△11.1

繊維生活関連事業

14,462

△14.3

不動産賃貸事業

1,738

△1.8

その他

983

△27.6

調整額

△1,543

合計

33,244

△13.0

 

(注) 1  上記の金額には、セグメント間の取引を含んでおります。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

企業を取り巻く環境は、不透明な要因も多く厳しい状況のまま推移するものと思われます。かかる状況の中にあって当社グループとしては、ブランドを軸としたグローバル戦略を推進し、国内事業の安定的な収益の確保と海外事業の拡大による成長戦略を着実に実行してまいる所存であります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人の企業である」「挑戦の企業である」「共存共栄の企業である」「社会的責任の企業である」という4つの企業理念のもと、「株主」に対する責任を果たし、「顧客」満足度を最大限に高め、「従業員」の豊かな生活の実現を目指すことを究極の目標としています。
 三共生興株式会社は、創業以来100年にならんとする歴史の中で繊維専門商社として培ったノウハウを駆使し、ファッション関連事業、繊維生活関連事業などを行う事業会社を傘下に構成する事業持株会社として、世界を舞台に挑戦するグローバルな事業を展開し、高効率経営に徹した事業活動を展開することで連結経営の強化とグループ企業価値の極大化を図ります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、知的財産権の活用によるライセンスビジネスや保有不動産の有効活用により安定的な収益を確保する不動産賃貸事業を展開する事業持株会社を中心に、原料から加工、企画、生産、販売に至るまで繊維製品を一貫して供給することができる当社グループの特色を生かし機動力あふれた高効率経営に徹した事業活動を積極的に展開してまいります。

また、「DAKS」を核として高級ゾーンをターゲットとしたブランド戦略を推し進め、国内はもとより欧米、アジア等グローバルにブランドビジネスを展開し、事業を拡大してまいります。 

 

(3) グループ経営の実践

企業を取り巻く環境は、不透明な要因も多く厳しい状況のまま推移するものと思われます。かかる状況のなかにあって、当社グループはより強固な企業体となるよう引き続き事業構造の改革、高効率経営の推進に積極的に取り組んでまいります。

また、グループ会社間にあっては、グループ力を総合的に発揮できるよう、より効率的な相互補完的関係を構築するとともに、当社グループの強みである企画、生産から販売までの一貫した商品供給体制を生かした高収益の企業集団の確立を推し進めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、平成28年3月31日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) ファッショントレンドの変動や消費者の嗜好の変化などによる影響

当社グループの主要なセグメントであるファッション関連事業、繊維生活関連事業は、衣料品を中心としたファッション性の高い商品を取り扱っております。当社グループは、ファッションブランドを中心に商品企画力を高めるとともに、高品質の商品を適正価格で顧客に提供することを経営方針の一つとしております。しかしながら当社グループの主なターゲットは、ファッション動向に敏感で消費意欲の高い顧客層であり、同業他社との競争が最も激しく、ファッショントレンドや消費者の嗜好の短期的な変化により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 気候変動、自然災害による影響

当社グループの取り扱っている衣料品等は、気候変動の影響を受けやすい商品であるため、クイックレスポンス対応を含めた生産体制の整備に取り組んでおりますが、冷夏、暖冬のような天候不順や、風水害、震災などの自然災害によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

(3) ライセンスブランド契約等の状況による影響

当社グループの主要な事業は、海外有名ファッションブランドの独占輸入契約やライセンス契約に基づくブランドビジネスであるため、契約更新の成否や契約条件の変更、契約ブランドの販売動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの業績は、主力ブランドである「DAKS」に対する依存度が高いため、「DAKS」の販売の成否に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(4) 取引先の信用リスクによる影響

当社グループは、国内および海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクを有しております。信用リスクの管理を行うため、当社の審査部門が取引先を業容面・資力面から評価し、信用限度の設定を行っております。また信用限度については、信用状態を定期的・継続的に把握し不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。しかしながら特定の取引先の信用状態が悪化し当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、特定の取引先に対する債権の貸倒等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価変動による影響

当社グループは、取引先との安定的・長期的な取引関係の維持・強化を目的として取引先の株式を長期保有しております。これらの株式については価格変動リスクがあり、今後の株価の動向、出資先の業況によっては、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、平成28年3月末現在の投資有価証券の連結貸借対照表計上額は14,307百万円となっております。

 

(6) 固定資産の経済価値変動による影響

当社グループのセグメントである不動産賃貸事業におきましては、当社グループ保有の固定資産の優良化、流動化を図っておりますが、今後、土地評価の変動、市況の変化、天災等の影響に伴い、減損処理の止むなきにいたるなど、保有固定資産の経済価値が変動する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 為替変動による影響

当社グループは、輸出入取引等に係る為替変動リスクに対して、実需の範囲内で成約時に為替予約を行い、為替リスクのヘッジを行っておりますが、今後予測を超えた為替レートの変動があれば、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 個人情報の流出による影響

当社グループでは、保有する個人情報や機密事項に関する情報に関しては、社内管理体制を整備して厳重な管理を行っておりますが、事故や犯罪など予期せぬ事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 主要な技術受入契約

 

契約会社名

相手先の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

三共生興株式会社
(当社)

レオナール
ファッション社

フランス

高級婦人服、
身の回り品、
タオル、寝具類、雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾
台湾における販売権の許諾

自 平成13年1月1日
至 平成32年12月31日

三共生興株式会社
(当社)

フェリックス
ビューラー社

スイス

高級婦人服、
身の回り品、
紳士服、
雑貨等を含む
あらゆる商品

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成22年4月1日
至 平成32年3月31日

三共生興株式会社
(当社)

ミッソーニ社及び  T&J VESTOR社

イタリア

寝具類、
タオル、雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成25年1月1日
至 平成29年12月31日

三共生興株式会社
(当社)

S.I.P.C.社

フランス

紳士・婦人・子供服、雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成24年1月1日
至 平成28年12月31日

 

(注)  上記の技術受入契約においては、それぞれ売上高に対して一定率のロイヤリティーを支払っております。

 

(2) 主要な賃貸契約

 

契約会社名

相手先の名称

契約内容

契約期間

株式会社横浜テキ
スタイル倶楽部
(連結子会社)

株式会社東横イン

株式会社横浜テキスタイル倶楽部が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成15年9月1日
至 平成45年8月31日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成18年1月23日
至 平成48年1月22日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が東京都中央区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成22年12月15日
至 平成52年12月14日

 

 

(3) 子会社株式の売却

当社は、平成28年3月25日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるロフテー株式会社の全株式を株式会社エアウィーヴへ譲渡することを決議のうえ、同日付で株式譲渡契約を締結し、平成28年3月31日に譲渡しております。
 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。
 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 財政状態の分析

①  流動資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて659百万円(3.3%)減少し、19,104百万円となりました。

これは、受取手形及び売掛金が1,761百万円減少した一方で、現金及び預金が1,328百万円増加したことなどによるものであります。

 

②  固定資産

固定資産は、前連結会計年度末に比べて5,679百万円(15.0%)減少し、32,203百万円となりました。

これは、投資有価証券が4,603百万円減少したことなどによるものであります。

 

③  流動負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,415百万円(10.0%)減少し、12,795百万円となりました。

これは、短期借入金が1,240百万円減少、支払手形及び買掛金が564百万円減少したことなどによるものであります。

 

④  固定負債

固定負債は、前連結会計年度末に比べて2,216百万円(27.6%)減少し、5,800百万円となりました。

これは、繰延税金負債が1,596百万円減少、長期借入金が420百万円減少したことなどによるものであります。

 

⑤  純資産

純資産は、前連結会計年度末に比べて2,707百万円(7.6%)減少し、32,712百万円となりました。

これは、その他有価証券評価差額金が2,912百万円減少、純資産から控除している為替換算調整勘定が627百万円増加した一方で、利益剰余金が890百万円増加したことなどによるものであります。

 

 

(2) 経営成績の分析

①  売上高及び売上総利益

前連結会計年度まで順調に推移しておりました海外市場、特に香港、中国での販売の落ち込みの影響が大きく、また国内市場でも消費低迷の影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べて4,955百万円(13.0%)減の33,244百万円となり、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,012百万円(12.7%)減の13,794百万円となりました。

 

②  営業利益及び経常利益

販売費及び一般管理費の合計額が前連結会計年度に比べて471百万円減少しましたが、売上高減少の影響が大きく営業利益は前連結会計年度に比べて1,540百万円(47.3%)減の1,718百万円となりました。

経常利益につきましては、前連結会計年度の営業外収益に計上しておりました為替差益70百万円が、当連結会計年度は営業外費用の為替差損10百万円に転じたこと、また、受取手数料が前連結会計年度に比べて41百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて1,691百万円(44.6%)減の2,102百万円となりました。

 

③  税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

関係会社株式売却益401百万円、立退料収入90百万円の特別利益が発生した一方で、特別退職金66百万円の特別損失が発生したことなどにより、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて1,309百万円(34.5%)減の2,484百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度に比べて369百万円増加した一方で、同調整額が前連結会計年度に比べて38百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて1,639百万円(51.1%)減の1,569百万円となりました。

 

また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の70円89銭から36円21銭減の34円68銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1 業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。