第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、中国をはじめ新興国経済の景気減速、英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向の影響などにより先行き不透明な状況で推移いたしました。
 当社グループを取り巻く繊維・アパレル業界におきましては、長引く消費低迷の状況は変わらず、更にこれまで購買層の一翼を担ってきた海外旅行客の行動様式がモノからコトへとの変化も見られるなど、衣料品販売にとっては影響も大きく、更に厳しい状況が続くものと言われております。
 このような状況の下、当社グループは収益重視の姿勢を徹底、益率の向上や経費の削減を図るなど一層の経営効率の向上を目指しております。
 今期におきましては、厳しい状況下、国内外とも販売が伸びず減収とはなりましたが、税金の削減効果など収益面でのプラス効果もありましたので、営業利益以下、増益となりました。
 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比12.9%減の28,970百万円、営業利益は前期比11.9%増の1,923百万円、経常利益は前期比17.9%増の2,478百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.1%増の1,837百万円となりました。
 また、個別業績につきましては、売上高は6,848百万円、営業利益は661百万円、経常利益は1,470百万円、当期純利益は1,279百万円となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

なお、当連結会計年度より、従来「繊維生活関連事業」としていたセグメントの名称を「繊維関連事業」へ変更しております。セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

①  ファッション関連事業

ファッションブランド商品の販売におきましては、国内市場では依然として消費低迷の状況は変わらず、全国主要百貨店での売上も低迷、経費面から人件費、広告宣伝費などの削減に努めましたが、一方で直営店開設の費用なども生じましたので削減の効果は限定的なものに留まりました。
 また、海外市場におきまして、主力のアジア市場でも苦戦、特に香港では家賃等高止まりする経費を吸収出来ず、中国市場、台湾市場におきましても販売が伸びず減収となりました。

一方、欧州子会社につきましては経費削減に加え、為替のメリットもありましたので増益となりました。

以上の結果、当事業全体の売上高は前期比8.5%減の16,099百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比45.5%減の1,131百万円となりました。

 

②  繊維関連事業

OEM事業につきましては、取引先各社のブランド絞込み、生産縮小など事業内容の見直しが進んでおり、受注競争も厳しく減収となりましたが、一方で新規取引先の開拓も進め、徐々に成果も表れてきましたので、今後拡大に向けて注力してまいります。また、経費面ではシステム切替えによる情報関係費用の削減をはじめ諸経費の削減にも努めましたので、減収ながら利益面では増益となりました。
 なお、前期には譲渡した子会社の売上、損益を含んでおりましたので前期比較に影響しております。
 以上の結果、当事業全体の売上高は前期比21.5%減の11,345百万円、セグメント利益(営業利益)は459百万円(前期は446百万円のセグメント損失)となりました。

 

 

③  不動産賃貸事業

大阪の賃貸ビルをメインとして、東京・横浜・神戸等の不動産に係る賃貸事業につきましては、稼働率が上がり増収増益となりました。

以上の結果、当事業全体の売上高は前期比3.9%増の1,805百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比28.7%増の607百万円となりました。

 

④  その他

ビルメンテナンス事業、内装工事業等その他の事業につきまして、売上高は前期比4.9%減の935百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比50.8%減の24百万円となりました。

 

(注)上記のセグメント売上高には合計1,214百万円のセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて319百万円増加(前連結会計年度は1,505百万円の増加)し、当連結会計年度末には9,069百万円(前連結会計年度末における現金及び現金同等物は、8,749百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上額が2,321百万円、減価償却費の計上額が720百万円、売上債権の減少額が544百万円、たな卸資産の減少額が370百万円ありました。その一方で法人税等の支払額が1,294百万円あったことなどにより、2,842百万円の収入(前連結会計年度は3,318百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が339百万円ありました。その一方で有形固定資産の売却による収入が331百万円あったことなどにより、50百万円の支出(前連結会計年度は737百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額が1,198百万円、配当金の支払額が678百万円、長期借入金の返済による支出(1年内返済予定の長期借入金を含む)が420百万円あったことなどにより、2,384百万円の支出(前連結会計年度は2,463百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産金額は僅少であるため記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ファッション関連事業

16,099

△8.5

繊維関連事業

11,345

△21.5

不動産賃貸事業

1,805

3.9

その他

935

△4.9

調整額

△1,214

合計

28,970

△12.9

 

(注) 1.上記の金額には、セグメント間の取引を含んでおります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人の企業である」「挑戦の企業である」「共存共栄の企業である」「社会的責任の企業である」という4つの企業理念のもと、「株主」に対する責任を果たし、「顧客」満足度を最大限に高め、「従業員」の豊かな生活の実現を目指すことを究極の目標としています。
 三共生興株式会社は、創業以来100年にならんとする歴史の中で繊維専門商社として培ったノウハウを駆使し、ファッション関連事業、繊維関連事業などを行う事業会社を傘下に構成する事業持株会社として、世界を舞台に挑戦するグローバルな事業を展開し、高効率経営に徹した事業活動を展開することで連結経営の強化とグループ企業価値の極大化を図ります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループの主たる経営指標としては、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標とし、収益性、効率性の高い経営を目指しております。
 中長期的にキャッシュ・フロー重視の経営を推進し、売上高経常利益率のさらなる向上を目指すとともに、投資効率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、知的財産権の活用によるライセンスビジネスや保有不動産の有効活用により安定的な収益を確保する不動産賃貸事業を展開する事業持株会社を中心に、原料から加工、企画、生産、販売に至るまで繊維製品を一貫して供給することができる当社グループの特色を生かし機動力あふれた高効率経営に徹した事業活動を積極的に展開してまいります。

また、「DAKS」を核として高級ゾーンをターゲットとしたブランド戦略を推し進め、国内はもとより欧米、アジア等グローバルにブランドビジネスを展開し、事業を拡大してまいります。 

 

(4) 会社の対処すべき課題

企業を取り巻く環境は、不透明な要因も多く厳しい状況のまま推移するものと思われます。かかる状況の中にあって当社グループとしては、ブランドを軸としたグローバル戦略を推進し、国内事業の安定的な収益の確保と海外事業の拡大による成長戦略を着実に実行してまいる所存であります。

 

(5) グループ経営の実践

グループ会社間にあっては、グループ力を総合的に発揮できるよう、より効率的な相互補完的関係を構築するとともに、当社グループの強みである企画、生産から販売までの一貫した商品供給体制を生かした高収益の企業集団の確立を推し進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、平成29年3月31日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) ファッショントレンドの変動や消費者の嗜好の変化などによる影響

当社グループの主要なセグメントであるファッション関連事業、繊維関連事業は、衣料品を中心としたファッション性の高い商品を取り扱っております。当社グループは、ファッションブランドを中心に商品企画力を高めるとともに、高品質の商品を適正価格で顧客に提供することを経営方針の一つとしております。しかしながら当社グループの主なターゲットは、ファッション動向に敏感で消費意欲の高い顧客層であり、同業他社との競争が最も激しく、ファッショントレンドや消費者の嗜好の短期的な変化により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 気候変動、自然災害による影響

当社グループの取り扱っている衣料品等は、気候変動の影響を受けやすい商品であるため、クイックレスポンス対応を含めた生産体制の整備に取り組んでおりますが、冷夏、暖冬のような天候不順や、風水害、震災などの自然災害によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

(3) ライセンスブランド契約等の状況による影響

当社グループの主要な事業は、海外有名ファッションブランドの独占輸入契約やライセンス契約に基づくブランドビジネスであるため、契約更新の成否や契約条件の変更、契約ブランドの販売動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの業績は、主力ブランドである「DAKS」に対する依存度が高いため、「DAKS」の販売の成否に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(4) 取引先の信用リスクによる影響

当社グループは、国内および海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクを有しております。信用リスクの管理を行うため、当社の審査部門が取引先を業容面・資力面から評価し、信用限度の設定を行っております。また信用限度については、信用状態を定期的・継続的に把握し不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。しかしながら特定の取引先の信用状態が悪化し当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、特定の取引先に対する債権の貸倒等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価変動による影響

当社グループは、取引先との安定的・長期的な取引関係の維持・強化を目的として取引先の株式を長期保有しております。これらの株式については価格変動リスクがあり、今後の株価の動向、出資先の業況によっては、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、平成29年3月末現在の投資有価証券の連結貸借対照表計上額は17,635百万円となっております。

 

(6) 固定資産の経済価値変動による影響

当社グループのセグメントである不動産賃貸事業におきましては、当社グループ保有の固定資産の優良化、流動化を図っておりますが、今後、土地評価の変動、市況の変化、天災等の影響に伴い、減損処理の止むなきにいたるなど、保有固定資産の経済価値が変動する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 為替変動による影響

当社グループは、輸出入取引等に係る為替変動リスクに対して、実需の範囲内で成約時に為替予約を行い、為替リスクのヘッジを行っておりますが、今後予測を超えた為替レートの変動があれば、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 個人情報の流出による影響

当社グループでは、保有する個人情報や機密事項に関する情報に関しては、社内管理体制を整備して厳重な管理を行っておりますが、事故や犯罪など予期せぬ事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 主要な技術受入契約

 

契約会社名

相手先の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

三共生興株式会社
(当社)

レオナール
ファッション社

フランス

高級婦人服、
身の回り品、
雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾
台湾における販売権の許諾

自 平成13年1月1日
至 平成32年12月31日

三共生興株式会社
(当社)

フェリックス
ビューラー社

スイス

高級婦人服、
身の回り品、
紳士服、
雑貨等を含む
あらゆる商品

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成22年4月1日
至 平成32年3月31日

三共生興株式会社
(当社)

ミッソーニ社及び  T&J VESTOR社

イタリア

寝具類、
タオル、雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成25年1月1日
至 平成29年12月31日

 

(注)  上記の技術受入契約においては、それぞれ売上高に対して一定率のロイヤリティーを支払っております。

 

(2) 主要な賃貸契約

 

契約会社名

相手先の名称

契約内容

契約期間

株式会社横浜テキ
スタイル倶楽部
(連結子会社)

株式会社東横イン

株式会社横浜テキスタイル倶楽部が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成15年9月1日
至 平成45年8月31日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成18年1月23日
至 平成48年1月22日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が東京都中央区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成22年12月15日
至 平成52年12月14日

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 財政状態の分析

①  流動資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて369百万円(1.9%)減少し、18,734百万円となりました。

これは、受取手形及び売掛金が621百万円減少した一方で、現金及び預金が319百万円増加したことなどによるものであります。

 

②  固定資産

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,785百万円(5.5%)増加し、33,989百万円となりました。

これは、投資有価証券が3,328百万円増加した一方で、商標権が633百万円減少、建物及び構築物が343百万円減少、土地が212百万円減少したことなどによるものであります。

 

③  流動負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,088百万円(16.3%)減少し、10,706百万円となりました。

これは、短期借入金が1,205百万円減少、未払法人税等が606百万円減少したことなどによるものであります。

 

④  固定負債

固定負債は、前連結会計年度末に比べて609百万円(10.5%)増加し、6,409百万円となりました。

これは、繰延税金負債が928百万円増加した一方で、長期借入金が320百万円減少したことなどによるものであります。

 

⑤  純資産

純資産は、前連結会計年度末に比べて2,895百万円(8.9%)増加し、35,607百万円となりました。

これは、その他有価証券評価差額金が2,365百万円増加、利益剰余金が1,158百万円増加した一方で、純資産から控除している為替換算調整勘定が706百万円増加したことなどによるものであります。

 

 

(2) 経営成績の分析

①  売上高及び売上総利益

国内外とも販売が伸びず、売上高は前連結会計年度に比べて4,273百万円(12.9%)減の28,970百万円となり、売上総利益は前連結会計年度に比べて1,638百万円(11.9%)減の12,155百万円となりました。

 

②  営業利益及び経常利益

販売費及び一般管理費の合計額が前連結会計年度に比べて1,843百万円減少したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べて204百万円(11.9%)増の1,923百万円となりました。

経常利益につきましては、貸倒引当金戻入額122百万円が発生したこと、また前連結会計年度の営業外費用に計上しておりました為替差損10百万円が、当連結会計年度は営業外収益の為替差益59百万円に転じたことなどにより、前連結会計年度に比べて375百万円(17.9%)増の2,478百万円となりました。

 

③  税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

前連結会計年度に計上しておりました関係会社株式売却益401百万円、立退料収入90百万円の特別利益がなくなったこと、減損損失が前連結会計年度に比べて126百万円増加した一方で、固定資産売却益が前連結会計年度に比べて108百万円増加したことなどにより、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて162百万円(6.5%)減の2,321百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度に比べて637百万円減少した一方で、同調整額が前連結会計年度に比べて211百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べて268百万円(17.1%)増の1,837百万円となりました。

 

また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の34円68銭から5円92銭増の40円60銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1 業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。